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有機EL(OLED)のメリット・デメリット【ざっくり解説】

最近スマホでもかなり増えてきた有機EL(OLED)ディスプレイのメリットとデメリット(強みと弱点)について説明しています。さくっと見れるように、構造や仕組みの話はかなりざっくりにしています。

※調光方法について追記

仕組みをざっくり解説

まずは仕組み(構造)についてです。2020年の主なディスプレイの駆動方式は「液晶」と「有機EL(OLED)」となっています。それぞれについて順番に見ていきます。違いを意識して見て貰えると良いかと思います。

液晶

まずは液晶ディスプレイの仕組みについて見ていきます。

大まかな仕組みは上記のような形になっています。多くの層を用いてバックライトの光を調整する仕組みです。「液晶ディスプレイ」という名前から液晶が発光しているような印象も受けますが、実は光源はバックライトを頼っています。仕組み的には光を調整する機能のみを持っているようなイメージと捉えて貰えると分かり易いかもしれません。

また、画像だとバックライトの光が層を通過させるだけのようにも見えますが、実際には表示する映像が変わる度に液晶の配向(向きの調整)をする必要があるなど、表示を変更する度にそのための時間が少し掛かります。

上記で触れた辺りが有機ELとの主な仕様の差の部分となります。この差がもたらすメリットやデメリットについては後述していきます。

有機EL(OLED)

次に、有機EL(OLED)ディスプレイの仕組みを見ていきます。

大まかな仕組みは上記のような形になっています。光源にバックライトを利用する液晶とは違い、通電することで素子自ら発光します。そのため、バックライトのような別の光源が無い他、光の複雑な調整も必要ないため、液晶よりも必要な層が少ないです。詳しくは後述しますが、この性質によって液晶と様々な違いが生まれています。

ちなみに、有機ELという言葉は、実は発光現象を伴う物質を広く指します。そのため、有機ELディスプレイに一般的に利用されるOLED他にも種類があります。ただし、最も身近で見掛ける事が多いのがOLEDを用いた有機ELディスプレイのため、「有機ELOLED」のような感じで使われることも多いです。本記事でも単に有機ELと書いている場合でもOLEDを指しますので、ご了承ください。

メリット

液晶ディスプレイと比較して、有機EL(OLED)の方が良い点(メリット)を説明しています。

有機EL(OLED)ディスプレイの良い点

  • 薄型化に適している
  • 明暗の表現に優れ、黒が綺麗(コントラスト比が高い)
  • 視野角が広い
  • 応答速度が速い
  • 黒の表示が多い場合消費電力が少ない(黒の表示に電力を必要としない)
  • 曲げられる
  • 常時点灯(部分点灯)が可能
  • 画面内での指紋認証に対応


薄型化に適している

液晶の場合はバックライトが必要となるのに対し、有機ELは素子自体が発光するためバックライトが必要ないので、液晶より薄くする事ができます。関連して、ベゼル幅もより狭くする事もできます。これによって、薄くてベゼル幅の狭い見た目のかっこいいスタイリッシュなディスプレイにしやすいです。

明暗の表現に優れ、黒を綺麗に表現できる(コントラスト比が高い)

有機ELはコントラスト比が高く、明暗をはっきりを表現する事ができます。黒さ(暗さ)を発光量により調節できるため(真っ黒の場合は完全に発光しない)、完全な黒を忠実に表現できます。それに対し液晶は、黒を表現する場合にもバックライトは発光しており、光を出来るだけ通さないようにしているだけなので、遮光しきれなかった光のせいで少し白っぽくなってしまいます。この差は隣に並べてみると一目瞭然で、例えば夜景の写真を見る際などには、描写にかなり差が出ます。

コントラスト比の高い液晶パネルもある(VAパネル)

