「Core i」と「Ryzen」の違いを比較【ざっくり解説】

Intelの主流CPUシリーズのCore i シリーズと、AMDの主流CPUシリーズのRyzenシリーズの違いについてざっくり解説しています。(Core iの末尾Xシリーズや、Ryzen Threadripperシリーズは除外しています)
デスクトップPC向けの最新世代(2020年11月時点)のものを対象としています。

注意
掲載の情報は記事更新時点(2020年11月)でのものであり、ご覧になっている際には異なる可能性があるため注意してください。また、価格は主に価格.comやAmazonでの最安値となっています。

はじめに

本記事はPCの主流CPUの、IntelのCore i シリーズとAMDのRyzenシリーズ各種のデスクトップ向けの最新世代のものを対象としています。
現在(2020年11月)の最新は「Core i」は第10世代(10000番台)で、「Ryzen」は第4世代(5000番台)です。ただし、記事更新時点(2020年11月)では、Ryzen 5000シリーズはRyzen 3モデルが登場していないため、Ryzen 3のみ一つ前の世代(第3世代、3000番台)のものを掲載しています。

超ざっくり比較

まずは、細かい数値を見ていく前に「Core i」「Ryzen」の各性能についてざっくりとした比較を載せています。「なんとなく各シリーズの特徴を掴めれば」といった感じのかなりざっくりとした比較です。しっかりとした比較ではないため、そのことを頭の中に置いた上でご覧ください。


ざっくり性能比較(第10世代Core iと第4世代Ryzen)

まずは処理性能面です。

ざっくり性能比較(第10世代Core iと第4世代Ryzen)
  Core i シリーズ Ryzen シリーズ
マルチスレッド性能
シングルスレッド性能
ゲーミング性能

※同モデルナンバー内での比較(Core i9とRyzen 9等)
※2020年11月現在で最新のCPUが対象(Core iは第10世代、Ryzenは第4世代)
※ゲーミング性能は高性能なGPU(グラフィックボード・ビデオカード)と同時に利用した場合のもの。

1スレッド(1コア)あたりの性能です。シングルスレッド性能が高いと、軽い処理の速さ(レスポンス)が良くなる他、基本的にどのような用途でも有利に働くため非常に重要です。上記の表では同じ評価にしていますが、2020年9月時点ではIntelの方が僅かに有利 です。
CPUの全コア稼働時の処理性能です。マルチスレッド性能が高いと、動画エンコードやレンダリングなどの膨大な処理を必要とする作業で特に有利になる他、複数の処理を並行して行う場合などでも有利です。

性能はほぼ全面的にRyzen有利

第10世代のCore iシリーズと第4世代Ryzen(Ryzen 5000シリーズ)の性能は、ほぼ全面的にRyzenの方が有利です。Core i側は今まではずっと「ゲーミング」では有利を保ってきましたが、Ryzen 5000シリーズで遂に差がほとんど無くなりました。マルチスレッド性能とシングルスレッド性能ではRyzenの方が大きくリードする形となっているため、性能的に見ればほぼ全面的にRyzenの方が強いです。

ただし、Ryzen 5000シリーズでは従来より価格が高くなってしまったので、純粋な費用面ではCore iの方がやや有利です。特に、Core iシリーズはCore i5以下の下位モデルが非常に安価なので、価格を出来るだけ抑えたい場合にはCore iシリーズも価値はあると思います。

価格比較(第10世代Core iと第4世代Ryzen)

価格についてです。2020年11月時点のものです。

価格比較(第10世代Core iと第3世代Ryzen)
  Core i シリーズ Ryzen シリーズ
Core i9 / Ryzen 9
約 50,000~62,000円
約 71,500~106,500円
Core i7 / Ryzen 7
約 38,000~44,000円
約 59,000円(5800Xのみ)
Core i5 / Ryzen 5
約 18,000~30,000円
約 39,500円(5600Xのみ)

Ryzenは従来より値上がりし、Core iよりも高くなった

第4世代Ryzen(5000シリーズ)は、先代よりも50ドルずつ値上がりしてしまいCore iシリーズよりも高価になってしまいました。

前述のように性能ではRyzenがほぼ全面的に有利なので、純粋なコスパでは負けている訳ではないものの、費用は多くかかってしまいます。

消費電力比較(第10世代Core iと第4世代Ryzen)

