Intelの主流CPUシリーズのCore i シリーズと、AMDの主流CPUシリーズのRyzenシリーズの違いについてざっくり解説しています。(Core iの末尾Xシリーズや、Ryzen Threadripperシリーズは除外しています)
デスクトップPC向けの最新世代(2022年4月時点)のものを対象としています。
はじめに
デスクトップPC向けの最新世代CPUが対象
本記事は、PCの主流CPUの、IntelのCore i シリーズとAMDのRyzenシリーズ各種のデスクトップPC向けの最新世代のものを対象としています。
現在(2022年4月)の最新は「Core i」は第12世代(12000番台)で、「Ryzen」は第4世代(5000番台)です。
超ざっくり比較
まずは、細かい数値を見ていく前に「Core i」「Ryzen」の各性能についてざっくりとした比較を載せています。「なんとなく各シリーズの特徴を掴めれば」といった感じのかなりざっくりとした比較です。しっかりとした比較ではないため、そのことを頭の中に置いた上でご覧ください。
Core i 第12世代 | Ryzen 5000 | |
---|---|---|
マルチスレッド性能 (Cinebench R23) |
◎ (8172~27780) |
〇~◎ (11077~28641) |
シングルスレッド性能 (Cinebench R23) |
◎ (1679~2030) |
〇 (1504~1639) |
ゲーミング性能 ※高性能GPU使用時 |
◎ | 〇 ※Ryzen 7 5800X3Dのみ◎ |
価格 | 〇 (約13,800円~105,800円) |
〇 (約23,300円~85,800円) |
対応メモリ | DDR5-4800 DDR4-3200 |
DDR4-3200 |
内蔵GPU (3DMark Time Spy) |
×~△ (無~759) ※末尾FはGPU非搭載 |
×~〇 (無~1402) ※末尾GのみGPU搭載 |
付属クーラー | TDP:65W以下のみ付属 (性能は良くはない) |
TDP:65W以下のみ付属 (性能は良くはない) |
消費電力・発熱 (Cinebench動作時の消費電力) |
×~△ (~約297W) |
△~〇 (~約183W) |
まずは処理性能面のざっくり比較です。高効率コアの追加されたIntelのCore第12世代は性能が大幅に向上し、Ryzen 5000シリーズをほぼ全ての面で上回りました。
Core i シリーズ | Ryzen シリーズ | |
---|---|---|
コア数 | 4 – 16 コア | 6 – 16 コア |
スレッド数 | 16 – 24 スレッド | 12 – 32 スレッド |
マルチスレッド性能 Cinebench R23 |
◎ ~27796 |
〇~◎ ~28641 ※Ryzen 7は不利 |
シングルスレッド性能 Cinebench R23 |
◎ ~2030 |
〇 ~1639 |
ゲーミング性能 ※高性能な外部GPU使用時 |
◎ | 〇 ※Ryzen 7 5800X3Dのみ◎ |
※同モデルナンバー内での比較(Core i9とRyzen 9等)
※2022年4月現在で最新のCPUが対象(Core iは第12世代、Ryzenは第4世代)
※ゲーミング性能は高性能なGPU(グラフィックボード・ビデオカード)と同時に利用した場合のもの。
第12世代のCore iシリーズとRyzen 5000シリーズの処理性能は、ほぼ全面的にCore側が有利です。同価格帯だとCore側の方がシングル・マルチ性能ともに2割ほど上回っており、コスパでCore側が圧倒的に有利です。後述する消費電力面ではRyzen 9なら少し優れている点は一応あるものの、純粋な性能差がここまで大きくなってしまうと、あえてそこを重視してRyzenを選ぶ必要も小さいと思います(個人用途なら)。
- シングルスレッド性能
1スレッド(1コア)あたりの性能です。シングルスレッド性能が高いと、軽い処理の速さ(レスポンス)が良くなる他、基本的にどのような用途でも有利に働くため非常に重要です。
- マルチスレッド性能
CPUの全コア稼働時の処理性能です。マルチスレッド性能が高いと、動画エンコードやレンダリングなどの膨大な処理を必要とする作業で特に有利になる他、複数の処理を並行して行う場合などでも有利です。
元々は第12世代Coreの方が少し安価でしたが、対抗のRyzenが値下げを行った他に廉価モデルも追加したため、2022年4月時点ではRyzenの方が少し安価になっています。ただし、価格差はさほど大きくなく、搭載PCの価格の差もほとんど無いので、ほぼ同等と捉えて良いと思います。
Core i シリーズ | Ryzen シリーズ | |
---|---|---|
Core i9 / Ryzen 9 |
約 71,500~105,800円
|
約 63,300~85,800円 |
Core i7 / Ryzen 7 |
約 43,800~51,500円
|
約 42,800円~48,800円 |
Core i5 / Ryzen 5 |
約 23,000~39,000円
|
約 23,300円~32,500円 |
Ryzen 5000シリーズはDDR4しか対応していませんが、第12世代CoreはDDR4に加えてDDR5にも対応しているため有利です。なのですが、結論から言うと現状はそこまで気にしなくて大丈夫です。予算に余裕がある場合に検討するくらいで良いと思います。
