Intelの主流CPUシリーズのCoreシリーズと、AMDの主流CPUシリーズのRyzenシリーズの違いについてざっくり解説しています。(Coreの末尾Xシリーズや、Ryzen Threadripperシリーズは除外しています)
デスクトップPC向けの最新世代(2024年7月1日時点)のものを対象としています。
はじめに
主にデスクトップPC向けの最新世代CPUが対象
本記事は、PCの主流CPUであるIntelのCoreシリーズとAMDのRyzenシリーズ各種の主にデスクトップPC向けの最新世代のものを対象としています。最新世代というのはアーキテクチャ同一(ベースが同じ場合も同世代として扱う)の場合としています。
現在(2024年2月2日時点)で最新モデルとして扱うのは、Coreは第13/14世代(Raptol Lake)で、「Ryzen」は7000/8000Gシリーズ(Zen 4)です。
ざっくり比較
まずは、細かい数値を見ていく前に「Core」と「Ryzen」の各性能についてざっくりとした比較を載せています。「なんとなく各シリーズの特徴を掴めれば」といった感じのものになります。
しっかりとした比較ではないため、そのことを頭の中に置いた上でご覧ください。
Core 第13,14世代 | Ryzen 7000 | Ryzen 8000G ※高性能内蔵GPUモデル | |
---|---|---|---|
コア Pコア:高性能コア Eコア:高効率コア | 4~24 コア Eコア:0~16コア | 6~16 コア | 4~8 コア |
スレッド | 8~32 スレッド Eコア:0~16スレッド | 12~32 スレッド | 8~16 スレッド |
マルチスレッド性能 Cinebench R23 | i9:32,600~40,000 i7:24,800~35,000 i5 K:24,700前後 i5 K無:14,500~20,000 i3:8,800 | Ryzen 9(16コア):35,700~38,500 Ryzen 9(12コア):25,000~29,500 Ryzen 7:18,500~20,000 Ryzen 5:15,000前後 | Ryzen 7:17,700 Ryzen 5:14,000 |
シングルスレッド性能 Cinebench R23 | i9:~2,317 i7:~2,174 i5 K:~2,060 i5 K無:~1,940 i3:~1,720 | Ryzen 9:~2,070 Ryzen 7:~2,010 Ryzen 5:~1,980 | Ryzen 7:1,800 Ryzen 5:1,780 |
ゲーミング性能 ※ハイエンドGPU使用時 | i7 / i9:◎ i5(K付き):〇~◎ i5(無印):△~〇 i3:△ | X3D:◎ その他:〇 | △ |
参考価格 ※2024年5月時点 | Core i9:~91,980円 Core i7:~66,980円 Core i5:~49,800円 Core i3:~23,800円 | Ryzen 9:~99,800円 Ryzen 7:~52,800円 Ryzen 5:~32,480円 | Ryzen 7:~51,370円 Ryzen 5:~25,770円 Ryzen 3:OEMのため不明 |
対応メモリ ※公式サポート | DDR5-5600※ DDR5-4800 DDR4-3200 ※Core i5 K付き以降 | DDR5-5200 | DDR5-5200 |
内蔵GPU 3DMark Time Spy | ×~△ 無~800程度 ※末尾FはGPU非搭載 | △ 2CU:720程度 | ◎ 780M:3,300程度 760M:2,850程度 740M:2,100程度 |
付属クーラー ※BOX版 | TDP:65W以下のみ付属 ※一部例外あり (性能は良くはない) | TDP:65W以下のみ付属 ※一部例外あり (性能は良くはない) | 基本付属 ※一部例外あり (性能は良くはない) |
消費電力 Blender Testの消費電力 | Ryzenより悪い ~約287W ※不具合もある(後述) | Coreより良い ~約237W | 非常に少ない ※省電力モデルしかない ~約88W |
まずは処理性能面のざっくり比較です。タイトルの通りで、Core i9 / Ryzen 9の最上位モデル同士と、Core i5 / Ryzen 5の下位モデル同士の比較なら同等レベルですが、その他は基本Coreが有利です。Coreの方がEコアを搭載する分でコア数に優位性があり、マルチスレッド性能差が大きいモデルがあるためです。特に、Core i7 / Ryzen 7 同士の比較では、Eコア8個~12個分もの差があり、マルチスレッド性能差がすごく大きいので、第13、14世代Coreの方が有利です。7モデルは特に人気なので、そこで有利なCoreの優位性は大きいですし、他モデルについても性能は同等レベルなので、CPU性能重視ならCoreが無難な選択肢となっています。
第13、14世代Core ※Core i5以上 | Ryzen 7000 | Ryzen 8000G ※高性能内蔵GPU搭載 | |
---|---|---|---|
コア数 Pコア:高性能コア Eコア:高効率コア | 10~24 コア Eコア:4~16コア | 6~16 コア | 4~8 コア |
スレッド数 | 16~32 スレッド Eコア:4~16スレッド | 12~32 スレッド | 8~16 スレッド |
マルチスレッド性能 Cinebench R23 | Core i9 は同等 i9:32,600~40,000Core i7以下では基本有利 i7:24,800~35,000 i5 K:24,700前後 i5 K無:14,500~22,000 i3:8,800 | 良くて同等 Ryzen 9(16コア):35,700~38,500負けるモデルが多い Ryzen 9(12コア):25,000~29,500 Ryzen 7:18,500~20,000 Ryzen 5:15,000前後 | 一段劣る Ryzen 7:17,700 Ryzen 5:14,000 |
シングルスレッド性能 Cinebench R23 | Ryzenより大きめに有利 i9:~2,350i7:~2,230 i5 K:~2,100 i5 K無:~1,880 i3:~1,720 | Coreよりやや不利 Ryzen 9:~2,070Ryzen 7:~2,010 Ryzen 5:~1,980 | 一段劣る Ryzen 7:1,800 Ryzen 5:1,780 |
ゲーミング性能 ※ハイエンドGPU使用時 | i7 / i9:◎ i5(K付き):〇~◎ i5(無印):△~〇 i3:△ | X3D:◎ その他:〇 | △ |
※同モデルナンバー内での比較(Core i9とRyzen 9等)
※2024年2月時点で最新のCPUが対象
※ゲーミング性能は高性能なGPU(グラフィックボード・ビデオカード)と同時に利用した場合のもの。
性能比較のポイントは「Eコア」です。第13,14世代Coreは通称「Eコア(高効率コア)」と呼ばれる、小型で低消費電力に特化した高効率コアを多数搭載しており、マルチスレッド性能を大きく底上げしています。
これに対しRyzen 7000は高性能コア(通称:Pコア)しか搭載していません。Pコアの数はRyzen 7以下では第13,14世代Coreと同じのため、Ryzen 7以下はCoreにEコア分の差で負けている点がポイントです。そのため、マルチスレッド性能は、Ryzen 7以下では基本Coreの方が有利という状況になっています。
ただし、Core i5下位(400番台と500番台)については、コアの仕様が旧世代の「Alder Lake」を恐らく引き継いでいる(キャッシュ量から推測)ため、Pコアの性能はRyzen 5(7000シリーズ)よりも少し劣っているため、Eコア有利分を含めても最終的なマルチスレッド性能は同等クラスの性能となっている点は注意です。また、ゲーム性能についてはEコアは大して恩恵がないのが現状なので、コア構成での大きな差はありません。
上述の理由で、コスパと安さを重視で、特にCore i7 / Ryzen 7 を検討する場合には、第13,14世代Coreが無難です。Core i5 / Ryzen 5に関しても、Core i5の14コアモデル(500~600番台)ならCoreの方が有利で、10コアモデル(400番台)ならRyzen 5と性能は同等レベルなので、基本的に7以下のモデルを検討する場合にはCoreを選ぶのが無難な選択肢という感じになっています。
ただし、Ryzenの「3D V-Cache」搭載の「X3D」モデル(例:Ryzen 9 7950X3D)なら、ゲーミング性能はCore i9に匹敵するレベルになるため話が変わる他、後述のワットパフォーマンスやソケット(チップセット)のサポート期間ではRyzenの方が有利のため、長期でしっかり使いたい場合にはRyzenが有利になる場合もある点は留意しておいて損はないと思います。
性能だけを見ればCoreが下回るケースがほとんど無いので安定には見えますが、その他の面はCoreの方が劣ることが実は多いので、表向きの性能よりも効率や長期利用の実用性を重視したい場合にはRyzenの方が実はおすすめできます。
また、Ryzen 8000Gシリーズは高性能内蔵GPUが特色のモデルのため、CPU性能だけで見れば他モデルより一段低く、コスパも良くないです。
後付けですが、以下にシングルスレッド性能とかマルチスレッド性能とかのざっくりとした説明を載せておきますので、ご存じない方は参考程度にご覧くださいませ。
- シングルスレッド性能1スレッド(1コア)あたりの性能です。シングルスレッド性能が高いと、軽い処理の速さ(レスポンス)が良くなる他、基本的にどのような用途でも有利に働くため非常に重要です。
- マルチスレッド性能CPUの全コア稼働時の処理性能です。マルチスレッド性能が高いと、動画エンコードやレンダリングなどの膨大な処理を必要とする作業で特に有利になる他、複数の処理を並行して行う場合などでも有利です。シングルスレッド性能と違い、用途によっては高くても恩恵をほとんど感じない要素という点に注意。
- ゲーミング性能文字通りゲームをする際の性能。ただし、内蔵GPUではなく、高性能なグラボ(ハイエンド)と併用した際のものです。ゲームのフレーム生成の主体はGPU(グラボ)で、CPUではない点に注意です。高性能なグラボを使用する際には、GPUの足を引っ張らないように高性能なCPUが必要になるという感じです。
モデルによって多少の差異はあるものの、競合モデル同士の価格は基本5,000円以内程度に収まっており、大差はないです。ほぼ同等と言って良いレベルかなと思います。
ただし、Ryzen 7 以下についてはCoreの方がコア数が多くてマルチスレッド性能がやや高いので、コスパは基本Coreの方が勝ります。
下記が2024年3月15日時点でのおおよその市場価格です。
第13,14世代Core | Ryzen 7000 | Ryzen 8000G | |
---|---|---|---|
Core i9 / Ryzen 9(16コア) | 86,700円~91,980円 | 79,800円~88,800円 | – |
Core i7 / Ryzen 9(12コア) | 57,250円~66,980円 | 55,700円~59,800円 | – |
Core i5(K) / Ryzen 7 | 45,200円~49,800円 | 41,800円~45,800円 | 約51,370円 |
Core i5(無印) / Ryzen 5 | 31,770円~39,460円 | 29,800円~32,480円 | 25,770円~35,460円 |
Core i3 / Ryzen 3 | 17,800円~23,800円 | 未登場 | OEM限定のため不明 |
時期によって多少の前後はありますが、価格は同等程度です。
よって、基本的に「9」モデルを検討する場合は、メーカー信頼度重視ならCore i9、効率重視ならRyzen 9という選択で、「7」モデルの場合はCore i7ほぼ一択、「5」モデルを検討する場合は、選べるならCore i5の14コアモデル(13500/14500)が最もコスパが良く、10コアモデル(13400/14400)の場合はRyzen 5と同等レベルの性能なのでどちらでも良いですが、ハイエンドGPU利用時のゲーム性能やサポート期間がRyzenの方が少し有利なので、お得なものがあるならRyzen 5の方が若干おすすめです。
また、Ryzen 8000Gシリーズは高性能内蔵GPUが特色のモデルで、Coremには2024年2月時点では対抗モデルがありません。比較対象は居ませんが、価格は他の同シリーズよりもやや高いのに、CPU性能はやや劣るので、CPU性能のコスパは悪いです。そのため、内蔵GPUを大きな魅力を感じなければ基本的に検討することはないモデルになると思います。
メモリについては、Ryzen 7000/8000GシリーズはDDR5しか対応していないのに対し、第13,14世代CoreはDDR5に加えてDDR4にも対応しています(DDR4とDDR5は互換性がなく、マザーボードによって決まるので注意)。
2023年10月現在ではまだDDR5の方がやや高価なので、安価な選択肢があるDDR4の方が有利と言えますが、帯域幅については現在のDDR4の主流がDDR4-3200なのに対し、DDR5は基本DDR5-4800~ですから、大幅にDDR5の方が上回ります。
用途によって有利不利は変わってくると思いますが、現状の多くのアプリケーションではパフォーマンスが大して変わらない(参考:https://www.techspot.com/review/2351-intel-core-i9-12900k/)という検証結果もあるため、特にメモリの帯域幅が重要な処理を行う場合や、将来性を見据えたい場合でなければ、DDR4でも現状大きく劣る場面はほぼないようです。そのため、DDR4も予算節約を重視する場合には選択肢に入ります。
とはいえ、これから出てくるCPUはDDR5に統一されていくと思いますし、消費電力が若干下がっているというメリットもあり、大分価格も下がってきているので、将来性も加味すれば出来ればDDR5の方が個人的にはおすすめです。
電力面についての比較です。これはRyzen 7000の方が有利です。
メーカーによって名称は異なるものの、最近のCPUの電力設定は基本的に、TDP(PL1/ベース電力)とTDP(PL2)という二つの値によって制御されており、この数値を見ることで大体の消費電力がわかります(正確とは言えないですが)。下記に表を載せているのでそちらを見てみましょう。基本的にTDP(PL2)を実質の最大消費電力と見ると良いです。
第13,14世代Core | Ryzen 7000/8000G | ||||
---|---|---|---|---|---|
※Coreの末尾Fは省略 | 末尾 | PL1 | PL2 | PL1 | PL2 |
Core i9 / Ryzen 9 | K / X,X3D | 125W | 253W | X:170W X3D:120W | X:230W X3D:162W |
