今選ぶおすすめGPUランキング【コスパ重視・2025年3月最新版】

今おすすめのGPU(グラボ・ビデオカード)をランキング形式で1位~12位まで紹介しています。デスクトップ向けのゲーム用途での評価です。
選定基準は、価格・実用性・電力面等を総合的に評価するようことを意識しています。

※2025年2月初旬頃より更新を停止していましたが、ある程度GPU購入の目処が立てられるくらいにはなったかなと思ったので、更新を再開しました。ただし、以前と比べるとさほどおすすめというほどでもないGPUが多めに入っているので、その点は注意です。

注意

掲載の情報は記事更新時点(2025年3月18日)のものです。ご覧になっている際には異なる可能性があるため注意してください。価格は更新時点でのおおよその市場最安値価格です。

生産終了している、もしくは品薄で今後の追加販売が望めないGPUは除外しています。

簡易比較表

本記事でランキング入りさせているGPUをまとめた簡易比較表です。

GPU
参考価格
評価
3DMark
TDP
(TGP)
メモリ(VRAM)
コスパ
電力
効率
基本
性能
VRAM
電力
効率
AI
※1
レイ
トレ
価格
DX12
※2
DXR
※3
容量
バス幅
帯域
RX 9070 XT
16GB / 304W
¥112,980~4.54.54.04.04.252.03031118702304W
16GB
256bit640GB/s0.26899.7
RX 9070
16GB / 220W
¥103,800~4.254.54.53.754.02.252697916052220W
16GB
256bit640GB/s0.260122.6
RX 7900 XT
20GB / 315W
¥114,980~4.254.754.03.753.752.02690414230315W
20GB
320bit800GB/s0.23485.4
RX 7800 XT
16GB / 263W
¥82,800~3.754.53.753.53.252.751996810706263W
16GB
256bit624GB/s0.24175.9
RTX 5070
12GB / 250W
¥108,800~4.03.754.54.03.752.252268914237250W
12GB
192bit672GB/s0.20990.8
Arc B580
12GB / 190W
¥49,800~3.253.53.53.252.753.75144547993190W
12GB
192bit456GB/s0.29076.1
RTX 5070 Ti
16GB / 300W
¥148,800~4.54.54.54.54.251.52779219164300W
16GB
256bit896GB/s0.18792.6
Arc B570
10GB / 150W
¥40,800~2.753.253.52.752.254.25126276735150W
10GB
160bit380GB/s0.30184.2
RTX 5080
16GB / 360W
¥198,800~4.754.54.754.754.51.253241122100360W
16GB
256bit960GB/s0.16390.0
RX 7700 XT
12GB / 245W
¥69,800~3.53.53.753.253.03.0170069059245W
12GB
192bit432GB/s0.24469.4
Arc A770 16GB
16GB / 225W
¥42,500~2.754.52.53.252.54.0134727108225W
16GB
256bit560GB/s0.31759.9
RTX 4060
8GB / 115W
¥49,800~3.03.04.53.02.253.75106656045115W
8GB
128bit272GB/s0.21492.7
RX 7600
8GB / 165W
¥38,980~3.03.03.02.252.04.25108365399165W
8GB
128bit288GB/s0.27865.7
※1:利用するソフトやプログラム方式などによる。評価は主要ソフトにおける筆者の印象
※2:Time SpyのGraphicsスコア
※3:DirectX Raytracingを用いたレイトレーシング性能。Port Royalのスコア
※表右端の電力効率の数値はTGP/TBPと3DMarkスコアから単純計算したものなので参考程度に

  • 性能スコア(DX12):現在最も主流といえるWindowsで利用するゲーム用APIのベンチマークスコアです。掲載しているのは3DMark Time Spy Graphicsのスコアで、解像度は2560×1440です。
  • 性能スコア(DXR):レイトレーシング性能のスコアです。掲載しているのは3DMark Port Royalのスコアで、DirectX Raytracing(DXR)を用いた レイトレーシング性能を表します。
  • TDP:最大放熱量を表す指標で、大体の消費電力の目安。最近ではTGP(グラフィックスの総消費電力)やTBP(ボードの総消費電力)も使われます。
  • コスパ:(DX12の性能スコア / 価格)の値。
  • 電力効率:(DX12の性能スコア / TDP)の値。

