ページが見つかりませんでした | PC自由帳 https://pcfreebook.com 主にPCやゲームについて書いています。 Sat, 23 Mar 2024 14:07:33 +0000 ja hourly 1 https://pcfreebook.com/wp-content/uploads/2019/11/cropped-pcfreebook-logo-32x32.png ページが見つかりませんでした | PC自由帳 https://pcfreebook.com 32 32 「Radeon RX 7900 GRE」ざっくり評価【性能比較】 https://pcfreebook.com/article/radeon-rx-7900-gre-first-review.html https://pcfreebook.com/article/radeon-rx-7900-gre-first-review.html#respond Thu, 07 Mar 2024 06:34:33 +0000 https://pcfreebook.com/?p=31941

AMD「Radeon RX 7900 GRE」のざっくり性能比較・評価です。海外レビューを参考に性能をざっくりと確認していきます。 参考 https://www.techpowerup.com/review/sapphi ... ]]>

AMD「Radeon RX 7900 GRE」のざっくり性能比較・評価です。海外レビューを参考に性能をざっくりと確認していきます。

注意

本記事の情報は記事執筆時点(2024年3月6日)のものです。ご覧になっている際には異なる可能性があるため注意してください。

仕様

まずは主要な仕様を表にまとめて載せています。

簡易比較表

※価格は2024年3月6日時点での米での希望小売価格です(判明しているもののみ)。

GPU シェーダー
ユニット数
メモリタイプ VRAM速度
VRAM帯域幅
レイトレ用
ユニット数
ダイサイズ
(おおよそ)
消費電力
(TGP等)
参考価格
RTX 4090 16384 GDDR6X
24GB 384bit
21.0Gbps
1008GB/s
128 608㎟ 450W 1,599ドル
RTX 4080 SUPER 10240 GDDR6X
16GB 256bit
23.0Gbps
736.3GB/s
80 380㎟ 320W 999ドル
RTX 4080 9728 GDDR6X
16GB 256bit
22.4Gbps
716.8GB/s
76 380㎟ 320W 1,199ドル
→廃止予定
RX 7900 XTX 6144 GDDR6
24GB 384bit
20Gbps
960GB/s
96 36.6㎟*6 +
300㎟
355W 969ドル
RX 7900 XT 5376 GDDR6
20GB 320bit
20Gbps
800GB/s
84 36.6㎟*6 +
300㎟
315W 799ドル
→749ドル?
RTX 4070 Ti SUPER 8448 GDDR6X
16GB 256bit
21.0Gbps
672GB/s
66 295㎟ 285W 799ドル
RTX 4070 Ti 7680 GDDR6X
12GB 192bit
21.0Gbps
504GB/s
60 295㎟ 285W 799ドル
→廃止予定
RTX 3090 Ti 10752 GDDR6X
24GB 384bit
21.0Gbps
1008GB/s
84 628.4㎟ 450W 1,499ドル
RTX 3090 10496 GDDR6X
24GB 384bit
19.5Gbps
936GB/s
82 628.4㎟ 350W 1,299ドル
RX 7900 GRE 5120 GDDR6
16GB 256bit
18Gbps
576GB/s
80 36.6㎟*6 +
300㎟
260W 549ドル
RX 6950 XT 5120 GDDR6
16GB 256bit
18Gbps
576GB/s
80 519㎟ 335W 949ドル
RX 6900 XT 5120 GDDR6
16GB 256bit
16Gbps
512GB/s
80 519㎟ 300W 699ドル
RTX 3080 Ti 10240 GDDR6X
12GB 384bit
19Gbps
912GB/s
80 628.4㎟ 350W 1,099ドル
RTX 3080 10GB 8704 GDDR6X
10GB 320bit
19Gbps
760GB/s
68 628.4㎟ 320W 699ドル
RTX 4070 SUPER 7168 GDDR6X
12GB 192bit
21.0Gbps
504GB/s
56 295㎟ 220W 599ドル
RTX 4070 5888 GDDR6X
12GB 192bit
21.0Gbps
504GB/s
46 295㎟ 200W 549ドル
前:599ドル
RX 7800 XT 3840 GDDR6
16GB 256bit
19.5Gbps
624GB/s
60 37.5㎟*4 +
200㎟
263W 499ドル
RX 6800 XT 4608 GDDR6
16GB 256bit
16Gbps
512GB/s
72 519㎟ 300W 599ドル
RTX 3070 Ti 6144 GDDR6X
8GB 256bit
19Gbps
608GB/s
48 392㎟ 290W 599ドル
RX 6800 3840 GDDR6
16GB 256bit
16Gbps
512GB/s
60 519㎟ 250W 549ドル
RX 7700 XT 3456 GDDR6
12GB 192bit
18Gbps
432GB/s
54 37.5㎟*4 +
200㎟
245W 419ドル
前:449ドル
RTX 4060 Ti 8GB 4352 GDDR6
8GB 128bit
18Gbps
288GB/s
34 190㎟ 160W 399ドル
RTX 3070 5888 GDDR6
8GB 256bit
14Gbps
448GB/s
46 392㎟ 220W 499ドル
RX 6750 XT 2560 GDDR6
12GB 192bit
18Gbps
432GB/s
40 336㎟ 250W 419ドル
RTX 3060 Ti 4864 GDDR6
8GB 192bit
14Gbps
448GB/s
38 392㎟ 200W 399ドル
RX 6700 XT 2560 GDDR6
12GB 192bit
16Gbps
384GB/s
40 336㎟ 230W 379ドル
Arc A770 16GB 4096 GDDR6
16GB 256bit
17.5Gbps
560GB/s
32 406㎟ 225W 349ドル
Arc A770 8GB 4096 GDDR6
8GB 256bit
16Gbps
512GB/s
32 406㎟ 225W 329ドル
RX 7600 XT 2048 GDDR6
16GB 128bit
18Gbps
288GB/s
32 204㎟ 190W 329ドル
RTX 3060 3584 GDDR6
12GB 192bit
15Gbps
360GB/s
28 276㎟ 170W 329ドル
RTX 4060 3072 GDDR6
8GB 128bit
17Gbps
272GB/s
24 156㎟ 115W 299ドル
RX 6650 XT 2048 GDDR6
8GB 128bit
17.5Gbps
288GB/s
32 237㎟ 180W 299ドル
Arc A750 3584 GDDR6
16GB 256bit
16Gbps
512GB/s
28 406㎟ 225W 289ドル
RX 7600 2048 GDDR6
8GB 128bit
18Gbps
288GB/s
32 204㎟ 165W 269ドル
RX 6600 XT 2048 GDDR6
8GB 128bit
16Gbps
256GB/s
32 237㎟ 160W
RTX 3050 2560 GDDR6
8GB 128bit
15Gbps
224GB/s
20 276㎟ 130W 249ドル
RX 6600 1792 GDDR6
8GB 128bit
14Gbps
224GB/s
28 237㎟ 132W 239ドル

今回見ていくのはRDNA 3アーキテクチャ採用のRadenon RX 7900 GRE」です。元々は中国専売モデルでしたが、結局グローバル投入されることになりました。恐らくは「RTX 4070 SUPER」への対抗製品として投入だと思われます。ちなみに、GREは「Golden Rabbit Edition」の略で、発売年である2023年が中国で兎年にあたることに由来しています。また、実際の性能は「RX 7900 XT」と「RX 7800 XT」の中間あたりに位置するので、単に「RX 7900(無印)」として考えた方が分かり易いかと思います。

「RX 7900 GRE」の希望小売価格は549ドルに設定にされており、「RX 7800 XT」より50ドル高く、現在の「RTX 4070」と同じ価格(2024年3月時点)です。「RTX 4070」のラスタライズ性能は「RX 7800 XT」と同等ですが、「RX 7900 GRE」は「RX 7800 XT」よりもストリーミングプロセッサーが33%も多いので、基本性能コスパは大きく上回ることが期待されるのが大きな魅力です。

発売直後の実売価格は95,800円~となっており、適性価格からプラス1万円くらいと高額になってしまってはいますが、適正価格であるはずの8万円台中盤まで値下りすれば、高い基本性能と16GB VRAMを備える高コスパな準ハイエンドGPUとして競争力があると思います。

余談ですが、「RX 7900 GRE」の発売に際して「RX 7700 XT」の希望小売価格が30ドル値下げされ、419ドルへと変更になっています。7900 GREの投入による影響にしては変更する箇所が変なので、単に「RTX 4060 Ti 8GB」への競争力を高めるための対処かと思われます。

次に物理仕様を見てみると、「RX 7900 GRE」は他のデスクトップ向けの「RX 7000シリーズ」とは異なり、モバイル向けGPUダイを基にしているのが面白い点です。

使用されるGPUダイの名称は「Navi 31」なので「RX 7900 XT/XTX」で使われているものと同じかと思いますが、モバイル向けGPUの方に由来するものなので、実際には少し異なります。ノード面は同様でTSMCの「5nm(GCD)」+「6nm(MCD)」で、ダイサイズも同じですが、パッケージサイズがやや小さくなっています。

また、MCDは2つが無効な他、消費電力削減により電気的な部品もXT/XTXから削減されるので、コスト面で利点があります。「RX 7900 XT」から200ドルも安くできるのは恐らくこれが理由です。

ストリーミングプロセッサー数を見てみると、「RX 7900 GRE」は5120で、「RX 7800 XT」の3840よりも約33%も多いです。価格は50ドル(+10%)しか変わらないのにこの差は驚きです。これが本GPUの最大の魅力です。クロックは少し低下していたり、TBPはほぼ据え置きの260Wだったりなどの制限はあるので、実性能ではそこまでの差は出ませんが、それでも大きな向上が見込まれます。先にも触れた通り「RX 7800 XT」でも「RTX 4070」に匹敵するラスタライズ性能があるので、基本性能コスパは大きく上回ることが期待されます。

次にメモリ性能ですが、VRAMは16GB 256bitで、メモリクロックは18.0Gbps、メモリバス帯域幅は576GB/sです。「RX 7800 XT」と容量は同じで、クロックと帯域幅が若干低下していますが、ほぼ同等のVRAM性能です。10万円未満のGPUとしては優れたVRAM性能を備えるのも魅力です。Infinity Cacheは64MBで、こちらも「RX 7800 XT」と同じ容量です。

対抗製品である「RTX 4070 / RTX 4070 SUPER」の12GB VRAMを上回るのは優位性ですが、その他の面で現状ではやはりCUDAの利点が方が大きいのが割と致命的ではあります。特に、最近注目度の高い用途、生成AIなどでもCUDA(NVIDIA製 GPU)に最適化されていることが多く、VRAM容量も重要ではあるものの、その差を覆すほどではない印象です。対応できる用途の範囲と実用面での差を考えると、「Radeonの16GB VRAM」の優位性をどれほどの大きさで考えるかは評価が難しいところがあります。

といった感じで「Radeon RX 7900 GRE」自体の仕様面の紹介はここまでにして、以下からは「Radeon RX 7000シリーズ」に共通する仕様面についても軽く触れていこうと思います(基本的に過去記事のコピペです)。

まず映像コーデックの対応で、前世代では「AV1」はデコードだけの対応でしたが、エンコードにも対応しました。ちなみに「RTX 40シリーズ」も同様です。特にクリエイターの方にとっては嬉しい仕様だと思いますし、AV1は将来性があって採用率が高くなっていく可能性も高いため、これは有難いです。

レイトレーシングでは「Ray Accelerator」が前世代の第1世代から第2世代に更新されており、前世代からパフォーマンスが向上したとされています。

アップスケーリングでは、AMDでは専用コアが必要のない「FSR」を推しているため、アップスケーリング用のコアの搭載はありません。また、「FSR」はAMDが提供する技術ですが、オープンソースとして公開されているため、Radeon以外のGPUでも使うことができます。そのため、FSRがアップグレードして性能が上がっても、それは「RX 7000」だけの向上とはならないため、競合モデルとの差にならない点に注意です。

ただし、「RX 7600 XT」の発売とほぼ同時(2024年1月25日ごろ)に提供が始まったAMDのドライバーにて、「AMD Fluid Motion Frames(AFMF)」というフレーム生成機能が正式に利用可能となったのは注目です。こちらはRadeon独自の機能です。

これはフレームをゲームの処理とは別に生成・挿入することでfpsを向上させる機能です。フレーム生成機能は既にDLSS 3などでも利用可能ですが、AFMFのポイントはドライバー(ソフトウェア)による対応のため、専用コアが必要ないだけでなく、ゲーム側による対応も必要ないという点です。非常に手軽に利用することができます。質についてはこれから調べる必要があるものの、「fpsを上げる」という点では非常に魅力的な機能です。

対抗のNVIDIAでは、同社の「DLSS」というアップスケーリング機能を推しており、RTXシリーズでのみ提供(Tensorコアが必要なため)しています。一般的にこの「DLSS」の方が画質は「FSR」よりも優れていると言われており、実際にそんな感じの印象ですが、専用コアとゲーム側の対応の両方が必要となっているのがデメリットとなっています。

最後にAI用コアですが、「RX 7000シリーズ」からはRadeonでも「AI Accelerator」が搭載されるようになり、FP16における処理性能が高まっています。現状はまだ活用されている印象は正直ありませんが、これからAI分野でもRadeonは迫っていこうという意思は見えるのは一応プラス要素かなと思います

といった感じで、カタログスペックについてはここまでとして、実際の各性能について下記から見ていきたいと思います。

ゲーミング性能

ゲーミング性能は、言葉の通りゲームをする際のパフォーマンスの性能です。実際にゲームを動作させた際の平均FPS数を見ていきます。今回は25種類のゲームでのデータを基に見ていきます。設定は基本的に最高品質です。

まずは、レイトレーシングやアップスケリーング等は無効の状態での性能、いわゆるラスタライズ性能を見ていきます。

使用されたグラフィックボードは「Sapphire Radeon RX 7900 GRE Pluse 」、CPUは「Core i9-14900K」で、OSはWindows 11が使用されています。その他のスペックなどの詳細は、お手数ですが記事上部の参考リンクを参照お願いします。


1080p(1920×1080)

FHD(1920×1080)です。最低限の解像度という感じですが、2024年現在では最も主流な解像度です。ハイエンドGPUを使用していても、特にFPSやTPSでは出来るだけ高いFPSを維持するためにこの設定にするのが主流だと思います。ただし、RTX 4090など最新世代のハイエンドGPUでは低負荷感も大きくなっているものもあります。

平均FPS(1080p 最高設定)
GPU名称 平均FPS
RTX 4090
223.6
RX 7900 XTX
197.9
RTX 4080 SUPER
195.4
RTX 4080
193.8
RX 7900 XT
179.1
RTX 4070 Ti SUPER
177.8
RTX 4070 Ti
167.6
RTX 3090 Ti
165.4
RX 7900 GRE
157.7
RTX 4070 SUPER
157.6
RTX 3090
153.3
RX 6900 XT
149.2
RX 7800 XT
144.0
RX 6800 XT
140.9
RTX 3080 10GB
139.1
RTX 4070
139.0
RX 7700 XT
124.9
RTX 3070 Ti
116.9
RTX 3070
111.0
RTX 4060 Ti 16GB
107.9
RTX 4060 Ti 8GB
107.0
RX 6700 XT
101.2
RTX 3060 Ti
97.6
RX 7600 XT
89.6
RTX 4060
85.0
RX 7600
82.0
RX 6600 XT
79.3
Arc A770 16GB
77.6
RTX 3060 12GB
74.9
RTX 3050
54.0
参考:TechPowerUp

1080pでは「RTX 4070 SUPER」と同等の性能

1080pのラスタライズ性能では「RTX 4070 SUPER」と同等の性能です。重量級のゲームでも十分なfpsを得ることが可能です。

「RX 7800 XT」と比べると約9.5%高速でした。10%の価格差を考えれば妥当ですが、SP数が33%増加している割には控えめな向上率だとは言えます。消費電力が変わらずにクロックが下がっていることが思ったよりも大きいのかもしれません。

初動価格は適正価格よりも高価な95,800円~ですが、それでも「RTX 4070 SUPER」と同等レベルなので、優れたコスパです。さすがに現状では他の面を考えると分が悪いですが、値下がりすればコスパで上回ることになるので、競争力が出てくるかなと思います。


1440p(2560×1440)

WQHD(2560×1440)です。4Kは重すぎるけど、1080pよりはキレイな映像で楽しみたいという場合や、1080pでは少し性能を持て余してしまう場合に利用する解像度です。現在の主流解像度は1080pですが、GPU性能が全体的に大幅に向上してきているため、徐々にこの1440pが主流解像度に切り替わっていく気がします。

平均FPS(1440p 最高設定)
GPU名称 平均FPS
RTX 4090
188.1
RX 7900 XTX
159.5
RTX 4080 SUPER
155.8
RTX 4080
154.1
RX 7900 XT
139.9
RTX 4070 Ti SUPER
137.5
RTX 3090 Ti
131.3
RTX 4070 Ti
128.2
RX 7900 GRE
119.7
RTX 3090
119.2
RTX 4070 SUPER
118.6
RX 6900 XT
114.0
RX 7800 XT
109.3
RX 6800 XT
106.8
RTX 3080 10GB
106.1
RTX 4070
103.5
RX 7700 XT
92.1
RTX 3070 Ti
87.7
RTX 3070
82.6
RTX 4060 Ti 16GB
78.0
RTX 4060 Ti 8GB
77.1
RX 6700 XT
74.3
RTX 3060 Ti
71.6
RX 7600 XT
64.0
RTX 4060
61.3
Arc A770 16GB
59.9
RX 7600
57.9
RX 6600 XT
56.1
RTX 3060 12GB
54.7
RTX 3050
39.2
参考:TechPowerUp

1440pも「RTX 4070 SUPER」とほぼ同等

1440pでも「RTX 4070 SUPER」とほぼ同等の性能です。非常に優れた性能で、重いゲームでも十分プレイが可能です。

1440pでもまだVRAMは12GBあれば基本大きく不足することはないので、差はほとんど出ませんでした。


4K(3840×2160)

「超高解像度の代名詞」ともいえる解像度の4K(3840×2160)です。非常に繊細で綺麗な映像になりますが、その負荷の大きさから高いFPSを出す事が難しいためTPSやFPSなどの対人競技ゲームで利用されることはまずないです。処理性能の要求が高いだけでなく、高リフレッシュレートの4Kモニターが非常に高価ということもあり、2023年現在では競技性の高いゲームではあまり利用されません。フレームレートよりもグラフィックのキレイさや臨場感が重要なゲームを中心に需要のある解像度です。

平均FPS(4K 最高設定)
GPU名称 平均FPS
RTX 4090
118.7
RX 7900 XTX
96.1
RTX 4080 SUPER
93.7
RTX 4080
92.5
RTX 3090 Ti
81.5
RX 7900 XT
81.0
RTX 4070 Ti SUPER
80.8
RTX 4070 Ti
72.8
RTX 3090
72.5
RX 7900 GRE
67.9
RTX 4070 SUPER
67.5
RX 6900 XT
65.3
RTX 3080 10GB
63.6
RX 7800 XT
62.3
RX 6800 XT
60.7
RTX 4070
58.6
RX 7700 XT
50.7
RTX 3070 Ti
50.5
RTX 3070
47.3
RTX 4060 Ti 16GB
43.2
RTX 4060 Ti 8GB
41.1
RTX 3060 Ti
40.7
RX 6700 XT
40.7
Arc A770 16GB
35.8
RX 7600 XT
34.8
RTX 4060
33.6
RTX 3060 12GB
31.2
RX 7600
30.1
RX 6600 XT
29.2
RTX 3050
21.6
参考:TechPowerUp

4Kでも「RTX 4070 SUPER」と同等の性能

4Kにおいても、平均fpsは「RTX 4070 SUPER」とほぼ同等でした。

一部のVRAM容量が重量なゲームではやや有利に立つこともありますが、ラスタライズにおいては解像度に関係なく「RTX 4070 SUPER」と「RX 7900 GRE」は非常に似た性能を基本的に持つGPUとなっています。

「Cities: Skylines II」など、リアルタイムオブジェクトが増えるごとにVRAM容量が分かり易く増えていくような類のゲームを想定しない限りは、両者の差はわずかです。

電力関連

消費電力

ゲームプレイ時(高負荷時)の平均消費電力を見ていきます。低い方が良い数値となります。測定に使用されたゲームは「Cyverpunk 2077」で、解像度は「3840×2160(4K)」です。

GPU平均消費電力(ゲーミング)
GPU名称 消費電力
RTX 4060
128W
RTX 3050
132W
RTX 4060 Ti 8GB
152W
RX 7600
152W
RX 6600 XT
159W
RTX 4060 Ti 16GB
165W
RTX 3060
183W
RX 7600 XT
193W
RTX 4070
201W
RTX 3060 Ti
205W
RTX 4070 SUPER
218W
RX 6700 XT
224W
RX 7700 XT
228W
RTX 3070
232W
Arc A770 16GB
235W
RX 7800 XT
250W
RX 7900 GRE
265W
RTX 4070 Ti
277W
RTX 4070 Ti SUPER
292W
RX 6800 XT
294W
RX 6900 XT
300W
RTX 3070 Ti
302W
RTX 4080 SUPER
302W
RTX 4080
304W
RX 7900 XT
312W
RTX 3080 10GB
336W
RX 7900 XTX
353W
RTX 3090
368W
RTX 4090
411W
RTX 3090 Ti
537W
参考:TechPowerUp

消費電力は「RTX 4070 SUPER」よりも40W以上多い260W台

ゲーム時の平均消費電力は265Wでした。前世代GPUよりは大幅に良いですが、「RTX 4070 SUPER」の218Wと比べると明らかに見劣りします。

40W以上の差は電力容量にも影響しますし、260W以上だとデュアルファンが厳しめなのに対し、220Wの「RTX 4070 SUPER」ではデュアルファンモデルが普通に存在しますから、思ったよりも大きな差になっていると思います。

ワットパフォーマンス

ワットパフォーマンス(電力効率)を見ていきます。ゲーミング時の1フレームあたりの消費電力を算出して比較しています。測定に使用されたゲームは「Cyberpunk 2077(4K/Ultra/レイトレ無効)」です。

ワットパフォーマンス(Cyberpunk 2077)
GPU名称 1フレームあたりの消費電力
RTX 4080 SUPER
4.0W
RTX 4080
4.0W
RTX 4070 SUPER
4.1W
RTX 4090
4.2W
RX 7900 XTX
4.4W
RTX 4060 Ti 8GB
4.5W
RTX 4070
4.5W
RX 7900 XT
4.7W
RTX 4070 Ti SUPER
4.7W
RTX 4070 Ti
4.7W
RX 7900 GRE
4.8W
RX 7800 XT
4.9W
RTX 4060 Ti 16GB
5.1W
RTX 4060
5.3W
RX 7600
5.7W
RX 7700 XT
5.7W
RTX 3070
6.0W
RX 6900 XT
6.2W
RTX 3060 Ti
6.2W
RTX 3090
6.3W
RX 6600
6.3W
RX 6800 XT
6.5W
RTX 3080 10GB
6.5W
RX 7600 XT
6.6W
RX 6600 XT
6.9W
RTX 3070 Ti
7.3W
Arc A770 16GB
7.3W
RX 6700 XT
7.4W
RTX 3060
7.5W
RTX 3050
8.0W
RTX 3090 Ti
8.0W
参考:TechPowerUp

ワットパフォーマンスは悪くはないけど「RTX 4070 SUPER」に約14.6%も劣る

ワットパフォーマンスは「RX 7800 XT」や「RTX 4070 Ti」と同じくらいで、前世代GPUと比べると大幅に良いので、悪くない数値です。

ただし、最新世代GPUの中ではやや悪めの部類となっており、現状トップクラスの効率の「RTX 4070 SUPER」よりは約14.6%も劣ります。正直相手が悪い感はありますが、やはり価格的には競合は「RTX 4070 SUPER」であり、そこに対して大きく劣るのは明確な弱点にはなると思います。

レイトレーシング性能

レイトレーシング性能

レイトレーシング性能を見ていきます。レイトレーシングはメインコアと別のレイトレーシング用のコアも使用するため、上述のラスタライズ性能とやや差が出る可能性があります。

レイトレーシングFPS(1080p 幾何平均)
GPU名称 平均FPS
RTX 4090
149.1
RTX 4080 SUPER
128.1
RTX 4080
127.3
RTX 4070 Ti SUPER
116.4
RTX 4070 Ti
110.2
RTX 3090 Ti
107.8
RTX 4070 SUPER
103.4
RX 7900 XTX
103.2
RTX 3090
99.0
RX 7900 XT
93.2
RTX 4070
91.9
RTX 3080 10GB
90.1
RX 7900 GRE
82.3
RX 7800 XT
75.4
RX 6900 XT
72.7
RTX 3070 Ti
71.3
RTX 4060 Ti 16GB
71.1
RX 6800 XT
68.5
RTX 3070
68.4
RTX 4060 Ti 8GB
67.4
RX 7700 XT
66.4
RTX 3060 Ti
60.3
RX 6800
58.9
RTX 4060
54.5
RX 6700 XT
48.9
RX 7600 XT
46.6
RX 7600
39.5
参考:TechPowerUp

レイトレーシングFPS(1440p 幾何平均)
GPU名称 平均FPS
RTX 4090
120.0
RTX 4080 SUPER
99.1
RTX 4080
98.6
RTX 4070 Ti SUPER
88.1
RTX 3090 Ti
82.5
RTX 4070 Ti
82.3
RX 7900 XTX
79.7
RTX 4070 SUPER
75.9
RTX 3090
74.7
RX 7900 XT
70.4
RTX 3080 10GB
67.0
RTX 4070
66.7
RX 7900 GRE
60.6
RX 7800 XT
54.9
RX 6900 XT
52.1
RTX 4060 Ti 16GB
50.1
RX 6800 XT
49.1
RX 7700 XT
47.0
RTX 3070 Ti
43.9
RX 6800
42.4
RTX 3070
42.0
RTX 4060 Ti 8GB
40.9
RTX 3060 Ti
37.2
RX 6700 XT
33.5
RTX 4060
33.1
RX 7600 XT
33.0
RX 7600
23.3
参考:TechPowerUp

レイトレーシングFPS(4K 幾何平均)
GPU名称 平均FPS
RTX 4090
74.9
RTX 4080 SUPER
57.8
RTX 4080
57.1
RTX 4070 Ti SUPER
50.4
RTX 3090 Ti
48.8
RX 7900 XTX
46.1
RTX 3090
43.4
RX 7900 XT
39.2
RTX 4070 Ti
36.6
RTX 4070 SUPER
34.2
RX 7900 GRE
33.0
RTX 4070
30.2
RX 7800 XT
30.1
RTX 3080 10GB
29.0
RX 6900 XT
28.2
RTX 4060 Ti 16GB
27.3
RX 6800 XT
26.5
RX 6800
22.8
RX 7700 XT
21.1
RTX 3070 Ti
19.9
RTX 3070
18.5
RTX 4060 Ti 8GB
17.6
RTX 3060 Ti
16.7
RX 7600 XT
16.6
RX 6700 XT
16.1
RTX 4060
14.6
RX 7600
7.1
参考:TechPowerUp

レイトレーシングは1440p以下では「RTX 4070 SUPER」に約20%劣る性能だけど、4K平均はほぼ同等に

ネイティブのレイトレーシング性能は、1440p以下では「RTX 4070 SUPER」に約20%劣る性能で明らかに不利です。

「RTX 40シリーズ」と「RX 7000シリーズ」ではまだRTX側がレイトレーシングでは有利なので、これは想定内の結果です。とはいえ、競合モデル同士の差としてはかなり大きく、レイトレーシングを前提とするなら基本的に「RTX 4070 SUPER」が大幅に有利です。

しかし、4K平均では一気にその差を縮め同等レベルになっているのが興味深い結果です。

ただし、同じくらいの性能かというとそういう感じでもなく、4Kでもfps有利のタイトルの数は「RTX 4070 SUPER」の方が多いというのは注意です。4Kレベルの負荷では、「RTX 4070  SUPER」の12GB VRAMではfpsがガクッと落ちるのが散見されるため、16GB VRAMの「RX 7900 GRE」の方が大きく有利になるゲームがちらほらある、という感じです。そのため、平均するとたまたま同等になっていますが、全体的に有利なのは以前として「RTX 4070 SUPER」の方ではあります。

そのため、どんな重量級ゲームでもレイトレーシングでのプレイをそこそこ出来るようにしたいなら「RX 7900 GRE」の方が適していますが、レイトレーシングでも出来るだけ快適なタイトルを増やしたいということならやはり「RTX 4070 SUPER」の方が有利ではあります。

しかし、Radeonでは「AFMF」という気軽に使えるフレーム生成機能が最近実装されましたから、それを利用する前提なら、fpsが極端に低下することがない「RX 7900 GRE」の方が有利という見方も出来るかもしれません。

個人の考え方次第だとは思いますが、RX 7900 GREが有利なのが「4Kレイトレの一部の重量級ゲーム」というのはピンポイント過ぎますし、結局無難なのは「RTX 4070 SUPER」かなと思います。

コストパフォーマンス

上述のfpsを基にGPUの1フレームあたりの価格を算出し、コストパフォーマンスを比較しています。数値が低い方が良い点に注意です。各GPUの価格は、記事執筆時点のおおよその市場最安値価格です。ラスタライズとレイトレーシング時の両方を見ていきます。

元のゲーミング性能の解像度は1440pを用いています。4Kなどではやや結果が異なる可能性がある点に注意です。


1フレームあたりの価格(ラスタライズ)

まずはラスタライズ性能のコスパです。上述の1440pゲーム時の性能と現在の市場価格を基に、1フレームあたりの価格を算出し、コスパとして比較しています。

「RX 7900 GRE」の初動価格は95,800円~くらいですが、元の549ドルという価格設定と「RTX 4070 SUPER」への競争力を考えるともう少し値下がりする期待も出来るので、マイナス1万円の85,800円の場合の結果も載せています。

1fあたりの価格(1440p@RT無し)
GPU名称 1フレームあたりの価格 価格
RX 7600
¥639
¥36,980
RX 6700 XT
¥667
¥49,580
RTX 3070 Ti
¥670
¥58,800
RX 6600 XT
¥677
¥37,980
RTX 4060
¥701
¥42,980
RX 7900 GRE ※値下がり想定
¥717
¥85,800
RTX 3070
¥724
¥59,800
RX 7700 XT
¥725
¥66,800
RTX 3060 12GB
¥728
¥39,800
RX 7800 XT
¥739
¥80,800
RTX 4060 Ti 8GB
¥750
¥57,400
RTX 3060 Ti
¥765
¥54,800
Arc A770 16GB
¥781
¥46,800
RX 6900 XT
¥788
¥89,800
RX 7900 GRE
¥800
¥95,800
RTX 4070
¥810
¥83,800
RTX 3050 8GB
¥811
¥31,800
RTX 4070 SUPER
¥825
¥97,800
RX 6800 XT
¥831
¥88,800
RTX 3080 10GB
¥837
¥88,800
RX 7900 XT
¥858
¥120,000
RTX 4070 Ti
¥858
¥109,980
RTX 4060 Ti 16GB
¥882
¥68,800
RX 7900 XTX
¥966
¥154,000
RTX 4070 Ti SUPER
¥1,017
¥139,800
RTX 4080
¥1,121
¥172,800
RTX 4080 SUPER
¥1,154
¥179,800
RTX 4090
¥1,594
¥299,800
参考:TechPowerUp

ラスタライズのコスパは競合モデルよりも良い

「RX 7900 GRE」のラスタライズコスパは比較的良いです。

やや高価な初動価格でも「RTX 4070」と「RTX 4070 SUPER」をわずかに上回るコスパとなっています。85,800円まで値下がりすることを想定してみると一気に地位を上げ、全GPUで見ても優れたコスパの部類になります。

GPUはハイエンドに近付くとコスパが悪い傾向があるため、このレベルのGPUが上位に入ることはあまり無いのですが、適正価格なら上位に食い込むレベルになります。コスパ上位GPUはミドルレンジGPUが立ち並ぶ中でこの位置凄いと思います。

結局は今後の価格動向次第ではありますが、ラスタライズコスパ特化の上位GPUとしてはトップクラスの存在になるポテンシャルがあります。


1フレームあたりの価格(レイトレーシング)

次にレイトレーシング時のコスパを見ていきます。DLSSやFSR等のアップスケーリング技術は使用していない場合のものになります。

1fあたりの価格(1440p@RT)
GPU名称 1フレームあたりの価格 価格
RTX 4070
¥1,256
¥83,800
RTX 4070 SUPER
¥1,289
¥97,800
RTX 3080 10GB
¥1,325
¥88,800
RTX 4070 Ti
¥1,336
¥109,980
RTX 3070 Ti
¥1,339
¥58,800
RTX 4060 Ti 16GB
¥1,373
¥68,800
RTX 4060 Ti 8GB
¥1,413
¥57,800
RX 7900 GRE ※値下がり想定
¥1,416
¥85,800
RX 7700 XT
¥1,421
¥66,800
RTX 3070
¥1,424
¥59,800
RX 7800 XT
¥1,472
¥80,800
RTX 3060 Ti
¥1,473
¥54,800
RX 6700 XT
¥1,480
¥49,580
RX 7900 GRE
¥1,581
¥95,800
RX 7600
¥1,587
¥36,980
RTX 4070 Ti SUPER
¥1,587
¥139,800
RX 7900 XT
¥1,705
¥120,000
RX 6900 XT
¥1,724
¥89,800
RTX 4080
¥1,753
¥172,800
RX 6800 XT
¥1,809
¥88,800
RTX 4080 SUPER
¥1,814
¥179,800
RX 7900 XTX
¥1,932
¥154,000
RTX 4090
¥2,498
¥299,800
参考:TechPowerUp

レイトレーシングコスパは「RTX 4070 SUPER」には格段に劣る

1440pのレイトレシーングのコスパは「RTX 4070 SUPER」と比べると格段に悪いです。

初動価格でのフレームあたりのコストは約22.7%も高いです。純粋な性能も大きく負けていますから、レイトレーシング目的ならやはり「RTX 4070 SUPER」が無難です。正直相手が強すぎますね…。

しかし、一応85,800円まで値下がりすることを想定すれば、レイトレコスパは「RTX 3060 Ti / RTX 3070」を追い抜き、「RTX 4060 Ti」にわずかに劣る程度まで前進します。Radeonの割には思ったより悪くない位置です。さすがにその辺りのミドルレンジGPUよりはレイトレでも上回りますし、16GB VRAMやAFMFの利点もあるので、ラスタライズコスパ特化でレイトレコスパも悪すぎなければ良いくらいの考え方なら、意外と悪くない選択肢にはなるかなと思います。

クリエイティブ用途

比較の最後は、クリエイティブ用途でのパフォーマンスを見ていきます。

一般的な動画編集等の基準性能としてFP32(単精度浮動小数点演算)の理論演算性能、「Blender」におけるGPUレンダリング性能、「SPECviewperf 2020 v3」によるOpenGL性能、AIイラスト生成ソフト「Stable Diffusion」の性能をそれぞれ見ていきたいと思います。

また、ここのテストは上述までとは異なるテストシステムを使用した海外レビュー(Tom’s Hardware)を参考にしています。「Core i9-13900K」と「DDR5-6600 CL34 32GB(16GBx2)」が使用されています。他の条件について気になる方は上述の参考リンクをご覧ください。

理論演算性能(FP32)

FP32(単精度浮動小数点演算)は、理論演算性能を示す一つの指標です。単位はTFLOPS(テラフロップス)を用います。実際のテストから算出するものではなく、シェーダーユニット数(対応の演算器の数)とクロックから計算した、理論上の処理性能を表します。製品によってクロックが異なるので、下記の表の数値と異なる可能性がある点に注意です。

一般的な動画編集においてのクリエイティブ性能は、このFP32とVRAMの性能(データ量が多い処理の場合)によって比例する傾向があります。実際「Premiere Pro CC」や「Davinci Resolve」などの主要な動画編集ソフトでの編集やプレビュー速度はある程度比例する傾向があるので、まず参考に見ていこうと思います(完全に一致する訳ではないので注意)。

FP32(単精度浮動小数点演算)
GPU名称 FP32(TFLOPS)
RTX 4090
24GB 1008GB/s
82.58
RX 7900 XTX
24GB 960GB/s
61.42
RTX 4080 SUPER
16GB 736.3GB/s
52.22
RX 7900 XT
20GB 800GB/s
51.48
RTX 4080
16GB 716.8GB/s
48.74
RX 7900 GRE
16GB 576GB/s
45.98
RTX 4070 Ti SUPER
16GB 672GB/s
44.10
RTX 4070 Ti
12GB 504GB/s
40.09
RX 7800 XT
16GB 624GB/s
37.32
RTX 4070 SUPER
12GB 504GB/s
35.48
RX 7700 XT
12GB 432GB/s
35.17
RTX 3080
10GB 760GB/s
29.77
RTX 4070
12GB 504GB/s
29.15
RX 7600 XT
16GB 288GB/s
22.57
RTX 4060 Ti
8GB / 16GB  288GB/s
22.06
RTX 3070 Ti
8GB 608GB/s
21.75
RX 7600
8GB 288GB/s
21.75
RX 6800 XT
16GB 512GB/s
20.74
RTX 3070
8GB 448GB/s
20.31
Arc A770 16GB
16GB 560GB/s
17.20
RTX 3060 Ti
8GB 448GB/s
16.20
RX 6800
16GB 512GB/s
16.17
RTX 4060
8GB 272GB/s
15.11
RX 6700 XT
12GB 384GB/s
13.21
RTX 3060 12GB
12GB 360GB/s
12.74
RX 6600 XT
8GB 256GB/s
10.61
RTX 3050
8GB 224GB/s
9.10
RX 6600
8GB 224GB/s
8.93

理論性能コスパは破格の良さ

「RX 7900 GRE」のFP32の理論性能は破格の良さです。価格の割には非常に多いストリーミングプロセッサーの恩恵ですね。

数値としては、「RTX 4070 Ti SUPER」を上回り「RTX 4080」にも迫るレベルです。10万円未満のGPUながら、10万円台中盤のGPUと比較されるレベルの良さとなっています。

Blender(3DのGPUレンダリング)

「Blender」は人気のある定番のレンダリングソフトです。「Blender 3.6.0」を用いた「Blender Benchmark」の3つのテスト結果の幾何平均を総合スコアとし、比較していきます。

「Blender 3.6.0」では、AMD、NVIDIA、Intel Arc GPUでレイトレーシングを使用するCycles Xエンジンが含まれているため、レイトレーシング性能も重要となります。しかし、どうやら「Blender 3.6.0」ではレイトレーシング用のコアを直接使用するのではなく、メインのGPUシェーダーを介しての処理となるようです。そのため、RTコアではなくメインのGPUコア(CUDAコア)でレイトレーシングを高速化できるエンジンの「Optix」を持つGeForceに現状では優位性があります。

