【デスクトップ】「Core i」と「Ryzen」の違いを比較【ざっくり解説】

Intelの主流CPUシリーズのCore i シリーズと、AMDの主流CPUシリーズのRyzenシリーズの違いについてざっくり解説しています。(Core iの末尾Xシリーズや、Ryzen Threadripperシリーズは除外しています)
デスクトップPC向けの最新世代(2021年4月時点)のものを対象としています。

注意
掲載の情報は記事更新時点(2021年4月)でのものであり、ご覧になっている際には異なる可能性があるため注意してください。また、価格は主に価格.comやAmazonでの最安値となっています。

はじめに

デスクトップPC向けの最新世代CPUが対象

本記事は、PCの主流CPUの、IntelのCore i シリーズとAMDのRyzenシリーズ各種のデスクトップPC向けの最新世代のものを対象としています。
現在(2021年4月)の最新は「Core i」は第11世代(11000番台)で、「Ryzen」は第4世代(5000番台)です。ただし、記事更新時点(2021年4月)では、双方とも下位モデルの3(Core i3とRyzen 3)では最新世代のものが登場していないため、一つ前の世代のものを掲載しています。

超ざっくり比較

まずは、細かい数値を見ていく前に「Core i」「Ryzen」の各性能についてざっくりとした比較を載せています。「なんとなく各シリーズの特徴を掴めれば」といった感じのかなりざっくりとした比較です。しっかりとした比較ではないため、そのことを頭の中に置いた上でご覧ください。


性能比較

まずは処理性能面のざっくり比較です。シングスレッド性能はわずかにCore iシリーズが上ですが、その他は同等かRyzenの方が有利です。ざっくりとまとめると下記の表のような感じになります。

ざっくり性能比較(第11世代Core iと第4世代Ryzen)
  Core i シリーズ Ryzen シリーズ
マルチスレッド性能
シングルスレッド性能
ゲーミング性能

※同モデルナンバー内での比較(Core i9とRyzen 9等)
※2021年4月現在で最新のCPUが対象(Core iは第11世代、Ryzenは第4世代)
※ゲーミング性能は高性能なGPU(グラフィックボード・ビデオカード)と同時に利用した場合のもの。

1スレッド(1コア)あたりの性能です。シングルスレッド性能が高いと、軽い処理の速さ(レスポンス)が良くなる他、基本的にどのような用途でも有利に働くため非常に重要です。上記の表では同じ評価にしていますが、2021年4月時点ではIntelの方が僅かに有利 です。
CPUの全コア稼働時の処理性能です。マルチスレッド性能が高いと、動画エンコードやレンダリングなどの膨大な処理を必要とする作業で特に有利になる他、複数の処理を並行して行う場合などでも有利です。処理性能の純粋な比較ではCore iシリーズも同コア数なら良い勝負ですが、Ryzenの方がワットパフォーマンスが明らかに良いので、Ryzenの方が良いです。
処理性能はほぼ全面的にRyzen有利

第10世代のCore iシリーズと第4世代Ryzen(Ryzen 5000シリーズ)の性能は、ほぼ全面的にRyzenの方が有利です。Core i側は今まではずっと「ゲーミング」では有利を保ってきましたが、Ryzen 5000シリーズで遂に差がほとんど無くなりました。マルチスレッド性能とシングルスレッド性能ではRyzenの方が大きくリードする形となっているため、性能的に見ればほぼ全面的にRyzenの方が強いです。

ただし、Ryzen 5000シリーズでは従来より価格が高くなってしまったので、純粋な費用面ではCore iの方がやや有利です。特に、Core iシリーズはCore i5以下の下位モデルが非常に安価なので、価格を出来るだけ抑えたい場合にはCore iシリーズも価値はあると思います。


価格比較

価格についてです。Ryzenは最新世代(第4世代)で従来よりも値上がりしてしまい、単純な費用の多さではRyzenの方が不利になりました。下の表は2020年11月時点のものです。