消費電力についての比較です。結論を先にいうとRyzenの方が良いです。

消費電力(Blender Open Data)
CPU名称
消費電力(W)
Ryzen 3 3300X※前世代
148
Core i5-10400
153
Ryzen 5 5600X
157
Core i5 10600K
198
Ryzen 7 5800X
206
Ryzen 9 5950X
226
Ryzen 9 5900X
231
Core i7-10700K
232
Core i9-10900K
301

参考:

Ryzenの方が消費電力は少ない上にワットパフォーマンスが良い

第10世代のCore iシリーズは前世代よりマルチスレッド性能が強化されましたが、その代わりに消費電力が大幅に増加してしまいました。これによって、同モデルナンバー同士だとRyzenよりも消費電力は明らかに多くなってしまいました。更に、ゲーミング性能以外はRyzenの方が大幅に高いので、ワットパフォーマンスもCore iシリーズの方が悪いです。当然発熱も多いので、クーラーもRyzenよりも注意する必要があります。

電力方面ではRyzenの方が圧倒的有利という状況です。安価モデルでは気にする程の差でもないですが、ハイエンドモデルでは扱い易さ的にもかなりの差が出てきます。

付属クーラー比較(第10世代Core iと第4世代Ryzen)

付属クーラーについての比較です。第3世代まではRyzenの方が有利でしたが、第4世代からはほぼ変わらなくなりました。どちらも冷却性を重視するなら別途クーラーを用意した方が良いです。

付属クーラー比較(第10世代Core iと第4世代Ryzen)
項目 Core i シリーズ Ryzen シリーズ
冷却性能 ×
静音性 ×

付属モデルの多さ

TDP65W以下のみで付属(冷却性能は微妙)

「第10世代のCore iシリーズ」「第4世代Ryzen(5000シリーズ)」どちらも、TDPが65W以下のモデルのみクーラーが付属します。その性能は「冷却性」「静音性」共に悪いです。Ryzen側の「Wraith Stealth」の方が僅かにマシではあるみたいですが、正直差はほとんどないです。別売りの1,000円~2,000円のクーラーの方がまだ良いです。

もちろん付属クーラーでも運用は可能ですし、「高負荷な処理はあまり行わず、静音性も低くても大丈夫」というなら特に問題ないかと思います。ただし、そうでないなら付属クーラーは避けた方が賢明です。

また、TDPが95W以上のモデルではクーラーが付属しないため、別途クーラーの用意が必須となります。BTOパソコン等であれば、付属していないモデルのCPUでも何かしらのクーラーが当然取り付けてあるので必ず注意しなければならないという訳でもないですが、その分のコストは加算されているはずです。

Ryzenの前世代モデルでは高TDPモデルでも付属しているモデルが多かったので少し残念ですが、高性能モデルでは付属クーラーが使用される確率が低かったのも事実だと思うので、影響的にはそこまで大きくないかなと思います。

内蔵GPU比較(第10世代Core iとRyzen)

内蔵GPUについてです。グラフィックボード等を利用しない場合には、内蔵GPUが必須となります。

内蔵GPU比較(第10世代Core iとRyzen)
項目 Core i シリーズ Ryzen シリーズ
内蔵GPUの有無
ほぼ有
※一部モデルでは無効(末尾F)
ほぼ無
※末尾Gモデルのみ搭載

例外はありますが、基本的にCore iシリーズでは搭載していて、Ryzenシリーズでは搭載されていません。

Core iシリーズ:基本搭載だが低性能

Core iシリーズでは基本的に内蔵GPUが搭載されています。ただし、末尾がFのモデルは内蔵GPUが利用ができないため注意してください(例:Core i5-10400F)。

とはいえ、内蔵GPUの性能は単体のGPU(グラフィックボード)と比べると圧倒的に低いです。高画質な動画を観たり軽いゲームをしたりする程度なら十分な性能ではありますが、高負荷なグラフィック処理は基本的に厳しいです。そのような事をしたい場合には単体のGPU(グラフィックボード)がほぼ必須となる点は留意しておいた方が良いです。

内蔵GPUがあることによる主なメリットは、PCにグラフィックボードを搭載せずに利用する場合や、多数の画面出力を行いたい場合などです。グラフィックボードを搭載するPC、たとえばゲーミングPCの場合には、内蔵GPUがあったとしても役立つケースはあまりないと思います。

