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今選ぶおすすめGPUランキング【コスパ重視・2023年9月最新版】

今おすすめのGPU(グラボ・ビデオカード)をランキング形式で8位まで紹介しています。デスクトップ向けのゲーム用途での評価です。
選定基準は、価格・実用性・電力面等を総合的に評価するようことを意識しています。

今選ぶGPUランキング・2023年9月版

注意

掲載の情報は記事更新時点のものです。ご覧になっている際には異なる可能性があるため注意してください。価格は更新時点でのおおよその市場最安値価格です。

簡易比較表

本記事でランキング入りさせているGPUをまとめた簡易比較表です。

主要スペック等
GPU名称 順位 3DMark
TDP
(TGP)
メモリ コスパ
電力
効率
参考価格
DX12 レイトレ 容量 バス幅 帯域
RTX 3060 Ti
(GDDR6X / 6)
1
12243
11893
7187
6978
225W
200W
8GB
256bit
608GB/s
448GB/s
0.236
0.230
54.4
59.5
51,800円
RTX 4070 2 17826 11104 200W
12GB
192bit 504GB/s 0.208 89.1 85,800円
RTX 4060 3 10665 6045 115W
8GB
128bit 272GB/s 0.238 92.7 44,800円
RX 7800 XT 4 19968 10706 263W
16GB
256bit 624GB/s 0.233 75.9 85,800円
RTX 4060 Ti 8GB 5 13473 8062 160W
8GB
128bit 288GB/s 0.225 84.2 59,800円
RX 7600 6 10836 5399 165W
8GB
128bit 288GB/s 0.264 65.7 40,980円
Arc A750 7 12476 6681 225W
8GB
256bit 512GB/s 0.392 55.4 31,800円
RX 7900 XT 8 25451 14183 300W
20GB
320bit 800GB/s 0.206 84.8 123,800円
RTX 4080 9 28056 18196 320W
16GB
256bit 716.8GB/s 0.165 87.7 169,800円

  • 性能スコア(DX12):DX12(DirectX 12の略)は現在最も主流といえるWindowsで利用するゲーム用APIのことです。掲載しているのは3DMark Time Spy Graphicsのスコアで、解像度は2560×1440。
  • 性能スコア(レイトレ):掲載しているのは3DMark Port Royalのスコアで、DirectX Raytracing(DXR)を用いた レイトレーシング性能を表します。
  • TDP:最大放熱量を表す指標で、大体の消費電力の目安。最近ではTGP(グラフィックスの総消費電力)やTBP(ボードの総消費電力)も使われます。
  • コスパ:(DX12の性能スコア / 価格)の値。
  • 電力効率:(DX12の性能スコア / TDP)の値。

おすすめGPUランキング

現在のおすすめGPUランキングです。高性能GPUのメジャーな用途はゲーミング用だと思うので、それを前提で評価しています。評価基準は「コスパ・価格・性能・実用性」などを総合的に見るという形にしていますが、コスパを特に重視しています。掲載のDX12のスコアは、3DMark Time Spy Graphicsのスコアです。


1位

GeForce RTX 3060 Ti

区分
ミドルレンジ
DX12スコア
約 11,900~12,300
TDP/TGP
GDDR6X:225W
GDDR6:200W
メモリ
8GB GDDR6X(608GB/s)
8GB GDDR6(448GB/s)
参考価格
約 51,800円~
※2023年9月14日時点

良い点

  • 非常に優れたコスパ
  • 価格の割に優れたメモリ性能(8GB, 448GB/s~608GB/s)
  • 同世代では比較的優れたワットパフォーマンス
  • 安価ながら1440pも視野に入る性能

気になる点

  • やや高価(約5.2万円~)
  • 消費電力が多い(200W~225W)
  • 最新世代には負ける電力面

重いゲームもいける丁度良い性能と価格

「RTX 3060 Ti」は値下がりが進んだ結果5万円前後になり、価格の割に重い処理もこなせる性能を持つ高コスパGPUです。その性能は前世代のRTX 2080 SUPERを上回り、1080pで快適なゲームパフォーマンスを提供してくれますし、1440pも視野に入れることができます。