価格比較(第11世代Core iと第4世代Ryzen)
  Core i シリーズ Ryzen シリーズ
Core i9 / Ryzen 9
約 62,000~78,000円
約 71,500~106,500円
Core i7 / Ryzen 7
約 44,000~59,000円
約 59,000円(5800Xのみ)
Core i5 / Ryzen 5
約 23,000~38,000円
約 39,500円(5600Xのみ)
Core iの方が安いモデルが豊富で選択肢が多い

最上位モデル同士の価格は双方大差ないですが、2021年4月時点ではCore iシリーズの方が安価な下位モデル製品が多いです。選択肢が多くて、特にコスパや安さを求める人には選び易いです。

また、Ryzen 9の最高額が10万円以上となっていますが、これは16コアの規格外モデルがあるためなので、Ryzen 9がCore i9よりめちゃくちゃ高いという訳ではないので触れておきます。


消費電力比較

消費電力についての比較です。Ryzenの方が圧倒的に良いです。

青いバーがCore iシリーズで、オレンジ色のバーがRyzenを示しています。一部のモデルでは自動オーバークロック機能のようなものをで利用することができますが(保証の範囲内で)、該当機能は全てOFFの状態のものになります。

マルチスレッド消費電力(y-cruncher)
CPU名称
消費電力(W)
Ryzen 5 5600X
69
Ryzen 7 5800X
112
Ryzen 9 5900X
116
Ryzen 9 5950X
121
Core i5-11600K
168
Core i9-11900K
214

参考:

電力面ではRyzenの方が圧倒的に優れる

上の表を見れば一目瞭然ですが、第11世代のCore iシリーズの消費電力は物凄く多いです。電力面ではRyzenの方が圧倒的に優れています。電力効率を重視したいのであれば、Ryzen一択と断言できるほどの差があります。 また、Core iシリーズは当然発熱も多いので、クーラーもRyzenよりも注意する必要があります。Core i7以降のK付きのモデルでは水冷が推奨されます。


付属クーラー比較

付属クーラーについての比較です。基本的に、末尾にKやXの付く高TDPモデルでは別途クーラーが必要となりますが、TDPが65W以下のモデルでは付属しています。

付属クーラー比較(第11世代Core iと第4世代Ryzen)
項目 Core i シリーズ Ryzen シリーズ
冷却性能 ×
静音性 ×

付属モデルの多さ

TDPが65W以下のモデルのみ付属(冷却性能どっちも微妙)

どちらもTDPが65W以下のモデルのみクーラーが付属します。ただし、どちらも「冷却性」「静音性」共に悪いです(一応Ryzen側の方がわずかに良いけど大差ない)。別売りの1,000円~2,000円のクーラーの方がまだ良いです。

付属クーラーでも運用自体は可能なので「高負荷な処理はあまり行わず、静音性も低くても大丈夫」というなら特に問題ないかと思いますが、安価なクーラーでも大分変わるので、長く使うつもりなら付属クーラーは避けるのをおすすめします。

また、TDPが95W以上のモデルでは基本クーラーが付属しないため、別途の用意が必要です。BTOパソコン等なら何かしらのクーラーが取り付けてあるとは思いますが、標準構成だと低性能なクーラーとなっているケースも多いので、チェックしておく事をおすすめします。

ちなみに、Ryzenは前世代では高TDPモデルでは付属の割には良いクーラーが付属していたのですが、第4世代(Ryzen 5000)から65W以下のモデルのみ付属となりました。


内蔵GPU比較

内蔵GPUについてです。グラフィックボード等を利用しない場合には、内蔵GPUが必須となります。

内蔵GPU比較(第11世代Core iとRyzen)
項目 Core i シリーズ Ryzen シリーズ
内蔵GPUの有無
ほぼ有
※一部モデルでは無効(末尾F)
ほぼ無
※末尾Gモデルのみ搭載

