【デスクトップ】「Core i」と「Ryzen」の違いを比較【ざっくり解説】

Intelの主流CPUシリーズのCore i シリーズと、AMDの主流CPUシリーズのRyzenシリーズの違いについてざっくり解説しています。(Core iの末尾Xシリーズや、Ryzen Threadripperシリーズは除外しています)
デスクトップPC向けの最新世代(2021年6月時点)のものを対象としています。

注意
掲載の情報は記事更新時点(2021年6月)でのものであり、ご覧になっている際には異なる可能性があるため注意してください。また、価格は主に価格.comやAmazonでの最安値となっています。

はじめに

デスクトップPC向けの最新世代CPUが対象

本記事は、PCの主流CPUの、IntelのCore i シリーズとAMDのRyzenシリーズ各種のデスクトップPC向けの最新世代のものを対象としています。
現在(2021年6月)の最新は「Core i」は第11世代(11000番台)で、「Ryzen」は第4世代(5000番台)です。ただし、記事更新時点(2021年6月)では、双方とも下位モデルの3(Core i3とRyzen 3)では最新世代のものが登場していないため、一つ前の世代のものを掲載しています。

超ざっくり比較

まずは、細かい数値を見ていく前に「Core i」「Ryzen」の各性能についてざっくりとした比較を載せています。「なんとなく各シリーズの特徴を掴めれば」といった感じのかなりざっくりとした比較です。しっかりとした比較ではないため、そのことを頭の中に置いた上でご覧ください。

Core i 第11世代 Ryzen 5000
マルチスレッド性能
(Cinebench R20)

(3954~6214)

(4562~10428)
シングルスレッド性能
(Cinebench R20)

(541~645)

(574~647)
ゲーミング性能
※高性能GPU使用時

(Ryzenと大差は無い)

(Coreと大差は無い)
価格
(約21,000円~70,000円)

(約39,500円~106,500円)
内蔵GPU
(3DMark Time Spy)
×
(無~661)
※末尾FはGPU非搭載
×
(無~1402)
※末尾GのみGPU搭載
付属クーラー TDP:65W以下のみ付属
(性能は凄く悪い)
TDP:65W以下のみ付属
(性能は悪い)
消費電力・発熱
(Cinebench動作時の消費電力)
×
(約130W~260W)

(約126W~183W)

まずは処理性能面のざっくり比較です。シングスレッド性能とゲーミング性能はほぼ同じで、マルチスレッド性能はRyzenの方がやや有利です。ざっくりとまとめると下記の表のような感じになります。

ざっくり性能比較(第11世代Core iと第4世代Ryzen)
  Core i シリーズ Ryzen シリーズ
マルチスレッド性能
(コア数/Cinebench R20)

6 – 8コア
3954~6214

6-16コア
4562~10428
シングルスレッド性能
(Cinebench R20)

541~645

574~647
ゲーミング性能
※高性能なGPU使用時

Ryzenと大差は無い

Coreと大差は無い

※同モデルナンバー内での比較(Core i9とRyzen 9等)
※2021年6月現在で最新のCPUが対象(Core iは第11世代、Ryzenは第4世代)
※ゲーミング性能は高性能なGPU(グラフィックボード・ビデオカード)と同時に利用した場合のもの。

  • シングルスレッド性能
    1スレッド(1コア)あたりの性能です。シングルスレッド性能が高いと、軽い処理の速さ(レスポンス)が良くなる他、基本的にどのような用途でも有利に働くため非常に重要です。
  • マルチスレッド性能
    CPUの全コア稼働時の処理性能です。マルチスレッド性能が高いと、動画エンコードやレンダリングなどの膨大な処理を必要とする作業で特に有利になる他、複数の処理を並行して行う場合などでも有利です。
総合的に見てRyzen有利

第11世代のCore iシリーズとRyzen 5000シリーズの性能は、マルチスレッド性能はRyzenが有利で、その他は似たような感じになっています。第11世代Core iシリーズは正直大幅に勝っている面が無い上、後述する消費電力面ではRyzenの方が優れることもあり、チップ性能としてはRyzen 5000シリーズの方が総合的に有利という印象です。