Blender Benchmarks(3.6.0)
GPU名称 総合スコア(幾何平均)
RTX 4090
4213.9
RTX 4080 SUPER
3210.1
RTX 4080
3119.6
RTX 4070 Ti SUPER
2732.0
RTX 4070 Ti
2368.5
RTX 4070 SUPER
2310.1
RTX 4070
1943.2
RTX 4060 Ti 8GB
1419.4
RTX 4060 Ti 16GB
1371.2
RTX 3070 Ti
1356.2
RX 7900 XTX
1252.9
RTX 4060
1160.3
RX 7900 XT
1144.1
RX 7900 GRE
879.4
RX 7800 XT
752.6
Arc A770 16GB
696.5
RX 7700 XT
649.7
RX 7600 XT
434.7
RX 7600
422.5
参考:Tom’s Hardware

Blenderのレンダリング性能はRTXには圧倒的に劣る

「RX 7900 GRE」のBlenderにおけるGPUレンダリング性能は「RTX 4070 SUPER」のわずか38%程度しかなく、圧倒的に劣ります。競合モデルとの差としては話にならないレベルです。

ただし、GPUレンダリングは基本的にシェーダーユニット数が重要なので、その点には「RX 7900 GRE」はポテンシャルがあります。実際「RX 7800 XT」よりも約16.8%も高速となっていますし、もしRadeonがGeForceにも匹敵するまでの最適化が行われれば、一気に地位を上げる可能性は一応無くはないです。

現状のこの差は処理の仕組みがGeForce有利に働いているので仕方がありませんが、この劇的な差が今後も維持されるかは、各GPUメーカーのドライバなどによる改善や、ソフト側の最適化によります。とはいえ、少なくとも現状Blenderでのレンダリングを想定するならGeForce一択というのは覚えておくと良いかもしれません

SPECviewperf 2020 v3(OpenGL)

「SPECviewperf 2020 v3」はOpenGL性能を測るベンチマークです。OpenGLはクロスプラットフォームに対応した汎用型のグラフィックスライブラリとなっており、ゲームだけでなく幅広い分野で利用されています。

今回見るのは「SPECviewperf 2020 v3」の8つのテストの総合スコア(幾何平均)です。ただし、一般的にはテストに使用される処理全てを利用する人はほぼ居ないと思うため、自分が使用するアプリケーションで使用される処理について確認することが重要な点は留意しておきましょう。今回は総合的な性能で相対的な差を求めるために、幾何平均による総合スコアを用いています。

SPECviewperf 2020 v3
GPU名称 総合スコア(幾何平均)
RX 7900 XTX
202.79
RX 7900 XT
178.16
RX 7900 GRE
151.56
RX 7800 XT
129.15
RTX 4090
126.26
RX 7700 XT
112.95
RTX 4080 SUPER
101.12
RTX 4080
98.57
RTX 4070 Ti SUPER
88.95
RX 7600 XT
83.67
RTX 4070 Ti
80.29
RX 7600
79.14
RTX 4070 SUPER
75.98
RTX 4070
66.71
RTX 3070 Ti
56.17
RTX 4060 Ti 16GB
51.12
RTX 4060 Ti 8GB
50.92
RTX 4060
43.51
Arc A770 16GB
30.78
参考:Tom’s Hardware

非常に優れたOpenGL性能で、平均で「RTX 4070 SUPER」の2倍の性能

GeForceではOpenGL性能に強い制限が掛けられていて、Radeonの方が有利です。同社のプロフェッショナル向けGPUの需要を維持するための調整となっています。

Radeonでも同様にプロフェッショナル向けのGPUがあり、ゲーム向けGPUでは制限が掛けられていますが、その制限がGeForceよりは緩いです。そのため、ゲーム向けGPU同士の比較だとRadeonの方が明らかに良く見えるという状況になっています。

「RX 7900 GRE」のOpenGLは性能は非常に高いです。平均で「RTX 4070 SUPER」の約2倍の性能です。ここもシェーダーユニット数が重要なので、優位性があります。

Stable Diffusion(AIイラスト生成)

現在、AIイラストソフトで人気のある「Stable Diffusion」を用いて、AIイラストの生成時間を比較しています。よく利用されるAIイラスト生成ソフトは他にもありますが「Stable Diffusion」が恐らくは一番定番と言えるものだと思います。

各GPUで「768×768の20枚の画像を生成するのに掛かる時間」を測定し、1分あたり何枚の画像を生成できるかを各GPUで算出して比較しています。Web UI「Automatic 1111」が使用されていますが、通常ではCUDA(NVIDIA製GPU)のみの対応なので、Intel GPUではOpenVINO、AMD GPUではDirectMLフォークを適用して実行されています。

Stable Diffusion(768×768)
GPU名称 1分あたりの生成枚数
RTX 4090
29.958
RTX 4080 SUPER
20.670
RTX 4080
20.320
RTX 4070 Ti SUPER
18.060
RTX 4070 Ti
15.888
RTX 4070 SUPER
14.234
RTX 4070
12.861
RX 7900 XTX
10.915
RTX 3070 Ti
10.617
RX 7900 XT
9.545
RTX 4060 Ti 8GB
8.587
RTX 4060 Ti 16GB
8.457
RX 7900 GRE
7.302
RX 7800 XT
7.031
RTX 4060
6.990
RX 7700 XT
6.205
Arc A770 16GB
4.697
RX 7600 XT
4.143
RX 7600
3.489
参考:Tom’s Hardware

RTX 4070 SUPERの半分程度の性能

Radeon(DirectML)のStable Diffusionにおけるイラスト生成性能は、現状GeForce(CUDA)に遠く及びません。

768×768における「RX 7900 GRE」の生成速度は「RTX 4070 SUPER」の半分程度であり、圧倒的な差があります。BlenderのGPUレンダリングと同様、競合モデルとしては話にならないレベルの差なので、現状はGeForce一択です。

レンダリングも含め、最近ではやはり注目度が高い用途なので、そこで圧倒的に負けているというのは致命的かなと思います。

まとめ

Radeon RX 7900 GRE

良い点
  • 1440pでも高いfpsを発揮する優れた性能
  • 16GB VRAM搭載
  • RTX 4070 SUPERよりも少し安価
  • RTX 4070 SUPERよりもわずかに有利なラスタライズコスパ
  • 非常に優れたOpenGL性能コスパ
  • 価格の割に多いシェーダーユニット数
  • AFMFによる手軽なフレーム生成機能
  • AV1デコードおよびエンコードをサポート

気になる点
  • 非常に高価(初動実売価格:約95,800円~)
  • 同世代では良くはないワットパフォーマンス
  • RTX 4070 / RTX 4070 SUPERに大幅に劣るレイトレーシング性能
  • CUDAに最適化されたソフトでRTXに大幅に不利(Blender、Stable Diffusionなど)

RX 7900 GRE:強力なラスタライズコスパと16GB VRAMが魅力の高コスパGPU

「RX 7900 GRE」は強力なラスタライズコスパと16GB VRAMが魅力のGPUです。

希望小売価格は「RX 7800 XT」より50ドルしか上がっていないにも関わらず、ストリーミングプロセッサー数は33%も増えているため、強力なラスタライズコスパとなっています。「RTX 4070 SUPER」とラスタライズ性能はほぼ互角ですが、希望小売価格は50ドル安いのでコスパでは上回っています。

また、10万円未満ながら16GB VRAMも魅力で、こちらも「RTX 4070 SUPER」の12GBを上回っています。一部のゲームではVRAMを大量に消費するものもあるので、そのようなゲームでは一段有利になります。

しかも、そのストリーミングプロセッサー数の多さの恩恵で、FP32の理論性能やOpenGL性能コスパも非常に高いのもポイントです。このように、ラスタライズによるゲームや動画編集等でのコスパが強力なのが魅力的なGPUとなっています。

しかし、その他の面では競合の「RTX 4070 SUPER」に軒並み大幅に劣る点に注意が必要です。

まず電力面です。消費電力を表す仕様値が「RTX 4070 SUPER」が220Wなのに対し「RX 7900 GRE」は260Wですから、大きな差があります。「RTX 4070 SUPER」ではデュアルファンモデルも多数存在するのに対し、260W~ではデュアルファンはやや厳しめなのでサイズ的にも不利となっており、思ったより大きな差です。

ワットパフォーマンスも「RTX 4070 SUPER」が大きくリードしているため、電力面では完敗です。とはいえ、ここに関しては「RTX 4070 SUPER」が優秀すぎるので、少し可哀想だとは思ってしまいますね。

次にレイトレーシングです。「RTX 4070 SUPER」の方が約20%高い性能となっており、大きく劣ります。RTX有利なのはわかっているので想定内ですが、競合モデルの差としてはかなり大きいです。一応、4Kレイトレーシングでは12GB VRAMではガッツリfpsが低下するゲームがちらほら出てくるので、一部では「RX 7900 GRE」が有利な状況は生まれているものの、ピンポイント過ぎるので、やはり無難なのは「RTX 4070 SUPER」です。

ただし、RadeonではAFMFのフレーム生成機能を気軽に利用できるのはポイントかもしれません。レイトレーシング性能自体は低い訳ではないので、ラスタライズ重視なら一応妥協は出来るレベルの差ではあるかなとも思います。

最後に触れるのは「Blender」と「Stable Diffusion」です。それぞれ主要なレンダリングと画像生成AIソフトですが、これがどちらもCUDAに対して最適化されているため、GeForceが圧倒的に有利な立場となっています。

現状(2024年3月)の競合モデル同士の比較だと、RadeonはGeForceの大体40%~50%くらいの性能しか出せない状況となっており、圧倒的すぎる差が付いています。レイトレーシングの20%不利が霞むレベルです。

数年くらい前までは一般層にはそこまで重視されていなかった項目だとは思いますが、近年では3Dモデルの活用範囲も広がり、画像生成AIの利用者も激増していることもあり、ここを重視する人は増えていると思います。未だに「RTX 3060 12GB」という旧世代GPUが人気で、少し値上がりしている状況もそれを裏付けていそうです。

一般層の使用時間的には、ラスタライズでのゲーム描写が圧倒的だと思うので、そこが強力な「RX 7900 GRE」も非常に魅力的ではあるはずですが、やはり高価な買い物は弱点が少ないものを選びたいという傾向が、特に日本人は強い印象がありますので、「RTX 4070 SUPER」ほどの人気GPUにはなれない予感がします。私もあまり詳しくない人に勧めるなら「RTX 4070 SUPER」を選ぶと思います。

RadeonのモバイルGPUを流用するアプローチや、ストリーミングプロセッサー数を盛るという作戦は面白いですし、効果的だなと感心する部分もあるので応援したいのですが、現状ではCUDAに最適化されている主要ソフトの影響が大きすぎて、GPU側の対応ではどうしようもないのかなと思います。

AMDだけでなく折角参入したIntel GPUも同じ問題を抱えていますし、今後はCPUのNPU利用なども広まると思うので、ソフト側も対応をしていく…と期待したいですが、結局GeForceが普通にゲームコスパも良いですし、消費者としてはそちらを選べば良いだけなので、ソフト側も急ぐ必要もなくて…みたいな問題にはなっていると思います。


といった感じで、本記事は以上になります。ご覧いただきありがとうございました。

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https://pcfreebook.com/article/radeon-rx-7900-gre-first-review.html/feed 0
「GeForce RTX 4080 SUPER」ざっくり評価【性能比較】 https://pcfreebook.com/article/geforce-rtx4080-super-first-review.html https://pcfreebook.com/article/geforce-rtx4080-super-first-review.html#respond Thu, 01 Feb 2024 10:36:17 +0000 https://pcfreebook.com/?p=31617

NVIDIA「GeForce RTX 4080 SUPER」のざっくり性能比較・評価です。海外レビューを参考に性能をざっくりと確認していきます。 参考 https://www.nvidia.com/ja-jp/gefor ... ]]>

NVIDIA「GeForce RTX 4080 SUPER」のざっくり性能比較・評価です。海外レビューを参考に性能をざっくりと確認していきます。

注意

本記事の情報は記事執筆時点(2024年2月1日)のものです。ご覧になっている際には異なる可能性があるため注意してください。

仕様

まずは主要な仕様を表にまとめて載せています。

簡易比較表

※価格は2024年2月1日時点での米での希望小売価格です(判明しているもののみ)。

GPU シェーダー
ユニット数
メモリタイプ VRAM速度
VRAM帯域幅
レイトレ用
ユニット数
ダイサイズ
(おおよそ)
消費電力
(TGP等)
参考価格
RTX 4090 16384 GDDR6X
24GB 384bit
21.0Gbps
1008GB/s
128 608㎟ 450W 1,599ドル
RTX 4080 SUPER 10240 GDDR6X
16GB 256bit
23.0Gbps
736.3GB/s
80 380㎟ 320W 999ドル
RTX 4080 9728 GDDR6X
16GB 256bit
22.4Gbps
716.8GB/s
76 380㎟ 320W 1,199ドル
→廃止予定
RX 7900 XTX 6144 GDDR6
24GB 384bit
20Gbps
960GB/s
96 36.6㎟*6 +
300㎟
355W 969ドル
RX 7900 XT 5376 GDDR6
20GB 320bit
20Gbps
800GB/s
84 36.6㎟*6 +
300㎟
315W 799ドル
→749ドル?
RTX 4070 Ti SUPER 8448 GDDR6X
16GB 256bit
21.0Gbps
672GB/s
66 295㎟ 285W 799ドル
RTX 4070 Ti 7680 GDDR6X
12GB 192bit
21.0Gbps
504GB/s
60 295㎟ 285W 799ドル
→廃止予定
RTX 3090 Ti 10752 GDDR6X
24GB 384bit
21.0Gbps
1008GB/s
84 628.4㎟ 450W 1,499ドル
RTX 3090 10496 GDDR6X
24GB 384bit
19.5Gbps
936GB/s
82 628.4㎟ 350W 1,299ドル
RX 6950 XT 5120 GDDR6
16GB 256bit
18Gbps
576GB/s
80 519㎟ 335W 949ドル
RX 6900 XT 5120 GDDR6
16GB 256bit
16Gbps
512GB/s
80 519㎟ 300W 699ドル
RTX 3080 Ti 10240 GDDR6X
12GB 384bit
19Gbps
912GB/s
80 628.4㎟ 350W 1,099ドル
RTX 3080 10GB 8704 GDDR6X
10GB 320bit
19Gbps
760GB/s
68 628.4㎟ 320W 699ドル
RTX 4070 SUPER 7168 GDDR6X
12GB 192bit
21.0Gbps
504GB/s
56 295㎟ 220W 599ドル
RTX 4070 5888 GDDR6X
12GB 192bit
21.0Gbps
504GB/s
46 295㎟ 200W 549ドル
前:599ドル
RX 7800 XT 3840 GDDR6
16GB 256bit
19.5Gbps
624GB/s
60 37.5㎟*4 +
200㎟
263W 499ドル
RX 6800 XT 4608 GDDR6
16GB 256bit
16Gbps
512GB/s
72 519㎟ 300W 599ドル
RTX 3070 Ti 6144 GDDR6X
8GB 256bit
19Gbps
608GB/s
48 392㎟ 290W 599ドル
RX 6800 3840 GDDR6
16GB 256bit
16Gbps
512GB/s
60 519㎟ 250W 549ドル
RX 7700 XT 3456 GDDR6
12GB 192bit
18Gbps
432GB/s
54 37.5㎟*4 +
200㎟
245W 449ドル
RTX 4060 Ti 8GB 4352 GDDR6
8GB 128bit
18Gbps
288GB/s
34 190㎟ 160W 399ドル
RTX 3070 5888 GDDR6
8GB 256bit
14Gbps
448GB/s
46 392㎟ 220W 499ドル
RX 6750 XT 2560 GDDR6
12GB 192bit
18Gbps
432GB/s
40 336㎟ 250W 419ドル
RTX 3060 Ti 4864 GDDR6
8GB 192bit
14Gbps
448GB/s
38 392㎟ 200W 399ドル
RX 6700 XT 2560 GDDR6
12GB 192bit
16Gbps
384GB/s
40 336㎟ 230W 379ドル
Arc A770 16GB 4096 GDDR6
16GB 256bit
17.5Gbps
560GB/s
32 406㎟ 225W 349ドル
Arc A770 8GB 4096 GDDR6
8GB 256bit
16Gbps
512GB/s
32 406㎟ 225W 329ドル
RX 7600 XT 2048 GDDR6
16GB 128bit
18Gbps
288GB/s
32 204㎟ 190W 329ドル
RTX 3060 3584 GDDR6
12GB 192bit
15Gbps
360GB/s
28 276㎟ 170W 329ドル
RTX 4060 3072 GDDR6
8GB 128bit
17Gbps
272GB/s
24 156㎟ 115W 299ドル
RX 6650 XT 2048 GDDR6
8GB 128bit
17.5Gbps
288GB/s
32 237㎟ 180W 299ドル
Arc A750 3584 GDDR6
16GB 256bit
16Gbps
512GB/s
28 406㎟ 225W 289ドル
RX 7600 2048 GDDR6
8GB 128bit
18Gbps
288GB/s
32 204㎟ 165W 269ドル
RX 6600 XT 2048 GDDR6
8GB 128bit
16Gbps
256GB/s
32 237㎟ 160W
RTX 3050 2560 GDDR6
8GB 128bit
15Gbps
224GB/s
20 276㎟ 130W 249ドル
RX 6600 1792 GDDR6
8GB 128bit
14Gbps
224GB/s
28 237㎟ 132W 239ドル

今回見ていくのはRTX 40シリーズのリフレッシュ版「RTX 40 SUPER」の「GeForce RTX 4080 SUPER」ハイエンドGPUです。基本仕様は既存の「RTX 40シリーズ」と同様で、アーキテクチャは「Ada Lovelace」で、製造プロセスも「TSMC 4N(カスタム)」となっています。コア・メモリ・クロック等の調整がされたシリーズとなっています。

既に登場している「RTX 4070 SUPER」および「RTX 4070 Ti SUPER」においては、元モデルから大きな向上が魅力のモデルとなっていましたが、「RTX 4080 SUPER」は性能自体はRTX 4080から微増程度で、主に1,199ドルから999ドルへの値段引き下げが注目のモデルとなっています。また、「RTX 4080」はSUPERの登場に伴い市場から廃止予定です。

ただ、記事執筆時点で既に初動の実売価格が判明していますが、いわゆるアリバイ価格と呼ばれる最安価格では約162,800円のものがありますが、それを除いた次点は約185,800円~ほどとなっており、既存のRTX 4080よりも少し高価になっています。そのため、少なくとも発売時にはコスパの向上はほぼ無い点は注意が必要です。

「RTX 4080」と同様にAD103シリコンが使用されており、CUDAコア数は9728から10240に向上(約+5.3%)し、利用可能なプロセッサー数を最大限活用する形になっています。他のコア類も同様の向上率となっています。クロックもわずかに向上しており、ベースクロックは2210MHzから2290MHz(約+3.6%)、ブーストクロックは2510MHzから2550MHz(約+1.6%)になっています。

VRAMに関しては更にわずかな向上で、RTX 4080と16GB GDDR6Xで256bitというのは同じで、メモリクロックが22.4Gbpsから23.0Gbpsへとわずかに上昇したのみとなっています。これによって帯域幅も約716.8GB/sから736.3GB/sへと微増していますが、差はほとんどないものと考えて良いかなと思います。L2キャッシュも同じ64MBのままです。

カタログスペックの時点で大きな向上が望め無さそうなのは少し残念ですが、恐らくはそのおかげで消費電力(TGP)もRTX 4080と同じ320Wが維持されているのは良いと思います。「RTX 4080」は現行世代でのトップクラスの効率の良さも魅力でしたが、その点については維持されていることがわかります。

といった感じで「RTX 4080 SUPER」自体の仕様面の紹介はここまでにして、以下からは「RTX 40シリーズ」に共通する仕様面についても軽く触れていこうと思います(基本的に過去記事のコピペです)。

まず映像コーデックの対応で、「AV1」に対して、RTX 30シリーズではデコードだけのサポートでしたが、RTX 40ではエンコードにも対応しています。特にクリエイターの方にとっては嬉しい仕様だと思いますし、AV1は将来性があって採用率が高くなっていく可能性も高いため、導入しておくと安心できます。

レイトレーシングでは「RTコア」がRTX 30シリーズの第2世代から第3世代に更新されています。第3世代「RTコア」では「Shader Execution Reordering」などの新機能が追加され、性能が向上しています。

NVIDIAのアップスケーリング技術である「DLSS」でも、対応コアである「Tensorコア」が第3世代から第4世代へと更新されています。これにより、アップグレードされた「DLSS 3」を利用することができます。「DLSS 3」では中間フレームを作成することで負荷を大幅に軽減する機能が追加されており、性能が格段向上しているとNVIDIAは主張しており、実際に負荷がかなり軽減されている結果があります。そのため、重量級のゲームを高解像度でプレイしたい場合などには非常に役立つと思います。ただ、AMDのFSRでもフレーム生成機能が含まれており、こちらはGeForceとRadeonのどちらでも使えるので、フレーム生成自体はDLSS 3の固有の機能という訳では無い点は一応留意です。とはいえ、最終的な品質ではDLSS 3の方が優れているという意見が多いので、アップスケーリングを重視するならやはりRTX 40は魅力的です。

といった感じで、カタログスペックについてはここまでとして、実際の各性能について下記から見ていきたいと思います。

ゲーミング性能

ゲーミング性能は、言葉の通りゲームをする際のパフォーマンスの性能です。実際にゲームを動作させた際の平均FPS数を見ていきます。今回は25種類のゲームでのデータを基に見ていきます。設定は基本的に最高品質です。

まずは、レイトレーシングやアップスケリーング等は無効の状態での性能、いわゆるラスタライズ性能を見ていきます。

使用されたグラフィックボードは「NVIDIA GeForce RTX 4080 SUPER Founders Edition(通称FE版)」、CPUは「Core i9-14900K」で、OSはWindows 11が使用されています。その他のスペックなどの詳細は、お手数ですが記事上部の参考リンクを参照お願いします。


1080p(1920×1080)

FHD(1920×1080)です。最低限の解像度という感じですが、2024年現在では最も主流な解像度です。ハイエンドGPUを使用していても、特にFPSやTPSでは出来るだけ高いFPSを維持するためにこの設定にするのが主流だと思います。ただし、RTX 4090など最新世代のハイエンドGPUでは低負荷感も大きくなっているものもあります。

平均FPS(1080p 最高設定)
GPU名称 平均FPS
RTX 4090
223.6
RX 7900 XTX
197.9
RTX 4080 SUPER
195.4
RTX 4080
193.8
RX 7900 XT
179.1
RTX 4070 Ti SUPER
177.8
RTX 4070 Ti
167.6
RTX 3090 Ti
165.4
RTX 4070 SUPER
157.6
RTX 3090
153.3
RX 6900 XT
149.2
RX 7800 XT
144.0
RX 6800 XT
140.9
RTX 3080 10GB
139.1
RTX 4070
139.0
RX 7700 XT
124.9
RTX 3070 Ti
116.9
RTX 3070
111.0
RTX 4060 Ti 16GB
107.9
RTX 4060 Ti 8GB
107.0
RX 6700 XT
101.2
RTX 3060 Ti
97.6
RX 7600 XT
89.6
RTX 4060
85.0
RX 7600
82.0
RX 6600 XT
79.3
Arc A770 16GB
77.6
RTX 3060 12GB
74.9
RTX 3050
54.0
参考:TechPowerUp

RTX 4080と同等の1080p性能

1080pでの性能はRTX 4080と同等で、非常に優れています。軽いゲームなら平均240fps超えも十分に狙うことができ、重量級ゲームの最高設定でも144fps超えが珍しくないレベルの高性能さです。

性能自体には不満があるものではないですが、RTX 4080との差はわずか0.8%とほぼありませんでした。CUDAコアは約5.3%増え、クロックもわずかながら向上した割にはほぼ変化はありませんでした。

200ドルの値下げ分でコスパは以前よりかなり良くなっているはずですが、元の価格が高すぎたので、純粋なコスパは値下げ後でもそこまで良くはないです。例を挙げると、適正価格なら半額程度であるはずの「RTX 4070 / RTX 4070 SUPER」に2倍の差が付けられているかというと、実際には1.24倍~1.4倍程度の差しかついていません。このように、人気の高コスパGPUと比べると、安くなったとしても純粋なコスパは到底敵わない点は注意です。

やはり、このクラスのGPUでは1080pのラスタライズはボトルネックとなるものが多いせいか、GPU性能を最大限活かせず、コスパも悪い傾向があるように思います。


1440p(2560×1440)

WQHD(2560×1440)です。4Kは重すぎるけど、1080pよりはキレイな映像で楽しみたいという場合や、1080pでは少し性能を持て余してしまう場合に利用する解像度です。現在の主流解像度は1080pですが、GPU性能が全体的に大幅に向上してきているため、徐々にこの1440pが主流解像度に切り替わっていく気がします。

平均FPS(1440p 最高設定)
GPU名称 平均FPS
RTX 4090
188.1
RX 7900 XTX
159.5
RTX 4080 SUPER
155.8
RTX 4080
154.1
RX 7900 XT
139.9
RTX 4070 Ti SUPER
137.5
RTX 3090 Ti
131.3
RTX 4070 Ti
128.2
RTX 3090
119.2
RTX 4070 SUPER
118.6
RX 6900 XT
114.0
RX 7800 XT
109.3
RX 6800 XT
106.8
RTX 3080 10GB
106.1
RTX 4070
103.5
RX 7700 XT
92.1
RTX 3070 Ti
87.7
RTX 3070
82.6
RTX 4060 Ti 16GB
78.0
RTX 4060 Ti 8GB
77.1
RX 6700 XT
74.3
RTX 3060 Ti
71.6
RX 7600 XT
64.0
RTX 4060
61.3
Arc A770 16GB
59.9
RX 7600
57.9
RX 6600 XT
56.1
RTX 3060 12GB
54.7
RTX 3050
39.2
参考:TechPowerUp

1440pもRTX 4080と同等

1440pでもRTX 4080との差はわずか1.1%で、同等のパフォーマンスでした。重めのタイトルでも平均144fps超えを普通に狙うことができる高性能さです。

1080pよりはボトルネック面もやや改善しており、「RTX 4070」で40%程度だった差も50%程度まで広がっています。価格差を考えればまだコスパが良いとは言えないレベルだとは思いますが、重量級のゲームの高設定で100~165fpsを安定して出すにはこのクラスのGPUが必要にはなってくるので、優位性は上がっていると思います。


4K(3840×2160)

「超高解像度の代名詞」ともいえる解像度の4K(3840×2160)です。非常に繊細で綺麗な映像になりますが、その負荷の大きさから高いFPSを出す事が難しいためTPSやFPSなどの対人競技ゲームで利用されることはまずないです。処理性能の要求が高いだけでなく、高リフレッシュレートの4Kモニターが非常に高価ということもあり、2023年現在では競技性の高いゲームではあまり利用されません。フレームレートよりもグラフィックのキレイさや臨場感が重要なゲームを中心に需要のある解像度です。

平均FPS(4K 最高設定)
GPU名称 平均FPS
RTX 4090
118.7
RX 7900 XTX
96.1
RTX 4080 SUPER
93.7
RTX 4080
92.5
RTX 3090 Ti
81.5
RX 7900 XT
81.0
RTX 4070 Ti SUPER
80.8
RTX 4070 Ti
72.8
RTX 3090
72.5
RTX 4070 SUPER
67.5
RX 6900 XT
65.3
RTX 3080 10GB
63.6
RX 7800 XT
62.3
RX 6800 XT
60.7
RTX 4070
58.6
RX 7700 XT
50.7
RTX 3070 Ti
50.5
RTX 3070
47.3
RTX 4060 Ti 16GB
43.2
RTX 4060 Ti 8GB
41.1
RTX 3060 Ti
40.7
RX 6700 XT
40.7
Arc A770 16GB
35.8
RX 7600 XT
34.8
RTX 4060
33.6
RTX 3060 12GB
31.2
RX 7600
30.1
RX 6600 XT
29.2
RTX 3050
21.6
参考:TechPowerUp

4Kでも高いfps

4Kゲーム性能も高いです。重量級ゲームが中心の4Kの最高設定でも平均93.7fpsを記録しています。やはりRTX 4080と同等の性能です。

平均60fpsは基本達成することが可能で、特別重くないタイトルや設定を下げることを想定するなら100fps超えも狙えるレベルの高性能さです。4Kなら下位GPUに対しての差もかなり大きくなっており、「RTX 4070」との差も約60%まで広がっています。

ただ、VRAM容量が同じで200ドル安い「RTX 4070 Ti SUPER」との差が約16%というのが気になるところです。少なくとも現状では「RTX 4080 SUPER」クラスの性能があっても、ボトルネックや環境のせいで1080pや1440pでは最大限性能を発揮しにくい状況がありますから、その辺りのネックが多少改善されつつ価格も安い「RTX 4070 Ti SUPER」が4Kでも価格差分くらいの性能差なので、無駄な費用を掛けずに節約するという意味では魅力的にも見えると思います。

電力関連

消費電力

ゲームプレイ時(高負荷時)の平均消費電力を見ていきます。低い方が良い数値となります。測定に使用されたゲームは「Cyverpunk 2077」で、解像度は「3840×2160(4K)」です。

GPU平均消費電力(ゲーミング)
GPU名称 消費電力
RTX 4060
128W
RTX 3050
132W
RTX 4060 Ti 8GB
152W
RX 7600
152W
RX 6600 XT
159W
RTX 4060 Ti 16GB
165W
RTX 3060
183W
RX 7600 XT
193W
RTX 4070
201W
RTX 3060 Ti
205W
RTX 4070 SUPER
218W
RX 6700 XT
224W
RX 7700 XT
228W
RTX 3070
232W
Arc A770 16GB
235W
RX 7800 XT
250W
RTX 4070 Ti
277W
RTX 4070 Ti SUPER
292W
RX 6800 XT
294W
RX 6900 XT
300W
RTX 3070 Ti
302W
RTX 4080 SUPER
302W
RTX 4080
304W
RX 7900 XT
312W
RTX 3080 10GB
336W
RX 7900 XTX
353W
RTX 3090
368W
RTX 4090
411W
RTX 3090 Ti
537W
参考:TechPowerUp

TGPをやや下回る302Wで、性能を考えると少ない

ゲーム時の平均消費電力は302Wで、TGPの320Wをやや下回っていました。性能を考えるとかなり少なくて素晴らしいです。「RTX 4080」の頃からカタログ値よりも良い状況がありましたが、それが維持されているのは嬉しいです。このクラスの性能を備えながら、前世代のハイエンド平均よりも若干下くらいの電力で稼働することができます。

ワットパフォーマンス

ワットパフォーマンス(電力効率)を見ていきます。ゲーミング時の1フレームあたりの消費電力を算出して比較しています。測定に使用されたゲームは「Cyberpunk 2077(4K/Ultra/レイトレ無効)」です。

ワットパフォーマンス(Cyberpunk 2077)
GPU名称 1フレームあたりの消費電力
RTX 4080 SUPER
4.0W
RTX 4080
4.0W
RTX 4070 SUPER
4.1W
RTX 4090
4.2W
RX 7900 XTX
4.4W
RTX 4060 Ti 8GB
4.5W
RTX 4070
4.5W
RX 7900 XT
4.7W
RTX 4070 Ti SUPER
4.7W
RTX 4070 Ti
4.7W
RX 7800 XT
4.9W
RTX 4060 Ti 16GB
5.1W
RTX 4060
5.3W
RX 7600
5.7W
RX 7700 XT
5.7W
RTX 3070
6.0W
RX 6900 XT
6.2W
RTX 3060 Ti
6.2W
RTX 3090
6.3W
RX 6600
6.3W
RX 6800 XT
6.5W
RTX 3080 10GB
6.5W
RX 7600 XT
6.6W
RX 6600 XT
6.9W
RTX 3070 Ti
7.3W
Arc A770 16GB
7.3W
RX 6700 XT
7.4W
RTX 3060
7.5W
RTX 3050
8.0W
RTX 3090 Ti
8.0W
参考:TechPowerUp

ワットパフォーマンスは同世代でトップクラスの良さ

ワットパフォーマンスは同世代GPUの中でトップクラスに良いです。「RTX 4080 SUPER」の大きな強みです。

元の「RTX 4080」がそもそも非常に良くて、そこから微調整レベルの変化ですから予想できた結果ではあるものの、やはり嬉しい要素です。上の表では小数点以下を除いているのでわかりませんが、「RTX 4080」よりもわずかに向上しており、現状ではトップに位置しています。

これは4Kゲームでの結果なので、ボトルネックが出やすくなるより低負荷な環境ではもう少し下がる可能性はあるものの、これだけの良い数値なら多少下がっても同世代で不利になることはまずないレベルの優秀さだと思います。

日常的に高負荷な処理を長時間行うような使い方の場合には、非常に魅力的なGPUだと思います。

レイトレーシング性能

レイトレーシング性能

レイトレーシング性能を見ていきます。レイトレーシングはメインコアと別のレイトレーシング用のコアも使用するため、上述のラスタライズ性能とやや差が出る可能性があります。

レイトレーシングFPS(1080p 幾何平均)
GPU名称 平均FPS
RTX 4090
149.1
RTX 4080 SUPER
128.1
RTX 4080
127.3
RTX 4070 Ti SUPER
116.4
RTX 4070 Ti
110.2
RTX 3090 Ti
107.8
RTX 4070 SUPER
103.4
RX 7900 XTX
103.2
RTX 3090
99.0
RX 7900 XT
93.2
RTX 4070
91.9
RTX 3080 10GB
90.1
RX 7800 XT
75.4
RX 6900 XT
72.7
RTX 3070 Ti
71.3
RTX 4060 Ti 16GB
71.1
RX 6800 XT
68.5
RTX 3070
68.4
RTX 4060 Ti 8GB
67.4
RX 7700 XT
66.4
RTX 3060 Ti
60.3
RX 6800
58.9
RTX 4060
54.5
RX 6700 XT
48.9
RX 7600 XT
46.6
RX 7600
39.5
参考:TechPowerUp

レイトレーシングFPS(1440p 幾何平均)
GPU名称 平均FPS
RTX 4090
120.0
RTX 4080 SUPER
99.1
RTX 4080
98.6
RTX 4070 Ti SUPER
88.1
RTX 3090 Ti
82.5
RTX 4070 Ti
82.3
RX 7900 XTX
79.7
RTX 4070 SUPER
75.9
RTX 3090
74.7
RX 7900 XT
70.4
RTX 3080 10GB
67.0
RTX 4070
66.7
RX 7800 XT
54.9
RX 6900 XT
52.1
RTX 4060 Ti 16GB
50.1
RX 6800 XT
49.1
RX 7700 XT
47.0
RTX 3070 Ti
43.9
RX 6800
42.4
RTX 3070
42.0
RTX 4060 Ti 8GB
40.9
RTX 3060 Ti
37.2
RX 6700 XT
33.5
RTX 4060
33.1
RX 7600 XT
33.0
RX 7600
23.3
参考:TechPowerUp

レイトレーシングFPS(4K 幾何平均)
GPU名称 平均FPS
RTX 4090
74.9
RTX 4080 SUPER
57.8
RTX 4080
57.1
RTX 4070 Ti SUPER
50.4
RTX 3090 Ti
48.8
RX 7900 XTX
46.1
RTX 3090
43.4
RX 7900 XT
39.2
RTX 4070 Ti
36.6
RTX 4070 SUPER
34.2
RTX 4070
30.2
RX 7800 XT
30.1
RTX 3080 10GB
29.0
RX 6900 XT
28.2
RTX 4060 Ti 16GB
27.3
RX 6800 XT
26.5
RX 6800
22.8
RX 7700 XT
21.1
RTX 3070 Ti
19.9
RTX 3070
18.5
RTX 4060 Ti 8GB
17.6
RTX 3060 Ti
16.7
RX 7600 XT
16.6
RX 6700 XT
16.1
RTX 4060
14.6
RX 7600
7.1
参考:TechPowerUp

RTX 4080と同等の非常に優れたレイトレーシング性能

ネイティブのレイトレーシング性能は高いです。アップスケーリングに頼らずとも、1080pで軽いタイトルなら144fpsに達成することが可能なレベルで、1440pでも高いfpsを維持することができます。さすがのレイトレーシング性能です。

VRAM性能重視で「Radeon RX 7900 XT / XTX」との差が気になる方も居ると思いますが、レイトレーシング性能で大きな差がある点がまず要点の一つです。 RX 7900 XTXに対しては、平均で約24%上回っており、大きな差があることがわかります。

人気の高GPUではVRAMは8GB~12GBがまだ主流ですが、レイトレーシングはVRAM要求値が高いため、そのあたりだとやや頼りない場面も多いため、ラスタライズよりも優位性は高くなっていると思います。特に1440pあたりからは8GB~12GBあたりだと大きなネックになってくるので、その差はかなり大きくなっています。実用する人はほぼ居なさそうですが、特に4Kレイトレーシングでは下位GPUに対しての差は非常に大きくなっており、「RTX 4070」と比べてみると91.3%も上回ります。

最近ではフレーム生成機能の実用化が進んでいることもあり、以前より下位GPUでもプレイはできるみたいな部分がありますが、ネイティブでも高い性能を発揮する「RTX 4080 SUPER」のアップスケーリング併用時のパフォーマンスは当然非常に高いので、レイトレーシングで144fps以上の滑らかな映像で楽しみたい場合には非常に強力なGPUです。

コストパフォーマンス

上述のfpsを基にGPUの1フレームあたりの価格を算出し、コストパフォーマンスを比較しています。数値が低い方が良い点に注意です。各GPUの価格は、記事執筆時点のおおよその市場最安値価格です。ラスタライズとレイトレーシング時の両方を見ていきます。

元のゲーミング性能の解像度は1440pを用いています。4Kなどではやや結果が異なる可能性がある点に注意です。


1フレームあたりの価格(ラスタライズ)

まずはラスタライズ性能のコスパです。上述の1440pゲーム時の性能と現在の市場価格を基に、1フレームあたりの価格を算出し、コスパとして比較しています。

「RTX 4080 SUPER」の初動主要価格は185,800円~くらいですが、元の999ドルという価格設定を考えるとこれは高すぎるので、一応初動の最安値かつ適正価格想定の162,800円でのコスパも併せて載せています。

1fあたりの価格(1440p@RT無し)
GPU名称 1フレームあたりの価格 価格
RX 7600
¥639
¥36,980
RX 6700 XT
¥667
¥49,580
RTX 3070 Ti
¥670
¥58,800
RX 6600 XT
¥677
¥37,980
RTX 4060
¥701
¥42,980
RTX 3060 12GB
¥709
¥38,800
RTX 3070
¥724
¥59,800
RX 7700 XT
¥725
¥66,800
RX 7800 XT
¥730
¥79,800
RTX 4060 Ti 8GB
¥744
¥57,400
RTX 3050
¥760
¥29,800
RTX 3060 Ti
¥765
¥54,800
Arc A770 16GB
¥781
¥46,800
RTX 4070
¥810
¥83,800
RTX 4070 SUPER ※発売直後
¥825
¥97,800
RX 6800 XT
¥831
¥88,800
RTX 3080 10GB
¥837
¥88,800
RX 7900 XT
¥858
¥120,000
RTX 4070 Ti
¥858
¥109,980
RX 6900 XT
¥858
¥97,800
RTX 4060 Ti 16GB
¥882
¥68,800
RX 7900 XTX
¥939
¥149,800
RTX 4070 Ti SUPER※値下がり想定
¥944
¥129,800
RTX 4080 SUPER ※値下がり想定
¥1,045
¥162,800
RTX 4070 Ti SUPER※発売直後
¥1,075
¥147,800
RTX 4080
¥1,167
¥179,800
RTX 4080 SUPER ※発売直後
¥1,193
¥185,800
RTX 4090
¥1,594
¥299,800
参考:TechPowerUp