おすすめGPUランキング

現在のおすすめGPUランキングです。高性能GPUのメジャーな用途はゲーミング用だと思うので、それを前提で評価しています。評価基準は「コスパ・価格・性能・実用性」などを総合的に見るという形にしていますが、コスパを特に重視しています。掲載のDX12のスコアは、3DMark Time Spy Graphicsのスコアです。


1位

Radeon RX 9070 XT

参考価格

112,980円~

おすすめ度 :★4.5

基本性能 ★4.5 | VRAM(メモリ) ★4.5 | 電力効率 ★4.0 | AI ★4.0 | レイトレ ★4.25 | 価格 ★2.0

良い点
  • ハイエンド級の非常に優れた性能(RTX 5070 Tiの若干下くらい)
  • 16GB VRAM(640GB/s)
  • 同性能帯で特に優れた基本性能コスパ
  • 4K・レイトレーシングでも優れた性能
  • 比較的優れたワットパフォーマンス
  • FSR 4対応(AIベースのアップスケーリング)
  • AFMFが使える(ドライバ動作のフレーム生成)
  • AI性能(FP16/INT8)が前世代から飛躍的に向上
気になる点
  • 非常に高価(11万円台中盤~)
  • 消費電力が多い(304W)
  • RTX 5070 / 5070 Ti に少し劣るワットパフォーマンス
  • RadeonはAIやクリエイティブの一部用途でGeForceにやや不利(2025年3月時点)
主要スペック
GPURadeon RX 9070 XT
区分準ハイエンド
VRAM
16GB GDDR6(640 GB/s)
TGP/TDP304W
3DMark Graphics Score
Time Spy
(DX12)
30,300
Port Royal
(DXR/レイトレ)
18,700

「RX 9070 XT」は最安11万円台(2025年3月時点)という価格ながら「RTX 5070 Ti」にも迫るハイエンド級の性能を持つ、同性能帯では非常に優れたコスパが魅力の高コスパGPUです。

前世代(RX 7000)ではGeFoceに対してレイトレーシングで劣るのがネックでしたが、そちらも改善して差が無くなったので、非常に選び易くなりました。

ゲーム性能は「RTX 5070」を大きく上回り、「RTX 5070 Ti」にも迫るレベルです。

価格的には「RTX 5070」に近いですが、5070は12GB VRAMがネックなので、16GB VRAMを搭載しつつも基本性能で大きく上回る9070 XTは、価格を考えればコスパでは明らかに上回っており、準ハイエンドGPUながら優れたコスパを発揮します。

また、AI性能でも改善があり、基本性能(FP16 / INT8)が先代から飛躍的に向上しました。

ただし、現状(2025年3月時点)では多くのソフトがCUDAやTensorRTに最適化されている中、AMDのROCmはまだWindowsでネイティブ動作できない関係上、AIにおける使い勝手がGeForceに劣る状況はまだあります。とはいえ、前世代と比べると大きく前進したのは間違いなく、元々有利なVRAMコスパの良さもありますから、AI面の差も縮まっており、前世代と比べると選び易くなったのは確かな高コスパGPUです。