例外はありますが、基本的にCore iシリーズでは搭載していて、Ryzenシリーズでは搭載されていません。

内蔵GPU比較

Core iシリーズ:基本搭載だが低性能(一応前世代から強化)

Core iシリーズでは基本的に内蔵GPUが搭載されており、利用することができます。ただし、末尾がFのモデルでは利用できないため注意が必要です(例:Core i5-11400F)。一応、第11世代ではXe Graphicsへと変更され、Intelによると前世代と比較して最大で1.5倍ほど高速化されています。Ryzen側では基本内蔵GPUが搭載されないため(末尾Gモデルは対応していますが、投入が遅いため採用例が少ない)、内蔵GPUを利用したいならCore iの方が選び易いです。

ただし、内蔵GPUがあればビデオカード(単体のGPU)がなくても画面表示を行うことはできますが、その性能はビデオカード搭載の単体GPUと比べると圧倒的に低いです。そこそこ高画質な動画を観たり軽いゲームをしたりする程度なら十分な性能はありますが、重いゲームや4Kレベルの動画などを扱うなどの高負荷なグラフィック処理は厳しいです。そのような事をしたい場合にはビデオカード(単体のGPU)がほぼ必須となります。

内蔵GPUがあることによる主なメリットは、PCにビデオカードを搭載せずに利用する場合や、多数の画面出力を行いたい場合などです。ビデオカードを搭載する前提のPC、たとえばゲーミングPCの場合には、内蔵GPUがあったとしても役立つケースはあまりないと思います。

Ryzen シリーズ:末尾Gのみ搭載で内蔵にしては高い性能

デスクトップ版のRyzen シリーズではほとんどのモデルで内蔵GPUが搭載されていません。末尾がGのモデル(Ryzen APU)にのみ搭載されています(例:Ryzen 7 PRO 4750G)。内蔵GPUを利用したい人は末尾Gのモデルを選ぶようにする必要があります。

Ryzenの内蔵GPUの性能は、Intelよりも高いです。デスクトップPCで少しでも性能の高い内蔵GPUが欲しいなら、Ryzenの方がおすすめです。ただし、Ryzenの内蔵GPU搭載モデルは他モデルより発売が遅く、2021年4月時点では最新のアーキテクチャであるZen3採用のモデルはまだ登場していないため注意してください。

各モデルごとの比較【最新世代】

各モデルごとに、少し詳しく比較・解説しています。
Core i シリーズとRyzen シリーズは、「Core i9」には「Ryzen 9」、「Core i7」には「Ryzen 7」といったように、各モデルナンバーごとに対抗製品が存在します。
そのため、各対抗製品同士を比較することによって、両者の差をより分かり易く知る事ができます。

以下から最新シリーズ(第10世代のCore iと第4世代Ryzen)の主流製品をざっくりと比較しながら見ていきます。


Core i9 と Ryzen 9

Core i9およびRyzen 9は主流CPUにおける最上級モデルです。いわゆるハイエンドと呼ばれる区分に含まれ、ハイエンドの中でも最上位の製品群となります。
主流CPUとしてトップの性能を誇り、両者素晴らしい性能を持っています。その代わり価格は非常に高く、人気モデルの価格はおおよそ6万円~7万円程度となっています(2021年4月時点)。

第11世代「Core i9」と第4世代「Ryzen 9」
Core i9(第11世代)
マルチスレッド性能
(4.5)
シングルスレッド性能
(5.0)
ゲーミング性能
(5.0)
消費電力・発熱
(1.0)
Ryzen 9(第4世代)
マルチスレッド性能
(5.0)
シングルスレッド性能
(5.0)
ゲーミング性能
(5.0)
消費電力・発熱
(2.5)