ラスタライズのコスパは悪い

「RTX 4080 SUPER」のラスタライズのゲーム性能コスパは悪いです。値下がり後想定の162,800円で算出しても、ミドルレンジ帯の高コスパGPUには大きく劣っています。

200ドル値下がりしたとしても、16万円クラスの物凄く高価なGPUではある点は変わらないですし、現状の主要なゲーム環境においては高性能すぎてオーバースペックになりがちという点を考慮しても、コスパ重視のGPUとは見れないかなと思います。この価格のGPUなので仕方ない部分です。

ただ、実際にPCに組み込む際には他の費用が加算されるので、その場合には高性能なほど少し優位性はありますし、値下がり後の価格を想定すれば以前よりはかなり改善はします。効率も非常に良いですし、4Kやレイトレでも高い性能が欲しいけど、価格面がネックで手を出しづらかった人にとっては少し導入しやすくはなるのかなと思います。


1フレームあたりの価格(レイトレーシング)

次にレイトレーシング時のコスパを見ていきます。DLSSやFSR等のアップスケーリング技術は使用していない場合のものになります。

1fあたりの価格(1440p@RT)
GPU名称 1フレームあたりの価格 価格
RTX 4070
¥1,256
¥83,800
RTX 4070 SUPER ※発売直後
¥1,289
¥97,800
RTX 3080 10GB
¥1,325
¥88,800
RTX 4070 Ti
¥1,336
¥109,980
RTX 3070 Ti
¥1,339
¥58,800
RTX 4060 Ti 16GB
¥1,373
¥68,800
RTX 4060 Ti 8GB
¥1,403
¥57,400
RX 7700 XT
¥1,421
¥66,800
RTX 3070
¥1,424
¥59,800
RX 7800 XT
¥1,454
¥79,800
RTX 3060 Ti
¥1,473
¥54,800
RTX 4070 Ti SUPER ※値下がり想定
¥1,473
¥129,800
RX 6700 XT
¥1,480
¥49,580
RX 7600
¥1,587
¥36,980
RTX 4080 SUPER ※値下がり想定
¥1,643
¥162,800
RTX 4070 Ti SUPER ※発売直後
¥1,678
¥147,800
RX 7900 XT
¥1,705
¥120,000
RX 6800 XT
¥1,809
¥88,800
RTX 4080
¥1,824
¥179,800
RTX 4080 SUPER ※発売直後
¥1,875
¥185,800
RX 6900 XT
¥1,877
¥97,800
RX 7900 XTX
¥1,880
¥149,800
RTX 4090
¥2,498
¥299,800
参考:TechPowerUp

レイトレーシングもコスパは悪い

レイトレシーングのコスパもラスタライズと同様に悪いです。価格が問題なので仕方ない部分です。ただ、レイトレーシングでは下位GPUに対して快適度で圧倒的な差があるので、数字だけでは判断できない部分もあります。

とはいえ、値下がり後の価格を想定したとしても、現状の高価な「RTX 4070 Ti SUPER」と同等のコスパですし、「RTX 4080 SUPER」と「RTX 4070 Ti SUPER」の値下がりはある程度連動しそうなことを考えると、総合的に見ると「RTX 4070 Ti SUPER」の方が純粋なコスパは少し上です。

効率は「RTX 4080 SUPER」の方がやや優れている点や、PC総額から見たコスパなどを考えると一概にはどちらが良いとは言えないですが、安いのはやはりメリットなので「RTX 4070 Ti SUPER」の方が優先度は高くなるのかなと思います。

クリエイティブ用途

比較の最後は、クリエイティブ用途でのパフォーマンスを見ていきます。

一般的な動画編集等の基準性能としてFP32(単精度浮動小数点演算)の理論演算性能、「Blender」におけるGPUレンダリング性能、「SPECviewperf 2020 v3」によるOpenGL性能、AIイラスト生成ソフト「Stable Diffusion」の性能をそれぞれ見ていきたいと思います。

また、ここのテストは上述までとは異なるテストシステムを使用した海外レビュー(Tom’s Hardware)を参考にしています。「Core i9-13900K」と「DDR5-6600 CL34 32GB(16GBx2)」が使用されています。他の条件について気になる方は上述の参考リンクをご覧ください。

理論演算性能(FP32)

FP32(単精度浮動小数点演算)は、理論演算性能を示す一つの指標です。単位はTFLOPS(テラフロップス)を用います。実際のテストから算出するものではなく、シェーダーユニット数(対応の演算器の数)とクロックから計算した、理論上の処理性能を表します。製品によってクロックが異なるので、下記の表の数値と異なる可能性がある点に注意です。

一般的な動画編集においてのクリエイティブ性能は、このFP32とVRAMの性能(データ量が多い処理の場合)によって比例する傾向があります。実際「Premiere Pro CC」や「Davinci Resolve」などの主要な動画編集ソフトでの編集やプレビュー速度はある程度比例する傾向があるので、まず参考に見ていこうと思います(完全に一致する訳ではないので注意)。

FP32(単精度浮動小数点演算)
GPU名称 FP32(TFLOPS)
RTX 4090
24GB 1008GB/s
82.58
RX 7900 XTX
24GB 960GB/s
61.42
RTX 4080 SUPER
16GB 736.3GB/s
52.22
RX 7900 XT
20GB 800GB/s
51.48
RTX 4080
16GB 716.8GB/s
48.74
RTX 4070 Ti SUPER
16GB 672GB/s
44.10
RTX 4070 Ti
12GB 504GB/s
40.09
RX 7800 XT
16GB 624GB/s
37.32
RTX 4070 SUPER
12GB 504GB/s
35.48
RX 7700 XT
12GB 432GB/s
35.17
RTX 3080
10GB 760GB/s
29.77
RTX 4070
12GB 504GB/s
29.15
RX 7600 XT
16GB 288GB/s
22.57
RTX 4060 Ti
8GB / 16GB  288GB/s
22.06
RTX 3070 Ti
8GB 608GB/s
21.75
RX 7600
8GB 288GB/s
21.75
RX 6800 XT
16GB 512GB/s
20.74
RTX 3070
8GB 448GB/s
20.31
Arc A770 16GB
16GB 560GB/s
17.20
RTX 3060 Ti
8GB 448GB/s
16.20
RX 6800
16GB 512GB/s
16.17
RTX 4060
8GB 272GB/s
15.11
RX 6700 XT
12GB 384GB/s
13.21
RTX 3060 12GB
12GB 360GB/s
12.74
RX 6600 XT
8GB 256GB/s
10.61
RTX 3050
8GB 224GB/s
9.10
RX 6600
8GB 224GB/s
8.93

理論性能は高いが、VRAMが価格の割には強力ではない点に注意

FP32は「RTX 4080」からコア数の増加やクロック向上があったため少し向上しています。

性能自体は非常に高いですが、価格を考えればコスパは良くはないのと、VRAMのスペックも価格の割には強力ではないので(十分高性能ではあるけど)、そこは一応留意しておいても良いかもしれません。

Blender(3DのGPUレンダリング)

「Blender」は人気のある定番のレンダリングソフトです。「Blender 3.6.0」を用いた「Blender Benchmark」の3つのテスト結果の幾何平均を総合スコアとし、比較していきます。

「Blender 3.6.0」では、AMD、NVIDIA、Intel Arc GPUでレイトレーシングを使用するCycles Xエンジンが含まれているため、レイトレーシング性能も重要となります。しかし、どうやら「Blender 3.6.0」ではレイトレーシング用のコアを直接使用するのではなく、メインのGPUシェーダーを介しての処理となるようです。そのため、RTコアではなくメインのGPUコア(CUDAコア)でレイトレーシングを高速化できるエンジンの「Optix」を持つGeForceに現状では優位性があります。

Blender Benchmarks(3.6.0)
GPU名称 総合スコア(幾何平均)
RTX 4090
4213.9
RTX 4080 SUPER
3210.1
RTX 4080
3119.6
RTX 4070 Ti SUPER
2732.0
RTX 4070 Ti
2368.5
RTX 4070 SUPER
2310.1
RTX 4070
1943.2
RTX 4060 Ti 8GB
1419.4
RTX 4060 Ti 16GB
1371.2
RTX 3070 Ti
1356.2
RX 7900 XTX
1252.9
RTX 4060
1160.3
RX 7900 XT
1144.1
RX 7800 XT
752.6
Arc A770 16GB
696.5
RX 7700 XT
649.7
RX 7600 XT
434.7
RX 7600
422.5
参考:Tom’s Hardware

RTX 4080からわずかに向上したレンダリング性能

Blenderにおけるレンダリング性能は非常に高いです。RTX 4080からは約2.9%向上し、ゲームよりは高い向上率を記録しています。

また、現状ではBlenderにおけるレンダリング性能はRadeonよりもGeForceが大幅に有利なのもポイントです。理論性能とVRAM性能を考えれば「RX 7900 XT / XTX」は「RTX 4080 SUPER」以上の性能があってもおかしくないですが、実際には2.5倍以上もRTX 4080 SUPERが高速です。

この差は処理の仕組みがGeForce有利に働いているので仕方がなく、この劇的な差が維持されるかは各GPUメーカーのドライバなどによる改善や、ソフト側の最適化によるものの、少なくとも現状Blenderでのレンダリングを想定するならGeForce一択というのは覚えておくと良いかもしれません

SPECviewperf 2020 v3(OpenGL)

「SPECviewperf 2020 v3」はOpenGL性能を測るベンチマークです。OpenGLはクロスプラットフォームに対応した汎用型のグラフィックスライブラリとなっており、ゲームだけでなく幅広い分野で利用されています。

今回見るのは「SPECviewperf 2020 v3」の8つのテストの総合スコア(幾何平均)です。ただし、一般的にはテストに使用される処理全てを利用する人はほぼ居ないと思うため、自分が使用するアプリケーションで使用される処理について確認することが重要な点は留意しておきましょう。今回は総合的な性能で相対的な差を求めるために、幾何平均による総合スコアを用いています。

SPECviewperf 2020 v3
GPU名称 総合スコア(幾何平均)
RX 7900 XTX
202.79
RX 7900 XT
178.16
RX 7800 XT
129.15
RTX 4090
126.26
RX 7700 XT
112.95
RTX 4080 SUPER
101.12
RTX 4080
98.57
RTX 4070 Ti SUPER
88.95
RX 7600 XT
83.67
RTX 4070 Ti
80.29
RX 7600
79.14
RTX 4070 SUPER
75.98
RTX 4070
66.71
RTX 3070 Ti
56.17
RTX 4060 Ti 16GB
51.12
RTX 4060 Ti 8GB
50.92
RTX 4060
43.51
Arc A770 16GB
30.78
参考:Tom’s Hardware

GeForceのOpenGL性能はRadeonに大幅に劣るけど、制限下でも比較的優れた性能

GeForceではOpenGL性能に強い制限が掛けられていて、Radeonの方が有利です。同社のプロフェッショナル向けGPUの需要を維持するための調整となっています。

Radeonでも同様にプロフェッショナル向けのGPUがあり、ゲーム向けGPUでは制限が掛けられていますが、その制限がGeForceよりは緩いです。そのため、ゲーム向けGPU同士の比較だとRadeonの方が明らかに良く見えるという状況になっています。

なのですが、「RTX 4080 SUPER」はさすがの超高額ハイエンドGPUで、制限された状況でも比較的高いパフォーマンスです。

ただし、一部の処理では物凄く低いパフォーマンスだったりすることもありますし、「RX 7900 XT / XTX」の方が1.76倍~2倍程度の圧倒的に高い性能を発揮するので、OpenGLで高い性能を要求されることが事前にわかっている場合には、Radeonにするかクリエイター用のプロフェッショナルモデルにする方が良いです。

Stable Diffusion(AIイラスト生成)

現在、AIイラストソフトで人気のある「Stable Diffusion」を用いて、AIイラストの生成時間を比較しています。よく利用されるAIイラスト生成ソフトは他にもありますが「Stable Diffusion」が恐らくは一番定番と言えるものだと思います。

各GPUで「768×768の20枚の画像を生成するのに掛かる時間」を測定し、1分あたり何枚の画像を生成できるかを各GPUで算出して比較しています。

Stable Diffusion(768×768)
GPU名称 1分あたりの生成枚数
RTX 4090
29.958
RTX 4080 SUPER
20.670
RTX 4080
20.320
RTX 4070 Ti SUPER
18.060
RTX 4070 Ti
15.888
RTX 4070 SUPER
14.234
RTX 4070
12.861
RX 7900 XTX
10.915
RTX 3070 Ti
10.617
RX 7900 XT
9.545
RTX 4060 Ti 8GB
8.587
RTX 4060 Ti 16GB
8.457
RX 7800 XT
7.031
RTX 4060
6.990
RX 7700 XT
6.205
Arc A770 16GB
4.697
RX 7600 XT
4.143
RX 7600
3.489
参考:Tom’s Hardware

AIイラスト生成性能は非常に優れているけど、16万円以上で16GB VRAMは強くはない

Stable Diffusionにおけるイラスト生成性能は高いです。768×768の場合は1分間に約20枚の画像を生成することができており、非常に高速で快適です。

ただし、高解像度の画像生成AIではVRAMの容量が非常に重要となるので、価格の割には容量が少ない16GBの「RTX 4080 SUPER」は、一応コスパ面では良くないです。

パフォーマンスは高くて快適なので、致命的という感じでもないかとは思いますが、同じ16GBというVRAM容量を搭載する「RTX 4070 Ti SUPER」に対しての優位性は+14.5%程度に留まっています。「RTX 4070 Ti SUPER」でも十分快適かつ高解像度への対応力もさほど変わらないという点を考慮すると、20%安価な「RTX 4070 Ti SUPER」の方が純粋なコスパは少し良いと言えるのかなと思います。効率ではやや有利な点もあるので一概に4070 Ti SUPER有利とも言えないですが、200ドル差はやはり大きい気がします。

まとめ

GeForce RTX 4080 SUPER

良い点
  • 元のRTX 4080よりも200ドルも安い価格設定
  • 4Kでも高いfpsを発揮する非常に優れた性能
  • 非常に優れたレイトレーシング性能
  • 同世代トップクラスのワットパフォーマンス
  • 生成AIやクリエイティブ用途でも非常に強力
  • DLSS 3に対応
  • AV1デコードおよびエンコードをサポート

気になる点
  • 非常に高価(初動実売価格:約18.6万円~)
  • 純粋なコスパは良くない
  • 価格の割には少ないVRAM容量(16GB)

RTX 4080 SUPER:性能はRTX 4080とほぼ同等で、希望小売価格が200ドル値下がりしたハイエンドGPU

見出しの通り、「RTX 4080 SUPER」は、パフォーマンスはRTX 4080からほとんど変わらず、希望小売価格が200ドル値下がりしたGPUです。

性能に関してはRTX 4080と同様で、4Kでも高いパフォーマンスを期待できる非常に高性能で素晴らしいハイエンドGPUです。ただし、RTX 4080とのゲームでの性能差はわずか1%程度でした。性能が微増程度なのはカタログスペックの時点では想像が付いていたことですが、思った以上に差が無かったです。とはいえ、価格は大幅に値下がりしたおかげでコスパが悪くなった訳ではないので、そこまで気にしなくても良い部分だと思います。

値下がりしたことにより、希望小売価格では「RX 7900 XTX」に近いものとなりました。「RX 7900 XTX」は24GB VRAMを搭載しており、それで近い価格となると魅力的にも見えますが、ラスタライズのゲーム性能では「RX 7900 XTX」の優位性は4Kでも4%程度です。また、レイトレーシングでも現状ではGeForceの方が有利なので、「RTX 4080 SUPER」の方が明らかに有利です。そのため、「RX 7900 XTX」の24GB VRAMのおかげで大きく優位に立つケースはほとんどありません。これには、現状は先に挙げたレイトレーシングの他に、画像生成AIでもGeForceが有利な点も大きく関わりますが、何にせよ同価格なら「RTX 4080 SUPER」の方が魅力的だと思います。ただし、ドライバやソフトによる最適化により状況が変わる可能性はあるので、あくまで「現状」という点には注意が必要です。

そしてまたVRAMの話になりますが、「RTX 4080 SUPER」の16GB VRAM自体は全体で見れば強力ではあるものの、「16万円以上のGPUに搭載される容量」と考えると強力ではない点も一応注意です。200ドル安価な「RTX 4070 Ti SUPER」でも16GBを搭載していますし、前述の「RX 7900 XT / XTX」は20GB/24GBを搭載しており、こちらも「RTX 4080 SUPER」よりも安価です。

特に「RTX 4070 Ti SUPER」に対しては、Radeonと違ってレイトレーシングや生成AIでの性能差も付きにくいです。そのため、VRAM容量が重要な処理では、一段高価な割には差が小さいことがあるのは気掛かりです。「RTX 4080 SUPER」は現状オーバースペック気味で、特にゲームではその高性能さが無駄になることも多いと思いますし、各処理は基本「RTX 4070 Ti SUPER」でも快適ですから、それで200ドル安いのは魅力的です。

4K(特にレイトレ)で高fpsを出したい場合にはやはり「RTX 4080 SUPER」の方が一段有利な印象はあるので、そこを重視するなら優位性はもちろんあるものの、そうでないなら「RTX 4080 SUPER」を選ぶ必要性は割とあんまり無い気がします。

「RTX 4070 Ti SUPER」との比較に限らず、「RTX 4080 SUPER」は値下がりしても物凄く高価なGPUなので、コスパの話をすると不利になってしまうのは当たり前ではあります。ただ、現在特に注目されている生成AIや4Kやレイトレといった部分でVRAM容量が重要なこともあり、そこで少し不安があるのでコスパはもうちょっと良くあって欲しいという気持ちが個人的には強くなった印象です。

RTX 4090のような一線を画す性能があればまだ目を瞑ることも出来たのだと思いますが、「RTX 4070 Ti SUPER」の登場で、一段上のハイエンドGPUという印象が若干薄れた影響もあるかもしれません。

少しネガティブな評価が多くはなってしまいましたが、SUPERの話が出る前でもある程度の需要があった「RTX 4080」を微強化しつつ大きく値下げしたNVIDIAの判断は凄いと思います。

元が高すぎたというのはもちろんありますが、「RX 7900 XTX」は生成AIやレイトレーシング面での不利があるため、実質的に競争相手が不在だったのが「RTX 4080」だったと思います。これだけ高性能でトップクラスの効率を持つGPUというだけで、多少高くても需要があったのに、そこを200ドルと一気に下げたのは大きな決断だったと思います。

「RTX 4090」搭載PCが基本50万円以上であることを考えると、40万円以下という格段に安い価格でトップクラスの効率と非常に強力な性能を実現できる「RTX 4080 SUPER」はハイエンド帯では十分魅力があるGPUだと思います。


といった感じで、本記事は以上になります。ご覧いただきありがとうございました。

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https://pcfreebook.com/article/geforce-rtx4080-super-first-review.html/feed 0
「Radeon RX 7600 XT 16GB」ざっくり評価【性能比較】 https://pcfreebook.com/article/radeon-rx-7600-xt-16gb-first-review.html https://pcfreebook.com/article/radeon-rx-7600-xt-16gb-first-review.html#respond Thu, 25 Jan 2024 14:51:38 +0000 https://pcfreebook.com/?p=31502

AMD「Radeon RX 7600 XT 16GB」のざっくり性能比較・評価です。海外レビューを参考に性能をざっくりと確認していきます。 参考 https://www.amd.com/ja/products/graph ... ]]>

AMD「Radeon RX 7600 XT 16GB」のざっくり性能比較・評価です。海外レビューを参考に性能をざっくりと確認していきます。

注意

本記事の情報は記事執筆時点(2024年1月25日)のものです。ご覧になっている際には異なる可能性があるため注意してください。

仕様

まずは主要な仕様を表にまとめて載せています。

簡易比較表

※価格は2024年1月25日時点での北米での希望小売価格です(判明しているもののみ)。

GPU シェーダー
ユニット数
メモリタイプ VRAM速度
VRAM帯域幅
レイトレ用
ユニット数
ダイサイズ
(おおよそ)
消費電力
(TGP等)
北米
参考価格
RTX 4090 16384 GDDR6X
24GB 384bit
21.0Gbps
1008GB/s
128 608㎟ 450W 1,599ドル
RTX 4080 9728 GDDR6X
16GB 256bit
22.4Gbps
716.8GB/s
76 380㎟ 320W 1,199ドル
RX 7900 XTX 6144 GDDR6
24GB 384bit
20Gbps
960GB/s
96 36.6㎟*6 +
300㎟
355W 999ドル
RX 7900 XT 5376 GDDR6
20GB 320bit
20Gbps
800GB/s
84 36.6㎟*6 +
300㎟
315W 799ドル
→749ドル?
RTX 4070 Ti SUPER 8448 GDDR6X
16GB 256bit
21.0Gbps
672GB/s
66 295㎟ 285W 799ドル
RTX 4070 Ti 7680 GDDR6X
12GB 192bit
21.0Gbps
504GB/s
60 295㎟ 285W 799ドル
→廃止予定
RTX 3090 Ti 10752 GDDR6X
24GB 384bit
21.0Gbps
1008GB/s
84 628.4㎟ 450W 1,499ドル
RTX 3090 10496 GDDR6X
24GB 384bit
19.5Gbps
936GB/s
82 628.4㎟ 350W 1,299ドル
RX 6950 XT 5120 GDDR6
16GB 256bit
18Gbps
576GB/s
80 519㎟ 335W 949ドル
RX 6900 XT 5120 GDDR6
16GB 256bit
16Gbps
512GB/s
80 519㎟ 300W 699ドル
RTX 3080 Ti 10240 GDDR6X
12GB 384bit
19Gbps
912GB/s
80 628.4㎟ 350W 1,099ドル
RTX 3080 10GB 8704 GDDR6X
10GB 320bit
19Gbps
760GB/s
68 628.4㎟ 320W 699ドル
RTX 4070 SUPER 7168 GDDR6X
12GB 192bit
21.0Gbps
504GB/s
56 295㎟ 220W 599ドル
RTX 4070 5888 GDDR6X
12GB 192bit
21.0Gbps
504GB/s
46 295㎟ 200W 549ドル
前:599ドル
RX 7800 XT 3840 GDDR6
16GB 256bit
19.5Gbps
624GB/s
60 37.5㎟*4 +
200㎟
263W 499ドル
RX 6800 XT 4608 GDDR6
16GB 256bit
16Gbps
512GB/s
72 519㎟ 300W 599ドル
RTX 3070 Ti 6144 GDDR6X
8GB 256bit
19Gbps
608GB/s
48 392㎟ 290W 599ドル
RX 6800 3840 GDDR6
16GB 256bit
16Gbps
512GB/s
60 519㎟ 250W 549ドル
RX 7700 XT 3456 GDDR6
12GB 192bit
18Gbps
432GB/s
54 37.5㎟*4 +
200㎟
245W 449ドル
RTX 4060 Ti 8GB 4352 GDDR6
8GB 128bit
18Gbps
288GB/s
34 190㎟ 160W 399ドル
RTX 3070 5888 GDDR6
8GB 256bit
14Gbps
448GB/s
46 392㎟ 220W 499ドル
RX 6750 XT 2560 GDDR6
12GB 192bit
18Gbps
432GB/s
40 336㎟ 250W 419ドル
RTX 3060 Ti 4864 GDDR6
8GB 192bit
14Gbps
448GB/s
38 392㎟ 200W 399ドル
RX 6700 XT 2560 GDDR6
12GB 192bit
16Gbps
384GB/s
40 336㎟ 230W 379ドル
Arc A770 16GB 4096 GDDR6
16GB 256bit
17.5Gbps
560GB/s
32 406㎟ 225W 349ドル
Arc A770 8GB 4096 GDDR6
8GB 256bit
16Gbps
512GB/s
32 406㎟ 225W 329ドル
RX 7600 XT 2048 GDDR6
16GB 128bit
18Gbps
288GB/s
32 204㎟ 190W 329ドル
RTX 3060 3584 GDDR6
12GB 192bit
15Gbps
360GB/s
28 276㎟ 170W 329ドル
RTX 4060 3072 GDDR6
8GB 128bit
17Gbps
272GB/s
24 156㎟ 115W 299ドル
RX 6650 XT 2048 GDDR6
8GB 128bit
17.5Gbps
288GB/s
32 237㎟ 180W 299ドル
Arc A750 3584 GDDR6
16GB 256bit
16Gbps
512GB/s
28 406㎟ 225W 289ドル
RX 7600 2048 GDDR6
8GB 128bit
18Gbps
288GB/s
32 204㎟ 165W 269ドル
RX 6600 XT 2048 GDDR6
8GB 128bit
16Gbps
256GB/s
32 237㎟ 160W
RTX 3050 2560 GDDR6
8GB 128bit
15Gbps
224GB/s
20 276㎟ 130W 249ドル
RX 6600 1792 GDDR6
8GB 128bit
14Gbps
224GB/s
28 237㎟ 132W 239ドル

今回見ていくのは16GB VRAMが注目の「RDNA 3」アーキテクチャ採用の「GeForce RX 7600 XT」です。「RX 7600」との物理仕様での違いは、VRAMが倍増の16GBとなった点のみです。その他の違いはクロック向上と消費電力増加のみとなっています。

この強化手法の理由は、「RX 7600」で既に「Navi 33」のコア面を最大限活用してしまっていたため、そこくらいしか強化できる場所がなかったためだと思われます。一応上位の「Navi 32」を採用する手も無くはなかったでしょうが、それだとさすがに勿体ないのは確かなので、このような手を取るのは意外と自然な流れだったと思います。

「RX 7600」と同様にTSMCの6nmプロセスで製造されており、チップレット設計ではなくモノシリックダイを採用しています。AMDは他の同世代GPUのメインのプロセッサーを含む部分は5nmを採用していますが、「RX 7600 XT」は6nmということでわずかながら遅れています。

「RX 7600 XT」の希望小売価格は「RX 7600」よりも60ドル高い329ドルとなっており、国内での初動の想定価格は6万円前後となっているようですが、元の価格からすれば高すぎます。「RX 7600」が現在最安3.7万円程度で販売されており、それから60ドル上がると考えれば、5万円前後が妥当な価格だと思います。このような高価な価格設定は、最近登場している「RTX 40 SUPER」を思い出させますが、そちらと比べると競争力も正直あまりないと思うので、適正価格に割とすぐ落ち着いていく可能性は高いと個人的には感じます。

「RX 7600」からのクロック向上は、ゲームクロックは2250MHzから2470MHz(約+9.8%)、ブーストクロックが2625MHzから2755MHz(約+4.9%)となっています。向上率は小さいので、やはりポイントは16GB VRAMがどう活きるかという話になりそうです。

メモリに関しては、容量が16GBに倍増したのは大きな変化ですが、速度面は変更がありません。バス幅は128bit、18Gbpsで動作し、帯域幅は288GB/sです。大容量ですが、高速なメモリとは言えない点は注意が必要です。

消費電力(TBP)は「RX 7600」の165Wから190Wに増加しています。約15%の増加となっており、コア数が変わらない割には大きめの増加です。

といった感じで「RX 7600 XT」自体の仕様面の紹介はここまでにして、以下からは「RX 7000シリーズ」に共通する仕様面についても軽く触れていこうと思います(基本的に過去記事のコピペです)。

まず映像コーデックの対応で、前世代では「AV1」はデコードだけの対応でしたが、エンコードにも対応しました。ちなみに「RTX 40シリーズ」も同様です。特にクリエイターの方にとっては嬉しい仕様だと思いますし、AV1は将来性があって採用率が高くなっていく可能性も高いため、これは有難いです。

レイトレーシングでは「Ray Accelerator」が前世代の第1世代から第2世代に更新されており、前世代からパフォーマンスが向上したとされています。

アップスケーリングでは、AMDでは専用コアが必要のない「FSR」を推しているため、アップスケーリング用のコアの搭載はありません。また、「FSR」はAMDが提供する技術ですが、オープンソースとして公開されているため、Radeon以外のGPUでも使うことができます。そのため、FSRがアップグレードして性能が上がっても、それは「RX 7000」だけの向上とはならないため、競合モデルとの差にならない点に注意です。

また、「RX 7600 XT」の発売とほぼ同時(2024年1月25日ごろ)に提供が始まったAMDのドライバーにて、「AMD Fluid Motion Frames(AFMF)」というフレーム生成機能が正式に利用可能となったのも注目です。これはフレームをゲームの処理とは別に生成・挿入することでfpsを向上させる機能です。フレーム生成機能は既にDLSS 3などでも利用可能ですが、AFMFのポイントはドライバー(ソフトウェア)による対応のため、専用コアが必要ないだけでなく、ゲーム側による対応も必要ないという点です。非常に手軽に利用することができます。質についてはこれから調べる必要があるものの、「fpsを上げる」という点では非常に魅力的な機能です。

対抗のNVIDIAでは、同社の「DLSS」というアップスケーリング機能を推しており、RTXシリーズでのみ提供(Tensorコアが必要なため)しています。一般的にこの「DLSS」の方が画質は「FSR」よりも優れていると言われており、実際にそんな感じの印象ですが、専用コアとゲーム側の対応の両方が必要となっているのがデメリットとなっています。

最後にAI用コアですが、「RX 7000シリーズ」からはRadeonでも「AI Accelerator」が搭載されるようになり、FP16における処理性能が高まっています。現状はまだ活用されている印象は正直ありませんが、これからAI分野でもRadeonは迫っていこうという意思は見えるのは一応プラス要素かなと思います

といった感じで、カタログスペックについてはここまでとして、実際の各性能について下記から見ていきたいと思います。

ゲーミング性能

ゲーミング性能は、言葉の通りゲームをする際のパフォーマンスの性能です。実際にゲームを動作させた際の平均FPS数を見ていきます。今回は25種類のゲームでのデータを基に見ていきます。設定は基本的に最高品質です。

まずは、レイトレーシングやアップスケリーング等は無効の状態での性能、いわゆるラスタライズ性能を見ていきます。

使用されたグラフィックボードは「ASRock Radeon RX 7600 XT Steel Legend」、CPUは「Core i9-14900K」で、OSはWindows 11が使用されています。その他のスペックなどの詳細は、お手数ですが記事上部の参考リンクを参照お願いします。


1080p(1920×1080)

FHD(1920×1080)です。最低限の解像度という感じですが、2024年現在では最も主流な解像度です。ハイエンドGPUを使用していても、特にFPSやTPSでは出来るだけ高いFPSを維持するためにこの設定にするのが主流だと思います。ただし、RTX 4090など最新世代のハイエンドGPUでは低負荷感も大きくなっているものもあります。

平均FPS(1080p 最高設定)
GPU名称 平均FPS
RTX 4090
223.6
RX 7900 XTX
197.9
RTX 4080
193.8
RX 7900 XT
179.1
RTX 4070 Ti SUPER
177.8
RTX 4070 Ti
167.6
RTX 3090 Ti
165.4
RTX 4070 SUPER
157.6
RTX 3090
153.3
RX 6900 XT
149.2
RX 7800 XT
144.0
RX 6800 XT
140.9
RTX 3080 10GB
139.1
RTX 4070
139.0
RX 7700 XT
124.9
RTX 3070 Ti
116.9
RTX 3070
111.0
RTX 4060 Ti 16GB
107.9
RTX 4060 Ti 8GB
107.0
RX 6700 XT
101.2
RTX 3060 Ti
97.6
RX 7600 XT
89.6
RTX 4060
85.0
RX 7600
82.0
RX 6600 XT
79.3
Arc A770 16GB
77.6
RTX 3060 12GB
74.9
RTX 3050
54.0
参考:TechPowerUp

1080pなら基本快適なパフォーマンス

1080pでの性能はまずまずといったところです。軽めのタイトルなら144fps以上も狙えるレベルですし、重量級タイトルもプレイは可能なレベルなので、高いレベルを求めなければ意外と十分です。

競合モデルとの比較では「RTX 4060」には約5.4%とわずかに上回りますがほぼ同等で、「RX 7600」には約9.3%上回る性能でした。1080pではやはりメモリ増量が活きている印象はほぼ無く、クロック分の向上といった感じです。

そのため、余分な費用が追加されている「RX 7600 XT」の1080pゲームコスパは悪い部類となっていると思います。


1440p(2560×1440)

WQHD(2560×1440)です。4Kは重すぎるけど、1080pよりはキレイな映像で楽しみたいという場合や、1080pでは少し性能を持て余してしまう場合に利用する解像度です。現在の主流解像度は1080pですが、GPU性能が全体的に大幅に向上してきているため、徐々にこの1440pが主流解像度に切り替わっていく気がします。

平均FPS(1440p 最高設定)
GPU名称 平均FPS
RTX 4090
188.1
RX 7900 XTX
159.5
RTX 4080
154.1
RX 7900 XT
139.9
RTX 4070 Ti SUPER
137.5
RTX 3090 Ti
131.3
RTX 4070 Ti
128.2
RTX 3090
119.2
RTX 4070 SUPER
118.6
RX 6900 XT
114.0
RX 7800 XT
109.3
RX 6800 XT
106.8
RTX 3080 10GB
106.1
RTX 4070
103.5
RX 7700 XT
92.1
RTX 3070 Ti
87.7
RTX 3070
82.6
RTX 4060 Ti 16GB
78.0
RTX 4060 Ti 8GB
77.1
RX 6700 XT
74.3
RTX 3060 Ti
71.6
RX 7600 XT
64.0
RTX 4060
61.3
Arc A770 16GB
59.9
RX 7600
57.9
RX 6600 XT
56.1
RTX 3060 12GB
54.7
RTX 3050
39.2
参考:TechPowerUp

1440pは重めのタイトルだとやや頼りない性能

1440pだと平均fpsは60台まで下がりました。重めのゲームが中心の最高設定なので、実際にはこの数値より上が基本だとは思いますが、重めのタイトルでは頼りないのは確かです。

「RTX 4060」との比較では約4.4%上回る性能でした。1080pでの5.4%よりもわずかに差が縮まっていました。誤差の範囲なので上下は大して気になりませんが、少なくとも16GB VRAMの恩恵がほぼ無いことの証明にはなっちゃっているのかなと思います。


4K(3840×2160)

「超高解像度の代名詞」ともいえる解像度の4K(3840×2160)です。非常に繊細で綺麗な映像になりますが、その負荷の大きさから高いFPSを出す事が難しいためTPSやFPSなどの対人競技ゲームで利用されることはまずないです。処理性能の要求が高いだけでなく、高リフレッシュレートの4Kモニターが非常に高価ということもあり、2023年現在では競技性の高いゲームではあまり利用されません。フレームレートよりもグラフィックのキレイさや臨場感が重要なゲームを中心に需要のある解像度です。

平均FPS(4K 最高設定)
GPU名称 平均FPS
RTX 4090
118.7
RX 7900 XTX
96.1
RTX 4080
92.5
RTX 3090 Ti
81.5
RX 7900 XT
81.0
RTX 4070 Ti SUPER
80.8
RTX 4070 Ti
72.8
RTX 3090
72.5
RTX 4070 SUPER
67.5
RX 6900 XT
65.3
RTX 3080 10GB
63.6
RX 7800 XT
62.3
RX 6800 XT
60.7
RTX 4070
58.6
RX 7700 XT
50.7
RTX 3070 Ti
50.5
RTX 3070
47.3
RTX 4060 Ti 16GB
43.2
RTX 4060 Ti 8GB
41.1
RTX 3060 Ti
40.7
RX 6700 XT
40.7
Arc A770 16GB
35.8
RX 7600 XT
34.8
RTX 4060
33.6
RTX 3060 12GB
31.2
RX 7600
30.1
RX 6600 XT
29.2
RTX 3050
21.6
参考:TechPowerUp

4Kはさすがに厳しい性能

価格的に仕方ないですが、4Kゲームはネイティブではさすがに厳しそうです。軽めのタイトルならプレイ自体は可能なレベルだとは思いますが、1080pで滑らかに動作させた方が圧倒的に快適だと思います。

「RTX 4060」との比較では約3.6%まで優位性は縮まり、ほぼ同等の性能です。4Kゲームでも16GB VRAMが大きく活きている印象は見受けられませんでした。「RX 7600」との比較では約15.6%上回り、1080pの約9.3%差よりは少しが広がってはいるものの、結局は誤差レベルで同等の低い性能です。

一応、一部のVRAM容量が重量なタイトルでは競合モデルよりもやや高いfpsを記録することがあったものの、結局fps自体は低いので、そこを優位性と取れるかは微妙なところです。

電力関連

消費電力

ゲームプレイ時(高負荷時)の平均消費電力を見ていきます。低い方が良い数値となります。測定に使用されたゲームは「Cyverpunk 2077」で、解像度は「3840×2160(4K)」です。

GPU平均消費電力(ゲーミング)
GPU名称 消費電力
RTX 4060
128W
RTX 3050
132W
RTX 4060 Ti 8GB
152W
RX 7600
152W
RX 6600 XT
159W
RTX 4060 Ti 16GB
165W
RTX 3060
183W
RX 7600 XT
193W
RTX 4070
201W
RTX 3060 Ti
205W
RTX 4070 SUPER
218W
RX 6700 XT
224W
RX 7700 XT
228W
RTX 3070
232W
Arc A770 16GB
235W
RX 7800 XT
250W
RTX 4070 Ti
277W
RTX 4070 Ti SUPER
292W
RX 6800 XT
294W
RX 6900 XT
300W
RTX 3070 Ti
302W
RTX 4080
304W
RX 7900 XT
312W
RTX 3080 10GB
336W
RX 7900 XTX
353W
RTX 3090
368W
RTX 4090
411W
RTX 3090 Ti
537W
参考:TechPowerUp

消費電力は性能の割に高い190W台

ゲーム時の平均消費電力はTBPの190Wとほぼ同じ193Wでした。性能を考えると高いです。「RTX 4060」は128Wとなっており、ゲーム性能は同等レベルながら65Wも少ないです。排熱や電源面でも扱いに少し差が出るレベルなので、明らかに不利な部分です。

ワットパフォーマンス

ワットパフォーマンス(電力効率)を見ていきます。ゲーミング時の1フレームあたりの消費電力を算出して比較しています。測定に使用されたゲームは「Cyberpunk 2077(4K/Ultra/レイトレ無効)」です。