そこまで気にする必要がない理由ですが、まずDDR5メモリは現状物凄く高価です。確認時点(2022年1月時点)では、DDR4-3200とDDR5-4800を比較すると、1GBあたりの価格は倍以上で販売されています。また、DDR5にすれば帯域幅が拡張され高速になりますが、多くのアプリケーションではパフォーマンスが大して変わらない(参考:https://www.techspot.com/review/2351-intel-core-i9-12900k/)ようです。。これは、現状の一般的な用途とCPUスペック上ではそもそもDDR4の帯域幅でも足りないような状況にならない可能性があることと、帯域幅は拡張されるものの、遅延に関してはやや増加してしまうことが要因と思われます。そのため、現状DDR4より大幅に高価なDDR5を無理に採用する必要性は小さく感じます。
もちろん性能は多少なり上がりますし、アプリケーションによっては大きめに向上しているものもあるので、予算に余裕があるなら導入しても全然良いとは思いますが、コスパを気にするなら、安くなるまでは無視しても良い要素だと個人的には思っています。
電力面についての比較です。まず、単純な消費電力の多さという点でいえば、Ryzen 5000シリーズの方が少ないです。例として、一部のTDP PL2(実質の最大消費電力の仕様値)の標準値を見てみると、「Core i9-12900K」が241Wなのに対し「Ryzen 9 5950X」は142Wです。「Core i7-12700K」が190Wなのに対し「Ryzen 7 5800X」は142Wです。大幅に違います。
ただし、Ryzen 9 を除けば、第12世代Coreの方が全面的に性能が大幅に上なので、消費電力は多いものの高い性能のおかげで電力効率は悪いというほどではありません。Ryzenよりもゲーミング性能やシングルスレッド性能も優れている点を考慮すると、Ryzen 9以外はIntelの方が若干有利かなという印象です。
また、第12世代Coreの中ではCore i7がやや良い電力効率を示しています。特にK無しモデル(例:Core i7-12700)に関しては消費電力はK付きよりもやや少なくなり、効率も良くなっています。性能もK付きより低下しますが、思ったより性能低下率が低いため、電力効率が優れています。
対して、性能が負けてしまったことで電力効率面で厳しいのがRyzenです。Ryzen 9のマルチスレッド性能と電力効率では未だに競争力を持っているものの、ゲーミング性能やシングルスレッド性能ではCore第12世代に大きく負けてしまっています。個人での大体の人のメイン用途はゲームであると思うので、第12世代Coreの方が魅力的なので、マルチスレッド性能と電力面での優位性があるにしてもRyzenの需要は限られると思われ、大抵の場合はCore第12世代の方が無難な選択になると思います。
実際に測定した消費電力と電力効率を示す表を載せています。青いバーがCore iシリーズで、オレンジ色のバーがRyzenを示しています。数値が低いほど良いという点と、厳密にはCPUのみの電力を測定している訳ではなく、主にCPUを利用する高負荷な処理でのシステム全体での電力の話という点に注意してください。
CPU名称 | 消費電力(Blender Opran Data) |
---|---|
Ryzen 5 5600X |
149W
|
Core i5-12400 |
162W
|
Ryzen 5 3600 |
165W
|
Ryzen 7 3700X |
172W
|
Core i5-10600K |
177W
|
Core i5-12600K |
217W
|
Ryzen 9 5950X |
221W
|
Core i5-11600K |
224W
|
Ryzen 7 5800X |
225W
|
Core i7-10700K |
227W
|
Ryzen 9 5900X |
242W
|
Core i7-12700 |
246W
|
Core i7-12700KF |
279W
|
Core i7-11700K |
291W
|
Core i9-12900K |
362W
|
CPU名称 | 総消費電力(参考値) |
---|---|
Ryzen 9 5950X |
10.5
|
Ryzen 9 5900X |
14.4
|
Core i7-12700 |
16.1
|
Ryzen 7 3700X |
16.9
|
Core i7-12700KF |
17.7
|
Ryzen 5 5600X |
17.9
|
Core i5-12600K |
18.2
|
Ryzen 7 5800X |
18.7
|
Core i5-12400 |
19.1
|
Core i9-12900K |
19.4
|
Core i7-10700K |
21.5
|
Ryzen 5 3600 |
22.2
|
Core i5-10600K |
24.4
|
Core i7-11700K |
24.6
|
Core i5-11600K |
26.6
|
付属クーラーについての比較です。Intel、AMD共に、TDPが65W以下のモデルのみ付属しています。付属クーラーは使えないことはないですが、基本的に性能は良くはなく、CPUの性能を最大限発揮するには力不足なことが多いので、あまりおすすめはされません。安価な別売りクーラーの方が性能(特に静音性)はずっと良いです。
ただし、Intelは第12世代からボックスクーラーを全て刷新しました。モデル(消費電力)によって異なるクーラーを用意し、上位モデルほど大型になります。また、刷新前よりも全体的に重量が増加しているため、ヒートシンクが強化されている様子です。見た目も以前よりは良く、堅牢な印象を受けます。詳しい検証はまだなので具体的な性能はまだ語れませんが、冷却性能に関しては以前よりは少し改善していると思われます。