無印/G | 65W | 219W | 65W | 88W | |
Core i7 / Ryzen 7 | K / X,X3D | 125W | 253W | X3D:120W 105W | X3D:162W 142W |
無印/G | 65W | 219W | 65W | 88W | |
Core i5 / Ryzen 5 | K/X | 125W | 181W | 105W | 142W |
無印/G | 65W | 148W~ | 65W | 88W | |
Core i3 / Ryzen 3 | 無印/G | 58W~ | 89W | 65W | 88W |
また、やや抜けはありますが、実測の電力テストの結果も併せて載せておきます(海外レビュー参考)。
CPU名称 | 消費電力 |
---|---|
Ryzen 5 5600X | 61W |
Ryzen 7 5700X | 61W |
Core i5-12400F | 64W |
Core i5-13400F | 65W |
Core i5-12600 | 67W |
Ryzen 7 7800X3D | 77W |
Ryzen 7 7700 | 82W |
Ryzen 7 5800X3D | 90W |
Ryzen 5 7600X | 115W |
Ryzen 9 5950X | 117W |
Core i5-12600K | 121W |
Ryzen 7 5800X | 125W |
Ryzen 9 5900X | 126W |
Ryzen 7 7700X | 138W |
Ryzen 9 7950X3D | 140W |
Core i7-12700K | 167W |
Core i5-14600K | 174W |
Core i5-13600K | 189W |
Ryzen 9 7900X | 200W |
Core i9-12900K | 244W |
Core i7-13700K | 252W |
Ryzen 9 7950X | 254W |
Core i9-13900K | 276W |
Core i7-14700K | 279W |
Core i9-14900K | 282W |
CPU名称 | 1Wあたりのスコア |
---|---|
Ryzen 9 7950X3D | 253.3 |
Ryzen 7 7800X3D | 232.7 |
Ryzen 7 7700 | 231.6 |
Core i5-13400F | 228.3 |
Ryzen 7 5700X | 223.0 |
Ryzen 9 5950X | 221.1 |
Core i5-12400F | 188.2 |
Ryzen 5 5600X | 186.3 |
Core i5-12600 | 178.3 |
Ryzen 9 5900X | 169.7 |
Ryzen 9 7950X | 158.4 |
Ryzen 7 5800X3D | 157.1 |
Ryzen 9 7900X | 152.2 |
Core i5-12600K | 148.7 |
Ryzen 7 7700X | 146.9 |
Core i5-14600K | 145.3 |
Core i9-14900K | 139.0 |
Core i7-12700K | 138.6 |
Ryzen 5 7600X | 136.2 |
Core i9-13900K | 130.5 |
Core i7-14700K | 126.2 |
Core i5-13600K | 125.1 |
Core i7-13700K | 121.4 |
Ryzen 7 5800X | 116.9 |
Core i9-12900K | 110.8 |
上述の表を見ると、消費電力ではRyzenの方が全体的に少なく、効率でもRyzenの方が良いことがわかります。電力面ではRyzenの方が有利です。特に、CoreのK付きの電力面は悪いですし、下記のような問題(後述)も出てきているので、出来れば避けるか、自分でBIOSの設定をいじれる人のみが検討するようにしましょう。
更に、第13・14世代のCore(K付き)では、電力設定の不具合で仕様よりも高い負荷で動作する不具合があるようで、そのまま使い続けるとエラーが出たり動作が不安定になったり、CPUにダメージが入る(要確認)ことにより使用を始めた当初よりもパフォーマンスが低下する問題などが報告されています。マザーボードのBIOS提供によって、この問題を回避用に用意された「Intel Baseline Profile」を設定したり(既存PCではBIOS更新が必要)、電力・電圧・クロックなどを各自調整することで回避は可能なようですが、BIOSを自分でいじりたくないという人は避ける方が賢明です。
ただし、7以下のモデルでは、Core i5 / i7の方が合計コア数が多く、マルチスレッド性能で基本上回るため、効率という面ではRyzen有利とは言い切れません。電力のみに焦点を当てればRyzen有利なのは確かですが、性能が高いほど処理を早く終えることができる分の時間が節約できるなどのメリットもありますし、Core i7 / Ryzen 7 以下ほどの性能差があると、Core側が最大電力設定を多少下げてもマルチスレッド性能では優位に立つことが出来る事情もあるため、そのあたりの設定が出来る前提での評価なら7以下ではCoreの方が優勢です。
ただし、CoreもK無しモデルに関しては電力面も悪くないので、特にネックとなりません。
特に、7以下のモデルでは、Coreの方が合計コア数が多く、マルチスレッド性能が基本高いため、効率という面を考えればRyzen有利とは言い切れない点はポイントです。
「消費電力の多さ」のみに焦点を当てればRyzen有利なのは確かですが、性能が高いほど処理を早く終えることができますから、時間が節約できるなどのメリットもありますし、マルチスレッドで大きく有利の場合、Core側が最大電力設定を多少下げれば同等以下の消費電力で性能も同等以上を維持できたりするので、そのあたりの設定が出来る前提での評価なら7以下ではCoreの方が優勢です。
付属クーラーについての比較ですが、CoreとRyzenのどちらともTDP(PL1)が65W以下のモデル(KやXが付かないモデル)のBOX品において付属します(一部例外モデルもあるので事前に要チェック)。TDPが65Wを超えるモデルについては付属しないため注意してください。
省電力モデルにしか付属しないことからも推測できますが、CPU付属クーラーは基本的に冷却性能が低いです。これはIntelもAMDも共通です。使えれば良いというレベルのもので、静音性と冷却性は共に良くはないので、その点は留意した上で使用するか検討する必要があります。特に、BTOや既製品を購入する場合には初期構成では付属クーラーの場合もあるため、事前の確認は必要です。
別売りの2,000円~程度の安価なクーラーでも大きく性能が向上するため、出来れば別途用意することを個人的にはおすすめしますが、静音性の低ささえ気にならないなら問題はないレベルだと思います。
内蔵GPUについては、グラフィックボードを搭載する場合には基本気にする必要がない部分ですが、搭載しない場合には重要です。GPUを搭載しないモデルもあるので、必要な場合には事前のチェックを忘れずにしましょう。
現行モデルの内蔵GPUの性能は、Ryzen 8000Gがズバ抜けて高性能となっています。Coreには2024年2月時点では対抗できるモデルが無いため、実質的に独壇場となっています。各性能はざっくり下記のようになっています。
項目 | 第13,14世代Core | Ryzen 7000 | Ryzen 8000G |
---|---|---|---|
内蔵GPU名 | UHD Xe Graphics 770 UHD Xe Graphics 730 ※730はCore i5 400番台以下 | Radeon Graphics (RDNA2 / 2CU) | Radeon 780M(12CU) Radeon 760M(8CU) Radeon 740M(4CU) |
内蔵GPUの有無 | ほとんどのモデルで選択可能 ※末尾Fモデルが非搭載 | ほぼ全モデル搭載 ※Ryzen 5 7500Fのみ非搭載 | 全モデル搭載 |
ゲーム性能 3DMark Time Spy | 低性能 700~800 程度 | 低性能 720 程度 | 高性能 780M:3,300程度 760M:2,850程度 740M:2100程度 |
内蔵GPUの性能は、Ryzen 8000Gシリーズがズバ抜けて高いです。先代のRyzen 5000GのVegaからRDNA 3アーキテクチャへと世代が一気に更新し、性能が飛躍的に向上しました。
上位の「Ryzen 7 8700G」搭載の「Radeon 780M」のゲーム性能は「GeForce GTX 1650」という少し前のエントリーグラボに迫るレベルにまでなっており、軽いゲームなら非常に快適ですし、やや重めのタイトルも設定など次第である程度動かせるレベルになっています。更に、2024年1月下旬に「AFMF」というフレーム生成機能がRadeon(RDNA 2以降)で非常に手軽に利用できるようになったので、実質性能的なところで言えば少し前のミドルロークラスにまで到達するレベルで、重いゲームでも設定さえ調整すれば普通に60fps以上で遊べちゃうという凄い内蔵GPUになっています。
動画編集もFHD以下程度のものなら思ったより不自由なく対応できるレベルで、Ryzen 5000Gでは対応していなかったAV1コーデックのデコード・エンコードに対応した点も大きいです。高いレベルを求めないなら、CPU一つでやや重めのグラフィック処理も一通り対応できる、非常に汎用性の高いCPUとなっています。
「Ryzen 7 8700G」の一つ下位の「Ryzen 5 8600G」の「Radeon 760M」だとGPUコア数が12→8へと減少するため、どちらにするか迷う人が多いと思いますが、760Mでも性能低下は思ったよりも小さくて2割程度に留まるので、CPU性能が多少低くても良いなら、8600Gでも意外と実用性面での差はあまり無いと思います。
Ryzen 8000Gシリーズは、ベースがノートPC向けのCPUなので、消費電力・発熱も少なくて扱い易いこともあり、「Ryzen 7 8700G」と「Ryzen 5 8600G」はライトユーザーには非常に魅力的なCPUだと思います。
ただ、より下位の「Ryzen 5 8500G」以下ではGPUは4コアの「Radeon 740M」になるため性能は大きく低下するだけでなく、CPU面でも小型のコアが採用される関係で性能が下がる点に注意が必要です。更には、グラボ用のPCIeレーンがx4しか用意されていないので、後からグラボを増設して利用ということもほぼ不可となっている点に注意が必要です。
価格は安くなりますし、内蔵GPU性能も思ったよりも高い(760Mの7割~程度)ので、今後は内蔵GPUで全てを乗り切っていくと割り切れるならコスパはめちゃくちゃ良いです。とはいえ、内蔵GPU性能も上位と比べると頼りなさはありますし、グラボがほぼ増設不可というリスクもあるので、ビジネス・オフィス向けPCとしては需要がありそうですが、個人向けとしてはそこまで人気にはならないのかなと思います。
最後に、Ryzen 8000Gシリーズ以外のモデルの内蔵GPUですが、総じて3DMark Time Spy Graphicsスコアが700~800程度の最低限の性能です。ただ、どのモデルもAV1デコードには対応しているので、動画視聴での不自由はないのでその点は安心して大丈夫です。
しかし、性能自体は低く、ゲームは軽いものなら動かせる程度で、動画編集もFHD以下の非常に軽い処理のみを少しだけやるなら使える程度です。内蔵GPUを利用する目的なら、Ryzen 8000Gシリーズ一択です。
各モデルごとの比較【最新世代】
各モデルごとに、少し詳しく比較・解説しています。
Core シリーズとRyzen シリーズは、Core i9にはRyzen 9、Core i7にはRyzen 7といったように、各モデルナンバーごとに対抗製品が存在します。
そのため、各対抗製品同士を比較することによって、両者の差をより分かり易く知る事ができます。
以下から最新シリーズ(第13,14世代のCoreとRyzen 7000)の主流製品をざっくりと比較しながら見ていきます。
- 第14、13世代Coreでは高性能コア(Pコア)と高効率コア(Eコア)の2種類のコアが搭載されていますが、クロックは高性能コアのものを掲載しています。
- Coreシリーズ,Ryzen 7000シリーズは末尾F、Ryzen 5000シリーズは末尾G以外、では内蔵GPUが利用できない点に注意。
- TDP(PL2)が実質の最大消費電力の目安です。PL1やベース電力は、PL2を維持するには冷却や電力に問題がある場合に適用されます。また、省電力モデルでは冷却などに問題がなくてもPL2の継続持続時間に制限が設けられており、一定時間後にPL1に移行するようになっているモデルもあります。
Core i9 と Ryzen 9
Core i9およびRyzen 9は主流CPUにおける最上級モデルです。いわゆるハイエンドと呼ばれる区分に含まれ、ハイエンドの中でも最上位の製品群となります。
主流CPUとしてトップの性能を誇り、両者素晴らしい性能を持っています。その代わり価格は非常に高く、人気モデルの価格は8~10万円程度となっています(2024年2月時点)。
CPU名 | マルチ スレッド | シングル スレッド | ゲーミング※ | 消費電力 発熱 | |
---|---|---|---|---|---|
![]() | Core i9(第13,14世代) 24コア32スレッド 13900K、14900K 等 | ||||
![]() | Ryzen 9(7000番台) 12/16コア 24/32スレッド 7900X、7950X 等 | ||||
![]() | Ryzen 9(5000番台) 12/16コア 24/32スレッド 5900X、5950X 等 |
Core i9とRyzen 9の人気モデルを一部抜粋して比較しています。
CPU | Cinebench R23 Multi | コア/ スレッド | 動作クロック 定格/最大 | TDP (PBP/PL1) | TDP (PL2) | コスパ | 電力効率 | 参考価格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Core i9-14900K | 40,581 | 24/32 | 3.2 / 6.0GHz | 125W | 253W | 0.447 | 162.8 | 91,980円 |
Core i9-14900KF | 40,581 | 24/32 | 3.2 / 6.0GHz | 125W | 253W | 0.459 | 162.8 | 89,800円 |
Core i9-13900K | 38,889 | 24/32 | 3.0 / 5.8GHz | 125W | 253W | 0.436 | 157.9 | 90,850円 |
