今選ぶCPUランキング【コスパ重視・2024年12月最新版】

今(2024年12月向け)おすすめのCPUをランキング形式で紹介しています。デスクトップ向けです。基本的にはコスパ重視で選定しています。

注意

本記事の内容は記事更新時点のものであり、ご覧になっている際には異なる可能性があるため注意してください。

記事内の価格は主に価格.comやAmazonなどを参考にした大体の市場最安値価格です。

簡易比較表

本記事でランキング入りしているCPUをまとめた簡易比較表です。CPU名を押すと記事内の紹介部へ移動します。

CPU参考価格評価
性能スコア※
コアスレ
ッド
L3
Cache
TDP
内蔵GPU
マルチ
コア
ゲーム
(グラボ)
消費電力
発熱
マルチシングルPL1最大
Ryzen 5 7600/7600X
6コア12スレッド
¥30,900~★3.5★4.25★4.2515315
14480
1976
1868
6
1232MB105W
65W
142W
88W
Radeon Graphics
RDNA 2(2CU)
Core i7-14700(F)
16コア24スレッド
¥48,980~★4.25★4.5★3.75284522093
20
(8P+12E)
2833MB65W219W
K:UHD 770
KF:無し
Ryzen 7 5700X
8コア16スレッド
¥24,980~★3.5★4.0★4.5142111522
8
1632MB65W76W無し
Ryzen 5 5600
6コア12スレッド
¥17,480~★3.0★4.0★4.5110771504
6
1232MB65W76W無し
Core i5-14400(F)
10コア16スレッド
¥27,980~★3.5★4.25★4.5160741773
10
(6P+4E)
1620MB65W154W
F:148W
無印:UHD 730
F:無し
Core i5-12400(F)
6コア12スレッド
¥17,800~★3.0★4.0★4.25114481716
6
1218MB65W117W
無印:UHD 730
F:無し
Ryzen 9 7950X3D
16コア32スレッド
¥103,800~★4.75★4.75★3.03576920431632128MB120W162W
Radeon Graphics
RDNA 2(2CU)
Ryzen 7 9800X3D
8コア16スレッド
¥86,800~★4.0★5.0+★3.2522911224281696MB120W162W
Radeon Graphics
RDNA 2(2CU)
Ryzen 9 7900X3D
16コア32スレッド
¥88,480~★4.25★4.75★3.252708420391224128MB120W162W
Radeon Graphics
RDNA 2(2CU)
Ryzen 7 7800X3D
8コア16スレッド
¥84,800~★3.75★5.0★3.7518475181781696MB120W162W
Radeon Graphics
RDNA 2(2CU)
Ryzen 9 7900
12コア24スレッド
¥65,800~★4.25★4.25★4.0250621964122464MB65W88W
Radeon Graphics
RDNA 2(2CU)
Ryzen 5 8600G
6コア12スレッド
¥32,980~★3.25★3.75★4.25140671783
6
1216MB65W88W
Radeon 760M
Core i5-14600K(F)
14コア20スレッド
¥38,780~★4.25★4.5★3.0246832097
14
(6P+8E)
2024MB125W181W
K:UHD 770
KF:無し
Core i5-14500
Core i5-13500
14コア20スレッド
¥36,880~★4.0★4.25★4.2522049
21216
1941
1884
14
(6P+8E)
2024MB65W154W
UHD 770
Ryzen 7 8700G
8コア16スレッド
¥49,800~★3.75★3.75★4.25176761801
8
1616MB65W88W
Radeon 780M
Core i7-14700K(F)
16コア24スレッド
¥55,480~★4.75★4.75★1.5352372174
20
(8P+12E)
2833MB125W253W
K:UHD 770
KF:無し
Core i9-14900K(F)
24コア32スレッド
¥76,980~★5.0★4.75★1.25411932358
24
(8P+16E)
3236MB125W253W
K:UHD 770
KF:無し

  • PコアとEコア:Intelの一部のCPUではPコアとEコアという2種類のコアが混在しています。Pコアが高性能コアを表し、Eコアは高効率コアを表します。基本的にPコアがメインのコアで、EコアはPコアよりも低性能な代わりに低消費電力で省スペース性に特化したコアとなっています。
  • マルチ性能:CPUの全コアを用いた処理性能。主に高負荷な処理や複数ソフト起動時のパフォーマンスなどに関わる性能です。マルチスレッド性能やマルチコア性能などとも呼びます。表の数値はCinebench R23 におけるマルチスレッド性能スコアです。
  • シングル性能:CPUの1コアでの処理性能です。高いと低負荷な処理におけるレスポンスが良くなる他、マルチスレッド処理でも有利なので、基本的にどの処理でも有効に働きます。表の数値はCinebench R20 におけるシングルスレッド性能スコアです。
  • TDP:CPUのおおまかな消費電力や発熱を表す指標です。表ではTDP PL2がおおよその最大消費電力となります。低い方の数値は、PL1もしくはPBPの低い方を参照しています。
  • コスパ:(マルチスレッド性能スコア / 価格)の値。
  • 電力効率:(マルチスレッド性能スコア / TDP)の値。

CPUランキング

CPUの「性能・価格・実用性・消費電力」などを総合的に評価してランキングしています。筆者の主観なので参考程度にご覧ください。
※ゲーミング性能の評価は、高性能なグラフィックボードと併用した場合の評価です。内蔵GPU性能の評価ではないので注意。
1位

Ryzen 5 7600

おすすめ度 :★4.25

マルチコア性能 ★3.5 | ゲーム ★4.25 | 発熱・消費電力 ★4.25 | 価格 ★4.0

良い点
  • 比較的安価(3万円前後~)
  • 安価で優れたゲーミング性能
  • 優れたコスパ
  • 発熱・消費電力が少ない
  • 優れたワットパフォーマンス
  • AM5の長期サポートが期待できる
気になる点
  • マルチスレッド性能は低め
  • メモリはDDR5のみ対応
スペック表
CPU名称Ryzen 5 7600
PassMark約 28,000
動作クロック3.8 – 5.1GHz
コア/スレッド
6コア/ 12スレッド
L2キャッシュ6MB
L3キャッシュ32MB
TDP65W – 88W
内蔵GPURadeon Graphics
(RDNA 2 / 2CU)

低価格で優れたゲーム性能とAM5の長期サポートが得られるのが魅力

Ryzen 7000シリーズの下位モデルの「Ryzen 5 7600」です。類似モデルとして「Ryzen 5 7600X」や「Ryzen 5 7500F(OEM)」があり、それらも性能と価格はあまり変わらないので、ほぼ同評価です。

発売からしばらくは「Core i5-13400(F)」より5,000円くらい高価だったのでコスパで劣る印象が強かったですが、値下がりが進んだことで同等の価格になったので、安価なゲーミングCPUとして魅力的になりました。

6コアなので「Core i5-13400(F)/14400(F)」の10コアに不利にも見えますが、Coreは低消費電力特化のEコアを4つ含むため、高性能コア(Pコア)の数は同じ6となっている他、「Core i5-13400(F)/14400(F)」よりもシングルスレッド性能は少し上回っているので、実は最終的なマルチスレッド性能は同等レベルです。