項目 | Core i シリーズ | Ryzen シリーズ |
---|---|---|
冷却性能 | ? (推定:△~〇) |
△ |
静音性 | △ | △ |
付属モデルの多さ | 〇 | 〇 |
付属クーラーでも運用自体は可能なので「高負荷な処理はあまり行わず、静音性も低くても大丈夫」というなら特に問題ないかと思いますが、安価なクーラーでも別売りのものなら大分変わるので、長く使うつもりなら付属クーラーは避けるのをおすすめします。
また、これは現世代に限らないことですが、基本的にTDPが95W以上のモデルでは基本クーラーは付属しないため、別途の用意が必要な点は覚えておくと良いです。BTOなどの既製品のパソコンなら何かしらのクーラーが取り付けてあるとは思いますが、標準構成だと低性能なクーラーとなっているケースも多いので、事前にチェックしておく事をおすすめします。
内蔵GPUについてです。結論からいうと、Ryzenの方が少し良いです。ただし、どちらも重いゲーム等をするには現状はまだ厳しい性能なので注意してください。また、搭載モデルにも注意が必要です。
項目 | Core i シリーズ | Ryzen シリーズ |
---|---|---|
内蔵GPUの有無 |
ほぼ有
※一部モデルでは無効(末尾F) |
ほぼ無 ※末尾Gモデルのみ搭載 |
ゲーム性能 (3DMark Time Spy) |
無~759
|
無~1402 |
Core iシリーズでは末尾F(例:Core i7-12700F)でのみ非搭載で、Ryzenシリーズでは末尾G(例:Ryzen 5 5600G)でのみ搭載されています。また、これはデスクトップ用CPUの話で、モバイル端末向けのCPUでは基本全モデルにGPUが内蔵されているので、有無を気にする必要はありません。
外部GPU(ビデオカード、グラフィックボード)を利用しない場合には内蔵GPUが事実上必須となりますが、動画編集や重いゲームなどは厳しい性能です。内蔵GPUの性能も以前と比べると格段に向上しており、軽いゲームやFHD以下の簡易的な動画編集や高画質な動画鑑賞等では十分使える性能なので、クリエイティブでないビジネス用途やライトユーザーなら検討しても良いとは思いますが、ゲームや動画に興味があるなら外部GPUの搭載をおすすめします。
Core i:末尾F以外で搭載だが低性能
Core iシリーズでは基本的に内蔵GPUが搭載されています。ただし、末尾がFのモデルでは利用できないため注意が必要です(例:Core i7-12700F)。
ただし、性能は低く、外部GPU(ビデオカード、グラフィックボード)と比べると圧倒的に低いです。高画質な動画を観たり軽いゲームをしたりする程度なら十分な性能はありますが、重いゲームや4Kレベルの動画などを扱うなどの高負荷なグラフィック処理は厳しいです。そのような事をしたい場合には外部GPU(ビデオカード、グラフィックボード)がほぼ必須となります。
内蔵GPUがあることによる主なメリットは、PCにビデオカードを搭載せずに利用する場合や、多数の画面出力を行いたい場合などです。ビデオカードを搭載する前提のPC、たとえばゲーミングPCの場合には、内蔵GPUがあったとしても役立つケースはあまりないと思います。
Ryzen :末尾Gのみ搭載で内蔵にしては高い性能
デスクトップ版のRyzenではほとんどのモデルで内蔵GPUが搭載されていません。末尾がGのモデル(Ryzen APU)にのみ搭載されています(例:Ryzen 7 5700G)。内蔵GPUを利用したい人は末尾Gのモデルを選ぶようにする必要があります。また、デスクトップ用のAMDの内蔵GPU搭載モデル(APU)は、4000以降基本的にOEM向けの販売となっているため、CPU単体というよりは既製品のPCを購入する形が基本になると思います(CPU単体も一部ショップで販売されていたりはしますが)。
そのGPU性能は内蔵にしては高いものを持っています。そのため、少しでも性能の高い内蔵GPUが欲しい人や、ゴリゴリのゲーマーではないのでゲーミングPCを買うつもりはないけど、一応ある程度のグラフィック性能も持たせておきたい人にはRyzen APU(末尾Gの内蔵GPU搭載モデル)はおすすめです。
とはいえ、あくまで内蔵GPUなので、重いゲームや4Kレベルの動画などを扱うなどの高負荷なグラフィック処理は厳しいという点はIntel側と変わらないのは留意しておきましょう。
各モデルごとの比較【最新世代】
各モデルごとに、少し詳しく比較・解説しています。
Core i シリーズとRyzen シリーズは、「Core i9」には「Ryzen 9」、「Core i7」には「Ryzen 7」といったように、各モデルナンバーごとに対抗製品が存在します。
そのため、各対抗製品同士を比較することによって、両者の差をより分かり易く知る事ができます。
以下から最新シリーズ(第12世代のCore iとRyzen 5000)の主流製品をざっくりと比較しながら見ていきます。
- 第12世代Coreでは高性能コア(Pコア)と高効率コア(Eコア)の2種類のコアが搭載されていますが、クロックは高性能コアのものを掲載しています。
- Coreシリーズは末尾F、Ryzenは末尾G以外では内蔵GPUが利用できない点に注意。
- TDP(PL2)が実質の最大消費電力の目安です。PL1は、PL2を維持するには冷却や電力に問題がある場合に適用されます。また、省電力モデルでは冷却などに問題がなくてもPL2の継続持続時間に制限が設けられており、一定時間後にPL1に移行するようになっているモデルもあります。
Core i9 と Ryzen 9