Core i9-13900KF | 38,889 | 24/32 | 3.0 / 5.8GHz | 125W | 253W | 0.457 | 157.9 | 86,700円 |
Core i9-14900 | 24/32 | 2.0 / 5.8GHz | 65W | 219W | 89,980円 | |||
Core i9-14900F | 24/32 | 2.0 / 5.8GHz | 65W | 219W | 86,470円 | |||
Ryzen 9 7950X | 38,657 | 16/32 | 4.5 / 5.7GHz | 170W | 230W | 0.484 | 168.1 | 79,840円 |
Ryzen 9 7950X3D | 35,769 | 16/32 | 4.2 / 5.7GHz | 120W | 162W | 0.403 | 220.8 | 88,800円 |
Core i9-13900 | 32,605 | 24/32 | 2.0 / 5.6GHz | 65W | 219W | 0.364 | 148.9 | 89,680円 |
Core i9-13900F | 32,605 | 24/32 | 2.0 / 5.6GHz | 65W | 219W | 0.378 | 148.9 | 86,200円 |
Ryzen 9 7900X | 29,516 | 12/24 | 4.7 / 5.6GHz | 170W | 230W | 0.494 | 128.3 | 59,800円 |
Ryzen 9 7900X3D | 27,084 | 12/24 | 4.4 / 5.6GHz | 120W | 162W | 0.404 | 167.2 | 66,980円 |
Ryzen 9 7900 | 25,062 | 12/24 | 3.7 / 5.4GHz | 65W | 88W | 0.450 | 284.8 | 55,700円 |
Ryzen 9 5950X | 28,641 | 16/32 | 3.4 / 4.9GHz | 105W | 142W | 0.415 | 201.7 | 69,000円 |
Core i9-12900K | 27,198 | 16/24 | 3.2 / 5.2GHz | 125W | 241W | 0.409 | 112.9 | 66,480円 |
Core i9-12900KF | 27,198 | 16/24 | 3.2 / 5.2GHz | 125W | 241W | 0.420 | 112.9 | 64,800円 |
Core i9-12900 | 26,455 | 16/24 | 2.4 / 5.1GHz | 125W | 202W | 0.354 | 130.1 | 74,800円 |
Core i9-12900F | 26,455 | 16/24 | 2.4 / 5.1GHz | 125W | 202W | 0.442 | 130.1 | 59,800円 |
Ryzen 9 5900X | 21,878 | 12/24 | 3.7 / 4.8GHz | 105W | 142W | 0.366 | 154.4 | 59,800円 |
CPU名称 | スコア |
---|---|
Core i9-14900K | 40581 |
Core i9-13900K | 38889 |
Ryzen 9 7950X | 38657 |
Ryzen 9 7950X3D | 35769 |
Ryzen 9 7900X | 29516 |
Ryzen 9 5950X | 28641 |
Core i9-12900K | 27198 |
Ryzen 9 7900X3D | 27084 |
Ryzen 9 7900 | 25062 |
Ryzen 9 5900X | 21878 |
CPU名称 | スコア |
---|---|
Core i9-14900K | 2288 |
Core i9-13900K | 2250 |
Ryzen 9 7950X | 2072 |
Ryzen 9 7950X3D | 2043 |
Ryzen 9 7900X | 2041 |
Ryzen 9 7900X3D | 2041 |
Core i9-12900K | 2002 |
Ryzen 9 7900 | 1964 |
Ryzen 9 5950X | 1639 |
Ryzen 9 5900X | 1622 |
コスパ重視ならCore i9、電力面重視ならRyzen 9 7950系
まず「Core i9 /Ryzen 9」の基本的な傾向としては、処理性能コスパではわずかにCore i9が有利で、電力面ではRyzen 9の方が有利といった感じです(2024年5月時点の最新モデル)。
以下から、各モデルについてざっくりと触れていきます。
Core i9:マルチスレッド性能は凄いが、電力面はかなり悪いし、コアの大部分はEコア
更に、第13・14世代のCore(K付き)では、電力設定の不具合で仕様よりも高い負荷で動作する不具合があるようで、そのまま使い続けるとエラーが出たり動作が不安定になったり、CPUにダメージが入る(要確認)ことにより使用を始めた当初よりもパフォーマンスが低下する問題などが報告されています。マザーボードのBIOS提供によって、この問題を回避用に用意された「Intel Baseline Profile」を設定したり(既存PCではBIOS更新が必要)、電力・電圧・クロックなどを各自調整することで回避は可能なようですが、BIOSを自分でいじりたくないという人は避ける方が賢明です。
ただし、7以下のモデルでは、Core i5 / i7の方が合計コア数が多く、マルチスレッド性能で基本上回るため、効率という面ではRyzen有利とは言い切れません。電力のみに焦点を当てればRyzen有利なのは確かですが、性能が高いほど処理を早く終えることができる分の時間が節約できるなどのメリットもありますし、Core i7 / Ryzen 7 以下ほどの性能差があると、Core側が最大電力設定を多少下げてもマルチスレッド性能では優位に立つことが出来る事情もあるため、そのあたりの設定が出来る前提での評価なら7以下ではCoreの方が優勢です。
Core i9はK付きを前提として見ていきます。
まず、第13,14世代のCore i9は24コア32スレッドという仕様です。その性能はどの方面から見てもトップクラスです。
シングルスレッド性能・マルチスレッド性能はRyzen 9を少し上回り、ゲーム性能も「Ryzen 9 7950X3D / 7900X3D」とは同等クラスですが、X3D以外のRyzenはやや上回っています。
単体価格やBTOショップの価格も対抗のRyzenより少し安価な傾向があるので、予算を気にしない人には雑に採用されることもあるモデルです。
ただし、24コアの内の16コアはPコアより低性能なEコア(小型で低消費電力に特化した高効率コア)な点は一応注意です。
ゲームにおいてはPコアが8コアあれば現状はネックにはならないですし、実際にそれが大きな悪影響を及ぼしている印象はないものの、対抗のRyzenは全てPコアなのでその心配がありません。マルチスレッド性能も同等クラスで、後述の電力面でもRyzenの方が優れているので、安定性を求めるならRyzen 9の方がおすすめではあります。
先に話が出ましたが、K付きのCore i9は電力面がかなり悪い点は特に要注意です。標準設定のMTP(最大の消費電力)は253Wとなっており、それだけでもかなりの消費電力ですが、Core i9には余裕があれば更に負荷を上げる機能(Thermal Velocity Boost)が標準では有効になっているので、もっと増えたりします。
そのため、標準設定で使うと爆熱でワットパフォーマンスも悪いCPUです。実は、2024年4月頃から一部のユーザーから導入当初よりもパフォーマンスが低下したという事例も確認されており、この電力面の悪さが原因で劣化しているのではないかという懸念も出たりしています。
マザーボードメーカーから該当の問題を回避するためのBIOS設定が提供されたりしていますが、そのモードでは電力が制限されてパフォーマンスがやや低下すると報告されていたりして、何にせよ第13,14世代のK付きのCore i9標準設定で使うのはあまり好ましくないレベルの電力面の悪さなのは間違いないです。そのため、個人的には電力制限を下げて使うことをおすすめします(150W~180Wくらいがおすすめ)。
ただし、電力を制限するとパフォーマンスはやや低下するので、Ryzen 9に対しての優位性を失ってしまうことになるのが結構致命的です。2024年5月時点では価格でもRyzen 9が値下がりしている状況があるのも追い打ちを掛けています。
実はCore i9でも電力制限時には非常にワットパフォーマンスは良くなるので、それを考慮すれば実質的にはRyzen 9に不利でもなかったりはしますが、それはRyzen側も同じですし、RyzenにはBIOSをいじらなくても使いやすい調整ソフトがあったりするので、やっぱり同額ならRyzen 9の方が個人的にはおすすめです。
とはいえ、BTOショップ等ではCore i9の方が全体的に安価な傾向があるので、その場合には電力面の悪さとコスパを天秤に掛けることになるかなと思います。
Ryzen 9 7950X / X3D:優れたワットパフォーマンスと、X3Dモデルの優れたゲーム性能が魅力
「Ryzen 9 7950X / X3D」は16コア32スレッドという仕様です。Core i9と違って、全てがPコアです。
マルチスレッド性能はCore i9に少し劣るものの同等クラスで、実用性にはほぼ差がでないレベルです。そのため、処理性能ならCore i9が上という評価は正しいですが、実は気にするレベルではありません。
そして、Ryzen 9の魅力はワットパフォーマンスの良さとX3Dモデルのゲーム性能の高さです。
特に電力面ではかなり懸念のあるCore i9よりも電力面が良いのは大きなメリットです。標準での最大消費電力は、7950Xが230W、7950X3Dが162Wとなっており、いずれもK付きのCore i9よりも少ないです。そのため、ワットパフォーマンスはCore i9よりも優れており、特に7950X3Dは標準設定でも物凄く優れた効率を発揮するため、細かい調整を考えなくて良いのも魅力です。
ゲーム性能については、7950X3Dでは「3D V-Cache」という追加のL3キャッシュが搭載されているため高性能となっています。最終的なゲーム性能はCore i9と同等レベルですが、大容量キャッシュが特に活きる一部のゲームや、ワットパフォーマンスの良さを考慮をすると、総合的にはやや上回ります。
特にBTOでは価格が一段高いのが難点ですが、予算を度外視すれば2024年5月時点では総合性能ではトップのCPUと言えると思います。
7950Xの方は、ゲーム性能はX3DやCore i9に若干劣るので注意です。価格が少し安いのと、ワットパフォーマンスの良さでCore i9を上回る点はあるものの、最終評価は少し落ちる印象です。
Ryzen 9 7900系:コスパ的には良くはないけど、電力面は非常に強力
「Ryzen 9 7900 / 7900 X / 7900X3D」は12コア24スレッドです。性能・価格的にはCore i7に近いCPUです。
そのマルチスレッド性能自体は非常に高性能でハイエンドと言えるものですが、「Core i9」や「Ryzen 9 7950X/X3D」と比べると一段劣る性能となっています。価格は少し安いものの、6万円以上という価格は高価な上、Core i7-14700Kにマルチスレッド性能でもやや劣っているので、ハイエンド帯では中途半端な立ち位置にも見えるCPUです。
そのため、正直性能やコスパでは強力な選択肢になることはあまり無いですが、価格は一段安い上に省電力で稼働することができ、非常に優れたワットパフォーマンスを発揮できる点が魅力です。
「Ryzen 9 7900 / 7900X」を見てみると、他のCore i9やRyzen 9よりも大幅に安価な6万円台な上、無印の場合は標準設定で最大88Wという省電力さです。12コアとは思えない抜群の低消費電力で、優れたワットパフォーマンスを発揮します。
また、無印モデルでは「Wraith Prism RGB」クーラーが付属し、これが付属品にしては悪くない性能です。標準の最大88Wなら実用レベルなので、費用を抑えることができます。
最近では最上位モデルのあまりの高消費電力が問題視されることも多く、電力制限する人が増えていると思いますが、その場合にはそもそも最上位クラスを選ぶ必要性が無くなっているという話もあるので、そういう場合に費用を節約するときに優れた選択肢になると思います。
また、「Ryzen 9 7900X3D」は大容量キャッシュでゲーム性能が高められています。こちらに関してはCore i9と同等レベルのゲーム性能となるので、価格を考えればゲームコスパは上回っています。
発売当初の価格が高価すぎたために空気が薄いですが、実は2024年5月時点では「Ryzen 9 7900 / 7900X」や「Ryzen 7 7800X3D」やCore i7と1万円程度しか価格が変わらないので、実はそこまでコスパは悪くないモデルです。
とはいえ、やはり7900系は純粋なコスパ重視なら他競合モデルにやや劣るのは事実ではあるので、電力面の良さ、AM5の長期サポートの期待、目先のコスパや性能よりもバランス重視の思考の人向きのCPUだと思います。
まとめ:性能コスパだけ見るならCore i9だけど、電力面で勝るRyzen 9は魅力的
まとめとしては、純粋な性能コスパだけ見るならCore i9の方がわずかに有利だけど、電力面ではRyzen 9がやや大きめに有利で魅力的という感じです。
正直好みや用途の話になりますが、一般的にはやはりCoreの方がメーカーへの信頼性が高い傾向があり、ソフトへの最適化も実際Coreの方が少し有利な印象があるので、選ばれやすい選択肢になると思います。ただし、個人的には効率の良いCPUが好みなので、Ryzenの方を推したい気持ちもあります。
また、Ryzenには3D V-Cache搭載モデル「Ryzen 9 7950X3D / 7900X3D」があります。これに関してはゲーム性能では第13,14世代Core i9に匹敵するものを持ちつつ、Ryzenの効率の良さも兼ね備えているため、総合性能は明らかにトップのゲーミングCPUです。価格がやや高価なため、マルチスレッド性能コスパがやや劣ることになるのをどう考えるかによりますが、予算度外視なら一番おすすめの選択肢です。
また、ソケット(マザーボード)面ではRyzenの方がやや有利なのも長期利用を考えるならポイントです。第13,14世代CoreのソケットはLGA1700で、これは恐らく次の世代から変更となりますが、Ryzen 7000シリーズのAM5は最低でも2025年までのサポートが名言されています。一つ前のAM4が長期サポートとなった実績もあるため、期待できます。
新しい世代が登場しても、CPUだけを交換できる状況が続くのは嬉しい点ですし、消費電力の少なさと効率の良さも長期利用では重要なポイントであり、その二つを備えたRyzenは個人的には凄く推したいCPUです。