更に、L3キャッシュ容量も上回っていることもあり、高性能GPU利用時のゲーム性能も少し上回ります。

そのため、総合的にはわずかですが「Core i5-13400(F)/14400(F)」よりも「Ryzen 5 7600」の方が処理性能で実は有利です。

また、ソケット面でも「Ryzen 5 7600」のソケットAM5は最低でも2027年までのサポートが明言されており、第13・14世代Coreよりも長期サポートとなることがほぼ確実なので、後にCPU交換を検討したい人にはその点でもやや有利な点も長期運用を考えるなら魅力的です。

このように、発売から大分時間は経ちましたが、「Core i5-13400(F)/14400(F)」と遜色ない(むしろ若干上回る)コスパのCPUとなったので、安価なゲーミングPCを検討する際には有力な選択肢になると思います。

とはいえ、性能の差は小さいですし、ソケットの面もほとんどの人は気にしない部分な上、初動価格の高さのせいでBTOパソコンショップでは高めの価格設定になっていることも多く、Core i5の方がお得な製品を探し易かったりするので、結局のところはCore i5の方が人気なのは変わらない気もします。

2位

Core i7-14700(F)

参考価格

55,480円~
F:48,980円~

おすすめ度 :★4.25

マルチコア性能 ★4.5 | ゲーム ★4.5 | 発熱・消費電力 ★3.75 | 価格 ★2.5

良い点
  • 20コアによる非常に優れたマルチスレッド性能
  • 優れたゲーミング性能
  • 優れたコスパ
  • 性能の割に発熱・消費電力が少ない
  • 優れたワットパフォーマンス
  • 電力制限を引き上げれば性能アップ(クーラーに応じて・自己責任)
気になる点
  • 高価(5万円前後~)
  • K付きと3,000円程度しか変わらない
スペック表
CPU名称Core i7-14700(F)
PassMark約 48,700
動作クロックPコア:2.1 – 5.4GHz
Eコア:1.5 – 4.2GHz
コア/スレッド
20コア(8P+12E)/ 28スレッド
L2キャッシュ28MB
L3キャッシュ33MB
TDP65W – 219W
内蔵GPUIntel UHD Graphics 770
※末尾Fは無し

省電力ながら20コアで高性能なCore i7

第14世代のCore i7のK無しモデルです。20コア(8P+12E)による非常に高いマルチスレッド性能を発揮します。価格はCore i9よりも3万円近く安価ながら、コア構成はEコア4つ分しか変わらず、コスパが良いです。

K無しの場合はベース電力が65Wなので、20コアとは思えない省電力さで電力効率が優れているのも魅力です。クーラーも標準設定なら高性能なものは必要なく、12cmファン1基の空冷レベルでも運用可能というレベルです。

ただし、65Wでは20コア(8P + 12E)の性能を最大限活かすのは難しいため、K付きと比べるとマルチスレッド性能がガクッと落ちる点は注意です。K付きとの価格差は数千円程度なので、標準設定でのコスパはK付きと比べるとやや劣ってしまいます。

しかし、このK無しでも電力制限を引き上げることで性能を高めることは可能となっており、K付きにも大分近付いた性能にすることも可能です(保証外動作で自己責任にはなる)。標準設定だとコア性能が勿体ないので引き上げて使うのがおすすめではありますが、その際には結局高性能なクーラーが必要となってしまう点には注意が必要です。K無しのコスト面の良さも活かすなら100W台までに留めて空冷クーラーで使うのがおすすめです。

3位

Ryzen 7 5700X

おすすめ度 :★4.0

マルチコア性能 ★3.5 | ゲーム(グラボ) ★4.0 | 発熱・消費電力 ★4.5 | 価格 ★4.5

良い点
  • 非常に安価(2万円台前半)
  • 非常に優れたマルチスレッド効率
  • 発熱・消費電力が少ない
  • 優れたワットパフォーマンス
気になる点
  • 最新CPUと比べると性能は低め
  • CPU性能が重要なゲームでは最新CPUに大きく劣る
  • メモリはDDR4のみ対応
  • ハイエンドGPUとの併用ではボトルネックになり易い
  • 内蔵GPU無し
スペック表
CPU名称Ryzen 7 5700X
PassMark約 26,800
動作クロック3.4 – 4.6GHz
コア/スレッド
8コア/ 16スレッド
L2キャッシュ4MB
L3キャッシュ32MB
TDP65W – 76W
内蔵GPU無し

2万円台の超高コスパCPU。旧世代ながら未だに強力

「Ryzen 7 5700X」は2万円台前半という安さによるコスパの良さが魅力のCPUです。旧世代のRyzenですが、その安さ・コスパの良さ・発熱と消費電力が少ないことによる使いやすさから、未だに低価格帯で大人気のCPUです。

2024年10月時点では約24,000円前後が相場の低価格CPUですが、3万円前後の「Ryzen 5 7600(X)」や「Core i5-14400(F)」といった新しい世代の低価格CPUに近いマルチスレッド性能を持っており、非常に優れたコスパです。旧世代のためマザーボードも安価に入手できるため、実質コスパは更に良くなりますし、とにかく安さとコスパに特化したいなら非常に魅力的なCPUです。

しかも、そのコスパの良さだけでなく、消費電力や発熱が少なく扱い易いこともあり、旧世代ながら選び易い選択肢となっています。

一応のマイナス要素として、ゲーム性能が最新世代のCPUと比べると劣る点はあるのですが、このレベルの低価格CPUはハイエンドグラボと組み合わせられることがほぼなく、高くてもアッパーミドル(全体で中の上くらい)のグラボとの併用になり、その場合にはCPUのゲーム性能の低さもネックになりにくいため、大きなデメリットというほどにはならないのが良い点です。

むしろ、その安価さのおかげで、他のCPUを選ぶよりもグラボのグレードを一つ上げれたりすることが多いので、実質的にはむしろプラスレベルという、反則的な安さとコスパのCPUとなっています。

一応、ソケットのAM4が古くてサポートがさすがに長くされない点もデメリットにも思えますが、対抗のIntelのサポート期間が短い傾向がありますし、長い期間サポートが続けられて安定性が向上しているとも捉えることができるので、明確なデメリットではないかなと思っています。

といった感じで、旧世代CPUということで少し懸念点こそあるものの、それが割と妥協しやすい点だったり、メリットにもなり得る点だったりするので、安さとコスパ特化の選択肢として非常に選びやすいCPUなのかなと思います。

4位

Ryzen 5 5600

参考価格

17,480円~

おすすめ度 :★4.0

マルチコア性能 ★3.0 | ゲーム(グラボ) ★4.0 | 発熱・消費電力 ★4.5 | 価格 ★4.75

良い点
  • 非常に安価(1万円台後半~)
  • 価格の割に多いL3キャッシュ(32MB)で5700Xともほぼ同等のゲーム性能
  • 優れたマルチスレッド効率
  • 発熱・消費電力が少ない
  • 優れたワットパフォーマンス
気になる点
  • 最新世代と比べるとマルチスレッド性能が大幅に低い
  • メモリはDDR4のみ対応
  • ハイエンドGPUとの併用ではボトルネックになり易い
  • 内蔵GPU無し
スペック表
CPU名称Ryzen 5 5600
PassMark約 21,800
動作クロック3.5 – 4.4GHz
コア/スレッド
6コア/ 12スレッド
L2キャッシュ3MB
L3キャッシュ32MB
TDP65W – 76W
内蔵GPU無し