Core i9およびRyzen 9は主流CPUにおける最上級モデルです。いわゆるハイエンドと呼ばれる区分に含まれ、ハイエンドの中でも最上位の製品群となります。
主流CPUとしてトップの性能を誇り、両者素晴らしい性能を持っています。その代わり価格は非常に高く、人気モデルの価格は7万円前後となっています(2022年4月時点)。
Core i9とRyzen 9の人気モデルを一部抜粋して比較しています。
CPU | Cinebench R23 Multi |
コア/ スレッド |
動作クロック (最大) |
TDP (PL1) |
TDP (PL2) |
クーラー の付属 |
コスパ | 参考価格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Ryzen 9 5950X | 28,641 | 16/32 | 3.4GHz(4.9GHz) | 105W | 142W | × | 0.334 | 85,800円 |
Core i9-12900KS | 27,796 | 16/24 | 3.4GHz(5.5GHz) | 150W | 241W | × | 0.263 | 105,800円 |
Core i9-12900K | 27,198 | 16/24 | 3.2GHz(5.2GHz) | 125W | 241W | × | 0.369 | 73,800円 |
Core i9-12900KF | 27,198 | 16/24 | 3.2GHz(5.2GHz) | 125W | 241W | × | 0.389 | 70,000円 |
Core i9-12900 | 26,455 | 16/24 | 2.4GHz(5.1GHz) | 125W | 202W | 〇 | 0.404 | 65,500円 |
Core i9-12900F | 26,455 | 16/24 | 2.4GHz(5.1GHz) | 125W | 202W | 〇 | 0.427 | 62,000円 |
Ryzen 9 5900X | 21,878 | 12/24 | 3.7GHz(4.8GHz) | 105W | 142W | × | 0.346 | 63,300円 |
CPU名称 | スコア |
---|---|
Core i9-12900KS |
2082
|
Core i9-12900K |
2002
|
Core i9-12900KF |
2002
|
Ryzen 9 5950X |
1639
|
Ryzen 9 5900X |
1622
|
CPU名称 | スコア |
---|---|
Ryzen 9 5950X |
28641
|
Core i9-12900K |
27796
|
Core i9-12900K |
27198
|
Core i9-12900K |
27198
|
Ryzen 9 5900X |
21878
|
Core i9(第12世代)とRyzen 9(5000シリーズ)は、電力面ではRyzenが少し優れていますが、処理性能やコスパではCore i9の方が全面的に優れています。
第12世代のCore i9は合計16コア24スレッドで、高性能コアと高効率コアが8個ずつという構成になっています(高性能コアが16スレッド)。スレッド数では32スレッドの「Ryzen 9 5950X」には負けていますが、シングルスレッド性能が大幅に優れていることもあり、マルチスレッド性能ではほぼ同じになっています。そのため大幅に安いCore i9の方がコスパは大幅に勝っています。
また、シングルスレッド性能が高いほどゲーミング性能が大幅に高い傾向があり、ゲーミング性能もCore i9の方が上です。なので、処理性能・コスパ面では全体的にCore i9の方が有利という状況になっています。
Ryzen 9側が唯一優れているのは、消費電力の少なさと電力効率です。「Ryzen 9 5900X / 5950X」はTDP PL2が142Wなのに対し、「Core i9-12900K(F)」のTDP PL2は241Wと遥かに多いです。100W程度の差があり、かなり大きな差になります。これだけ消費電力が多いと、電源ユニットやCPUクーラーにも十分に注意を払う必要があります。特にクーラーは大型の簡易水冷クラスが必須に近いと思います。
K無しのモデルでは多少消費電力や発熱が減るものの、それでもTDP PL2は202Wと非常に多くなっており、仕様的にRyzen 9よりは多くなることがほぼ間違いないので、消費電力の多さではやはりRyzen 9にまだ少し分があるのかなという印象です。
ただし、前述の処理性能の高さがあるため、Core i9も電力効率ならそこまで悪くはありません。やはり「Ryzen 9 5900X / 5950X」にはまだ届かないですが、ゲーミング性能やシングルスレッド性能では大きく優位な点を考えると、電力面よりも実際の使用感が上回るCore i9を選びたい人が多そうな印象を受けます。Ryzen 9の方が優先されるのは、断続的かつ長期間に高負荷なCPU作業を行う場合に限られると思います。
まとめとして、やはり処理性能の高さから見たコスパの良さが魅力の第12世代のCore i9が無難に見えます。特に、ゲーミング性能の高さの需要が凄く大きいと思うので、多少発熱や消費電力が多くてもCore i9を選択したい人が多いのかなと思います。Ryzen 9の唯一に近い強みである電力効率が重視されるのは、処理性能で同じくらいの場合に限られる気がします。サーバー用とか動画クリエイターの方とかなら別かもしれませんが。