ワットパフォーマンス(Cyberpunk 2077)
GPU名称 1フレームあたりの消費電力
RTX 4080
4.0W
RTX 4070 SUPER
4.1W
RTX 4090
4.2W
RX 7900 XTX
4.4W
RTX 4060 Ti 8GB
4.5W
RTX 4070
4.5W
RX 7900 XT
4.7W
RTX 4070 Ti SUPER
4.7W
RTX 4070 Ti
4.7W
RX 7800 XT
4.9W
RTX 4060 Ti 16GB
5.1W
RTX 4060
5.3W
RX 7600
5.7W
RX 7700 XT
5.7W
RTX 3070
6.0W
RX 6900 XT
6.2W
RTX 3060 Ti
6.2W
RTX 3090
6.3W
RX 6600
6.3W
RX 6800 XT
6.5W
RTX 3080 10GB
6.5W
RX 7600 XT
6.6W
RX 6600 XT
6.9W
RTX 3070 Ti
7.3W
Arc A770 16GB
7.3W
RX 6700 XT
7.4W
RTX 3060
7.5W
RTX 3050
8.0W
RTX 3090 Ti
8.0W
参考:TechPowerUp

ワットパフォーマンスは同世代の中では明らかに悪い

ワットパフォーマンスは同世代GPUの中で明らかに悪いです。

フレームあたりの消費電力は「RTX 4060」から+24.5%と格段に多いです。元々同世代では効率が悪い部類だった「RX 7600」と比べても約15.8%も多くなってしまっています。

何なら、前世代の高効率GPUにも少し劣るレベルになっており、最新世代のGPUとしては不甲斐ない結果です。「RX 7600」のダイをそのまま無理やり強化しようとした代償かなと思います。

レイトレーシング性能

レイトレーシング性能

レイトレーシング性能を見ていきます。レイトレーシングはメインコアと別のレイトレーシング用のコアも使用するため、上述のラスタライズ性能とやや差が出る可能性があります。

レイトレーシングFPS(1080p 幾何平均)
GPU名称 平均FPS
RTX 4080
127.3
RTX 4070 Ti SUPER
116.4
RTX 4070 Ti
110.2
RTX 3090 Ti
107.8
RTX 4070 SUPER
103.4
RTX 3090
99.0
RX 7900 XT
93.2
RTX 4070
91.9
RTX 3080 10GB
90.1
RX 7800 XT
75.4
RX 6900 XT
72.7
RTX 3070 Ti
71.3
RTX 4060 Ti 16GB
71.1
RX 6800 XT
68.5
RTX 3070
68.4
RTX 4060 Ti 8GB
67.4
RX 7700 XT
66.4
RTX 3060 Ti
60.3
RX 6800
58.9
RTX 4060
54.5
RX 6700 XT
48.9
RX 7600 XT
46.6
RX 7600
39.5
参考:TechPowerUp

レイトレーシングFPS(1440p 幾何平均)
GPU名称 平均FPS
RTX 4080
98.6
RTX 4070 Ti SUPER
88.1
RTX 3090 Ti
82.5
RTX 4070 Ti
82.3
RTX 4070 SUPER
75.9
RTX 3090
74.7
RX 7900 XT
70.4
RTX 3080 10GB
67.0
RTX 4070
66.7
RX 7800 XT
54.9
RX 6900 XT
52.1
RTX 4060 Ti 16GB
50.1
RX 6800 XT
49.1
RX 7700 XT
47.0
RTX 3070 Ti
43.9
RX 6800
42.4
RTX 3070
42.0
RTX 4060 Ti 8GB
40.9
RTX 3060 Ti
37.2
RX 6700 XT
33.5
RTX 4060
33.1
RX 7600 XT
33.0
RX 7600
23.3
参考:TechPowerUp

レイトレーシングFPS(4K 幾何平均)
GPU名称 平均FPS
RTX 4080
57.1
RTX 4070 Ti SUPER
50.4
RTX 3090 Ti
48.8
RTX 3090
43.4
RX 7900 XT
39.2
RTX 4070 Ti
36.6
RTX 4070 SUPER
34.2
RTX 4070
30.2
RX 7800 XT
30.1
RTX 3080 10GB
29.0
RX 6900 XT
28.2
RTX 4060 Ti 16GB
27.3
RX 6800 XT
26.5
RX 6800
22.8
RX 7700 XT
21.1
RTX 3070 Ti
19.9
RTX 3070
18.5
RTX 4060 Ti 8GB
17.6
RTX 3060 Ti
16.7
RX 7600 XT
16.6
RX 6700 XT
16.1
RTX 4060
14.6
RX 7600
7.1
参考:TechPowerUp

レイトレーシング性能は低い

ネイティブのレイトレーシング性能は低いです。1080pでもfpsはかなり低いので、基本的には他のアップスケーリングとの併用が基本になると思います。

ただし、少し16GB VRAMが活きている様子も見られました。レイトレーシングはVRAMを大量に消費するため、特に1440p~4Kにおいては8GB以下のVRAMだとfpsが激減し、まともにプレイできないというタイトルが出てきますが、「RX 7600 XT」はそこがネックでfpsが低下しているということは見受けられませんでした。

とはいえ、そもそも1080pでも低fpsなので4Kで使うことを想定するGPUではないですし、結局アップスケーリングが前提になると思うので、実用性面では差でもないのかなと思います。

コストパフォーマンス

上述のfpsを基にGPUの1フレームあたりの価格を算出し、コストパフォーマンスを比較しています。数値が低い方が良い点に注意です。各GPUの価格は、記事執筆時点のおおよその市場最安値価格です。ラスタライズとレイトレーシング時の両方を見ていきます。

元のゲーミング性能の解像度は1440pを用いています。4Kなどではやや結果が異なる可能性がある点に注意です。


1フレームあたりの価格(ラスタライズ)

まずはラスタライズ性能のコスパです。上述の1440pゲーム時の性能と現在の市場価格を基に、1フレームあたりの価格を算出し、コスパとして比較しています。

また、「RX 7600 XT」の初動想定価格は6万円前後くらいとされているようですが、329ドルという設定を考えるとこれは高すぎるので、勝手ながら雑に52,800円として計算しています。

1fあたりの価格(1440p@RT無し)
GPU名称 1フレームあたりの価格 価格
RX 7600
¥639
¥36,980
RX 6700 XT
¥667
¥49,580
RTX 3070 Ti
¥670
¥58,800
RX 6600 XT
¥677
¥37,980
RTX 4060
¥701
¥42,980
RTX 3060 12GB
¥709
¥38,800
RTX 3070
¥724
¥59,800
RX 7700 XT
¥725
¥66,800
RX 7800 XT
¥730
¥79,800
RTX 4060 Ti 8GB
¥744
¥57,400
RTX 3050
¥760
¥29,800
RTX 3060 Ti
¥765
¥54,800
Arc A770 16GB
¥781
¥46,800
RTX 4070 SUPER ※発売直後
¥805
¥95,480
RTX 4070
¥810
¥83,800
RX 7600 XT※5.28万円想定
¥825
¥52,800
RX 6800 XT
¥831
¥88,800
RTX 3080 10GB
¥837
¥88,800
RX 7900 XT
¥858
¥120,000
RTX 4070 Ti
¥858
¥109,980
RX 6900 XT
¥858
¥97,800
RTX 4060 Ti 16GB
¥882
¥68,800
RTX 4070 Ti SUPER※発売直後
¥926
¥127,380
RX 7900 XTX
¥939
¥149,800
RTX 4080
¥1,167
¥179,800
RTX 4090
¥1,594
¥299,800
参考:TechPowerUp

競合GPUと比べると一段劣るコスパ

1440pにおけるラスタライズ性能コスパは上記のようになっています。上位は値下がりが進んだ旧世代GPUが多くを占めている状況です。

「RX 7600 XT」のゲームコスパは競合モデルと比べると明らかに劣っています。「RTX 4060」や「RX 7600」は全体で見てもかなり高コスパなこともあり、その差は大きいです。メーカーの希望小売価格的には5万円を下回る可能性もあるものの、それを考慮したとしても差があるレベルです。

上述のゲーム性能を見ても、16GB VRAMが活きている印象はほぼ無かったことを考えても、ゲームコスパ重視なら向かないGPUになると思います。


1フレームあたりの価格(レイトレーシング)

次にレイトレーシング時のコスパを見ていきます。DLSSやFSR等のアップスケーリング技術は使用していない場合のものになります。

1fあたりの価格(1440p@RT)
GPU名称 1フレームあたりの価格 価格
RTX 4070
¥1,256
¥83,800
RTX 4070 SUPER ※発売直後
¥1,258
¥95,480
RTX 3080 10GB
¥1,325
¥88,800
RTX 4070 Ti
¥1,336
¥109,980
RTX 3070 Ti
¥1,339
¥58,800
RTX 4060 Ti 16GB
¥1,373
¥68,800
RTX 4060 Ti 8GB
¥1,403
¥57,400
RX 7700 XT
¥1,421
¥66,800
RTX 3070
¥1,424
¥59,800
RX 7800 XT
¥1,454
¥79,800
RTX 3060 Ti
¥1,473
¥54,800
RTX 4070 Ti SUPER ※発売直後
¥1,476
¥127,380
RX 6700 XT
¥1,480
¥49,580
RX 7600
¥1,587
¥36,980
RX 7600 XT ※5.28万円想定
¥1,600
¥52,800
RX 7900 XT
¥1,705
¥120,000
RX 6800 XT
¥1,809
¥88,800
RTX 4080
¥1,824
¥179,800
RX 6900 XT
¥1,877
¥97,800
参考:TechPowerUp

レイトレーシングのコスパも悪い

レイトレシーングのコスパもラスタライズと同様に悪いです。

とはいえ、元々レイトレーシング性能を期待するGPUではなく、当然レイトレコスパを気にする人もほとんど居ないと思うので、こちらはあまり意味のない情報かもしれません。

クリエイティブ用途

比較の最後は、クリエイティブ用途でのパフォーマンスを見ていきます。

一般的な動画編集等の基準性能としてFP32(単精度浮動小数点演算)の理論演算性能、「Blender」におけるGPUレンダリング性能、「SPECviewperf 2020 v3」によるOpenGL性能、AIイラスト生成ソフト「Stable Diffusion」の性能をそれぞれ見ていきたいと思います。

また、ここのテストは上述までとは異なるテストシステムを使用した海外レビュー(Tom’s Hardware)を参考にしています。「Core i9-13900K」と「DDR5-6600 CL34 32GB(16GBx2)」が使用されています。他の条件について気になる方は上述の参考リンクをご覧ください。

理論演算性能(FP32)

FP32(単精度浮動小数点演算)は、理論演算性能を示す一つの指標です。単位はTFLOPS(テラフロップス)を用います。実際のテストから算出するものではなく、シェーダーユニット数(対応の演算器の数)とクロックから計算した、理論上の処理性能を表します。製品によってクロックが異なるので、下記の表の数値と異なる可能性がある点に注意です。

一般的な動画編集においてのクリエイティブ性能は、このFP32とVRAMの性能(データ量が多い処理の場合)によって比例する傾向があります。実際「Premiere Pro CC」や「Davinci Resolve」などの主要な動画編集ソフトでの編集やプレビュー速度はある程度比例する傾向があるので、まず参考に見ていこうと思います(完全に一致する訳ではないので注意)。

FP32(単精度浮動小数点演算)
GPU名称 FP32(TFLOPS)
RX 7900 XTX
24GB 960GB/s
61.42
RX 7900 XT
20GB 800GB/s
51.48
RTX 4080
16GB 716.8GB/s
48.74
RTX 4070 Ti SUPER
16GB 672GB/s
44.10
RTX 4070 Ti
12GB 504GB/s
40.09
RX 7800 XT
16GB 624GB/s
37.32
RTX 4070 SUPER
12GB 504GB/s
35.48
RX 7700 XT
12GB 432GB/s
35.17
RTX 3080
10GB 760GB/s
29.77
RTX 4070
12GB 504GB/s
29.15
RX 7600 XT
16GB 288GB/s
22.57
RTX 4060 Ti
8GB / 16GB  288GB/s
22.06
RTX 3070 Ti
8GB 608GB/s
21.75
RX 7600
8GB 288GB/s
21.75
RX 6800 XT
16GB 512GB/s
20.74
RTX 3070
8GB 448GB/s
20.31
Arc A770 16GB
16GB 560GB/s
17.20
RTX 3060 Ti
8GB 448GB/s
16.20
RX 6800
16GB 512GB/s
16.17
RTX 4060
8GB 272GB/s
15.11
RX 6700 XT
12GB 384GB/s
13.21
RTX 3060 12GB
12GB 360GB/s
12.74
RX 6600 XT
8GB 256GB/s
10.61
RTX 3050
8GB 224GB/s
9.10
RX 6600
8GB 224GB/s
8.93

RX 7600からクロック分の向上

FP32性能はRX 7600からクロック分向上しています。VRAM容量が増えたこともあり、一般的な動画編集の各動作の快適度が少し上がることは期待できるかもしれません。

Blender(3DのGPUレンダリング)

「Blender」は人気のある定番のレンダリングソフトです。「Blender 3.6.0」を用いた「Blender Benchmark」の3つのテスト結果の幾何平均を総合スコアとし、比較していきます。

「Blender 3.6.0」では、AMD、NVIDIA、Intel Arc GPUでレイトレーシングを使用するCycles Xエンジンが含まれているため、レイトレーシング性能も重要となります。しかし、どうやら「Blender 3.6.0」ではレイトレーシング用のコアを直接使用するのではなく、メインのGPUシェーダーを介しての処理となるようです。そのため、RTコアではなくメインのGPUコア(CUDAコア)でレイトレーシングを高速化できるエンジンの「Optix」を持つGeForceに現状では優位性があります。

Blender Benchmarks(3.6.0)
GPU名称 総合スコア(幾何平均)
RTX 4080
3119.6
RTX 4070 Ti SUPER
2732.0
RTX 4070 Ti
2368.5
RTX 4070 SUPER
2310.1
RTX 4070
1943.2
RTX 4060 Ti 8GB
1419.4
RTX 4060 Ti 16GB
1371.2
RTX 3070 Ti
1356.2
RX 7900 XTX
1252.9
RTX 4060
1160.3
RX 7900 XT
1144.1
RX 7800 XT
752.6
Arc A770 16GB
696.5
RX 7700 XT
649.7
RX 7600 XT
434.7
RX 7600
422.5
参考:Tom’s Hardware

RadeonはBlenderのレンダリング性能が低い

Blenderにおけるレンダリング性能は、GeForceの方が圧倒的に有利で、Radeonは低いです。

Radeonかつ下位モデルにあたる「RX 7600 XT」の性能は非常に低いです。この性能の低さではVRAM容量の差もほぼ意味がないので、RX 7600とほぼ同等です。

この差は処理の仕組みがGeForce有利に働いているので仕方がなく、この劇的な差が維持されるかは各GPUメーカーのドライバなどによる改善や、ソフト側の最適化によるものの、少なくとも現状Blenderでのレンダリングを想定するならGeForce一択というのは覚えておくと良いかもしれません

SPECviewperf 2020 v3(OpenGL)

「SPECviewperf 2020 v3」はOpenGL性能を測るベンチマークです。OpenGLはクロスプラットフォームに対応した汎用型のグラフィックスライブラリとなっており、ゲームだけでなく幅広い分野で利用されています。

今回見るのは「SPECviewperf 2020 v3」の8つのテストの総合スコア(幾何平均)です。ただし、一般的にはテストに使用される処理全てを利用する人はほぼ居ないと思うため、自分が使用するアプリケーションで使用される処理について確認することが重要な点は留意しておきましょう。今回は総合的な性能で相対的な差を求めるために、幾何平均による総合スコアを用いています。

SPECviewperf 2020 v3
GPU名称 総合スコア(幾何平均)
RX 7900 XTX
202.79
RX 7900 XT
178.16
RX 7800 XT
129.15
RX 7700 XT
112.95
RTX 4080
98.57
RTX 4070 Ti SUPER
88.95
RX 7600 XT
83.67
RTX 4070 Ti
80.29
RX 7600
79.14
RTX 4070 SUPER
75.98
RTX 4070
66.71
RTX 3070 Ti
56.17
RTX 4060 Ti 16GB
51.12
RTX 4060 Ti 8GB
50.92
RTX 4060
43.51
Arc A770 16GB
30.78
参考:Tom’s Hardware

OpenGL性能はRadeonの方が圧倒的に有利

OpenGL性能は、GeForceよりもRadeonの方が圧倒的に有利となっています。

この差はGPU性能差によるものではなく、NVIDIAがゲーム向けのGeForceではOpenGL性能に制限を強く掛けているためです。同社のプロフェッショナル向けGPUの需要を維持するための調整となっています。

Radeonでも同様にプロフェッショナル向けのGPUがあり、ゲーム向けGPUでは制限が掛けられていますが、その制限がGeForceよりは緩いです。そのため、ゲーム向けGPU同士の比較だとRadeonの方が明らかに良く見えるという状況になっています。

「RTX 4060」と比べると2倍近く高い性能を発揮しており、ここは明らかに有利です。ただし、「RX 7600」への優位性はわずか5.7%であり、16GB VRAMはほぼ活きていないので、コスパ的にはXTを選ぶ必要はありません。

Stable Diffusion(AIイラスト生成)

現在、AIイラストソフトで人気のある「Stable Diffusion」を用いて、AIイラストの生成時間を比較しています。よく利用されるAIイラスト生成ソフトは他にもありますが「Stable Diffusion」が恐らくは一番定番と言えるものだと思います。

各GPUで「768×768の20枚の画像を生成するのに掛かる時間」を測定し、1分あたり何枚の画像を生成できるかを各GPUで算出して比較しています。

Stable Diffusion(768×768)
GPU名称 1分あたりの生成枚数
RTX 4080
20.320
RTX 4070 Ti SUPER
18.060
RTX 4070 Ti
15.888
RTX 4070 SUPER
14.234
RTX 4070
12.861
RX 7900 XTX
10.915
RTX 3070 Ti
10.617
RX 7900 XT
9.545
RTX 4060 Ti 8GB
8.587
RTX 4060 Ti 16GB
8.457
RX 7800 XT
7.031
RTX 4060
6.990
RX 7700 XT
6.205
Arc A770 16GB
4.697
RX 7600 XT
4.143
RX 7600
3.489
参考:Tom’s Hardware

性能自体は低く、実用レベルか怪しいけど、RX 7600からはやや向上

Stable Diffusionにおけるイラスト生成性能は低いです。

RadeonはGeForceの競合モデルよりも全体的に大容量のVRAMを搭載するため、理論上はAIイラスト生成でも高い性能を発揮できるはずですが、ソフトやGPUの基本仕様や最適化、AI性能などでGeForceが有利なため、現状はGeForce一択レベルの大きな性能差があります。

「RX 7600 XT」の実際のパフォーマンスとしては、768×768 解像度の場合の1分あたりで生成画像数は4枚です。そこまで高解像度でなくても待ち時間が結構発生するレベルなので、実用性能も低いです。

「RTX 4060」は約68.7%高速で、1分あたり約7枚生成することができます。快適と言えるレベルではなさそうなものの、低解像度なら普通に使えるレベルだとは思いますので、RX 7600 XTよりはやはり有利です。

ただ、画像生成AIは高解像度になるほどVRAMの要求容量が高くなることで知られており、768×768より上の解像度となると8GBでは厳しいことが多いレベルです。高解像度となると16GB以上以上が望まれるレベルの高い要求度になります。

768×768でも8GBだと若干ネックになってくるレベルなので、「RX 7600」と比べると約18.7%高速となっており、これまでの比較よりも大きな差ができています。16GB VRAMが活きていることが伺えますし、より上の解像度だとこの差は更に広がるはずです。

そのため、現状ではRadeonは最適化や相性面のせいで勝ち目がありませんが、それらが改善された際には16GB VRAMが大きく貢献する可能性もあります。一応は768×768でも使えないことはない性能ではありますし、仮に改善された場合には「RTX 4060」や「RX 7600」を上回ることになるので、「今は使う予定はないけど将来的に使えれば良い」という将来性に期待するなら無くはない…という見方もできますが、

そもそも現時点で生成AIに興味がないなら尚更「RTX 4060」とか「RX 7600」の方がコスパが基本良いという話になるので、結局のところ「RX 7600 XT」が現状コスパや実用性で上に立てる用途はほぼない気がするのが本音です。

まとめ

Radeon RX 7600 XT

良い点
  • 1080pなら基本快適なゲーム性能
  • 安価で大容量の16GB VRAM
  • AFMFによるフレーム生成機能
  • AV1デコードおよびエンコードをサポート

気になる点
  • 高解像度や1440pゲームでは頼りない性能
  • 競合GPUよりも一段劣るゲームコスパ
  • 16GB VRAMが活きる場面が思ったよりも少ない
  • 性能の割には多い消費電力(TBP:190W)
  • ワットパフォーマンスが他の同世代GPUに劣る

RX 7600 XT:16GB VRAMは現状はほとんど活きず、効率面が悪化したRX 7600という印象

「RX 7600 XT」の最大の魅力は、329ドルという安価で16GBの大容量VRAMを搭載している点です。他の物理仕様は「RX 7600」と同一なので、XTの価値はVRAMがどう活きるかということと、それに60ドルの追加費用の価値があるかという点です。

そして、残念ながら、ほとんどの面で16GB VRAMが活きている印象はなく、性能アップはクロック上昇分だけという感じでした。

よって、価格の上昇分コスパは悪化してしまった他、VRAMやクロック上昇に伴い消費電力が増えた分ワットパフォーマンスも悪化してしまっていたので、正直現状選ぶ価値はほとんど感じませんでした。

強いて挙げるなら、1440p以上のレイトレーシングでは競合モデルよりもわずかに高い性能を発揮し、VRAMが足りずにfpsが激減するということはなかった点は褒める要素かもしれません。ただし、そもそもの性能的にレイトレーシングは1080pですら快適とは言えないレベルで、アップスケーリング併用が前提レベルなので、1440p以上での性能には意味をあまり感じないのが本音です。

また、Stable Diffusionによるイラスト生成に関しては、最適化やCUDA関連で現状はRadeonではGeForceに勝ち目がないレベルなのも大きいです。そこに関しては「RX 7600」からやや向上が見られたので16GB VRAMが活きてはいたのですが、性能自体が低すぎて評価できるレベルではなかったです。

一応、RadeonのStable Diffusionの性能も、以前と比べれば改善が進んでいますし、今後はそれなりに使えるように可能性はあるので、その将来性を期待して16GB VRAMの「RX 7600 XT」を選んでおくということには意味がない訳ではありません。なのですが、そもそも今使わないのなら尚更「RTX 4060」や「RX 7600」の方がコスパもワットパフォーマンスも良いですよって話になりますし、Stable Diffusionを多少意識するにしても「RTX 3060 12GB」という無難で安価な選択肢がありますから、「RX 7600 XT」が高い優先度なりそうなケースがほとんど見当たりません。

もし多少有利になる他のケースがあるとしても、「RX 7600」からのコスパとワットパフォーマンス悪化を正当化しつつ、他の代替GPUより上になる可能性があるかは怪しく感じてしまいます。

上記を踏まえると、今後の状況次第では良くなる可能性もあるけど、現状はちょっと立ち位置の厳しいGPUなのかなと思います。


といった感じで、本記事は以上になります。ご覧いただきありがとうございました。

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https://pcfreebook.com/article/radeon-rx-7600-xt-16gb-first-review.html/feed 0
「GeForce RTX 4070 Ti SUPER」ざっくり評価【性能比較】 https://pcfreebook.com/article/geforce-rtx4070-ti-super-first-review.html https://pcfreebook.com/article/geforce-rtx4070-ti-super-first-review.html#comments Wed, 24 Jan 2024 08:10:45 +0000 https://pcfreebook.com/?p=31459

NVIDIA「GeForce RTX 4070 Ti SUPER」のざっくり性能比較・評価です。海外レビューを参考に性能をざっくりと確認していきます。 参考 https://www.nvidia.com/ja-jp/ge ... ]]>

NVIDIA「GeForce RTX 4070 Ti SUPER」のざっくり性能比較・評価です。海外レビューを参考に性能をざっくりと確認していきます。

注意

本記事の情報は記事執筆時点(2024年1月24日)のものです。ご覧になっている際には異なる可能性があるため注意してください。

仕様

まずは主要な仕様を表にまとめて載せています。

簡易比較表

※価格は2024年1月24日時点での北米での希望小売価格です(判明しているもののみ)。

GPU シェーダー
ユニット数
メモリタイプ VRAM速度
VRAM帯域幅
レイトレ用
ユニット数
ダイサイズ
(おおよそ)
消費電力
(TGP等)
北米
参考価格
RTX 4090 16384 GDDR6X
24GB 384bit
21.0Gbps
1008GB/s
128 608㎟ 450W 1,599ドル
RTX 4080 9728 GDDR6X
16GB 256bit
22.4Gbps
716.8GB/s
76 380㎟ 320W 1,199ドル
RX 7900 XTX 6144 GDDR6
24GB 384bit
20Gbps
960GB/s
96 36.6㎟*6 +
300㎟
355W 999ドル
RX 7900 XT 5376 GDDR6
20GB 320bit
20Gbps
800GB/s
84 36.6㎟*6 +
300㎟
315W 799ドル
→749ドル?
RTX 4070 Ti SUPER 8448 GDDR6X
16GB 256bit
21.0Gbps
672GB/s
66 295㎟ 285W 799ドル
RTX 4070 Ti 7680 GDDR6X
12GB 192bit
21.0Gbps
504GB/s
60 295㎟ 285W 799ドル
→廃止予定
RTX 3090 Ti 10752 GDDR6X
24GB 384bit
21.0Gbps
1008GB/s
84 628.4㎟ 450W 1,499ドル
RTX 3090 10496 GDDR6X
24GB 384bit
19.5Gbps
936GB/s
82 628.4㎟ 350W 1,299ドル
RX 6950 XT 5120 GDDR6
16GB 256bit
18Gbps
576GB/s
80 519㎟ 335W 949ドル
RX 6900 XT 5120 GDDR6
16GB 256bit
16Gbps
512GB/s
80 519㎟ 300W 699ドル
RTX 3080 Ti 10240 GDDR6X
12GB 384bit
19Gbps
912GB/s
80 628.4㎟ 350W 1,099ドル
RTX 3080 10GB 8704 GDDR6X
10GB 320bit
19Gbps
760GB/s
68 628.4㎟ 320W 699ドル
RTX 4070 SUPER 7168 GDDR6X
12GB 192bit
21.0Gbps
504GB/s
56 295㎟ 220W 599ドル
RTX 4070 5888 GDDR6X
12GB 192bit
21.0Gbps
504GB/s
46 295㎟ 200W 549ドル
前:599ドル
RX 7800 XT 3840 GDDR6
16GB 256bit
19.5Gbps
624GB/s
60 37.5㎟*4 +
200㎟
263W 499ドル
RX 6800 XT 4608 GDDR6
16GB 256bit
16Gbps
512GB/s
72 519㎟ 300W 599ドル
RTX 3070 Ti 6144 GDDR6X
8GB 256bit
19Gbps
608GB/s
48 392㎟ 290W 599ドル
RX 6800 3840 GDDR6
16GB 256bit
16Gbps
512GB/s
60 519㎟ 250W 549ドル
RX 7700 XT 3456 GDDR6
12GB 192bit
18Gbps
432GB/s
54 37.5㎟*4 +
200㎟
245W 449ドル
RTX 4060 Ti 8GB 4352 GDDR6
8GB 128bit
18Gbps
288GB/s
34 190㎟ 160W 399ドル
RTX 3070 5888 GDDR6
8GB 256bit
14Gbps
448GB/s
46 392㎟ 220W 499ドル
RX 6750 XT 2560 GDDR6
12GB 192bit
18Gbps
432GB/s
40 336㎟ 250W 419ドル
RTX 3060 Ti 4864 GDDR6
8GB 192bit
14Gbps
448GB/s
38 392㎟ 200W 399ドル
RX 6700 XT 2560 GDDR6
12GB 192bit
16Gbps
384GB/s
40 336㎟ 230W 379ドル
Arc A770 16GB 4096 GDDR6
16GB 256bit
17.5Gbps
560GB/s
32 406㎟ 225W 349ドル
Arc A770 8GB 4096 GDDR6
8GB 256bit
16Gbps
512GB/s
32 406㎟ 225W 329ドル
RTX 3060 3584 GDDR6
12GB 192bit
15Gbps
360GB/s
28 276㎟ 170W 329ドル
RTX 4060 3072 GDDR6
8GB 128bit
17Gbps
272GB/s
24 156㎟ 115W 299ドル
RX 6650 XT 2048 GDDR6
8GB 128bit
17.5Gbps
288GB/s
32 237㎟ 180W 299ドル
Arc A750 3584 GDDR6
16GB 256bit
16Gbps
512GB/s
28 406㎟ 225W 289ドル
RX 7600 2048 GDDR6
8GB 128bit
18Gbps
288GB/s
32 204㎟ 165W 269ドル
RX 6600 XT 2048 GDDR6
8GB 128bit
16Gbps
256GB/s
32 237㎟ 160W
RTX 3050 2560 GDDR6
8GB 128bit
15Gbps
224GB/s
20 276㎟ 130W 249ドル
RX 6600 1792 GDDR6
8GB 128bit
14Gbps
224GB/s
28 237㎟ 132W 239ドル

今回見ていくのは、RTX 40シリーズのリフレッシュ版「RTX 40 SUPER」の「GeForce RTX 4070 Ti SUPER」です。基本仕様は既存の「RTX 40シリーズ」と同様で、アーキテクチャは「Ada Lovelace」で、製造プロセスも「TSMC 4N(カスタム)」となっています。コア・メモリ・クロック等の調整がされたシリーズとなっています。

「RTX 4070 Ti SUPER」の希望小売価格は、今までの「RTX 4070 Ti」と同じ799ドルに設定されています。公式サイトには日本での想定価格も掲載されており、そちらは115,800円~となっています。RTX 4070 Tiも大体同じくらいの価格が相場でしたので、妥当な値付けとなっていると思います。また、既存の「RTX 4070 Ti」はSUPERと置き換わり、市場から廃止予定です。

しかし、価格では懸念点があり、1週間前に登場した「RTX 4070 SUPER」が初動価格で想定よりも大分高い価格になっていたことです。そのため、RTX 4070 Ti SUPERも登場直後はかなり高価になる可能性があります。こちらは元モデルが廃止予定なので、確実に希望小売価格に近付いていくとは思うのですが、ハイエンドとしての魅力度がRTX 4070 SUPERよりも少し上かなという印象なので、需要が高くて品薄になれば高価な値付けが長引く可能性も考えられるのが不安なところです。

とはいえ、そのあたりの不確定要素は今議論しても仕方ない面もあるのでひとまず置いておき、仕様について見ていこうと思います。

このモデルの魅力は、RTX 4070 Tiから希望小売価格は据え置きにも関わらず、各コアは約10%増加、VRAMが16GBへと増量されている点です。それでいて、消費電力(TGP)も285Wと同じです。変更点の中でも特に、特にメモリが12GB→16GBになるのは非常に魅力的です。バス幅も192bit→256bitとなり帯域幅も向上しています。特に4K、レイトレーシング、画像生成(高解像度)等のVRAM性能が重要なハイエンド用途では、元モデルよりも一段高い性能を期待することができます。

「RTX 4070 Ti SUPER」の大まかな仕様面については以上ですが、最後に、その他の「RTX 40シリーズ」にも共通する仕様にもざっと触れておきます(基本的に以前の記事のコピペです)。

まず映像コーデックの対応で、「AV1」に対して、RTX 30シリーズではデコードだけのサポートでしたが、RTX 40ではエンコードにも対応しています。特にクリエイターの方にとっては嬉しい仕様だと思いますし、AV1は将来性があって採用率が高くなっていく可能性も高いため、導入しておくと安心できます。

次に次世代技術面です。レイトレーシングでは「RTコア」がRTX 30シリーズの第2世代から第3世代に更新されています。第3世代「RTコア」では「Shader Execution Reordering」などの新機能が追加され、性能が向上しています。

NVIDIAのアップスケーリング技術である「DLSS」でも、対応コアである「Tensorコア」が第3世代から第4世代へと更新されています。これにより、アップグレードされた「DLSS 3」を利用することができます。「DLSS 3」では中間フレームを作成することで負荷を大幅に軽減する機能が追加されており、性能が格段向上しているとNVIDIAは主張しており、実際に負荷がかなり軽減されている結果があります。そのため、重量級のゲームを高解像度でプレイしたい場合などには非常に役立つと思います。FSR 3でもフレーム生成機能が含まれており、こちらはGeForceとRadeonのどちらでも使えるので、固有の機能という訳ではありませんが、最終的な品質では最適化やAIで強いGeForceの方が優れているという意見が多いので、アップスケーリングを重視するならやはりRTX 40は魅力的です。

といった感じで、カタログスペックについてはここまでとして、実際の各性能について下記から見ていきたいと思います。

ゲーミング性能

ゲーミング性能は、言葉の通りゲームをする際のパフォーマンスの性能です。実際にゲームを動作させた際の平均FPS数を見ていきます。今回は25種類のゲームでのデータを基に見ていきます。設定は基本的に最高品質です。レイトレーシングやアップスケリーング等は無効の状態でのラスタライズ性能になります。

使用されたグラフィックボードは「ASUS GeForce RTX 4070 Ti SUPER TUF」、CPUは「Core i9-14900K」で、OSはWindows 11が使用されています。その他のスペックなどの詳細は、お手数ですが記事上部の参考リンクを参照お願いします。


1080p(1920×1080)

FHD(1920×1080)です。最低限の解像度という感じですが、2024年現在では最も主流な解像度です。ハイエンドGPUを使用していても、特にFPSやTPSでは出来るだけ高いFPSを維持するためにこの設定にするのが主流だと思います。ただし、RTX 4090など最新世代のハイエンドGPUでは低負荷感も大きくなっているものもあります。

平均FPS(1080p 最高設定)
GPU名称 平均FPS
RTX 4090
223.6
RX 7900 XTX
197.9
RTX 4080
193.8
RX 7900 XT
179.1
RTX 4070 Ti SUPER
177.8
RTX 4070 Ti
167.6
RTX 3090 Ti
165.4
RTX 4070 SUPER
157.6
RTX 3090
153.3
RX 6900 XT
149.2
RX 7800 XT
144.0
RX 6800 XT
140.9
RTX 3080 10GB
139.1
RTX 4070
139.0
RX 7700 XT
124.9
RTX 3070 Ti
116.9
RTX 3070
111.0
RTX 4060 Ti 16GB
107.9
RTX 4060 Ti 8GB
107.0
RX 6700 XT
101.2
RTX 3060 Ti
97.6
RTX 4060
85.0
RX 7600
82.0
RX 6600 XT
79.3
Arc A770 16GB
77.6
RTX 3060 12GB
74.9
RTX 3050
54.0
参考:TechPowerUp

1080pゲームではRTX 4070 Tiから約6%アップの微増

1080pにおいては非常に優れたパフォーマンスです。RTX 4070 Tiを約6.1%上回る性能で、RX 7900 XTとは同等レベルになりました。

コア増加率(10%)やメモリスペックの向上を考えるとやや物足りない結果ではありますが、1080pは最新のハイエンド帯GPUでは性能が伸びにくい傾向があるので、仕方ないのかなと思います。パフォーマンス自体は非常に高いですし、希望小売価格は据え置きでコスパは向上しているので、特に問題はないかなと思います。


1440p(2560×1440)

WQHD(2560×1440)です。4Kは重すぎるけど、1080pよりはキレイな映像で楽しみたいという場合や、1080pでは少し性能を持て余してしまう場合に利用する解像度です。現在の主流解像度は1080pですが、GPU性能が全体的に大幅に向上してきているため、徐々にこの1440pが主流解像度に切り替わっていく気がします。

平均FPS(1440p 最高設定)
GPU名称 平均FPS
RTX 4090
188.1
RX 7900 XTX
159.5
RTX 4080
154.1
RX 7900 XT
139.9
RTX 4070 Ti SUPER
137.5
RTX 3090 Ti
131.3
RTX 4070 Ti
128.2
RTX 3090
119.2
RTX 4070 SUPER
118.6
RX 6900 XT
114.0
RX 7800 XT
109.3
RX 6800 XT
106.8
RTX 3080 10GB
106.1
RTX 4070
103.5
RX 7700 XT
92.1
RTX 3070 Ti
87.7
RTX 3070
82.6
RTX 4060 Ti 16GB
78.0
RTX 4060 Ti 8GB
77.1
RX 6700 XT
74.3
RTX 3060 Ti
71.6
RTX 4060
61.3
Arc A770 16GB
59.9
RX 7600
57.9
RX 6600 XT
56.1
RTX 3060 12GB
54.7
RTX 3050
39.2
参考:TechPowerUp

1440pの重量級タイトルでも144fps~を十分想定できる性能

1440pにおいても非常に優れたパフォーマンスを発揮し、重量級タイトルでも144fps~165fps以上を想定できる性能です。RTX 4070 Tiからは約7.3%の小さな向上で、RX 7900 XTと同等レベルというのは1080pと同じです。


4K(3840×2160)

「超高解像度の代名詞」ともいえる解像度の4K(3840×2160)です。非常に繊細で綺麗な映像になりますが、その負荷の大きさから高いFPSを出す事が難しいためTPSやFPSなどの対人競技ゲームで利用されることはまずないです。処理性能の要求が高いだけでなく、高リフレッシュレートの4Kモニターが非常に高価ということもあり、2023年現在では競技性の高いゲームではあまり利用されません。フレームレートよりもグラフィックのキレイさや臨場感が重要なゲームを中心に需要のある解像度です。

平均FPS(4K 最高設定)
GPU名称 平均FPS
RTX 4090
118.7
RX 7900 XTX
96.1
RTX 4080
92.5
RTX 3090 Ti
81.5
RX 7900 XT
81.0
RTX 4070 Ti SUPER
80.8
RTX 4070 Ti
72.8
RTX 3090
72.5
RTX 4070 SUPER
67.5
RX 6900 XT
65.3
RTX 3080 10GB
63.6
RX 7800 XT
62.3
RX 6800 XT
60.7
RTX 4070
58.6
RX 7700 XT
50.7
RTX 3070 Ti
50.5
RTX 3070
47.3
RTX 4060 Ti 16GB
43.2
RTX 4060 Ti 8GB
41.1
RTX 3060 Ti
40.7
RX 6700 XT
40.7
Arc A770 16GB
35.8
RTX 4060
33.6
RTX 3060 12GB
31.2
RX 7600
30.1
RX 6600 XT
29.2
RTX 3050
21.6
参考:TechPowerUp

4Kでも高めの性能で、16GBメモリもやや活きている印象

4Kにおいても平均80.8fpsを記録する高い性能です。重量級ゲームが中心の最高設定でこれなので、軽めのタイトルや設定次第では100fps超えも珍しくはないくらいの高性能さです。

RTX 4070 Tiと比較すると約11%高く、1080p~1440pの6~7%差よりも4~5%ほど差が広がっています。CUDAコアの増加率の10%以上の向上を見せていますし、ここはやはり12GB→16GBになり帯域幅も向上したメモリ性能の差が少しは出ているのかなという印象です。