液晶ディスプレイでも、VAと呼ばれるパネルのものはバックライト光をほぼ完全に遮断する事ができるため、コントラスト比が高く、黒の表現も得意です。

視野角が広い

液晶ディスプレイは、バックライトの光を利用し、色はカラーフィルター等を通して付けるという形になっています。そのため、見る角度によって透過する光の量などが異なり、色の見え方も変わってしまうという欠点があります。影響の少ない液晶パネルもありますが、見る角度によって色の見え方が違ってくるのは液晶ディスプレイの共通の特徴です。

それに対し、有機ELは素子自体が最初から色付きで発光する上、光の向きなどは調整されていないため、見る角度によって色が大きく変わったり見えにくくなったりする事はありません

応答速度が速い

有機ELディスプレイは素子自体が発光するので、通電するだけで表示ができます。そのため、応答速度が速いです。それに対し液晶パネルは、液晶の配向(光を調整する準備)に少し時間が掛かってしまいます。

黒の表示が多い場合の消費電力が少ない

有機ELは、完全な黒に対しては通電が行われない分、液晶よりも消費電力が少ないです。その差は使用状況によって異なるので、具体的に言うのは難しいですが、特にダークモードなどを利用する場合には、液晶よりは省電力となります。

曲げられる

液晶はバックライトが必要で、その他にも光の調整のための多くの層が含まれているので、硬い材質で固定する必要があります。対して有機ELは、素子自体が発光するためバックライトが必要なく、液晶に比べ必要な層が少ないため、曲げられる仕様にする事が可能となっています。

ただし、実現は簡単ではない
有機ELの仕様上「曲げる」事が可能は確かに可能です。ただし、ディスプレイ機器として成立するためには、表示画面だけでなく、筐体や基板なども必要なる事が普通です。それらも全て含めて「曲げる」ようにするのはハードルが高いです。2019年10月現在では、ようやく市場に初登場するかというレベルです。

常時表示(部分表示)が可能

常時表示は、簡単に言うと、スリープ時にも時刻や通知などを常に表示させる事が出来る機能です。常時部分表示と言った方が分かり易いかもしれません。有機ELは、完全な黒は通電させずに表現するので、たとえば文字や数字表示以外を全て黒にすれば、ごくわずかの消費電力で常に表示が可能な訳です。今でもスマホを時計代わりに使用する人は多いかと思いますが、その場合スリープを解除するための操作が必要となっていましたが、それが必要なくなるという訳です。

対して液晶はバックライトを必要とするため、画面を全て表示か全て非表示かの二択となるため、消費電力を極小にして常時表示させる事はほぼ不可能となっています。

画面内での指紋認証に対応

有機ELは、画面内の指紋認証を可能にする事がさほど難しくありません。液晶は必要な層が多い上、バックライトも必要という仕様上、外側からの光を十分に透過させる事が難しいため、画面内の指紋認証の実現が難しいです。

液晶でも対応を可能にしたという発表も

ただし、2019年8月頃に中国メーカーが液晶で画面内での指紋認証を可能にしたという発表があったので、未知数ではありますが、近年中にもしかしたら一般化される可能性もあります。

デメリット

有機EL(OLED)ディスプレイの悪い点

  • 液晶より製造コストが高い
  • 継続使用や時間経過で劣化する
  • 焼き付きが発生する
  • 輝度(光量)を高くすると劣化が早まる
  • 基本的にPWM調光を使用するため、フリッカー発生率が高い
  • 電力が液晶がより多いケースもある(状況による)


液晶より製造コストが高い

有機ELは液晶よりも製造コストが高く、採用ディスプレイは価格が高いです。

劣化する

素子自体が発光する有機ELは、液晶よりも劣化が早いです。具体的な影響は、変色したようになったり、特定の色の表示が苦手になってしまったりなどです。使用頻度にもよりますが、それなりの頻度の使用で2年も経てば、新品とは違う感じになっていると思った方が良いと思います。対策として、「同じ画面表示を続けない」「画面を付けっ放しにしない(こまめにオフにする)」などが必要になります。

