「Radeon RX 6400」のざっくり性能比較・評価です。TDPが53Wと省電力で補助電源も不要で、ライトユーザーの方には嬉しい仕様となっています。そんな、かなり久しぶりな気がする最新アーキテクチャのローエンドクラスGPUの実力を見ていきたいと思います。
本記事の情報は記事執筆時点(2022年4月27日)のものです。ご覧になっている際には異なる可能性があるため注意してください。
仕様
まずは主要な仕様を表にまとめて載せています。
簡易比較表
※価格は2022年4月27日時点での北米での希望小売価格です。
GPU | シェーダー ユニット数 | メモリタイプ メモリ容量 | メモリ転送速度 メモリ帯域幅 | レイトレ用 ユニット数 | ダイサイズ | 消費電力 (TDP等) | 北米 参考価格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
RTX 3070 | 5888 | GDDR6 8GB | 14Gbps 448GB/s | 46基 | 392㎟ | 220W | 499ドル |
RX 6700 XT | 2560 | GDDR6 12GB | 16Gbps 384GB/s | 40基 | 336㎟ | 230W | 479ドル |
RTX 3060 Ti | 4864 | GDDR6 8GB | 14Gbps 448GB/s | 38基 | 392㎟ | 200W | 399ドル |
RX 6600 XT | 2048 | GDDR6 8GB | 16Gbps 256GB/s | 32基 | 237㎟ | 160W | 379ドル |
RX 6600 | 1792 | GDDR6 8GB | 14Gbps 224GB/s | 28基 | 237㎟ | 132W | 329ドル |
RTX 3060 | 3584 | GDDR6 12GB | 15Gbps 360GB/s | 28基 | 276㎟ | 170W | 329ドル |
RX 6500 XT | 1024 | GDDR6 4GB | 18Gbps 144GB/s | 16基 | 107㎟ | 107W | 199ドル |
RX 6400 | 768 | GDDR6 4GB | 16Gbps 128GB/s | 12基 | 107㎟ | 53W | 149ドル |
RX 6400は、RX 6500 XTと同じNavi 24シリコンをベースとした、6nmプロセス(TSMC)で製造されたGPUです。ストリーミングプロセッサ数は764となっており、RX 6500 XTから25%削減されています。VRAMはGDDR6 4GBですが、バス幅が64bitで速度が16Gbpsで帯域幅は128GB/sと狭いです。当たり前ながらRX 6500 XTよりも低性能なことが確実なので、具体的なテスト結果を見るまでもなく処理性能自体は低いです。実際にはGTX 1650とほぼ同等の性能となっており、軽いゲームは快適に動作できますが、重いゲームは低fpsで動かせる程度のものになります。
処理性能自体は正直微妙ですが、RX 6400の最も注目すべき点はTDPが53Wと省電力で補助電源が不要な点です。これは、PCIeスロットから供給できる最大75W以内に収まっているためです。基本的にグラボ無しのPCの場合は電源容量やコネクタの問題からグラボのみでは増設が厳しいことが多いですが、この仕様ならワンチャングラボのみでの増設も可能なレベルとなっています。1スロットのロープロファイルモデルがあることも大きいです。
上記に加え、価格も米国での希望小売価格が149ドル(日本では発売時約2.5万円~程度)と安価なこともあり、ライト層には魅力的なGPUとなっています。
ただし、性能以外にもいくつか注意点がありますので留意しておいた方が良いです。
- AV1デコード非対応
- VP9、H.264、H.265のエンコード非対応
- レイトレーシングは現状使い物にならない
- PCIe 3.0だと性能が少し低下
AV1のハードウェアデコードに非対応
RX 6500 XTと共通ですが、AV1のハードウェアデコードをサポートしていません。AV1(AOMedia Video 1の略)は映像コーデック(映像の圧縮の方式)の一つで、高い圧縮率かつロイヤルティーフリーな点が評価されており、採用が進んでいる方式です。YouTubeでも採用が増えているらしく、現在最も将来性があると言われています。
このAV1の動画を観る際に、GPU側でデコードに対応していない場合にはCPUで全ての処理をすることになってしまいます。CPUで映像のデコードを行うのは物凄く高負荷な処理となるため、GPUが対応していないのは将来性や汎用性的には良くないです。価格が安いので仕方ない部分ですが、留意しておく必要があります。