Core i7 と Ryzen 7
Core i7およびRyzen 7は主流CPUにおける上級モデル(上から2番目)です。いわゆるハイクラスと呼ばれる区分に入ります。
価格はおおよそ4万円~6万円台となっています(2024年2月時点)。
性能はCore i9やRyzen 9よりはやや劣るものの、十分に高性能です。ハイエンド用途でも使える性能を持ち、ゲーミング性能だけならCore i9やRyzen 9とも大差ないことが基本なので、性能もさほど妥協しないコスパ重視CPUとして人気のシリーズとなっています。
CPU名 | マルチ スレッド | シングル スレッド | ゲーミング※ | 消費電力 発熱 | |
---|---|---|---|---|---|
![]() | Core i7(第14世代) 20コア28スレッド 14700F、14700K 等 | ||||
![]() | Core i7(第13世代) 16コア24スレッド 13700F、13700K 等 | ||||
![]() | Ryzen 7(7000) 8コア16スレッド 7700X 等 | ||||
![]() | Ryzen 7(8000G) 8コア16スレッド 8700G 等 高性能内蔵GPU | ||||
![]() | Ryzen 7(5000番台) 8コア16スレッド 5700X 等 |
Core i7とRyzen 7の人気モデルを一部抜粋して比較しています。
CPU | Cinebench R23 Multi | コア/ スレッド | 動作クロック 定格/最大 | TDP (PBP/PL1) | TDP (PL2) | コスパ | 電力効率 | 参考価格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Core i7-14700K | 35,237 | 20/28 | 3.4 / 5.6GHz | 125W | 253W | 0.531 | 140.6 | 66,980円 |
Core i7-14700KF | 35,237 | 20/28 | 3.4 / 5.6GHz | 125W | 253W | 0.564 | 140.6 | 62,980円 |
Core i7-13700K | 30,629 | 16/24 | 3.4 / 5.4GHz | 125W | 253W | 0.476 | 122.8 | 65,200円 |
Core i7-13700KF | 30,629 | 16/24 | 3.4 / 5.4GHz | 125W | 253W | 0.508 | 122.8 | 61,090円 |
Core i7-14700 | 28,452 | 20/28 | 2.1 / 5.4GHz | 65W | 219W | 0.452 | 129.9 | 62,880円 |
Core i7-14700F | 28,452 | 20/28 | 2.1 / 5.4GHz | 65W | 219W | 0.478 | 129.9 | 59,580円 |
Core i7-13700 | 24,960 | 16/24 | 2.1 / 5.2GHz | 65W | 219W | 0.403 | 113.1 | 61,400円 |
Ryzen 7 7800X3D | 18,475 | 8/16 | 4.2 / 5.0GHz | 120W | 162W | 0.320 | 114.0 | 57,780円 |
Core i7-13700F | 24,960 | 16/24 | 2.1 / 5.2GHz | 65W | 219W | 0.433 | 113.1 | 57,250円 |
Ryzen 7 7700X | 20,399 | 8/16 | 4.5 / 5.4GHz | 105W | 142W | 0.455 | 143.7 | 44,800円 |
Ryzen 7 7700 | 18,720 | 8/16 | 3.8 / 5.3GHz | 65W | 88W | 0.448 | 212.7 | 41,800円 |
Ryzen 7 8700G | 17,676 | 8/16 | 4.2 / 5.1GHz | 65W | 88W | 0.344 | 192.0 | 51,370円 |
Ryzen 7 5800X3D | 15,003 | 8/16 | 3.4 / 4.5GHz | 105W | 142W | 0.306 | 105.7 | 49,000円 |
Ryzen 7 5700X | 14,211 | 8/16 | 3.4 / 4.6GHz | 65W | 76W | 0.626 | 187.0 | 22,700円 |
Ryzen 7 5700G | 14,041 | 8/16 | 3.8 / 4.6GHz | 65W | 88W | 0.487 | 159.6 | 28,860円 |
CPU名称 | スコア |
---|---|
Core i7-14700K | 35273 |
Core i7-13700K | 30629 |
Core i7-13700 | 24960 |
Core i7-12700K | 22812 |
Core i7-12700 | 21568 |
Ryzen 7 7700X | 20399 |
Ryzen 7 7700 | 18720 |
Ryzen 7 7800X3D | 18475 |
Ryzen 7 8700G | 17676 |
Ryzen 7 5800X | 15245 |
Ryzen 7 5800X3D | 15003 |
Ryzen 7 5700X | 14211 |
Ryzen 7 5700G | 14041 |
CPU名称 | スコア |
---|---|
Core i7-14700K | 2174 |
Core i7-13700K | 2074 |
Core i7-13700 | 2033 |
Ryzen 7 7700X | 2010 |
Core i7-12700K | 1939 |
Ryzen 7 7700 | 1916 |
Core i7-12700 | 1862 |
Ryzen 7 7800X3D | 1817 |
Ryzen 7 8700G | 1801 |
Ryzen 7 5800X | 1594 |
Ryzen 7 5700X | 1522 |
Ryzen 7 5700G | 1517 |
Ryzen 7 5800X3D | 1491 |
性能やコスパはCore i7の大幅有利、電力面ではRyzen 7が有利だけど、性能差が大きいので良いとも言えない
「Core i7 / Ryzen 7」の基本的な傾向は、処理性能とコスパはCore i7の方が大幅に有利で、電力面ではRyzen 7の方が優れているという感じになっています(2024年5月時点の最新モデル)。
この二つはマルチスレッド性能差が大きいため、基本的にはCore i7が安定の選択だと思います。ただし、Ryzen 7側の「Ryzen 7 7800X3D」だけは大容量キャッシュ搭載のおかげでゲーム性能が高められており、2024年5月時点では全CPU中でもトップクラスのゲーム性能を持つので、ゲームに特化にするのであれば選択肢に入ります。ただし、マルチスレッド性能コスパはかなり悪めではあるのでその点は注意です。
下記から各モデルについて触れていきます。
Core i7-14700系:非常に優れたコスパのド安定CPU
更に、第13・14世代のCore(K付き)では、電力設定の不具合で仕様よりも高い負荷で動作する不具合があるようで、そのまま使い続けるとエラーが出たり動作が不安定になったり、CPUにダメージが入る(要確認)ことにより使用を始めた当初よりもパフォーマンスが低下する問題などが報告されています。マザーボードのBIOS提供によって、この問題を回避用に用意された「Intel Baseline Profile」を設定したり(既存PCではBIOS更新が必要)、電力・電圧・クロックなどを各自調整することで回避は可能なようですが、BIOSを自分でいじりたくないという人は避ける方が賢明です。
ただし、7以下のモデルでは、Core i5 / i7の方が合計コア数が多く、マルチスレッド性能で基本上回るため、効率という面ではRyzen有利とは言い切れません。電力のみに焦点を当てればRyzen有利なのは確かですが、性能が高いほど処理を早く終えることができる分の時間が節約できるなどのメリットもありますし、Core i7 / Ryzen 7 以下ほどの性能差があると、Core側が最大電力設定を多少下げてもマルチスレッド性能では優位に立つことが出来る事情もあるため、そのあたりの設定が出来る前提での評価なら7以下ではCoreの方が優勢です。
まず、第14世代のCore i7(14700系)は合計20コア28スレッドとなっており、8P + 12E(高性能コア+高効率コア)という構成です。Core i9よりも約3万円も安いにも関わらず、Eコア4つ分しか変わらないので、非常に優れたマルチスレッド性能コスパとなっています。
対抗のRyzen 7は8コアなので、マルチスレッド性能はコスパも含めて圧倒的に勝っており、正直勝負になっていません。価格はRyzen 7の方1.5万円~2万円ほど安価なので差別化は出来ているものの、性能差を考えればコスパでは大きく勝っています。
Core i9と比較して、ゲーム性能もほとんど変わらない点も良いですし、7モデルではCore i7がかなり安定の選択肢です。
ただし、K付きのMTPが標準だと253Wと非常に高いので、出来れば少し電力制限をして利用することをお勧めしたい点だけは注意です。
Ryzen 7 7700 / 7700X:電力面は良いけど、コスパ的に厳しめ。AM5の長期サポート目当てなら価格次第であり
「Ryzen 7 7700 / 7700X」は8コア16スレッドです。20コアのCore i7と比べると圧倒的不利なのは明白なのが致命的です。
価格は14700系が6万円前後なのに対し、7700系は4万円台前半と1.5万円ほど安いのは魅力であるものの、さすがに性能差が大きすぎてマルチスレッド性能コスパでは劣っており、正直魅力では明らかに負けています。
電力面は優れているものの、14700(F)に優位性を持てるほどではないですし、下位グレードで同額クラスの「Core i5-14500 / 14600K(F)」と比べてもマルチスレッド性能は劣っていたりします。正直なところ、大幅に安くならない限りは厳しいと思うCPUです。
ただし、一応Ryzen 7000のソケットAM5が最低でも2025年までのサポートが明言されている点では優位性があります。
現状のゲームではPコアが8コアあればコア数によるボトルネックはほぼ関係なくなるという話を考えると、実は最新世代で最も安価なPコアが8コアあるCPUは「Ryzen 7 7700 / 7700X」だったりしますし、繋ぎのCPUとして使うなら実は悪くない選択肢です。
高いマルチスレッド性能が要らなければCore i7に2万円追加で出す意味もないですし、そういった点を割り切れる人なら一応選択肢には入るかなと思います。
Ryzen 7 7800X3D:トップクラスのゲーム性能が魅力だけど、マルチスレッド性能コスパは大分悪い
「Ryzen 7 7800X3D」は大容量キャッシュによる高いゲーム性能が魅力のCPUです。
8コア16スレッドと価格の割には非力な印象のあるCPUですが、現状のゲームではPコアが8コアあれば十分という点を考えればゲームではネックにならないです。
むしろ余計なコア処理の振り分けが無かったり、コアあたりのキャッシュ量が多い点がメリットに働いているのか、Core i9や「Ryzen 9 7950X3D」をも若干上回るゲーム性能を示す結果があるという、最上位モデルではないのに最上位の性能を持つ部分があるという異色のCPUとなっています。
最上位モデルよりも圧倒的に安く最高のゲーミング性能を得られるということで、、2023年の価格.comのプロダクトアワードの大賞に選ばれるなど、大人気CPUとなりました。
その点では確かに強力ですが、弱点はやはりマルチスレッド性能コスパがかなり悪い点です。
2024年5月時点の相場は約5.8万円程度ですが、6万円~のCore i7-14700系にマルチスレッド性能はマイナス30~45%といったレベルで、その差は圧倒的です。
実際の利用時には、ゲーム以外の処理が発生することもありますし、配信などをする人には他にも重めの処理が並行する場合もあると思います。その際にはやはりコア数に余裕がある方が嬉しいです。
それに、ゲームだけを見ても、結局優位性が出るのは超ハイエンドGPUを利用する場合か、キャッシュ量がものすごく重量なゲームをプレイする場合に限られます。マルチスレッド性能の低さ&コスパの大きなデメリットを抱えて得るほどのメリットなのかは個人の判断によるものの、筆者としては人気ほどの安定CPUではないかなと思っています。
2024年5月時点では「Ryzen 9 7900X / 7950X3D」もかなり値下がりして差が小さくなっているので、正直そちらの方がおすすめかなと思っています。
Core i7-13700系:第14世代よりもEコアが4つ少ないだけなので、在庫処分で安ければあり
第13世代のCore i7(13700系)については、第14世代(14700系)とアーキテクチャなどの仕様は基本同じで、コア数が合計16コア24スレッドとなっています。第14世代と比べるとEコアが4つ少ない形です。
Pコアの数は変わりませんので、ゲーム性能もほぼ同等なのがポイントで、在庫処分で安ければ、Eコアの追加分のマルチスレッド性能なんて要らないよって人なら選択肢に入ります。
Ryzen 7 8700G:高性能内蔵GPU搭載
「Ryzen 8000Gシリーズ」は高性能な内蔵GPUを搭載しているシリーズです。2024年5月時点ではIntelに対抗製品がないので、比較というよりは性能紹介です。
Ryzen 7では「Ryzen 7 8700G」が登場しています。CPUは8コア16スレッドで、GPUは12コアの「Radeon 780M」が搭載されています。
まず、CPUとしての性能は最近の8コアCPUとしては低めです。それでいて価格は5万円台中盤と安くないので、マルチスレッド性能コスパはかなり悪いです。そのため、CPU性能を重視するなら向かないモデルになる点は前提として覚えておきましょう。
しかし、「Ryzen 7 8700G」の魅力はCPUではなく内蔵GPUです。「Radeon 780M」は内蔵GPUとしては非常に高い性能を持っているのが大きな魅力です。
ゲームのベンチマークでは「GTX 1650」という少し前のエントリーグラボに迫る性能となっており、軽いゲームなら非常に快適ですし、重めのタイトルもある程度動かすことが可能なレベルです。
更に、2024年1月下旬にRadeon(RDNA 2以降)で「AFMF」というフレーム生成機能が手軽に使えるようになったので、フレームレートの底上げも可能となったこともかなり大きいです。AFMF前提なら、結構重めのゲームでもプレイ自体には支障が無いレベルの動作が可能です。そのため、かなり重量級のゲームを想定したり、常に高fpsを安定させたい訳でないなら、ゲームでグラボの搭載は不要になったと言っても過言ではないレベルです。