ただし、Ryzen 5000シリーズでは従来より価格が高くなってしまったので、純粋な費用面ではCore iの方がやや有利です。特に、Core i5の下位モデル(例:Core i5-11400F)などは非常に安価でコスパが良いので、価格を出来るだけ抑えたい場合にはCore iシリーズも全然有力です。

価格についてです。Ryzenは最新世代(第4世代)で従来よりも値上がりしてしまい、単純な費用の多さではRyzenの方が不利になりました。下の表は2021年6月時点のものです。

価格比較(第11世代Core iと第4世代Ryzen)
  Core i シリーズ Ryzen シリーズ
Core i9 / Ryzen 9
約 52,000~71,000円
約 71,500~106,500円
Core i7 / Ryzen 7
約 40,000~50,000円
約 59,000円(5800X)
Core i5 / Ryzen 5
約 21,000~36,000円
約 39,500円(5600X)
Core iの方が安い

上位モデルだとそこまで差がない場合もありますが、基本的にCore iの方が少し安いです。特にコスパや安さを求める人には選び易いと思います。

また、Ryzen 9の最高額が10万円以上となっていますが、これは16コアの規格外モデルがあるためで、Core iよりも高いという訳ではないことを一応触れておこうと思います。

消費電力についての比較です。Ryzenの方が圧倒的に良いです。

青いバーがCore iシリーズで、オレンジ色のバーがRyzenを示しています。一部のモデルでは自動オーバークロック機能のようなものをで利用することができますが(保証の範囲内で)、該当機能は全てOFFの状態のものになります。

マルチスレッド消費電力(y-cruncher)
CPU名称
消費電力(W)
Ryzen 5 5600X
69
Ryzen 7 5800X
112
Ryzen 9 5900X
116
Ryzen 9 5950X
121
Core i5-11600K
168
Core i9-11900K
214

参考:

電力面ではRyzenの方が大幅に優れる

上の表を見れば一目瞭然ですが、第11世代のCore iシリーズの消費電力は物凄く多いです。電力面ではRyzenの方が大幅に優れています。電力効率を重視したいのであれば、Ryzenの方がおすすめです。 また、Core iシリーズは当然発熱も多いので、クーラーもRyzenよりも注意する必要があります。Core i7以降のK付きのモデルでは大きめの水冷が推奨されます。

付属クーラーについての比較です。基本的に、末尾にKやXの付く高TDPモデルでは別途クーラーが必要となりますが、TDPが65W以下のモデルでは付属しています。

付属クーラー比較(第11世代Core iと第4世代Ryzen)
項目 Core i シリーズ Ryzen シリーズ
冷却性能 ×
静音性 ×

付属モデルの多さ

TDPが65W以下のモデルのみ付属(冷却性能どっちも微妙)

どちらもTDPが65W以下のモデルのみクーラーが付属します。ただし、どちらも「冷却性」「静音性」共に悪いです(一応Ryzen側の方がわずかに良いけど大差ない)。別売りの1,000円~2,000円のクーラーの方がまだ良いです。

付属クーラーでも運用自体は可能なので「高負荷な処理はあまり行わず、静音性も低くても大丈夫」というなら特に問題ないかと思いますが、安価なクーラーでも大分変わるので、長く使うつもりなら付属クーラーは避けるのをおすすめします。

また、TDPが95W以上のモデルでは基本クーラーが付属しないため、別途の用意が必要です。BTOパソコン等なら何かしらのクーラーが取り付けてあるとは思いますが、標準構成だと低性能なクーラーとなっているケースも多いので、チェックしておく事をおすすめします。

ちなみに、Ryzenは前世代では高TDPモデルでは付属の割には良いクーラーが付属していたのですが、第4世代(Ryzen 5000)から65W以下のモデルのみ付属となりました。

内蔵GPUについてです。グラフィックボード等を利用しない場合には内蔵GPUが必須となるため注意が必要です。ただし、重いゲーム等をするには厳しい性能なので注意してください。内蔵GPUの性能も以前と比べると格段に向上しているため、軽いゲームやFHD以下の簡易的な動画編集や動画鑑賞等では十分使える性能だと思います。