Ryzen シリーズ:末尾Gのみ搭載で内蔵にしては高い性能

デスクトップ版のRyzen シリーズではほとんどのモデルで内蔵GPUが搭載されていません。末尾がGのモデルにのみ搭載されています(例:Ryzen 7 PRO 4750G)。内蔵GPUを利用したい人は末尾Gのモデルを選ぶようにする必要があります。ただし、Ryzenの内蔵GPU搭載モデル(APUと呼ばれる)は発売が他モデルよりやや遅く、2020年11月時点ではZen3搭載の第4世代Ryzenモデルは登場していないため注意してください。

Ryzenの内蔵GPU搭載モデルは、GPU性能がIntelよりも高いです。デスクトップPCで少しでも性能の高い内蔵GPUが欲しいなら、Ryzenの方がおすすめです。

各モデルごとの比較【最新世代】

各モデルごとに、少し詳しく比較・解説しています。
Core i シリーズとRyzen シリーズは、「Core i9」には「Ryzen 9」、「Core i7」には「Ryzen 7」といったように、各モデルナンバーごとに対抗製品が存在します。
そのため、各対抗製品同士を比較することによって、両者の差をより分かり易く知る事ができます。

以下から最新シリーズ(第10世代のCore iと第4世代Ryzen)の主流製品をざっくりと比較しながら見ていきます。


Core i9 と Ryzen 9

Core i9およびRyzen 9は主流CPUにおける最上級モデルです。いわゆるハイエンドと呼ばれる区分に含まれ、ハイエンドの中でも最上位の製品群となります。
主流CPUとしてトップの性能を誇り、両者素晴らしい性能を持っています。その代わり価格は非常に高く、人気モデルの価格はおおよそ6万円~7万円程度となっています(2020年11月時点)。

第10世代「Core i9」と第4世代「Ryzen 9」
Core i9(第10世代)
マルチスレッド性能
(4.5)
シングルスレッド性能
(4.5)
ゲーミング性能
(5.0)
消費電力・発熱
(1.0)
Ryzen 9(第4世代)
マルチスレッド性能
(5.0)
シングルスレッド性能
(5.0)
ゲーミング性能
(5.0)
消費電力・発熱
(2.0)

Core i9とRyzen 9の人気モデルを一部抜粋して比較しています。

【主要スペック】
CPU PassMarkスコア コア/スレッド 動作クロック
(最大)
TDP クーラー
の付属
コスパ 参考価格
Ryzen 9 5900X 39700 12/24 3.7GHz(4.8GHz) 105W × 0.555 71,500円
Core i9-10900K 24000 10/20 3.7GHz(5.3GHz) 125W × 0.387 62,000円
Core i9-10900KF 23700 10/20 3.7GHz(5.3GHz) 125W × 0.402 59,000円
Core i9-10850K 22900 10/20 3.6GHz(5.2GHz) 125W × 0.409 56,000円
Core i9-10900 21400 10/20 2.8GHz(5.2GHz) 65W 0.412 52,000円
Core i9-10900F 21400 10/20 2.8GHz(5.2GHz) 65W 0.428 50,000円
【Cinebench R15】
CPU シングルスレッド マルチスレッド
Ryzen 9 3900X 270 3568
Core i9-10900K 229 2677
Core i9-10900 224 2291

性能に関してはRyzen 9の方がゲーミング以外の全ての面で優れています。ゲーミング性能に関しても差はほとんどなく、Core i9にゲーミングでの優位性があるという訳でもありません。性能で選ぶならRyzen 9です。

性能差では特に、マルチスレッド性能が圧倒的にRyzen 9の方が上です。しかもRyzen 9の方がコア数とスレッド数が多いのにも関わらず、Core i9の方が消費電力が大幅に多いです(高TDPモデル)。ワットパフォーマンスはRyzen 9の圧勝です。また、消費電力が大幅に多いということは発熱も多いという事なので、Core i9の方がクーラーにも気を付けなければなりません。たとえば、「Ryzen 9 5900X」は空冷でも大型のものなら何とかなりますが、「Core i9-10900K」では水冷が推奨されています。

Core i9の優位性は、Ryzen 9より価格が安い点と低消費電力モデルがある点です。

まず価格面についてですが、Ryzenは第4世代(5000シリーズ)から従来より値上がりしてしまったため、純粋な価格ではIntel CPUより高くなりました。ただし、価格を抑えたいならRyzenの下位モデルを選んだ方が正直コスパは良いので、実質優位性ではないと言われたらそうだったりもします。