旧世代の1万円台後半の超高コスパエントリーCPU。ゲーム性能は意外と悪くない

「Ryzen 5 5600」は1万円台後半という安さによるコスパの良さが魅力のCPUです。「Ryzen 5 5600X」や「Ryzen 5 5600XT」もほとんど同じ性能です。

旧世代のRyzenですが、その安さ・コスパの良さ・発熱と消費電力が少ないことによる使いやすさから、未だに低価格帯で大人気のCPUです。

同世代で大人気の「Ryzen 7 5700X」と比べるとマルチスレッド性能がやや低く、総合コスパが少し劣るように見えるためか人気が小さめですが、実はL3キャッシュ容量は5700Xと同じ32MBであり、グラボ利用時のゲーム性能はほぼ同等なのが強みです。低価格帯のゲーム用CPUとしては非常に優れたコスパとなっています

消費電力や発熱が少なく扱い易いこともあり、旧世代ながら選び易い選択肢となっています。

一応のマイナス要素として、ゲーム性能が最新世代のCPUと比べると劣る点はあるのですが、このレベルの低価格CPUはハイエンドグラボと組み合わせられることがほぼなく、高くてもアッパーミドル(全体で中の上くらい)のグラボとの併用になり、その場合にはCPUのゲーム性能の低さもネックになりにくいため、大きなデメリットというほどにはならないのが良い点です。

むしろ、その安価さのおかげで、他のCPUを選ぶよりもグラボのグレードを一つ上げれたりすることが多いので、実質的にはむしろプラスレベルという、反則的な安さとコスパのCPUとなっています。

一応、ソケットのAM4が古くてサポートがさすがに長くされない点もデメリットにも思えますが、対抗のIntelのサポート期間が短い傾向がありますし、長い期間サポートが続けられて安定性が向上しているとも捉えることができるので、明確なデメリットではないかなと思っています。

旧世代CPUという懸念点こそあるものの、非常に安価なので許せる妥協点だと思いますし、安価でゲーム性能コスパをとにかく高めたい場合にはおすすめのCPUです。

5位

Core i5-14400(F)

参考価格

32,480円~
F:27,980円~

おすすめ度 :★4.0

マルチコア性能 ★3.5 | ゲーム ★4.25 | 発熱・消費電力 ★4.5 | 価格 ★4.0

良い点
  • 比較的安価(3万円台前半~)
  • 安価で10コア搭載
  • 発熱・消費電力が少ない
  • 優れたコスパ
  • 優れたワットパフォーマンス
気になる点
  • マルチスレッド性能は低め
  • シングルスレッド性能もやや低め
  • ハイエンドGPUとの併用ではボトルネックになり易い
スペック表
CPU名称Core i5-14400(F)
PassMark約 26,300
動作クロックPコア:2.5 – 4.7GHz
Eコア:1.8 – 3.5GHz
コア/スレッド
10コア(6P+4E)/ 16スレッド
L2キャッシュ9.5MB
L3キャッシュ20MB
TDP65W – 148/154W(F/無印)
内蔵GPUIntel UHD Graphics 730
※末尾Fは無し

10コアで3万円台前半の低価格ゲーミングPCの定番CPU

「Core i5-14400(F)」は第14世代Core i5のK無しの下位モデルです。3万円前後で10コア(6P+4E)となっておりコスパが良いです。安さ&コスパ特化のPCにおいて強力なCPUで、価格重視のBTOパソコンなどでの採用が非常に多いCPUです。

また、前世代(第13世代)の「Core i5-13400(F)」も性能はほぼ同等なので、安ければそちらでもOKです。

安価な価格はもちろん魅力ですが、低消費電力&低発熱で非常に扱いやすいのも良いです。ベースの電力設定は65Wなので12cmファン1基の空冷程度で十分に冷やすことができますし、一応付属クーラーでも使えないことはないです。

その他の一応の注意点としては、実はコア仕様は恐らく旧世代「Alder Lake(第12世代)」を引き継いでいるため(コアあたりのキャッシュ量から推測)、ハイエンドGPU使用時には他の最新世代CPUよりはゲーム性能が劣る可能性があるという点があります。

とはいえ、この価格帯のCPUがハイエンドGPUと組み合わせられることはあまり無いため、実際に問題となるケースもほぼないかなとは思います。むしろ、恐らくその仕様のおかげで安さが実現しているのであれば、実質的にはプラスとも捉えられるかもしれません。

総評としては、3万円前後から買える10コアCPUで、低価格ゲーミングPC用CPUとして非常に魅力的です。Core i7になると性能が飛躍的に向上するため、PC総額から見たコスパも基本的にCore i7の方が上回る点は留意ですが、特別重いCPU処理を想定しないなら大体の人はこれでも十分と言えるCPUです。

6位

Core i5-12400(F)

参考価格

22,880円
F:17,800円
※リンクは12400Fのもの

おすすめ度 :★4.0

マルチコア性能 ★3.0 | ゲーム ★4.0 | 発熱・消費電力 ★4.25 | 価格 ★4.5

良い点
  • 非常に安価(約1.8万円~)
  • 発熱・消費電力が少ない
  • 価格の割には優れたゲーム性能
  • 非常に優れたコスパ
  • 非常に優れたワットパフォーマンス
気になる点
  • 最新世代と比べてマルチスレッド性能が大幅に低い
  • シングルスレッド性能も低め
  • 最新の高性能GPUではボトルネックになりやすい
スペック表
CPU名称Core i5-12400(F)
PassMark約 19,700
動作クロック2.5 – 4.4GHz
コア/スレッド
6コア/ 12スレッド
L2キャッシュ7.5MB
L3キャッシュ18MB
TDP65W – 117W
内蔵GPUIntel UHD Graphics 730
※末尾Fは無し

2万円未満の割に優れたゲーミング性能で、安さ特化ゲーミングPCの強力な味方

「Core i5-12400(F)」は最安2万円未満から買える低価格CPUです。

その魅力はその安さの割には優れたゲーム性能を持っている点です。新しい13400/14400と比較して、Pコアの仕様は実はほぼ同じなので、ゲーム性能差はわずかです。そのため、ゲームコスパが物凄く良いです。

その代わりに、13400/14400から追加されたEコアの無いシンプルな6コアCPUとなっているため、最新世代のCPUと比べるとマルチスレッド性能は大幅に低い点は注意が必要です。とはいえ、価格を考えれば低い訳ではないですし、コスパはむしろ良い部類なので、気を付ける点ではありますがネックというほどでもないです。

また、消費電力および発熱が非常に少なくて、CPUクーラーや電源ユニットにあまり気を遣わなくて良い点も強みです。

注意点として、先に挙げたマルチスレッド性能は高く無い点と、結局は旧世代のCPUなのでCPU性能がボトルネックになりやすい重量級ゲームではネックとなる点は留意しておくべきですが、安さ特化のゲーム用CPUとしては嬉しい要素がつまっているCPUだと思います。