VP9、H.264、H.265のハードウェアエンコード非対応
こちらもRX 6500 XTと共通で、VP9、H.264、H.265のハードウェアエンコードをサポートしていません。これらもAV1と同じ映像コーデックの種類で、主にYouTubeなどの大手メディアで動画投稿やライブ配信を行う際に重要となる項目です。
特にH.264は今でもYouTubeやTwitchでは推奨映像コーデックとして明記されており、ほとんどの人がこのコーデックを使用している状況があるため、これに対応していないのは痛いです。
動画投稿やライブ配信をする気がない人にとっては特に気にする必要はありませんが、少しでも興味がある場合には留意しておいた方が良いです。
レイトレーシングは現状使い物にならない
RX 6400はレイトレーシングアクセラレーションユニットを12搭載しており、レイトレーシング支援機能が一応使用可能にはなっていますが、正直現状は使い物にならないレベルな点に注意してください。
後述するゲーミング性能では重いゲームが中心かつ高設定とはいえ1080pでも平均10fps台前半という酷い性能でした。RX 6500 XTもそうでしたが、他の最新GPUよりfps低下が顕著で、アップスケーリング技術と併用したとしても怪しいレベルの性能だと思います。
PCIe 3.0だと性能が少し低下
RX 6400とRX 6500 XTのPCI Express接続ですが、動作はPCIe 4.0 x4となっており、PCIe 3.0時にもx4のままです。
そのため、PCIe 3.0接続時には帯域幅が大きく狭まってしまうため、性能への影響が懸念されます。実際には1080pゲーミングで平均約5%fps低下が見受けられます(参考動画:https://www.youtube.com/watch?v=Zm5D9pQ6dKo&t=8s)。
10%と紹介しているレビュー記事もありましたし、平均5%としてもタイトルによっては10%低下のものもありますし、小さくはない差です。元のfpsが低いこともあり使用感はそんなには変わらないとは思いますが、出来ればPCIe 4.0での接続が良いです。
ゲーミング性能
ゲーミング性能は、言葉の通りゲームをする際のパフォーマンスの性能です。実際にゲームを動作させた際の平均FPS数を見ていきます。今回は25種類のゲームでのデータを基に見ていきます。設定は基本的に最高品質です。使用されたCPUは「Ryzen 7 5800X」、ビデオカードは「MSI RX 6400 Aero ITX 4GB」が使用されています。
また、OSはWindows 10が使用されているため、Windows 11で報告例のあるゲーミングパフォーマンスが低下する問題は発生していません。その他のスペックなどの詳細は、お手数ですが記事上部の参考リンクを参照お願いします。
1080p(1920×1080)
FHD(1920×1080)です。最低限の解像度という感じですが、2022年現在では最も主流な解像度です。ハイエンドGPUを使用していても、特にFPSやTPSでは出来るだけ高いFPS数を維持するためにこの設定にするのが主流だと思います。
GPU名称 | 平均FPS |
---|---|
RTX 3090 Ti | 181.2 |
RX 6900 XT | 173.2 |
RTX 3090 | 171.9 |
RTX 3080 Ti | 170.3 |
RX 6800 XT | 165.4 |
RTX 3080 10GB | 159.3 |
RX 6800 | 148.4 |
RTX 3070 Ti | 140.8 |
RTX 3070 | 135.2 |
RX 6700 XT | 128.0 |
RTX 3060 Ti | 123.0 |
RX 6600 XT | 107.4 |
RX 5700 XT | 102.7 |
RTX 3060 | 96.5 |
RX 6600 | 93.2 |
RTX 2070 | 94.5 |
RTX 2060 6GB | 81.4 |
RTX 3050 | 70.5 |
GTX 1660 Super | 67.5 |
RX 6500 XT | 49.7 |
RX 6400 | 38.3 |
GTX 1650 | 38.2 |
GTX 1650とほぼ同じ性能
1080pではGTX 1650とほぼ同じ性能です。RX 6500 XTと比較すると約23%低くなっていますが、25%のコア削減と消費電力の半減を考慮すると、思ったよりも大分良いパフォーマンスとなっています。