内蔵GPU比較(第11世代Core iとRyzen)
項目 Core i シリーズ Ryzen シリーズ
内蔵GPUの有無
ほぼ有
※一部モデルでは無効(末尾F)
ほぼ無
※末尾Gモデルのみ搭載

例外はありますが、基本的にCore iシリーズでは搭載していて、Ryzenシリーズでは搭載されていません。

内蔵GPU比較

Core i:基本搭載だが低性能(一応前世代から強化)

Core iシリーズでは基本的に内蔵GPUが搭載されています。ただし、末尾がFのモデルでは利用できないため注意が必要です(例:Core i5-11400F)。一応、第11世代ではXe Graphicsへと変更され、Intelによると前世代と比較して最大で1.5倍ほど高速化されています。Ryzen側では基本内蔵GPUが搭載されないため(末尾Gモデルは対応していますが、投入が遅いため採用例が少ない)、内蔵GPUを利用したいならCore iの方が選び易いです。

ただし、内蔵GPUがあればビデオカード(単体のGPU)がなくても画面表示を行うことはできますが、その性能はビデオカード搭載の単体GPUと比べると圧倒的に低いです。そこそこ高画質な動画を観たり軽いゲームをしたりする程度なら十分な性能はありますが、重いゲームや4Kレベルの動画などを扱うなどの高負荷なグラフィック処理は厳しいです。そのような事をしたい場合にはビデオカード(単体のGPU)がほぼ必須となります。

内蔵GPUがあることによる主なメリットは、PCにビデオカードを搭載せずに利用する場合や、多数の画面出力を行いたい場合などです。ビデオカードを搭載する前提のPC、たとえばゲーミングPCの場合には、内蔵GPUがあったとしても役立つケースはあまりないと思います。

Ryzen :末尾Gのみ搭載で内蔵にしては高い性能

デスクトップ版のRyzenではほとんどのモデルで内蔵GPUが搭載されていません。末尾がGのモデル(Ryzen APU)にのみ搭載されています(例:Ryzen 7 5700G / Ryzen 7 4750G)。内蔵GPUを利用したい人は末尾Gのモデルを選ぶようにする必要があります。また、デスクトップ用のAMDの内蔵GPU搭載モデル(APU)は、4000以降基本的にOEM向けの販売となっているため、CPU単体というよりは既製品のPCを購入する形が基本になると思います(CPU単体も一部ショップで販売されていたりはしますが)。

性能は内蔵にしては高いものを持っています。そのため、少しでも性能の高い内蔵GPUが欲しい人や、ゴリゴリのゲーマーではないのでゲーミングPCを買うつもりはないけど、一応ある程度のグラフィック性能も持たせておきたい人にはRyzen  APU(末尾Gの内蔵GPU搭載モデル)はおすすめです。

各モデルごとの比較【最新世代】

各モデルごとに、少し詳しく比較・解説しています。
Core i シリーズとRyzen シリーズは、「Core i9」には「Ryzen 9」、「Core i7」には「Ryzen 7」といったように、各モデルナンバーごとに対抗製品が存在します。
そのため、各対抗製品同士を比較することによって、両者の差をより分かり易く知る事ができます。

以下から最新シリーズ(第11世代のCore iと第4世代Ryzen)の主流製品をざっくりと比較しながら見ていきます。


Core i9 と Ryzen 9

Core i9およびRyzen 9は主流CPUにおける最上級モデルです。いわゆるハイエンドと呼ばれる区分に含まれ、ハイエンドの中でも最上位の製品群となります。
主流CPUとしてトップの性能を誇り、両者素晴らしい性能を持っています。その代わり価格は非常に高く、人気モデルの価格はおおよそ5万円~7万円程度となっています(2021年5月時点)。