2位

Radeon RX 9070

参考価格

103,800円~

おすすめ度 :★4.5

基本性能 ★4.25 | VRAM(メモリ) ★4.5 | 電力効率 ★4.5 | AI ★3.75 | レイトレ ★4.0 | 価格 ★2.25

良い点
  • 非常に優れた性能(RTX 5070を少し上回る)
  • 16GB VRAM(640GB/s)
  • 優れた基本性能コスパ
  • 4K・レイトレーシングでも十分実用的
  • 性能の割に省電力(TBP:220W~)
  • 非常に優れたワットパフォーマンス
  • FSR 4対応(AIベースのアップスケーリング)
  • AFMFが使える(ドライバ動作のフレーム生成)
  • AI性能(FP16/INT8)が前世代から飛躍的に向上
気になる点
  • 非常に高価(10万円台中盤~)
  • 9070 XTとの価格差が小さい(9000円程度)割には性能差は少し大きめ(10%~15%程度)
  • RadeonはAIやクリエイティブの一部用途でGeForceにやや不利(2025年3月時点)
主要スペック
GPURadeon RX 9070
区分準ハイエンド
VRAM
16GB GDDR6(640 GB/s)
TGP/TDP220W
3DMark Graphics Score
Time Spy
(DX12)
26,900
Port Royal
(DXR/レイトレ)
16,000

「RX 9070」はRTX 5070」に近い価格ながら16GB VRAMを備えた上でゲーム性能で上回る、高性能高コスパGPUです。また、性能の割には省電力(TBP:220W~)で、非常に優れたワットパフォーマンスも魅力です。

前世代(RX 7000)ではGeFoceに対してレイトレーシングで劣るのがネックでしたが、そちらも改善して差が無くなったので、非常に選び易くなっています。

米国における希望小売価格は549ドルでRTX 5070と同じですが、RTX 5070はVRAMが12GBなのに対し、9070は16GBを搭載するのが大きな強みです。

そして、9070のもう一つの大きな魅力は電力面です。性能を考えれば省電力な220W~という仕様で、ワットパフォーマンスが非常に良いです。RTX 50の高効率モデルにも対抗できるレベルとなっています。

また、AI性能でも改善があり、基本性能(FP16 / INT8)が先代から飛躍的に向上しました。

ただし、現状(2025年3月時点)では多くのソフトがCUDAやTensorRTに最適化されている中、AMDのROCmはまだWindowsでネイティブ動作できない関係上、AIにおける使い勝手がGeForceに劣る状況はまだあるものの、RTX 50シリーズではこのクラスの性能の600ドル未満で16GB VRAMを搭載するモデルが無く、AIにおいてはVRAM容量が重要なことを考慮すると、総合的にはAIでも十分戦えるようになったと思います。

このように、各種性能と価格を考えると非常に強力なことは間違いない「RX 9070」ですが、気になるのは一つ上位の「RX 9070 XT」です。

米国での希望小売価格は50ドルしか変わらない割には性能差が少し大きめで、コスパではちょっと劣る印象が強めとなっています。電力面では上回るものの、無印はXTの妥協案的な位置になるのは否定はできないです。

とはいえ、RTX 50と比べるなら十分に競争力のある性能・価格なので、XTとの性能差に惑わされずに評価したいGPUです。

3位

Radeon RX 7900 XT

参考価格

114,980円~

おすすめ度 :★4.25

基本性能 ★4.5 | VRAM(メモリ) ★4.75 | 電力効率 ★4.0 | AI ★4.0 | レイトレ ★3.75 | 価格 ★2.0

良い点
  • 1440p高設定にも十分対応できる非常に優れた性能
  • 非常に優れたVRAM性能(20GB、800GB/s)
  • 同性能帯で優れた基本性能コスパ
  • 4K・レイトレーシングでも十分実用的な性能
  • AFMFが使える(ドライバ動作のフレーム生成)
気になる点
  • 非常に高価(11万円台~)
  • 消費電力が多い(315W)
  • RTX 4070 Ti SUPERに大きく劣るレイトレーシング性能
  • 競合モデルにやや劣るワットパフォーマンス
  • RadeonはAIやクリエイティブの一部用途でGeForceにやや不利(2025年3月時点)
主要スペック
GPURadeon RX 7900 XT
区分準ハイエンド
VRAM
20GB GDDR6(800 GB/s)
TGP/TDP315W
3DMark Graphics Score
Time Spy
(DX12)
26,900
Port Royal
(DXR/レイトレ)
14,200