7位

Ryzen 9 7950X3D

おすすめ度 :★4.0

マルチコア性能 ★4.75 | ゲーム ★4.75 | 発熱・消費電力 ★3.0 | 価格 ★1.25

良い点
  • 大容量キャッシュメモリで非常に優れたゲーミング性能
  • 非常に優れたマルチスレッド性能
  • 非常に優れたワットパフォーマンス
  • 非常に高い性能の割には少なめの消費電力
  • AM5の長期サポートが期待できる
気になる点
  • 非常に高価(約10万円~)
  • 発熱・消費電力が多め
  • メモリはDDR5のみ対応
スペック表
CPU名称Ryzen 9 7950X3D
PassMark約 63,900
動作クロック4.2 – 5.7GHz
コア/スレッド
16コア/ 32スレッド
L2キャッシュ16MB
L3キャッシュ128MB
TDP120W – 162W
内蔵GPURadeon Graphics
(RDNA 2 / 2CU)

トップクラスの総合性能と非常に優れた効率のハイエンドCPU

「Ryzen 9 7950X3D」は「Ryzen 9 7950X」をベースに「3D V-Cache」を搭載し、L3キャシュ合計が驚異の128MBとなりゲーミング性能が大幅に強化されたCPUです。

7950Xでは第14世代Core i9に少し劣っていたゲーミング性能が「Core i9-14900K」に匹敵するレベルにまで押し上げられており、競合モデルに対する弱点を克服しています。また、TDPの標準は120W~162Wと少しマイルドになっており、このクラスのハイエンドCPUの割には消費電力が一段少なく、電力効率が非常に優れている点も魅力的です。

一応、「3D V-Cache」により電力やクロックがやや制限を受けるため、最終的なマルチスレッド性能だけ見れば元の7950Xや「Core i9-14900K」に若干劣るものの、実用性に差が出るほどではないです。そのため、どの性能もトップクラスの高性能ながら電力効率も非常に優れており、総合的な性能ではトップのゲーミングCPUと評しても良いレベルの優秀なCPUに仕上がっています。

しかし、ネックはやはり価格です。発売当初よりは大分値下がりしたものの、2024年10月時点ではそれでも最安10万円前後が相場です。

ただし、ゲーム性能は「Core i9-14900K」をも若干上回りますし、電力効率は明らかに上回っており、第13・14世代Core(特にK付き)では電力設定の不具合問題が出たことで、相対的に地位を上げました。

ここまでの性能が必要な人がそもそもそんなに居ないと思うので、おすすめできる人は限られるものの、トップクラスのゲーム性能を備えつつ、マルチスレッド性能もハイエンドで優れた効率を持つので、総合評価は現状トップと言っても良い優秀なハイエンドCPUです。高負荷な処理をよく行う人かつ、予算が潤沢な人には非常におすすめできるCPUだと思います。

8位

Ryzen 7 9800X3D

おすすめ度 :★4.0

マルチコア性能 ★4.0 | ゲーム ★5.0+ | 発熱・消費電力 ★3.25 | 価格 ★1.5

良い点
  • 大容量キャッシュメモリで非常に優れたゲーミング性能(2024/11時点でトップ)
  • ゲーム時に非常に優れたワットパフォーマンス
  • 少ないゲーム時の消費電力
  • AM5の長期サポートが期待できる
気になる点
  • 非常に高価(約8.7万円~)
  • マルチスレッド性能コスパは良くない
  • マルチスレッド処理時の電力効率が悪め
  • メモリはDDR5のみ対応
スペック表
CPU名称Ryzen 7 9800X3D
PassMark約 40,100
動作クロック4.7 – 5.2GHz
コア/スレッド
8コア/ 16スレッド
L2キャッシュ8MB
L3キャッシュ96MB
TDP120W – 162W
内蔵GPURadeon Graphics
(RDNA 2 / 2CU)

現状のゲーム最強CPU。しかし、8コアCPUとしては非常に高価。

「Ryzen 7 9800X3D」は2024年11月時点で「ゲーム最強」のCPUです。「3D V-Cache」を搭載し、L3キャシュ合計96MBとなりゲーミング性能が大幅に強化されています。先代(7800X3D)から構造が変わった第2世代「3D V-Cache」はCCDの下に配置されるようになったことでコアの冷却がしやすくなったため、クロックや温度制限を上げやすくなり、オーバークロックも可能になりました。

その最強のゲーム性能を持ちつつも、価格は最新のRyzen 9 / Core Ultra 9よりは大幅に安価なので、ゲームがメイン用途の人には特に魅力的なCPUです。

また、ゲームでは性能だけでなく電力面も優れていており、他のゲームで高性能なCPUを大幅に上回るほど非常に優れているのが嬉しいです。

しかし、マルチスレッド面ではやや微妙な点に注意です。クロックが上がったことで、先代の7800X3Dから最大性能は約25%も向上した点は素晴らしいですが、消費電力もかなり増えました。

先代はクロックや温度制限が厳しかったことから、高負荷なマルチスレッド処理時でも100W未満でしたが、9800X3DではPPTの162W付近まで普通に使ってしまうため、マルチスレッドでは効率も悪めです。購入後の調整で対応できる部分ですが、標準設定がマイルドな方が嬉しかったと思います。

また、発売時で86,800円という高価さもデメリットです。先代から性能が大きく上がったとはいえ8コアCPUであり、それで8万円台中盤は非常に高価で、マルチスレッド性能コスパは悪いです。

性能自体は低い訳ではなく、一般用途ではほとんどの人にとっては十分な性能なので、ゲーム特化なら妥協できるレベルではあるものの、この高価さはさすがに考えものです。

他の5~6万円台のCPUを選択すれば、GPUのグレードを大体一つくらい上げることが可能なので、最終的なゲーム性能を考えると、9800X3Dを選ぶことが最善ではないケースも多々あると思います。

無駄なマルチスレッド性能がゲーム性能に振り分けられた、ゲーム用としては非常に強力なCPUなのは間違いないですが、予算が潤沢ではない場合にはゲーム用でも慎重に検討したいCPUだと思います。

9位

Ryzen 9 7900X3D

おすすめ度 :★4.0

マルチコア性能 ★4.25 | ゲーム ★4.75 | 発熱・消費電力 ★3.25 | 価格 ★1.5

良い点
  • 大容量キャッシュメモリで非常に優れたゲーミング性能
  • 非常に優れたマルチスレッド性能
  • 非常に優れたワットパフォーマンス
  • 性能の割には少なめの消費電力
  • AM5の長期サポートが期待できる
気になる点
  • 非常に高価(8万円台)
  • 発熱・消費電力がやや多め
  • メモリはDDR5のみ対応
スペック表
CPU名称Ryzen 9 7900X3D
PassMark約 50,350
動作クロック4.4 – 5.6GHz
コア/スレッド
12コア/ 24スレッド
L2キャッシュ12MB
L3キャッシュ128MB
TDP120W – 162W
内蔵GPURadeon Graphics
(RDNA 2 / 2CU)