Core i9とRyzen 9の人気モデルを一部抜粋して比較しています。

【主要スペック】
CPU PassMarkスコア コア/スレッド 動作クロック
(最大)
TDP クーラー
の付属
コスパ 参考価格
Ryzen 9 5900X 39700 12/24 3.7GHz(4.8GHz) 105W × 0.555 71,500円
Core i9-11900K 27300 8/16 3.5GHz(5.2GHz) 125W × 0.35 78,000円
Core i9-11900KF 27300 8/16 3.5GHz(5.2GHz) 125W × 0.37 75,000円
Core i9-11900 8/16 2.5GHz(5.2GHz) 65W 64,000円
Core i9-11900F 8/16 2.5GHz(5.2GHz) 65W 62,000円
【Cinebench R23】
CPU シングル マルチ
Ryzen 9 5900X 1638 22230
Core i9-11900K 1688 15573

「第11世代のCore i9」と「第4世代のRyzen 9」は、Ryzen 9の方が明らかに優れています。Core i9もシングスレッド性能とゲーミング性能では非常に優れた性能で、Ryzen 9と同じかわずかに上くらいになりますが、マルチスレッド性能差があまりに大きいです。Ryzen 9:12コア~なのに対し、Core i9:8コアということもあり、完敗してしまっています。また、Ryzen 9の方がコア数が多いにも関わらず、消費電力もRyzen 9の方が圧倒的に少なくて有利です。Core i9の方が有利と言い切れる部分が正直無いので、どちらかを選ぶならRyzen 9の方が明らかに良いです。

また、そもそも第11世代ではCore i9のコア数が10→8へと減らされてしまい、Core i7と同じになった点も相対的に評価を下げています。Core i9のK付きのモデルでのみAdaptive Boost Technologyという自動オーバークロック機能のようなものが搭載されて差別化が図られていますが、それを利用したところでチップの質自体が変わる訳ではないので、Ryzen 9 5900Xにマルチスレッド性能では完敗してしまう点は変わらないです。

更に、第11世代ではCore i9は前世代より値上がりしてしまいました。前世代ではCore i9の方が価格が安かったため、価格比のコスパ面では優位の部分もありましたが、その優位性が失われてしまいました。第11世代では、Kの付かない価格の下がったモデルですら大して安くないので、正直どうしようもないです。

Core i9が有力な選択肢となるのは、BTOパソコン(既製品)でPC全体として安い場合か、発売以降に価格が大幅に下がるくらいしかないと思います。

他にも、Core i9には内蔵GPUがある(末尾Fモデル除く)という優位性が一応はありますが、この性能帯のCPUをグラフィックボード無しで運用する人はほとんど居ないと思うので、そこでプラス評価にするのは難しいところです。

上記のことから、正直Core i9には優位性がほとんどない上、ハイエンド帯のCPUに特に求められる「マルチスレッド性能」「電力効率」がどちらもRyzen 9の方が圧倒的に上なので、コスパも実用性もRyzenの方が良いという評価が一般的だと思います。「どちらが良いですか?」と私が聞かれたら、Ryzen 9を迷わずおすすめします(ただし、2021年4月現在ではRyzen 9が人気すぎて品薄気味なので、在庫関係で難しい可能性有)。

ただし、Core i9の各種性能も性能自体は非常に高性能です。Ryzen 9と比べると微妙というだけで、性能自体は悪くないので、そこは留意しておきましょう。


Core i7 と Ryzen 7

Core i7およびRyzen 7は主流CPUにおける上級モデル(上から2番目)です。いわゆるハイエンドと呼ばれる区分に入ります。
価格はおおよそ4~6万円となっています(2021年4月時点)。
非常に高い性能を発揮しつつも、価格がCore i9やRyzen 9ほど高くないため、高性能PCで特に人気のシリーズとなっています。

第11世代「Core i7」と第4世代「Ryzen 7」
Core i7(第11世代)
マルチスレッド性能
(4.0)
シングルスレッド性能
(5.0)
ゲーミング性能
(5.0)
消費電力・発熱
(1.5)
Ryzen 7(第4世代)
マルチスレッド性能
(4.5)
シングルスレッド性能
(5.0)
ゲーミング性能
(5.0)
消費電力・発熱
(2.5)