電力関連

消費電力

ゲームプレイ時(高負荷時)の平均消費電力を見ていきます。低い方が良い数値となります。測定に使用されたゲームは「Cyverpunk 2077」で、解像度は「3840×2160(4K)」です。

GPU平均消費電力(ゲーミング)
GPU名称 消費電力
RTX 4060
128W
RTX 3050
132W
RTX 4060 Ti 8GB
152W
RX 7600
152W
RX 6600 XT
159W
RTX 4060 Ti 16GB
165W
RTX 3060
183W
RTX 4070
201W
RTX 3060 Ti
205W
RTX 4070 SUPER
218W
RX 6700 XT
224W
RX 7700 XT
228W
RTX 3070
232W
Arc A770 16GB
235W
RX 7800 XT
250W
RTX 4070 Ti
277W
RTX 4070 Ti SUPER
292W
RX 6800 XT
294W
RX 6900 XT
300W
RTX 3070 Ti
302W
RTX 4080
304W
RX 7900 XT
312W
RTX 3080 10GB
336W
RX 7900 XTX
353W
RTX 3090
368W
RTX 4090
411W
RTX 3090 Ti
537W
参考:TechPowerUp

ほぼTGPの285W通りの消費電力

ゲーム時の平均消費電力は、TGPである285Wよりわずかに高い292Wでした。少し高くはなっているものの、モデルにより差があるでしょうし、誤差の範囲内だと思います。

消費電力は多いため、Tiと同じくファンは3連が基本になると思われます。排熱面を考えても小さめのケースで運用するのは難しくなるので、ここは200W~220WのRTX 4070 / 4070 SUPERとの大きな差になります。

また、Tiと共通ですが、ダイサイズが約295m㎡と小さい割には消費電力が多いので、冷却や効率面で他の上位GPUよりもわずかに劣る面がありそうな印象も感じます(ワットパフォーマンスについてはすぐ下で触れます)。

ワットパフォーマンス

ワットパフォーマンス(電力効率)を見ていきます。ゲーミング時の1フレームあたりの消費電力を算出して比較しています。測定に使用されたゲームは「Cyberpunk 2077(4K/Ultra/レイトレ無効)」です。

ワットパフォーマンス(Cyberpunk 2077)
GPU名称 1フレームあたりの消費電力
RTX 4080
4.0W
RTX 4070 SUPER
4.1W
RTX 4090
4.2W
RX 7900 XTX
4.4W
RTX 4060 Ti 8GB
4.5W
RTX 4070
4.5W
RX 7900 XT
4.7W
RTX 4070 Ti SUPER
4.7W
RTX 4070 Ti
4.7W
RX 7800 XT
4.9W
RTX 4060 Ti 16GB
5.1W
RTX 4060
5.3W
RX 7600
5.7W
RX 7700 XT
5.7W
RTX 3070
6.0W
RX 6900 XT
6.2W
RTX 3060 Ti
6.2W
RTX 3090
6.3W
RX 6600
6.3W
RX 6800 XT
6.5W
RTX 3080 10GB
6.5W
RX 6600 XT
6.9W
RTX 3070 Ti
7.3W
Arc A770 16GB
7.3W
RX 6700 XT
7.4W
RTX 3060
7.5W
RTX 3050
8.0W
RTX 3090 Ti
8.0W
参考:TechPowerUp

ワットパフォーマンスは優れているけど、最新世代の中では若干低め

ワットパフォーマンスはTiとほぼ同等で、前世代と比較すると圧倒的に優れており、非常に良い値です。

ただ、最新世代の他の上位GPUと比べると、若干ながら低い数値となっています。

現在の上下モデルの「RTX 4070 SUPER」と「RTX 4080」と比較すると、12.8%~14.9%ほど劣る差がついています。また、4Kという環境は下位のGPUよりは少し有利なはずにも関わらず、RTX 4070にもわずかに劣る結果となっていたのも、少し気になる部分ではありました。

数値自体は良いので、深く気に留めるほどではないものの、個人的には効率も期待していた部分なので、最新世代の中では低めの位置に居ることを勝手ながらほんの少し残念には感じてしまいました。

レイトレーシング性能

レイトレーシング性能

レイトレーシング性能を見ていきます。レイトレーシングはメインコアと別のレイトレーシング用のコアも使用するため、上述のラスタライズ性能とやや差が出る可能性があります。

レイトレーシングFPS(1080p 幾何平均)
GPU名称 平均FPS
RTX 4080
127.3
RTX 4070 Ti SUPER
116.4
RTX 4070 Ti
110.2
RTX 3090 Ti
107.8
RTX 4070 SUPER
103.4
RTX 3090
99.0
RX 7900 XT
93.2
RTX 4070
91.9
RTX 3080 10GB
90.1
RX 7800 XT
75.4
RX 6900 XT
72.7
RTX 3070 Ti
71.3
RTX 4060 Ti 16GB
71.1
RX 6800 XT
68.5
RTX 4060 Ti 8GB
67.4
RX 7700 XT
66.4
RX 6800
58.9
参考:TechPowerUp

レイトレーシングFPS(1440p 幾何平均)
GPU名称 平均FPS
RTX 4080
98.6
RTX 4070 Ti SUPER
88.1
RTX 3090 Ti
82.5
RTX 4070 Ti
82.3
RTX 4070 SUPER
75.9
RTX 3090
74.7
RX 7900 XT
70.4
RTX 3080 10GB
67.0
RTX 4070
66.7
RX 7800 XT
54.9
RX 6900 XT
52.1
RTX 4060 Ti 16GB
50.1
RX 6800 XT
49.1
RX 7700 XT
47.0
RTX 3070 Ti
43.9
RX 6800
42.4
RTX 4060 Ti 8GB
40.9
参考:TechPowerUp

レイトレーシングFPS(4K 幾何平均)
GPU名称 平均FPS
RTX 4080
57.1
RTX 4070 Ti SUPER
50.4
RTX 3090 Ti
48.8
RTX 3090
43.4
RX 7900 XT
39.2
RTX 4070 Ti
36.6
RTX 4070 SUPER
34.2
RTX 4070
30.2
RX 7800 XT
30.1
RTX 3080 10GB
29.0
RX 6900 XT
28.2
RTX 4060 Ti 16GB
27.3
RX 6800 XT
26.5
RX 6800
22.8
RX 7700 XT
21.1
RTX 3070 Ti
19.9
RTX 4060 Ti 8GB
17.6
参考:TechPowerUp

レイトレーシングは4Kで大きな向上

ネイティブのレイトレーシング性能は特に4Kで大きな向上が見られました。

RTX 4070 Tiと比較すると4K平均で約37.7%上回っている他、RTX 4070 / 4070 SUPER にも50%前後上回るという大きな差をつけています。4Kレイトレーシングはメモリ使用量が非常に多く、不足すると一気にfpsが低下するタイトルも散見されるため、特にそこで大きな差が生まれた感じです。ここでは16GBメモリの大きな恩恵を感じます。4Kレイトレコスパは非常に高いと言えると思います。

ただ、そもそも4Kレイトレという超高負荷な環境をネイティブで運用する人は現状ほとんど居ないと思うため、実用性的にはそこまで優位とは言えないのかなとは思います。

一方で、1080pと1440pの場合はレイトレでもメモリが活きている印象はあまりありません。RTX 4070 Tiとの差はラスタライズとほぼ同等の約6~7%差となっていました。低fpsだと少しの差でも使用感に大きな差が出たりするので、fpsが一段下がるレイトレでは小さな差でも優位性が高くはなるものの、コスパ的には価格がTiと同じなら若干良いかな程度でした。

4Kを意識するかで大きな差が出るGPUという感じです。

コストパフォーマンス

上述のfpsを基にGPUの1フレームあたりの価格を算出し、コストパフォーマンスを比較しています。数値が低い方が良い点に注意です。各GPUの価格は、記事執筆時点のおおよその市場最安値価格です。ラスタライズとレイトレーシング時の両方を見ていきます。

元のゲーミング性能の解像度は1440pを用いています。4Kなどではやや結果が異なる可能性がある点に注意です。


1フレームあたりの価格(ラスタライズ)

まずはラスタライズ性能のコスパです。上述の1440pゲーム時の性能と現在の市場価格を基に、1フレームあたりの価格を算出し、コスパとして比較しています。

また、記事執筆時点でのNVIDIA公式掲載の希望小売価格は115,800円でしたが、1週間前の「RTX 4070 SUPER」を見ると、初動価格はこれよりも大幅に高くなることが想定されるので、参考に13万円を想定した場合のコスパも載せています

1fあたりの価格(1440p@RT無し)
GPU名称 1フレームあたりの価格 価格
RX 7600
¥639
¥36,980
RX 6700 XT
¥667
¥49,580
RTX 3070 Ti
¥670
¥58,800
RX 6600 XT
¥677
¥37,980
RTX 4060
¥701
¥42,980
RTX 3060 12GB
¥709
¥38,800
RTX 3070
¥724
¥59,800
RX 7700 XT
¥725
¥66,800
RX 7800 XT
¥730
¥79,800
RTX 4070 SUPER
¥732
¥86,800
RTX 4060 Ti 8GB
¥744
¥57,400
RTX 4070 ※値下げ想定
¥749
¥77,500
RTX 3050
¥760
¥29,800
RTX 3060 Ti
¥765
¥54,800
Arc A770 16GB
¥781
¥46,800
RTX 4070 SUPER ※発売直後
¥805
¥95,480
RTX 4070
¥819
¥84,800
RX 6800 XT
¥831
¥88,800
RTX 3080 10GB
¥837
¥88,800
RTX 4070 Ti SUPER
¥842
¥115,800
RX 7900 XT
¥858
¥120,000
RTX 4070 Ti
¥858
¥109,980
RX 6900 XT
¥858
¥97,800
RTX 4060 Ti 16GB
¥882
¥68,800
RX 7900 XTX
¥939
¥149,800
RTX 4070 Ti SUPER※高価想定
¥945
¥130,000
RTX 4080
¥1,167
¥179,800
RTX 4090
¥1,594
¥299,800
参考:TechPowerUp

純粋なコスパは良くないが、RTX 4080の代替品として見るなら悪くはない

1440pにおけるラスタライズ性能コスパは上記のようになっています。上位は値下がりが進んだ旧世代GPUが多くを占めている状況です。

表を見ればわかる通り、「RTX 4070 Ti SUPER」のゲームコスパは良くはありません。安価な約11.6万円想定の場合でも、ハイエンド未満のほとんどのGPUに負けています。13万円想定の場合には更に一段悪くなります。

ゲームでは4K以外で印象的な性能を発揮できなかったので、1440p以下をメインとしたコスパを考えるならコスパは悪めのGPUとなっています。価格据え置きで性能が少し上がってもこのレベルなので、元の「RTX 4070 Ti」が軒並み希望小売価格を下回る金額で販売されていた理由がよくわかります。

ただし、4Kではやや地位を上げるはずですし、RTX 4080よりは遥かに良いコスパとなっているのは一応魅力です。13万円想定でもRTX 4080に対してのコスパは20%程度の大きな優位性があります。後に登場する「RTX 4080 SUPER」が200ドル安くなることを考慮しても、コスパは悪くても同等レベルで、基本は上回るはずです。

そのため、16GB以上のVRAMを搭載する高性能GPUの、RTX 4080の代替品として捉えるなら、コスパでも一応現状では有力なGPUにはなると思います。


1フレームあたりの価格(レイトレーシング)

次にレイトレーシング時のコスパを見ていきます。DLSSやFSR等のアップスケーリング技術は使用していない場合のものになります。

1fあたりの価格(1440p@RT)
GPU名称 1フレームあたりの価格 価格
RTX 4070 SUPER
¥1,144
¥86,800
RTX 4070※値下げ想定
¥1,162
¥77,500
RTX 4070 SUPER ※発売直後
¥1,258
¥95,480
RTX 4070
¥1,271
¥84,800
RTX 4070 Ti SUPER
¥1,314
¥115,800
RTX 3080 10GB
¥1,325
¥88,800
RTX 4070 Ti
¥1,336
¥109,980
RTX 3070 Ti
¥1,339
¥58,800
RTX 4060 Ti 16GB
¥1,373
¥68,800
RTX 4060 Ti 8GB
¥1,403
¥57,400
RX 7700 XT
¥1,421
¥66,800
RX 7800 XT
¥1,454
¥79,800
RTX 4070 Ti SUPER ※高価想定
¥1,476
¥130,000
RX 7900 XT
¥1,705
¥120,000
RX 6800 XT
¥1,809
¥88,800
RTX 4080
¥1,824
¥179,800
RX 6900 XT
¥1,877
¥97,800
参考:TechPowerUp

レイトレコスパは実売価格次第

「RTX 4070 Ti SUPER」の1440pレイトレコスパは、主要GPUたちの中間層に位置しており、実売価格次第といった感じです。

評価が難しい位置ですが、レイトレ性能自体は高く、4Kへの対応力も高い点を考えると、レイトレを主軸に捉えるなら優先度は高くなりそうな印象も受けます。

とはいえ、安く見積もったとしてもトップ層に届かない程度のレイトレコスパではあり、4Kを意識しないなら「RTX 4070 / RTX 4070 SUPER」の方が数値的には一段優れています。やはりゲームでは4Kへの意識が肝になるGPUという印象です。

クリエイティブ用途

比較の最後は、クリエイティブ用途でのパフォーマンスを見ていきます。

一般的な動画編集等の基準性能としてFP32(単精度浮動小数点演算)の理論演算性能、「Blender」におけるGPUレンダリング性能、「SPECviewperf 2020 v3」によるOpenGL性能、AIイラスト生成ソフト「Stable Diffusion」の性能をそれぞれ見ていきたいと思います。

また、ここのテストは上述までとは異なるテストシステムを使用した海外レビュー(Tom’s Hardware)を参考にしています。「Core i9-13900K」と「DDR5-6600 CL34 32GB(16GBx2)」が使用されています。他の条件について気になる方は上述の参考リンクをご覧ください。

理論演算性能(FP32)

FP32(単精度浮動小数点演算)は、理論演算性能を示す一つの指標です。単位はTFLOPS(テラフロップス)を用います。実際のテストから算出するものではなく、シェーダーユニット数(対応の演算器の数)とクロックから計算した、理論上の処理性能を表します。製品によってクロックが異なるので、下記の表の数値と異なる可能性がある点に注意です。

一般的な動画編集においてのクリエイティブ性能は、このFP32とVRAMの性能(データ量が多い処理の場合)によって比例する傾向があります。実際「Premiere Pro CC」や「Davinci Resolve」などの主要な動画編集ソフトでの編集やプレビュー速度はある程度比例する傾向があるので、まず参考に見ていこうと思います(完全に一致する訳ではないので注意)。

FP32(単精度浮動小数点演算)
GPU名称 FP32(TFLOPS)
RX 7900 XTX
24GB 960GB/s
61.42
RX 7900 XT
20GB 800GB/s
51.48
RTX 4080
16GB 716.8GB/s
48.74
RTX 4070 Ti SUPER
16GB 672GB/s
44.10
RTX 4070 Ti
12GB 504GB/s
40.09
RX 7800 XT
16GB 624GB/s
37.32
RTX 4070 SUPER
12GB 504GB/s
35.48
RX 7700 XT
12GB 432GB/s
35.17
RTX 3080
10GB 760GB/s
29.77
RTX 4070
12GB 504GB/s
29.15
RTX 4060 Ti
8GB / 16GB  288GB/s
22.06
RTX 3070 Ti
8GB 608GB/s
21.75
RX 7600
8GB 288GB/s
21.75
RX 6800 XT
16GB 512GB/s
20.74
RTX 3070
8GB 448GB/s
20.31
Arc A770 16GB
16GB 560GB/s
17.20
RTX 3060 Ti
8GB 448GB/s
16.20
RX 6800
16GB 512GB/s
16.17
RTX 4060
8GB 272GB/s
15.11
RX 6700 XT
12GB 384GB/s
13.21
RTX 3060 12GB
12GB 360GB/s
12.74
RX 6600 XT
8GB 256GB/s
10.61
RTX 3050
8GB 224GB/s
9.10
RX 6600
8GB 224GB/s
8.93

FP32性能はRTX 4070 Tiから約1割向上し、メモリ性能もアップ

FP32性能はRTX 4070 Tiから約10%向上しており、メモリの容量増加の点も考えると、実用性能は一段上になっていると思います。

Blender(3DのGPUレンダリング)

「Blender」は人気のある定番のレンダリングソフトです。「Blender 3.6.0」を用いた「Blender Benchmark」の3つのテスト結果の幾何平均を総合スコアとし、比較していきます。

「Blender 3.6.0」では、AMD、NVIDIA、Intel Arc GPUでレイトレーシングを使用するCycles Xエンジンが含まれているため、レイトレーシング性能も重要となります。しかし、どうやら「Blender 3.6.0」ではレイトレーシング用のコアを直接使用するのではなく、メインのGPUシェーダーを介しての処理となるようです。そのため、RTコアではなくメインのGPUコア(CUDAコア)でレイトレーシングを高速化できるエンジンの「Optix」を持つGeForceに現状では優位性があります。

Blender Benchmarks(3.6.0)
GPU名称 総合スコア(幾何平均)
RTX 4080
3119.6
RTX 4070 Ti SUPER
2732.0
RTX 4070 Ti
2368.5
RTX 4070 SUPER
2310.1
RTX 4070
1943.2
RTX 4060 Ti 8GB
1419.4
RTX 4060 Ti 16GB
1371.2
RTX 3070 Ti
1356.2
RX 7900 XTX
1252.9
RTX 4060
1160.3
RX 7900 XT
1144.1
RX 7800 XT
752.6
Arc A770 16GB
696.5
RX 7700 XT
649.7
RX 7600
422.5
参考:Tom’s Hardware

RTX 4070 Ti と RTX 4080 の中間のGPUレンダリング性能

Blenderにおけるレンダリング性能は「RTX 4070 Ti」と「RTX 4080」の中間に位置します。

RTX 4070 Tiと比較すると約15.3%上回るスコアとなっていますが、これはゲームで見られた6%~11%よりも差が大きく、高いコスパを発揮していることがわかります。

他の気になるモデルとしては「RTX 4070 SUPER」があります。一応適正価格は8万円台後半という価格設定にも関わらず高い性能を持っており、12万円台あたりが実売想定価格となりそうな「RTX 4070 Ti SUPER」よりも性能は15.4%程度しか劣りません。価格の割にCUDAコアが多いこともあってか、レンダリングコスパは非常に良いことが伺えます。

レンダリングは内容によってVRAMが12GBではネックになる可能性もあると思いますし、帯域幅の差もあるので、高負荷なレンダリング処理でガンガン使いたい場合には「RTX 4070 Ti SUPER」の方が個人的には無難には思いますが、「RTX 4070 SUPER」も節約重視なら非常に強力な選択肢としてもちろん有力で、どっちもレンダリングでは魅力的な高コスパGPUだと思います。

クリエイティブ用途では高いVRAMスペックが求められることが多いので、ゲームよりも見栄えが少し良くなっている印象もあります。

ちなみに、Radeonは未だにBlenderのGPUレンダリングではGeForceよりも明らかに劣ります。これは処理の仕組みがGeForce有利に働いているため仕方がなく、現状Blenderでのレンダリングを想定するならGeForce一択です。ただし、この差が維持されるかはソフトやGPUやドライバの最適化次第なので、今後は状況が変わる可能性もあるので動向には注目していきたいです。

SPECviewperf 2020 v3(OpenGL)

「SPECviewperf 2020 v3」はOpenGL性能を測るベンチマークです。OpenGLはクロスプラットフォームに対応した汎用型のグラフィックスライブラリとなっており、ゲームだけでなく幅広い分野で利用されています。

今回見るのは「SPECviewperf 2020 v3」の8つのテストの総合スコア(幾何平均)です。ただし、一般的にはテストに使用される処理全てを利用する人はほぼ居ないと思うため、自分が使用するアプリケーションで使用される処理について確認することが重要な点は留意しておきましょう。今回は総合的な性能で相対的な差を求めるために、幾何平均による総合スコアを用いています。

SPECviewperf 2020 v3
GPU名称 総合スコア(幾何平均)
RX 7900 XTX
202.79
RX 7900 XT
178.16
RX 7800 XT
129.15
RX 7700 XT
112.95
RTX 4080
98.57
RTX 4070 Ti SUPER
88.95
RTX 4070 Ti
80.29
RX 7600
79.14
RTX 4070 SUPER
75.98
RTX 4070
66.71
RTX 3070 Ti
56.17
RTX 4060 Ti 16GB
51.12
RTX 4060 Ti 8GB
50.92
RTX 4060
43.51
Arc A770 16GB
30.78
参考:Tom’s Hardware

OpenGL性能はRadeonの方が圧倒的に有利

OpenGL性能はRadeonの方が圧倒的に有利な点は一応注意です。

この差はGPU性能差によるものではなく、NVIDIAがゲーム向けのGeForceではOpenGL性能に制限を強く掛けているためです。同社のプロフェッショナル向けGPUの需要を維持するための調整となっています。

Radeonでも同様にプロフェッショナル向けのGPUがあり、ゲーム向けGPUでは制限が掛けられていますが、その制限がGeForceよりは緩いです。そのため、ゲーム向けGPU同士の比較だとRadeonの方が明らかに良く見えるという状況になっています。

とはいえ、強く制限が掛けられた状態でも、以前よりは性能が大きく底上げされているので使えないことはありません。開発者視点だとやはり厳しい面があるかもしれませんが、OpenGLがクロスプラットフォームの汎用型ライブラリということもあり、消費者視点なら高い性能を求められることは少ないです。

「RTX 4070 Ti SUPER」はメモリ性能の高さのおかげもあってか、制限下でも思ったよりも優れた性能を発揮しており、RTX 4080にも約10%しか劣りません。ヘビーな使い方を想定しなければ、困ることはあまりないと思います。

Stable Diffusion(AIイラスト生成)

現在、AIイラストソフトで人気のある「Stable Diffusion」を用いて、AIイラストの生成時間を比較しています。よく利用されるAIイラスト生成ソフトは他にもありますが「Stable Diffusion」が恐らくは一番定番と言えるものだと思います。

各GPUで「768×768の20枚の画像を生成するのに掛かる時間」を測定し、1分あたり何枚の画像を生成できるかを各GPUで算出して比較しています。

Stable Diffusion(768×768)
GPU名称 1分あたりの生成枚数
RTX 4080
20.320
RTX 4070 Ti SUPER
18.060
RTX 4070 Ti
15.888
RTX 4070 SUPER
14.234
RTX 4070
12.861
RX 7900 XTX
10.915
RTX 3070 Ti
10.617
RX 7900 XT
9.545
RTX 4060 Ti 8GB
8.587
RTX 4060 Ti 16GB
8.457
RX 7800 XT
7.031
RTX 4060
6.990
RX 7700 XT
6.205
Arc A770 16GB
4.697
RX 7600
3.489
参考:Tom’s Hardware

AIイラスト生成では高い性能を発揮、高解像度での対応力もある

「RTX 4070 Ti SUPER」のStable DiffusionにおけるAIイラスト生成の性能は非常に高いです。最近注目度が非常に高い項目なので、ここが「RTX 4070 Ti SUPER」の最大の魅力と評しても良いかもしれません。

768×768 解像度の場合、1分あたりで約18枚の画像を生成でき、RTX 4070 Tiよりも約13.7%高速です。非常に快適です。RTX 4080にも約11%しか劣っておらず、コスパも非常に優れていると思います。

また、画像生成AIは高解像度になるほどVRAMの要求容量が高くなることで知られており、768×768より上の解像度となると12GB以下と16GB以上とで圧倒的な差ができたりもします。その際に存分に活用するには、12GBの「RTX  4070 / 4070 SUPER / 4070 Ti」では頼りないことがあるので、16GBの「RTX 4070 Ti SUPER」とでは安心感に大きな違いがあります。

画像生成AI用の16GB以上のVRAMを搭載するGPUといえば、最も安価なモデルは「GeForce RTX 4060 Ti 16GB」がありましたが、他の面でのコスパが悪いので中々選び辛く、その次となると一気に価格が上がり「RTX 4080」になってしまうという状況があり、ほど良い高性能モデルが待ち望まれていた思いますが、そこを埋めるモデルとして「RTX 4070 Ti SUPER」はぴったりのGPUに見えるので、非常に高い競争力を持ち、大きく注目されるのではないかと思います。

画像生成AIも含め、AIやクリエイティブ用途ではやはりVRAM容量の多さが活きる場面が多い印象なので、「RTX 4070 Ti SUPER」が真価を発揮するのはそういった場面という気がします。

ちなみに競合のRadeonは、GeForceの競合モデルよりも全体的に大容量のVRAMを搭載するため、理論上はAIイラスト生成でも高い性能を発揮できるはずですが、基本仕様や最適化、AI性能でGeForceが有利なため、現状はGeForce一択レベルの性能差があります。

まとめ

GeForce RTX 4070 Ti SUPER

良い点
  • 前のRTX 4070 Tiと同じ価格(799ドル)で16GB VRAM搭載
  • 4Kでも十分に実用的な性能
  • 非常に優れたワットパフォーマンス
  • 優れたレイトレーシング性能
  • 4Kや生成AIやクリエイティブ用途で優れたコスパと性能
  • DLSS 3に対応
  • AV1デコードおよびエンコードをサポート

気になる点
  • 非常に高価(国内想定価格:最安11.6万円程度?)
  • 純粋なゲームコスパは良くはない
  • 16GB VRAMがゲームでは思ったより活きないことが多い
  • 消費電力が多い(TGP:285W)

RTX 4070 Ti SUPER:16GB VRAM搭載でハイエンド用途での性能が強化

「RTX 4070 Ti SUPER」は「RTX 4070 Ti」の799ドルという価格設定を引き継ぐにも関わらず、VRAMが16GBに、各コアも10%増量されたGPUです。元の「RTX 4070 Ti」よりは間違いなく優秀なGPUです。

このGPUの最大のポイントはやはり 16GB VRAMです。4Kやレイトレーシングなどの高負荷ゲームはもちろん、最近流行の画像生成AIを含むクリエイティブ用途での優位性も期待できるのが大きな魅力です。

GeForceで16GB以上のVRAMを搭載する現行モデルといえば「RTX 4060 Ti 16GB」が最も安価ですが、GPU自体のパワーが少し頼りないのと、VRAMを考慮しないコスパが悪いので選び辛く、次点が最安17万円~18万円の「RTX 4080」となってしまっており、コスパ重視の一般層には中々手を出しづらい状況がありました。

そこで登場したのが今回の「RTX 4070 Ti SUPER」です。実売価格こそまだわかりませんが、799ドルという価格を考えれば12万円前後が期待されるところです。価格自体は高価ですが、その価格で「RTX 4070 Ti」を1割上回るコア数に16GB VRAMが付属するので、10万円超えのハイエンド帯の中ではコスパもそこまで悪くないモデルとして非常に競争力を感じます。

実際のテストでも、特にGPUレンダリングやStable DiffusionによるAI画像生成の性能は非常に優れている他、4Kゲームでも特にレイトレーシングでは強力なコスパを発揮しており、10万円未満のGPUでは荷が重い超高負荷な処理でもネックにならない性能を証明しています。

このように、あらゆるハイエンド用途で高い性能を備えつつも、出来るだけ予算も無駄にしたくないという場合に適しているのが魅力のGPUが「RTX 4070 Ti SUPER」です。

その一方デメリットとしては、純粋なゲームコスパという点では良くはないのは留意しておく必要があります。115,800円という価格で販売されたと仮定しても、「RTX 4070」や「RTX 4070 SUPER」といった高コスパGPUにやや差があるレベルでコスパでは負けています。何なら1440p以下のゲームでは現行の下位GPUのほぼ全てにコスパで負けているという現状があります。

そのため、1440p以下ゲームを主軸として考えるなら、コスパが上で性能も必要十分な「RTX 4070 / 4070 SUPER」の方が上になるのかなと思います。

仕様を考えれば、RTX 4070 Tiから10%以上の向上が期待されていたと思いますが、実際には4Kでも10%程度の向上で、1080p~1440pだと約6~7%しか変わらなかったことが効いていると思います。そもそも元の「RTX 4070 Ti」のコスパが悪かった上に、思ったよりもゲーム性能の向上率が低かったこともあり、期待を下回る結果になってしまったのかなと思います。

また、ワットパフォーマンスがRTX 4090 / 4080と比べると2割近く劣っていたのも地味に気になる点です。効率自体は普通に良い部類で、前世代と比べると圧倒的に優れているので、本来は深く気に留めるほどではありませんが、この後登場する「RTX 4080 SUPER」が200ドル差(999ドル)であることを考えると、高負荷でガンガン使い倒すなら負けそうだなと正直感じます。

とはいえ、先にも触れた通りワットパフォーマンス自体は良い部類ですし、コスパも10万円超えのハイエンド帯GPUでは悪いのは通例です。RTX 4080やRX 7900 XT/XTXなど、超高額GPU同士の比較に限ればコスパも悪くはないですし、上述したようなハイエンド用途を重視するなら競争力は十分で、選ぶ価値のある魅力的なGPUだと思いますので、そこを用途としてどれほど重要視するかが選択のカギとなると思います。


といった感じで、本記事は以上になります。ご覧いただきありがとうございました。

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「GeForce RTX 4070 SUPER」ざっくり評価【性能比較】 https://pcfreebook.com/article/geforce-rtx4070-super-first-review.html https://pcfreebook.com/article/geforce-rtx4070-super-first-review.html#comments Wed, 17 Jan 2024 15:34:51 +0000 https://pcfreebook.com/?p=31341

NVIDIA「GeForce RTX 4070 SUPER」のざっくり性能比較・評価です。海外レビューを参考に性能をざっくりと確認していきます。 参考 https://www.nvidia.com/ja-jp/gefor ... ]]>

NVIDIA「GeForce RTX 4070 SUPER」のざっくり性能比較・評価です。海外レビューを参考に性能をざっくりと確認していきます。

注意

本記事の情報は記事執筆時点(2024年1月17日)のものです。ご覧になっている際には異なる可能性があるため注意してください。

仕様

まずは主要な仕様を表にまとめて載せています。

簡易比較表

※価格は2024年1月17日時点での北米での希望小売価格です(判明しているもののみ)。

GPU シェーダー
ユニット数
メモリタイプ VRAM速度
VRAM帯域幅
レイトレ用
ユニット数
ダイサイズ
(おおよそ)
消費電力
(TGP等)
北米
参考価格
RTX 4090 16384 GDDR6X
24GB 384bit
21.0Gbps
1008GB/s
128 608㎟ 450W 1,599ドル
RTX 4080 9728 GDDR6X
16GB 256bit
22.4Gbps
716.8GB/s
76 380㎟ 320W 1,199ドル
RX 7900 XTX 6144 GDDR6
24GB 384bit
20Gbps
960GB/s
96 36.6㎟*6 +
300㎟
355W 999ドル
RX 7900 XT 5376 GDDR6
20GB 320bit
20Gbps
800GB/s
84 36.6㎟*6 +
300㎟
315W 899ドル
→799ドル?
RTX 4070 Ti 7680 GDDR6X
12GB 192bit
21.0Gbps
504GB/s
60 295㎟ 285W 799ドル
RTX 3090 Ti 10752 GDDR6X
24GB 384bit
21.0Gbps
1008GB/s
84 628.4㎟ 450W 1,499ドル
RTX 3090 10496 GDDR6X
24GB 384bit
19.5Gbps
936GB/s
82 628.4㎟ 350W 1,299ドル
RX 6950 XT 5120 GDDR6
16GB 256bit
18Gbps
576GB/s
80 519㎟ 335W 949ドル
RX 6900 XT 5120 GDDR6
16GB 256bit
16Gbps
512GB/s
80 519㎟ 300W 699ドル
RTX 3080 Ti 10240 GDDR6X
12GB 384bit
19Gbps
912GB/s
80 628.4㎟ 350W 1,099ドル
RTX 3080 10GB 8704 GDDR6X
10GB 320bit
19Gbps
760GB/s
68 628.4㎟ 320W 699ドル
RTX 4070 SUPER 7168 GDDR6X
12GB 192bit
21.0Gbps
504GB/s
56 295㎟ 220W 599ドル
RTX 4070 5888 GDDR6X
12GB 192bit
21.0Gbps
504GB/s
46 295㎟ 200W 549ドル
前:599ドル
RX 7800 XT 3840 GDDR6
16GB 256bit
19.5Gbps
624GB/s
60 37.5㎟*4 +
200㎟
263W 499ドル
RX 6800 XT 4608 GDDR6
16GB 256bit
16Gbps
512GB/s
72 519㎟ 300W 599ドル
RTX 3070 Ti 6144 GDDR6X
8GB 256bit
19Gbps
608GB/s
48 392㎟ 290W 599ドル
RX 6800 3840 GDDR6
16GB 256bit
16Gbps
512GB/s
60 519㎟ 250W 549ドル
RX 7700 XT 3456 GDDR6
12GB 192bit
18Gbps
432GB/s
54 37.5㎟*4 +
200㎟
245W 449ドル
RTX 4060 Ti 8GB 4352 GDDR6
8GB 128bit
18Gbps
288GB/s
34 190㎟ 160W 399ドル
RTX 3070 5888 GDDR6
8GB 256bit
14Gbps
448GB/s
46 392㎟ 220W 499ドル
RX 6750 XT 2560 GDDR6
12GB 192bit
18Gbps
432GB/s
40 336㎟ 250W 419ドル
RTX 3060 Ti 4864 GDDR6
8GB 192bit
14Gbps
448GB/s
38 392㎟ 200W 399ドル
RX 6700 XT 2560 GDDR6
12GB 192bit
16Gbps
384GB/s
40 336㎟ 230W 379ドル
Arc A770 16GB 4096 GDDR6
16GB 256bit
17.5Gbps
560GB/s
32 406㎟ 225W 349ドル
Arc A770 8GB 4096 GDDR6
8GB 256bit
16Gbps
512GB/s
32 406㎟ 225W 329ドル
RTX 3060 3584 GDDR6
12GB 192bit
15Gbps
360GB/s
28 276㎟ 170W 329ドル
RTX 4060 3072 GDDR6
8GB 128bit
17Gbps
272GB/s
24 156㎟ 115W 299ドル
RX 6650 XT 2048 GDDR6
8GB 128bit
17.5Gbps
288GB/s
32 237㎟ 180W 299ドル
Arc A750 3584 GDDR6
16GB 256bit
16Gbps
512GB/s
28 406㎟ 225W 289ドル
RX 7600 2048 GDDR6
8GB 128bit
18Gbps
288GB/s
32 204㎟ 165W 269ドル
RX 6600 XT 2048 GDDR6
8GB 128bit
16Gbps
256GB/s
32 237㎟ 160W
RTX 3050 2560 GDDR6
8GB 128bit
15Gbps
224GB/s
20 276㎟ 130W 249ドル
RX 6600 1792 GDDR6
8GB 128bit
14Gbps
224GB/s
28 237㎟ 132W 239ドル

今回見ていくのは、RTX 40シリーズのリフレッシュ版「RTX 40 SUPER」の最初のモデル「GeForce RTX 4070 SUPER」です。コア・メモリ・クロック等の調整がされていますが、その他基本仕様は既存の「RTX 40シリーズ」と同様です。アーキテクチャは「Ada Lovelace」で、製造プロセスも「TSMC 4N(カスタム)」となっています。

「RTX 4070 SUPER」の希望小売価格は、今までの「RTX 4070」と同じ599ドルに設定されています。公式サイトには日本での想定価格も掲載されており、そちらは86,800円~となっています。

追記:発売時の実売価格は最安9.5万円程度からでした。しかし、元々GPUは登場してすぐは高価な傾向があり、実際にRTX 4070も始めは99,800円~で登場し、そこから急激に値下がりした経緯があります。そのため、少し待てば価格は下がると思います。今回は公式サイトに適正価格に近い想定価格が掲載されていたので期待しており、その前提で評価してしまいましたが、適正価格で買うには従来通り少し待つ必要がありそうです。

価格は据え置きにも関わらず、CUDAコアは約26%増加、その他のコアも20%以上増加、L2キャッシュも36MBから48MBへと増量されており、大幅な性能向上となっています。どちらかというと、「RTX 4070」よりは「RTX 4070 Ti」に近いハードウェア仕様となっています。

既存の「RTX 4070」は価格が599ドルから549ドルに引き下げられて併売される予定ですが、50ドル差の割には性能差が大きいので、供給量と実売価格次第ではありますが「RTX 4070 SUPER」の方が魅力的なモデルになりそうです。

消費電力(TGP)は200Wから220Wへと増加しており、元モデルより10%増えることになりますが、各コア数が基本20%以上の増量ということを考えると、効率は悪くなっていなさそうです。220Wもこの性能帯のGPUとしてはまだ少ないレベルを維持しているので、効率も含め電力面は非常に優秀だと思います。

少し残念な点としては、VRAM仕様がRTX 4070を引き継いでおり、12GB GDDR6(192bit、504GB/s)と、価格の割には弱めです。最近では生成AIなどの利用が広まったことで、16GB以上のメモリを求める人も多いので、そういう人たちは特に残念かと思います。とはいえ、キャッシュ量の増加もありますし、コア増量などもあるので、十分許容できるレベルではあるかなと思います。

「RTX 4070 SUPER」の大まかな仕様面については以上ですが、最後に、その他の「RTX 40シリーズ」にも共通する仕様にもざっと触れておきます(基本的に以前の記事のコピペです)。

まず映像コーデックの対応で、「AV1」に対して、RTX 30シリーズではデコードだけのサポートでしたが、RTX 40ではエンコードにも対応しています。特にクリエイターの方にとっては嬉しい仕様だと思いますし、AV1は将来性があって採用率が高くなっていく可能性も高いため、導入しておくと安心できます。

次に次世代技術面です。レイトレーシングでは「RTコア」がRTX 30シリーズの第2世代から第3世代に更新されています。第3世代「RTコア」では「Shader Execution Reordering」などの新機能が追加され、性能が向上しています。

NVIDIAのアップスケーリング技術である「DLSS」でも、対応コアである「Tensorコア」が第3世代から第4世代へと更新されています。これにより、アップグレードされた「DLSS 3」を利用することができます。「DLSS 3」では中間フレームを作成することで負荷を大幅に軽減する機能が追加されており、性能が格段向上しているとNVIDIAは主張しており、実際に負荷がかなり軽減されている結果があります。そのため、重量級のゲームを高解像度でプレイしたい場合などには非常に役立つと思います。FSR 3でもフレーム生成機能が含まれており、こちらはGeForceとRadeonのどちらでも使えるので、固有の機能という訳ではありませんが、最終的な品質では最適化やAIで強いGeForceの方が優れているという意見が多いので、アップスケーリングを重視するならやはりRTX 40は魅力的です。

といった感じで、カタログスペックについてはここまでとして、実際の各性能について下記から見ていきたいと思います。

ゲーミング性能

ゲーミング性能は、言葉の通りゲームをする際のパフォーマンスの性能です。実際にゲームを動作させた際の平均FPS数を見ていきます。今回は25種類のゲームでのデータを基に見ていきます。設定は基本的に最高品質です。レイトレーシングやアップスケリーング等は無効の状態でのラスタライズ性能になります。