仕様的にはRTX 3070からコア数やクロックが1~2割下げられた形となっていますが、メモリ仕様は下がっていないのが嬉しいです。この価格帯にしては優れた仕様の256bitメモリを採用しています。

その性能は重いゲームでも動作可能で、価格の割には優れたメモリ性能のおかげでクリエイティブ用途や高解像度でも弱くないです。高負荷なグラフィック処理も視野に入れれる性能を5万円台という価格で実現することができ、予算も気にする際の実用コスパが非常に優れています。

また、2022年末頃にGDDR6Xメモリモデルが投入されており、そちらでは帯域幅が少し拡張されていてわずかに性能が高いです。価格は従来モデルと同じくらいなので、GDDR6Xの方がわずかにお得です。ただし、性能差はごくわずかなので、正直どちらでも良いかなと思います。

ハイエンドな用途にある程度対応しつつ、予算を抑えたい場合に魅力的なGPUとなっており、競合モデルの価格次第ではトップクラスのコスパになることも多い、目の離せない高コスパGPUとなっています。


2位

GeForce RTX 4070

区分
ハイクラス
DX12スコア
約 17,800
TDP/TGP
200W
メモリ
12GB GDDR6(504GB/s)
参考価格
約 85,800円~※2023年9月1日時点

良い点

  • 1440pでも使える優れた性能
  • 性能の割には少ない消費電力(TGP:200W)
  • 非常に優れたワットパフォーマンス
  • レイトレーシングや4Kも実用的に使える性能ながら、サイズや消費電力的に従来のハイエンドよりも扱いやすい
  • DLSS 3を利用可能

気になる点

  • 高価(約8.6万円~)
  • 価格の割にはやや低めのVRAM性能(12GB、504GB/s)

ハイエンド用途でも使える性能を200Wで実現

「RTX 4070」は前世代ハイエンドレベルの高性能さと、それをわずか200Wで動作できる効率の良さが魅力のGPUです。発売直後は最安で約10万円からと高価でしたが、その後に8万円台後半~程度まで値下がりし、コスパも良くなり非常に魅力的になりました。

性能は前世代の「RTX 3080」と同等レベルで、1080pでは十分に快適なパフォーマンスを発揮し、1440pでも高いパフォーマンスを期待することができます。

メモリは12GBとなっており、先代の「RTX 3070(8GB)」では頼りなかったレイトレーシングや4Kでも実用的な性能になっている点も大きく、従来の70番台よりもハイエンド用途への対応力が大きく増しています

しかも、その性能をわずか200Wで実現しているのが凄いです。価格は従来の70番台よりは高くなってしまったものの、従来の80番台よりも少し安くはなっている上、200Wの消費電力のおかげで扱いやすさも従来のハイエンドよりは大きく向上しているのは魅力です。

従来ならレイトレーシングや4Kを実用的に使うには基本300W以上の大型のハイエンドGPUが必要だったため、大容量の電源とエアフローに優れたタワーケースが実質必須でしたが、「RTX 4070」の200Wなら電源容量が節約できるため実質的な費用削減にも繋がる上、2連ファン仕様製品も多いので、ケースの選択肢も多いです。

メモリと価格に関してはもう一声欲しかった感も正直あるものの、非常に扱いやすく優秀なGPUです。あらゆる用途に出来るだけ対応した上で予算を抑える選択肢としては最適だと思います。


3位

GeForce RTX 4060

引用:MSI

区分
ミドルレンジ
DX12スコア
約 10,700
TDP/TGP
115W
メモリ
8GB GDDR6(272GB/s)
参考価格
約 44,800円~※2023年9月14日時点

良い点

  • 比較的安価(約4.4万円~)
  • 優れた1080pコスパ
  • 非常に少ない消費電力(TGP:115W)
  • 非常に優れたワットパフォーマンス
  • 小型&低発熱で小型ケースでも採用しやすい
  • 安価にDLSS 3を利用可能

気になる点

  • メモリ性能が低め(8GB , 272GB/s)で、高解像度で弱い
  • 1440p以上やレイトレはDLSS等を利用しないと厳しめ

115Wの低消費電力で小型

「RTX 4060」はTGPが115Wと非常に少ない消費電力ながら、その割には高性能なミドルレンジGPUです。安価ながら「RTX 40シリーズ」なのでDLSS 3を利用できるのも強みです。