Core i7とRyzen 7の人気モデルを一部抜粋して比較しています。

【主要スペック】
CPU PassMarkスコア コア/スレッド 動作クロック
(最大)
TDP クーラー
の付属
コスパ 参考価格
Ryzen 7 5800X 28400 8/16 3.8GHz(4.7GHz) 105W × 0.481 59,000円
Core i7-11700K 25100 8/16 3.6GHz(5.0GHz) 125W × 0.425 59,000円
Core i7-11700KF 25100 8/16 3.6GHz(5.0GHz) 125W × 0.440 57,000円
Core i7-11700 8/16 2.5GHz(4.9GHz) 65W 48,000円
Core i7-11700F 8/16 2.5GHz(4.9GHz) 65W 44,000円
【Cinebench R23】
CPU シングル マルチ
Ryzen 7 5800X 1594 15245
Core i7-11700K(F) 1595 15011

「第11世代のCore i7」と「第4世代のRyzen 7」の各種処理性能は、よく似ています(最上位モデル)。最上位モデル同士で比較すると、シングルスレッド性能・マルチスレッド性能・ゲーミング性能の全てがほぼ同等です。ただし、電力面では明らかにRyzen 7の方が優れるため、総合的に評価するとRyzen 7の方がやや優れています。

両者はどちらも8コア16スレッドCPUで、しかもシングルスレッド性能がほぼ同じのため、各種パフォーマンスはかなり似ています。ただし、消費電力はCore i7の方が明らかに多いため、Ryzenの方が優れたチップであると言えると思います。前世代ではCore i7の方が安かったので差別化が一応は出来ていましたが、第11世代では値上がりしてしまったため、優位性を失ってしまいました。

ただし、2021年4月時点ではRyzen 7には安価で省電力なモデルが無いため、安くて扱い易いCPUが欲しいなら、下位モデルのあるCore i7も有力な選択肢となります(例:Core i7-11700F)

下位モデルは当然ながら性能も下がってしまいますが、8コア16スレッドという点は変わらないですし、大幅に安くなるためにコスパは良いです(11700K→11700で約11,000円安くなります)。省電力でかつマルチタスク処理性能を高めたい場合や小型のケースで運用したいケースなどでは、高価なモデルと比較しても実用性は大して変わらないと思うのでおすすめです。

また、Core i7側には内蔵GPUがあるという点で一応優位性がありますが、この性能帯のCPUをグラフィックボード無しで運用する人は多くないと思うので、プラス評価にはしていません。


Core i5 と Ryzen 5

Core i5およびRyzen 5は主流CPUにおける中級モデルです。いわゆるミドルレンジに区分されます。

中級とはいっても現在では十分に高性能で、「可・不可」でいえば不可能な事はないレベルの高性能さです。数年前のハイエンドCPUを大きく上回るレベルの性能を持っています。価格はやや幅が広く、おおよそ2万円~4万円程度となっています。

第11世代「Core i5」と第4世代「Ryzen 5」
Core i5(第11世代)
マルチスレッド性能
(4.0)
シングルスレッド性能
(4.5)
ゲーミング性能
(4.5)
消費電力・発熱
(3.0)
Ryzen 5(第4世代)
マルチスレッド性能
(4.0)
シングルスレッド性能
(4.5)
ゲーミング性能
(4.5)
消費電力・発熱
(4.0)

Core i5とRyzen 5の人気モデルを一部抜粋して比較しています。

【主要スペック】
CPU PassMarkスコア コア/スレッド 動作クロック
(最大)
TDP クーラー コスパ 参考価格
Ryzen 5 5600X 22600 6/12 3.7GHz(4.6GHz) 65W × 0.572 39,500円
Core i5-11600K 18200 6/12 3.9GHz(4.9GHz) 125W × 0.479 38,000円
Core i5-11600KF 18200 6/12 3.9GHz(4.9GHz) 125W × 0.52 35,000円
Core i5-11400 6/12 2.6GHz(4.4GHz) 65W 26,000円
Core i5-11400F 6/12 2.6GHz(4.4GHz) 65W 23,000円
【Cinebench R23】
CPU シングルスレッド マルチスレッド
Ryzen 5 5600X 1572 11268
Core i5-11600K 1564 11277