使用されたグラフィックボードは「GeForce RTX 4070 SUPER FE版」、CPUは「Core i9-14900K」で、OSはWindows 11が使用されています。その他のスペックなどの詳細は、お手数ですが記事上部の参考リンクを参照お願いします。


1080p(1920×1080)

FHD(1920×1080)です。最低限の解像度という感じですが、2024年現在では最も主流な解像度です。ハイエンドGPUを使用していても、特にFPSやTPSでは出来るだけ高いFPSを維持するためにこの設定にするのが主流だと思います。ただし、RTX 4090など最新世代のハイエンドGPUでは低負荷感も大きくなっているものもあります。

平均FPS(1080p 最高設定)
GPU名称 平均FPS
RTX 4090
223.6
RX 7900 XTX
197.9
RTX 4080
193.8
RX 7900 XT
179.1
RTX 4070 Ti
167.6
RTX 3090 Ti
165.4
RTX 4070 SUPER
157.6
RTX 3090
153.3
RX 6900 XT
149.2
RX 7800 XT
144.0
RX 6800 XT
140.9
RTX 3080 10GB
139.1
RTX 4070
139.0
RX 7700 XT
124.9
RTX 3070 Ti
116.9
RTX 3070
111.0
RTX 4060 Ti 16GB
107.9
RTX 4060 Ti 8GB
107.0
RX 6700 XT
101.2
RTX 3060 Ti
97.6
RTX 4060
85.0
RX 7600
82.0
RX 6600 XT
79.3
Arc A770 16GB
77.6
RTX 3060 12GB
74.9
RTX 3050
54.0
参考:TechPowerUp

RTX 3090を上回る非常に優れた1080pゲーム性能

1080pにおいてはRTX 3090を少し上回る非常に優れたパフォーマンスを発揮します。前世代の最上位クラスにも匹敵する性能まで到達し、重量級のゲームでも高いfpsでプレイ可能です。RTX 4070と比較すると、約13.4%高いfpsとなっています。

RTX 4070でも1080pなら十分に高い性能を得ることが可能だったので、実用性的には意外と差はない可能性もありますが、重量級のゲームでのfps底上げや、軽めのゲームで240fpsレベルを目指したかった人などにとっては大きな存在となるかと思います。

ただ、RTX 4070から各種コア類が20%以上増量した割には、fps向上は10%台前半と少し低めな印象ではあります。価格が据え置きなので消費者視点では問題ないですが、NVIDIA側すると利益率がRTX 4070よりも低くなる気はします。


1440p(2560×1440)

WQHD(2560×1440)です。4Kは重すぎるけど、1080pよりはキレイな映像で楽しみたいという場合や、1080pでは少し性能を持て余してしまう場合に利用する解像度です。現在の主流解像度は1080pですが、GPU性能が全体的に大幅に向上してきているため、徐々にこの1440pが主流解像度に切り替わっていく気がします。

平均FPS(1440p 最高設定)
GPU名称 平均FPS
RTX 4090
188.1
RX 7900 XTX
159.5
RTX 4080
154.1
RX 7900 XT
139.9
RTX 3090 Ti
131.3
RTX 4070 Ti
128.2
RTX 3090
119.2
RTX 4070 SUPER
118.6
RX 6900 XT
114.0
RX 7800 XT
109.3
RX 6800 XT
106.8
RTX 3080 10GB
106.1
RTX 4070
103.5
RX 7700 XT
92.1
RTX 3070 Ti
87.7
RTX 3070
82.6
RTX 4060 Ti 16GB
78.0
RTX 4060 Ti 8GB
77.1
RX 6700 XT
74.3
RTX 3060 Ti
71.6
RTX 4060
61.3
Arc A770 16GB
59.9
RX 7600
57.9
RX 6600 XT
56.1
RTX 3060 12GB
54.7
RTX 3050
39.2
参考:TechPowerUp

1440pもRTX 3090と同等の快適なパフォーマンス

1440pにおいても非常に優れたパフォーマンスを発揮します。重量級タイトルばかりの最高設定でも平均120fps近くを出しており、144fps~165fpsは十分に狙える性能です。

RTX 4070と比較すると約14.6%上回る結果となっています。1080pよりもわずかながら向上率が上がっているので、もしかしたら増量されたキャッシュ量も活きているかもしれません。


4K(3840×2160)

「超高解像度の代名詞」ともいえる解像度の4K(3840×2160)です。非常に繊細で綺麗な映像になりますが、その負荷の大きさから高いFPSを出す事が難しいためTPSやFPSなどの対人競技ゲームで利用されることはまずないです。処理性能の要求が高いだけでなく、高リフレッシュレートの4Kモニターが非常に高価ということもあり、2023年現在では競技性の高いゲームではあまり利用されません。フレームレートよりもグラフィックのキレイさや臨場感が重要なゲームを中心に需要のある解像度です。

平均FPS(4K 最高設定)
GPU名称 平均FPS
RTX 4090
118.7
RX 7900 XTX
96.1
RTX 4080
92.5
RTX 3090 Ti
81.5
RX 7900 XT
81.0
RTX 4070 Ti
72.8
RTX 3090
72.5
RTX 4070 SUPER
67.5
RX 6900 XT
65.3
RTX 3080 10GB
63.6
RX 7800 XT
62.3
RX 6800 XT
60.7
RTX 4070
58.6
RX 7700 XT
50.7
RTX 3070 Ti
50.5
RTX 3070
47.3
RTX 4060 Ti 16GB
43.2
RTX 4060 Ti 8GB
41.1
RTX 3060 Ti
40.7
RX 6700 XT
40.7
Arc A770 16GB
35.8
RTX 4060
33.6
RTX 3060 12GB
31.2
RX 7600
30.1
RX 6600 XT
29.2
RTX 3050
21.6
参考:TechPowerUp

4Kでも実用的な性能だが、やはりメモリが少し足を引っ張っている印象あり

4KにおいてもRTX 3080を少し上回る性能を発揮しており、十分実用的な性能です。軽めのゲームなら高いfpsも出せます。

RTX 4070と比較すると約15.2%高い性能となっており、1080pの約13.4%よりも若干有利を広げています。メインの12GB VRAMは同じなので、やはり12MB増量されたL2キャッシュが思ったよりも活きているかもしれません。

ただし、メインの12GB VRAMが同性能帯の他のGPUと劣っている点は変わらず、性能低下率も大きめです。たとえば、1080pでは約2.8%リードしていたRTX 3090には、4Kでは約6.9%劣っており、10%近くの開きがあります。

また、容量では勝っているRTX 3080 10GB(256bit、760GB/s)に対しても1080p~1440pで差が7%程度縮まっていたりして、容量だけでなく「192bit、504GB/s」というバス幅・帯域幅の狭さもネックになっていることが見受けられます。

4Kにおいても価格を考えれば十分高コスパですし、性能も使えるレベルなので大きなデメリットとまではいきませんが、RTX 4080 16GBや、今後発売予定の「RTX 4080 SUPER」などは容量も帯域幅も大幅に上で、4Kにおける性能差はかなり大きい点は覚えておくと良いかもしれません。

電力関連

消費電力

ゲームプレイ時(高負荷時)の平均消費電力を見ていきます。低い方が良い数値となります。測定に使用されたゲームは「Cyverpunk 2077」で、解像度は「3840×2160(4K)」です。

GPU平均消費電力(ゲーミング)
GPU名称 消費電力
RTX 4060
128W
RTX 3050
132W
RTX 4060 Ti 8GB
152W
RX 7600
152W
RX 6600 XT
159W
RTX 4060 Ti 16GB
165W
RTX 3060
183W
RTX 4070
201W
RTX 3060 Ti
205W
RTX 4070 SUPER
218W
RX 6700 XT
224W
RX 7700 XT
228W
RTX 3070
232W
Arc A770 16GB
235W
RX 7800 XT
250W
RTX 4070 Ti
277W
RX 6800 XT
294W
RX 6900 XT
300W
RTX 3070 Ti
302W
RTX 4080
304W
RX 7900 XT
312W
RTX 3080 10GB
336W
RX 7900 XTX
353W
RTX 3090
368W
RTX 4090
411W
RTX 3090 Ti
537W
参考:TechPowerUp

RTX 3090並みの性能で218W

ゲーム時の平均消費電力は、ほぼTGP通りの218Wです。RTX 3090並みの性能が218Wとは驚きです。

電源には多少の余裕ができるのは地味に嬉しいですし、ダイサイズも小さめなので、デュアルファンモデルも出てくると思われます。小さめのケースでの運用も可能かと思われ、性能とは裏腹に前世代のミドルレンジ並みの扱い易さです。

ワットパフォーマンス

ワットパフォーマンス(電力効率)を見ていきます。ゲーミング時の1フレームあたりの消費電力を算出して比較しています。測定に使用されたゲームは「Cyberpunk 2077(4K/Ultra/レイトレ無効)」です。

ワットパフォーマンス(Cyberpunk 2077)
GPU名称 1フレームあたりの消費電力
RTX 4080
4.0W
RTX 4070 SUPER
4.1W
RTX 4090
4.2W
RX 7900 XTX
4.4W
RTX 4060 Ti 8GB
4.5W
RTX 4070
4.5W
RX 7900 XT
4.7W
RTX 4070 Ti
4.7W
RX 7800 XT
4.9W
RTX 4060 Ti 16GB
5.1W
RTX 4060
5.3W
RX 7600
5.7W
RX 7700 XT
5.7W
RTX 3070
6.0W
RX 6900 XT
6.2W
RTX 3060 Ti
6.2W
RTX 3090
6.3W
RX 6600
6.3W
RX 6800 XT
6.5W
RTX 3080 10GB
6.5W
RX 6600 XT
6.9W
RTX 3070 Ti
7.3W
Arc A770 16GB
7.3W
RX 6700 XT
7.4W
RTX 3060
7.5W
RTX 3050
8.0W
RTX 3090 Ti
8.0W
参考:TechPowerUp

高解像度でもRTX 4080 / 4090並みのトップクラスの電力効率

4Kでの電力効率はRTX 4070と比べると約9%向上しており、全GPUで見てもトップクラスの良さになりました。

メモリ性能がネックになりそうな高解像度帯でも、性能の割には少ない消費電力のおかげで効率は非常に優れています。しかし、そもそもネイティブ4Kやレイトレでは少し頼りない性能ではあるので、そこは注意です。

レイトレーシング性能

レイトレーシング性能

レイトレーシング性能を見ていきます。レイトレーシングはメインコアと別のレイトレーシング用のコアも使用するため、上述のラスタライズ性能とやや差が出る可能性があります。

レイトレーシングFPS(1080p 幾何平均)
GPU名称 平均FPS
RTX 4080
127.3
RTX 4070 Ti
110.2
RTX 3090 Ti
107.8
RTX 4070 SUPER
103.4
RTX 3090
99.0
RX 7900 XT
93.2
RTX 4070
91.9
RTX 3080 10GB
90.1
RX 7800 XT
75.4
RX 6900 XT
72.7
RTX 3070 Ti
71.3
RTX 4060 Ti 16GB
71.1
RX 6800 XT
68.5
RTX 4060 Ti 8GB
67.4
RX 7700 XT
66.4
RX 6800
58.9
参考:TechPowerUp

レイトレーシングFPS(1440p 幾何平均)
GPU名称 平均FPS
RTX 4080
98.6
RTX 3090 Ti
82.5
RTX 4070 Ti
82.3
RTX 4070 SUPER
75.9
RTX 3090
74.7
RX 7900 XT
70.4
RTX 3080 10GB
67.0
RTX 4070
66.7
RX 7800 XT
54.9
RX 6900 XT
52.1
RTX 4060 Ti 16GB
50.1
RX 6800 XT
49.1
RX 7700 XT
47.0
RTX 3070 Ti
43.9
RX 6800
42.4
RTX 4060 Ti 8GB
40.9
参考:TechPowerUp

レイトレーシングFPS(4K 幾何平均)
GPU名称 平均FPS
RTX 4080
57.1
RTX 3090 Ti
48.8
RTX 3090
43.4
RX 7900 XT
39.2
RTX 4070 Ti
36.6
RTX 4070 SUPER
34.2
RTX 4070
30.2
RX 7800 XT
30.1
RTX 3080 10GB
29.0
RX 6900 XT
28.2
RTX 4060 Ti 16GB
27.3
RX 6800 XT
26.5
RX 6800
22.8
RX 7700 XT
21.1
RTX 3070 Ti
19.9
RTX 4060 Ti 8GB
17.6
参考:TechPowerUp

レイトレーシング性能は4K以外は実用的

ネイティブのレイトレーシング性能は、1080pと1440pでは重めのタイトルでも100fps超えを狙える実用的な性能です。1080pではタイトルによっては144fpsも狙えそうなレベルです。

8万円台のGPUとしてはかなり優れており、10万円未満でレイトレーシングも使いたいならかなりおすすめできるGPUだと思います。

しかし、4Kレイトレーシングにおいては性能低下率が大きく、やはりメモリ容量がネックとなっている感は否めない点は注意が必要です。特に重量級なタイトルでは一桁fpsなども見受けられるので、実用的かは怪しいレベルです。

例としてRTX 4080と比較してみると、1080pでは約23.1%だった差が、4Kでは約70%にまで広がっています。価格的に仕方ないものの、4Kレイトレーシングで高fpsを目指すにはやはり力不足感があります。

コストパフォーマンス

上述のfpsを基にGPUの1フレームあたりの価格を算出し、コストパフォーマンスを比較しています。数値が低い方が良い点に注意です。各GPUの価格は、記事執筆時点のおおよその市場最安値価格です。ラスタライズとレイトレーシング時の両方を見ていきます。

元のゲーミング性能の解像度は1440pを用いています。4Kなどではやや結果が異なる可能性がある点に注意です。


1フレームあたりの価格(ラスタライズ)

まずはラスタライズ性能のコスパです。上述の1440pゲーム時の性能と現在の市場価格を基に、1フレームあたりの価格を算出し、コスパとして比較しています。

また、「RTX 4070」については記事執筆時点の価格に加え、50ドル値下がり想定(約7,300円)の2つの数値を参考に掲載しています。

1fあたりの価格(1440p@RT無し)
GPU名称 1フレームあたりの価格 価格
RX 7600
¥639
¥36,980
RX 6700 XT
¥667
¥49,580
RTX 3070 Ti
¥670
¥58,800
RX 6600 XT
¥677
¥37,980
RTX 4060
¥701
¥42,980
RTX 3060 12GB
¥709
¥38,800
RTX 3070
¥724
¥59,800
RX 7700 XT
¥725
¥66,800
RX 7800 XT
¥730
¥79,800
RTX 4070 SUPER
¥732
¥86,800
RTX 4060 Ti 8GB
¥744
¥57,400
RTX 4070 ※値下げ想定
¥749
¥77,500
RTX 3050
¥760
¥29,800
RTX 3060 Ti
¥765
¥54,800
Arc A770 16GB
¥781
¥46,800
RTX 4070
¥819
¥84,800
RX 6800 XT
¥831
¥88,800
RTX 3080 10GB
¥837
¥88,800
RX 7900 XT
¥858
¥120,000
RTX 4070 Ti
¥858
¥109,980
RX 6900 XT
¥858
¥97,800
RTX 4060 Ti 16GB
¥882
¥68,800
RX 7900 XTX
¥939
¥149,800
RTX 4080
¥1,167
¥179,800
RTX 4090
¥1,594
¥299,800
参考:TechPowerUp

1440pでも高い性能を発揮するGPUではトップクラスのコスパ

1440pにおけるラスタライズ性能コスパは上記のようになっています。上位は値下がりが進んだ旧世代GPUが多くを占めている状況です。

しかし、「RTX 4070 SUPER」もトップからそこまで遠くない位置にいます。また、上のGPUを見てみると、軒並みエントリーからミドルレンジのGPUです。そのため、1440pでも144fps以上を十分狙えるような高性能GPUとしてはトップクラスの高コスパGPUということがわかります。

「RX 7700 XT」と「RX 7800 XT」もほぼ同じ位置に居るので、ハイエンド用途も視野に入れた高性能高コスパGPUとしてはこの辺りが競合になると思います。ただし、少なくとも現状では画像生成AIやレンダリングなどで優位に居ますから(後述)、総合的に見た高性能高コスパで予算も無駄遣いしないGPUとしては、単独トップという評価になるのではないかと思います。


1フレームあたりの価格(レイトレーシング)

次にレイトレーシング時のコスパを見ていきます。DLSSやFSR等のアップスケーリング技術は使用していない場合のものになります。

1fあたりの価格(1440p@RT)
GPU名称 1フレームあたりの価格 価格
RTX 4070 SUPER
¥1,144
¥86,800
RTX 4070※値下げ想定
¥1,162
¥77,500
RTX 4070
¥1,271
¥84,800
RTX 3080 10GB
¥1,325
¥88,800
RTX 4070 Ti
¥1,336
¥109,980
RTX 3070 Ti
¥1,339
¥58,800
RTX 4060 Ti 16GB
¥1,373
¥68,800
RTX 4060 Ti 8GB
¥1,403
¥57,400
RX 7700 XT
¥1,421
¥66,800
RX 7800 XT
¥1,454
¥79,800
RX 7900 XT
¥1,705
¥120,000
RX 6800 XT
¥1,809
¥88,800
RTX 4080
¥1,824
¥179,800
RX 6900 XT
¥1,877
¥97,800
参考:TechPowerUp

1440pレイトレコスパは単独トップレベルだけど、4Kではガクッと落ちるので注意

1440pレイトレコスパは、単独トップレベルの超高コスパです。50ドル値下がり想定のRTX 4070をも上回っています。

注意点として、4Kではメモリ容量がネックで性能がガクッと落ちる(前述)があるのは忘れてはいけませんが、1440pまでのレイトレコスパ特化なら一択レベルの良さとなっている高コスパGPUです。

ただし、1週間後に登場予定の「RTX 4070 Ti SUPER」が16GBメモリ搭載で11万円台後半からという価格で、4Kレイトレ性能も格段に上がる可能性が高いので、4Kまで視野に入れたいならそちらを見てからの方が良いかな思います。

クリエイティブ用途

比較の最後は、クリエイティブ用途でのパフォーマンスを見ていきます。

一般的な動画編集等の基準性能としてFP32(単精度浮動小数点演算)の理論演算性能、「Blender」におけるGPUレンダリング性能、「SPECviewperf 2020 v3」によるOpenGL性能、AIイラスト生成ソフト「Stable Diffusion」の性能をそれぞれ見ていきたいと思います。

また、ここのテストは上述までとは異なるテストシステムを使用した海外レビュー(Tom’s Hardware)を参考にしています。「Core i9-13900K」と「DDR5-6600 CL34 32GB(16GBx2)」が使用されています。他の条件について気になる方は上述の参考リンクをご覧ください。

理論演算性能(FP32)

FP32(単精度浮動小数点演算)は、理論演算性能を示す一つの指標です。単位はTFLOPS(テラフロップス)を用います。実際のテストから算出するものではなく、シェーダーユニット数(対応の演算器の数)とクロックから計算した、理論上の処理性能を表します。製品によってクロックが異なるので、下記の表の数値と異なる可能性がある点に注意です。

一般的な動画編集においてのクリエイティブ性能は、このFP32とVRAMの性能(データ量が多い処理の場合)によって比例する傾向があります。実際「Premiere Pro CC」や「Davinci Resolve」などの主要な動画編集ソフトでの編集やプレビュー速度はある程度比例する傾向があるので、まず参考に見ていこうと思います(完全に一致する訳ではないので注意)。

FP32(単精度浮動小数点演算)
GPU名称 FP32(TFLOPS)
RX 7800 XT
16GB 624GB/s
37.32
RTX 4070 SUPER
12GB 504GB/s
35.48
RX 7700 XT
12GB 432GB/s
35.17
RTX 3080
10GB 760GB/s
29.77
RTX 4070
12GB 504GB/s
29.15
RTX 4060 Ti
8GB / 16GB  288GB/s
22.06
RTX 3070 Ti
8GB 608GB/s
21.75
RX 7600
8GB 288GB/s
21.75
RX 6800 XT
16GB 512GB/s
20.74
RTX 3070
8GB 448GB/s
20.31
Arc A770 16GB
16GB 560GB/s
17.20
RTX 3060 Ti
8GB 448GB/s
16.20
RX 6800
16GB 512GB/s
16.17
RTX 4060
8GB 272GB/s
15.11
RX 6700 XT
12GB 384GB/s
13.21
RTX 3060 12GB
12GB 360GB/s
12.74
RX 6600 XT
8GB 256GB/s
10.61
RTX 3050
8GB 224GB/s
9.10
RX 6600
8GB 224GB/s
8.93

FP32性能はRTX 4070から約19%向上

FP32性能はRTX 4070から約19.2%と大きく向上しました。競合の「RX 7000シリーズ」ではFP32性能が全体的に格段に向上していたため、「RTX 40シリーズ」はやや下に位置していましたが、「RTX 4070 SUPER」は「RX 7700 XT」と「RX 7800 XT」と同等レベルになり、その差も埋めました。

Blender(3DのGPUレンダリング)

「Blender」は人気のある定番のレンダリングソフトです。「Blender 3.6.0」を用いた「Blender Benchmark」の3つのテスト結果の幾何平均を総合スコアとし、比較していきます。

「Blender 3.6.0」では、AMD、NVIDIA、Intel Arc GPUでレイトレーシングを使用するCycles Xエンジンが含まれているため、レイトレーシング性能も重要となります。しかし、どうやら「Blender 3.6.0」ではレイトレーシング用のコアを直接使用するのではなく、メインのGPUシェーダーを介しての処理となるようです。そのため、RTコアではなくメインのGPUコア(CUDAコア)でレイトレーシングを高速化できるエンジンの「Optix」を持つGeForceに現状では優位性があります。

Blender Benchmarks(3.6.0)
GPU名称 総合スコア(幾何平均)
RTX 4080
3119.6
RTX 4070 Ti
2368.5
RTX 4070 SUPER
2310.1
RTX 4070
1943.2
RTX 4060 Ti 8GB
1419.4
RTX 4060 Ti 16GB
1371.2
RTX 3070 Ti
1356.2
RX 7900 XTX
1252.9
RTX 4060
1160.3
RX 7900 XT
1144.1
RX 7800 XT
752.6
Arc A770 16GB
696.5
RX 7700 XT
649.7
RX 7600
422.5
参考:Tom’s Hardware

RTX 4070 Ti に近い性能

Blenderにおけるレンダリング性能は「RTX 4070 Ti」とほぼ同等です。わずか2.5%ほど劣る性能です。

「RTX 4070 Ti」が最安11万円台が基本であったことを考えると、そのレベルの性能を8万円台で発揮できるのは破格のコスパです。

しかし、「RTX 4080」には約35%と大きくリードされており、ここでもメモリ性能差が影響していそうです。しかも、後に若干強化されて価格も下がる「RTX 4080 SUPER」と、16GBメモリ採用となる「RTX 4070 Ti SUPER」も控えています。

「RTX 4070 SUPER」もレンダリングで強力かつ高コスパではあるものの、ガンガン使いたい場合には「RTX 4070 Ti SUPER」か「RTX 4080 SUPER」を選ぶ方がおすすめです。

ちなみにRadeonは未だにBlenderのGPUレンダリングではGeForceよりも明らかに劣ります。これは処理の仕組みがGeForce有利に働いているため仕方がなく、現状Blenderでのレンダリングを想定するならGeForce一択です。ただし、この差が維持されるかはソフトやGPUやドライバの最適化次第なので、今後は状況が変わる可能性もあるので動向には注目していきたいです。

SPECviewperf 2020 v3(OpenGL)

「SPECviewperf 2020 v3」はOpenGL性能を測るベンチマークです。OpenGLはクロスプラットフォームに対応した汎用型のグラフィックスライブラリとなっており、ゲームだけでなく幅広い分野で利用されています。

今回見るのは「SPECviewperf 2020 v3」の8つのテストの総合スコア(幾何平均)です。ただし、一般的にはテストに使用される処理全てを利用する人はほぼ居ないと思うため、自分が使用するアプリケーションで使用される処理について確認することが重要な点は留意しておきましょう。今回は総合的な性能で相対的な差を求めるために、幾何平均による総合スコアを用いています。

SPECviewperf 2020 v3
GPU名称 総合スコア(幾何平均)
RX 7900 XTX
202.79
RX 7900 XT
178.16
RX 7800 XT
129.15
RX 7700 XT
112.95
RTX 4080
98.57
RTX 4070 Ti
80.29
RX 7600
79.14
RTX 4070 SUPER
75.98
RTX 4070
66.71
RTX 3070 Ti
56.17
RTX 4060 Ti 16GB
51.12
RTX 4060 Ti 8GB
50.92
RTX 4060
43.51
Arc A770 16GB
30.78
参考:Tom’s Hardware

OpenGL性能はRadeonの方が圧倒的に有利

OpenGL性能はRadeonの方が圧倒的に有利な点は一応注意です。

この差はGPU性能差によるものではなく、NVIDIAがゲーム向けのGeForceではOpenGL性能に制限を強く掛けているためです。同社のプロフェッショナル向けGPUの需要を維持するための調整となっています。

Radeonでも同様にプロフェッショナル向けのGPUがあり、ゲーム向けGPUでは制限が掛けられていますが、その制限がGeForceよりは緩いです。そのため、ゲーム向けGPU同士の比較だとRadeonの方が明らかに良く見えるという状況になっています。

とはいえ、強く制限が掛けられた状態でも、以前よりは性能が大きく底上げされているので使えないことはありません。開発者視点だとやはり厳しい面があるかもしれませんが、OpenGLがクロスプラットフォームの汎用型ライブラリということもあり、消費者視点なら高い性能を求められることは少ないので「RTX 4070 SUPER」でも困ることはあまりないと思います。

Stable Diffusion(AIイラスト生成)

現在、AIイラストソフトで人気のある「Stable Diffusion」を用いて、AIイラストの生成時間を比較しています。よく利用されるAIイラスト生成ソフトは他にもありますが「Stable Diffusion」が恐らくは一番定番と言えるものだと思います。

各GPUで「768×768の20枚の画像を生成するのに掛かる時間」を測定し、1分あたり何枚の画像を生成できるかを各GPUで算出して比較しています。

Stable Diffusion(768×768)
GPU名称 1分あたりの生成枚数
RTX 4080
20.320
RTX 4070 Ti
15.888
RTX 4070 SUPER
14.234
RTX 4070
12.861
RX 7900 XTX
10.915
RTX 3070 Ti
10.617
RX 7900 XT
9.545
RTX 4060 Ti 8GB
8.587
RTX 4060 Ti 16GB
8.457
RX 7800 XT
7.031
RTX 4060
6.990
RX 7700 XT
6.205
Arc A770 16GB
4.697
RX 7600
3.489
参考:Tom’s Hardware

AIイラスト生成は高めの性能だけど、やはりメモリがネックで高解像度はきつそうで、コスパはやや悪めか

Stable DiffusionにおけるAIイラスト生成は、768×768ならそこそこの性能です。1分あたりで約14枚の画像を生成でき、RTX 4070よりは10.7%高速です。十分実用的だと思います。ただし、RTX 4080は1分あたり約20枚生成することが可能で、約42.8%と大幅に高速です。

しかも、画像生成AIは高解像度になるほどVRAMの要求容量が非常に高くなることで知られており、例の768×768より上の解像度となると12GB以下と16GB以上とで圧倒的な差ができたりもするので、12GBの「RTX 4070 SUPER」は高解像度の生成ではやや頼りないです。

メモリ容量がネックにならない低解像度の画像生成ではGPUパワーが純粋に反映される傾向があるので、その場合には「RTX 4070 SUPER」は普通に強力ではあるものの、768×768でもややネックになっているように見えるので、強力と言えそうなのは768×512くらいまでといったところです。がっつり楽しみたい方には少し不満が出そうなレベルです。

また、そもそも低解像度前提ならRTX 3060 12GBでもそれなりに使えたりするので、そことコスパ比較されてしまうと不利です。この後登場する「RTX 4070 Ti SUPER」との比較でも、想定価格を考えればコスパでは恐らく大きく負けてしまうことになると思います。元々価格の割に弱めのメモリが特にネックになる用途となってしまっています。

とはいえ、もちろん悪い性能ではないし使えるので、主軸において楽しみたいって訳でなければ、割り切っても良いレベルかなとも思います。上述の内容は、あくまで高解像度の生成の場合に、特に生成AIに適したGPUとコスパ比較した場合の話です。

ちなみに競合のRadeonは、GeForceの競合モデルよりも全体的に大容量のVRAMを搭載するため、理論上はAIイラスト生成でも高い性能を発揮できるはずですが、基本仕様や最適化、AI性能でGeForceが有利なため、現状はGeForce一択レベルの性能差があります。

まとめ

GeForce RTX 4070 SUPER

良い点
  • 前のRTX 4070と同じ価格(599ドル)で性能は大きめに向上
  • 高性能帯でトップクラスの非常に優れたコスパとワットパフォーマンス
  • 8万円台で4K高fpsも視野に入る非常に優れた性能
  • 実用的なレイトレーシング性能
  • 前世代ミドルレンジ並みの消費電力で、小さめのケースにも対応できる
  • DLSS 3に対応
  • AV1デコードおよびエンコードをサポート

気になる点
  • 高価(国内想定価格:約8.7万円~)
  • 価格の割に低いメモリ性能(12GB、504GB/s)で4KやAIイラスト生成(高解像度)では上位GPUに大きく劣る

RTX 4070 SUPER:1440p以下で超強力なコスパと効率を発揮する高コスパGPU

「RTX 4070 SUPER」は「RTX 4070」の599ドルという価格を引き継ぐにも関わらず、各コア数が20%以上増量されたGPUです。L2キャッシュも12MB増量しました。元々総合コスパ評価が高かった「RTX 4070」が更に強化される形となっており、当然ながらそのコスパは非常に優れています。

具体的な性能としては、1080pおよび1440pラスターゲーム性能ではRTX 3090に匹敵する非常に優れたパフォーマンスを発揮します。重量級ゲームでも144~165fpsを期待でき、軽めのゲームなら240fpsレベルも十分狙える高性能GPUです。RTX 4070の改良版といった名前ではありますが、性能的にはどちらかといえば「RTX 4070 Ti」に近いです。

また、消費電力(TGP)は220Wとなっており、RTX 4070から10%しか増えていません。各コア数は20%増量し、実性能も低くても10%以上は向上しているため、ワットパフォーマンスも少し向上しています。

8万円台で買えるGPUとしては非常に優れた性能とコスパと効率を兼ね備えており、10万円未満では現状最もおすすめできるGPUになったと思います。

唯一に近い懸念点は、やはりVRAMの性能です。192bitの12GBメモリは価格の割には弱いです。RTX 4070からここは改善されませんでした(L2キャッシュ増量でわずかに補ってはいるけど)。

そのため、4Kゲームで他のハイエンドGPUよりもやや大きめのfps低下が見られる点は、RTX 4070の頃と同様です。最近注目度の高い画像生成AIでも、高解像度だとVRAM容量が非常に重要なので、そこでも価格の割に低い12GBがネックになりコスパがやや悪いです。

もちろん使えないレベルではありませんが、少し後に登場する「RTX 4070 Ti SUPER」では16GBメモリが採用されており、そちらの方が4Kや生成AIでは格段に高い性能を発揮すると思われます。200ドル差は大きいですが、それらのハイエンド用途でもしっかり活用したいなら「RTX 4070 Ti SUPER」の方がおすすめではあります。

総評としては、「RTX 4070 SUPER」は価格の割に低いメモリ性能のため、4Kや生成AIコスパは良い訳ではありませんが、1080p~1440pにおける性能は非常に高性能で、ゲームコスパとワットパフォーマンスは高性能GPUではトップクラスの高コスパGPUです。それでいて消費電力も多くなくて扱い易く、20万円台中盤以下の価格で高コスパゲーミングPCを検討するなら筆頭となるGPUだと思います。


といった感じで、本記事は以上になります。ご覧いただきありがとうございました。

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https://pcfreebook.com/article/geforce-rtx4070-super-first-review.html/feed 4
【2024年1月後半】GPUの追加モデル事前情報まとめ【RTX 40 SUPER / RX 7600 XT 16GB】 https://pcfreebook.com/article/rtx40super-rx7600xt-16gb-annoucement-2024-01.html https://pcfreebook.com/article/rtx40super-rx7600xt-16gb-annoucement-2024-01.html#respond Tue, 16 Jan 2024 13:35:44 +0000 https://pcfreebook.com/?p=31312

今月(2024月1月)の後半にいくつかのGPUが追加されるので、そちらの事前情報のまとめです。 アーキテクチャは既存シリーズと同じものですし、価格もある程度判明しているので、これからのゲーミングPCやグラボを購入予定の方 ... ]]>

今月(2024月1月)の後半にいくつかのGPUが追加されるので、そちらの事前情報のまとめです。

アーキテクチャは既存シリーズと同じものですし、価格もある程度判明しているので、これからのゲーミングPCやグラボを購入予定の方はそちらも参考にしてみると良いかもしれません。結論から言うと、RTX 4070以上を現在検討している方は少し待った方が良いです。

注意

本記事の内容は記事執筆時点(1月16日時点)のものであり、ご覧になっている際には異なる可能性があるため注意してください。

GeForce RTX 40 SUPERシリーズ

目玉は「RTX 40 SUPER」です。「RTX 4070 SUPER」「 RTX 4070 Ti SUPER」「RTX 4080 SUPER」の3つが、1月17日/24日/31日(米国時間)に順次発売されます。スペックは下記の通り。

GPU CUDAコア メモリタイプ メモリ
速度・
帯域幅
L2 Cache RTコア
Tensorコア
クロック
最大/定格
TGP 想定価格※
RTX 4080 SUPER 10240 16GB GDDR6X
256bit
23Gbps
736GB/s
64MB 80基
320基
2.55GHz
2.11GHz
320W 999ドル
(148,000円~)
RTX 4080 9728 16GB GDDR6X
256bit
22.4Gbps
716.8GB/s
64MB 76基
304基
2.51GHz
2.11GHz
320W 1199ドル
→廃止予定
RTX 4070 Ti SUPER 8448 16GB GDDR6X
256bit
21Gbps
672GB/s
64MB 66基
264基
2.61GHz
2.34GHz
285W 799ドル
(115,800円~)
RTX 4070 Ti 7680 12GB GDDR6X
192bit
21Gbps
504GB/s
48MB 60基
240基
2.61GHz
2.31GHz
285W 799ドル
→廃止予定
RTX 4070 SUPER 7168 12GB GDDR6X
192bit
21Gbps
504GB/s
48MB 56基
224基
2.48GHz
1.98GHz
220W 599ドル
(86,800円~)
RTX 4070 5688 12GB GDDR6X
192bit
21Gbps
504GB/s
36MB 46基
184基
2.48GHz
1.92GHz
200W 549ドル
前:599ドル
※ドル表記は米国における希望小売価格。()内の日本円は公式サイト表記の想定価格。

RTX 4080 SUPER

追加モデルの中で最上位の「RTX 4080 SUPER」です。1月31日発売予定です。元の「RTX 4080」と比較すると、各コア数などの増加は約5.26%程度で微増レベルです。

ただし、問題は性能ではなく価格です。RTX 4080は1199ドルだったのに対し、SUPERモデルは999ドルで200ドルも安いです。日本での想定価格もNVIDIAの公式ページに記載されており、148,000円~となっています。RTX 4080が18万円前後あたりが多かったことを考えると、約3万円ほど値引きされたことになり、しっかりと200ドル分の値引きが反映されています。

性能微増かつ3万円値引きということで、RTX 4090では高すぎるけどハイエンド上位GPUを求めていたという人にとっては非常に魅力的な存在になりそうです。

また、SUPERの登場に伴い、元の「RTX 4080」は市場から廃止予定なので、既存モデルの大幅な値引きも期待されます。性能差自体はわずかになりそうなので、SUPERと同じかわずかに低いレベルでも需要があるはずですが、CPUで最近旧世代化した第13世代Coreシリーズと組み合わせたPCは在庫処分で更なる値引きも期待できるので、注目しておくと良いかもしれません。

RTX 4070 Ti SUPER

今回追加されるSUPERモデルの中で、特に注目度が高そうなのが「RTX 4070 Ti SUPER」です。1月24日発売予定です。日本での想定価格がNVIDIAの公式ページに記載されており、115,800円~となっています。

価格設定は元の「RTX 4070 Ti」の799ドルを引き継ぐ形ながら、メモリは12GBから16GBに増量され、バス幅も増加、L2キャッシュも増量されています。各コア数も約10%増えており、高解像度ゲームや最近注目の画像生成AI(高解像度)での対応力も大幅に増していると思われます。その上、TGPは285Wを維持しており、電力効率も非常に良いことが期待できます。

元のRTX 4070 Tiは主要ゲーム性能はRTX 3090 Tiクラスではあったものの、4KレベルやVRAM依存度の高い処理で劣る面があったのが玉に瑕でした。そこが解消されることは高価格帯のGPUとしては非常に大きく、元モデルよりも遥かに魅力的な高性能GPUとなったと思います。

また、SUPERの登場に伴い、元の「RTX 4070 Ti」は市場から廃止予定なので、既存モデルの大幅な値引きが期待されます。

RTX 4070 SUPER

今回追加されるSUPERモデルの中では一番下のモデルが「RTX 4070 SUPER」です。日本での想定価格がNVIDIAの公式ページに記載されており、86,800円~となっています。1月17日発売予定です。

元の「RTX 4070」と比較すると、CUDAコアは5688→7168で約26%も増えているにも関わらず、価格は599ドルを引き継ぐ形となっており、元々良かったコスパで更なる向上が期待されます。その他のコア数も20%以上も増量されています。TGPは200Wから220Wへと増加しているものの、まだ性能の割には十分省電力であり、コア数の増加率を考えれば効率も悪くなっていなさそうなので、特にネックではないかと思います。

VRAMスペックは全く同じ12GB GDDR6(504GB/s)ですが、L2キャッシュは36MBから48MBへと増量されています。12GB据え置きなのは残念でしたが、コア数とL2キャッシュが大きく増量されたのに同額なので、コスパは大幅アップです。

20万円台中盤くらいの予算で、コスパを高めつつハイエンド用途を視野に入れたい場合の選択肢としてものすごく魅力的な存在になりそうです。

また、元の「RTX 4070」は販売が継続される予定ですが、希望小売価格は549ドルへ引き下げられる見込みなので、既存モデルがやや値引きされると思われます。ただ、他のラインナップ的に仕方ないかなとも思いますが、50ドル差なら「RTX 4070 SUPER」の方が魅力度は高いと思います。

そのため、旧世代CPUと組み合わせたBTOパソコンなどでは、50ドル差以上の値引きも期待できるような気がするので、思わぬ掘り出し物が発見される可能性もあるかもしれません。