2019年現在では、有機ELは長期間使うものとしては正直不向き、と言わざるを得ないと思います。

焼き付きが発生する

劣化と関連した話になります。有機ELは、同じ画面の表示を続けたり、特定の色を長く表示させたりすると焼き付きが発生する可能性があります。具体的には、長く表示させていた画像などがずっと残像にように残ったままになったり、特定の色を多く表示させたりしていると、薄っすらと変色したように焼き付く事があります。

ただし、新しいOSでは有機ELの焼き付きへの対策機能などが組み込まれていたりもするようなので、もしかしたら近年中に改善が見られる可能性もあります。とはいえ、ソフトウェア側でいくら頑張っても大幅な長寿命化には繋がらない気がします。

輝度(光量)を高くすると劣化が早まる

有機ELは液晶のバックライトとは違い、小さな素子が発光します。最大輝度(光量)自体は十分屋外でも視認可能なレベルまで上げることは可能ですが、それをすると劣化が早まってしまうというデメリットがあります。使えなくなる訳ではないですが、長期的に優れた色の再現性を求める人には嫌な部分です。

基本的にPWM調光を使用するため、フリッカー発生率が高い

有機ELディスプレイは調光方式に基本的にPWMを使用しているのが特徴の一つです。PWM調光とは、輝度の低い瞬間を高速で挟み込むことによって明るさを制御する方式です。PWM調光の問題点は、この高速な切り替えによってフリッカー(チラつき)が発生することです。チラつきの程度や個人差はありますが、フリッカーは眼精疲労などに繋がる恐れがあるので好ましくありません。

有機ELは素子そのもので輝度も調整するため、その調整が複雑で色の再現性を維持するのが難しいため、DC調光を採用することが難しいとされています。また、単純にPWM調光の方が有機ELの長寿命化の点で良いと思われることも要因だと思います。

しかし、PWMを使用しているからといって必ずフリッカーが問題になるとそうとは限らない点は留意です。輝度の切り替えの頻度を高くする(周波数を高くする)ことでフリッカーを認識しにくくしたり、輝度の下げ幅を小さくすることによって、フリッカーが発生はしているが悪影響はでない弱いチラつきにするなど、フリッカーへの影響を人体にほとんど問題ないレベルにした有機ELディスプレイも多数存在します。

そのため、問題となるかどうかは製品ごとによりますが、やはり最近の液晶と比べるとフリッカー発生率は高いので、注意すべき項目の一つとなっています。

液晶より電力を消費するケースもある(状況による)

これに関しては一概には言えないですが、場合によっては有機ELの方が液晶よりも消費電力が多くなる可能性がある点も注意が必要です。

スマートフォンでダークモードを使用する場合にはアプリでもダークモードが適用されたりするので、その場合に液晶に劣ることは少ないですが、その他のタブレットやPCの場合にはブラウザを用いたWeb閲覧や動画視聴が基本になると思います。そちらではダークモードを使用しても、サイト側ではほとんど白背景が多いと思うので、恩恵をあまり受けることが出来ない傾向があります。

それ以外でも、有機ELと液晶は表示の方法が全く異なるので、違いが出る可能性がある点は留意しておく必要があります。

まとめ:どっちがいい?

有機ELが液晶より優れている点と劣っている点をそれぞれ見てきました。最後にここまでの内容を踏まえて、どちらがいいのかを使用状況や用途別にまとめています。恐らくほとんどの人はスマホ基準で考えていると思うので、スマホでの使用視点で考えています。できるだけ多くの人に当てはまりそうなケースで考えてはいますが、あくまで個人的な意見なので、その点はご了承ください。

