今選ぶCPUランキング【コスパ重視・2023年6月最新版】

今(2023年6月時点)おすすめのCPUをランキング形式で紹介しています。デスクトップ向けです。基本的にはコスパ重視で選定しています。以前は総合部門とゲーム部門で分けて紹介していましたが、統合しました。

注意

本記事の内容は記事更新時点のものであり、ご覧になっている際には異なる可能性があるため注意してください。

記事内の価格は主に価格.comやAmazonなどを参考にした大体の市場最安値価格です。


 今選ぶCPUランキング

簡易比較表

本記事でランキング入りしているCPUをまとめた簡易比較表です。CPU名を押すと記事内の紹介部へ移動します。

CPU 参考価格 マルチ
スレッド
ゲーミング
消費電力
発熱
価格
マルチ
スレッド
シングル
スレッド
コア スレッド
TDP
PL1/PBP
TDP
PL2
内蔵
GPU
Core i5-13400(F)
10コア16スレッド
28,780円~
3.5
4.25
3.25
4.0
15890 1749
10
(6P+4E)
16 65W 154W
F:148W
無印:UHD 730
F:無し
Core i7-13700K(F)
16コア24スレッド
56,780円~
4.5
4.75
2.0
2.5
31062 2126
16
(8P+8E)
24 125W 253W
K:UHD 770
KF:無し
Core i7-13700(F)
16コア24スレッド
51,980円~
4.25
4.75
2.5
2.5
24770 2106
16
(8P+8E)
24 65W 219W
無印:UHD 770
F:無し
Core i5-13500
14コア20スレッド
35,980円~
4.0
4.5
3.25
3.75
21135 1880
14
(6P+8E)
20 65W 154W
UHD 770
Core i5-13600K(F)
14コア20スレッド
42,270円~
4.25
4.75
3.0
3.0
24525 2026
14
(6P+8E)
20 125W 181W
K:UHD 770
KF:無し
Core i9-13900K(F)
24コア32スレッド
79,680円~
5.0
4.75
1.5
1.5
39556 2271
24
(8P+16E)
32 125W 253W
K:UHD 770
KF:無し
Ryzen 9 7950X3D
16コア32スレッド
107,800円~
4.75
4.75
3.25
1.0
35769 2043 16 32 120W 162W
Radeon Graphics
RDNA 2(2CU)
Ryzen 9 7900
12コア24スレッド
65,920円~
4.25
4.5
4.75
2.0
25062 1964
12
24 65W 88W
Radeon Graphics
RDNA 2(2CU)

  • PコアとEコア:Intelの一部のCPUではPコアとEコアという2種類のコアが混在しています。Pコアが高性能コアを表し、Eコアは高効率コアを表します。基本的にPコアがメインのコアで、EコアはPコアよりも低性能な代わりに低消費電力で省スペース性に特化したコアとなっています。
  • マルチ性能:CPUの全コアを用いた処理性能。主に高負荷な処理や複数ソフト起動時のパフォーマンスなどに関わる性能です。マルチスレッド性能やマルチコア性能などとも呼びます。表の数値はCinebench R23 におけるマルチスレッド性能スコアです。
  • シングル性能:CPUの1コアでの処理性能です。高いと低負荷な処理におけるレスポンスが良くなる他、マルチスレッド処理でも有利なので、基本的にどの処理でも有効に働きます。表の数値はCinebench R20 におけるシングルスレッド性能スコアです。
  • TDP:CPUのおおまかな消費電力や発熱を表す指標です。表ではTDP PL2がおおよその最大消費電力となります。低い方の数値は、PL1もしくはPBPの低い方を参照しています。
  • コスパ:(マルチスレッド性能スコア / 価格)の値。
  • 電力効率:(マルチスレッド性能スコア / TDP)の値。

CPUランキング

CPUの「性能・価格・実用性・消費電力」などを総合的に評価してランキングしています。筆者の主観なので参考程度にご覧ください。
※ゲーミング性能の評価は、高性能なグラフィックボードと併用した場合の評価です。内蔵GPU性能の評価ではないので注意。