重いゲームが中心かつ最高設定という点はありますが、平均fpsは38.3と低く、性能は低いです。1080pにおいても重めのゲームで100fps超えは基本厳しく、特に重いゲームでは平均60fps未満のものも多いです。
1440p(2560×1440)
WQHD(2560×1440)です。4Kは重すぎるけど、1080pよりはキレイな映像で楽しみたいという場合や、1080pでは少し性能を持て余してしまう場合に利用する解像度です。現在の主流解像度は1080pですが、GPU性能が全体的に大幅に向上してきているため、徐々にこの1440pが主流解像度に切り替わっていく気がします。
GPU名称 | 平均FPS |
---|---|
RTX 3090 Ti | 154.1 |
RTX 3090 | 143.0 |
RTX 3080 Ti | 141.6 |
RX 6900 XT | 141.3 |
RX 6800 XT | 133.7 |
RTX 3080 10GB | 129.4 |
RX 6800 | 119.1 |
RTX 3070 Ti | 112.2 |
RTX 3070 | 106.5 |
RX 6700 XT | 98.8 |
RTX 3060 Ti | 93.9 |
RX 6600 XT | 77.7 |
RX 5700 XT | 75.6 |
RTX 3060 | 71.6 |
RTX 2070 | 70.6 |
RX 6600 | 65.8 |
RTX 2060 6GB | 59.5 |
RTX 3050 | 51.8 |
GTX 1660 Super | 49.0 |
RX 6500 XT | 33.0 |
GTX 1650 | 26.2 |
RX 6400 | 26.0 |
GTX 1650と同等で、1440pは荷が重そうな性能
1440pでもGTX 1650とほぼ同等の性能です。重いゲームが中心かつ最高設定とはいえ平均fpsは26と非常に低く、1080pからは約32%のfps低下が確認できました。1440pはやはり荷が重いです。軽めのタイトルなら60fps以上に到達できるものもありますが、基本的には1080pプレイする方がストレスが無いと思います。
RX 6500 XTと比較すると約21%低くなっており、1080pよりもわずかに差が縮まっています。誤差レベルではあるものの、メモリ速度が若干低下しているため差は広がると思っていたので少し意外でした。
4K(3840×2160)
「超高解像度の代名詞」ともいえる解像度の4K(3840×2160)です。非常に繊細で綺麗な映像になりますが、その負荷の大きさから高いFPSを出す事が難しいためTPSやFPSなどの対人競技ゲームで利用されることはまずないです。処理性能の要求が高いだけでなく、高リフレッシュレートの4Kモニターが非常に高価ということもあり、2022年現在では競技性の高いゲームではあまり利用されません。フレームレートよりもグラフィックのキレイさや臨場感が重要なゲームを中心に需要のある解像度です。
GPU名称 | 平均FPS |
---|---|
RTX 3090 Ti | 104.2 |
RTX 3090 | 93.4 |
RTX 3080 Ti | 91.9 |
RX 6900 XT | 87.6 |
RTX 3080 10GB | 82.8 |
RX 6800 XT | 81.9 |
RX 6800 | 71.2 |
RTX 3070 Ti | 68.5 |
RTX 3070 | 63.6 |
RX 6700 XT | 55.9 |
RTX 3060 Ti | 55.6 |
RX 5700 XT | 43.1 |
RTX 3060 | 41.7 |
RX 6600 XT | 41.2 |
RTX 2070 | 41.1 |
RX 6600 | 34.3 |
RTX 2060 6GB | 32.3 |
RTX 3050 | 29.5 |
GTX 1660 Super | 26.3 |
RX 6500 XT | 15.7 |
GTX 1650 | 14.0 |
RX 6400 | 13.1 |
4KはGTX 1650よりわずかに低い性能
1440pではGTX 1650よりも約6.4ほど低い性能でした。GDDR6のGTX 1650はRX 6400よりはメモリバス帯域幅がやや広いので、そこが影響したのかなという印象です。
とはいえ、正直どちらも4Kでは使えるとは言えないレベルのパフォーマンスです。RX 6400は1440pと比べると約半分の13.1fpsとなっています。たとえ設定を下げたとしても、重いゲームでは良くて30fpsとかそこらのレベルだと思うので厳しいです。価格・性能的に妥協するしかない部分です。
レイトレーシング性能