Radeon RX 7600 XT 16GB

ハイエンドモデル強化のGeForceに対し、Radeonはエントリーモデルのラインナップ強化です。低~中価格帯では貴重な大容量VRAMモデルの「Radeon RX 7600 XT 16GB」が追加されます。1月24日に発売予定です(米国時間)。

GPU SP数 メモリタイプ メモリ
速度・
帯域幅
Infinity
Cache
Ray/AI
アクセラレーター
クロック
最大/定格
TBP 想定価格※
RX 7600 XT 2048 16GB GDDR6
128bit
18Gbps
288GB/s
32MB 32/64 2.76GHz
2.47GHz
190W(最大) 329ドル
RX 7600 2048 8GB GDDR6
128bit
18Gbps
288GB/s
32MB 32/64 2.66GHz
2.25GHz
165W(最大) 269ドル
※ドル表記は米国における希望小売価格。

高性能帯のラインナップを強化したGeForceとは逆に、Radeonは安価ながら16GB VRAM搭載の「RX 7600 XT」を追加し、エントリーモデルでの競争力を高める形です。希望小売価格は329ドルに設定されており、「RX 7600」より60ドル高くなります。日本だと恐らく4万円台中盤~後半くらいが主な価格になりそうです。

こちらは基本的に「RX 7600のメモリが16GBに増量されたもの」と捉えて良いです。各スペックを下位の「RX 7600」と比較すると、メモリを除くハード仕様はほぼ同じなためです。ストリーミングプロセッサー数は同じ2048で、Infinity CacheやレイアクセラレーターやAIアクセラレーターも同じです。違うのは、クロックがわずかに向上した点と、メモリが8GBから16GBと倍増された点です。メモリも容量以外のスペックは同じです。

クロックの向上率は、ベースクロックが約9.8%、ブーストクロックが約3.8%程度となっています。差は小さいです。

メモリが16GBに倍増したのは大きな変化であるものの、ゲームの場合はこのGPUはFHDがメインターゲットであり、FHDなら8GBでもそこまでネックにならないはずなので、16GBメモリは活きないケースが多いと思われます。クロック向上もあるので少しのfps向上は望めるものの、微増程度と捉えた方が良いと思います。

そのため、「RX 7600 XT 16GB」は主要ゲーム用というよりは、最近注目度の高い生成AI関連や、一部のVRAM容量が重要なゲーム(VRChatなど)で真価を発揮するGPUとなると思います。

上記に挙げた用途などでは、GPU自体の性能はハイエンドまでは要らないけど、VRAM容量は出来るだけ欲しいみたいなケースが結構あるので、そういう場合には余計な費用を掛けずに済む選択肢として魅力的になるかもしれません。既存モデルでも似たような理由で「RTX 3060 12GB」は未だに人気GPUです。

とはいえ、少なくとも現状は生成AIやレイトレーシングではRadeonはGeForceに劣っているので、そちらの最適化が進んで差が縮まらない限りは、第一候補にはならないような気もしてしまいますね。

しかし、以前よりは最適化が進んでいるのは確かではありますし、ゲーム性能では「RTX 3060 12GB」よりは大分上で、5万円未満で16GBメモリは非常に魅力的なのは事実なので、将来性込みでゲームメインの方が導入するというのは無しではないかもしれません。

また一応ですが、主要ゲームでもFSRのようなアップスケーリングを使用すれば、高解像度やレイトレーシング運用も可能ではあるので、その場合には16GBメモリがある程度活きるかもしれません。


といった感じで、紹介は以上になります。各GPUの詳しい評価は、登場後に個別記事でやっていきたいと思います。

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https://pcfreebook.com/article/rtx40super-rx7600xt-16gb-annoucement-2024-01.html/feed 0
【パソコン工房】おすすめPCまとめ【2024年3月版】 https://pcfreebook.com/article/pc-koubou-reco-gaming-pc-2024-1.html https://pcfreebook.com/article/pc-koubou-reco-gaming-pc-2024-1.html#comments Wed, 10 Jan 2024 06:53:19 +0000 https://pcfreebook.com/?p=31281

最終更新:2024/3/5 大手BTOパソコンショップ「パソコン工房」のおすすめのPCをざっくりとまとめています。ビデオカード搭載のデスクトップPCが対象です。 対象サイト:パソコン工房 この記事の目次 開催中のお得なセ ... ]]>

最終更新:2024/3/5

大手BTOパソコンショップ「パソコン工房」のおすすめのPCをざっくりとまとめています。ビデオカード搭載のデスクトップPCが対象です。

対象サイト:パソコン工房

注意

本記事の内容は記事更新時点(2024年3月5日)のものであり、ご覧になっている際には異なる可能性があるため注意してください。掲載の価格は税込みです。

開催中のお得なセール・キャンペーン

パソコン工房で開催中のセール・キャンペーンで特にお得なものを抜粋して紹介しています。基本的にWEBが対象を掲載しており、店舗では実施していない可能性もあるので注意。

パソコン工房のお得なセール・キャンペーン(2024年3月5日時点)
決算ウルトラ還元祭期間:3/31まで
対象のPC購入時に搭載GPUに応じてポイントが還元されるキャンペーンです。対象のGPUを搭載していても対象外の場合もあるので注意。対象のGPUと還元ポイントは以下の通り。
【デスクトップPC】
NVIDIA RTX A5500:100,000pt
RTX 4090(+Core i9):50,000pt
RTX 4090(+Core i7):30,000pt
RTX 4080 SUPER / RTX 4080 / RX 7800 XT:20,000pt
RTX 4070 SUPER / RTX 4070:10,000pt
RTX 4060 / RTX 3060 / GTX 1650:5,000pt
内蔵GPU(Core i5/i3 ミニタワーモデル、Ryzen 5/3):2,000pt
【ノートPC】
RTX 4090:20,000pt
RTX 4070
:10,000pt
RTX 4050 / 内蔵GPU(Core i5):5,000pt
内蔵GPU(Core i3):2,000pt
WEB開催!決算SALE 第1弾期間:3/12 16:59まで
対象PCを値下げするシンプルなセールです。WEB限定。
RYZEN 決算大特価祭期間:3/19 13:59まで
対象のRyzen搭載PCを値下げするシンプルなセールです。
おすすめコスパパソコン 期間:無し
セールでは無いみたいですが、コスパが良いPCがまとめられています。実際にちゃんとコスパの良い製品を選定して載せているように感じるので、細かく調べるのが苦手な方はここから探すと手間が省けるかもしれません。

ゲーミングPC(LEVEL∞)

ゲーミングモデル「LEVEL∞」シリーズです。2022年に約6年ぶりにPCケースが刷新され、以前よりもエアフローや扱いやすさが向上しました。

LEVEL∞ミドルタワー(R-Class)

LEVEL∞ ミドルタワーゲーミングPC

まずは大きいサイズのミドルタワーモデルの紹介です。「R-Class」と呼ばれ、製品名が「LEVEL R~」となっています。ミドルハイ~ハイエンドくらいの性能でお得な製品が多いです。ケースは2024年1月時点では主に3種類があります。他にも、RGBファンの色やコラボPCにはロゴ入っていたりなど見た目は異なる場合はありますが、形状やその他の仕様は基本3種類のどれかです。

ケースについて簡単な説明を下記の表にまとめています。表の下にもう少しだけ詳しい説明も載せているので、興味がある方はそちらも良ければご覧ください。また、ケースファンについては水冷クーラーモデルや構成によって多少異なる可能性があるので注意です。

画像 タイプ 基本ケースファン その他
標準ケース 12cm上面x2、12cm背面x1 ・内部は見えない
RGB Bulid 12cm上面x2、12cm背面x1 ・ガラスサイドパネル
・RGBファン(調整可能)
・コラボモデルで多く採用
RGB Build(2) 12cm上面x3、12cm背面x1
12cm前面x3、12cm背面x1
・ガラスサイドパネル
・RGBファン(調整可能)
・全モデル水冷クーラー
・コラボモデルで多く採用

LEVEL∞ R-Class 標準ケース(RGB無し)

ケースファン 12cm上面x2、12cm背面x1
価格 ミドルタワーの中で最も安価
外観 サイドパネルは不透明で内部は見えない
(カスタマイズで強化ガラスパネルに変更可能。2024年3月時点で+3800円)
防塵フィルタ 上面・底面・前面に取付られており、全て脱着して掃除可能

LEVEL∞のミドルタワー標準ケースです。RGBライティングには対応していない変わりに、後述のRGBモデルよりも安価な傾向があるため、見た目を気にしない安さ重視なら基本的にこの標準ケースが有力になると思います。

標準ケースファンは12cmのものが3基採用されており、ケースファン構成はミドルタワーのゲーミングPCとして平均的だと思います。

トップと底面の通気口には両方とも防塵フィルターが取り付けられており、簡単に取り外して掃除が可能となっています。前面はサイドのスリットから通気できるようになっており、こちらも内部に防塵フィルターが取り付けられており、フロントパネルを外して掃除が可能です。

画像を見ると密閉されているような印象を受けると思いますが、エアフローは悪くなく、サイズも大きいのでハイエンドなパーツの搭載にも対応できるケースです。

RGBファンがなく、サイドパネルも不透明(カスタマイズで変更は可能)となっているため、見た目がやや地味に感じる方も居るであろう点は注意です。


LEVEL∞ R-Class RGB Bulid

ケースファン 12cm上面x2、12cm背面x1
価格 標準モデル(RGB無し)より少し高価
外観 RGBファン搭載(調整可能)
ガラスサイドパネルで内部が見える
コラボモデルは色やロゴが調整されていたりする
防塵フィルタ 上面・底面・前面に取付られており、全て脱着して掃除可能

LEVEL∞のミドルタワーのRGBライティング対応モデルです。上述の標準モデルと形状およびケースファン構成などは同一となっており、違いは基本的にサイドパネルが透明なガラスになっている点とケースファンがRGBファンになっている点のみです。価格は上述の標準ケースよりも少し高めの傾向があります。

パソコン工房では多数のコラボPCが存在しますが、コラボPCの大半はこのケースが採用されており、コラボに相手に応じてライティングが調整されていたり、ロゴが変わっていたりします。

上述と同じ内容になりますが、標準ケースファンは12cmのものが3基採用されており、ケースファン構成はミドルタワーのゲーミングPCとして平均的だと思います。トップと底面の通気口には両方とも防塵フィルターが取り付けられており、簡単に取り外して掃除が可能となっています。前面はサイドのスリットから通気できるようになっており、こちらも内部に防塵フィルターが取り付けられており、フロントパネルを外して掃除が可能です。

画像を見ると密閉されているような印象を受けると思いますが、エアフローは悪くなく、サイズも大きいのでハイエンドなパーツの搭載にも対応できるケースです。


LEVEL∞ RGB Build(2)

ケースファン 12cm上面x2、12cm背面x1
価格 標準モデル(RGB無し)より少し高価
外観 RGBファン搭載(調整可能)
ガラスサイドパネルで内部が見える
コラボモデルは色やロゴが調整されていたりする
防塵フィルタ 上面・底面・前面に取付られており、全て脱着して掃除可能

LEVEL∞ミドルタワーのRGBモデルです。上記二つとは異なるケースを採用しており、サイドパネルだけでなくフロントパネルも内部が透けて見えるタイプとなっており、前面の3連RGBファンが美しく映えるケースになっています。価格はRGB無しケースよりもやや高価な傾向があります。

標準ケースファンは12cmのものが4基採用されています。上記二つよりも1つ多くなっており、エアフローが重視されていることが伺えます。

トップと底面の通気口には両方とも防塵フィルターが取り付けられており、簡単に脱着して掃除することが可能な点は上述のケースと同じです。ただし、前面は上記の二つとは異なり防塵フィルターは配置されていないため、埃などはやや侵入しやすいかもしれません。ただし、その分吸気効率は向上していることが想定されます。ケースファンも増えている点もあり、エアフローは強化されていると思います。

おすすめ構成

ミドルタワーのゲーミングモデルのおすすめ構成を一部紹介しています。パソコン工房は非常に製品数が多いため、一例という点に注意してください。

おすすめ度:
(3.5)
LEVEL-R779-LC149KF-XL3X
579,800円(税込・送料別)
+5万pt(3/31まで)
Core i9-14900KF(360mm水冷)
GeForce RTX 4090
32GB DDR5-4800
1TB NVMe SSD [PCIe 4.0]
1000W PLATINUM
Z790
商品ページ
「Core i9-14900KF」と「RTX 4090」採用の超高性能ハイエンド構成です。CPUとGPU共に超高性能なハイエンドPCです。
360mm水冷や32GB DDR5メモリ採用、電源の1000Wが若干の物足りなさは感じるもののPLATINUM認証となっており、各パーツ品質も高いハイエンドPCです。

おすすめ度:
(3.5)
LEVEL-R6X7-LCR79Z-XLX
575,800円(税込・送料別)
Ryzen 9 7950X3D(240mm水冷)
GeForce RTX 4090
32GB DDR5-4800
1TB NVMe SSD [PCIe 4.0]
1000W PLATINUM
X670E
商品ページ
「Ryzen 9 7950X3D」と「RTX 4090」採用した、CPUとGPU共に効率も優れた超高性能ハイエンドな構成です。
「Ryzen 9 7950X3D」が第13,14世代のCore i9よりも優れた効率を持っているのが魅力の構成です。Core i9よりも高価なのがネックですが、高負荷時の効率には結構差があるので、重い処理でガンガン使いたい人にはおすすめできる構成です。また、サイドパネルがガラスで内部が見える他、クーラーやファンもライティングに対応しているので、見た目のカッコ良さ重視の人にもおすすめです。
おすすめ度:
(3.5)
LEVEL-R7X7-LCR79Z-XL1X
565,800円(税込・送料別)
Ryzen 9 7950X3D(240mm水冷)
GeForce RTX 4090
32GB DDR5-4800
1TB NVMe SSD [PCIe 4.0]
1000W PLATINUM
Z790
商品ページ
「Ryzen 9 7950X3D」と「RTX 4090」採用の超高性能ハイエンド構成です。CPUとGPU共に超高性能なハイエンドPCです。
「Ryzen 9 7950X3D」が第13,14世代のCore i9よりも優れた効率を持っているのが魅力の構成です。Core i9よりも少し高価なのがネックですが、この製品に関してはむしろちょっと安いくらいの価格設定なのでお得感が強いです。高負荷時の効率には結構差があるので、重い処理でガンガン使いたい人にはおすすめできる構成です。
おすすめ度:
(4.0)
LEVEL-R776-LC149-VLX
402,800円(税込・送料別)
+2万pt(3/31まで)
Core i9-14900(120mm水冷)
GeForce RTX 4080
32GB DDR5-4800
1TB NVMe SSD [PCIe 4.0]
1000W PLATINUM
B760
商品ページ
「Core i9-14900」と「RTX 4080」採用の総合コスパ重視構成です。
CPUにK無しのCore i9を採用して、クーラーも120mm水冷にすることで、一般的なCore i9よりも価格が抑えられています。そのおかげで、Core i9 + RTX 4080にしては安価な40万円という価格を実現しています。
CPU・GPU以外の面は、クーラーが120mm水冷やマザーボードがB760である点は残念ですが、その他は悪くありません。メモリはDDR5を32GB搭載し、電源も1000W PLATINUMです。
また、3月31日までは2万ポイントが貰えるキャンペーンを開催しており、実質38万円台なので非常にお得感があります。
おすすめ度:
(4.0)
LEVEL-R779-LC147KF-VL2X
379,800円(税込・送料別)
+2万pt(3/31まで)
Core i7-14700KF(360mm水冷)
GeForce RTX 4080
32GB DDR5-4800
1TB NVMe SSD [PCIe 4.0]
1000W PLATINUM
Z790
商品ページ
「Core i7-14700KF」と「RTX 4080」採用のハイエンド構成です。
価格面で難があるCore i9やRTX 4090を避けつつも出来るだけ性能を重視した構成です。
その他の仕様はちゃんとハイエンドで、メモリはDDR5を32GB搭載し、電源も1000W PLATINUMで、マザーボードもZ790です。
また、3月31日までは2万ポイントが貰えるキャンペーン中で実質約36万円となります。
おすすめ度:
(4.0)
LEVEL-R779-147F-VL1X
370,800円(税込・送料別)
+2万pt(3/31まで)
Core i7-14700F(空冷)
GeForce RTX 4080
32GB DDR5-4800
1TB NVMe SSD [PCIe 4.0]
1000W PLATINUM
Z790
商品ページ
「Core i7-14700F」と「RTX 4080」採用の少しだけ安さも重視したハイエンドゲーミング構成です。
CPUにK無しのCore i7を採用してクーラーを空冷にすることで、RTX 4080搭載にしては安価な約37万円に価格を抑えた構成です。CPU性能を少しでも高めたい訳ではない人におすすめの構成です。
CPU以外の面は価格なりの仕様で、メモリはDDR5を32GB搭載し、電源も1000W PLATINUMで、マザーボードもZ790と高めの構成です。
また、3月31日までは2万ポイントが貰えるキャンペーン中で、実質35万円台と非常にお得です。
おすすめ度:
(3.75)
LEVEL-R776-147F-VLX
339,700円(税込・送料別)
Core i7-14700F(空冷)
GeForce RTX 4080
16GB DDR5-4400
1TB NVMe SSD [PCIe 4.0]
1000W PLATINUM
B760
商品ページ
「Core i7-14700F」と「RTX 4080」採用で安さを重視したハイエンドPCです。
第14世代のCore i7 + RTX 4080採用で約34万円という安さが魅力です。このレベルのハイエンドなゲーム性能を備えるPCとしては安いです。
ただし、30万円台中盤のPCにしては妥協点が多い点は注意が必要です。CPUクーラーは空冷、メモリ16GB、マザーボードも画像を見る限り安価なB760モデルです。
おすすめ度:
(4.0)
LEVEL-R776-147F-TLX
259,800円(税込・送料別)
+1万pt(3/31まで)
Core i7-14700F(空冷)
GeForce RTX 4070
16GB DDR5-4400
1TB NVMe SSD [PCIe 4.0]
700W BRONZE
B760
商品ページ
「Core i7-14700F」と「RTX 4070」採用のミドルハイでの総合コスパ重視構成です。
メモリが16GBというのが少し残念ですが、キャンペーンポイント込みで約25万円という費用を考えればコスパが良いです。総合コスパに優れて価格も高すぎない手を出し易い構成だと思います。
おすすめ度:
(3.75)
LEVEL-R776-144F-TESXB
196,700円(税込・送料別)
Core i5-14400F(空冷)
Radeon RX 7700 XT
16GB DDR5-4400
1TB NVMe SSD [PCIe 4.0]
700W BRONZE
B760
商品ページ
「Core i5-14400F」と「RX 7700 XT」採用のゲームコスパ特化構成です。
Radeonなので現状は生成AIやレンダリング等ではGeForceに不利なのは注意ですが、20万円以下のPCとしてはゲーム性能・ゲームコスパは良いので、現時点ではゲームや動画編集メインで、他の用途で使う予定は無いという方にはおすすめできる製品です。


LEVELミニタワー(M-Class)

安さ重視でコスパの良いミニタワーモデル

安さ重視でミドルレンジ以下の性能でお得な製品が多いミニタワーモデルです。「M-Class」と呼ばれ、製品名が「LEVEL M~」となっています。ミドルタワーモデルと比べて、安さ重視のパーツ選定が多くなっており、価格も安価な傾向があります。

外観の印象はミドルタワーモデルと同様ですが。やや小型化されています。マザーボードも基本的にMicroATXというやや小型のものが採用されており、拡張性やその他の仕様もやや安さ重視になっています。

標準ケースファンはモデルによって異なりますが、基本は背面1基(12cm)+上面1~2基(12cm)となっています。また、水冷クーラー採用の場合は元モデルに関わらずに12cmファン合計3基(上面2基、背面1基)が基本となっていることが多いようです。

空冷クーラー採用で発熱の多いグラボ(GPU)を使用する場合やエアフローを重視したい場合にはミドルタワーモデルの方がおすすめですが、ミニタワーのケースとしてエアフローも悪い方ではないです。

通気の位置はミドルタワーと同様で、トップと底面は通気できるようになっており、両方とも防塵フィルターが取り付けられており、簡単に脱着して掃除することが可能です。前面はサイドのスリットから通気できるようになっており、こちらも内部に防塵フィルターが取り付けられており、フロントパネルを外して掃除が可能です。

また、以前はミニタワーモデルでは、RGBファン搭載モデルがなかったのですが、2023年12月頃に強化ガラスサイドパネル採用のRGBモデル「LEVELθ(レベル シータ)」が登場しました。

サイズやエアフローなどについてはほぼ従来モデルと同様で、ほぼ見た目のみが異なるモデルとなっています。見た目はかっこいいと思いますし、ホワイトモデルも追加費用無しで選ぶことが出来るので、見た目重視の人にはおすすめです。

画像 タイプ ケースファン その他
標準ケース 12cm上面x2、12cm背面x1
12cm上面x1、12cm背面x1
・内部は見えない
LEVELθ
(レベル シータ)
12cm上面x2、12cm背面x1 ホワイトモデルもある
・ガラスサイドパネル
・RGBファン(調整可能)
・Web限定(2023年12月時点)

LEVEL∞ミニタワー(M-Class)

LEVELΘミニタワー(Web限定)

おすすめ構成

おすすめ構成を一部紹介しています。

おすすめ度:
(4.5)
LEVEL-M1A6-R75F-SAX-WHITE
139,800円(税込・送料別)
Ryzen 5 7500F(空冷)
GeForce RTX 3060 Ti
16GB DDR5-4800
500GB NVMe SSD
650W BRONZE
A620(MicroATX)
商品ページ
「Ryzen 5 7500F」と「RTX 3060 Ti」搭載の安さとコスパ特化構成です。
価格が安く、非常にゲームコスパが良いです。約14万円で長期サポートが見込めるAM5のRyzen採用かつDDR5メモリを搭載している点も良いですし、見た目も価格の割には安っぽさが無くて格好良いと思います。
SSDが標準だと500GBな点などはやや残念ですが、この価格なら妥協できる部分ではあり、必要になれば増設という形でも良いと思います。
おすすめ度:
(4.5)
LEVEL-M17M-144F-SAX-WHITE
144,800円(税込・送料別)
Core i5-14400F(空冷)
GeForce RTX 3060 Ti
16GB DDR5-4800
500GB NVMe SSD
650W BRONZE
B760(MicroATX)
商品ページ
「Core i5-14400F」と「RTX 3060 Ti」搭載の安さとコスパ特化構成です。
価格も安く、非常にゲームコスパが良いです。14万円台でDDR5メモリを搭載している点も良いですし、見た目も価格の割には安っぽさが無くて格好良いと思います。
SSDが標準だと500GBな点などはやや残念ですが、この価格なら妥協できる部分ではあり、必要になれば増設という形でも良いと思います。
おすすめ度:
(4.5)
LEVEL-M1A6-R75F-SLX-WHITE
154,800円(税込・送料別)
Ryzen 5 7500F(空冷)
GeForce RTX 4060 Ti 8GB
16GB DDR5-4800
500GB NVMe SSD
650W BRONZE
A620(MicroATX)
商品ページ
「Ryzen 5 7500F」と「RTX 4060 Ti 8GB」搭載の安さとコスパ特化構成です。
RTX 4060 Ti採用で15万円台という安さで、ゲームコスパが良いのが魅力です。長期サポートが見込めるAM5のRyzen採用かつDDR5メモリを搭載している点も良いですし、見た目も価格の割には安っぽさが無くて格好良いと思います。
SSDが標準だと500GBな点などはやや残念ですが、この価格なら妥協できる部分ではあり、必要になれば増設という形でも良いと思います。
おすすめ度:
(4.5)
LEVEL-M17M-144F-SLX-WHITE
159,800円(税込・送料別)
Core i5-14400F(空冷)
GeForce RTX 4060 Ti 8GB
16GB DDR5-4800
500GB NVMe SSD
650W BRONZE
B760(MicroATX)
商品ページ
「Core i5-13400F」と「RTX 4060 Ti」採用の安さとコスパ重視構成です。DDR5メモリ採用の「RTX 4060 Ti」搭載機としては安価な約16万円という安さが魅力です。見た目も価格の割には安っぽさが無くて格好良いと思います。
SSDが標準だと500GBな点などはやや残念ですが、この価格なら妥協できる部分ではあり、必要になれば増設という形でも良いと思います。
おすすめ度:
(4.5)
LEVEL-M1A6-R75F-TLX-WHITE
184,800円(税込・送料別)
Ryzen 5 7500F(空冷)
GeForce RTX 4070
16GB DDR5-4800
500GB NVMe SSD
650W BRONZE
A620(MicroATX)
商品ページ
「Ryzen 5 7500F」と「RTX 4070」搭載で18万円台という、ゲームコスパ特化構成です。
RTX 4070搭載で18万円台という安さでゲームコスパが良いのが魅力です。Core i5-13400/14400だとボトルネックが若干気になるGPUですが、Ryzen 7000ならその辺りも少し解消されるのも良いです。
長期サポートが見込めるAM5のRyzen採用かつDDR5メモリを搭載している点も良いですし、見た目も価格の割には安っぽさが無くて格好良いと思います。
SSDが標準だと500GBな点などはやや残念ですが、この価格なら妥協できる部分ではあり、必要になれば増設という形でも良いと思います。
CPU性能自体は強くない点は注意ですが、グラフィック面ではややハイエンド寄りの運用も可能ながら18万円台という非常にコスパが良い製品だと思います。
おすすめ度:
(4.5)
LEVEL-M7P5-R57X-TLX
187,800円(税込・送料別)
+1万pt(3/31まで)
Ryzen 7 5700X(空冷)
GeForce RTX 4070
16GB DDR5-3200
500GB NVMe SSD
700W BRONZE
B550(MicroATX)
商品ページ
「Ryzen 7 5700X」と「RTX 4070」搭載で18万円台のゲームコスパ特化構成です。
RTX 4070搭載で18万円台という安さによるゲームコスパが非常に強力で、3月31日までは1万ポイント還元もあるので、更にコスパが強力になっています。
旧世代のRyzen採用で、SSDは500GB、マザーボードもMicroATXなどその他は最低点ではあるものの、ゲームコスパに限れば非常に強力な一台です。
おすすめ度:
(4.25)
LEVEL-M17M-144F-TLX-WHITE
189,800円(税込・送料別)
Core i5-14400F(空冷)
GeForce RTX 4070
16GB DDR5-4800
500GB NVMe SSD
650W BRONZE
B760(MicroATX)
商品ページ
「Core i5-13400F」と「RTX 4070」採用のゲーミングコスパ重視構成です。「RTX 4070」搭載機としては非常に安価な約19万円という価格が魅力です。価格の割には見た目も良いと思います。
ボトルネックが少し気になる構成ではあるものの、それ込みでも下位のGPUよりは大幅に高いゲーム性能なのは間違いないので、ゲームコスパは非常に優れています。
ただしやはり、CPUの「Core i5-13400F」はCore i7以上と比べるとマルチスレッド性能が大幅に低い点は注意です。CPUに高負荷な処理を頻繁にさせたい場合にはCore i7の方がおすすめです。また、SSDも500GB標準な点は少し心許ないです。
しかし、価格の割にはDDR5-4800メモリ採用の点は良く、ゲームメインならCPU性能の低さもそこまで気にならないと思うので、総合コスパは優れていると思います。

クリエイターPC(SENSE∞)

次にクリエイターモデル「SENSE∞」の紹介です。プロ向けのGPU「NVIDIA RTX」シリーズ搭載品を選ぶことが出来るのが特徴ですが、GeForceやRadeon RXといったゲーミング向けGPU搭載品も普通に販売されており、価格設定もゲーミングモデルとほぼ同じなので、ゲーミングモデルとしても特に不自由なく選択可能です。ケースや構成が異なるものが少し存在するモデルといった認識でOKです。そのため、ゲーミングPCを探している場合でも、こちらのクリエイターモデルも併せて探すと好みの製品が見つかり易くなるかもしれません。

ただし、ゲーミングモデルと違い、RGBライティングに対応したモデルが無く、やや落ち着いた見た目のケースとなるので見た目も重視したい人はやや注意です。

また、ゲーミングモデルと同等にミニタワー以下のモデルも存在しますが、正直ゲーム向けとしてはエアフローが微妙なので、今回はミドルタワーモデルのみの紹介です。

SENSE∞ミドルタワー(F-Class)

大型で前面メッシュパネル採用のクリエイターPC

クリエイターPC「SENSE∞」のミドルタワーモデルです。「M-Class」と呼ばれ、製品名が「SENSE F~」となっています。価格設定はゲーミングモデルのRGB無しモデルとほぼ同じなので、ケースの好みや構成の小さな違いなどで選択すると良いです。お得な製品はミドルハイ~ハイエンドと高めの性能のものが多いです。

前面がメッシュパネル仕様になっている点はゲーミングモデルと大きく異なる点です。大きく開いているため通気性は非常に良いです。

前面、上面、底面、の3か所の通気口には全て防塵フィルターが取り付けられており、埃や塵の侵入にも配慮されています。ただし、上面の防塵フィルターはゲーミングモデルのようなマグネット式ではなくネジで固定されているので、気になったときにすぐに簡単に取り外して掃除というのが難しくなっている点は注意です。

CPUクーラーにはほとんどの製品で水冷クーラーが搭載されているのもゲーミングモデルと少し異なります。Core i7~i9の無印モデルなどは12cmファン1基の空冷で採用されることが多いですが、このクリエイターミドルタワーモデルでは120mm水冷採用品もあるのが少し珍しいと思います。

ただし、空冷CPUクーラー採用の場合には多くのモデルが12cmファンが2基(前面x1、背面x1)となるので、エアフローとしては最低限となる点は注意です(一部の高性能CPUモデルでは上面x2、背面x1のものもある)。通気性の良いケースなので大きな問題にはならないとは思いますが、発熱・消費電力の多いグラボ(GPU)を採用する場合にはやや不安があると思います。水冷クーラー採用時には12cmファンが3基(上面x2、背面x1)となるので、及第点だと思います。

あと、こちらは個人の好み次第ですが、ゲーミングモデルと異なりRGBモデルがない(2023年7月時点)点も注意が必要です。一応、前面はメッシュパネルでケースファンが少し透けて見えるので、後にRGBファンに換装すれば少しだけ対応することはできますが、RGBライティングに興味がある方にはやや不適な製品となっていると思います。

SENSE∞ミドルタワー(F-Class)

おすすめ構成

おすすめ構成を一部紹介しています。

おすすめ度:
(3.5)
SENSE-F079-LC149KF-VL1X
429,800円(税込・送料別)
Core i9-14900KF(360mm水冷)
GeForce RTX 4080
32GB DDR5-4800
1TB NVMe SSD [PCIe 4.0]
1000W PLATINUM
Z790
商品ページ
「Core i9-14900KF」と「RTX 4080」採用の高性能ハイエンド構成です。
RTX 4090はさすがに高すぎるので避けるけど、CPU性能はトップクラスを目指したいという場合の構成です。
他パーツの構成はしっかりとしたハイエンド品という感じで、CPUクーラーには360mm水冷を採用し、メモリもDDR5が32GB標準、電源も1000W PLATINUMが採用されています。この構成でこの価格は安い部類でコスパが良いと思います。
おすすめ度:
(3.75)
SENSE-F0X7-LCR79W-VLX
414,800円(税込・送料別)
Ryzen 9 7950X(360mm水冷)
GeForce RTX 4080
32GB DDR5-4800
1TB NVMe SSD [PCIe 4.0]
1000W PLATINUM
X670E
商品ページ
「Ryzen 9 7950X」と「RTX 4080」採用の高性能ハイエンド構成です。
Core i9に匹敵するマルチスレッド性能を備えつつも、価格はやや安いのが魅力です。また、高負荷時の効率はCore i9よりも優れていますし、GPUのRTX 4080も効率が非常に良いので、効率重視の方にもおすすめできる構成です。CPUとGPUから見た価格も安くコスパが良くて効率も良いというお得感の強い一台です。
ただし、ゲーム性能に関しては第13・14世代のCore i7/i9には少し劣る点は注意。
CPUとGPU以外に関してはちゃんとしたハイエンド仕様で、360mm水冷クーラー、32GB DDR5、1000W PLATINUM電源などを備えています。価格の割には安価だと思いますが、その他もしっかりしているのは好印象です。
おすすめ度:
(4.0)
SENSE-F079-LC147KF-VL1X
374,800円(税込・送料別)
Core i7-14700KF(360mm水冷)
GeForce RTX 4080
32GB DDR5-4800
1TB NVMe SSD [PCIe 4.0]
1000W PLATINUM
Z790
商品ページ
「Core i7-14700KF」と「RTX 4080」採用の高性能ハイエンド構成です。
Core i9やRTX 4090レベルのコスパ自体は悪い最上位モデルを避けた構成なので、ハイエンドながら価格は高すぎず、コスパも悪すぎずといった感じの構成です。
この構成でも十分ハイエンドな性能なので、実用上はほとんどの場合はCore i9やRTX 4090と比較して大きな差を感じることはあまりないと思うレベルなので、よほどハイエンドな用途で使う前提でなければおすすめできる構成です。
他パーツの構成はしっかりとしたハイエンド品という感じで、CPUクーラーには360mm水冷を採用し、メモリもDDR5が32GB標準、電源も1000W PLATINUMが採用されています。このパーツ構成で37万円台は、このクラスのPCとしては安価でコスパが良いと思います。
おすすめ度:
(3.5)
SENSE-F076-147F-TLX
254,800円(税込・送料別)
Core i7-14700F(空冷)
GeForce RTX 4070
32GB DDR5-4400
1TB NVMe SSD [PCIe 4.0]
700W BRONZE
B760
商品ページ
「Core i7-14700F」と「RTX 4070」で32GB DDR5メモリを採用しているのが魅力の高コスパ構成です。ただし、帯域は少し低めのDDR5-4400な点に注意。
「14700F」+「32GB DDR5」+「RTX 4070」で25万円台という価格は安めで魅力的ですが、メモリの帯域の面も含め、その他はコスト削減感も目立つ点には注意が必要です。
電源は700W BRONZEとやや少ない他、マザーボードはこの価格にしてはかなり安っぽい見た目のB760品、クーラーは空冷で、ケースファンも12cmファンが2基と最低限です。


記事は以上になります。おすすめPCについては随時更新する予定です。 ]]>
https://pcfreebook.com/article/pc-koubou-reco-gaming-pc-2024-1.html/feed 10
「Meteor Lake」の概要とノートPC向け「Core Ultra」のラインナップ https://pcfreebook.com/article/meteor-lake-change-point-and-laptop-lineup.html https://pcfreebook.com/article/meteor-lake-change-point-and-laptop-lineup.html#respond Sat, 06 Jan 2024 18:24:20 +0000 https://pcfreebook.com/?p=31179

Intelは2023年12月15日、新アーキテクチャ「Meteor Lake」のノートPC向けの「Core Ultra」を正式に発表しました。 「Meteor Lake」は「Core Ultra」などの新ブランド導入や命 ... ]]>

Intelは2023年12月15日、新アーキテクチャ「Meteor Lake」のノートPC向けの「Core Ultra」を正式に発表しました。

「Meteor Lake」は「Core Ultra」などの新ブランド導入や命名規則の変更などを伴いますが、Intelはこの大きな刷新の理由を「Meteor Lake」が技術的にも性能的にも大きな「転換期」だから、といった趣旨の回答をしており、かなり大きな変化のある世代となることを示しています。

本記事では、この「Meteor Lake」の要点と、先日発表されたノートPC向けの「Core Ultra」のラインナップと性能についてざっくりと触れていきます。

Meteor Lake の要点

まずは、新アーキテクチャである「Meteor Lake」の概要です。

前世代からの主な変更点を下記にまとめているので、それぞれ後述していきます。

Meteor Lakeでの主な変更点
  • モノシリック設計からタイル設計へと移行
  • Intel 4(7nm)へのプロセス刷新
  • 低消費電力のLP Eコアの追加による「Pコア / Eコア /LP Eコア」構成
  • LP EコアがSoCタイルに配置されるため、低負荷な処理時やアイドル時の消費電力が削減?
  • NPU搭載でAI性能強化
  • GPUが「Xe-LPG」へと刷新され性能大幅強化(最大で従来の2倍くらいの性能?)
  • P(28W~64W)は廃止されHに統合

モノシリック設計からタイル設計へと移行

「Meteor Lake」では、従来の単一ダイによるモノシリック設計から、複数のタイルから成るタイル設計へと移行します。「コンピュートタイル(CPU)」「グラフィックスタイル(GPU)」「SoCタイル」「I/0タイル」の4つのタイルから構成されています。

いわゆる複数チップから成るチップレット設計と同様のものです。

タイル設計のメリットとしてはまず、タイルごとにコスト調整が出来る点があります。たとえば、CPUやGPUのタイルは高品質なダイにして、I/Oタイルでは少し低コストなダイにするみたいな調整も可能となるので、コスパの向上に期待することが出来ます。

実際、今回発表されたノートPC向け「Meteor Lake」でもタイルごとに異なるダイが採用されており、コンピュートタイル(CPU)には「Intel 4」(7nm)、グラフィックスタイル(GPU)には「TSMC N5」(5nm)、SoCタイルおよびI/Oタイルでは「TSMC N6」(6nm)、ベースタイルではIntel P1227が採用されているとされておいます。

また、タイル一つ一つのサイズは従来のモノシリックダイよりも小さいため、各ダイの不良品率の低下(歩留まりの向上)を期待することができる点もメリットです。この面もコスト面でプラスに働くと考えられます。

懸念点としては、設計の難しさがまずある他、最適化が不十分だと消費電力が多くなる可能性があるなどもあるものの、それらを加味しても実現できればメリットの方が勝るため、各社タイル設計(チップレット設計)へと移行を始めていました。遅れてではありますが、Intelもようやく製品化を遂げた形になります(ただし、AMDはノートPC向けのSoCはまだモノシリックダイ採用)。

Intel 4(7nm)へのプロセス刷新

コンピュートタイル(CPU)の製造プロセスが、前世代までの「Intel 7」(10nm)から「Intel 4」(7nm)へと刷新されました。7nmはAMDやAppleは結構前に到達していた部分なので、こちらもようやくといった感じです。

とはいえ、前世代から見れば大幅な性能や効率向上は期待できると思いますし、7nm以降は他メーカーの向上がやや鈍化していたように見えるのも事実ですから、ここにきて一気に差を縮め、もしかしたら追い付いたり追い抜く可能性もあるかもしれません。

また、名前が「Intel 4」なのに7nmと紛らわしいのが気になるところですが、これには恐らく主に2つの理由があると思われます(Intel 7が10nmだったことも恐らく同様の理由)。

まず一つ目は、TSMCやSamsungの現在の主要最先端プロセスルールが4nm程度であるため、今更「7nmになりました」なんて言うと劣っている感が強く聞こえるため、それを誤魔化そうとしているのではないかと思います。

二つ目は、Intel 4(7nm)の詳細な仕様は公開されてはいないものの、トランジスタ数やゲート長などの他の物理仕様に関しては、TSMCやSamsungの4nmクラスと同等レベルの可能性があるため、実質的な性能では4nmクラスだとしている可能性です。これは、先代のIntel 7(10nm)が当時の他メーカーの7nmクラスと同等のトランジスタ数やゲート長を備えており、10nmよりも7nmに近いスペックと捉えることも可能であったことなどがあるため、可能性としては結構高そうに感じます。

とはいえ、結局のところIntel 7(10nm)が、CPU負荷が大きい処理の場合については、5nm~7nmのRyzenに効率で劣っていました。そのため、少なくともCPUにおける電力消費の割合が多いノートPC向けのSoCでは、CPU部分のプロセス微細化の遅れをその他の面でカバーすることは難しいのかなという印象を個人的には受けます。そのため、いくら他の仕様が従来の7nmよりも良くても、質の良い7nmプロセスとして捉える方が妥当なのかなと思っています。

まぁいずれにせよ、これまでの10nm vs 5nm~7nmといった構図よりは遥かに良い勝負が可能な土台が出来たかなと思うので、Intelの躍進は非常に楽しみです。

LP Eコアの追加で省電力性向上?

