CPUの高性能モデルとして有名な「Ryzen 7」と「Core i7」の主な違いについての比較・説明をしています。(最終更新:2018/6/22)
本記事はデスクトップ用のモデルの話で、主流CPU内での話となりますので、ご了承ください。
本記事の情報は、2018年6月22日時点のものになります。現在は異なる可能性があります。最新の情報は、お手数お掛けしますが下記をご覧ください。
はじめに
詳しい内容を見ていく前に、まず「Ryzen 7」と「Core i7」それぞれについて簡単な説明を入れておきます。大体知っているという方は、飛ばして貰って構いません。
Ryzen 7

- 非常に高いマルチスレッド性能
- GPUが未搭載(デスクトップ版・2018年6月時点)
- 付属クーラーの性能が良い
「Ryzen 7」はAMDが販売している高性能CPUのモデル名の一つです。非常に高いマルチスレッド性能を持っているのが大きな魅力です。また、Intel製のCPUと比べて、付属のクーラーが良品質なものとなっていたりします。
欠点として、デスクトップ版のRyzen 7は内蔵GPUが搭載していないので、グラフィックボードの搭載が必須となる点などがあります。
Ryzen 7はRyzenと呼ばれるシリーズの中のモデルの一つとなっています。参考にRyzenシリーズについて簡単に表にまとめました。
価格 | |
---|---|
Ryzen Threadripper | 55,000円~ |
Ryzen 7 | 30,000円~42,000円程度 |
Ryzen 5 | 20,000円~26,000円程度 |
Ryzen 3 | 13,000円~15,000円程度 |
Core i7

- 高いシングルスレッド性能
- 高いゲーミング性能
- 付属クーラーが微妙
「Core i7」はIntelが販売している高性能CPUのモデル名の一つです。シングルスレッド性能とゲーミング性能の高さが魅力です。また、Core i7は付属クーラーがTDPが95W以上のものには基本的には付属しない上、付属しているモデルでも性能自体はかなり微妙だったりします。
ちなみに、Core i7には末尾Xものがありますが、これはCore Xというシリーズのもので、「主流のCPUシリーズ」とは言い難いので、今回の記事では別モデルとして除外しています。
価格 | |
---|---|
Core X | 40,000円~ |
Core i9 | 60,000円~ |
Core i7 | 35,000円~42,000円程度 |
Core i5 | 20,000円~26,000円程度 |
Core i3 | 13,000円~15,000円程度 |
Ryzen 7の方が優れている点
マルチスレッド性能
CPU名称 |
スコア
|
---|---|
Ryzen 7 2700X |
1768
|
Ryzen 7 1800X
|
1647 |
Ryzen 7 1700 | 1436 |
Core i7 8700K | 1428 |
Ryzen 5 2600X | 1366 |
Ryzen 5 1600X | 1252 |
Core i5 8400 | 974 |
コスパ
CPU名称 |
ベンチマークスコア
(Passmark) |
価格 |
コスパ
|
付属クーラー |
---|---|---|---|---|
Ryzen 7 2700X |
17100
|
約36000円
|
0.475
|
有り(まぁまぁの性能)
|
Ryzen 7 2700
|
15600 | 約30000円 | 0.52 | 有り(まぁまぁの性能) |
Core i7 8700K | 16100 | 約41000円 | 0.393 | 無し |
Core i7 8700 | 15250 | 約34500円 | 0.442 | 有り(性能は良くない) |
Core i7の方が優れている点
ゲーミング性能
Core i7はRyzen 7よりもゲーミング性能が高いです。これは「Ryzen」側がGPUの性能を100%引き出せていないという原因によるものです。参考に20種のゲームでの平均FPS(フレームレート数)の比較を載せます。
CPU名称 |
平均FPS
|
---|---|
Core i7 8700K |
110.1
|
Core i5 8400
|
108.1 |
Ryzen 7 2700X | 100.3 |
Ryzen 5 2600X | 97.8 |
Ryzen 7 1800X | 95.1 |
Ryzen 5 1600X | 92.7 |
Ryzen 7 1700 | 90.9 |
シングルスレッド性能
CPU名称 |
スコア
|
---|---|
Core i7 8700K |
191
|
Ryzen 7 2700X
|
179 |
Ryzen 5 2600X | 176 |
Core i5 8400 | 176 |
Ryzen 5 1600X | 164 |
Ryzen 7 1800X | 164 |
Ryzen 7 1700 | 147 |
内蔵GPUの有無
Core i7では基本的に内蔵GPUが搭載されているのに対し、Ryzen 7はデスクトップ向けのモデルのほとんどがGPUを内蔵していません(末尾Gのみ搭載)。Ryzen 7ではグラフィックボードがほぼ必須となっています。ただ、このクラスの高性能CPUであれば、別途グラフィックボードを搭載するケースが多いので、大きな差ではないとも言えます。ただ、GPUが故障した場合や内蔵GPUによるエンコードがしたい場合を考えると、柔軟性では上なので優位な部分です。
Ryzen 7 VS Core i7
CPU |
Ryzen 7
|
Core i7 |
---|---|---|
マルチスレッド性能 | 大勝 | 大敗 |
シングルスレッド性能
|
負 | 勝 |
ゲーミング性能
|
負 | 勝 |
内蔵GPU
|
大体無し | 大体有り |
付属クーラー
|
基本付属 (性能も悪くない) |
付属しない場合も多い (性能も微妙) |

それぞれに適した用途
ゲーミング用途ならCore i7
コスパ・マルチスレッド性能重視ならRyzen 7
まとめ
- どちらも非常に優秀なCPU(前提)
- ゲーミング性能・シングルスレッド性能ではCore i7が有利
- ゲーミング用途ならCore i7
- コスパ・マルチスレッド性能ではRyzen 7が有利
- コスパ重視ならRyzen 7