やはり私も一般ユーザーとしてどちらか一方を選ぶとするなら、ゲーミング性能やシングルスレッド性能の高さによる汎用性の高さを重視してCore i9を選ぶ気がするので、よほどお得感のある価格差が無い限りはCore i9が安定だと思います。
Core i7 と Ryzen 7
Core i7およびRyzen 7は主流CPUにおける上級モデル(上から2番目)です。いわゆるハイクラスと呼ばれる区分に入ります。
価格はおおよそ4万円台~5万円となっています(2022年4月時点)。
非常に高い性能を発揮しつつも、価格はCore i9やRyzen 9ほど高くないため、コスパ重視の高性能PCで特に人気のシリーズとなっています。
Core i7とRyzen 7の人気モデルを一部抜粋して比較しています。
CPU | Cinebench R23 Multi |
コア/ スレッド |
動作クロック (最大) |
TDP (PL1) |
TDP (PL2) |
クーラー の付属 |
コスパ | 参考価格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Core i7-12700K | 22,812 | 12/20 | 3.6GHz(5.0GHz) | 125W | 190W | × | 0.438 | 52,000円 |
Core i7-12700KF | 22,812 | 12/20 | 3.6GHz(5.0GHz) | 125W | 190W | × | 0.460 | 49,580円 |
Core i7-12700 | 21,568 | 12/20 | 2.1GHz(4.9GHz) | 65W | 180W | 〇 | 0.490 | 43,980円 |
Core i7-12700F | 21,568 | 12/20 | 2.1GHz(4.9GHz) | 65W | 180W | 〇 | 0.514 | 41,980円 |
Ryzen 7 5800X | 15,245 | 8/16 | 3.8GHz(4.7GHz) | 105W | 142W | × | 0.319 | 47,800円 |
Ryzen 7 5800X3D | 15,003 | 8/16 | 3.4GHz(4.5GHz) | 105W | 142W | × | – | – |
Ryzen 7 5700X | 14,211 | 8/16 | 3.4GHz(4.6GHz) | 65W | ?W | 〇 | 0.332 | 42,800円 |
Ryzen 7 5700G | 14,041 | 8/16 | 3.8GHz(4.6GHz) | 65W | 88W | 〇 | 0.335 | 41,800円 |
CPU名称 | スコア |
---|---|
Core i7-12700K |
1939
|
Core i7-12700KF |
1939
|
Core i7-12700 |
1862
|
Core i7-12700F |
1862
|
Ryzen 7 5800X |
1594
|
Ryzen 7 5700X |
1522
|
Ryzen 7 5700G |
1517
|
Ryzen 7 5800X3D |
1491
|
CPU名称 | スコア |
---|---|
Core i7-12700K |
22812
|
Core i7-12700KF |
22812
|
Core i7-12700 |
21568
|
Core i7-12700F |
21568
|
Ryzen 7 5800X |
15245
|
Ryzen 7 5800X3D |
15003
|
Ryzen 7 5700X |
14211
|
Ryzen 7 5700G |
14041
|
Core i7(第12世代)とRyzen 7(5000シリーズ)は、ほぼ全面的にCore i7の方が有利です。シングルスレッド性能・マルチスレッド性能・ゲーミング性能等、ほぼ全ての性能でCore i7が大幅に上回っています(ゲーミングに関してはRyzen 7 5800X3Dのみ若干有利※後述)。
第12世代のCore i7は合計12コア20スレッドとなっており、高性能コアが8コア(16スレッド)、高効率コアが4コアという構成です。Ryzen 7は8コアだけなので、コア構成はCore i7の方が高効率コアが4つ単純にプラスされているという形になっています。シングルスレッド性能でも大きく負けている上、コア数でも負けているので、かなり大きな差がついています。
更に、シングルスレッド性能が大幅に負けている点からも推察できますが、ゲーミング性能も明らかにCore i7の方が有利となっています。それでいて価格は同じくらいなので、コスパもCore i7の方が大幅に優れています。正直Ryzen 7を選ぶ理由が見当たらないレベルです。
ただし、少し例外的なモデルとして「Ryzen 7 5800X3D」というモデルがあります。「Ryzen 7 5800X3D」は、3D V-Cacheというキャッシュメモリが搭載されており、これによって合計L3キャッシュが96MBと圧倒的な大容量となっており、特にゲーミング時に良い効果をもたらします。そのおかげでゲーミング性能だけはCore i7よりもわずかに良くなっています。とはいえ、その他の面が惨敗なので、基本的には古いRyzenを使っていた人が同じマザーボードのままCPUだけ換えたいという場合くらいしか、選択肢には挙がってこないのかなという印象です。
一応、消費電力の少なさではRyzen 7の方がやや有利ですが、やはり処理性能の差が大きく、電力効率はCore i7の方がわずかに良いため、電力面でもRyzen 7の方が良いとは言い難いです。元々Ryzen 7はRyzen 5000シリーズの中ではは電力効率が微妙な部類だったので仕方ない部分かもしれません。