何といっても、特に魅力なのはやはり消費電力の少なさと効率の良さです。単純に排熱に不安があるケースでの運用での懸念が軽減できるのはもちろん、115Wの低消費電力に加えて小さなダイサイズのおかげで、ショート基盤製品も発売時から複数登場しているため、小型ケースでの採用もしやすいです。

残念ながら基本性能自体は高くなく、前世代の「RTX 3060 Ti」にもやや負けるレベルですが、前世代までの150W以下のGPUと比べると格段に高い性能とはなっていて、1080pなら快適と言えるパフォーマンスを提供してくれるので、ライト層では満足できる性能にはなっていると思います。

それに、1440p以上やレイトレ関しては、一つ上位の「RTX 4060 Ti」でもやや不安のある設定なので、1080pで使うGPUとして割り切って、電力面と安さのメリットに特化するなら、この「RTX 4060」は非常に理に叶った選択となりそうなGPUだと思います。

基本性能の高さを求める人には向かないGPUだとは思いますが、小型さと低消費電力のおかげで非常に扱いやすいため、1080pメインのライト層にはおすすめできるミドルレンジGPUです。


4位

Radeon RX 7800 XT

区分
ハイクラス
DX12スコア
約 19,900
TDP/TGP
263W
メモリ
16GB GDDR6(624GB/s)
参考価格
約 85,800円~※2023年9月14日時点

良い点

  • 非常に優れた基本性能コスパ
  • 価格の割に優れたハイエンド級のVRAM(16GB , 624GB/s)
  • 1440pでも使える高性能さ
  • 優れたワットパフォーマンス

気になる点

  • 高価(約8.6万円~)※値下がりの可能性有
  • 消費電力が多い(263W)
  • 競合のRTX 4070にやや劣るレイトレーシング性能

499ドルで16GB VRAMを備える、基本性能コスパが非常に高いGPU

「RX 7800 XT」は「RTX 4070」よりも100ドルも安い価格設定ながら16GB VRAMを備え、基本性能コスパが高いのが魅力のGPUです。

基本のゲーム性能は「RTX 4070」と同等か若干高いレベルながら、希望小売価格では100ドルも安いため、コスパが非常に優れているのが非常に魅力です。その上、「RTX 4070」の12GB VRAM(504GB/s)よりも優れた16GB VRAM(624GB/s)が付属するため、1440p~4Kの高解像度などの高負荷な処理でも強いです。

発売時の価格では約85,800円~となっていて「RTX 4070」とほぼ同額ですが、元値的にはもう少し安くなることも期待できるため、そうなれば基本性能コスパは7~9万円クラスでは頭一つ抜ける可能性も感じられる、高コスパGPUです。

しかし、基本スペック以外ではやや気になる点も多い点には注意です。

レイトレーシング性能では「RTX 4070」に平均で13%前後ほど劣る結果になっている他、消費電力も「RTX 4070」は200Wなのに対し「RX 7800 XT」は263Wとなっており大幅に負けており、効率も劣っています。

また、ドライバーやソフト側の最適化の関係で、AI関連処理やBlenderのGPUレンダリングなどでもGeForceの方が有利な点も、今後改善される可能性はあるものの、気になるところです。

総評としては、レイトレーシング性能や電力面、AI処理などの最適化では「RTX 4070」に現状まだ劣るので、出来るだけ多方面で安定した性能を発揮して欲しいなら最適とは言えないですが、

価格は「RTX 4070」よりも100ドルも安く、500ドル以下では破格の16GB VRAMを搭載し、基本性能コスパでは上回るため、同価格帯では競争力のあるGPUです。上述の注意点には注意が必要ですが、同価格帯での基本性能コスパでは文句無しで最強と言えるのが魅力が強みのGPUが「RX 7800 XT」です。


5位

GeForce RTX 4060 Ti 8GB

区分
ミドルレンジ
DX12スコア
約 13,400
TDP/TGP
160W
メモリ
8GB GDDR6(288GB/s)
参考価格
約 59,800円~※2023年9月14日時点