低消費電力モデルについては、Ryzen 9では2020年11月時点ではTDPが105Wの高消費電力モデルしかないのに対し、Core i9ではTDPが65Wの低消費電力モデルがあります。TDP65Wモデルはさすがに105WのRyzen 9よりも消費電力は大幅に少ないです。性能も大きく下がってしまうものの価格も安くなっていますし、10コア20スレッドという点は変わらないので、省電力でかつマルチタスク処理性能を高めたい場合や、小型のケースで運用したいケースなどで役立ちます。とはいえ、Core i9は省電力で一番安価なモデルでも約5万円(2020年11月時点)と非常に高価です。性能より価格や省電力性を重視したいなら、7以下の下位モデルの方が都合が良いので、Core i9の省電力モデルの需要は正直微妙な感じがします。

他にも一応、内蔵GPUがあるという点でも差がありますが、この性能帯のCPUをグラフィックボード無しで運用する人はほとんど居ないと思うので、特に考慮はしません。

上記のことから、Core i9に一切の優位性がないという訳ではないですが、ハイエンド帯のCPUに特に求められる「性能」「コスパ」「ワットパフォーマンス」が全てRyzen 9の方が上なので、Ryzen 9の方が総合的なコスパは明らかに上と見られているのが一般的だと思います。私も「どちらが良いですか?」と聞かれたらRyzen 9をまずおすすめします。

ただし、第4世代のZen3搭載Ryzen 9が高性能すぎるだけで、Core i9の各種性能も性能自体は非常に高性能です。そこは留意しておきましょう。


Core i7 と Ryzen 7

Core i7およびRyzen 7は主流CPUにおける上級モデル(上から2番目)です。いわゆるハイエンドと呼ばれる区分に入ります。
価格はおおよそ4~5万円となっています(2020年11月時点)。
非常に高い性能を発揮しつつも価格がCore i9やRyzen 9ほどは高くないため、高性能PCで特に人気のシリーズとなっています。

第10世代「Core i7」と第4世代「Ryzen 7」
Core i7(第10世代)
マルチスレッド性能
(4.0)
シングルスレッド性能
(4.5)
ゲーミング性能
(5.0)
消費電力・発熱
(2.0)
Ryzen 7(第4世代)
マルチスレッド性能
(4.5)
シングルスレッド性能
(5.0)
ゲーミング性能
(5.0)
消費電力・発熱
(2.5)

Core i7とRyzen 7の人気モデルを一部抜粋して比較しています。

【主要スペック】
CPU PassMarkスコア コア/スレッド 動作クロック
(最大)
TDP クーラー
の付属
コスパ 参考価格
Ryzen 7 5800X 28400 8/16 3.8GHz(4.7GHz) 105W × 0.481 59,000円
Core i7-10700K 19800 8/16 3.8GHz(5.1GHz) 125W × 0.45 44,000円
Core i7-10700KF 19800 8/16 3.8GHz(5.1GHz) 125W × 0.471 42,000円
Core i7-10700 18100 8/16 2.9GHz(4.8GHz) 65W 0.464 39,000円
Core i7-10700F 18100 8/16 2.9GHz(4.8GHz) 65W 0.476 38,000円
【Cinebench R15】
CPU シングルスレッド マルチスレッド
Ryzen 7 5800X 265 2580
Core i7-10700K 220 2299
Core i7-10700 212 1840

処理性能に関してはRyzen 7の方がゲーミング以外の全ての面で優れています。ゲーミング性能に関しても差はほとんどなく、Core i7にゲーミングでの優位性があるという訳でもありません。性能で選ぶならRyzen 7です。

Core i7は処理性能で負けているだけでなく、省電力モデル以外は消費電力とワットパフォーマンスでも負けています。性能重視の「Core i7-10700K(F)」は消費電力がかなり多く、従来のCore i7を大きく上回る点には特に注意が必要です。