ゲームを含め非常に優れた総合性能を持ち、効率の高性能CPU

「Ryzen 9 7900X3D」は「Ryzen 9 7900X」をベースに「3D V-Cache」を搭載し、L3キャシュ合計が驚異の128MBとなりゲーミング性能が大幅に強化されたCPUです。

2024年10月時点ではトップ層のゲーム性能を持つCPUですが、TDPの標準は120W~162Wと少しマイルドになっており、このクラスの高性能CPUの割には消費電力が一段少なく、電力効率が非常に優れているのが嬉しいです。

また、価格もCore i9 / Ryzen 9よりは一段安い7万円前後というのも良いです。

「3D V-Cache」搭載モデルとしては「Ryzen 7 7800X3D」が非常に人気で、実際CCDが一つの7800X3Dの方が重量級ゲーム(特にCPUがボトルネックになり易いもの)に限れば若干高い性能を発揮はしますが、7900X3Dを選べば1万円ほどの追加費用でマルチスレッド性能を40%以上高めることができるのが大きな魅力です。

ゲームのみに限ったコスパは7800X3Dの方が上ですが、総合コスパに関してはこの7900X3Dの方が大幅に優れていると思います。

「Ryzen 7 7800X3D」や「Ryzen 9 7950X3D」の影に隠れがちですが、総合コスパでいえば普通に有力な選択肢であり、7800X3Dよりはマルチスレッド性能が欲しいけど、7950X3Dほど高価なのは厳しいという場合におすすめのCPUです。

10位

Ryzen 7 7800X3D

参考価格

84,800円~

おすすめ度 :★4.0

マルチコア性能 ★3.75 | ゲーム ★5.0 | 発熱・消費電力 ★3.75 | 価格 ★1.75

良い点
  • 大容量キャッシュメモリで非常に優れたゲーミング性能
  • 非常に優れたワットパフォーマンス
  • 少ない消費電力(TDPより大分少ない)
  • AM5の長期サポートが期待できる
気になる点
  • 非常に高価(8万円台前半~)
  • マルチスレッド性能コスパは良くない
  • メモリはDDR5のみ対応
スペック表
CPU名称Ryzen 7 7800X3D
PassMark約 35,150
動作クロック4.2 – 5.0GHz
コア/スレッド
8コア/ 16スレッド
L2キャッシュ8MB
L3キャッシュ96MB
TDP120W – 162W
内蔵GPURadeon Graphics
(RDNA 2 / 2CU)

ゲームで非常に強力なCPU。電力面も優秀で、一般用途での実用性能が非常に高い

「Ryzen 7 7800X3D」はゲームで非常に強力なCPUです。「3D V-Cache」を搭載し、L3キャシュ合計96MBとなりゲーミング性能が大幅に強化されています。9800X3Dが登場するまではゲームでは最強CPUでした。

それでいて、価格はCore i9やRyzen 9と比べると大幅に安価なので、ゲームがメイン用途の人には特に人気の高いCPUです。(ただ、9800X3Dの登場が近付くに伴い価格が大幅に上昇してしまっているので、市場在庫が無くなった後はちょっと微妙になるかもしれません。)

また、ゲーム性能だけでなく電力面も優れているのが魅力です。TDPの標準は120W~162Wとやや多めレベルですが、実際にはもっと少なく、高負荷時でも基本100W未満です。トップクラスのゲーム性能をCPUとしては比較的省電力です。

そのため電力効率も優れており、特にゲーム時の電力効率は、他の高性能CPUを大幅に上回るほど非常に優れているのが嬉しいです。また、その少ない消費電力のおかげで、マルチスレッド効率も非常に良いです。

ただし、デメリットとして、価格の割にはマルチスレッド性能が低めでマルチスレッド性能コスパが低い点が挙げられます。

とはいえ、それは他の同価格帯CPUと比べた場合の話で、7800X3Dのマルチスレッド性能自体が低い訳ではないです。一般消費者には基本的に十分な性能を備えているので、ほとんどの人にとっては大きなデメリットとして捉えられません。

そのため、無駄なマルチスレッド性能がゲーム性能や電力面の良さ振り分けられた、非常に実用性能が高いCPUとして非常に人気のゲーム向けCPUとなっています。

11位

Ryzen 9 7900

おすすめ度 :★4.0

マルチコア性能 ★4.25 | ゲーム ★4.25 | 発熱・消費電力 ★4.0 | 価格 ★2.25

良い点
  • 12コア(Pコアのみ)による非常に優れたマルチスレッド性能
  • 付属クーラー(Wraith Prism RGB)が標準設定なら普通に使えるし、見た目も悪くない
  • 優れたゲーミング性能
  • 優れたコスパ
  • 性能の割に消費電力が少ない
  • 優れたワットパフォーマンス
  • AM5の長期サポートが期待できる
気になる点
  • 高価(6万円台~)
  • メモリはDDR5のみ対応
  • Core i7-14700系にやや劣るマルチスレッド性能
スペック表
CPU名称Ryzen 9 7900
PassMark約 49,340
動作クロック3.7 – 5.4GHz
コア/スレッド
12コア/ 24スレッド
L2キャッシュ12MB
L3キャッシュ64MB
TDP65W – 88W
内蔵GPURadeon Graphics
(RDNA 2 / 2CU)

優れたワットパフォーマンスと実用コスパに優れるRyzen 9(付属クーラー付)

「Ryzen 9 7900」は、12コアによる非常に優れたマルチスレッド性能を持ちつつ、標準では最大88Wという省電力さと非常に優れたワットパフォーマンスが魅力のCPUです。

また、単体販売のBOX品にはクーラー(Wraith Prism)が付属しており、これが付属クーラーの中では比較的良い性能なので、標準設定(最大88W)なら一応使える性能なのも嬉しいです。クーラーが費用が節約できるため、実質コスパが少し高まります。

更に、ソケットAM5は最低でも2027年までのサポートが明言されており、第13・14世代Coreよりも長期サポートとなることがほぼ確実なので、長期運用を考えるならこちらでも優位性があり、魅力的です。

価格面も2024年10月時点では6万円ちょっとになっており、意外とコスパも悪くないのも良いです。純粋な性能やコスパは「Core i7-14700(F)」に少し劣るため性能コスパでは若干劣るものの、実用性ではほぼ変わらないレベルであり、非常に優れた電力効率とAM5の長期サポートの点を考慮すれば、意外と悪くない選択肢だと思います。

少しの性能・コスパ向上よりも弱点が少なさと長期運用を重視したい場合には、「Core i7-14700(F)」よりもおすすめの高性能高コスパCPUだと思います。

12位

Ryzen 5 8600G

おすすめ度 :★4.0

マルチコア性能 ★3.25 | ゲーム(グラボ) ★3.75 | 内蔵GPU ★4.25 | 発熱・消費電力 ★4.25 | 価格 ★3.75

良い点
  • 内蔵GPU性能が高い
  • 比較的安価(3万円中盤~)
  • 発熱・消費電力が少ない
  • 優れたワットパフォーマンス
  • AM5の長期サポートが期待できる
  • ゲームではAFMF(手軽に使えるフレーム生成機能)があるため、内蔵GPUでも意外と対応範囲広め
気になる点
  • マルチスレッド性能は低め
  • メモリはDDR5のみ対応
  • 内蔵GPU性能はメモリ性能に大きく左右される
  • L3キャッシュ容量が少ない
  • 高性能GPUのボトルネックには少しなり易い(グラボ利用時のコスパは悪め)
スペック表
CPU名称Ryzen 5 8600G
PassMark約 25,200
動作クロック4.3 – 5.0GHz
コア/スレッド
6コア/ 12スレッド
L2キャッシュ6MB
L3キャッシュ16MB
TDP65W – 88W
内蔵GPURadeon 760M
(RDNA 3 / 8CU)