良い点

  • RTX 3070に匹敵する高い性能(1080pで快適なパフォーマンス)
  • 非常に優れた1080pコスパ
  • 優れたワットパフォーマンス
  • 性能の割に非常に少ない消費電力(165W)
  • DLSS 3を利用可能

気になる点

  • 高価(約6万円~)
  • 価格の割に明らかに低いVRAM帯域幅(288GB/s)

RTX 3070並みの性能を160Wで実現

「RTX 4060 Ti 8GB」は前世代の「RTX 3070」に迫る性能のミドルレンジGPUです。その性能を160Wという少ない消費電力で実現しており、電力効率が非常に優れているのも魅力の高コスパGPUです。

価格は2023年9月時点で6万円ほどとなっており、前世代の「RTX 3070」よりも安いのに同クラスの性能ということで、コスパ重視の選択肢として魅力です。1080pに焦点を当てた5~6万円クラスのGPUとしては凄く競争力を感じるGPUです。

ただし、大きな懸念点がVRAMの帯域幅です。バス幅が128bitのものを採用しているため、帯域が288GB/sしかありません。これは前世代の「RTX 3060(360GB/s)」や「RTX 3060 Ti(448GB/s~608GB/s)」をも大きく下回る数値となっており、約6万円という価格を考えれば明らかに悪いです。新世代なのにスペックダウンしています。

これについてNVIDIAは、キャッシュメモリが前世代から大幅に増量されており、キャッシュヒット率が高まってVRAMへのアクセス頻度は低くなっているため問題ない(実行帯域幅は500GB/s以上)と主張していますが、実際のテスト結果を見ると、やはり1440p以上の高解像度では「RTX 3060 Ti」などよりも性能が低下している状況が見て取れるため、やはり影響は出ています。

1080pなら十分と言えるメモリ性能ですし、元々1440p以上はメイン用途として想定されていないことを考えると、ターゲット層的には問題ない部分だとは思いますが、高解像度での運用や、一部のクリエイティブ用途などでも帯域幅は重要だと思うので、そのような用途での使用を想定している人は注意が必要です。

何にせよ、元々前世代から飛躍的とは言えないレベルの向上率に加え、上述のメモリの弱さもあるため、残念ながら高解像度やハイエンド用途への対応力はそこまで高くなく、1080pコスパは少し向上しているものの、実用性的には前世代からあまり変わらないようにも感じるのが気になるGPUではあると思います。

とはいえ、一応DLSSやFSRなどのアップスケーリング機能を活用すればレイトレーシング性能や高解像度も実用的なレベルであり、高設定での運用も十分視野に入れることが出来ますし、電力面の良さは揺るぎない部分です。使い方次第ではありますが、競争力のある丁度良い価格と性能の高コスパGPUにはなっていると思います。


6位

Radeon RX 7600

区分
ミドルレンジ
DX12スコア
約 10,800
TDP/TGP
165W
メモリ
8GB GDDR6(288GB/s)
参考価格
約 40,980円~※2023年9月14日時点

良い点

  • 比較的安価(約4万円ちょっと)
  • 1080pで非常に優れたコスパ
  • 比較的少ない消費電力(160W)

気になる点

  • メモリの帯域幅が低め(288 GB/s)なので、高解像度では弱い
  • レイトレーシング性能が低い

4万円で強力な1080pコスパ

「RX 7600」は約4万円ちょっとという価格で、1080p(FHD)での非常に優れたコスパが魅力のGPUです。

前世代の「RX 6600 XT」や「RTX 3060」よりもやや高いパフォーマンスを発揮しつつも、価格は4万円程度と安いため、コスパが非常に良いです。低予算PCのコスパ特化の選択肢として魅力的です。

とはいえ、やはり1080pをメインとしたGPUであるため、基本性能は高くはない点には注意です。1080pなら快適と言えるパフォーマンスなので、ライト層なら満足できる性能だと思いますが、144fps安定や1440p以上の解像度などの高いパフォーマンスを求める場合には向かないGPUという点には留意しておく必要があります。