1位

Core i5-13400(F)

ざっくり評価
コスパ
(4.5)
マルチスレッド
(3.5)
シングルスレッド
(4.0)
ゲーミング
(4.0)
発熱・消費電力
(3.5)

スペック表
CPU名称 Core i5-13400(F)
PassMarkスコア 約26,300
動作クロック Pコア:2.5GHz-4.6GHz
Eコア:1.8GHz-3.3GHz
コア/スレッド
10/16
(6P+4E)
TDP 65W – 148/154W(F/無印)
内蔵GPU Intel UHD Graphics 730
※末尾Fは無し
価格 K:約32,640円
KF:約28,780円
※2023年6月1日時点
購入ページ
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10コアで約3万円、低価格PCで定番の格安高コスパCPU

第13世代Core i5のK無しの下位モデルです。3万円台前半からという安価さながら、コア数は合計10コア(6P+4E)となっておりコスパが良いです。安さ&コスパ特化のPCにおいて非常に強力なCPUです。低消費電力&低発熱で非常に扱いやすいのも良いです。

第13世代にラインナップされていますが、実は前世代「Alder Lake」のコア仕様を引き継いでいるため、ハイエンドGPU使用時には他の最新世代CPUよりはゲーム性能が劣るのが弱点としては挙げられるものの、この価格帯のCPUでは10万円超えのハイエンドGPUと組み合わせられることはほぼ無いため実質問題にはならなかったりします。むしろ、恐らくその仕様のおかげで安さが実現しているので、実はプラスなのかもしれません。

先代からの性能向上(Eコア追加)と引き換えに、価格も少し高くなった点は残念ですが、十分競争力のある価格で、非常に優秀な電力面とコスパを発揮する格安超高コスパCPUです。


2位

Core i7-13700K(F)

ざっくり評価
コスパ
(4.0)
マルチスレッド
(4.5)
シングルスレッド
(4.5)
ゲーミング
(5.0)
発熱・消費電力
(1.5)

スペック表
CPU名称 Core i7-13700K(F)
PassMarkスコア 約 47,000
動作クロック Pコア:3.4GHz-5.4GHz
Eコア:2.5GHz-4.2GHz
コア/スレッド
16コア/ 24スレッド
(8P+8E)
TDP 125W – 253W
内蔵GPU Intel UHD Graphics 770
※末尾Fは無し
価格 K:約57,960円
KF:約56,780円
※2023年6月1日時点
購入ページ
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16コアで前世代のCore i9レベルの超高性能CPU

第13世代のCore i7のK付きモデルです。16コア(8P+8E)による非常に高いマルチスレッド性能を持っており、ゲームでも高い性能を発揮します。

最上位クラスの最新Core i9やRyzen 9が10万円クラスと頭一つ抜けて高価なため、それよりも3~4万円も安い7万前後で買えるハイエンドCPUとして競争力があります。価格は従来のCore i7よりは格段に高くなってしまったものの、前世代のCore i9よりも若干優れた性能を発揮しつつわずかに安いので、コスパは優れています。

ただし、Eコア追加による性能向上に伴い、消費電力も前世代のCore i7よりも大幅に増えてしまった点は要注意です。最大ターボ電力は253Wとなっており、前世代のCore i9並みです。前世代では高負荷でも空冷運用が十分可能なレベルでしたが、第13世代では高負荷運用なら水冷が推奨レベルになってしまっています。

とはいえ、効率面でも前世代から若干向上しているので、高性能なクーラーを用意できない場合には、電力設定値を少し下げて安心度重視の運用というのも全然ありかと思います。


3位

Core i7-13700(F)

ざっくり評価
コスパ
(4.5)
マルチスレッド
(4.5)
シングルスレッド
(4.5)
ゲーミング
(5.0)
発熱・消費電力
(2.0)