高性能内蔵GPU搭載のライトユーザー向けAPU

「Ryzen 5 8600G」は高性能な内蔵GPU搭載で3万円台という価格が魅力の、ライトユーザーに適したCPUです。重いゲーム・動画編集を意識しないなら非常に汎用性の高いCPUです。

最大のポイントはやはり内蔵GPUです。RDNA 3アーキテクチャの「Radeon 760M」のゲーム性能は「GTX 1050 Ti」に匹敵するレベルで、内蔵GPUとしては高性能です。軽いゲームなら非常に快適ですし、やや重めくらいのゲームまでも低設定なら対応することが可能となっています。また、先代のRyzen 5000Gでは対応していなかった、AV1コーデックのデコードおよびエンコードに対応した点も大きいです。

ベースがノートPC向けのCPUだったこともあり、消費電力や発熱が少なく、クーラーも高性能なものが必要ない点も嬉しいです。一応クーラーは付属もしています。

やや注意なのはまずCPU性能です。コア数が6と少ない上に、内蔵GPUを重視した省電力仕様なので、最新のデスクトップ向けのCPUとしては低めのパフォーマンスです。マルチスレッド性能コスパもやや悪めです。そのため、CPU性能を重視するならあまり適さないCPUという点は注意が必要です。とはいえ、やや重めの処理もいけるくらいの性能は十分ありますし、元々ライトユーザー向けのCPUということを考えるなら思ったよりはネックにはならないかなと思います。

また、一つ上位の「Ryzen 7 8700G」とどちらが良いのか迷う方も多いと思いますので、そちらも少し触れておきます。8600Gと8700Gの主な違いは、CPUのコア数が6→8、GPUコア数も8→12となる点です。特にGPUのコア数差が大きいのが気になる点だと思いますが、意外とコア数差ほどの性能能低下はなく、マイナス2割程度までに留まっています。そのため、高いCPU性能を求める訳でないなら、8600Gの方が実用コスパは少し上になると思うので、CPU性能も出来るだけ高くしておきたいなら8700G、内蔵GPUさえそれなりに使えればOKという場合には8600Gという感じで、用途や好みに応じて選択すると良いと思います。

13位

Core i5-14600K(F)

参考価格

K:41,980円~
KF:38,780円~

おすすめ度 :★3.75

マルチコア性能 ★4.25 | ゲーム ★4.75 | 発熱・消費電力 ★3.0 | 価格 ★3.25

良い点
  • Core i7より約1.5万円も安価(4万円台中盤~)
  • 優れたマルチスレッド性能
  • 優れたマルチスレッド性能コスパ
  • ハイエンドCPUとも大差ない優れたゲーミング性能
  • 比較的優れたワットパフォーマンス
気になる点
  • やや高価(4万円~)
  • 安くはない価格でPコアが6コアのみ
  • 発熱・消費電力が多め(※不具合あり)
スペック表
CPU名称Core i5-14600K(F)
PassMark約 39,450
動作クロックPコア:3.5 – 5.3GHz
Eコア:2.6 – 4.0GHz
コア/スレッド
14コア(6P+4E)/ 20スレッド
L2キャッシュ20MB
L3キャッシュ24MB
TDP65W – 154W
内蔵GPUIntel UHD Graphics 770
※末尾Fは無し
注意:第13世代・14世代のCore(K付き)の電力設定不具合による問題

※この「Core i5-14600K」を含む「第13・14世代のCore i5 / i7 / i9」は標準設定では仕様を超えた高負荷状態で稼働してしまう?不具合があり、特にK付きでは報告例が多いです。

そのまま使い続けるとCPUに回復不可能なダメージが入ることにより、動作が不安定になったり、使用を始めた当初よりもパフォーマンスが低下する問題などが報告されています。対策済みのBIOSが各社マザーボードで提供されている他、この問題を回避用に用意された「Intel Baseline Profile」を設定したり(既存PCではBIOS更新が必要)、電力・電圧・クロックなどを各自調整することで回避は可能なようですが、BIOSを自分でいじりたくないという人は避ける方が賢明です。また、この問題を受けて評価を少し下げてランキング順位も落としました。


4万円台でゲーム性能も高いCore i5上位モデル

「Core i5-14600K(F)」は第14世代のCore i5のK付きモデルです。4万円台~という価格で14コア(6P+8E)を搭載し、高いマルチスレッド性能コスパを発揮するミドルレンジ最上位クラスCPUです。前世代の「Core i5-13600K(F)」も処理性能はわずかしか変わらないのでほぼ同評価ですが、第14世代では冷却効率が少し改善した様子があるので、同額ならこの14600Kの方が良いです。

Core i7よりもやや安価ながら優れたマルチスレッド性能面を発揮する他、ゲーム性能もRTX 4090などの超高性能GPUを除いてはCore i7 / i9と大差ない点も魅力です。マルチスレッド性能が重要な処理を多用する訳ではないなら、実用コスパは非常に優れたCPUです。

以前は同じコア構成を持つ「Core i5-13500/14500」との価格差が1万円以上あり、「Core i7-14700F」との価格差も小さかったために微妙な選択肢でしたが、新世代の登場や第13・14世代の電力面の不具合問題(特にK付き)のことが恐らく影響し、価格が一気に落ちて4万円前後になったことで、総合コスパで魅力度が増しました。

依然として、安くない価格ながらPコアが6コアしかない点や、Core i5というミドルレンジの名称から想像されるよりは消費電力が多い点は注意が必要ですが、2024年10月時点では割と悪くない選択肢だと思います。

最も注意すべきはやはり電力面で、最大ターボ電力は181Wとなっており、標準設定では冷却に問題が無ければこの値を維持します。65Wで基本稼働するCore i5-14400などと比べると格段に高く、12cmファン1基レベルのクーラーだとやや厳しい点は要注意です。空冷でも対応は可能ではありますが、高性能なものが要求される点は留意しておく必要があります。

14位

Core i5-13500/14500

参考価格

14500:37,480円~
13500:37,480円~

※リンクは14500のもの

おすすめ度 :★4.0+

マルチコア性能 ★4.0 | ゲーム ★4.25 | 発熱・消費電力 ★4.25 | 価格 ★3.75

良い点
  • 比較的安価(3万円台後半~)
  • 3万円台で14コア
  • 非常に優れたマルチスレッド性能コスパ
  • 発熱・消費電力が少ない
  • 優れたワットパフォーマンス
気になる点
  • 採用PCが少なめ
  • シングルスレッド性能は高くはない
スペック表
CPU名称Core i5-14500/13500(F)
PassMark約 32,600
動作クロックPコア:2.5/2.6 – 4.8/5.0GHz
Eコア:1.8/1.9 – 3.5/3.7GHz
コア/スレッド
14コア(6P+4E)/ 20スレッド
L2キャッシュ11.5MB
L3キャッシュ24MB
TDP65W – 154W
内蔵GPUIntel UHD Graphics 770