第11世代「Core i9」と第4世代「Ryzen 9」
Core i9(第11世代)
マルチスレッド性能
(4.5)
シングルスレッド性能
(5.0)
ゲーミング性能
(5.0)
消費電力・発熱
(1.0)
Ryzen 9(第4世代)
マルチスレッド性能
(5.0)
シングルスレッド性能
(5.0)
ゲーミング性能
(5.0)
消費電力・発熱
(2.5)

Core i9とRyzen 9の人気モデルを一部抜粋して比較しています。

主要スペック
CPU PassMark コア/
スレッド
動作クロック
(最大)
TDP クーラー
の付属
コスパ 参考価格
Ryzen 9 5900X 39929 12/24 3.7GHz(4.8GHz) 105W × 0.558 71,500円
Core i9-11900K 27582 8/16 3.5GHz(5.2GHz) 125W × 0.394 70,000円
Core i9-11900KF 26889 8/16 3.5GHz(5.2GHz) 125W × 0.358 75,000円
Core i9-11900 24608 8/16 2.5GHz(5.2GHz) 65W 0.464 53,000円
Core i9-11900F 24835 8/16 2.5GHz(5.2GHz) 65W 0.478 52,000円
Cinebench R20 Single
CPU名称 スコア
Ryzen 9 5950X
647
Core i9-11900K
645
Ryzen 9 5900X
637
Core i9-11900
613
Cinebench R20 Multi
CPU名称 スコア
Ryzen 9 5950X
10428
Ryzen 9 5900X
8468
Core i9-11900K
6214
Core i9-11900
5912

「第11世代のCore i9」と「第4世代のRyzen 9」は、Ryzen 9の方が明らかに優れています。Core i9もシングスレッド性能とゲーミング性能では非常に優れた性能で、Ryzen 9と同じかわずかに上くらいになりますが、マルチスレッド性能差があまりに大きいです。Ryzen 9:12コア~なのに対し、Core i9:8コアということもあり、完敗してしまっています。また、Ryzen 9の方がコア数が多いにも関わらず、消費電力もRyzen 9の方が圧倒的に少なくて有利です。Core i9の方が有利と言い切れる部分が正直無いので、どちらかを選ぶならRyzen 9の方が明らかに良いです。

また、そもそも第11世代ではCore i9のコア数が10→8へと減らされてしまい、Core i7と同じになった点も相対的に評価を下げています。Core i9のK付きのモデルでのみAdaptive Boost Technologyという自動オーバークロック機能のようなものが搭載されて差別化が図られていますが、それを利用したところでチップの質自体が変わる訳ではないので、Ryzen 9 5900Xにマルチスレッド性能では完敗してしまう点は変わらないです。

更に、第11世代ではCore i9は前世代より値上がりしてしまいました。前世代ではRyzen 9よりCore i9の方が大きく価格が安かったため、コスパ面では優位の部分もありましたが、その優位性が失われてしまいました。ただし、Kの付かない下位モデルは発売から大きく値崩れし、比較的安価となっています。悪くはない選択肢だとは思いますが、価格やコスパ重視ならコア数が同じCore i7の下位モデルの方が明らかにお得で性能も大して変わらないので、正直わざわざ選ぶ必要性は薄いと思います。

上述のようなことを考慮し、Core i9が有力な選択肢となるのは、BTOパソコン(既製品)でPC全体として安い場合か、発売以降に価格が大幅に下がるくらいしかないと思います。

他にも、Core i9には内蔵GPUがある(末尾Fモデル除く)という優位性が一応はありますが、この性能帯のCPUをグラフィックボード無しで運用する人はほとんど居ないと思うので、そこでプラス評価にするのは難しいところです。

正直Core i9は、ハイエンド帯のCPUに特に求められる「マルチスレッド性能」「電力効率」がどちらもRyzen 9の方が圧倒的に上なので、コスパも実用性もRyzenの方が良いという評価が一般的だと思います。「どちらが良いですか?」と私が聞かれたら、Ryzen 9を迷わずおすすめします(ただし、2021年6月現在ではRyzen 9が人気すぎて品薄気味なので、在庫関係で難しい可能性有)。