スペック表
CPU名称 Core i7-13700(F)
PassMarkスコア 約42,700
動作クロック Pコア:2.1GHz-5.2GHz
Eコア:1.5GHz-4.1GHz
コア/スレッド
16コア/ 24スレッド
(8P+8E)
TDP 65W – 219W
内蔵GPU Intel UHD Graphics 770
※末尾Fは無し
価格 無印:約55,500円
F:約51,980円
※2023年6月1日時点
購入ページ
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5万円台中盤で16コアの高コスパCPU。
電力制限を調整すればK付きとも大差ない性能

第13世代のCore i7のK無しモデルです。16コア(8P+8E)による非常に高いマルチスレッド性能を持っており、ゲームでも高い性能を発揮します。

前世代のCore i9と同じコア構成の16コアながら価格は5万円台中盤とやや安くなっておりコスパが非常に良いです。高性能高コスパCPUとして非常に強力な無難な選択肢です。

標準設定だとベース電力およびTDP PL1が65Wと低くなっているため性能に制限があるため、K付きと性能差が大きめになっていますが、設定で電力制限を緩和(PL1=PL2)させることでK付きと大差ない性能まで性能を引き上げることが出来るため、高性能なクーラーを導入できる場合には設定しておくのがおすすめです。評価もその設定をした場合のものを基準としています。

ただし、K無しとはいえ、最大ターボ電力は219Wとなっており、最大消費電力は非常に多い点は注意です。標準設定で使うにしても低性能なクーラーでは制限が掛かってしまう可能性が高いため、安定性・性能の最大化を求めるなら高性能なクーラーが必要となります。空冷でも高性能なものなら大丈夫と思いますが、水冷でもやりすぎでないくらいです。特に、上述の電力制限の緩和設定を行う際には高性能なクーラーを導入しないと、逆にシステムが不安定になったり可能性がある点には要注意です。


4位

Core i5-13500

ざっくり評価
コスパ
(5.0)
マルチスレッド
(4.0)
シングルスレッド
(4.0)
ゲーミング
(4.5)
発熱・消費電力
(3.5)

スペック表
CPU名称 Core i5-13500
PassMarkスコア
約 32,500
動作クロック Pコア:2.5GHz-4.8GHz
Eコア:1.8GHz-3.5GHz
コア/スレッド
14コア/20スレッド
(6P+8E)
TDP 65W – 154W
内蔵GPU Intel UHD Graphics 770
価格 無印:約35,980円
※2023年6月1日時点
購入ページ

14コアで3万円台の超高コスパCPUだけど、ほぼ自作専用

14コアながら3万円台という価格でコア単価が非常に安く、マルチスレッド性能コスパが非常に良いCore i5です。第13世代Core i5の中位モデル。

低消費電力動作と小型化に特化したEコアを8個含むものの、6P+8Eの14コアで3万円台中盤という安さのCPUです(2023年4月時点)。近いコア仕様のCPUと比較すると、16コア(8P+8E)「Core i7-13700F」が5万円台ですから、14コアで3万円台というのは破格です。当然マルチスレッド性能コスパも非常に優れており、比較的安価な価格で前世代のCore i7に匹敵する性能を持つ超高コスパCPUとなっています。

TDPの最大値も性能の割には低めな154Wとなっているため、高負荷時にも空冷で対応できるレベルで扱いやすく、予算も気にする場合の高コスパCPUとしては非常に優れた選択肢となっています。

ただし、このCore i5の500番台というのは従来ほぼ自作専用に近い立ち位置のCPUとなっており、BTOや既製品PCで標準採用となることは皆無な上、カスタマイズでも選べないことが多いです。そのため、CPU自体のコスパ評価は1位を十分取れるレベルですが、ほとんどの人にとって可用性が非常に低い点を考慮してやや低めの評価にしています。

また、コスパは間違いなく良いですが、K無しモデルのためオーバークロックは出来ない上に、電力制限も強めなので、性能の伸びしろは小さくなっています。上位のK付きCPUなら単純に性能が上な事に加え、クーラーやマザーボードに高性能なものを用意すれば性能の底上げが期待出来る点を考慮すれば、高性能PCを求めるユーザーにとってはあまり魅力的でない仕様とも言えるため、これ一択というレベルのCPUでもない点も一応評価を下げる要素の一つです(強いて挙げるならですが)。