「第11世代のCore i5」と「第4世代のRyzen 5」は、各種処理性能がよく似ています(最上位モデル)。最上位モデル同士で比較すると、シングルスレッド性能・マルチスレッド性能・ゲーミング性能の全てがほぼ同等です。ただし、電力面では明らかにRyzen 5の方が優れるため、総合的に評価するとRyzen 5の方がやや優れています

なのですが、第4世代のRyzen 5は2021年4月時点で高価なモデルしかなく(5600X)、そもそも中間モデルで高価なモデルを選択するくらいならCore i7やRyzen 7の安価なモデルを選択した方がコスパは良いという問題があります。そのため、性能的にはRyzen 5の方が勝りますが、実用コスパ的には大幅に安いモデルのあるCore i5の方が有利です。また、この中間モデルではビデオカード無しで運用する人もそれなりに居ると思いますが、Ryzenは末尾Gモデルしか搭載されず、しかも投入が遅いため、

また、ゲーミングといえばCore i7 / Ryzen 7以上という印象の方は多いと思いますが、単純なゲーミングのみのコスパであれば、基本的に5が一番強いです(特に安価なモデル)。

結論としては、「出来るだけ少ない費用で高いゲーミング性能を重視」する場合にはCore i5(安価なモデル)、「上位モデルよりは安く済ませたくて、出来るだけ優れたワットパフォーマンスを求める」場合にはRyzen 5という形での選択になると思います。

また一応触れておくと、TDPが125Wのモデル「Core i5-11600K」は中間モデルとは思えないほど消費電力が多いので注意が必要です。最低でも大型の空冷クーラー推奨で、水冷でもやりすぎではないレベルです。正直なところ、そこまでするならRyzen 5 5600Xにするか、7以降の別モデルを選択する方が良いと思うので、個人的にはあえて選ぶ必要は無いモデルかなと思っています。


Core i3 と Ryzen 3

※2021年4月時点では、最新の第11世代のCore i3、第4世代Ryzen(5000シリーズ)のRyzen 3、がどちらも発売されていないので、前世代の比較を載せています。3というモデルにおいては最新ですが、設計的には旧モデルにあたるので注意してください。

Core i3およびRyzen 3は主流CPUにおける中の下くらいに位置するモデルです。いわゆるミドルレンジ下位くらいにに区分されます。価格は安く、おおよそ1万円台前半~2万円程度となっています。
価格の安さが魅力のモデルなので、性能は高いとは言えないレベルです。とはいえ、Web閲覧やOffice作業などの軽作業であれば十分すぎるくらいの性能は持っています。その安価のおかげで、特に重い作業をしないのであればコスパは良いです。性能自体は順調に向上しており、数世代前のCore i7クラスの性能は持っています。ゲーミング用途でも、上位モデルと比べると劣るというだけで普通に使えはします。

とはいえ、Core i5Ryzen 5との性能差が大きく、少し予算をプラスしてCore i5Ryzen 5を買うだけで性能が大幅に上昇するため、「3を買うなら、少しプラスして5買った方がお得」というのが明らかなので、他モデルより人気は低めです。

第10世代「Core i3」と第3世代「Ryzen 3」
Core i3(第10世代)
マルチスレッド性能
(2.5)
シングルスレッド性能
(3.5)
ゲーミング性能
(3.0)
消費電力・発熱
(4.0)
Ryzen 3(第3世代)
マルチスレッド性能
(3.0)
シングルスレッド性能
(4.0)
ゲーミング性能
(3.5)
消費電力・発熱
(3.5)