ただし、Core i9の各種性能も性能自体は非常に高性能です。Ryzen 9と比べると微妙というだけで、性能自体は悪くないので、そこは留意しておきましょう。


Core i7 と Ryzen 7

Core i7およびRyzen 7は主流CPUにおける上級モデル(上から2番目)です。いわゆるハイエンドと呼ばれる区分に入ります。
価格はおおよそ4~6万円となっています(2021年6月時点)。
非常に高い性能を発揮しつつも、価格がCore i9やRyzen 9ほど高くないため、高性能PCで特に人気のシリーズとなっています。

第11世代「Core i7」と第4世代「Ryzen 7」
Core i7(第11世代)
マルチスレッド性能
(4.0)
シングルスレッド性能
(5.0)
ゲーミング性能
(5.0)
消費電力・発熱
(1.5)
Ryzen 7(第4世代)
マルチスレッド性能
(4.5)
シングルスレッド性能
(5.0)
ゲーミング性能
(5.0)
消費電力・発熱
(2.5)

Core i7とRyzen 7の人気モデルを一部抜粋して比較しています。

主要スペック
CPU PassMark コア/
スレッド
動作クロック
(最大)
TDP クーラー
の付属
コスパ 参考価格
Ryzen 7 5800X 28379 8/16 3.8GHz(4.7GHz) 105W × 0.481 59,000円
Core i7-11700K 25194 8/16 3.6GHz(5.0GHz) 125W × 0.504 50,000円
Core i7-11700KF 25194 8/16 3.6GHz(5.0GHz) 125W × 0.536 47,000円
Core i7-11700 21580 8/16 2.5GHz(4.9GHz) 65W 0.514 42,000円
Core i7-11700F 21580 8/16 2.5GHz(4.9GHz) 65W 0.540 40,000円
Cinebench R20 Single
CPU名称 スコア
Ryzen 7 5800X
628
Core i7-11700K
612
Core i7-11700
599
Cinebench R20 Multi
CPU名称 スコア
Ryzen 7 5800X
5724
Core i7-11700K
5709
Core i7-11700
4834

「第11世代のCore i7」と「第4世代のRyzen 7」の各種処理性能は、よく似ています(最上位モデル)。最上位モデル同士で比較すると、シングルスレッド性能・マルチスレッド性能・ゲーミング性能の全てがほぼ同等です。ただし、電力面では明らかにRyzen 7の方が優れるため、Ryzen 7の方がやや優れているという評価です。

性能面ではCore i側が追い付いたとも言えますが、少し値上がりしてしまったため、価格面での優位性は前世代よりは小さくなっています。ただし、2021年5月時点ではRyzen 7には安価で省電力なモデルが無いため、安くて扱い易いCPUが欲しいなら、下位モデルのあるCore i7も有力な選択肢となります(例:Core i7-11700F)

下位モデルは当然ながら性能も下がってしまいますが、8コア16スレッドという点は変わらず、大幅に安くなります。省電力でかつマルチタスク処理性能を高めたい場合や小型のケースで運用したいケースなどでは、高価なモデルと比較しても実用性は大して変わらないと思うのでおすすめです。


Core i5 と Ryzen 5

Core i5およびRyzen 5は主流CPUにおける中級モデルです。いわゆるミドルレンジに区分されます。

中級とはいっても現在では十分に高性能で、「可・不可」でいえば不可能な事はないレベルの高性能さです。数年前のハイエンドCPUを大きく上回るレベルの性能を持っています。価格はやや幅が広く、おおよそ2万円~4万円程度となっています。

第11世代「Core i5」と第4世代「Ryzen 5」
Core i5(第11世代)
マルチスレッド性能
(4.0)
シングルスレッド性能
(4.5)
ゲーミング性能
(4.5)
消費電力・発熱
(3.0)
Ryzen 5(第4世代)
マルチスレッド性能
(4.0)
シングルスレッド性能
(4.5)
ゲーミング性能
(4.5)
消費電力・発熱
(4.0)