とはいえ、自作用のコスパ特化のCPUとしては現状真っ先におすすめできる、超高コスパCPUです。


5位

Core i5-13600K(F)

ざっくり評価
コスパ
(4.5)
マルチスレッド
(4.0)
シングルスレッド
(4.5)
ゲーミング
(5.0)
発熱・消費電力
(3.0)

スペック表
CPU名称 Core i5-13600K(F)
PassMarkスコア 約 38,000
動作クロック Pコア:3.5GHz-5.1GHz
Eコア:2.6GHz-3.9GHz
コア/スレッド
14コア/20スレッド
(6P+8E)
TDP 125W – 181W
内蔵GPU Intel UHD Graphics 770
※末尾Fは無し
価格 K:約45,800円
KF:約42,270円
※2023年6月1日時点
購入ページ
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14コアで前世代のCore i7以上の性能で4万円台

第13世代のCore i5のK付きモデルです。4万円台後半という価格で14コア(6P+8E)を搭載し、各方面で前世代のCore i7より少し良い性能を発揮するコスパが魅力です。Core i5という冠は無視した方が良い高性能CPUです。

第13世代ではCore i7が従来のCore i9に近い価格と消費電力・発熱になってしまったため、従来のCore i7機のような価格やコスパを望むならこの「Core i5-13600K」が最適な選択肢となります。性能自体は前世代のCore i7以上で、価格は同等なのでコスパは良いです。

ただし、前世代からの性能の向上に伴い消費電力も上昇している点は注意です(最大181W)。幸い水冷推奨というレベルまでは至っていないですが、高負荷運用で空冷なら高性能なものが必要となる点は注意が必要です。


6位

Core i9-13900K(F)

ざっくり評価
コスパ
(3.0)
マルチスレッド
(5.0)
シングルスレッド
(5.0)
ゲーミング
(5.0)
発熱・消費電力
(1.0)

スペック表
CPU名称 Core i9-13900K(F)
PassMarkスコア
約 60,000
動作クロック Pコア:3.0GHz-5.8GHz
Eコア:2.2GHz-4.3GHz
コア/スレッド
24コア/32スレッド
(8P+16E)
TDP 125W – 253W
内蔵GPU Intel UHD Graphics 770
※末尾Fは無し
価格 K:約81,580円
KF:約79,680円
※2023年6月1日時点
購入ページ
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どの方面でもトップクラス性能のハイエンドCPU
だけど消費電力と発熱も凄まじい

第13世代のCore i9のK付きモデルです。Eコアを16個も搭載し、合計24コア(8P+16E)による驚異的なマルチスレッド性能を実現した超ハイエンドCPUです。

コア数だけでなく最大クロックも従来よりも引き上げられており、シングルスレッド性能およびゲーミング性能でもトップの性能です(発売時点)。どの方面から見てもトップクラスの性能を発揮する最強の名にふさわしい性能を持つCPUです。

しかし、その高性能さと引き換えに消費電力および発熱がめちゃくちゃ多い点は要注意です。前世代でも物凄く多い消費電力と発熱が問題視されていましたが、それが更に悪化しており、電源とクーラーは高性能なものが必須となっています。

また、価格も非常に高価で、発売時よりは少し値下がりしたもののおおよそ9万円台という高価さです。

そのあらゆる面でトップの性能は非常に魅力的ですが、電力面での扱いにくさとマルチスレッド効率は「Ryzen 9 7950X / 7900X」にやや劣る点は気になるところです。


7位

Ryzen 9 7950X3D

ざっくり評価
コスパ
(2.5)
マルチスレッド
(5.0)
シングルスレッド
(4.5)
ゲーミング
(5.0)
発熱・消費電力
(3.5)

スペック表
CPU名称 Ryzen 9 7950X
PassMarkスコア
約 63,900
動作クロック 4.2GHz-5.7GHz
コア/スレッド
16/32
TDP 120W – 162W
内蔵GPU Radeon Graphics
(RDNA 2 / 2CU)
価格 約107,800円
※2023年6月1日時点
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Core i9-13900Kに匹敵するゲーミング性能と驚異的な電力効率が魅力
ただし、価格が10万円超えで高すぎる