動画編集についても、フルHD以下のものなら意外と対応できるレベルです。高い性能を求めないライトユーザーならこれ一つで全ての処理に対応できるレベルのものとなっており、その汎用性の高さが非常に魅力的です。
しかし、難点はやはり価格です。5万円以上という価格はやはり重いです。5万円ちょっとあれば、「Ryzen 7 5700X」+「RX 7600 or RTX 3060」などが視野に入るレベルです。グラフィック性能が高いとはいっても、さすがに内蔵GPUレベルではという話なので、さすがにRX 7600やRTX 3060相手だと格段に劣りますので、総合コスパ的な意味で言えば良くはありません。
グラボ併用よりは、一つで済む「Ryzen 7 8700G」の方が消費電力が圧倒的に少ないメリットはあるので、小型のケースで使ったり、電力面にとにかく特化したいという人ならおすすめというCPUです。
また、一つ下位の「Ryzen 5 8600G」とどちらが良いのか迷う方も多いと思いますので、そちらも少し触れておきます。8700Gと8600Gの主な違いは、CPUのコア数が8→6、GPUコア数も12→8になる点です。特にGPUのコア数差が大きいのが気になる点だと思いますが、8600Gでも意外とコア数差ほどの性能能低下はなく、マイナス2割程度までに留まっています。そのため、高いCPU性能を求める訳でないなら、8600Gの方が実用コスパは少し上になると思うので、CPU性能も出来るだけ高くしておきたいなら8700G、内蔵GPUさえそれなりに使えればOKという場合には8600Gという感じで、用途や好みに応じて選択すると良いと思います。
まとめ:Core i7が安定。Ryzen 7は特定のケースならありだけど、総合コスパは基本大きく劣る
最後にまとめると、7モデルはやはり、マルチスレッド性能が圧倒的に勝るCore i7の方が基本有利で無難です。Ryzen 7が選ばれるのは、マルチスレッド性能コスパ悪さを受け入れてでも、安さやゲーム性能やAM5の長期サポートを重視したいという場合のみになるかなと思います。
Core i5 と Ryzen 5
Core i5およびRyzen 5は主流CPUにおける中級モデルです。いわゆるミドルレンジに区分されます。
中級とはいっても現在では十分に高性能で、「可・不可」でいえば不可能な事はないレベルの高性能さです。数年前のハイエンドCPUを大きく上回るレベルの性能を持っています。価格はやや幅が広く、おおよそ2万円~4万円台となっています。
CPU名 | マルチ スレッド | シングル スレッド | ゲーミング※ | 消費電力 発熱 | |
---|---|---|---|---|---|
![]() | Core i5-14600K(F) Core i5-13600K(F) 14コア(6P+8E) 20スレッド | ||||
![]() | Core i5-14500 Core i5-13500 14コア(6P+8E) 20スレッド | ||||
![]() | Core i5-14400(F) Core i5-13400(F) 10コア(6P+4E) 16スレッド | ||||
![]() | Ryzen 5(7000) 6コア12スレッド 7600X 等 | ||||
![]() | Ryzen 5(8000G) 6コア12スレッド 8600G 等 高性能内蔵GPU | ||||
![]() | Ryzen 5(5000番台) 6コア12スレッド 5600X 等 |
Core i5とRyzen 5の人気モデルを一部抜粋して比較しています。
CPU | Cinebench R23 Multi | コア/ スレッド | 動作クロック 定格/最大 | TDP (PBP/PL1) | TDP (PL2) | コスパ | 電力効率 | 参考価格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Core i5-14600K | 25,074 | 14/20 | 3.5 / 5.3GHz | 125W | 181W | 0.496 | 136.4 | 49,800円 |
Core i5-14600KF | 25,074 | 14/20 | 3.5 / 5.3GHz | 125W | 181W | 0.537 | 136.4 | 45,980円 |
Core i5-13600K | 24,525 | 14/20 | 3.5 / 5.1GHz | 125W | 181W | 0.501 | 135.5 | 48,980円 |
Core i5-13600KF | 24,525 | 14/20 | 3.5 / 5.1GHz | 125W | 181W | 0.543 | 135.5 | 45,200円 |
Core i5-14500 | 22,049 | 14/20 | 2.6 / 5.0GHz | 65W | 154W | 0.559 | 143.2 | 39,460円 |
Core i5-13500 | 21,135 | 14/20 | 2.5 / 4.8GHz | 65W | 154W | 0.560 | 137.2 | 37,730円 |
Core i5-14400 | 16,074 | 10/16 | 2.5 / 4.7GHz | 65W | 154W | 0.420 | 104.4 | 38,230円 |
Core i5-14400F | 16,074 | 10/16 | 2.5 / 4.7GHz | 65W | 148W | 0.468 | 108.6 | 34,320円 |
Core i5-13400 | 15,890 | 10/16 | 2.5 / 4.6GHz | 65W | 154W | 0.441 | 96.5 | 35,860円 |
Core i5-13400F | 15,890 | 10/16 | 2.5 / 4.6GHz | 65W | 148W | 0.497 | 100.4 | 31,770円 |
Ryzen 5 7600X | 15,315 | 6/12 | 4.7 / 5.3GHz | 105W | 142W | 0.472 | 107.9 | 32,480円 |
Ryzen 5 7600 | 14,240 | 6/12 | 4.7 / 5.3GHz | 65W | 88W | 0.479 | 161.8 | 29,700円 |
Ryzen 5 7500F | 14,160 | 6/12 | 3.7 / 5.0GHz | 65W | 88W | 160.9 | OEMのみ | |
Ryzen 5 8600G | 14,067 | 6/12 | 4.3 / 5.0GHz | 65W | 88W | 0.420 | 153.9 | 33,480円 |
Ryzen 5 8500G | 11,521 | 6/12 | 3.5 / 5.0GHz | 65W | 88W | 0.465 | 130.9 | 24,770円 |
Ryzen 5 5600X | 11,268 | 6/12 | 3.7 / 4.6GHz | 65W | 76W | 0.605 | 148.3 | 18,600円 |
Ryzen 5 5600 | 11,077? | 6/12 | 3.5 / 4.4GHz | 65W | 76W | 0.652 | 145.8 | 16,980円 |
Ryzen 5 5600G | 11,077 | 6/12 | 3.9 / 4.4GHz | 65W | 88W | 0.693 | 125.9 | 15,980円 |
Ryzen 5 5500 | 10,605 | 6/12 | 3.6 / 4.2GHz | 65W | 88W? | 0.731 | 120.5 | 14,500円 |
CPU名称 | スコア |
---|---|
Core i5-14600K | 25074 |
Core i5-13600K | 24525 |
Core i5-13500 | 22049 |
Core i5-13500 | 21135 |
Core i5-12600K | 17660 |
Core i5-14400 | 16074 |
Core i5-13400 | 15890 |
Ryzen 5 7600X | 15315 |
Ryzen 5 7600 | 14240 |
Ryzen 5 8600G | 14067 |
Core i5-12400 | 11448 |
Ryzen 5 5600X | 11268 |
Ryzen 5 5600G | 11077 |
CPU名称 | スコア |
---|---|
Core i5-14600K | 2060 |
Core i5-13600K | 2026 |
Ryzen 5 7600X | 1976 |
Core i5-14500 | 1941 |
Core i5-12600K | 1918 |
Core i5-13500 | 1884 |
Ryzen 5 7600 | 1856 |
Core i5-14400 | 1798 |
Core i5-13400 | 1794 |
Ryzen 5 8600G | 1783 |
Core i5-12400 | 1716 |
Ryzen 5 5600X | 1572 |
Ryzen 5 5600G | 1504 |
まず言っておきたいのが、Core i5やRyzen 5と聞くと性能に不安を感じる人も居ると思いますが、今では十分に高性能と言えるレベルの性能を持っていることです。基本的に不可能なことは無いくらいの高性能さを持ちつつも価格が上位モデルよりも安いため、一般用途でのコスパが非常に良いのが魅力です。
中でもゲーミングコスパが非常に良い点は魅力的です。レビューのベンチマークテストなどを見るとゲーム性能でも大きく劣る印象も受けるかもしれませんが、これはレビュー記事では基本的に超高性能なハイエンドGPUと共に使用されるためです(現在ならRTX 4090とか)。ハイエンドGPUと下位CPUの組み合わせでは確かにボトルネックが発生してゲーム性能で大幅に劣ることが基本ですが、実際には5モデルはミドルレンジGPUと組み合わせるのが基本で、その場合にはボトルネックも大して発生せず、上位CPUと比べてゲーム性能差は実はほとんどありません。そのため、基本的にゲーミング単体のコスパであれば5が一番強いです(特に安価なモデル)。
Core i7 / Ryzen 7と比べるとコア数で劣るため、マルチスレッド性能を重視する場合には微妙なのは確かですが、ゲーミング単体に限れば、ミドルレンジGPUとの組み合わせならほとんどのゲームでは6コアCPUでも大きなネックになることは思ったよりも少ないため、コスパが良い点は留意しておきましょう。
どのモデルもゲームコスパは強力で、下位モデルでは値下がりが進んだRyzen 5がやや有利に
「Core i5 / Ryzen 5」の魅力は、安価でゲームコスパに優れる点です。
価格は3~4万円が中心と安く、発熱・消費電力も全体的に少なめで、Core i7 / Ryzen 7以降と比べると費用を大幅に抑えることができるため、予算を節約したい場合には非常に強力な選択肢となりますが、
先にも何度も触れている通り、現状ではゲームに限ればコア数の重要性は現状そこまで高くないので、最新CPUでPコアが6個あれば、ミドルハイくらいまでのGPUならほとんどネックになりません。そのため、ミドルレンジのゲームPCでは非常にコスパが良いです。
それに、「Core i5-13500 / 14500」などのマルチスレッド性能でも強力なCPUもあるので、かなり汎用性が高くて侮れないのが現在の「5」モデルとなっています。
下記から各モデルについてざっくりと触れていきます。
Core i5-14400/13400(F):低価格ゲームPCの定番で、確かに強力だけど、実は一択レベルではない
「Core i5 / Ryzen 5」で特に人気が高いのは、安価な3万円台ちょっとのモデルです。その安さからくるゲームコスパが魅力的です。
「Core i5-14400/13400(F)」は10コア16スレッドで、6P+4E(高性能コア+高効率コア)という構成です。3万円台前半という価格で10コアを搭載するのは魅力的です。Core i7以降には格段に劣る性能ではあるものの、普通に重い処理でも使える性能があります。
特に日本ではIntelが未だに凄く人気ということもあり、低価格ゲーミングPCでは非常に人気のCPUとなっています。
ただし、そのコスパが良いのは間違いないですが、今では同価格帯で一択レベルではないということは覚えておいて損は無いかもしれません。
その理由は主に二つあります。
まず一つ目は、単純に性能が競合モデルよりも少し劣っているためです。マルチスレッド性能に関しては「Core i5-14500/13500」の方が一段良いですし、実はPコアの仕様は旧世代(Alder Lake)のものを引き継いでいて、コアあたりのキャッシュ量がRyzenや上位のCoreよりも少ないため、ゲーム性能やシングルスレッド性能もほぼ同価格の「Ryzen 5 7600 / 7500F」に若干劣っていたりします。
二つ目は、ソケット(マザーボード)のサポート期間がRyzen 7000シリーズに劣るためです。Ryzen 7000のAM5は最低2025年までのサポートが明言されている他、前世代のAM4が長期サポートだった実績もあるため期待が持てますが、14400で採用されるLGA1700は次の世代で打ち切りとなる可能性が高いです。
「Core i5 / Ryzen 5」を検討する人の中には、次世代までの安価な繋ぎとして採用を考えている人も居ると思われますが、その際にはマザーボードを変えずに新世代CPUへ更新が可能なRyzen 7000シリーズの方が明らかに有利です。
そのため、「Core i5-14400/13400(F)」は普通に安価で強力なコスパのCPUではありますが、デメリットを考えた上で選ぶことをおすすめしたいです。
Ryzen 5 7600X / 7600 / 7500F:安価にAM5を採用できるので、後のCPU交換を視野に入れれる
「Ryzen 5 7600X / 7600 / 7500F」は6コア12スレッドCPUです。全てPコアです。
価格は3万円台前半という安さで、「Core i5-14400/13400(F)」とほぼ同額ながら、実はコア数以外では少しずつ有利なのが魅力のCPUです。同額なら実はこちらの方がおすすめです。
第13,14世代のCore i5はコアあたりのキャッシュ量が少ないので、キャッシュ量が重要なゲームや処理でわずかに有利になる側面もありますが、正直誤差レベルなのでそこは置いておくとして、
特に魅力的なのはソケットAM5の長期サポートが期待できる点です。前世代のAM4が非常に長期サポートとなったことからも期待でき、後のCPU交換を視野に入れることができます。
予算や時期的な問題から、低価格CPUをとりあえずの繋ぎとして採用したい人は居ると思いますが、その場合にはCoreよりも優位になります。単純なコスパでも劣っている訳ではないので、かなり安定の選択肢です。