また、消費電力を表す指標のTBPは165Wとなっており、前世代よりワットパフォーマンスはわずかに向上しているものの、競合の「RTX 4060」が115Wと非常に低消費電力なので、電力面では劣るのも気になるところです。。

「RTX 4060」ではロープロファイルモデルやショート基盤モデルも珍しくないことを考えると、小型ケースや静音ケースでの採用のしやすさでは大きな差がある点は否めないかなと思うため、やや評価を下げる結果となりました。

競合の「RTX 4060」の低消費電力による扱いやすさが強力なため競争力で一番とはなれないですが、1080pゲームコスパに焦点を当てるなら強力な選択肢だと思います。


7位

Arc A750

区分
ミドルレンジ
DX12スコア
約 12,500
TDP/TGP
225W
メモリ
8GB GDDR6(512GB/s)
参考価格
約 31,800円※2023年9月14日時点

良い点

  • 安価(約3.2万円~)
  • 価格の割に優れたメモリ性能(8GB 512GB/s)
  • 優れたゲーミングコスパ
  • 優れたレイトレーシング性能コスパ
  • 安価でAV1デコードおよびエンコードをサポート

気になる点

  • 最適化不足でゲームによってベンチマークスコアほどの性能が出ないケースがある(ドライバによる対応が進行中)
  • 最適化不足で正常に動作しない懸念がある
  • 性能の割には消費電力が多く、電力効率が悪い
  • Resizable BAR未使用時には性能が大きく低下

3万円台で破格のコスパとメモリ性能

「Arc A750」は3万円ちょっとという価格の割には優れた仕様を持つ、ズバ抜けたカタログスペックコスパが魅力のミドルレンジGPUです。Intelが久しぶりに参入したデスクトップ向けの単体GPUの、第一弾のミドルレンジ製品です。

発売当初は5万円前後で販売されていましたが、諸々の事情で大幅に値下がりし、2023年9月時点では3万円ちょっと(もっと安いこともある)で購入可能になっています。そのおかげで、3万円クラスでは破格な「8GB GDDR6(256bit, 512GB/s)」メモリを搭載しつつ、ベンチマークスコアではRTX 3060 Tiに匹敵する性能でコスパも破格となっています。

更に、将来性があると言われている「AV1」映像コーデックに対してデコードとエンコードにも両対応しており、安価に最新機能を一通りそろえたいクリエイターにも嬉しい仕様となっています。カタログスペックと価格から見れば、3万円クラスのGPUでは頭一つ抜けた性能とコスパになっています。

ただし、前述した「諸々の事情」の一つである、登場時にあった最適化不足が大きな懸念点です。

Arcは登場時に明らかな最適化不足が見えていて、主にベンチマークスコアの割には実際のゲーミング性能が低すぎる問題(RTX 3060と同程度まで下がる)や、古いDirectXを使用したゲームで上手く動作しない問題が致命的とされていました。

登場時よりはドライバーによる最適化が進んで改善されてきてはいますし、大きく値下がりしたこともあるので、現在では以前ほどのデメリットではないものの、やはり他GPUと比べると不具合や最適化不足が目立つのは間違いないので、その点は踏まえた上で購入することが必要となります。

ただし、上記を考慮しても、ズバ抜けたカタログスペックコスパは非常に魅力的ですから、安価でコスパの良いGPUとして競争力はあると思います。手を出すのはややギャンブル要素を含むかもしれませんが、色々改善されてしまったら逆に高くなる可能性もありますから、今のうちに手を出すのもアリかなと思える製品です。


8位

Radeon RX 7900 XT

区分
ハイエンド
DX12スコア
約 25,500
TDP/TGP
300W
メモリ
20GB GDDR6(800GB/s)
参考価格
約 123,800円~※2023年9月14日時点

良い点

  • ハイエンドクラスの高い性能
  • 大容量で高性能なメモリ(20GB GDDR6、800GB/s)
  • 4Kゲーミングやレイトレーシングでも実用的な性能
  • 優れたワットパフォーマンス
  • RTX 4080よりも大幅に安価