「Ryzen 9 7950X」を基に一つのCCDに「3D V-Cache」を搭載したことにより、L3キャシュ合計が驚異の128MBとなり、ゲーミング性能が大幅に強化された「Ryzen 9 7950X3D」です。

ハイエンドGPU使用時には元々Coreに少し劣っていたゲーミング性能が「Core i9-13900K」に匹敵するレベルにまで押し上げられており、弱点を克服しています。また、TDPの標準は120W~162Wと少しマイルドになっており、このクラスのハイエンドCPUの割には消費電力が少なく、電力効率が驚異的に優れている点も非常に魅力的です。

「3D V-Cache」により電力やクロックがやや制限を受けるため、最終的なマルチスレッド性能だけ見れば元の7950Xや「Core i9-13900K」に若干劣るものの、実用性に差が出るほどではなく、どの性能もトップクラスながら電力効率も非常に優れており、総合的な性能ではトップのゲーミングCPUと評しても良いレベルの優秀なCPUに仕上がっています。

しかし、発売時の価格は111,800円とめちゃくちゃ高価になっている点がネックです。効率の良さが魅力ではあるものの、それは他のRyzen 9でも電力制限を強めれば同レベルの水準に到達させることが実は可能なので、効率だけを求めるなら「Ryzen 9 7950X」や「Ryzen 9 7900(X)」で良いですし、単純な性能コスパだけで言えば「Core i9-13900K」に劣ります。

そのため、CPU単体では2023年3月時点ではトップレベルの優秀さですが、数万円の予算追加も気にしない予算が潤沢な人に限られると思います。


8位

Ryzen 9 7900

ざっくり評価
コスパ
(3.5)
マルチスレッド
(4.5)
シングルスレッド
(4.5)
ゲーミング
(5.0)
発熱・消費電力
(4.5)

スペック表
CPU名称 Ryzen 9 7900
PassMarkスコア 約48,100
動作クロック 3.7GHz-5.4GHz
コア/スレッド
12/24
TDP 65W – 88W
内蔵GPU Radeon Graphics
(RDNA 2 / 2CU)
価格 約65,920円
※2023年6月1日時点
購入ページ

12コアの高性能CPUながら、最大88Wの省電力さとズバ抜けた電力効率
電力設定調整で7900X並みの性能にもできる

Ryzen 7000シリーズのRyzen 9の省電力の12コアモデル「Ryzen 9 7900」です。

このCPUの最大の魅力はやはり圧倒的な省電力性と電力効率です。標準ではMTPが88Wとなっており、12コアとは思えない省電力さとなっています。それでいて性能は普通にハイエンドレベルなため、電力効率が物凄く優れています。

88Wという省電力で発熱が少ないため、クーラーはファン1基の空冷でも十分なレベルとなっており、他の高性能CPUよりも節約することが可能です。電源容量も少し少ないものが選択できるため、他の部分での費用が節約できるため、実質コスパはぱっと見よりも優れています。

性能では、単純なコア数では第13世代Core i7(16コア)に負けますが、全てのコアがIntelのCoreシリーズでいうPコア(高性能コア)の12コアとなっているため、実際のマルチスレッド性能は少し劣る程度に収まっています。実用性としては大して変わらないと思います。

総合的に見ると非常に優秀なCPUですが、問題は本体価格です。発売時で約7万円となっており、性能からすると高価なのは否めません。特に、性能的に競合となる第13世代のCore i7は5.5万円~なので(2023年1月時点)、1万円~1.5万円も高価です。処理性能のみのコスパでは明らかに劣っています。

とにかく高い性能を求めるなら16コアの「Ryzen 9  7950X」か第13世代のCore i9の方が魅力的ですし、コスパ重視ならCore i7の方がお得です。

この高性能さでこの省電力性と効率は唯一の圧倒的なものがあるものの、そこを重視している層が恐らく多くはないため、素晴らしい性能と効率のCPUですが、第一候補となることは少なそうな難しい立ち位置のハイエンドCPUだと思います。