Core i5とRyzen 5の人気モデルを一部抜粋して比較しています。

主要スペック
CPU PassMark コア/
スレッド
動作クロック
(最大)
TDP クーラー コスパ 参考価格
Ryzen 5 5600X 22596 6/12 3.7GHz(4.6GHz) 65W × 0.572 39,500円
Core i5-11600K 19740 6/12 3.9GHz(4.9GHz) 125W × 0.548 36,000円
Core i5-11600KF 19740 6/12 3.9GHz(4.9GHz) 125W × 0.617 32,000円
Core i5-11400 17629 6/12 2.6GHz(4.4GHz) 65W 0.705 25,000円
Core i5-11400F 17629 6/12 2.6GHz(4.4GHz) 65W 0.839 21,000円
Cinebench R20 Single
CPU名称 スコア
Ryzen 5 5600X
604
Core i5-11600K
598
Core i5-11400
541
Cinebench R20 Multi
CPU名称 スコア
Ryzen 5 5600X
4562
Core i5-11600K
4293
Core i5-11400
3954

まず始めに、と聞くと性能に不安を感じる人も居ると思いますが、今では十分に高性能と言えるレベルの性能を持っています。たとえば、ゲーミングといえばCore i7 / Ryzen 7以上という印象の方は多いと思いますが、単純なゲーミングのみのコスパであれば、基本的に5が一番強いです(特に安価なモデル)。

両者の比較ですが、「第11世代のCore i5」と「第4世代のRyzen 5」は、各種処理性能がよく似ています(最上位モデル)。シングルスレッド性能・マルチスレッド性能・ゲーミング性能の全てがほぼ同等です。ただし、Core i5の方が価格が安いため、総合的にはCore i5の方がやや有利という印象です。

しかし、電力面ではややRyzen 5の方が優れるため、チップ性能的にはRyzen 5の方がやや優れています。とはいえ、Core i5の方が安く、この価格帯のCPUの電力面は上位モデルほどは対策が難しくないため、そこまで気にするものでもないかなと思います。

結論としては、「価格やコスパを重視」する場合にはCore i5、「上位モデルよりは安く済ませたくて、出来るだけ優れたワットパフォーマンスを求める」場合にはRyzen 5という形での選択になると思います。

また、一応触れておくと、「Core i5-11600K」等のTDPが125Wのモデルは中間モデルとは思えないほど消費電力が多いので注意が必要です。最低でも大型の空冷クーラー推奨で、水冷でもやりすぎではないレベルです。正直なところ、そこまでするならRyzen 5 5600Xにするか、7以降の別モデルを選択する方が良いと思うので、個人的にはあえて選ぶ必要は無いモデルかなと思っています。


Core i3 と Ryzen 3

※2021年5月時点では、最新の第11世代のCore i3、第4世代Ryzen(5000シリーズ)のRyzen 3、がどちらも発売されていないので、前世代の比較を載せています。3というモデルにおいては最新ですが、設計的には旧モデルにあたるので注意してください。

Core i3およびRyzen 3は主流CPUにおける中の下くらいに位置するモデルです。いわゆるミドルレンジ下位くらいにに区分されます。価格は安く、おおよそ1万円台前半~2万円程度となっています。
価格の安さが魅力のモデルなので、性能は高いとは言えないレベルです。とはいえ、Web閲覧やOffice作業などの軽作業であれば十分すぎるくらいの性能は持っています。その安価のおかげで、特に重い作業をしないのであればコスパは良いです。性能自体は順調に向上しており、数世代前のCore i7クラスの性能は持っています。ゲーミング用途でも、上位モデルと比べると劣るというだけで普通に使えはします。

とはいえ、Core i5Ryzen 5との性能差が大きく、少し予算をプラスしてCore i5Ryzen 5を買うだけで性能が大幅に上昇するため、「3を買うなら、少しプラスして5買った方がお得」というのが明らかなので、他モデルより人気は低めです。

第10世代「Core i3」と第3世代「Ryzen 3」
Core i3(第10世代)
マルチスレッド性能
(2.5)
シングルスレッド性能
(3.5)
ゲーミング性能
(3.0)
消費電力・発熱
(4.0)
Ryzen 3(第3世代)
マルチスレッド性能
(3.0)
シングルスレッド性能
(4.0)
ゲーミング性能
(3.5)
消費電力・発熱
(3.5)

