先日登場した、Ryzen初のモバイル端末向け製品「Ryzen 5 2500U」の比較記事です。
競合製品になると思われる、Intelの「Core i5/i7」との比較をしながら実力を見ていきます。
Ryzen 5 2500U VS Core i5 Core i7(第8世代)
「Ryzen 5 2500U」と第8世代のCore i5とCore i7の主要スペックを表にまとめたものを見ていきます。
Ryzen 5 2500U 性能比較
CPU名称 | Ryzen 5 2500U | Core i5 8250U | Core i7 8550U | Core i7 7500U | Core i5 7200U |
---|---|---|---|---|---|
ベンチマークスコア | 7300 | 7600 | 8300 | 5240 | 4720 |
コア数 | 4 | 4 | 4 | 2 | 2 |
スレッド数 | 8 | 8 | 8 | 4 | 4 |
定格クロック | 2.0GHz | 1.6GHz | 1.8GHz | 2.7GHz | 2.5GHz |
最大クロック | 3.6GHz | 3.4GHz | 4.0GHz | 3.5GHz | 3.1GHz |
TDP(消費電力) | 15W | 15W | 15W | 15W | 15W |
内蔵GPU | Radeon Vega 8 Graphics | Intel UHD Graphics 620 | Intel UHD Graphics 620 | Intel HD Graphics 620 | Intel HD Graphics 620 |
GPU性能スコア | 1730 | 1040 | 1040 | 928 | 928 |
CPU性能
CPU | CPUスコア(PassMark) |
---|---|
Core i7 8550U | 8300 |
Core i5 8250U | 7600 |
Ryzen 5 2500U | 7300 |
Core i7 7500U | 5240 |
Core i5 7200U | 4720 |
「Ryzen 5 2500U」のCPU性能は、第8世代のCore i5に若干劣る程度になっています。ほぼ同程度と言っても良いレベルですね。TDPも同じなのでワットパフォーマンスも同程度となります。最新の3Dゲームや動画エンコード等でバリバリ使うにはまだ少し厳しいですが、まぁ不可能ではないといったレベル。普段使いなら十分な性能でしょう。第8世代のCore iシリーズが登場したときは、その性能とワットパフォーマンスの高さに驚愕しましたが、Ryzenもほぼ同水準のものを出してきました。
GPU性能
GPU | GPUスコア(PassMark) |
---|---|
Radeon Vega 8 Graphics(Ryzen 5 2500U) | 1730 |
Intel UHD Graphics 620(第8世代Intel) | 1040 |
Intel HD Graphics 620(第7世代Intel) | 928 |
GPU性能はRyzenが大幅に勝っています。第8世代のCore i5/i7と比較すると、約1.6倍の性能となっています。とはいえ、数値自体はどちらも高いとはいえません。かなり設定を落としても最新の重めのゲームは厳しいですね。デスクトップ向けの方では倍近い性能が出ていたので期待しすぎたのもありますが、やはり残念感はありますね。
ただし、CPU性能がほぼ同等なので、GPU性能が少しでも上なら十分魅力的です。両者のGPU性能差も、軽いゲームでは割と大きな違いが出ると思うので、ライトゲーマー向けには嬉しそうです。
ただし、CPU性能がほぼ同等なので、GPU性能が少しでも上なら十分魅力的です。両者のGPU性能差も、軽いゲームでは割と大きな違いが出ると思うので、ライトゲーマー向けには嬉しそうです。
総評
今回は、「Ryzen 5 2500U」というRyzen初のノートPC向けAPUについて見てきました。第8世代のIntelCPUが出た時は、その性能とワットパフォーマンスの高さに驚愕しましたが、Ryzenもまた驚愕させてくれました。
グラフィック面では、ノートPC用としては驚異的な性能を発揮しており、特に軽いゲームについて幅が広がると思われます。重めの最新タイトルなどはまだ厳しいと言わざるを得ない性能でしたが、性能は順調に向上しているので今後に期待です。今までは「ノートPCの内蔵GPUでは、3Dゲームのプレイは不可能」というのが一般的でしたが、それが思ったより早く揺るがされる可能性は感じさせてくれました。
また、その高いGPU性能を持ちながら、CPU性能も最新のIntelと同等のものを持っているという点は非常に評価出来る点です。一方、Intelにとっては、このRyzenは非常に嫌な存在となる事は間違いないでしょう。ノートPCでは増設用のグラボ搭載は一般的でないため、内蔵GPU性能が高いのは大きな強みですからね。
非常に期待された「初代ノートPC向けのRyzenのAPUモデル」は、現状のノートPC用の最高のCPUと言っても過言じゃない出来でした。今後も非常に楽しみです。
それでは、記事はここまでです。ご覧いただきありがとうございました。