14コアで3万円台の超高コスパCPU

「Core i5-13500/14500」は14コアで3万円台というコスパの良さが魅力のコスパ特化CPUです。下位の13400/14400よりもEコアが4つ多いという感じですが、価格差はわずか数千円なので、マルチスレッド性能コスパが非常に良いです。3万円台とは思えないマルチスレッド性能を発揮します。

13500と14500の違いはクロックがわずかに向上したくらいなので、安い方で構いません。一応、第14世代では冷却効率が若干向上しているかもという話があるので、同額なら14500の方が良いかな程度です。

14コアという多コアCPUですが、ベース電力は65Wの低消費電力&低発熱で非常に扱いやすいのも良いです。12cmファン1基の空冷で十分に冷やすことができます。ただし、14コアの性能を標準のベース電力65Wでは最大限引き出すことは難しいと思われるので、フル活用したいなら電力制限の解除(調整)と、少し高性能なクーラーが必要な点には注意です。

その他の注意点としては、マルチスレッド性能の高さの割にはやや控えめなゲーミング性能となっている点があります。これは、コア仕様は旧世代「Alder Lake」を引き継いでいる(コアあたりのキャッシュ量から推測)ためです。そのため、ハイエンドGPU使用時のゲーム性能は上位モデルにやや劣る可能性があります。この価格のCPUがハイエンドGPUと組み合わせられることはあまりないため、こちらは実質的には大した問題ではありませんが、一応注意です。

そして、それよりも厄介な難点は、導入選択肢の少なさです。このCore i5の500番台というのは従来ほぼ自作専用に近い立ち位置のCPUとなっており、BTOや既製品PCで標準採用となることが少なく、カスタマイズでも選べないことが多いです。そのため、CPUの性能と価格のみのコスパ評価は1位を狙えるレベルですが、導入のしやすさを考えてやや低めの評価にしています。

とはいえ、低価格PCでコスパ特化なら非常におすすめできる、超高コスパCPUです。

15位

Ryzen 7 8700G

おすすめ度 :★3.75

マルチコア性能 ★3.75 | ゲーム(グラボ) ★3.75 |内蔵GPU ★4.5 | 発熱・消費電力 ★4.25 | 価格 ★2.5

良い点
  • 内蔵GPU性能が非常に高い(GTX 1650に迫る性能)
  • 発熱・消費電力が少ない
  • 非常に優れたワットパフォーマンス
  • AM5の長期サポートが期待できる
  • ゲームではAFMF(手軽に使えるフレーム生成機能)があるため、内蔵GPUでも意外と対応範囲広め
気になる点
  • マルチスレッド性能コスパは悪め
  • やや高価(5万円前後)
  • メモリはDDR5のみ対応
  • 内蔵GPU性能はメモリ性能に大きく左右される
  • グラボ用のPCIeレーンがx8なので、ハイエンドGPUには向かない
  • L3キャッシュ容量が少ない
  • 高性能GPUのボトルネックに少しなり易い(グラボ利用時のゲーム性能が低め)
スペック表
CPU名称Ryzen 7 8700G
PassMark約 32,100
動作クロック4.2 – 5.1GHz
コア/スレッド
8コア/ 16スレッド
L2キャッシュ8MB
L3キャッシュ16MB
TDP65W – 88W
内蔵GPURadeon 780M
(RDNA 3 / 12CU)

GTX 1650に迫る高性能内蔵GPUが魅力のAPU

「Ryzen 7 8700G」は高性能な内蔵GPU搭載が魅力のCPUです。重いゲーム・動画編集を意識しないなら非常に汎用性の高いCPUです。

このCPUの魅力はやはり内蔵GPUです。RDNA 3アーキテクチャの「Radeon 780M」のゲーム性能は「GTX 1650」にも迫るレベルになっており、内蔵GPUとしては非常に高性能です。メモリの仕様や設定次第では上回ることもあります。軽いゲームなら非常に快適ですし、やや重めくらいのゲームにもある程度対応することが可能となっています。また、先代のRyzen 5000Gでは対応していなかった、AV1コーデックのデコードおよびエンコードにも対応した点も大きいです。

ベースがノートPC向けのCPUだったこともあり、消費電力や発熱が少なく、クーラーも高性能なものが必要ない点も嬉しいです。一応クーラーは付属もしています。

ただし、注意なのはCPU性能と価格です。マルチスレッド性能が最新の8コアCPUの割には低く、Core i5-14400やRyzen 5 7600Xをやや上回る程度になっています。それでいて価格は5万円台中盤と高価なので、CPU性能コスパは悪いです。そのため、CPU性能やコスパを重視するならあまり適さないCPUという点は注意が必要です。

とはいえ、性能自体は高性能な部類ではありますし、他の競合モデル(このレベルの内蔵GPUを搭載したデスクトップ向けCPU)が2024年2月時点ではほぼ居ないので、多少高くても需要はあるのかなと思います。

また、一つ下位の「Ryzen 5 8600G」とどちらが良いのか迷う方も多いと思いますので、そちらも少し触れておきます。8700Gと8600Gの主な違いは、CPUのコア数が8→6、GPUコア数も12→8になる点です。特にGPUのコア数差が大きいのが気になる点だと思いますが、8600Gでも意外とコア数差ほどの性能能低下はなく、マイナス2割程度までに留まっています。そのため、高いCPU性能を求める訳でないなら、8600Gの方が実用コスパは少し上になると思うので、CPU性能も出来るだけ高くしておきたいなら8700G、内蔵GPUさえそれなりに使えればOKという場合には8600Gという感じで、用途や好みに応じて選択すると良いと思います。

16位

Core i7-14700K(F)

参考価格

K:58,880円~
KF:55,480円~

おすすめ度 :★3.75

マルチコア性能 ★4.75 | ゲーム ★4.75 | 発熱・消費電力 ★1.5 | 価格 ★2.25

良い点
  • 20コアによる非常に優れたマルチスレッド性能
  • Core i9とも同等の非常に優れたゲーミング性能
  • 優れたコスパ
気になる点
  • 高価(約5.6万円~)
  • 発熱・消費電力が非常に多い(※不具合あり)
  • ワットパフォーマンスは悪め
スペック表
CPU名称Core i7-14700K(F)
PassMark約 53,600
動作クロックPコア:3.4 – 5.6GHz
Eコア:2.5 – 4.3GHz
コア/スレッド
20コア(8P+12E)/ 28スレッド
L2キャッシュ28MB
L3キャッシュ33MB
TDP125W – 253W
内蔵GPUIntel UHD Graphics 770
※末尾Fは無し
注意:第13世代・14世代のCore(K付き)の電力設定不具合による問題