Core i3とRyzen 3の人気モデルを一部抜粋して比較しています。

【主要スペック】
CPU PassMarkスコア コア/スレッド 動作クロック
(最大)
TDP クーラー コスパ 参考価格
Ryzen 3 3300X 12900 4/8 3.8GHz(4.3GHz) 65W 0.832 15,500円
Ryzen 3 3100 12000 4/8 3.6GHz(3.9GHz) 65W 1.043 11,500円
Core i3-10100 8800 4/8 3.6GHz(4.3GHz) 65W 0.629 14,000円
【Cinebench R15】
CPU シングルスレッド マルチスレッド
Ryzen 3 3300X 202 1129
Ryzen 3 3100 181 1019
Core i3-10100 190 885

「第10世代のCore i3」と「第3世代 Ryzen」は、ほぼ全面的にRyzen 3の方が強いです。Core i3は「シングルスレッド性能」「マルチスレッド性能」「ゲーミング性能」全てで負けています。惨敗と言われても仕方ないレベルかもしれないです。特に「Ryzen 3 3300X」は1万円台中盤とは思えない性能を発揮しており、Core i3の価格がかなり下がらないと対抗できそうにないレベルです。

上述のように基本的にRyzen 3の方が有利なので、可能ならRyzen 3(特に3300X)を選択するのがおすすめです。

ただし、Ryzen 3は末尾Gモデル以外で内蔵GPUを搭載していないのに対し、Core i3では末尾Fモデル以外は搭載している点や、最大消費電力もRyzen 3より若干少ないというメリットがあります。グラボを搭載しないPCや、省電力や低発熱を意識したPCなどではCore i3の方が適している場合もあります。

結局どっちが良い?

最後に「どっちが良いか?」という点について個人的なおすすめを述べています。あくまで参考までにご覧ください

Core i9はおすすめしません

ハイエンド製品ではよく採用されているCore i9ですが、正直第11世代のCore i9は良くないので、おすすめしません。Ryzen 9には圧倒的に劣りますし、コア数もCore i7と同じ8なので、あえてCore i9を選択する意味が正直感じられません。第11世代では、Core i9のK付きのモデルでのみAdaptive Boost Technologyという自動オーバークロック機能のようなものが搭載されて差別化が図られていますが、それを利用してもRyzen 9 5900Xにマルチスレッド性能では絶対に敵わないので、優位性はほとんど無いと思っています(しかも、保証外にはなりますが、Ryzen側でも似たようなブースト機能が利用できます)。

第11世代のCore i9を選ぶなら、Core i7にするかRyzen 9を選択することをおすすめします。

基本的にはRyzen有利。電力効率の差がでかい

Core iシリーズは第11世代で性能が大幅に向上しましたが、マルチスレッド性能では依然として第4世代Ryzenの方が強いですし、強みであるはずのシングルスレッド性能やゲーミング性能でも同じか僅かに上程度でした。また、電力効率が圧倒的にRyzenの方が優れるため、たとえ同性能でもRyzenの方が有利です。発熱もRyzenの方が全体的に少なくて、クーラーにも余裕が出てくるため、扱い易さもRyzenが上です。

後述する安価なモデルでは話が変わってくる部分もありますが、上位製品での性能で選ぶならRyzen一択レベルだと思います。

ゲーミングコスパや安さ重視なら、Core i5やCore i7安いモデルは強い

チップの性能としては全体的にRyzenが有利ですが、2021年4月時点ではRyzenは高価なモデルしか販売されていないため、Core iの安いモデル(Kの付かないモデル)は安さとコスパで有利になります。

たとえば、2021年4月時点では、第4世代のRyzen 7はRyzen 7 5800X(約6万円)しかありませんが、第11世代のCore i7にはCore i7-11700F(約44,000円)といった大幅に安いモデルがあります。消費電力も少ないモデルなので、クーラーのことも考えると費用面では更にプラスです。