Core i3とRyzen 3の人気モデルを一部抜粋して比較しています。

主要スペック
CPU PassMark コア/
スレッド
動作クロック
(最大)
TDP クーラー コスパ 参考価格
Ryzen 3 3300X 12900 4/8 3.8GHz(4.3GHz) 65W 0.832 15,500円
Ryzen 3 3100 12000 4/8 3.6GHz(3.9GHz) 65W 1.043 11,500円
Core i3-10105F 9070 4/8 3.7GHz(4.4GHz) 65W 0.756 12,000円
Core i3-10100 8800 4/8 3.6GHz(4.3GHz) 65W 0.629 14,000円
Cinebench R20 Single
CPU名称 スコア
Ryzen 3 3300X
495
Core i3-10105F
459
Core i3-10100
448
Ryzen 3 3100
437
Cinebench R20 Multi
CPU名称 スコア
Ryzen 3 3300X
2588
Ryzen 3 3100
2351
Core i3-10105F
2337
Core i3-10100
2284

「第10世代のCore i3」と「第3世代 Ryzen」は、ほぼ全面的にRyzen 3の方が強いです。Core i3は「シングルスレッド性能」「マルチスレッド性能」「ゲーミング性能」全てで負けています。惨敗と言われても仕方ないレベルかもしれないです。特に「Ryzen 3 3300X」は1万円台中盤とは思えない性能を発揮しており、Core i3の価格がかなり下がらないと対抗できそうにないレベルです。

上述のように基本的にRyzen 3の方が有利なので、可能ならRyzen 3(特に3300X)を選択するのがおすすめです。

ただし、Ryzen 3は末尾Gモデル以外で内蔵GPUを搭載していないのに対し、Core i3では末尾Fモデル以外は搭載している点や、最大消費電力もRyzen 3より若干少ないというメリットがあります。グラボを搭載しないPCや、省電力や低発熱を意識したPCなどではCore i3の方が適している場合もあります。

結局どっちが良い?

最後に「どっちが良いか?」という点について個人的なおすすめを述べています。あくまで参考までにご覧ください

Core i9はおすすめしません

ハイエンド製品ではよく採用されているCore i9ですが、正直第11世代のCore i9は良くないので、おすすめしません。Ryzen 9には圧倒的に劣りますし、コア数もCore i7と同じ8なので、あえてCore i9を選択する意味が正直感じられません。第11世代では、Core i9のK付きのモデルでのみAdaptive Boost Technologyという自動オーバークロック機能のようなものが搭載されて差別化が図られていますが、それを利用してもRyzen 9 5900Xにマルチスレッド性能では絶対に敵わないので、優位性はほとんど無いと思っています(しかも、保証外にはなりますが、Ryzen側でも似たようなブースト機能が利用できます)。

第11世代のCore i9を選ぶなら、Core i7にするかRyzen 9を選択することをおすすめします。

チップ性能は基本Ryzen有利。電力効率の差がでかい

Core iシリーズは第11世代で性能が大幅に向上しましたが、マルチスレッド性能では依然として第4世代Ryzenの方が強いですし、強みであるはずのシングルスレッド性能やゲーミング性能でも同じか僅かに上程度でした。また、電力効率が圧倒的にRyzenの方が優れるため、たとえ同性能でもRyzenの方が有利です。発熱もRyzenの方が全体的に少なくて、クーラーにも余裕が出てくるため、扱い易さもRyzenが上です。

後述する安価なモデルでは話が変わってくる部分もありますが、上位製品での性能で選ぶならRyzen一択レベルだと思います。

ゲーミングコスパや安さ重視なら、Core i5やCore i7安いモデルは強い

チップの性能としては全体的にRyzenが有利ですが、2021年4月時点ではRyzenは消費者向けには高価なモデルしか販売されていないため、Kの付かないCore iの安いモデルは安さとコスパで有利になります。