気になる点

  • 非常に高価(約12.4万円~)
  • 非常に多い消費電力(300W)
  • レイトレーシング性能はRTX 4070 Tiより低い

非常に優れた電力効率と優れたコスパの効率的ハイエンドGPU

「RX 7900 XT」は最新世代のハイエンドGPUの中では価格が安くコスパが良いのが魅力のハイエンドGPUです。20GBのVRAMを搭載しているのも、12万円クラスでは破格なので、用途次第では非常に魅力的です。

主要なゲーミング性能では基本「RTX 4070 Ti」を若干上回る性能を持っており、1080pや1440pでの240fps以上は十分狙える他、4Kやレイトレーシングでも実用的なfpsを実現することができます。メモリ性能も前世代のハイエンドモデルよりも大容量な20GB GDDR6で、帯域も800GB/sと向上しており、RTX 40シリーズの競合モデルよりも格段に上なのも大きな魅力です。

消費電力も昨今のハイエンドGPUにしては少なめの部類のTBP:300Wとなっており、ワットパフォーマンスが優れているのも魅力です。

価格12.4万円~(2023年9月時点)と高価なためもちろんネックではあるものの「RTX 4070 Ti」には基本性能で上回りつつ同程度の価格で、格段に上のメモリ性能を持ち、「RTX 4080」や「RX 7900 XTX」よりも大幅に安いのが魅力です。従来からハイエンドGPUの純粋なコスパはミドルレンジGPUと比べると悪い傾向がありますが、この「RX 7900 XT」はハイエンドながらコスパも普通に悪くないです。

ただし、レイトレーシング性能やAI関連処理(人気なのはイラストなど)ソフトでの性能は「RTX 4070 Ti」に劣る点は注意です。レイトレーシング以外に関してはドライバーやソフトの最適化不足が主な要因のため、少しずつ改善が進んでいるのものの、現状ではGeForce大幅な有利なので、様々な用途に対して安定して高い性能を発揮して欲しいなら「RTX 4070 Ti」の方が無難です。

いわゆる次世代技術関連についてはGeForceの方が有利な状況があるため一択とはならないものの、基本性能コスパでは「RTX 4070 Ti」を上回るため、ハイエンドGPUでも出来るだけ基本性能コスパを悪くしたくない人に魅力的なGPUが「RX 7900 XT」となっています。


9位

GeForce RTX 4080

区分
ハイエンド上位
DX12スコア
約 28,000
TDP/TGP
320W
メモリ
16GB GDDR6X(716.8GB/s)
参考価格
約 170,000円※2023年9月14日時点

良い点

  • ハイエンド上位クラスの非常に高い性能
  • 大容量メモリで高速なメモリ(16GB GDDR6X)
  • 4K・レイトレーシングでも高いfpsを実現
  • 非常に優れたワットパフォーマンス
  • AV1デコードおよびエンコードをサポート
  • DLSS 3を利用可能

気になる点

  • 高すぎる価格(約17.6万円~)
  • 非常に多い消費電力(320W)

前世代を凌駕する性能で、非常に電力効率が良いハイエンドGPU

「RTX 4080」は前世代の最上位クラスの「RTX 3090 Ti」をも大幅に上回る性能を持つハイエンドGPUです。1440p以下では非常に高いfpsを実現できるのはもちろん、4Kやレイトレーシング利用時でも120fps以上も全然狙える非常に高い性能を発揮します。従来GPUでは考えれない性能を実現しています。

また、性能だけでなくワットパフォーマンスも非常に優れており、従来の最高効率のGPU(RX 6800)をも1.3倍~1.4倍と遥かに上回る驚愕の効率を発揮します。そのため、高負荷な処理でガンガン使う場合には特に魅力的です。消費電力は非常に多い320Wですが、従来のハイエンドとしては平均的ですし、性能の高さと効率の良さを考えれば、悪いとは思わない数値です。

ただし、問題は高すぎる価格です。約17万円~(2023年9月時点)という価格はさすがに高すぎます。ワットパフォーマンスの良さがあるため、高負荷で酷使する前提であれば、長期的な費用を考えると悪くないかもしれませんが、酷使前提でないなら純粋なコスパは悪いと言わざるを得ません。