Core i7の優位性は、Ryzen 7より価格が安い点と低消費電力モデルがある点です。

まず価格面ですが、2020年11月時点で発売されている第4世代のRyzen 7は一つだけで「Ryzen 7 5800X」ですが、これはRyzen 7の中でも高価格に位置するモデルだと思われます(発売時約59,000円)。そのせいでCore i7との価格差がかなり大きいため、性能的には圧勝しつつもコスパ的にはRyzen 7の方がが強いとは言い切れるかは怪しいレベルです。性能の高さは間違いないので純粋なコスパ自体は悪くないですが、5800Xを選ぶならRyzen 9Ryzen 5を選んだ方がコスパは正直良いと思います。従来の7モデルの価格で検討したい方は、価格の下がったモデル(5700X?)を待った方が賢明かもしれません。

低消費電力モデルについては、Ryzen 7では2020年11月時点ではTDPが105Wの高消費電力モデルしかないのに対し、Core i7ではTDPが65Wの低消費電力モデルがあります。TDP65Wモデルはさすがに105WのRyzen 7よりも消費電力は大幅に少ないです。性能も大きく下がってしまうものの価格も安くなっていますし、8コア16スレッドという点は変わらないので、省電力でかつマルチタスク処理性能を高めたい場合や、小型のケースで運用したいケースなどで役立ちます。

他にも一応、内蔵GPUがあるという点でも差がありますが、この性能帯のCPUをグラフィックボード無しで運用する人は多くないと思うので、特に考慮はしません。


Core i5 と Ryzen 5

Core i5およびRyzen 5は主流CPUにおける中級モデルです。いわゆるミドルレンジに区分されます。

中級とはいっても現在では十分に高性能で、「可・不可」でいえば不可能な事はないレベルの高性能さです。数年前のハイエンドCPUを大きく上回るレベルの性能を持っています。価格はやや幅が広く、おおよそ2万円~3万円台中盤程度となっています。

第10世代「Core i5」と第3世代「Ryzen 5」
Core i5(第10世代)
マルチスレッド性能
(3.5)
シングルスレッド性能
(4.0)
ゲーミング性能
(4.5)
消費電力・発熱
(3.5)
Ryzen 5(第4世代)
マルチスレッド性能
(4.0)
シングルスレッド性能
(5.0)
ゲーミング性能
(5.0)
消費電力・発熱
(3.5)

Core i5とRyzen 5の人気モデルを一部抜粋して比較しています。

【主要スペック】
CPU PassMarkスコア コア/スレッド 動作クロック
(最大)
TDP クーラー コスパ 参考価格
Ryzen 5 5600X 22600 6/12 3.7GHz(4.6GHz) 65W × 0.572 39,500円
Core i5-10600K 15200 6/12 4.1GHz(4.8GHz) 125W × 0.506 30,000円
Core i5-10400 13100 6/12 2.9GHz(4.3GHz) 65W 0.655 20,000円
Core i5-10400F 13100 6/12 2.9GHz(4.3GHz) 65W 0.727 18,000円
【Cinebench R15】
CPU シングルスレッド マルチスレッド
Ryzen 5 5600X 258 1970
Core i5-10600K 205 1452
Core i5-10400 188 1320

「第10世代のCore i5」と「第4世代のRyzen 5」は、処理性能に関してはRyzen 5の方がゲーミング以外の全ての面で優れています。

ゲーミング性能に関しても差はほとんどなく、どちらも優れた性能です。その性能はCore i9Ryzen 9とも大きくは変わらないレベルなので、その大きな価格差を考えるとゲーミングのみのコスパは上位モデルよりも圧倒的に良いです。ゲーミングといえばCore i7 / Ryzen 7以上という印象の方は多いと思いますが、単純なゲーミングのみのコスパであれば、5が一番強いです。

ゲーミング以外の性能はほぼ全てRyzen 5が勝っています。特に、6コアとは思えないマルチスレッド性能と、その性能の割には少ない消費電力とワットパフォーマンスの良さは非常に魅力です。しかし残念なことに、従来よりも値上がりしてしまっているのが痛いです。2020年11月時点で発売されている唯一のモデルの「Ryzen 5 5600X」は発売時で4万円近くとなっており、ミドルレンジCPUとは思えない高価さになっています。

7以降の上位モデルとの比較であれば5600Xでもやや価格は安くコスパは勝っているため選ぶ価値は十分にありますが、Core i5との比較では価格差がかなり大きいです。2万円を切る事をすらある非常に安価なCore i5とのコスパ勝負的には正直微妙なところです。特にゲーミング性能に関しては大差が無いため、ゲーミングのみのコスパなら価格の安いCore i5の方が大きく有利です。