性能スコアなどの参考

雑感

第13世代CoreのK無しモデルおよびRyzen 7000のK無しモデルが登場しての更新です。

「Core i7-13700(F)」および「Core i5-13400(F)」は想定通りの魅力的なCPUという感じで、2023年の定番CPUとなりそうです。「Core i5-13500」も14コアの割には価格が明らかに安いため非常に強力ですが、恐らくはほぼ自作専用となるため、可用性的に評価が難しいところ。

また、良い意味で意外だったのは「Ryzen 9 7900」です。12コアで88W制限を維持するとは思っていませんでした。従来のハイエンド並みの性能を小型空冷で対応できる発熱・消費電力で実現しています。性能は7900Xや第13世代Core i7にはやや劣るものの、実用性的にはほぼ変わらないでしょうし、PBOを有効にすれば7900Xに近い性能まで引き上げることも可能です。効率と実用性ではかなり優秀なCPUだと思います。

とはいえ、発売時約7万円という価格は「Core i7-13700(F)」の5.6万円~より大幅に高価となっており、性能コスパでは明らかに負けているので、一般ウケはしないかもしれません。玄人向けのCPUという印象です。

特にコスパ重視の消費者にとっては大きく市場が動いた投入となりましたが、2月にはRyzenの3D V-Cacheモデルの登場も予告されており、こちらは逆に費用が多少増えても良いからゲーミング性能重視向けのモデルです。第13世代Coreに対しどのような勝負となるのか気になります。どんどん時代が移り変わってゆくのを見るのが楽しい時期ですね。楽しみに待ちたいと思います。

それでは、記事はここまです。ご覧いただきありがとうございました。

25 COMMENTS

ぴょー

こんにちは
自分は動画編集をメインで考えています。
OEM専用の5800、5900無印が25000円差ではどちらがおすすめでしょうか。
ちなみにDaVinci Resolve使用予定です。

返信する
とねりん:管理人

処理性能的には要求をどちらも十分満たせると思うので、単純に予算次第になるのかなと思います。
CPUのみで25,000円差ならRyzen 7 5800の方がコスパは良いと思いますが、マルチスレッド性能と電力効率は恐らくRyzen 9 5900の方が大きく上だと思うので、頻繁に運用するならRyzen 9 5900の方が向いてはいると思います。

返信する
ぴょー

返信ありがとうございます。
割引込みで2万円差でした。Ryzen 9 5900で検討していきます。

返信する

I9は性能というよりAMDに対抗するために意地で出しているだけなんだろうな

返信する
うみ

こんにちは
只今CPUの買い替えを検討しているのですが、おすすめのCPUはありますか?
今使っているCPUはryzen5 2600で使っているマザボは3000番台に対応したB450M Pro4です。

返信する
とねりん:管理人

最低でも用途と予算がわからないと具体的なことは言えないですが、B450M Pro4はRyzen 5000シリーズにも対応しているので(BIOS更新は必要)、Ryzen 5000シリーズが性能とコスパ的にはおすすめです。
ただ、メーカーPCでOEM版のWindowsを使用している場合には認証が通らなくなる可能性があるため注意してください。

返信する
pc初心者

こんばんわ
マザーボードMSI H110M-S01を使っていて現在corei56400で変えようとおもってるのですがなるべく予算を抑えて対応しているものならどれがおすすめですか?

返信する
とねりん:管理人

こんばんは。
同じマザーボードでCPUだけ交換したいという事なら、H110は古いチップセットになりますので残念ながら最新CPUは使えないです。またCPUの交換は、メーカー製PCだとWindowsライセンスの認証問題も出てくる可能性もあります。
一般的にCPUを新調したい場合は、自作の場合を除き新しくPCを購入するのが基本になります。