レイトレーシング利用時のパフォーマンスを見ていきます。今回は7種類のゲームでの幾何性能fpsを見ていきます。
GPU名称 | 平均FPS |
---|---|
RTX 2060 | 46.8 |
RX 6600 | 46.6 |
RTX 3050 | 45.1 |
RX 6500 XT | 15.1 |
RX 6400 | 12.5 |
GPU名称 | 平均FPS |
---|---|
RX 6600 | 32.3 |
RTX 3050 | 32.3 |
RTX 2060 | 30.5 |
RX 6500 XT | 9.3 |
RX 6400 | 7.0 |
GPU名称 | 平均FPS |
---|---|
RX 6600 | 12.6 |
RTX 3050 | 12.5 |
RTX 2060 | 9.7 |
RX 6500 XT | 3.3 |
RX 6400 | 2.8 |
使えるとは言えないレベルの性能
レイトレーシングは使えるとは言えないレベルの低性能さです。表には反映していませんが、パフォーマンスが低すぎてまともに動作することすら出来ないゲームも多いです。
また、価格的に性能が低いのは仕方ないにしても、気になるのはfps低下率です。RX 6600を例にしてみると、1080pで93.2fpsだったのがレイトレーシングを利用すると46.6%と約半分のfpsとなり、fps低下は50%です。それに対し、RX 6400は38.3fpsだったのが12.5fpsまで低下しており、fps低下は約67.4%です。一応はレイトレーシング用のユニットを搭載しているにも関わらず、本当に機能しているのかと思うほどの低下率です。
最近どんどん開発や対応が進んでいるアップスケーリング技術を併用すれば多少は使い物になる可能性もありますが、仮にそれらが機能したとしても快適と言えるパフォーマンスにはならないと思います。
電力関連
消費電力
ゲームプレイ時(高負荷時)の平均消費電力を見ていきます。低い方が良い数値となります。測定に使用されたゲームは「Cyverpunk 2077」で、解像度は「2560×1440」です。
GPU名称 | 消費電力(W) |
---|---|
RTX 3090 Ti | 443W |
RTX 3090 | 355W |
RTX 3080 Ti | 354W |
RTX 3080 10GB | 318W |
RX 6900 XT | 302W |
RTX 3070 Ti | 298W |
RX 6800 XT | 292W |
RTX 2080 Ti | 265W |
RX 6800 | 223W |
RX 6700 XT | 221W |
RTX 3070 | 220W |
RX 5700 XT | 210W |
RTX 3060 Ti | 199W |
RTX 2070 | 192W |
RTX 3060 | 183W |
RTX 2060 6GB | 164W |
RX 6600 XT | 160W |
RTX 3050 | 139W |
GTX 1660 Super | 125W |
RX 6600 | 120W |
RX 6500 XT | 101W |
GTX 1650 | 74W |
RX 6400 | 51W |
51Wと非常に省電力
消費電力は約51Wと省電力です。補助電源不要だとしても75Wギリギリだと多少不安があると思いますが、結構余裕があるのが嬉しいです。性能がほぼ同等のGTX 1650よりも約31%も少ない電力で稼働することができ、ここはさすがの6nmの最新GPUという感じです。
ワットパフォーマンス
ゲームプレイ時のワットあたりのパフォーマンス(fps数)を見ていきます。前述の1440pゲーミング時の平均fpsとゲーミング時の消費電力を用いて、1Wあたりのfpsを算出して電力効率としています。消費電力は単一のゲームで測定したものに対し、fpsは複数ゲーム平均なので、厳密には正確な電力効率とは言えない点には注意ですが、各GPUの相対的な差を調べる分には概ね適切な値の範囲になっていると思います。
GPU名称 | 1Wあたりのfps |
---|---|
RX 6600 | 0.548 |
RX 6800 | 0.534 |
RX 6400 | 0.510 |
RX 6600 XT | 0.486 |
RTX 3070 | 0.484 |
RTX 3060 Ti | 0.472 |
RX 6900 XT | 0.468 |
RX 6800 XT | 0.458 |
RX 6700 XT | 0.447 |
RTX 3080 10GB | 0.407 |
RTX 3090 | 0.403 |
RTX 3080 Ti | 0.400 |
