「Core i」と「Ryzen」の違いを比較【ざっくり解説】

Intelの主流CPUシリーズの「Core i」シリーズと、AMDの主流CPUシリーズの「Ryzen」シリーズの違いについてざっくり解説しています。
デスクトップPC向けのもので、最新世代のものを対象としています。

注意
※掲載の価格は、記事更新時点での主に価格.comやAmazonでの最安値となっています。

はじめに

本記事は、主流CPUである、Intelの「Core i」シリーズ、AMDの「Ryzen」シリーズ各種のデスクトップ向けの最新のものを対象としています。
現在(2019年8月現在)の最新は、「Core i」は第9世代(9000番台)で、「Ryzen」は第3世代(3000番台)です。

超ざっくり比較

性能(スペック)

まずは、細かい数値を見ていく前に「Core i」「Ryzen」の各性能について物凄くざっくりとした比較を載せています。
なんとなく各シリーズの特徴を掴めれば、といった感じの、かなりざっくりとした比較です。例に漏れる場合もありますので、ご了承ください。

第9世代Core iと第3世代Ryzenの性能ざっくり比較
項目 Core i シリーズ Ryzen シリーズ
マルチスレッド性能
シングルスレッド性能
ゲーミング性能

※同モデルナンバー内での比較(Core i9とRyzen 9等)
※2019年8月現在で最新のCPUが対象(Core iは第9世代、Ryzenは第3世代)
※ゲーミング性能は高性能なGPU(グラフィックボード・ビデオカード)と同時に利用した場合のもの。

1スレッドあたりの性能。これが高いと、軽い処理の速さ(レスポンスの速さ)が良くなる他、基本的にどのような用途でも有利に働くため非常に重要。
CPU全体の処理性能。これが高いと、膨大な処理を必要とする作業で有利になる。主な作業としては、動画のエンコード処理・マルチスレッドレンダリングなどがこれにあたる。他にも、複数のアプリケーション等を同時に稼働させるマルチタスク等でも有利。

要点だけをまとめると、
Core iシリーズはゲーミング性能に優れており、Ryzenシリーズはマルチスレッド性能に優れています。

ただし、Ryzenシリーズの方が優れるマルチスレッド性能の差は非常に大きいのに対し、Core iシリーズの方が優れるゲーミング性能の差はさほど大きくありません。そのため、2019年8月現在、総合的なコスパはRyzenの方が優れていると言われる事が多く、売り上げランキング等でも上位にある事が多いです。

また、シングルスレッド性能は、以前はCore iシリーズの方が優勢でしたが、第3世代Ryzenの登場によって概ね同程度となりました(モデル毎に多少違い有)。

クーラー、内蔵GPU

CPUの性能自体にはあまり関係のない付加要素の点でも、少し差異があります。主に「内蔵GPUの有無」と「付属(リテール)クーラー」です。

クーラーと内蔵GPU
項目 Core i シリーズ Ryzen シリーズ
付属クーラー ×
内蔵GPU

※一部モデルでは無効

まず違うのが「付属(リテール)クーラー」の違いです。Ryzenシリーズには全モデルに高品質CPUクーラーが付属していますが、Core i シリーズは一部モデルにはCPUクーラーが付属していません。また、付属しているモデルでも、クーラー自体の品質はかなり微妙…どころか悪く、Ryzen側にコスパ的な優位性があります。

次に、違うのが「内蔵GPUの有無」です。「Core i」シリーズはほぼ全てのモデルで内蔵GPUが利用可能なのに対し、「Ryzen」シリーズは、ほぼ全てのモデルが内蔵GPUを搭載していません(末尾Gだけ搭載)。
ただし、高性能なCPUの場合、増設用のグラフィックボードを搭載するいわゆる「ゲーミングPC」として運用するのが一般的で、その場合内蔵GPUの必要性が無いためです。
ライト層や、高性能CPUを必要としながらグラフィック性能をほぼ必要としない方には内蔵GPUはあった方が良いかもしれませんが、Ryzenにも末尾GモデルにはGPUが内蔵されていますので、そちらで対抗する事ができます。