メモリにDDR5しか使えない点は若干の費用増加に繋がる可能性はあるものの、後のCPU交換を考えるならDDR5にはそもそも対応しておいた方が良いので、そこもデメリットというほどではないかなと思います。
BTOショップではラインナップや価格がCoreよりも充実していないことがあるのが少し難しいものの、単体で見れば低価格CPUでは一番無難な選択肢だと思います。
Core i5-14500/13500:4万円以下で14コアの超強力なマルチスレッド性能コスパ。採用製品が少ないのが難点
「Core i5-14500/13500」は14コア20スレッドで、6P+8E(高性能コア+高効率コア)という構成です。
「Core i5-14400/13400(F)」からEコアが4つ追加されている形ですが、価格は4万円以下で5,000円~7,000円程度しか変わらないので、マルチスレッド性能コスパが非常に強力なのが魅力です。ただし、従来からこの500番台のCore i5は供給量が少なめで、BTOでは採用数が多くないのが難点です。
「Core i5-14400/13400(F)」と「Ryzen 5 7600X / 7600 / 7500F」を明確に上回るマルチスレッド性能コスパをわずかな追加費用で実現できるので、非常に強力なので、選べるなら選びたいですが、ラインナップ次第といったところです。
また、ソケットのサポート期間について、Ryzen 7000のAM5に劣る点はあるため、高いマルチスレッド性能がすぐに必要でないなら、Ryzenの方が魅力的に見える可能性があるのも注意です。
とはいえ、全CPU中で見てもかなりのコスパを誇るので、低予算でコスパ特化を目指すなら最優先で検討したいCPUです。
まとめ:目先のコスパを考えるならCore i5も悪くないけど、AM5のサポートを考えるならRyzen 5の方が安定の選択肢
Core i5のコスパは強力で、特に「Core i5-14500/13500」は全CPUで見ても強力なコスパです。
「Core i5-14400/13400(F)」も、安価ながら多数の10コアを備えるのは魅力的です。ただし、Pコアの性能は実は旧世代のものを引き継いでいるため、最終的なマルチスレッド性能は6コアの「Ryzen 5 7600X / 7600 / 7500F」と同等レベルで、実用性にはほぼ差がないのは留意です。
そして、特に注意して欲しいのがソケットです。第13,14世代のLGA1700は次の世代で変更になると言われているのに対し、Ryzen 7000のソケットAM5は最低でも2025年までのサポートが明言されています。先代のAM4が長期サポートだった点を考慮しても、AM5の長期サポートは期待でき、後のCPU交換を視野に入れるならかなり魅力的です。
これらの点を考えてまとめると、コスパ特化で最有力なら「Core i5-14500/13500」で、将来性も考慮しての安定の選択肢は「Ryzen 5 7600X / 7600 / 7500F」で、「Core i5-14400/13400(F)」は悪くはないものの、競合モデルに少しずつ劣っているので価格次第、という感じです。
Core i5-14600K/13600K(F):強力なゲームコスパが魅力だけど、Pコア単価の高さが気になる
更に、第13・14世代のCore(K付き)では、電力設定の不具合で仕様よりも高い負荷で動作する不具合があるようで、そのまま使い続けるとエラーが出たり動作が不安定になったり、CPUにダメージが入る(要確認)ことにより使用を始めた当初よりもパフォーマンスが低下する問題などが報告されています。マザーボードのBIOS提供によって、この問題を回避用に用意された「Intel Baseline Profile」を設定したり(既存PCではBIOS更新が必要)、電力・電圧・クロックなどを各自調整することで回避は可能なようですが、BIOSを自分でいじりたくないという人は避ける方が賢明です。
ただし、7以下のモデルでは、Core i5 / i7の方が合計コア数が多く、マルチスレッド性能で基本上回るため、効率という面ではRyzen有利とは言い切れません。電力のみに焦点を当てればRyzen有利なのは確かですが、性能が高いほど処理を早く終えることができる分の時間が節約できるなどのメリットもありますし、Core i7 / Ryzen 7 以下ほどの性能差があると、Core側が最大電力設定を多少下げてもマルチスレッド性能では優位に立つことが出来る事情もあるため、そのあたりの設定が出来る前提での評価なら7以下ではCoreの方が優勢です。
ここからは少し例外的な立ち位置の「5」モデルを余談的に見ていきます。
「Core i5-14600K/13600K(F)」は、14コア20スレッドで、6P+8E(高性能コア+高効率コア)という構成です。「Core i5-14500/13500」と同じコア構成ですが、こちらはコア仕様が古くないため、コアあたりのキャッシュ量が多くてゲーム性能がCore i7やCore i9と比べても大きくは劣らないのが魅力です。
ハイエンドGPUとの組み合わせによるゲームコスパでいえばかなり強力ではありますが、Pコア単価は高めですし、20コアのCore i7と比較して価格が1.3~1.5万円程度しか変わらないため、マルチスレッド性能コスパで負けているのが気になります。
各指標とハイエンドGPUとのゲームコスパを見ると強力なのですが、Pコアはやはり8個欲しいという気持ちもありますし、最優先で検討するのは避けられがちなCPUだと思います。
Ryzen 5 8600G/8500G:高性能内蔵GPU搭載
「Ryzen 8000Gシリーズ」は高性能な内蔵GPUを搭載しているシリーズですが、2024年5月時点ではIntelに対抗製品がないので、特殊な立ち位置としての紹介です。
Ryzen 5では「Ryzen 5 8600G」および「Ryzen 5 8500G」が登場しています。CPUはどちらも6コア12スレッドですが、8500Gは小型の「Zen 4c」コアが4つ含まれているため、8600Gの方がやや高性能な点に注意が必要です。また、AI用のNPUである「Ryzen AI」が8500Gには含まれていないのも注意です。
また、GPUコア数にも差があります。8600Gは「Radeon 760M(8コア)」で、8500Gは「Radeon 740M(4コア)」となっています。8500Gだと内蔵GPUコア数が半分になってしまうので、性能には大きな差があります。
このように、8600Gと8500Gは価格差の割には性能差が大きいので、基本的には「Ryzen 5 8600G」の方がおすすめです。
また、8500Gではグラボ用のPCIeレーンがx4しかないのも気になるところです。帯域がかなり制限されるので、高性能なGPUを搭載するには適さない仕様です。8600Gもx8なので良くはありませんが、アッパーミドル程度までのグラボではネックにならないレベルですから、かなり大きな差があります。
購入後にグラボの増設を検討したくなったときに、8500Gでは対応が難しいことを事前に割り切るのは難しい部分かなと思います。
ただし、2024年3月時点では8600Gと8500Gとの価格差は1万円と大きいので、そこは予算と相談になるかなと思います。8500Gでも内蔵GPUとしては比較的高性能な部類ではあるので、軽いゲームなら十分に対応できますし、AFMFを駆使すれば重めのゲームにもある程度は対応できます。高い性能も求めないレベルのライトユーザーなら8500Gでも正直困ることはあまりないと思うので、グラボ増設を今後絶対にしないと割り切った上での安さ重視なら、8500Gも悪くはない選択肢です。
また、一つ上位の「Ryzen 7 8700G」と「Ryzen 5 8600G」のどちらが良いのか迷う方も多いと思いますので、そちらも少し触れておきます。8600Gと8700Gの主な違いは、CPUのコア数が6→8、GPUコア数も8→12となる点です。特にGPUのコア数差が大きいのが気になる点だと思いますが、意外とコア数差の1.5倍ほどの差はなく、1.2倍程度までに留まっています。価格も発売時点では8700Gの方が1.8万円も高い点も大きいので、高いCPU性能を求める訳でないなら、8600Gの方が実用コスパは少し上になると思います。なので、CPU性能も出来るだけ高くしておきたいなら8700Gの方がおすすめではありますが、内蔵GPUさえそれなりに使えればOKという場合には8600Gという感じで、用途に応じて選択すると良いと思います。
Core i3 と Ryzen 3
Core i3およびRyzen 3は主流CPUにおける中の下くらいに位置するモデルです。いわゆるミドルレンジ下位くらいに区分されます。価格は安く、おおよそ1万円台前半~2万円程度となっています。
価格の安さが魅力のモデルなので、性能はCore i5 / Ryzen 5以上と比較すると格段に低いです。
とはいえ、現在ではWeb閲覧やOffice作業などの軽作業であれば十分すぎるくらいの性能は持っています。その安価さのおかげで、特に重い作業をしないのであればコスパは良いです。また、消費電力や発熱も少ないため、小さなケースで運用するのにも適しています。ゲーミング用途でも、上位モデルと比べるとパフォーマンスが劣るというだけで、普通に使えはします。
ですが、価格差の割にCore i5やRyzen 5との性能差が大きい点や、CPUは一度導入すると交換が難しい点が気になるため、優先して選ばれることはあまりないです。少し予算をプラスしてCore i5やRyzen 5を買うだけで性能が大幅に上昇するため、「3を買うなら、少しプラスして5買った方がお得」というのが明らかなので、他モデルより人気は低めです。
そのことをメーカーも承知しているのか、特にデスクトップではIntelもAMDもCore i3およびRyzen 3の販売にあまり積極的ではない印象です。とにかく動けば良いので安いPCが欲しいという場合に限り有用なCPUかなと思います。
CPU名 | マルチ スレッド | シングル スレッド | ゲーミング | 消費電力 発熱 | |
---|---|---|---|---|---|
![]() | Core i3(第13,14世代) | ||||
![]() | Core i3(第12世代) | ||||
![]() | Ryzen 3(8000G)/OEM限定 ※内蔵GPU重視モデル 性能の詳細不明 |
Core i3とRyzen 3の人気モデルを一部抜粋して比較しています。
CPU | Cinebench R23 | コア/ スレッド | 動作クロック 定格/最大 | TDP (PBP/PL1) | TDP (PL2) | クーラー の付属 | コスパ | 参考価格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Core i3-14100 | 4/8 | 3.5 / 4.7GHz | 60W | 89W | 〇 | 23,800円 | ||
Core i3-14100F | 4/8 | 3.5 / 4.7GHz | 58W | 89W | 〇 | 21,800円 | ||
Ryzen 3 8300G | 4/8 | 3.4 / 4.9GHz | 65W | 88W | 〇 | OEM限定 | ||
Core i3-13100 | 8,812 | 4/8 | 3.4 / 4.5GHz | 60W | 89W | 〇 | 0.394 | 22,340円 |
Core i3-13100F | 8,812 | 4/8 | 3.4 / 4.5GHz | 58W | 89W | 〇 | 0.484 | 18,200円 |
Core i3-12100 | 8,172 | 4/8 | 3.3 / 4.3GHz | 60W | 89W | 〇 | 0.484 | 16,880円 |
Core i3-12100F | 8,172 | 4/8 | 3.3 / 4.3GHz | 58W | 89W | 〇 | 0.584 | 14,000円 |
CPU名称 | スコア |
---|---|
Core i3-13100 | 8812 |
Core i3-13100F | 8812 |
Core i3-12100 | 8172 |
Core i3-12100F | 8172 |
CPU名称 | スコア |
---|---|
Core i3-13100 | 1716 |
Core i3-13100F | 1716 |
Core i3-12100 | 1679 |
Core i3-12100F | 1679 |
内蔵GPU利用ならRyzen 3が有利。だけど、CPU性能と総合コスパが微妙なので、出来れば上位モデルの検討を
Core i3 / Ryzen 3は、特に一般消費者向けとしてはコスパは正直微妙です。実際人気もあまり無く、メーカー側もそこまで力を入れていない印象のモデルになります。
なので、基本的には出来ればCore i5 / Ryzen 5以上の上位モデルの検討をおすすめします。
ただ、一応現行モデルの比較はざっくりとやっておきたいと思いますので、興味があればご覧ください。
比較について、Ryzenでは5000/7000シリーズでは一般消費者向けのRyzen 3は一つも投入されなかったためにCore i3との比較が不可能でしたが、2024年1月にようやく「Ryzen 3 8300G」が登場し、比較対象が生まれました。ただ、こちらもOEM限定(ショップ等の既製品PCでのみの販売)なので、ほとんど流通はしなさそうな気はしますが…。それはとりあえず置いておきます。
「第13・14世代のCore i3」と「Ryzen 3 8300G」のコア・スレッド数はどちらも4コア8スレッドです。ただし、Ryzen 3 8300Gは小型の「Zen 4c」コアを3つ含むため、Core i3の方がCPU性能はやや有利です。とはいえ、劇的な差があるほどではないですし、元々軽作業前提のCPUですから、実用性にはさほど影響はないレベルだと思います。
一応、安価なグラボと併せて安さ特化のゲームPCとして運用したい場合にはCore i3が有利にはなりますが、「Ryzen 3 8300G」がOEM限定のため、気にする必要が生まれていません。
そして、最大のポイントは内蔵GPUです。内蔵GPU性能は「Ryzen 3 8300G」の「Radeon 740M」の方が大幅に有利です。
8300Gの内蔵GPUも特別高性能ではないものの、軽いゲームやFHD以下の簡単な動画編集なら比較的快適に行える性能があります。それに対し、Core i3の内蔵GPUはゲームのベンチマークだと半分程度の性能になってしまうので、大きな差です。動画視聴や特に軽いゲームでは問題ないレベルなものの、その他のグラフィック処理は基本厳しめなので、少しでも良いからグラフィック性能を欲しい場合にはRyzen 3 8300Gの優位性は大きいかなと思います。
前述のように、CPU性能やグラボ利用時のゲーム性能ではCore i3が有利な側面もあるものの、立ち位置的にはそれらは基本求められないのが「Core i3 / Ryzen 3」だと思われ、軽作業前提の汎用PCとして考えるなら「Ryzen 3 8300G」がやや有利だと思います。
結局どっちが良い?