※この「Core i7-14700K」を含む「第13・14世代のCore i5 / i7 / i9」は標準設定では仕様を超えた高負荷状態で稼働してしまう?不具合があり、特にK付きでは報告例が多いです。

そのまま使い続けるとCPUに回復不可能なダメージが入ることにより、動作が不安定になったり、使用を始めた当初よりもパフォーマンスが低下する問題などが報告されています。対策済みのBIOSが各社マザーボードで提供されている他、この問題を回避用に用意された「Intel Baseline Profile」を設定したり(既存PCではBIOS更新が必要)、電力・電圧・クロックなどを各自調整することで回避は可能なようですが、BIOSを自分でいじりたくないという人は避ける方が賢明です。また、この問題を受けて評価を少し下げてランキング順位も落としました。


20コアでCore i9にも大きく近付いたCore i7

第14世代のCore i7のK付きモデルです。20コア(8P+12E)による非常に高いマルチスレッド性能と優れたコスパが魅力です。

第14世代のCore i9よりも2万円以上安価ながら、Pコアの数は同じ8でキャッシュ容量差もわずかなので、ゲームではCore i9とほとんど変わらない高い性能を発揮するのが大きな魅力です。

全体のコア数も第14世代のCore i9とEコア4つ分しか変わらず、このCore i7でも十分すぎるマルチスレッド性能を発揮できるので、トップクラスのゲーム性能を維持しつつ、マルチスレッド性能も価格が上がりすぎない程度でこだわりたい人におすすめ出来るCPUです。

しかし、消費電力および発熱が非常に多い点は注意です。通常運用には240mm以上の水冷が推奨な他、電源容量も多く要求されるので、CPU価格以外の費用も増えるのが難点です。

処理性能コスパだけ見れば評価は高いCPUですが、電力面の評価は悪いですし、第13,14世代ではその面で割と致命的な不具合もあったりしたので、それを考慮して総合評価は下げました。

ただし、多すぎる消費電力や発熱が気になる方は、電力設定値を少し下げて対応することも可能なので、選択肢として覚えておくと良いです(一応自己責任)。割とがっつり電力を減らしても性能への影響は意外と小さかったりして、逆に効率は向上したりするので、安心・実用コスパ重視の運用なら多少減らすのもおすすめです。

17位

Core i9-14900K(F)

参考価格

K:85,980円~
KF:83,980円~

おすすめ度 :★3.5

マルチコア性能 ★5.0 | ゲーム ★4.75 | 発熱・消費電力 ★1.25 | 価格 ★1.75

良い点
  • 24コアによる驚異的なマルチスレッド性能
  • 非常に優れたゲーミング性能
気になる点
  • 非常に高価(9万円弱~)
  • 発熱・消費電力がものすごく多い(※不具合あり)
  • ワットパフォーマンスは悪め
  • 24コア中Pコアは8コアのみ
スペック表
CPU名称Core i9-14900K(F)
PassMark約 61,400
動作クロックPコア:3.2 – 6.0GHz
Eコア:2.4 – 4.4GHz
コア/スレッド
24コア(8P+16E)/ 32スレッド
L2キャッシュ32MB
L3キャッシュ36MB
TDP125W – 253W
内蔵GPUIntel UHD Graphics 770
※末尾Fは無し
注意:第13世代・14世代のCore(K付き)の電力設定不具合による問題

※この「Core i9-14900K」を含む「第13・14世代のCore i5 / i7 / i9」は標準設定では仕様を超えた高負荷状態で稼働してしまう?不具合があり、特にK付きでは報告例が多いです。

そのまま使い続けるとCPUに回復不可能なダメージが入ることにより、動作が不安定になったり、使用を始めた当初よりもパフォーマンスが低下する問題などが報告されています。対策済みのBIOSが各社マザーボードで提供されている他、この問題を回避用に用意された「Intel Baseline Profile」を設定したり(既存PCではBIOS更新が必要)、電力・電圧・クロックなどを各自調整することで回避は可能なようですが、BIOSを自分でいじりたくないという人は避ける方が賢明です。また、この問題を受けて評価を少し下げてランキング順位も落としました。


処理性能は非常に高いが、消費電力と発熱面が気になるハイエンドCPU

第14世代のCore i9のK付きモデルです。合計24コア(8P+16E)による驚異的なマルチスレッド性能を実現した超ハイエンドCPUです。前世代の「Core i9-13900K(F)」も処理性能は少ししか変わらないのでほぼ同評価ですが、第14世代では冷却効率が少し改善した様子があるので、同額ならこの14900Kの方が良いです。

この「Core i9-14900K(F)」はあらゆる面でトップクラスの性能を発揮するハイエンドCPUです。個人用途では、性能を最大限有効活用する方が難しいレベルの高性能CPUですが、予算が潤沢な場合には雑に選択されることも多いCPUだと思います。

しかし、その高性能さと引き換えに消費電力および発熱がものすごく多い点は要注意です。最大ターボ電力は253Wと非常に高い上、Core i9では冷却に余裕があればもう少し負荷を上げる機能が標準搭載されているので、実際には253Wを上回る可能性もあります。CPUクーラーと電源への要求は非常に高くなる点は重々理解する必要がありますし、PCケースの排熱性も要チェックとなります。また、価格が8万円前後~と非常に高価なのももちろんネックです。

あらゆる面でトップクラスの性能は非常に魅力的ですが、非常に高価な上に、電力面でもかなり扱いにくいので、性能重視でも真っ先におすすめできるかは微妙なCPUです。更に2万円前後高価にはなるものの、電力と効率面では「Ryzen 9 7950X3D」の方が格段に有利ですし、ゲーム性能も大して変わりません。そことIntelというブランドをどれだけ重視するかというCPUになると思います。


雑感

Intelの「Core Ultra 200S」シリーズが遂に登場しましたが、ゲーム性能は正直残念な感じでした。前世代にも届いておらず、Ryzen 9000 非X3Dモデルにも負けており、X3Dには大敗という結果です。

電力・温度面ではかなりの改善が見られたので、不具合の悪印象を払拭する意味では良かったと思いますし、NPU搭載や内蔵GPU性能の向上も、将来への布石としては期待できる側面ではあります。

ただし、現状の主要な用途では対抗製品に対して優位性がほとんど見えないので、あえて選ぶ必要があるCPUかと言われると微妙なところです。NPUも、ゲーミングPCなら高性能グラボでAI処理に対応ができるであろうことを考えると、メリットをあまり感じないことも大きいです。

一応、ゲーム性能は意図した性能ではないらしく、年内にはある程度改善する予定らしいですが、元の性能を見る限りはRyzen X3Dに追い付く可能性は低そうに見えるので、ゲームメインの場合に優先順位がトップクラスになる可能性はやはり低そうです。

また、発売直後のCPU価格が非常に高価な上、マザーボードも高価なZ890しかないことも厳しいです。そのため、少なくともK無しモデルと安価なマザーボードが登場するまでは、大幅な刷新を含んだ新世代の割には影の薄い存在になりそうな気がします。

30 COMMENTS

とねりん:管理人

コア数なども間違っていましたね…。ご指摘ありがとうございます。修正いたしました。

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