有機ELの方が良い場合

有機ELの方が良い場合
  • 映像のキレイさを重視
    ざっくり映像のキレイさという点に関して言えば、全面的に有機ELの方が有利です。液晶では色域の広さは製品によってかなりの差がありますが、有機ELは共通して色域は広いため、価格によってキレイさが変わるということを意識しなくて済みます。また、視野角による色の変化も気にする必要がありません。液晶の場合は、発光する部分(バックライト)と色のフィルターでわずかながら距離が離れてしまうため、見る角度によって色の見え方が異なる可能性があります(製品やパネルの種類によって差はある)。上記のような理由で、映像のキレイさや色の再現性を最重視するなら有機ELの方が強いです。
  • できるだけ薄型軽量が良い
    液晶はバックライトを画素と別に用意しないといけない時点で、仕組み上有機ELより薄型化という面では少し劣ります。そのため、有機ELディスプレイのデバイスの方が薄型という点では有利な傾向があります。ただ、液晶でも十分薄型のデバイスはたくさんあるので、結局は製品次第ではあります。
  • 有機EL特有の使いたい機能や端末がある
    有機ELには液晶では不可能な機能として、黒を背景にした部分的な画面表示や画面内の指紋認証、曲げられる仕様にできる点などがあります。それらの機能に魅力を感じる場合には、有機ELを選択する必要があります(ただし、該当機能が利用できるかどうかは製品次第なので事前に確認しておく必要がある)。

液晶の方が良い場合

液晶の方が良い場合
  • 長期間・長時間の使用がしたい
    有機ELは「劣化・焼き付きしやすい」「PWMを基本的に使用(フリッカーによる影響の懸念)」といった特徴があるため、長期間・長時間の使用を前提とする場合には避けた方が無難だと個人的に思っています。どちらも現在では対策が進んでおり、影響をほとんど気にしなくてもよい有機ELディスプレイも多いのですが、結局明確な影響を事前に確認することが困難な部分ですから、よほど有機ELの他の点に魅力を感じない限りは液晶の方が適していると思います。
  • 屋外での使用が多い
    屋外では屋内よりも高い輝度にしないと見づらいですが、有機ELは輝度を高くすると劣化や焼き付きが早まる傾向があるため、高い輝度で使用し続けるのは好ましくありません。そのため、屋外での使用が多い場合には液晶の方が適しています。また、ディスプレイにもよりますが、液晶では比較的少ない電力でもそこそこ明るいものがありますが、有機ELでそこそこ明るくて見やすい表示にするには、仕組み上ある程度の多く電力が必要となるのも理由の一つです。
  • できるだけ予算を安くしたい
    液晶より有機ELの方が製造コストが高く、価格も当然高いです。できるだけ予算を安く済ませたい場合は、液晶の方が良いでしょう。ただし、最近では有機ELもかなり安くなってきており、差は小さくなっています。

安定・無難な選択は?

あくまで個人的な意見と始めに言っておきます。ご了承くださいませ。現時点(2019年10月)での話ですが、液晶の方が安定・無難な選択になると思います。理由を端的にいうと、有機ELの方が、使用する際に煩わしさを感じる場面が多そうだからです。

有機ELのメリットは確かに凄く魅力的な部分も多いですが、その多くは液晶でも有機ELには及ばないまでも十分な性能を持っています(パネルの種類によるけど)。実際、多くの人は今まで特に不便を感じずに使ってきたはずです。それに対し、デメリットの部分である「劣化の早さ(焼き付きの可能性)」「屋外での使用に向かない」点は、今まで気を遣う必要が無かった部分が煩わしさとして出てきている事になります。自分が映像のキレイさなどをあまり重視しないタイプという事もありますが、気を遣う部分が増えるというのは間違いないはずなので、個人的にはどうかなと思ってしまいます。

繰り返しになりますが、あくまで個人的な意見です。かなり多くの事柄や条件が絡む問題なので、それぞれの人がメリット・デメリットを見て考える方が賢明かなと思います。


それでは、記事はここまでになります。ご覧いただきありがとうございました。

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