それにそもそもこれだけ性能差が大きいと、Core i7側はRyzen 7より性能が劣らない範囲で電力制限やクロック制限などを行い、消費電力を減らすことも一応可能です(知識は必要ですが)。なので、性能と電力効率で上回れていない時点で、Ryzen 7側は正直勝ち目が全くないという感じだったりします。
といった感じで、第12世代のCore i7と第4世代(5000番台)のRyzen 7だと、Core i7のほぼ一択レベルになると思います。
Core i5 と Ryzen 5
Core i5およびRyzen 5は主流CPUにおける中級モデルです。いわゆるミドルレンジに区分されます。
中級とはいっても現在では十分に高性能で、「可・不可」でいえば不可能な事はないレベルの高性能さです。数年前のハイエンドCPUを大きく上回るレベルの性能を持っています。価格はやや幅が広く、おおよそ2万円台前半~4万円程度となっています。
Core i5とRyzen 5の人気モデルを一部抜粋して比較しています。
CPU | Cinebench R23 Multi |
コア/ スレッド |
動作クロック (最大) |
TDP (PL1) |
TDP (PL2) |
クーラー | コスパ | 参考価格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Core i5-12600K | 17,660 | 10/16 | 3.9GHz(4.9GHz) | 125W | 150W | × | 0.461 | 38,280円 |
Core i5-12600KF | 17,660 | 10/16 | 3.9GHz(4.9GHz) | 125W | 150W | × | 0.499 | 35,380円 |
Core i5-12400 | 12,454 | 6/12 | 2.5GHz(4.4GHz) | 65W | 117W | 〇 | 0.491 | 25,380円 |
Core i5-12400F | 12,454 | 6/12 | 2.5GHz(4.4GHz) | 65W | 117W | 〇 | 0.562 | 22,150円 |
Ryzen 5 5600X | 11,268 | 6/12 | 3.7GHz(4.6GHz) | 65W | 76W | 〇 | 0.346 | 32,500円 |
Ryzen 5 5600 | 11,077? | 6/12 | 3.5GHz(4.4GHz) | 65W | 88W? | 〇 | 0.385 | 28,800円 |
Ryzen 5 5600G | 11,077 | 6/12 | 3.9GHz(4.4GHz) | 65W | 88W | 〇 | 0.385 | 28,800円 |
Ryzen 5 5500 | ? | 6/12 | 3.6GHz(4.2GHz) | 65W | 88W? | 〇 | – | 23,300円 |
CPU名称 | スコア |
---|---|
Core i5-12600K |
1918
|
Core i5-12600KF |
1918
|
Core i5-12400 |
1716
|
Core i5-12400F |
1716
|
Ryzen 5 5600X |
1572
|
Ryzen 5 5600 |
1504
|
Ryzen 5 5600G |
1504
|
CPU名称 | スコア |
---|---|
Core i5-12600K |
17660
|
Core i5-12600KF |
17660
|
Core i5-12400 |
11448
|
Core i5-12400F |
11448
|
Ryzen 5 5600X |
11268
|
Ryzen 5 5600 |
11077?
|
Ryzen 5 5600G |
11077
|
まず言っておきたいのが、Core i5やRyzen 5と聞くと性能に不安を感じる人も居ると思いますが、今では十分に高性能と言えるレベルの性能を持っていることです。基本的に不可能なことは無いくらいの高性能さを持ちつつも価格が安いため、非常にコスパが良いです。
中でもゲーミングコスパが良い点は非常に魅力的です。基本的にゲーミング単体のコスパであれば5が一番強いです(特に安価なモデル)。たとえば、ゲーミングといえばCore i7 / Ryzen 7以上という印象の方は多いと思いますが、上位モデルとの決定的な差はコア数の差などによるマルチスレッド性能で、5はその点は上位モデルより半分以下だったりすることもありますが、ゲーミング性能に限れば話は別で、同じGPUであればゲームでのfpsが半分以下になることはまずないです。
前置きはここまでで、本題の比較に入ります。Core i5(第12世代)とRyzen 5(5000シリーズ)は、Core i5が全面的に有利です。シングルスレッド性能・マルチスレッド性能・ゲーミング性能の全てがCore i5の方が上です。それでいで価格は、上位モデルで同程度、下位モデルならCore i5の方が大幅に安いため、コスパは圧倒的にCore i5が上です。