結論としては、「出来るだけ少ない費用で高いゲーミング性能を重視」する場合にはCore i5、「Core i5よりは高いものの上位モデルよりは安くて、非常に優れたワットパフォーマンスと高いマルチスレッド性能を求める」場合にはRyzen 5という形での選択になると思います。

また一応触れておくと、TDPが125Wのモデル「Core i5-10600K」は中間モデルとは思えないほど消費電力が多いので注意が必要です。従来のCore i7(末尾K)並みです。クーラーも空冷ならそれなりに高性能なものが必要となりますし、性能も価格の割には低くコスパも悪いです。別モデルを選択することをおすすめします。


Core i3 と Ryzen 3

※2020年11月時点では第4世代Ryzen(5000シリーズ)はRyzen 3が発売されていないので、前世代(第3世代)との比較を載せています。

Core i3およびRyzen 3は主流CPUにおける中の下くらいに位置するモデルです。いわゆるミドルレンジ下位くらいにに区分されます。価格は安く、おおよそ1万円台前半~2万円程度となっています。
価格の安さが魅力のモデルなので、性能は高いとは言えないレベルです。とはいえ、Web閲覧やOffice作業などの軽作業であれば十分すぎるくらいの性能は持っています。その安価のおかげで、特に重い作業をしないのであればコスパは良いです。性能自体は順調に向上しており、数世代前のCore i7クラスの性能は持っています。ゲーミング用途でも、本記事に出ているような最新モデルなら上位モデルと比べると劣るというだけで普通に使えはします。

とはいえ、Core i5Ryzen 5との性能差が大きく、少し予算をプラスしてCore i5Ryzen 5を買うだけで性能が大幅に上昇するという状況のため、「3を買うなら、少しプラスして5買った方がお得」というのが明らかなので、他モデルより人気は低めです。

第10世代「Core i3」と第3世代「Ryzen 3」
Core i3(第10世代)
マルチスレッド性能
(2.5)
シングルスレッド性能
(3.5)
ゲーミング性能
(3.0)
消費電力・発熱
(4.0)
Ryzen 3(第3世代)
マルチスレッド性能
(3.0)
シングルスレッド性能
(4.0)
ゲーミング性能
(3.5)
消費電力・発熱
(3.5)

Core i3とRyzen 3の人気モデルを一部抜粋して比較しています。

【主要スペック】
CPU PassMarkスコア コア/スレッド 動作クロック
(最大)
TDP クーラー コスパ 参考価格
Ryzen 3 3300X 12900 4/8 3.8GHz(4.3GHz) 65W 0.832 15,500円
Ryzen 3 3100 12000 4/8 3.6GHz(3.9GHz) 65W 1.043 11,500円
Core i3-10100 8800 4/8 3.6GHz(4.3GHz) 65W 0.629 14,000円
【Cinebench R15】
CPU シングルスレッド マルチスレッド
Ryzen 3 3300X 202 1129
Ryzen 3 3100 181 1019
Core i3-10100 190 885

「第10世代のCore i3」と「第3世代 Ryzen」は、ほぼ全面的にRyzen 3の方が強いです。Core i3は「シングルスレッド性能」「マルチスレッド性能」「ゲーミング性能」全てで負けています。惨敗と言われても仕方ないレベルかもしれないです。特に「Ryzen 3 3300X」は1万円台中盤とは思えない性能を発揮しており、Core i3の価格がかなり下がらないと対抗できそうにないレベルです。

上述のように基本的にRyzen 3の方が有利なので、可能ならRyzen 3(特に3300X)を選択するのがおすすめです。

ただし、Ryzen 3は末尾Gモデル以外で内蔵GPUを搭載していないのに対し、Core i3では末尾Fモデル以外は搭載している点や、最大消費電力もRyzen 3より若干少ないというメリットがあります。グラボを搭載しないPCや、省電力や低発熱を意識したPCなどではCore i3の方が適している場合もあります。

結局どっちが良い?