「RX 7900 XT」は20GBの大容量VRAMを搭載した準ハイエンドGPUでありながら、基本性能コスパも良いのが魅力のGPUです。

GPUは高性能なハイエンドモデルになるほど基本性能コスパは悪くなる傾向がありますが、この「RX 7900 XT」は性能の高さの割にはコスパも悪くないです。

競合製品と比べると、基本のゲーム性能は「RTX 4070 Ti SUPER」を少し上回るレベルながら、1~2万円程度安いため、コスパで上回っています。

ただし、レイトレーシング性能やAI性能ではGeForceにやや劣ることが多いため、ヘビー用途も含めた場合の実用コスパという点で考えるとやや微妙感もあるので、人気が伸び悩んでいる印象です。

まず、レイトレーシング性能が「RTX 4070 Ti SUPER」に大きめに劣っている点があります。

また、AIでもGeFoceにやや劣ります。現状(2025年3月時点)では多くのソフトがCUDAやTensorRTに最適化されている中、AMDのROCmはまだWindowsでネイティブ動作できない事が主な要因です。20GB VRAMでの差が大きく出る用途出ない限りは実用面ではGeForceが基本有利にはなると思います。

今後改善される可能性はあるものの、現状では明確に改善される見通しがある訳でもないので、すぐに様々な用途で活躍して欲しい場合にはやはりGeForceが安定です。

現在はレイトレを使わないゲームがメインで、生成AIなどは後々良くなってくれれば良いという感じで、将来性に委ねられる人向けの高コスパ準ハイエンドGPUだと思います。

4位

Radeon RX 7800 XT

参考価格

82,800円~

おすすめ度 :★4.25

基本性能 ★4.0 | VRAM(メモリ) ★4.5 | 電力効率 ★4.0 | AI ★3.5 | レイトレ ★3.25 | 価格 ★2.75

良い点
  • 8万円前後で優れたVRAM性能(16GB、624GB/s)
  • 優れた基本性能コスパ
  • 1440pでも高い性能
  • 4K・レイトレーシングでも使える性能
  • AFMFが使える(ドライバ動作のフレーム生成)
気になる点
  • 高価(8万円前後~)
  • 消費電力が多い(263W)
  • ワットパフォーマンス・レイトレーシング性能がが競合モデルに劣る(RTX 4070)
  • RadeonはAIやクリエイティブの一部用途でGeForceにやや不利(2025年3月時点)
主要スペック
GPURadeon RX 7800 XT
区分ハイクラス
VRAM
16GB GDDR6(624 GB/s)
TGP/TDP263W
3DMark Graphics Score
Time Spy
(DX12)
19,900
Port Royal
(DXR/レイトレ)
10,700

「RX 7800 XT」は8万円台で優れた性能と16GB VRAMを備え、基本性能コスパが高いのが魅力のGPUです。

基本のゲーム性能は「RTX 4070」と同等か若干高いレベルながら、希望小売価格上は50ドルも安い(日本円でも7000円~1万円くらい安い)ため、コスパが非常に優れているのが魅力です。

そして、特に魅力なのはVRAMを16GB搭載している点です。競合となる「RTX 4070 / 4070 SUPER」の12GB VRAM(504GB/s)よりも優れており、最近注目度の高い生成AIやレイトレーシングでもボトルネックになりにくいですし、「RTX 4060 Ti 16GB」や「RX 7600 XT 16GB」と違って帯域幅も広め(624GB/s)なので、1440pや4Kなどでも高いパフォーマンスを維持しやすいです。

GPUは高性能なハイエンドモデルになるほど基本性能コスパは悪くなる傾向がありますが、この「RX 7800 XT」の基本性能コスパはミドルレンジモデルを含めても高い部類であり、その上で16GB VRAMも付属するため非常にお得感があります。

このように、基本スペックは物凄く強力で魅力的なのが「RX 7800 XT」なのですが、基本性能以外ではやや気になる点も多い点には注意です。

まず、レイトレーシング性能がGeForceよりもやや低い点があります。1440pレイトレーシングにおいては、「RTX 4070」に平均で13%前後ほど劣る結果になっている他、消費電力も「RTX 4070」は200Wなのに対し、この「RX 7800 XT」は263Wなので、発熱も多くワットパフォーマンスもやや劣っています。