性能以外の面では、基本「Ryzen」側に有利となる場合が多いです。

各モデルごとの比較【最新世代】

各モデルごとに、少し詳しく比較・解説しています。
Core i シリーズとRyzen シリーズは、「Core i9」には「Ryzen 9」、「Core i7」には「Ryzen 7」といったように、各モデルナンバーごとに対抗製品が存在します(正確には、RyzenがCore iに対抗していると言った方が正しいかもしれないけど)。
そのため、各対抗製品同士を比較することによって、両者の差をより分かり易く知る事ができます。

以下から最新シリーズの主流製品をざっくりと比較してみていきます。


Core i9 と Ryzen 9

「Core i9」および「Ryzen 9」は主流CPUにおける最上級モデルです。いわゆるハイエンドと呼ばれる区分で、その中でも更に上位となります。
主流CPUとしてはトップの性能を誇り、両者素晴らしい性能を持っています。
その代わり、価格は非常に高く、おおよそ6万円前後となっています(2019年8月時点)。

第9世代「Core i9」と第3世代「Ryzen 9」
【主要スペック】
CPU PassMarkスコア コア/スレッド 動作クロック
(最大)
TDP クーラー コスパ 参考価格
Ryzen 9 3900X 31800 12/24 3.8GHz(4.6GHz) 105W 0.489 65,000円
Core i9 9900K 20200 8/16 3.6GHz(5.0GHz) 95W × 0.342 59,000円
【Cinebench R15】
CPU シングルスレッド マルチスレッド
Ryzen 9 3900X 213 3168
Core i9 9900K 219 2081

マルチスレッド性能はRyzen 9の方が圧倒的に高いです。シングルスレッド性能はCore i9が上回るものの、差は僅かです。
表にはありませんが、ゲーミング性能はシングルスレッドと比例する傾向があるため、Core i9がやや上回っているものの、差は大きくありません。

全てにおいてCore i9が劣っているという訳ではないものの、マルチスレッド性能で大きく劣っており、他は少しだけ上といった程度なので、総合的に見てRyzen 9の方が高性能として扱われる事が多いです。

また、Ryzen 9には高品質のクーラーが付属するのに対し、Core i9は基本的に付属しません(末尾Kは付属しない)。
性能面以外でも、Ryzenの方に優位性があるため、コスパは断然Ryzen 9の方が良いです。

特に需要のあるゲーミング性能のみを求めたい方も居ると思いますので、そのような方にとってはCore i9も選ぶ価値はあるかとは思いますが、
総合的なコスパを考えると、ゲーミング用途を考慮してもRyzen 9を選ぶのが一般的かなと思います。

Core i7 と Ryzen 7

「Core i7」および「Ryzen 7」は主流CPUにおける上級モデル(上から2番目)です。いわゆるハイエンドと呼ばれる区分に入ります。
価格はおおよそ4~5万円となっています(2019年8月時点)。
非常に高い性能を発揮しつつ、9ほど価格が高くないため、高性能PCの主流CPUとなっています。

第9世代「Core i7」と第3世代「Ryzen 7」
【主要スペック】
CPU PassMarkスコア コア/スレッド 動作クロック
(最大)
TDP クーラー コスパ 参考価格
Ryzen 7 3800X 25000 8/16 3.9GHz(4.5GHz) 105W 0.490 51,000円
Ryzen 7 3700X 23800 8/16 3.6GHz(4.4GHz) 65W 0.553 43,000円
Core i7 9700K 17400 8/8 3.6GHz(4.9GHz) 95W × 0.387 45,000円
Core i7 9700F 16200 8/8 3.0GHz(4.7GHz) 65W 0.405 40,000円
【Cinebench R15】
CPU シングルスレッド マルチスレッド
Ryzen 7 3800X 211 2216
Ryzen 7 3700X 204 2114
Core i7 9700K 214 1520