最後に「どっちが良いか?」という点について個人的なおすすめを述べています。あくまで参考までにご覧ください。
Core i7 / Ryzen 7 では第13,14世代Coreがコスパで有利
「7」モデルについては、やはりコア数の多さで大きく上回るCore i7の方が有利でおすすめです。
Core i7のコア数は、第13世代は16コア(8P+8E)、第14世代は20コア(8P+12E)なのに対し、Ryzen 7はわずか8コアのみです。Core i7の方はEコアを含むため、最終的なマルチスレッド性能はコア数ほどの差はでませんが、それでもその差は非常に大きいです。電力・価格面ではRyzen 7の方がやや有利ではあるものの、さすがにこの性能差を覆すほどの優位性を見出すことは難しい印象で、総合コスパはCore i7が明らかに有利だと思います。
また、Ryzenが有利とした電力・価格面についても、電力設定を調整することである程度の対応も可能だったりするので、RyzenのAM5の長期サポートによほどの魅力を感じない限りは、Core i7が無難な選択肢です。
Ryzen 5 7600(X)は値下がりのおかげで、Core i5-13400/14400よりも若干有利に
ミドルレンジ以下のCPUに関して、発売当初からしばらくは従来通りCore i5の400番台の「Core i5-13400(F)」が総合コスパ最強筆頭でしたが、「Ryzen 5 7600(X)」が発売後から大きく値下がりが進み、2024年1月現在では「Core i5-13400(F)」よりも若干安い価格で購入できるようになりました。
ソケットAM5の長期サポートの利点もあり、一応ゲーム性能でも「Core i5-13400/14400」よりもボトルネックのなりにくさで若干勝っているため、個人的な評価は若干上です。安価なPCでは選び易い選択肢になったと思います。
ただし、性能と価格だけで見れば差は非常に小さいです。Ryzen 5 7600(X)は初動価格の高さのせいか、BTOなどではやや高めの価格設定のところも多いですし、結局のところは供給が多くてお得な製品を探し易いCore i5が有利になるのかなとも思います。
5万円前後はCore i5(K付き)の独壇場だけど?
人気モデルになるかは微妙なところですが、Core i5(K付き)が価格や性能的に従来のCore i7のような立ち位置に居て、その価格帯は他の競合モデルもほぼおらず、コスパも実は良いので、有効活用できるなら割とおすすめできるCPUです。
ゲーム性能も、RTX 4090のような超高性能GPUでなければ実はCore i7やCore i9と大して変わらないので、マルチスレッド性能を少しでも高めたい訳でなければゲーム用の高コスパCPUとしては強力な選択肢となります。
とはいえ、1万円くらいプラスすればCore i7(無印)が居て、性能やコスパもそちらの方が少し上で、見栄え的にもそちらの方が良いですから、あえて選ぶ人が居るかは正直微妙にも感じるのが何とも言えないCPUです。
ハイエンドのコスパはCore i9が少し有利だけど、電力面ではRyzen 9が少し有利
性能特化のハイエンドモデル Core i9 / Ryzen 9 を検討する場合ですが、コスパやゲーム性能重視ならCore i9、電力面重視ならRyzen 9 7950系(16コア)という形になります。また、予算が潤沢でゲームがメイン用途の場合に限っては「Ryzen 9 7950X3D」がそれらを差し置いて一人浮きで優位かなという感じです。
しかし、「1番」を決めるために優劣を無理やりつけるのが最上位モデルなので見落としがちですが、実は性能差はどれも小さめなので、正直好みレベルの差という印象です。迷うなら、個人的には電力効率に優れるRyzenを勧めたいかなという程度の差になります。AM5の長めのサポート期間もありますし。
とはいえ、Core i9 / Ryzen 9クラスのCPUを導入するなら電源とクーラーは高性能なものを揃えると思いますし、1~2年でCPUを交換したいという人もあまり居ないとは思うため、気にするまでもないかもしれません。やはり好みレベルだと思います。
また、Ryzen 9の12コアモデルに関しては、マルチスレッド性能が他のCore i9 / Ryzen 9よりも、大幅に低いのが厳しく、第一候補にはなりにくいと思います。
電力面では優位性があるものの、そもそも7万円~クラスのCPUを検討するならやはり性能に特化したいということだと思いますから、7950XやCore i9の方が魅力的に感じる場合が多いと思われ、候補の上位に挙がってくることはなさそうな印象です。
Ryzen 9 7950X3D は性能だけでなく効率も非常に優秀なので、予算が潤沢な人にはおすすめ
かなり限定的にはなりますが、50万円~クラスのPCを予算度外視で検討中のゲームメインの人の場合には、「Ryzen 9 7950X3D」は個人的にはおすすめしたい選択肢です。
Core i9に匹敵するゲーム性能を持ちつつも、少なめの消費電力で非常に優れたワットパフォーマンスを持ち、AM5のサポート面でも第13,14世代を上回るので、価格のネックさえ許容できるなら、2023年10月時点での総合性能評価では個人的には1位のCPUです。
一応マルチスレッド性能は「Core i9-13900K / 14900K」には若干負けるものの、差は大きくないので実用性能はほぼ変わらない、トップクラスといって差し支えないハイエンドCPUです。
限定的ですが、気になる方はチェックしてみてください。
内蔵GPUを使いたいならRyzen 8000Gシリーズ一択
最後になりますが、グラボを搭載せず、かつ高いCPU性能を求めないなら、内蔵GPU性能が格段に高い「Ryzen 8000Gシリーズ」一択です。
上位モデルでは2020年頃のエントリーグラボに迫るゲーム性能を発揮し、重いゲームや動画編集を意識しないなら、一つでグラフィック面も含めた処理を全て行えるという、非常に汎用性の高いCPUとなっています。
特におすすめなのは「Ryzen 5 8600G」です。上位の「Ryzen 7 8700G」の方がCPUとGPUのコア数が増えますが、価格が大幅に高くなる割には向上率が小さめなので、元々特に重い処理を行わない前提のCPUということを考慮した実用コスパを考えると、8600Gの方が少し上だと感じます。
それでは、内容はここまでとなります。ご覧いただきありがとうございました。
現在本気でPCを買いたいのですがCore I514400fとRyzen7 5700xはどちらの方がゲームに向いてますか?
詳しい解説参考になります。
年内を目途にデスクトップPCの新調を考えているのですが、ゲームも”少し”したいと考えています。
現在だとryzenよりintelの方がよいとのことですが、他所で聞くと、ゲームならryzen、という意見もあり、他のサイトも色々拝見しているのですが、決めかねているところです。
実際のところ、したいゲームによって最適化されているcpuが違うというのもあるのかと思いますが、全体的な傾向として、ゲームをするのならこっちが無難、という意見はありますでしょうか?
最初に書きましたように”少し”したい程度なのでグラボの購入はしない予定ですが、予算は10万程なので、GTX1650搭載機なら手の届くところではあります。
このあたりも踏まえてアドバイスいただけますと幸いです。
はじめまして。
グラボを使用した際のゲーム性能を「第13世代Core」と「Ryzen 7000」で比較した場合、全体の傾向でいうとCoreの方が少し優れている傾向があります(RyzenのX3Dモデルは除く)。とはいえ、ゲームによってはRyzenが有利になるケースもあるため、一応やるゲーム次第という形にはなります。
ただし、上記は質問者様のケースでは恐らく気にする必要はないと思います。
理由は、一般的にCPUのゲーム性能というのは、ボトルネック差を出来るだけ詳細に知るために、高性能なハイエンドGPU(グラボ)を使用した際のfpsで比較するものとなっているためです。ゲームでCPUに求められる処理というのは、GPUが処理した量(主にフレーム数)に応じて増えるため、基本fpsが高いほど高性能なCPUが求められます。「GTX 1650」レベルのエントリークラス以下のGPUを使用する際には非常に軽いゲームでしか高いfpsは出ないため、現在の最新CPU(Core i5 / Ryzen 5 以上)ならボトルネックが発生することはほとんど無く、ゲーム性能差はほとんど出ません。そのため、質問者様のケースではCPUのゲーム性能はあまり気にする必要はないかと思います。その他の処理も同時に処理したりする場合には多少差が出てくる可能性も考えると、どちらかというとマルチスレッド性能差の方が重要かもしれません。
あと、余談にはなりますが、エントリーレベルのGPUを今検討するなら「GTX 1650」よりも「Arc A380」の方がコスパ的には良いと思います。Arcは発売当初は最適化不足が深刻で評価されませんでしたが、現在ではドライバによる改善が結構進んでいる上に値下げも進み、結構お得になっています。
また、「GTX 1650」ではAV1と呼ばれる映像コーデックに対するサポートが無いのが気になります。詳しくは触れませんが、AV1は将来性が期待されており採用率が増えているコーデックです。今購入するPCでは、出来ればデコードは対応しておきたいです。一応、「第13世代Core」も「Ryzen 7000」も内蔵GPUの方でAV1デコードのサポートがあるので、アプリケーションごとに指定したりすれば対応は不可能ではないかもしれませんが、あまりメジャーとは言えない方法にはなりますし、CPU負荷を下げるためにも出来ればグラボ側で対応しておきたいです。
詳細なアドバイスに感謝いたします。
エントリークラスのグラボだとCPUはボトルネックにならないのでどちらでもよいが、動画再生面で足を引っ張る可能性があるということですね。
となると下手にグラボに予算をさくくらいなら、少しでも高性能なCPUに予算を割り振るべき、という考えもあるのでしょうか?
所詮内蔵GPUはそれなりなので、ゲームをするなら安物でもグラボを積む方がよい、と思っているのですがどうでしょう?
それとも、予算を少し超えてでもGTX1660程度は積むべきでしょうか?