最後に「どっちが良いか?」という点について個人的なおすすめを述べています。あくまで参考までにご覧ください

性能で選ぶならRyzen

Ryzenは第4世代のRyzen 5000シリーズになり、全性能が大幅にアップしました。それによって、Core iシリーズに対して「シングルスレッド性能」「マルチスレッド性能」「ワットパフォーマンス」では圧勝ですし、ゲーミング性能も差はほとんどないまでになり、遂にゲーミングでもCore iシリーズの優位性を打ち崩しました。

中でもマルチスレッド性能とワットパフォーマンスは、マルチスレッド処理を頻繁に行う人にとってはかなりの差が出るレベルなので、そういう人はRyzenを選んだ方が間違いなく良いです。

性能の高さで選ぶなら、文句無しでRyzen一択です。また、消費電力もCore iシリーズの対抗モデルよりも大幅に低くなっているので、クーラーや電源容量にもやや余裕が出来る点も地味に大きいです。

低価格帯でゲーミングコスパ重視ならCore i5以下

処理性能に関してはゲーミング以外ほぼ全面的にRyzen有利なので、上位モデルではCore iシリーズを選ぶ意味はかなり薄くなってしまいましたが、Ryzenには価格が従来より高くなってしまったという弱点があります。初回投入の全モデルが先代モデルよりも50ドルも値上がりしてしまっています。性能向上率の高さを考えればコスパは全然悪くはないのですが、価格の安さ重視の場合にはこれが致命的です。

特に価格の安さとゲーミングコスパが重視される事が多い「5以下」のモデルでは大きいです。たとえば、第10世代のCore i5下位モデルは約2万円という安価さながら、ゲーミング性能のみならCore i9Ryzen 9にも大きくは劣らないレベルのものを持っているため、ゲーミングコスパは非常に良く魅力的です。Ryzen 5も価格以外は同じ特徴を持つものの、肝心の価格がCore i5よりも大幅に高いのが致命的です(初投入の5600Xは4万円近い)。出来るだけ価格を抑えたゲーミングコスパの良いPCが欲しいという場合には、未だにCore i5は強い選択肢だと思います。

グラボ無しで運用するならRyzen(末尾G)

Ryzenの内蔵GPU搭載モデル(APU)は、現行のモデルが世代的に遅れてしまっているため性能比較のところでは触れませんでしたが、グラボ無しで運用するなら強い選択肢です。内蔵にしては高いグラフィック性能を持っている上に、その他の性能でも第10世代のCore iシリーズと同等以上のものを持っています。

2020年11月時点での主力モデルは「Ryzen 7 PRO 4750G」と「Ryzen 5 PRO 4650G」です。データ量の多い動画編集や重いゲームをやらないのであれば十分なグラフィック性能があるため、ライトユーザーにはかなり使い勝手の良いCPUとなっているはずです。興味がある方は調べて見てください。


それでは、内容はここまでとなります。ご覧いただきありがとうございました。

性能スコアなどの参考

13 COMMENTS

ぴえん

Ryzen 7 5700X、Ryzen 5 5600(X無し)に期待したいですね!これもまたコスパ最高か?

返信する
とねりん:管理人

5600Xや5800Xはモデルナンバーの割には高すぎるので、本当にそう思います。

返信する
とっくめー

Ryzen 3 5300XやRyzen 7 5700Xなど、zen2世代の人気モデルの後継が登場するのが待ち遠しいですね!

返信する
とねりん:管理人

私も本当にそう思いますが、今のIntel相手なら多少高くても売れるでしょうから引っ張ってきそうな気もしちゃいますね…。

返信する
Gi_RyuZa

返信がとても遅くなってしまって申し訳ございません。
ものすごい、参考になりました。
自作㍶を作る時、cpuはこれを参考に選ばせていただきます。
ありがとうございました。

返信する
たらこ

ゲーミング&動画編集用のPCを作ろうと考えていますがRYZENかCORE iで悩んでます。
文章中にゲーミング性能と言う言葉が出ていますが、【主要スペック】にも【Cinebench R15】にもそれっぽい数値は記載されていないと思うのですが、何を見ればわかるのでしょうか?
★に換算された元情報(他ページ?)を教えてもらえないでしょうか?

返信する
とねりん:管理人

ゲーミング性能は大手レビューサイトの記事等の多数の情報を参考にしながら、私自身が相対的に比較して評価している形なので単一のソースのようなものはありません。申し訳ありません。
Google等で気になるCPUの個別レビュー記事を探すか、宣伝みたいで申し訳ないですが、本サイトでも新着記事の上の方のCPU評価記事ではゲーミング性能(平均FPS)には軽く触れているので、よければご覧ください。

返信する
たらこ

返信ありがとうございました。
返信が遅くなり申し訳ございませんでした。m(_ _)m

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