返信する
匿名

ゲーム用にpcを買い換える予定なのですが、i710700とi910700ならどちらがおすすめなのでしょうか? グラボは3080です

返信する
とねりん:管理人

その2つでコスパ重視ならCore i7の方がおすすめですが、正直なところ今ならRyzen 5000シリーズの方を個人的にはおすすめしたいです。

返信する
匿名

返信のほどありがとうございます。やっぱりK付きでなくてもi9って爆熱なんですね。

返信する
とねりん:管理人

いえ、Core i9-10900なら発熱は爆熱というほどでもないと思いますが、第10世代のCore i9とCore i7はゲーミング性能が少ししか変わらない上、単純に価格とマルチスレッド性能比のコスパもCore i7の方が優秀のため、おすすめしました。
そのため、マルチスレッド性能を少しでも高くしたいとか、予算を全く気にしないという場合でなければCore i7の方が優先順位は高くなると思います。

返信する
匿名

こんにちは
私はゲーム目的にPCを買いかえようと思っているのですが、第10世代CPUが出た今、Core i5-9400Fを搭載したPCを購入しても後悔しないだろうか心配です。オンラインゲームをするだけならCore i5-9400Fでも問題ないですよね?

返信する
とねりん:管理人

コメントありがとうございます。
可能か不可能かでいえば、Core i5-9400Fでも可能です。問題は無いです。安いモデルが販売されているのであれば、それは価格が安い分の性能の低さという事で割り切れるなら他に問題は無いと思います。
ただし、Core i5のゲーミング性能は10世代で大きく向上していますし、今のコスパでいえば第10世代の「Core i5-10400」の方が良いと思います。Core i5→Core i7ほどの価格差も無いと思いますし、「後悔するかも」と思うなら「Core i5-10400」を選択した方が個人的には良いんじゃないかと思います。

返信する
匿名

このサイトいつも愛用してます!
良かったらRyzen5 1600AFも加えてくれると嬉しいです

返信する
とねりん:管理人

ありがとうございます。励みになります。

1600AFも総合の方で候補ではあったのですが、同価格帯だとRyzen 3 3300XやRyzen 5 3500の方が若干有利かなという事で外させていただきました。ただ、1万円台前半で6コア12スレッドのCPUは貴重なので、スレッド数が重要になる処理では悪くないと思います。

返信する
匿名

巷で噂の絶えないコスパがすごいとされるRyzen 3 3300Xと3100の解説もお時間あったらお願いします!

返信する
とねりん:管理人

コメントありがとうございます。

Ryzen 3 3300Xと3100は存在は確認していまして、性能も概ね把握しています。発売がまだなので保留していましたが、もうすぐ発売ですし検討してみます。

返信する
ぬぬ

Amazonにてi9 9900が42000程で売られているのですが、コスパ的にどうなのでしょうか。

返信する
とねりん:管理人

ゲーミング用途なら悪くないと思いますが、Core i7-10700(F)でも性能とコスパは同じくらいだと思うので、お得って訳でもないと思います。
急いでいるなら止めませんが、かなり期待されているRyzen 5000シリーズが来月5日に出るので、CPUの購入はそちらの性能を見てからでも良いかなと思います(ただ、供給不足で品薄気味になるかもしれません)。

返信する
TOKUMEI

こんにちは
今使っているcpuではゲームをするのに物足りず、買い換えようと思っているのですが、どれを買おうか迷っています。
予算4万円(マザボとcpu合計)でいいcpuはないでしょうか?
ちなみにグラボは6600xtを買う予定です
ゲームはApexやValorantなどオンラインゲームをしようと思っています

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とねりん:管理人

マザーボードと合わせて4万円だと、今なら「Core i5-12400(F)」が一番無難な選択肢になると思います。
RX 6600 XTなら、Valorantは非常に軽いゲームなので十分だと思いますし、Apexでも1080pなら144fpsは余裕で超えるスペックになると思います。

ただし、Core i5-12400(F)は6コアとなっていて、他の最新の上位CPUと比べるとコア数が少なくマルチスレッド性能が低いので、ゲーム以外にも同時に重めのソフトを動作させる場合には動作がやや不安定になったりパフォーマンスが大きめに低下する可能性がある点には注意です。その場合には、もう少し予算をプラスして「Core i5-12600K(F)」や「Core i7-12700(F)」の方が快適にはなると思います(+15,000~20,000円くらいになってしまいますが…)。

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