概ね9と同じような状況となっています。
マルチスレッド性能はRyzen 7の圧勝で、シングルスレッド・ゲーミング性能ではCore i7が僅かに上です。

また、Core i7は8コア8スレッドとハイパースレッディングを利用しておらず、スレッド数がRyzenの半分となっています。
マルチタスク等の、高スレッド数が有利な場合では更にRyzen 7の方が上となってしまいます。

全てにおいてCore i7が劣っているという訳ではないものの、マルチスレッド性能・スレッド数で大きく劣っており、他は少しだけ上といった程度なので、やはり総合的に見てRyzen 7の方が高性能として扱われる事が多いです。

また、9と同じく、Ryzen 7には高品質のクーラーが付属するのに対し、Core i7は末尾Kのモデルには付属しません。付属しているモデルでもクーラー自体の性能はかなり微妙です。そのため、性能面以外でも、Ryzenの方で優位性があるため、コスパは断然Ryzen 7の方が良いです。

特に需要のあるゲーミング性能のみを求めたい方も居ると思いますので、そのような方にとってはCore i7も選ぶ価値はあるかとは思いますが、
総合的なコスパを考えると、ゲーミング用途を考慮してもRyzen 7を選ぶのが一般的かなと思います。
ただし、Core i7 9700F等の末尾Fの内蔵GPU無効化モデルでは、クロック低下(性能の微減)と引き換えに価格が安くなっており、Ryzen 7よりも少し安く購入することができます。こちらでも、ゲーミング性能単体ではRyzen 7に少し勝っているため、これに限っては差別化が出来るかなという感じ。

Core i5 と Ryzen 5

「Core i5」および「Ryzen 5」は主流CPUにおける中級モデルです。いわゆるミドルレンジ、ミドルクラスに区分されます。
中級とはいっても、現在では十分に高性能で、可・不可でいえば不可能な事はないレベルです。2~3年前ならハイエンドに区分できるレベルの性能を持っています
価格はやや幅が広く、2万円~3万円台中盤程度となっています(2019年8月時点)。

第9世代「Core i5」と第3世代「Ryzen 5」
【主要スペック】
CPU PassMarkスコア コア/スレッド 動作クロック
(最大)
TDP クーラー コスパ 参考価格
Ryzen 5 3600X 20500 6/12 3.8GHz(4.4GHz) 95W 0.641 32,000円
Ryzen 5 3600 20000 6/12 3.6GHz(4.2GHz) 65W 0.769 26,000円
Core i5 9600K 13500 6/6 3.7GHz(4.6GHz) 95W × 0.45 30,000円
Core i5 9400F 12100 6/6 2.9GHz(4.1GHz) 65W 0.672 18,000円
【Cinebench R15】
CPU シングルスレッド マルチスレッド
Ryzen 5 3600X 204 1640
Ryzen 5 3600 196 1578
Core i5 9600K 204 1165
Core i5 9400F 177 987

マルチスレッド性能はRyzen 5の圧勝で、シングルスレッド性能もRyzenが少し上レベルとなっています。
表にはない、ゲーミング性能はCore i5がやや勝ってはいるものの差は小さく、ほぼ全面的にRyzen 5の方が高性能です。
上位互換と評されても仕方ないレベルの差がついてしまっています。

ただし、「Core i5 9400F」に限っては、純価格が2万円以下と非常に安い上コスパで良い勝負をしており、ゲーミング性能もRyzen 5に負けていないため、差別化ができます。
とにかく安いゲーミングPCが欲しい…という人であれば選択肢に入ります。
しかし、マルチスレッド性能差が物凄く大きく、上記のような場合でも予算を少しプラスしてRyzen 5を買いたいと考える人は多いと思います。

Core i3 と Ryzen 3

「Core i3」および「Ryzen 3」は主流CPUにおける中の下くらいのモデルです。いわゆるエントリークラスに区分されます。
性能は高いとは言えないものの、一般的な用途であれば困る事はほぼないレベルで、価格の安さが魅力です。コスパも良いです。
最新モデルであれば、一応ゲーミング用途でも使えます。