たとえば、2021年4月時点では、第4世代のRyzen 7はRyzen 7 5800X(約6万円)しかありませんが、第11世代のCore i7にはCore i7-11700F(約4万円)といった大幅に安いモデルがあります。

同じように、第4世代のRyzen 5はRyzen 5 5600X(約4万円)しかありませんが、第11世代のCore i5にはCore i5-11400F(約21,000円)といった大幅に安いモデルがあります。

性能は安いモデルの方が多少落ちるものの、コア数は変わらないため、実用性的にはそこまで影響がない人も多いと思います。そのため、始めから凄く高負荷な処理で多用するわけでないなら、安いモデルの方をまず検討してみることをおすすめします。

グラボ無しで運用するならRyzen(末尾G)やCore i(F以外)

もしグラボを利用せずにCPUの内蔵GPUで運用したいなら、Ryzen APU(末尾G)Core i(末尾F除く)を選択する必要があります。

2021年6月時点のRyzenの内蔵GPU搭載モデル(APU)(4000番台と5000番台)は基本的にOEM限定(単体販売無し)のため自作は難しいですが、第11世代のCoreシリーズよりも高いグラフィック性能を持っています。内蔵GPU性能重視なら強い選択肢です。

第11世代Core iシリーズ世代搭載の内蔵GPU「UHD Graphics 700番台」も、前世代からは強化されており、Ryzenにはやや劣るものの実は結構使えるものになっています。

内蔵GPUとはいえ少しでも高い性能を求めるなら「Ryzen APU(末尾G)」をおすすめしますが、どちらもデータ量の多い動画編集や重いゲームをやらないのであれば十分なグラフィック性能があるため、ライトユーザーならそこまで困らないと思います。


それでは、内容はここまでとなります。ご覧いただきありがとうございました。

性能スコアなどの参考

15 COMMENTS

maic M

分かりやすくたいへん参考になりました。
Ryzen 系がよく売れているせいか、ヤフーオークでもインテル系が
安くなってきています。中でも、i7-2000番、3000番のでも
モバイルのCPUは、35度、45度、の低温度でまたよく売れるため
値上がりしちゃってます。 いいのか悪いのか・・
GPU HD4000 搭載のCPUは、非力ながらも・・多少の3Dも
扱えるソフトウエアー搭載なので・・人気が高いです。

返信する
ぴえん

Ryzen 7 5700X、Ryzen 5 5600(X無し)に期待したいですね!これもまたコスパ最高か?

返信する
とねりん:管理人

5600Xや5800Xはモデルナンバーの割には高すぎるので、本当にそう思います。

返信する
とっくめー

Ryzen 3 5300XやRyzen 7 5700Xなど、zen2世代の人気モデルの後継が登場するのが待ち遠しいですね!

返信する
とねりん:管理人

私も本当にそう思いますが、今のIntel相手なら多少高くても売れるでしょうから引っ張ってきそうな気もしちゃいますね…。

返信する
Gi_RyuZa

返信がとても遅くなってしまって申し訳ございません。
ものすごい、参考になりました。
自作㍶を作る時、cpuはこれを参考に選ばせていただきます。
ありがとうございました。

返信する
たらこ

ゲーミング&動画編集用のPCを作ろうと考えていますがRYZENかCORE iで悩んでます。
文章中にゲーミング性能と言う言葉が出ていますが、【主要スペック】にも【Cinebench R15】にもそれっぽい数値は記載されていないと思うのですが、何を見ればわかるのでしょうか?
★に換算された元情報(他ページ?)を教えてもらえないでしょうか?

返信する
とねりん:管理人

ゲーミング性能は大手レビューサイトの記事等の多数の情報を参考にしながら、私自身が相対的に比較して評価している形なので単一のソースのようなものはありません。申し訳ありません。
Google等で気になるCPUの個別レビュー記事を探すか、宣伝みたいで申し訳ないですが、本サイトでも新着記事の上の方のCPU評価記事ではゲーミング性能(平均FPS)には軽く触れているので、よければご覧ください。

返信する
たらこ

返信ありがとうございました。
返信が遅くなり申し訳ございませんでした。m(_ _)m

返信する

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です