また、第12世代のCore i5は、Core i7やCore i9以上にK付きとK無しモデルでの差が大きいのも要点です。第12世代のCore i5(K付き)は合計10コア16スレッドとなっており、高性能コアが6コア(12スレッド)、高効率コアが4コアという構成です。後述しますが、K無しだと高効率コアの無い6コア12スレッド構成となっているため、性能が大幅に低下します。第4世代(5000番台)のRyzen 5もK無しモデルと同じ6コアなので、コア構成はCore i5(K付き)の方が高効率コアが4つ単純に多いという形になっています。そのためマルチスレッド性能は第12世代のCore i5(K付き)の方が圧倒的に高いです。その性能はなんと、第11世代(前世代)のCore i9を上回るレベルです。Core i5という肩書きながらつい先日までのハイエンド級の性能を持っており、4万円未満で買える超高コスパCPUです。今まではCore i5内やCore i7内ではコア数が同じでしたが、「Core i5-12600K(F)」はCore i5の下位の6コアよりコア数が多く設計されており、ミドルレンジの中では一線を画す性能となっています。ただし、消費電力もミドルレンジにしてはかなり多いので、それなりのクーラーが必要となる点には注意が必要です。
対して、Core i5のK無しモデルは6コア12スレッドとなっており、K付きから高効率コア4つが省かれているため、マルチスレッド性能は大幅に下がります。ただし、それでもRyzen 5よりは少し高い性能ですし、価格に関してはRyzen 5やK付きよりも大幅に安いため、総合コスパが非常に良いです。消費電力もK付きよりは大幅に低くなっている点も扱い易く良いです。性能こそ上位モデルと比べると大幅に劣るものの、代わりにコスパ・価格の安さ・電力の3点が物凄く良くなっている、総合コスパ特化CPUとしてはかなり魅力的に仕上がっています。
といった感じで、総評としてはやはりCore i5を選ぶのが安定択だと思います。効率重視ならCore i5のK無し、性能重視ならCore i5のK付きが最適です。
Ryzen 5は最大消費電力では若干の優位性はあるものの、性能は劣りますし、このクラスのCPUなら消費電力の少しの差もあまり気にならないので、Ryzen 5を選ぶ方が良いケースはほぼないのかなと思います。
Core i3 と Ryzen 3(最新世代はCore i3のみ登場)
※デスクトップ版ではRyzen 3(5000シリーズ)が登場しなかったので、第12世代のCore i3のみの紹介となります。
Core i3およびRyzen 3は主流CPUにおける中の下くらいに位置するモデルです。いわゆるミドルレンジ下位くらいに区分されます。価格は安く、おおよそ1万円台前半~2万円程度となっています。
価格の安さが魅力のモデルなので、性能は高いとは言えないレベルです。コア数も4コアとなっていて、Core i5以上なら6以上と考えると、マルチスレッド性能は大幅に低くなります(2022年1月時点)。
とはいえ、Web閲覧やOffice作業などの軽作業であれば十分すぎるくらいの性能は持っています。その安価さのおかげで、特に重い作業をしないのであればコスパは良いです。性能自体は順調に向上しており、数世代前のCore i7クラスの性能を持っています。ゲーミング用途でも、上位モデルと比べると劣るというだけで普通に使えます。
とはいえ、価格差の割にCore i5やRyzen 5との性能差が大きいことと、CPUは一度導入すると交換が難しいことが気になるため、優先して選ばれることはあまりないです。少し予算をプラスしてCore i5やRyzen 5を買うだけで性能が大幅に上昇するため、「3を買うなら、少しプラスして5買った方がお得」というのが明らかなので、他モデルより人気は低めです。そのことをメーカーも承知しているのか、それとも単純に半導体を少しでも有効活用するためなのかは不明ですが、IntelもAMDもCore i3およびRyzen 3の販売にはあまり積極的ではない印象です。Ryzenの5000シリーズ、Core第11世代では追加がありませんでした。
Core i3とRyzen 3の人気モデルを一部抜粋して比較しています。
CPU | Cinebench R23 |
コア/ スレッド |
動作クロック (最大) |
TDP (PL1) |
TDP (PL2) |
クーラー の付属 |
コスパ | 参考価格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Core i3-12100 | 8,172 | 4/8 | 3.3GHz(4.3GHz) | 60W | 89W | 〇 | 0.484 | 16,880円 |
Core i3-12100F | 8,172 | 4/8 | 3.3GHz(4.3GHz) | 58W | 89W | 〇 | 0.584 | 14,000円 |
CPU名称 | スコア |
---|---|
Core i3-12100 |
1679
|
Core i3-12100F |
1679
|
CPU名称 | スコア |
---|---|
Core i3-12100 |
8172
|
Core i3-12100F |
8172
|
Ryzen 5000シリーズではRyzen 3は追加が無かったので、3モデルを検討するなら第12世代のCore i3一択です。
4コアのためマルチスレッド性能やゲーミング性能はやはり上位に大きく劣りますが、本体価格は非常に安い上、消費電力も非常に少ないのが魅力です。性能が低いというのも上位モデルに比べればの話で、数世代前のCore i7クラスの性能があり、軽作業は快適です。重い処理やゲームにも一応使えるくらいの性能はあるので、費用を出来るだけ抑えたいライトユーザーなら選択肢に入るかもしれません。ただし、少し予算をプラスしてCore i5やRyzen 5にするだけで性能が飛躍的に向上するので、少し頑張って5以上にした方がコスパは良いですし、後のことはどうなるかわからないのでその方が安心かなと正直思います。
コスパのみを見れば優秀に見えますが、実用性や将来性を加味すると、基本的には第一におすすめすることは無いと思うモデルです。
結局どっちが良い?