私の場合、買ったPCは6年以上使うつもりなので、ひとまず内蔵GPUで使ってみて後々必要になった時点でグラボを検討するという方が結果的に無駄が少なくなりそうでしょうか?(中途半端なCPUとグラボの両方を買い替えすることと比べて)
私が何に比重を置くのか次第になるのかとは思いますが、さらなるアドバイスいただけますと幸いです。
全体を通して概ね正しい認識だと思います。
現状の3万円以下のエントリーレベルのグラボではAV1のサポートが無いものがほとんどなので、AV1コーデックの動画再生では役に立ちません。AV1はまだ普及段階なので現状で困ることはほぼないですが、最低6年使うと考えるならAV1対応の優先度は高いと思います。
ゲームとCPUに関しても概ね認識の通りです。内蔵GPUの性能も向上しているとはいえ、現状はゲームに限れば安物でもグラボの方が高性能なことが基本です。一応、今年後半の発売が予測されている「Ryzen 7000」のAPUモデル(恐らく末尾G)では飛躍的に内蔵GPU性能が向上することが期待できますので、それが登場すれば少し事情が変わるかもしれませんが、現状では重めのゲームも視野に入れるならグラボは必須に近いです。
グラボ分の予算をCPUに予算を割り振るのも、ゲームを意識しないなら十分理にかなった選択肢です。ただし、低グレードなCPUからアップグレードすることを考えると、CPUクーラーで更なる予算追加が必要になったりする点には注意が必要です。
重いゲームが用途に含まれていないなら、内蔵GPUで様子を見るのも手かなと思います。ただ、質問者様がプレイしたいゲームの重さがわからないので、具体的には何とも言えないです。
一応、最後に低価格帯のグラボについてざっと触れておきますが、まず、「GTX 1650」や「GTX 1660」を含む「GTX 16」シリーズは共通してAV1のハードウェアサポートが無いので、個人的には今購入するのはおすすめしません。
今の市場でいうと、2万円台なら「Arc A380」ほぼ一択で、少し予算を増やせるなら「RTX 3060」、「RX 6600 / 6600 XT / 6650 XT」、「Arc A750 / A770」あたりになるかと思います。
詳しく解説いただきありがとうございます。
今すぐ購入するというわけではないので、Ryzen 7000での大幅な性能向上が見込めるとのことを期待してしばらく待つことにします。
大変参考になりました。
全然ありな選択だと思います。
ただ、一応予測で確定情報という訳でもないので、間違っていたらその際には申し訳ありません。
core i7-12700とRyzen7 5700XのPCで12700の方が5700Xよりも2万円ほど高い構成を見つけたのですが、その値段の差に見合う性能は見られるのでしょうか。その他の構成は同じものとします。
用途とGPUによると思います。
まず、「Core i7-12700」の方がコア数が多い新しいCPUのため、マルチスレッド性能が「Ryzen 7 5700X」の約1.5倍と大幅に高いです。そのため、高負荷なマルチスレッドが重要な処理で使う場合には十分価値はあると思います。一般的なものでいうと、マルチタスク処理全般や、CPUレンダリング・エンコードなどがあります。
関連して、12700の方がGPUのボトルネックもやや発生しにくい他、単純なゲーム性能もCore i7-12700の方が若干上なので、ハイエンドGPUと組み合わせる際には12700の方が有利になると思います。
総評としては、ベンチマークスコアを見るとやはりマルチスレッド性能差が大きく違うため、2万円(恐らく全体の10%~15%程度?)で1.5倍と考えると価格差から得られる性能としては十分な上、ゲームパフォーマンスやボトルネック面でも少し優秀な「Core i7-12700」の方が純粋なコスパは上だと思います。
ただし、重いマルチスレッド処理を頻繁にする訳でなく、ゲームパフォーマンスなども少しでも高い方が良い訳でないなら、実際の使用感はほぼ変わらないと思うので、安い「Ryzen 7 5700X」の方が良いとなると思います。
また、CPU以外の構成は同じものということでしたが、CPUクーラーが低性能なもので統一されている場合には、省電力な「Ryzen 7 5700X」の方が良いという可能性もあると思います。
返信ありがとうございます。
この場合のハイエンドGPUというと何番あたりからのことを指すのでしょうか。
また、12700の発熱ではBTOでよく使われるクーラーでは排熱は足りないですか。その場合、どの程度のクーラーが必要ですか。
ゲームや解像度にもよるので一概には言えないですが、ベンチマークテストの3DMark Time Spyのスコアを参考に見てみると、
【RTX 3060】
5700X:8874(-2.8%)
12700:9128
【RTX 3060 Ti】
5700X:11523(-2.8%)
12700:11855
【RTX 3070】
5700X:12932(-4.4%)
12700:13531
【RTX 3080】
5700X:15929(-6.5%)
12700:17029
上記のような感じになっているので、RTX 3070から少しボトルネック差が出てきているという感じになります。
排熱については、PCケースにもよりますし、CPUクーラーについても具体的な製品がわからないと何とも言えないですが、Core i7-12700の安さ重視製品では120mmファン1基の空冷が多い印象なので、その場合には十分とは言えないかなと思います。
とはいえ、高負荷時に少しだけ性能が落ちるかもって程度で、後から調整も可能な部分なので、CPU付属のクーラーでなければ気にするほどでもないかもしれません。余計なことを言ってしまったかもしれません。
一応、Core i7-12700で空冷なら120mmファン2基 or 140mmファン1基のクーラーがあると安心ではあると思います。
AMD Ryzen 7 5700GとIntel Core i5-12400で迷てます。
タスクをたくさん開くので一度Ryzenを使ってみたいのですがソフトの相性や不具合、故障が
心配です。
恐らく想像しているほどRyzenの方が問題が多発している状況は今ではないと思います。
逆にCoreの方で脆弱性や不具合が発生していることも普通にありますし、よく使用するソフトで問題が多発していないか事前に調べるのは必要だと思いますが、個人的にはそれ以上は気にしても仕方無いのではないかと思います。
ありがとうございました。
今までIntelばかり使用していたので不安でした。
ちなみに、とねりんさんは、どちらがお勧めですか。
価格差と自作とBTOなどで購入するかでも話が変わりますし、どちらが良いとは言えないですね。
理解されているような気がしますが、Ryzen 7 5700Gの他の競合モデルよりゲーミング性能がやや低い点と、Core i5-12400の方がややマルチスレッド性能が低い点を踏まえ、自分の用途や予算などを考慮して決めることになると思います。
また、Ryzenは次世代からチップセットやソケット形状が刷新されるため新世代のものへの交換は不可能になる可能性が高いですが、Coreの方は次世代(13世代)でもソケット形状は維持され既存のマザーボードでも対応されることが予測されているため、後のCPU換装を考えるならCoreの方が有利な点や、DDR5メモリへの対応などでも差があります。
ありがとうございました。
BTOで Ryzen 7 5700GはWindows10でi5-12400はWindows11で価格は同額です、
とねりんさんのおっしゃる通り後の事も考えて、パソコンショップに行って来ます。
差し支えなければ、もう少し詳しい構成(もしくは型番)と価格を教えていただけないでしょうか?
今は次世代のCPUやGPUが控えていて難しい時期なので、一応コスパチェック的なことくらいは出来るかなと思うので、良ければ。
Ryzen3 3250UとRyzen5 4500Uのどちらを購入しようか検討しております。
用途としては初心者のword,excel練習用で、コスト重視です。
どちらがおすすめですか?
オフィス程度の軽作業なら、処理性能はRyzen 3 3250Uでも十分だと思います。
ただ、Ryzen 5 4500Uの方が処理性能は圧倒的に高く、電力効率も大幅に良いです。
長期利用を想定しており、バッテリー駆動時間も長い方が良い場合にはRyzen 5 4500Uの方がおすすめです。
コメントありがとうございます!
有益なご意見とても参考になります。
再度、検討致します。
btoでゲーミングpcを買おうと思ってるんですが、ryzenとintelで悩んでます。
wqhdでのmmoとsteamがメインでfpsはやらないと思います。
予算などをもう少し聞かないと確かなことは言えませんが、
性能重視なら、今だとやや高価になってしまいますが、Intelの第12世代Coreプロセッサー搭載機がおすすめです。
ただし、Core i9は価格も高く電力効率も良くないので、Core i5-12600K(F)かCore i7-12700K(F)をおすすめします。
登場時期的にはやや古めのものになりますが、第11世代のCoreとRyzen 5000シリーズは上記の第12世代よりは大きく安いものが多いので、ゲーミングコスパ重視なら良いと思います。
ryzen5000シリーズだと7か9になるんでしょうか?
コスパと電力効率的には特にRyzen 9が良くて、Ryzen 5も安い分良いです。
Ryzen 7 5800Xは他二つに比べるとコスパと電力効率で劣るので、一歩落ちるかなという感じです。
ただし、最近だと在庫が余っているためか大きめの値引きも見られますし、性能自体は悪くないので、値段次第ではありって感じになると思います。
いつも分かりやすい記事拝見させていただいております。
質問なのですが自分は年度末頃に初めてPCを組もうとしていて構成はRTX3060tiとcorei5 11400Fを想定しております。
ですが色々調べたところこれではボトルネックが出ます。
それでcorei7 10700か11700にしようか迷っているのですが、予算の都合上できるだけ安く済ませたいと思っています。
1万5000円ほど追加してi7に変更する意味はあるのでしょうか?回答よろしくお願いします。
いつも見てくださってありがとうございます。
煮え切らない言い方で申し訳ないですが、Core i7にする必要性は用途や求めるレベルによると思います。少しでもゲームのfpsを上げたいとかマルチスレッド性能が重要な処理を頻繁にやるのであれば、コアが2つ多いCore i7の恩恵は大きいと思います。逆に、重いゲームやソフトのパフォーマンスが多少落ちてでも安く済ませたい場合にはCore i5が適しています。Core i5-11400Fでも2~3年前くらいのCore i7を大幅に超える性能があるので、よほど重い処理じゃなければ大きな不満が出ることは無いと思います。
また、質問の意義を失うことを言ってしまいますが、Intelの第12世代Coreプロセッサ(Alder Lake)が来月11月の初旬に出ると言われているので、年度末ならそちらが最新世代になるのかなと思います(一応リーク情報です)。なので、発売を待ってみてから考えても良いのかなと思います。
一応軽く噂で言われていることを羅列しておくと、新しいメモリ規格のDDR5に対応しててDDR4より少し高くなるとか、コア仕様がWindows 11に最適化されているかも、とかあるようです。
返信ありがとうございます。
ゲーム以外にも色々手を出したいと思っていたのでi7の方がいいですかね…
メモリも考慮して増設するとか12世代も出たら調べて考えてみます!
今ではCore i5でも普通に高性能なので、重い処理でも基本問題無くこなせると思います。
ただ、たとえばPC全体で20万円の場合の2万円のプラスは1割ですが、コア数が6→8になるならCPUのマルチスレッド性能は少なくとも2~3割の向上は期待できると考えることができます。CPU単体のコスパではCore i5が非常に強いですが、PC全体で考えると高性能なCPUの方がコスパが良く見えます。それと費用が高くなるデメリットをどう考えるかという部分ですね…。
性能向上分を活かせないなら無駄な費用ですが、後になってから換えたいとなっても難しいですから、重い処理も想定するならCore i7以上が無難だという通説はある程度その通りだとは思います。
2D CADを主に使いますがどちらのCPUが最適なのでしょうか?多くのデータを読み込むのですがCPUを選ぶ際どこに1番気をつけたらよいでしょうか?お時間ありましたらご返信のほどよろしくお願いします。
CADについては正直詳しくはないのですが、ソフトの使用映像を見る限りは軽い処理や読み込みが積み重なっていて、処理の手数が多くてレスポンスが重要に見えるので、2DCADは3DCADほどコア数(マルチスレッド性能)は重要でないですが、シングルスレッド性能は高い方が適しているのかなという認識です。
ただ、全体的な処理自体は最近の重いゲームとか動画編集とかよりは恐らく軽いと思うので、最新のCore i5 / Ryzen 5以上という感じで良いと思います。ただ、Core i5とRyzen 5のTDP65Wのモデル(Core i5-11400やRyzen 5 5600G等)は最大クロックが少し低くて、シングルスレッド性能が他モデルより少し低いため、一応向いてはいないかなと思います(全然使えるとは思いますが)。
wqhdでmmorpgやりたいのでグラボとの兼ね合いもあるしryzenは次世代の噂もあるので、年末セールに数年間持ちこたえるスペックをどのレベルの値段で抑えるのかが難しいですね。
そうですね。基本的にはCPUを1ワンク上のものにするより、GPUを1ランク上のものにした方がゲーミングコスパ良いので、コスパを考えるならグラボとの兼ね合いは重要ですね。ただ、GPUのおかげでゲーミング性能は高くても、旧世代のCPUを選ぶのに抵抗がある人も居ると思うので難しいですね。
Ryzenは改良版(3D V-Cache版)のZen3が近い内に投入される予想ですね。次のRyzenの性能も気になりますし、今CPU単体で一番コスパが良いのは「Core i7-12700K(F)」か「Core i5-12600K(F)」だと思いますが、マザーボードが高価なZ690しかないせいで高いのが問題なので、安価なH670やB660が登場すれば少し選び易くなるかもですね。
インテル使ってたから変えようか検討ちゅうです
分かりやすくたいへん参考になりました。
Ryzen 系がよく売れているせいか、ヤフーオークでもインテル系が
安くなってきています。中でも、i7-2000番、3000番のでも
モバイルのCPUは、35度、45度、の低温度でまたよく売れるため
値上がりしちゃってます。 いいのか悪いのか・・
GPU HD4000 搭載のCPUは、非力ながらも・・多少の3Dも
扱えるソフトウエアー搭載なので・・人気が高いです。
Ryzen 7 5700X、Ryzen 5 5600(X無し)に期待したいですね!これもまたコスパ最高か?
5600Xや5800Xはモデルナンバーの割には高すぎるので、本当にそう思います。
vtゔぇちゅだctvじっhgvhvd
Ryzen 3 5300XやRyzen 7 5700Xなど、zen2世代の人気モデルの後継が登場するのが待ち遠しいですね!
人気モデルの後継でした………
こっそり修正しておきました。
私も本当にそう思いますが、今のIntel相手なら多少高くても売れるでしょうから引っ張ってきそうな気もしちゃいますね…。
返信がとても遅くなってしまって申し訳ございません。
ものすごい、参考になりました。
自作㍶を作る時、cpuはこれを参考に選ばせていただきます。
ありがとうございました。
ゲーミング&動画編集用のPCを作ろうと考えていますがRYZENかCORE iで悩んでます。
文章中にゲーミング性能と言う言葉が出ていますが、【主要スペック】にも【Cinebench R15】にもそれっぽい数値は記載されていないと思うのですが、何を見ればわかるのでしょうか?
★に換算された元情報(他ページ?)を教えてもらえないでしょうか?
ゲーミング性能は大手レビューサイトの記事等の多数の情報を参考にしながら、私自身が相対的に比較して評価している形なので単一のソースのようなものはありません。申し訳ありません。
Google等で気になるCPUの個別レビュー記事を探すか、宣伝みたいで申し訳ないですが、本サイトでも新着記事の上の方のCPU評価記事ではゲーミング性能(平均FPS)には軽く触れているので、よければご覧ください。
返信ありがとうございました。
返信が遅くなり申し訳ございませんでした。m(_ _)m
解説参考になりました。ありがとうございます。
いえいえ
参考にしていただけると幸いです