GTX 1660 Super | 0.392 |
RTX 3060 | 0.391 |
RTX 3070 Ti | 0.377 |
RTX 3050 | 0.373 |
RTX 2070 | 0.368 |
RTX 2060 6GB | 0.363 |
RX 5700 XT | 0.360 |
GTX 1650 | 0.354 |
RTX 3090 Ti | 0.348 |
RX 6500 XT | 0.327 |
非常に優れた電力効率
電力効率は非常に優れています。同等の性能だったGTX 1650よりも約44%も優れた数値を示しており、圧倒的な差があります。
他の主要GPUと比較してもかなり優れており、対RTXシリーズでは負けているGPUが無いレベルです。性能が低いため電力効率重視でも一番に勧められるGPUにはならないですが、ゲーム限定ならGTX 1650よりは明らかに良いです。ただし、やはりコーデック面での対応が微妙なので、総合的には評価が難しいかもしれません。
まとめ
Radeon RX 6400
- 安価(発売時:約2.5万円~)
- TDPは53Wと省電力で、補助電源不要
- 電力効率が非常に良い
- 1スロットのロープロファイルモデルあり
- 性能は低い(GTX 1650と同等程度)
- AV1デコード非対応
- VP9、H.264、H.265エンコード非対応
- レイトレーシング性能は非常に低い
- PCIe 3.0だと性能が少し低下
ライトゲーマー専用の導入しやすい安価GPU
RX 6400の性能はGTX 1650と同等と低いので、ライトゲーマー向けのGPUになります。重いゲームを高fpsで安定してプレイすることや、1080pを超える高解像度はやや厳しいです。
ただし、価格は発売時で約2.5万円と安価なのは嬉しいですし、TDPは53Wと省電力で補助電源も必要ないので、非常に導入しやすいGPUになっています。1スロットのロープロファイルもありますし、電源容量に少し余裕があればグラボのみを単純に増設可能な可能性もあるレベルのお手軽単体GPUとなっています。
ただし、映像コーデック対応が厳しく汎用性は低い
上述の導入のしやすさはライト層にとっては非常に魅力的だと思いますが、注意点があります。特に大きいのは映像コーデックへの対応です。
AV1のハードウェアデコード、VP9、H.264、H.265のハードウェアエンコードにそれぞれ対応していません。
上でも触れましたが、まずAV1(AOMedia Video 1の略)は高い圧縮率かつロイヤルティーフリーな映像コーデックで、YouTubeでも採用が増加している、現在最も将来性があると言われている映像コーデックです。これのデコードに対応していないと、AV1の動画を観る際にはCPU負荷が大きくなってしまいます。現状ネット上で動画を一切観ないという人はほとんど居ないと思うので、出来れば対応していて欲しい部分です。
エンコード面でも、特にH.264は今でも主流なコーデックとなっているため、これをハードウェアエンコードで利用できないのは厳しいです。デコードと違い、自分が動画投稿やライブ配信を行わないのであれば基本的に気にする必要がない部分なのは幸いですが、後にしたくなる可能性は否定できないでしょうし、やはり出来れば対応していて欲しいです。
今では動画や配信は生活の一部として染み付いている人も多いと思いますので、そこで不利な部分が複数あるのは汎用性的にはかなりマイナスかなと思います。
PCIe 3.0では性能が少し低下する点にも注意
RX 6400はPCIeの動作レーンが4のため、PCIe 3.0だと少し性能が低下します。ゲームタイトルやその他の環境にもよると思いますが、自分が確認した限りでは平均で約5%程度の低下が見られました。
RX 6400は、特に現在グラボを搭載していないPCを利用している人や古い低性能グラボを搭載している人が特に魅力的に感じるGPUだと思われ、PCIe 3.0での動作を前提とする人も多いと思うのでここは残念です。
元々の性能が低いこともあり、実際のfps的には数fps~6fps程度の低下だと思うので、使用感に大きく関わるほどではないのかなとも思いますが、一応留意しておくべき部分だと思います。
といった感じで、本記事は以上になります。ご覧いただきありがとうございました。
RX6400の様々な情報をまとめて下さり、ありがとうございます。主様の文章がとても分かり易くて感謝しております。
様々な制限がある代わりにワットパフォーマンスを高めてきたGPUだと言うことですね。PCIeがx8やx16でないところが悔やまれますが、今後消費電力を75wまでに高めたOCモデルが各メーカーから発売される事を期待します。