しかし、近年では一つ上のモデルナンバー5との性能差が非常に大きく、少し予算をプラスするだけで性能が大幅に上昇するという状況になっています。
よって、「3を買うなら、少しプラスして5買った方がお得」というのが一般的な見方となってきており、需要が減ってきています。
価格は安く、おおよそ1万円台前半~2万円台中盤程度となっています(2019年8月時点)。

第9世代「Core i3」と第3世代「Ryzen 3」
【主要スペック】
CPU PassMarkスコア コア/スレッド 動作クロック
(最大)
TDP クーラー コスパ 参考価格
Core i3 9350KF 10600 4/4 4.0GHz(4.6GHz) 91W × 0.482 22,000円
Core i3 9100F 9050 4/4 3.6GHz(4.2GHz) 65W 0.823 11,000円
Ryzen 3 3200G 8200 4/4 3.6GHz(4.0GHz) 65W 0.656 12,500円
【Cinebench R15】
CPU シングルスレッド マルチスレッド
Core i3 9100F 172 632
Ryzen 3 3200G 155 604


2019年8月現在では、第3世代Ryzen 3は末尾Gの高性能内蔵GPUモデルしか発売されていません。
その影響もあり、マルチスレッド性能・シングルスレッド性能共にCore i3がやや優位となっています。

その代わり、Ryzen 3 3200Gは内蔵GPUの性能が高く、Core i3を上回っています。
とはいえ所詮は内蔵GPUなので、最新の3Dゲームへの対応は難しく、軽いゲームをより快適にプレイできる程度の性能となっています。

ちなみに高性能なGPUを搭載した場合の、一般的にいうゲーミング性能は、Core i3の方が高いです。
しかし、この性能帯のCPUだと、高性能GPUのボトルネック(CPUの性能の低さが原因で、GPUが性能を最大限発揮できない事)になってしまいますので、ゲーミング目的で高性能GPUを利用する前提でしたら、Core i5以上のCPUをおすすめします。
Core i3 は、Core i5 との大きすぎる性能差を埋めるために末尾Kの高性能モデルもありますが、こちらはCPUクーラーが付属しない上に価格が高く、価格面の魅力が無くなってしまっており、本末転倒となってしまっています。

どっちが良い?

最後に、どっちが良いか?という点について個人的なおすすめを述べています。あくまで参考までにご覧ください

コスパで勝るRyzenが安定

基本的に、コスパで断然有利な第3世代Ryzenがおすすめです。
マルチスレッド性能はCore iシリーズ圧倒していますし、高品質なリテールクーラー付属も魅力的です。
シングルスレッド・ゲーミング性能はCore iシリーズ同じか若干上と言った程度ですが、マルチスレッド性能差とクーラーの差を埋めるには全然足りていない印象です。
特に「Ryzen 5 3600」は、価格も安く非常に優れたコスパが見て取る事ができ、「最強コスパ筆頭候補」だと思います。

ゲーミング性能重視なら「Core i9/i7」もアリだが…

ゲーミング性能のみに関していえば、どのモデルでもCore iシリーズの方がやや優勢です。
第3世代Ryzenのマルチスレッド性能の高さは非常に魅力的ですが、その高すぎるマルチスレッド性能を活かせる人はそう多くないはずです。Core i9/i7すらもオーバースペックレベルという人も多いと思います。そのため、ほぼゲームしかしないという人に関しては、Core i9 / i7の方が実用性的には上になります。選ぶ価値はあります。

とはいえ、第3世代のマルチスレッド性能の高さにはロマンを感じますし、高性能リテールクーラー付きのコスパの良さを考えると、どうしても第3世代Ryzenの方が魅力的には見えてしまいます。


内容はここまでとなります。ご覧いただきありがとうございました。

参考サイト

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