また、性能の高さも、特に1080pなどの低負荷な処理の場合には色々なことがボトルネックになりやすくて活かしづらい点もあり、用途によっては下位の「RTX 4070 Ti」などと実用性能としては大して変わらないということも考えられるのも留意する必要があります。1080p/280fps以上や、4Kやレイトレーシングでの高fpsなど、非常に高い要求を求める訳ではないなら、下位のGPUの方が最適な場合もあるかもしれません。

総評としては、価格のせいで万人におすすめはできませんが、前世代を圧倒する性能とワットパフォーマンス良さが非常に魅力的なハイエンドGPUだと思います。



それでは、記事はここまでです。ご覧いただきありがとうございました。

40 COMMENTS

迷い人

初めまして!
ゲーミングPCを買い替えようと思っていたので、とても参考になりました!
今のPCがi7-6700k/GTX1070/16GB/SSD 500GBで、RTX3080もしくはRTX3070搭載のPCを選ぼうかと思っています。

GPUランキングでは3070が80より上ですが、買うからにはなるべく性能を追求し、数年間は一線級のスペックを持つものを買いたいと思います(3090は高価すぎる、ゲーム中心ではオーバースペックかと思い諦めました)
ゲームはFF14やPSO2NGS等をウルトラワイドモニタでなるべく高画質でスムーズに動かせるものが欲しいです。

色々な比較サイト様を拝見して検討しておりますが、踏ん切りがつかない状態です。
RTX3080と3070、どちらがより希望を満たせるでしょうか?
非常に難しい話かと思いますが、背中を押していただきたく思います。

返信する
とねりん:管理人

はじめまして。
私自身がコスパと電力効率重視の考えなので、その面でRTX 3070の方を上にしています。ただ、価格の高ささえ我慢できるならコスパも電力効率も大きな差ではないので、予算に余裕があって少しでも高い性能が良いならRTX 3080でも良いと思います。

後のために高い性能を導入するのは良い選択肢だと思いますが、基本的にRTX 3070でも1440pまでなら重いゲームでも十分な性能です。165fpsくらいまでは全然いけると思います。数年前までは1080pでも重いゲームで144fpsを安定させるのは厳しい状況があったので、より高いGPUを導入するメリットも全然あったと思いますが、今では全体的に性能が向上したので、昔ほどのメリットは無いのかなと思います。
質問者様のご利用の環境や要求するレベルによりますが、RTX 3080の方が良いとなるのは、4Kやレイトレーシングで出来るだけ高いfpsを出したい場合などになると思います。どちらかというと、そのあたりを意識するかどうかの話になると思います。

返信する
迷い人

詳しいアドバイスをいただき、恐縮です。
当時、1070を選んだ時も1080との性能差と金額面で妥協して選んでしまった面があるので、今回買うならなるべく妥協はせずに性能で選びたいと思い、3080も視野に入れていました。
ただ、1070からの買い替えとなると3070でも倍近い性能アップに繋がるということもあり、それでも十分かなとは思ってはおりました。今のところ、4Kやレイトレーシング対応ゲームをプレイする予定もないので、仰るように3070でも十分なのかも知れません。
また、Radeon系も考えてはみましたが、今までずっとGeforceを使い続けてきたことと、最近のAMD事情を知らないので、安全を考えてGeforceにしました。

ケースデザインや価格的にドスパラ様での購入を考えていますが、3080搭載PCが入荷待ち状態なので、もう少し待ってみて、FF14の大型アップデートが来る11月までに再入荷し、価格が無理のない範囲でしたら3080を、3070をカスタマイズした以上の価格になってしまうようなら、「GALLERIA XA7C-R37T」or「GALLERIA XA7C-R37」をカスタマイズしたものを考えたいと思います。

返信する
はか

コスパいいものを探してるのに、評価が「高すぎるのが難点」みたいな評価ばっかりでどうなの。ただの高品質ランキングかと

返信する
とねりん:管理人

価格の高さとコスパは別の指標なので、別におかしくはないと思います。
コメント頂いている時点では最新世代GPUがハイエンド品しか出ていないので、そういうものが多くなるのも仕方ないです。

それに、現在の1~3位は順に「RTX 3060 Ti」「RX 6700 / 6750 XT」「RX 6600 / 6650 XT」ですから、少なくとも現時点では比較的安価なものも評価していると思いますが…。

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