同じように、第4世代のRyzen 5はRyzen 5 5600X(約4万円)しかありませんが、第11世代のCore i5にはCore i5-11400F(約23,000円)といった大幅に安いモデルがあります。

性能は安いモデルの方が多少落ちるものの、コア数は変わりません。実用性的にはそこまで影響がない人も多いと思うので、始めから凄く高負荷な処理で多用するわけでないなら、安いモデルの方をまず検討してみることをおすすめします。

グラボ無しで運用するならRyzen(末尾G)やCore i(F以外)

もしグラボを利用せずにCPUの内蔵GPUで運用したいなら、Ryzen APU(末尾G)かCore i(末尾F除く)を選択する必要があります。

Ryzenの内蔵GPU搭載モデル(APU)は、最新アーキテクチャ採用のものがまだ登場していないために、本記事ではここまで触れませんでしたが、「Ryzen 7 PRO 4750G」と「Ryzen 5 PRO 4650G」が主力モデルです。設計的に一つ前の世代のものとなりますが、内蔵GPU性能重視なら強い選択肢です。

また、Ryzenにはやや劣るものの、第11世代Core iシリーズ世代搭載の内蔵GPU「UHD Graphics 700番台」も、前世代からは強化されています。

内蔵GPUとはいえ少しでも高い性能を求めるなら「Ryzen APU(末尾G)」をおすすめしますが、どちらもデータ量の多い動画編集や重いゲームをやらないのであれば十分なグラフィック性能があるため、ライトユーザーならそこまで困らないと思います。



それでは、内容はここまでとなります。ご覧いただきありがとうございました。

性能スコアなどの参考

15 COMMENTS

maic M

分かりやすくたいへん参考になりました。
Ryzen 系がよく売れているせいか、ヤフーオークでもインテル系が
安くなってきています。中でも、i7-2000番、3000番のでも
モバイルのCPUは、35度、45度、の低温度でまたよく売れるため
値上がりしちゃってます。 いいのか悪いのか・・
GPU HD4000 搭載のCPUは、非力ながらも・・多少の3Dも
扱えるソフトウエアー搭載なので・・人気が高いです。

返信する
ぴえん

Ryzen 7 5700X、Ryzen 5 5600(X無し)に期待したいですね!これもまたコスパ最高か?

返信する
とねりん:管理人

5600Xや5800Xはモデルナンバーの割には高すぎるので、本当にそう思います。

返信する
とっくめー

Ryzen 3 5300XやRyzen 7 5700Xなど、zen2世代の人気モデルの後継が登場するのが待ち遠しいですね!

返信する
とねりん:管理人

私も本当にそう思いますが、今のIntel相手なら多少高くても売れるでしょうから引っ張ってきそうな気もしちゃいますね…。

返信する
Gi_RyuZa

返信がとても遅くなってしまって申し訳ございません。
ものすごい、参考になりました。
自作㍶を作る時、cpuはこれを参考に選ばせていただきます。
ありがとうございました。

返信する
たらこ

ゲーミング&動画編集用のPCを作ろうと考えていますがRYZENかCORE iで悩んでます。
文章中にゲーミング性能と言う言葉が出ていますが、【主要スペック】にも【Cinebench R15】にもそれっぽい数値は記載されていないと思うのですが、何を見ればわかるのでしょうか?
★に換算された元情報(他ページ?)を教えてもらえないでしょうか?

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とねりん:管理人

ゲーミング性能は大手レビューサイトの記事等の多数の情報を参考にしながら、私自身が相対的に比較して評価している形なので単一のソースのようなものはありません。申し訳ありません。
Google等で気になるCPUの個別レビュー記事を探すか、宣伝みたいで申し訳ないですが、本サイトでも新着記事の上の方のCPU評価記事ではゲーミング性能(平均FPS)には軽く触れているので、よければご覧ください。

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たらこ

返信ありがとうございました。
返信が遅くなり申し訳ございませんでした。m(_ _)m

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