最後に「どっちが良いか?」という点について個人的なおすすめを述べています。あくまで参考までにご覧ください
第12世代のCore i5とCore i7が強い(特にK無し)
第12世代のCore i5とCore i7のコスパが非常に良いです。各種処理性能は前世代やRyzen 5000シリーズを大きく上回ります。特に、Core i5(K付き)が前世代のCore i9を超える性能だったのは驚きでした。
シングルスレッド性能やゲーミング性能の向上も大きいですが、やはり高効率コアの追加によるマルチスレッド性能の底上げが特に大きかったと思います。K付きの消費電力は相変わらずRyzenより多いものの、処理性能の爆発的な向上のおかげで電力効率は大きく改善しています。
後に追加された無印モデルでは性能はやや落ちるものの、消費電力と価格が少し低くなっており、コスパ重視としては非常に魅力的な選択肢です。
第12世代のCore i5とCore i7はどれも競争力のある仕上がりだと思いますが、個人的にはK無しのCore i7「Core i7-12700(F)」がコスパ的には一番良い気がします。他を選ぶなら、安さ重視なら「Core i5-12400(F)」、オーバークロックやもう少し性能を強化したいなら「Core i7-12700K(F)」という感じで選ぶのが定石になるのかなと思います。
性能特化ならCore i9は魅力的だけど、消費電力が多すぎる点に注意
第12世代のCore i9の処理性能は凄いです。24スレッドながら、32スレッドの「Ryzen 9 5950X」とほぼ同等のマルチスレッド性能というのは驚きですし、ゲーミング性能も非常に優れています。7万円という価格は高いものの、純粋なコスパはCore i7と比較しても凄く劣るというほどではありません。正直に言うと論外だった前世代(第11世代)のCore i9と違い、選ぶ価値のある性能・コスパだと思います。
ただし、その消費電力は相変わらず凄く多いです。本当に「爆熱」という感じです。処理性能の高さが物凄いので、我慢して使う価値は十分あるレベルにはなっていると思いますが、個人の実用性でいえばCore i7やCore i5でも必要十分な高い性能といえると思いますので、あえて扱い難いCore i9を選ぶ必要があるかどうかは検討する必要があると思います。そのため、第12世代Core i9は、価格の高さや扱い難さ度外視でとにかく高いパフォーマンスを追い求めたい人向けのCPUだと思います。
電力効率重視ならCore i7かRyzen 9
電力効率を重視するなら、第12世代のCore i7かRyzen 9 5000番台がおすすめです。ただし、Ryzen 9 5000番台はマルチスレッド処理時の電力効率は非常に良いですが、ゲーミング性能やシングルスレッド性能では第12世代Coreに負けるため、ゲーミング用途なら第12世代Core i7が無難かなと思います。
逆に、マルチスレッド処理を頻繁にたくさんこなす場合には、Ryzen 9の電力効率は第12世代Coreを大きく上回るのでおすすめです。また、APUという少し違うタイプのCPUになりますが、「Ryzen 7 5700G」というモデルもマルチスレッド処理時の電力効率は非常に優れているので、予算が気になる場合にはこちらもおすすめです(ただし、グラボ搭載時のゲーミング性能は少し落ちます)。
グラボ無しで運用するならRyzen(末尾G)やCore i(F以外)
もしグラボを利用せずにCPUの内蔵GPUで運用したいなら、Ryzen APU(末尾G)かCore i(末尾F除く)を選択する必要があるため注意してください。
また、現状(2022年1月時点)では内蔵GPUではデータ量の多い動画編集や重いゲームをやるには厳しいという点を留意してください。比較的軽いゲームやFHD以下の軽めの動画編集なら内蔵GPUでも良いと思いますが、そうでない前述のような重い処理をしたいなら、外部GPU(ビデオカード、グラフィックボード)の搭載を検討することをおすすめします。
内蔵GPUの性能比較についてですが、Ryzen APU(末尾G / 5000番台)の方が、第12世代のCoreシリーズよりも高いグラフィック性能を持っています。内蔵GPU性能重視なら強い選択肢です。第12世代Core iシリーズ世代搭載の内蔵GPU「UHD Graphics 770」も、10世代以前よりは強化されており対応力が上がっているものの、デスクトップ版のRyzen(末尾G)の内蔵GPUにはまだ届いていない状況です。
内蔵GPUとはいえ少しでも高い性能を求めるなら「Ryzen APU(末尾G)」をおすすめしますが、前述のようにどちらもデータ量の多い動画編集や重いゲームをやるには厳しい性能という点は忘れない様にしましょう。
それでは、内容はここまでとなります。ご覧いただきありがとうございました。
Ryzen3 3250UとRyzen5 4500Uのどちらを購入しようか検討しております。
用途としては初心者のword,excel練習用で、コスト重視です。
どちらがおすすめですか?
オフィス程度の軽作業なら、処理性能はRyzen 3 3250Uでも十分だと思います。
ただ、Ryzen 5 4500Uの方が処理性能は圧倒的に高く、電力効率も大幅に良いです。
長期利用を想定しており、バッテリー駆動時間も長い方が良い場合にはRyzen 5 4500Uの方がおすすめです。
コメントありがとうございます!
有益なご意見とても参考になります。
再度、検討致します。