Meteor Lakeでは、従来のPコア(高性能コア)とEコア(高効率コア)に加えて、LP Eコア(低消費電力効率コア)が追加されます。初発のラインナップでは全モデル2個のLP Eコアが追加されています。

LP Eコアは低消費電力の効率コアですし、初発ライナップでは全モデル2個だけの追加なので、処理性能向上の面での恩恵は恐らく大したことはありません。ポイントはLP EコアはSoCタイルに配置される点です。

これによって、SoCの2つのLP Eコアのみで処理が追いつく場合、要するに非常に低負荷の処理やアイドル時にはコンピュートタイル(CPU)にアクセスする必要がなくなる可能性があり、そうなると省電力性の向上に大きく貢献する可能性があります。

ただし、ハイパースレッディング(1コア=2スレッド)にも対応しない低性能なコア2つだけで事足りる状況がどれだけ発生するのかは不明瞭であり、実機による多くの検証を見て確認する必要がありそうです。

AI用のNPUを搭載

AI用のNPU「Intel AI Boost」が初発ラインナップでは全モデル2基ずつ搭載されます。現時点では明確なメリットのわからない部分なので何とも言えないですが、AI関連は非常に注目されているため、乗り遅れないのは良いことです。

処理性能面ではプロセスの遅れなどもあって厳しい状況が続いていたIntelですが、いち早くAV1デコード機能をiGPUに採用したりなど、機能・規格に関わる部分では常に最先端をしっかりと取り入れているのは好印象です。現状では多くのソフトがIntel CPUを基準に設計されていることもありますし、この辺りがあるから多少効率や性能で劣ってもいてもIntelのシェアが激減することは無いんだろうなと思います。

GPUがXe-LPGになり、性能が大幅に向上

「Meteor Lake」ではGPUが前世代までの「Xe-LP」から、同社のディスクリートGPU「Arc」(Xe-HPG)のアーキテクチャをベースとした「Xe-LPG」へと刷新されています。

Xe-HPGがそもそもXe-LPベースだったこともあり、アーキテクチャの基本設計は恐らくそこまで変わらないとは思いますが、プロセスは前世代の10nmからTSMC N5(5nm)となったので大幅な効率の向上が期待できる他、EU数も前世代の最高96から128(Xeコア数8)へと増えており、カタログスペックを見るだけでも飛躍的な向上が期待できる感じとなっていました。

本記事の執筆中時点でも、わずかながら実際のベンチマークスコア等が明らかになっていますが、その性能は期待通り大幅に向上しています。「Core Ultra 7 155H」の「Intel Arc 8コア GPU」のゲーム性能は「Ryzen 7840U」の「Radeon 780M」を上回っていました(詳しくは後述)。

「GeForce GTX 1650」にも匹敵するゲーム性能となっており、軽いゲームなら高fpsを実現できますし、重めのゲームでも低fpsなら大体動作自体は可能なレベルまで性能が押し上げられました。

ただし、Core UltraでXeコアが多く搭載されるのは末尾H(7~8)のみです。初発ラインナップでは末尾Uは全て4コアとなっている上にクロックも少し下げられているので、性能は大きく下がる点は留意しておく必要があると思います。とはいえ、それを考慮しても前世代までの内蔵GPUよりは高性能かつ高効率は期待できますし、Ryzenも内蔵GPUで上位の「Radeon 680M」および「Radeon 780M」は10万円を超えるような高級機でしか利用できないのが基本ですから、競争力としては特に負けていることにはならなさそうです。

Pモデルは廃止され、Hモデルに統合

ノートPC向けの方の第12世代~第13世代では、28W~64W(PBP/MTP)の末尾Pモデル(例:Core i7-1360P)がありましたが、これが「Meteor Lake」では廃止されました。

代わりに、末尾Hが従来は「45W~115W」だったのが「28W~64Wもしくは115W」となっており、完全廃止というよりは、Pの役割はHに統合されたという感じになっています。

ラインナップ

先日発表されたノートPC向け「Meteor Lake」の「Core Ultra」のラインナップを見ていきたいと思います。「Core Ultra」のモデルナンバーは5/7/9となっており、3が無い点に注意。

H:高性能モデル(28W~)

まずは、消費電力が高い代わりにコア数が多い高性能モデルのラインナップから見ていきます。こちらはわずかに既に販売が開始されている製品があり、レビュー記事やベンチマークスコアの登録もわずかにあるので、そちらも載せています。

Meteor Lake-H(ノートPC向け)のラインナップ

プロセッサ コア/
スレッド
コア内訳
P / E / LP E
最大周波数
P / E(GHz)
L3
キャッシュ
GPU Xe
コア
GPU周波数
最大(GHz)
PBP~MTP NPU
Core Ultra 9 185H 16/22 6 / 8 / 2 5.1 / 3.8 24MB Intel Arc GPU 8 2.35 45W~115W Intel AI Boost(2x Gen3)
Core Ultra 7 165H 16/22 6 / 8 / 2 5.0 / 3.8 24MB Intel Arc GPU 8 2.3 28W~64/115W Intel AI Boost(2x Gen3)
Core Ultra 7 155H 16/22 6 / 8 / 2 4.8 / 3.8 24MB Intel Arc GPU 8 2.25 28W~64/115W Intel AI Boost(2x Gen3)
Core Ultra 5 135H 14/18 4 / 8 / 2 4.6 / 3.6 18MB Intel Arc GPU 8 2.2 28W~64/115W Intel AI Boost(2x Gen3)
Core Ultra 5 125H 14/18 4 / 8 / 2 4.5 / 3.6 18MB Intel Arc GPU 7 2.2 28W~64/115W Intel AI Boost(2x Gen3)
Cinebench R23 Multi
CPU名称 スコア
Core i9-13900H
18760
Ryzen 9 7940HS
17213
Core i7-13700H
15429
Core Ultra 7 155H
15013
Core i5-13500H
14512
Ryzen 9 6900HS
13621
Ryzen 7 6800H
12941
Core i7-1360P
10688
Ryzen 5 6600H
10472
参考:notebookcheck,cpu-monkey
Cinebench R23 Single
CPU名称 スコア
Core i9-13900H
1974
Ryzen 9 7940HS
1801
Core i7-13700H
1783
Core i7-1360P
1781
Core Ultra 7 155H
1779
Core i5-13500H
1767
Ryzen 9 6900HS
1553
Ryzen 7 6800H
1525
Ryzen 6 6600H
1458
参考:notebookcheck,cpu-monkey
3DMark TimeSpy Graphics
GPU名称(ノートPC向け) スコア
GeForce RTX 4060
10299
GeForce RTX 4050
8536
GeForce RTX 3060
8261
GeForce RTX 3050 Ti
5113
GeForce RTX 3050
4839
GeForce GTX 1650 Ti
3679
GeForce GTX 1650
3453
Intel Arc 8コア GPU
Core Ultra 7 155H等
3318
Radeon 780M
Ryzen 7 7840U等
2754
Radeon 680M
Ryzen 7 6800U等
2400
Iris Xe Graphics G7 96EU
Core i7-1355U 等
1589
Radeon 660M
Ryzen 5 6600U等
1558
Iris Xe Graphics G7 80EU
Core i5-1335U 等
1131
UHD Xe Graphics G4 48EU
Core i3-1115G4 等
723
参考:notebookcheck,3DMark

Pコア・GPUコア数が多い性能重視モデル

Meteor Lake-H」はPBPが28W、MTPが64Wもしくは115Wに設定されている性能重視シリーズです。主にやや高価なノートPC(ゲーミング・クリエイター向けのビデオカード搭載機含む)で搭載されることが想定されます。

前世代の中間モデルであるPの役割も統合されたことで、電力設定にかなり幅があるため、デバイスや設定によって性能が大きく変わる可能性があるのは注意する必要があります。

コア/スレッド数は、Core Ultra 7は「16/22」、Core Ultra 5は「14/18」です。コア構成は、EコアおよびLP Eコアは「8 + 2」で固定で、Pコアは「6 / 4」となっています。

Eコアの構成はUモデル(15W~)と同じ(8E + 2LP E)ですが、PコアはUモデルは2つだけなのに対し、Hモデルでは4~6コアと差があります。Pコアではハイパースレッディングが有効なため、スレッド数では4~8の差ができることになりますので、高負荷時の性能差はHモデルの方が格段に高いはずです。ただし、その差を出すためには追加の電力が必要という点は留意しておく必要があります。

そして、CPUの最大処理性能は前世代のHモデルと同等か若干劣るレベルとなっており、実は向上はしていない点は少し気になるところです。この点に関しては、前世代の時点で他メーカーに劣っている訳ではありませんでしたから、そこを無理に伸ばすよりは、消費電力の多さや電力効率が悪いという評価を払拭するのに回したかった感じでしょうか。ノートPC向けではやはり電力面が非常に重要だと思いますから、この判断は好印象です。詳しい効率面のテスト結果などはこれから出てくると思いますが、そちらの結果に期待したいですね。

次に統合GPUですが、HモデルではXeコアが7~8個搭載されます。EU(実行ユニット)数でいうと112~128となっています。前世代は最高96でしたから、ユニット数が増えている上、プロセスも10nmから5nmへと微細化が格段に進んでいますから、大幅な向上が期待できる仕様となっています。

わずかに出ているCore Ultra 7のゲーム性能テスト(上述)では「Ryzen 7 7840U」の「Radeon 780M」を約20%上回る性能が出ており、モバイル版の「GeForce GTX 1650」に匹敵するほど高性能です。軽いゲームが快適で、重めのゲームは低fpsで動いてくれれば良いということであれば、ビデオカードは必要ないレベルの高性能さです。3~4年前のエントリーゲーミングノートPCレベルのゲーム性能を内蔵しているのは驚きです。

軽量で持ち運びが出来る機種が良いけど、ゲームや動画編集にもある程度対応したいという人にとっては非常に嬉しい性能となっていると思います。最新のRyzenでも似たようなことは可能でしたが、供給が少ないのに携帯ゲーム機の方にシェアを取られている印象だったので、そこがIntelでもカバーされるのは大きな意味を持ちそうです。

弱点としては、消費電力が多いことや、コアが増えるということは価格も高くなることが想定されることが挙げられます。

また、ここでGPUの話に戻りますが、Core Ultra-U(省電力モデル)ではGPUのXeコアは4コアとなっており、Hモデルの7~8コアよりも大幅に削減されている上に、クロックも低くなるため、単純計算ではUモデルの統合GPU性能は半分レベルとなります。そのため、高い統合GPU性能を得るためにはHモデルを選ぶ必要がありますが、それは上述の価格の高さや、消費電力も増えてしまうというデメリットを受け入れる必要があるということになります。競合のRyzen 7000/8000やApple Mシリーズの場合は、省電力モデルでも高性能な統合GPUを搭載しますから、その差がどうなるかというのは懸念点ではあると思います。

とはいえ、その辺りはまだ正確にはわからないです。そのため、暫定の評価になりますが、少なくとも、Ryzenに劣っているのが特にネックだった電力と内蔵グラフィック性能についての差は一気に縮まっていそうな印象です(Ryzen側が「Zen 3+ → Zen 4」での性能向上が小さめだったこともある)。

それを考えると競争力は以前よりも増すと思いますから、これからどんな機種が発売され、どのような仕上がりを見せてくれるのか非常に楽しみです。

U:省電力モデル(15W~57W / 9W~30W)

次に、Hモデルと比べるとコア数が少なめで性能は劣りますが、安価で省電力なUモデルのラインナップを見ていきます。こちらはまだ実際の搭載製品が販売されていないので、カタログスペックのみです。

Meteor Lake-U(ノートPC向け)のラインナップ

プロセッサ コア/
スレッド
コア内訳
P / E / LP E
最大周波数
P / E(GHz)
L3
キャッシュ
GPU Xe
コア
GPU周波数
最大(GHz)
PBP~MTP NPU
Core Ultra 7 165U 12/14 2 / 8 / 2 4.9 / 3.8 12MB Intel Graphics 4 2.0 15W~57W Intel AI Boost(2x Gen3)
Core Ultra 7 155U 12/14 2 / 8 / 2 4.8 / 3.8 12MB Intel Graphics 4 1.95 15W~57W Intel AI Boost(2x Gen3)
Core Ultra 5 135U 12/14 2 / 8 / 2 4.4 / 3.6 12MB Intel Graphics 4 1.9 15W~57W Intel AI Boost(2x Gen3)
Core Ultra 5 125U 12/14 2 / 8 / 2 4.3 / 3.6 12MB Intel Graphics 4 1.85 15W~57W Intel AI Boost(2x Gen3)
Core Ultra 7 164U 12/14 2 / 8 / 2 4.8 / 3.8 12MB Intel Graphics 4 1.8 9W~30W Intel AI Boost(2x Gen3)
Core Ultra 5 134U 12/14 2 / 8 / 2 4.4 / 3.6 12MB Intel Graphics 4 1.75 9W~30W Intel AI Boost(2x Gen3)

コア数が少なめの省電力モデル

Meteor Lake-U」はメインモデルのPBPが15W、MTPが57Wに設定されている省電力性と価格の安さ重視のシリーズです。Pコアが2つしかないため、Hモデルに処理性能は大幅に劣るものの、合計12コアによるマルチスレッド性能はそれなりに高いです。重い処理でも一応使えるレベルです。そのため、汎用PCからモバイル性能特化PCまで、幅広い機種で採用されます。

コア・スレッド数は、Core Ultra 5/7のどちらとも「12/14」となっています。コア構成は初発ラインナップでは全て同じで「2P + 8E + 2LP E」となっています。

Pコアが二つしか含まれていないので、4P~6PコアのHモデルと比べるとマルチスレッド性能は大きく劣る点がまず注意する点です。関連して、Pコアが二つだけだと高性能なビデオカードでゲーム性能を引き出すことも難しいので、ゲーミングノートPCでは基本採用されないモデルです。Thunderboltなどを利用してeGPUでグラボを使用することも可能ですが、その場合にもゲームでは恩恵が小さくなる可能性がある点は一応留意です。

統合GPUのXeコアは4コアとなっており、こちらもHモデルの7~8コアと比べると大幅に削減されています。とはいえ、8コアモデルの性能が前世代の前世代の統合GPU「Iris Xe Graphics(96EU)」の2倍レベルまで向上していたため、4コアでも前世代に匹敵する性能は恐らく出せますし、電力効率面では多少改善されていると思うので、4コアだとしても前世代からはやや向上はしているはずです。

とはいえ、「Meteor Lake」でグラフィック性能が格段に向上したというのはHモデルの話であり、統合GPUで重いゲームにも対応しておきたい場合にはHモデルを選択しないといけない点は忘れないようにしましょう。

このように、恐らく性能面では大きな変化は無さそうなのが「Meteor Lake-U」です。一番の魅力は価格と電力面なので、まだ製品レビューがない状況での評価は正直難しいです。とはいえ、前世代からコアが特別に増えたりすることもなく、プロセス面では大きな進化を遂げているはずなので、電力面ではようやくRyzenと同等以上の勝負が期待できると思います。

軽作業向けのPC、特に薄型軽量ノートや2 in 1タブレット(Surface Pro等)のバッテリー持続時間の飛躍的な改善が見られれば、AMDはもちろん、Apple(iPadやMacBook)への競争力を格段に高めることになると思います。


といった感じで本記事は以上になります。久しぶりにIntelが電力面も含めて大きな向上を見せてくれそうな世代なので、非常に楽しみです。

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https://pcfreebook.com/article/meteor-lake-change-point-and-laptop-lineup.html/feed 0
Intelの「Core」シリーズは「Meteor Lake」から「i」が廃止。新しいブランド名と命名規則に https://pcfreebook.com/article/intel-core-new-branding-and-naming-rules.html https://pcfreebook.com/article/intel-core-new-branding-and-naming-rules.html#respond Thu, 04 Jan 2024 13:34:01 +0000 https://pcfreebook.com/?p=31146

Intelの次世代CPU「Meteor Lake」から、新しいブランド名となり、命名規則が変更となります。実は半年ほど前(2023年6月頃)から判明していたことですが、その時点では不明瞭な部分がああり、触れるのは正式な発 ... ]]>

Intelの次世代CPU「Meteor Lake」から、新しいブランド名となり、命名規則が変更となります。実は半年ほど前(2023年6月頃)から判明していたことですが、その時点では不明瞭な部分がああり、触れるのは正式な発表まで待つことにしていました。

2023年12月15日に「Core Ultra」が正式発表され、ノートPC向けの「Meteor Lake」の初発のラインナップも公開されたことで、大体のことが判ったので触れることにしました。

「Meteor Lake」については本記事では深堀はしませんが、要点だけ箇条書きで載せています(詳しいラインナップと性能については別記事でまとめようと思っています)。

新ブランド名と命名規則の要点まとめ

まずは、「Meteor Lake」から導入される新しいブランドおよび命名規則について、要点をまとめています。

命名規則の変更についてのまとめ
  • 「Core i」は「Core Ultra」「Core」の2つのブランドに
  • とりあえずは「Core Ultra」が最新世代で、「Core」は前世代までのアーキテクチャ採用品になるっぽい?
  • 新しい命名規則(Core Ultra 5/7/9 #xx 、Core 3/5/7 #xx など)
  • 従来は「第〇世代Coreプロセッサ」といった感じのマーティング上の呼称を用いていたが、上述の命名規則に伴い廃止
  • 世代番号はリセットされ、1からになる(例:Core Ultra 155H)
  • この新しいブランド・命名規則はMeteor Lake以降でも継続予定

「i」が廃止され、「Core Ultra」「Core」の2ブランドへ

最も注目のポイントは、Core iの「i」が無くなることです。代わりに「Core Ultra」と「Core」の2つのブランドになります。

たとえば、従来では「Core i7-1355U」と表記されていたものを新しいルールに当てはめると、「Core Ultra 7 1355U」とか「Core 7 1355U」みたいな感じになります。ただし、世代番号はリセットされて1からのスタートとなるので、実際には「Core Ultra 7 155U」といった感じになっています。

また、各ブランドのモデルナンバーは「Core Ultra」は「5 / 7/ 9」で3が無く、「Core」の方は「3 / 5 / 7」で9が無いという感じになっています。

Ultraが最新世代で、Coreのみは前世代までのアーキテクチャっぽい?

「Core Ultra」と「Core」に違いについて、命名規則変更の発表の時点(2023年6月)では明確な分け方が言及されていませんでしたが、先日ノートPC向けの「Meteor Lake」の「Core Ultra」のラインナップが公開されたことで、おおよその考えが判明したと思います(多分未だに分け方を明言はしていないので、あくまで推測ですが)。

初発ラインナップでは、「Core Ultra」に末尾HとUの性能重視・省電力重視モデルの両方が含まれており、Core 3こそ無いものの、主要な消費者向けのモデルがほぼ揃えられていました。そして、Ultra無しのCoreのラインナップ発表が一切無かったことから、恐らくは、

「Core Ultra」は最新世代のアーキテクチャを採用するシリーズで、「Core」は前世代までのアーキテクチャを採用するシリーズとなる可能性が高いのではと考えられます(少なくとも現時点では)。

これは、Ryzenの古いアーキテクチャを最新シリーズの一部として組み込むやり方(例:Ryzen 7 7730U 等)と同様の手法を取ったのかなと思います。これにより、内部的には古い世代のものでも、世代番号やブランドは新しくすることによって旧世代感を紛らわせることが出来ます。また、既存の生産ラインも併用して生産効率を高めたり、余ったり基準の質に満たなかったダイの有効活用先としても期待できるかもしれません。

新しい命名規則と、第〇世代という呼称の廃止

先にも少し触れましたが、新しい命名規則では「Core Ultra 7 155H」みたいな感じになります。

ブランドとモデルナンバーから始まるのは変わらず、その後の世代番号は1からのリセットとなり、それに続き2桁の数字とアルファベットが必要に応じて付与される形です。ノートPC向けでは、末尾Pが廃止され、Hに統合される形になった点もポイントです。

ノートPC向けのCPUだとわかりにくいですが、従来は第13世代なら「Core i7-13700K」のように、Core i7なら7がSKUに取り入れられているモデルもありましたが、これも無くなります。

また、従来では「第〇世代Coreプロセッサ」みたいな呼称が用いられていましたが、この呼び方も廃止されるとのことです。この辺りもまだ正確にはわかっていませんが、発表内容から察するに「Core Ultra 1xx」って言えば世代番号もわかるし、呼称が短くて済むからそっちにしましょうって感じなのでしょうか。

とはいえ、Intelが使ってなくても、呼び方は消費者や各メディアが正式名称ではなく便宜上で決めることも珍しくないですから、「第1世代Core Ultra」みたいな呼び方を当面はされる可能性も感じますね。

また、今回の命名規則などはMeteor Lake以降でも使われる予定とのことです。正直なところ今までの「Core i」の方がIntel製ということが分かり易いですし、響きも字の見た目も好きだった(慣れてるからそう感じるだけかも)と感じるので、個人的には残念に思います。

Meteor Lake の要点

Intelは、上述のような大幅なブランド刷新や命名規則などの変更の理由を、「Meteor Lake」が技術的にも性能的にも大きな「転換期」と考えているから、といった趣旨の発言をしています。

そのため、「Meteor Lake」自体も名前の刷新に無関係ではないので、要点を箇条書きで載せておこうと思います。並べて見ると確かに、タイル設計への移行やプロセス刷新、NPUやLP Eコアの搭載など、大きな変化がたくさんあるため、その変化をより強調して明示したかったのはなんとなくわかる気もします。性能などの詳しいことは別記事で改めて触れようと思っています。

Meteor Lakeでの主な変更点
  • モノシリック設計からタイル設計へと移行
  • CPUがIntel 4(7nm)へのプロセス刷新
  • 低消費電力のLP Eコアの追加による「Pコア / Eコア /LP Eコア」構成
  • LP EコアがSoCタイルに配置されるため、低負荷な処理時やアイドル時の消費電力が削減?
  • AI用のNPU搭載
  • GPUが「Xe-LPG」へと刷新され性能大幅強化(最大でGTX 1650に匹敵する性能?でRyzen 7040搭載のRadeon 780Mを超える)
  • P(28W~64W)は廃止され、役割はHに統合
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https://pcfreebook.com/article/intel-core-new-branding-and-naming-rules.html/feed 0
【2024年】ヨドバシ福袋中身ネタバレ【夢のお年玉箱】 https://pcfreebook.com/article/yodobashi-com-lucky-bag-2024-netabare.html https://pcfreebook.com/article/yodobashi-com-lucky-bag-2024-netabare.html#respond Fri, 29 Dec 2023 09:31:19 +0000 https://pcfreebook.com/?p=30946

凄くお得ということで毎年話題になるヨドバシカメラ福袋『夢のお年玉箱』のヨドバシドットコム限定2024年版(通販版)の中身のネタバレです。※情報が集まり次第随時更新していきたいと思います。 福袋一覧 2024年版のヨドバシ ... ]]>

凄くお得ということで毎年話題になるヨドバシカメラ福袋『夢のお年玉箱』のヨドバシドットコム限定2024年版(通販版)の中身のネタバレです。※情報が集まり次第随時更新していきたいと思います。

注意
  • 掲載価格は特別表記が無ければ記事更新時点(2023年12月末)のおおよその市場価格(主にAmazonや価格.com参考)です。ご覧になっている際には異なる可能性があるため注意してください。
  • リンクは基本Amazonのもので、Amazonにて取り扱いが無いか品薄の場合には、価格.comや他ショップのリンクにしています。
  • 同じ商品でも中身が異なる場合もある他、従来はヨドバシカメラの福袋は店頭でも販売されますが、そちらは通販版とはラインナップや中身が異なる可能性があるため注意してください。
  • 掲載画像と実際の商品のカラーは異なる場合があります。

福袋一覧

2024年版のヨドバシカメラ福袋(通販)のラインナップ一覧です。

2024年ヨドバシ福袋一覧(通販)

全商品の価格は全て税込み・送料無料10%がポイント還元されます。

  • ノートパソコン
    • サーフェスLaptop Goの夢 ¥70,000
    • サーフェスLaptopの夢 ¥90,000
    • 国内ノートパソコン(15.6インチ Corei3 オフィスあり)の夢 ¥70,000
    • 海外ノートパソコン(14インチ Corei7 オフィスなし)の夢 ¥90,000
    • 海外ノートパソコン(14インチ Corei5 オフィスあり)の夢 ¥80,000
    • 海外ノートパソコン(16インチ Ryzen7 オフィスあり)の夢 ¥90,000
  • タブレット類
    • Androidタブレットの夢 ¥13,000
    • iPad(10.2インチ)の夢 ¥40,000
    • SIMフリータブレットの夢 ¥10,000
  • スマホ
    • SIMフリースマホ iPhoneの夢 ¥150,000
    • SIMフリースマホ OPPOの夢 ¥20,000
    • SIMフリースマホ Xiaomiの夢 ¥6,000
    • SIMフリースマホ モトローラgの夢 ¥20,000
    • SIMフリースマホ モトローラedgeの夢 ¥50,000
  • カメラ
    • GoPro11の夢 ¥43,000
    • GoPro10の夢 ¥33,000
    • フィルムカメラバラエティセットの夢 ¥5,000
    • ミラーレス一眼デジタルカメラ(Wズームレンズキット)の夢 ¥100,000
    • 防水コンパクトデジタルカメラの夢 ¥45,000
    • スマホ用プリンターとスマホ用スタビライザーの夢 ¥15,000
    • 高画質レンズ一体型デジタルカメラの夢 ¥70,000
    • スマホ用スタビライザーの夢 ¥10,000
    • 一眼レフデジタルカメラ(レンズキット)の夢 ¥120,000
    • キッズカメラの夢 ¥5,000
  • 家電類
    • エステ・健康家電の夢 ¥10,000
    • キッチン家電バラエティセットの夢 ¥10,000
    • キッチン家電の夢 ¥10,000
    • 掃除機ダブルセット(スティック&ハンディ)の夢 ¥20,000
    • 暖房と布団乾燥機の夢 ¥10,000
    • 加湿空気清浄機の夢 ¥15,000
  • BDレコーダー・モニター類
    • ブルーレイレコーダー (4Kチューナー内蔵) の夢 ¥30,000
    • PCモニター(23.8インチ)の夢 ¥9,000
    • PCモニター(27インチ)の夢 ¥25,000
    • PCモニター (4K・28インチ) の夢 ¥30,000
    • ゲーミングモニターの夢 ¥10,000
    • モバイルプロジェクターの夢 ¥50,000
  • オーディオ類
    • 海外メーカーノイズキャンセルヘッドホンの夢 ¥25,000
    • ブルートゥーススピーカーとノイズキャンセルヘッドホンの夢 ¥30,000
    • ノイズキャンセルフルワイヤレスイヤホンの夢 ¥25,000
    • ワイヤレスイヤホンの夢 ¥8,000
    • 高音質フルワイヤレスイヤホンの夢 ¥15,000
    • サウンドバーの夢 ¥20,000
    • サウンドバーとサラウンドスピーカーの夢 ¥75,000
  • 時計・スマートウォッチ類
    • メンズウォッチとファッションバリューセットの夢 ¥15,000
    • レディースウォッチとファッションバリューセットの夢 ¥15,000
    • スマートウォッチの夢 ¥25,000
    • スマートデバイスの夢 ¥10,000
  • おもちゃ・ゲーム・その他 
    • トミカ・プラレールの夢 ¥5,000
    • ガンプラの夢 ¥20,000
    • ニンテンドースイッチ (有機EL) の夢 ¥45,000
    • コスメの夢 ¥10,000
    • メンズコスメの夢 ¥5,000
    • 無線ルーターの夢 ¥13,000
    • プレイステーション5の夢 ¥70,000

2024年ヨドバシ福袋の中身まとめ

ヨドバシの2024年福袋(Web版)の中身まとめです。内容物の多い一部のものは、X(旧Twitter)から引用したりしています。価格の10%はポイント還元されます。

サーフェスLaptop Goの夢 ¥70,000

参考価格
Surface Laptop Go 2
(Core i5-1135G7/8GB/256GB/Office)
約94,000円
+13%ポイント
Signature M650 Wireless Mouse
(ロジクールのワイヤレスマウス)
約4,150円
ノートンIDアドバイザー 約4,180円

サーフェスLaptopの夢 ¥90,000

参考価格
Surface Laptop 4 13.5
(Core i5-1135G7/8GB/512GB/Office)
約129,800円
MX MASTER 2S Wireless Mouse
(ロジクール ワイヤレスマウス)
約12,000円
(旧モデル品薄)
ノートンIDアドバイザー 約4,180円
ウィルスバスタートータルセキュリティ
スタンダード3年版
約12,800円

国内ノートパソコン(15.6インチ Corei3 オフィスあり)夢 ¥70,000

参考価格
LIFEBOOK AH45/2 ヨドバシカメラ限定
(Core i3-1115G4/8GB/256GB/Office)
約139,800円
+10%ポイント
ロジクールワイヤレスマウス 約円
ノートンIDアドバイザー 約4,180円

海外ノートパソコン(14インチ Corei7 オフィスなし)の夢 ¥90,000

参考価格
Acer Swift Go 14 SFG14-71-F76Y
(Core i7-13700H/16GB/512GB)
約119,800円
+10%ポイント
Signature M650 Wireless Mouse
(ロジクールのワイヤレスマウス)
約4,150円
ノートンIDアドバイザー 約4,180円
ウィルスバスタートータルセキュリティ
スタンダード3年版
約12,800円

海外ノートパソコン(14インチ Corei5 オフィスあり)の夢 ¥90,000

参考価格
Lenovo IdeaPad Slim 370i
(Core i5-1235U/8GB/256GB/Office)
※リンクは類似モデル
約89,870円
MX MASTER 2S Wireless Mouse
(ロジクール ワイヤレスマウス)
約12,000円
(旧モデル品薄)
ノートンIDアドバイザー 約4,180円
ウィルスバスタートータルセキュリティ
スタンダード3年版
約12,800円

海外ノートパソコン(16インチ Ryzen7 オフィスあり)の夢 ¥90,000

参考価格
ASUS Vivobook 16 M1605Y
(Ryzen 7 5825U/16GB/512GB/Office)
約109,800円
+10%ポイント
Signature M650 Wireless Mouse
(ロジクールのワイヤレスマウス)
約4,150円
ノートンIDアドバイザー 約4,180円
ウィルスバスタートータルセキュリティ
スタンダード3年版
約12,800円

Androidタブレットの夢 ¥13,000

参考価格
VANKYO Matrixpad S31X
(MTK6762/3GB/64GB?)
約21,440円
デキタス バリューパック 30日版
(オンライン学習教材)
約1,980円

iPad(10.2インチ)の夢 ¥40,000

参考価格
iPad 第9世代 10.2インチ(64GB,Wi-Fi) 約49,800円
デキタス バリューパック 30日版
(オンライン学習教材)
約1,980円

SIMフリータブレットの夢 ¥10,000

参考価格
ワイヤレスゲート ATab-1[クラウドSIM搭載]
(Snapdragon 662/4GB/64GB)
約34,800円
+10%ポイント
約円

SIMフリースマホ iPhoneの夢 ¥150,000

参考価格
iPhone 14 Pro Max 256GB 約179,800円
モバイルバッテリー(3000mAh) 約3,980円

SIMフリースマホ OPPOの夢 ¥20,000

参考価格
OPPO Reno7 A
(Snapdragon 695 5G/6GB/128GB)
約29,100円
モバイルバッテリー(2500mAh) 約2,500円
USB Type-C ケーブル 0.5m

SIMフリースマホ Xiaomiの夢 ¥6,000

参考価格
Xiaomi Redmi 12C
(Helio G85/3GB/64GB)
約12,200円~
モバイルバッテリー(2500mAh) 約2,500円

SIMフリースマホ モトローラgの夢 ¥20,000

参考価格

moto g52j 5G
(Snapdragon 695 5G/6GB/128GB)
moto g52j 5G II
(Snapdragon 695 5G/8GB/128GB)

約29,500円
モバイルバッテリー(2500mAh) 約2,500円
USB Type-C ケーブル 0.5m

SIMフリースマホ モトローラedgeの夢 ¥50,000

参考価格
motorola edge 40
(Dimensity 8020/8GB/256GB)
約58,900円
モバイルバッテリー(3000mAh) 約3,980円

GoPro11の夢 ¥43,000

参考価格
GoPro HERO11 約48,000円?
ショーティー 約5,000円
マグネティックスイベルクリップ 約3,300円
SDカード(128GB) 約3,500円

GoPro10の夢 ¥33,000

参考価格
GoPro HERO10 約37,000円?
ショーティー 約5,000円
マグネティックスイベルクリップ 約3,300円
SDカード(128GB) 約3,500円

フィルムカメラバラエティセットの夢 ¥5,000

参考価格
約円
約円

ミラーレス一眼デジタルカメラ(Wズームレンズキット)の夢 ¥100,000

参考価格
EOS Kiss M2 ダブルズームキット 約112,000円
SDカード(128GB) 約3,500円
カメラポーチ
クリーニングセット
レンズクリーナー

防水コンパクトデジタルカメラの夢 ¥45,000

参考価格
OLYMPUS Tough TG-5 5万円前後?(旧モデル品薄)
カメラケース(CSCH-107) 約5,000円
SDカード(128GB) 約3,500円

スマホ用プリンターとスマホ用スタビライザーの夢 ¥15,000

参考価格
約円
約円

高画質レンズ一体型デジタルカメラの夢 ¥70,000

参考価格
LUMIX DC-FZ1000M2 約100,000円
SDカード(128GB) 約3,500円
カメラバッグ

スマホ用スタビライザーの夢 ¥10,000

参考価格
DIJ Osmo Mobile SE 約13,860円
モバイルバッテリー
(10,000mAh)
約5,980円
+10%ポイント
レンズクリーナー

一眼レフデジタルカメラ(レンズキット)の夢 ¥120,000

参考価格
Nikon D7500 18-140VR レンズキット 約138,600円
SDカード(128GB) 約3,500円
カメラポーチ
クリーニングセット
レンズクリーナー

キッズカメラの夢 ¥5,000

参考価格
Visionkids HappiCAMU T3 Plus 約12,480円
写ルンです シンプルエース 27枚撮り 約1,800円
SDカード 16GB

エステ・健康家電の夢 ¥10,000

キッチン家電バラエティセットの夢 ¥10,000

キッチン家電の夢 ¥10,000

https://twitter.com/ACG_idolook/status/1740302536601747959

掃除機ダブルセット(スティック&ハンディ)の夢 ¥20,000

参考価格
Shark EVOPOWER SYSTEM CS350JWH 約28,000円?
Shark EVOPOWER W20 約8,680円
単3乾電池
懐中電灯

暖房と布団乾燥機の夢 ¥10,000

加湿空気清浄機の夢 ¥15,000

参考価格
KC-R50-W 約21,800円
懐中電灯
単3乾電池

ブルーレイレコーダー (4Kチューナー内蔵) の夢 ¥30,000

参考価格
SHARP 4B-C10DW3 約52,600円
Victor 1回録画用 BD-R 25GB 5枚
HDMIケーブル(2.0m)

PCモニター(23.8インチ)の夢 ¥9,000

参考価格
LCD-AH241XDB-B 約15,100円
クリーニングクロス

PCモニター(27インチ)の夢 ¥25,000

参考価格
LCD-GCQ271XDB 約42,580円
クリーニングクロス

PCモニター (4K・28インチ) の夢 ¥30,000

参考価格
JAPANNEXT JN-IPS28FLUHDR-HSP 約34,000円

ゲーミングモニターの夢 ¥10,000

参考価格
MSI G2412
(23.8インチ/FHD/170Hz)
約22,570円

モバイルプロジェクターの夢 ¥50,000

参考価格
XGIMI MoGo Pro+ 約49,800円
HDMIケーブル(2.0m)

海外メーカーノイズキャンセルヘッドホンの夢 ¥25,000

参考価格
Bose Noise Cancelling Headphones 700 約36,700円
Anker Soundcore Select 2
(防水スピーカー)
約5,980円

ブルートゥーススピーカーとノイズキャンセルヘッドホンの夢 ¥30,000

参考価格
BOSE SoundLink Mini II 約25,600円
JVCケンウッド KH-KZ1G 約30,800円

ノイズキャンセルフルワイヤレスイヤホンの夢 ¥25,000

参考価格
 
WF-1000XM4 約22,800円
Bose SoundLink Micro 約12,500円
イヤホン用スティッククリーナー

ワイヤレスイヤホンの夢 ¥8,000

参考価格
Jabra Elite 4 約12,600円
イヤホン用スティッククリーナー

高音質フルワイヤレスイヤホンの夢 ¥15,000

参考価格
final ZE8000 約29,800円
イヤホン用スティッククリーナー

サウンドバーの夢 ¥20,000

参考価格
Bose TV Speaker 約32,600円
クリーナー

サウンドバーとサラウンドスピーカーの夢 ¥75,000

参考価格
Sonos beam(Gen 2) 約59,500円
Sonos One SL 約27,100円

メンズウォッチとファッションバリューセットの夢 ¥15,000

レディースウォッチとファッションバリューセットの夢 ¥15,000

スマートウォッチの夢 ¥25,000

参考価格
HUAWEI Watch GT Cyber 約27,300円
HUAWEI Band 7 約5,000円
HUAWEI Watch GT Cyber Case *2

スマートデバイスの夢 ¥10,000

参考価格
Google Nest Hub (第2世代) 約11,000円
Chromecast with Google TV(HD) 約4,000円
SwitchBot ハブ2 約8,980円

トミカ・プラレールの夢 ¥5,000

ガンプラの夢 ¥20,000

ニンテンドースイッチ (有機EL) の夢 ¥45,000

https://twitter.com/jun_s05/status/1740967867758342554

コスメの夢 ¥10,000

メンズコスメの夢 ¥5,000

無線ルーターの夢 ¥13,000

参考価格
TP-Link Archer AXE5400 約12,480円
Tapo C200(Wi-Fiカメラ) 約3,330円

プレイステーション5の夢 ¥70,000

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https://pcfreebook.com/article/yodobashi-com-lucky-bag-2024-netabare.html/feed 0