更に、2025年1月時点ではAI面でもGeForceにやや劣っているのも注意です。主要ソフトでのAI関連処理やBlenderのGPUレンダリングなどでもGeForce向けに最適化されていることが多い他、AI向けの特化のプログラム(API)がRadeonでは「ROCm」というものになりますが、これが現状はWindowsでネイティブ動作できないなど、実性能でも汎用性でもGeForceでも劣っています。今後改善される可能性はあるものの、現状では明確に改善される見通しがある訳でもないので、AIで使いたい場合にはまだGeForceが安定です。

総評としては、基本性能とVRAMコスパは非常に優れており魅力的なGPUですが、レイトレーシング性能や電力面、AI処理などの最適化では「RTX 4070」に現状まだ劣るので、出来るだけ多方面で安定した性能を発揮して欲しいなら最適とは言えないGPUです。

とはいえ、一つ下の「RTX 4060 Ti 8GB」と比べるなら、価格差が小さめながら基本性能は格段に上となっており、16GB VRAMのおかげでレイトレや生成AIでも大きく後れを取るほどになりません。

まとめると、VRAMが12GBでは不安がある場合でとりあえずは基本性能が高ければ良い人で、その他は将来性に委ねても良いという人向けの高性能GPUかなと思います。

5位

GeForce RTX 5070

参考価格

108,800円~

おすすめ度 :★4.25

基本性能 ★4.0 | VRAM(メモリ) ★3.75 | 電力効率 ★4.5 | AI ★4.0 | レイトレ ★3.75 | 価格 ★2.25

良い点
  • 非常に優れた性能(RTX 4070 SUPERを上回る)
  • 1440pでも優れた性能
  • 4K・レイトレーシングでも実用的な性能
  • 性能の割に少なめの消費電力(TGP:250W)
  • 非常に優れたワットパフォーマンス
  • DLSS 4 対応(マルチフレーム生成など)
  • 優れたAI処理性能(VRAMがネックにならない場合)
気になる点
  • 高価(10万円台後半~)
  • VRAMが価格の割には弱い(12GB、672GB/s)
  • 競合の「RX 9070 / 9070 XT」が16GB VRAM
主要スペック
GPUGeForce RTX 5070
区分ハイクラス
VRAM
12GB GDDR7(672 GB/s)
TGP/TDP250W
3DMark Graphics Score
Time Spy
(DX12)
 22,690
Port Royal
(DXR/レイトレ)
14,240

「RTX 5070」は優れた性能とワットパフォーマンスを持つハイクラスGPUです。

前世代の「RTX 4070 SUPER」を少し上回る性能持ち、1440pでも高い性能を出すことができます。

ただし、価格の割には少ない12GB VRAMが気になるGPUです。そのVRAM容量のせいで、レイトレーシングや4K高設定などではややネックを感じますし、AIやクリエイティブ用途でもネックになる可能性があります。

価格の近い競合モデル「RX 9070 XT / 9070」では16GB VRAMを搭載する上、基本性能でも負けているので、相対的に見ると微妙感が強めです。

しかし、実際のところは1440p以下でレイトレーシングを使わないのなら12GBでもネックになるケースはほとんどないので、実用面ではネックとならないことも多いと思いますし、前世代のコスパ高評価だった「RTX 4070 SUPER」とコスパ差もさほど大きくはないです。

AIにおいても、現状(2025年3月時点)では多くのソフトがCUDAやTensorRTに最適化されている中、AMDのROCmはまだWindowsでネイティブ動作できない点で優位性があるので、VRAMがネックにならない限りは悪くはないGPUだと思います。

6位

Arc B580

参考価格

49,800円~

おすすめ度 :★4.25

基本性能 ★3.25 | VRAM(メモリ) ★3.5 | 電力効率 ★3.5 | AI ★3.25 |レイトレ ★2.75 | 価格 ★3.75

良い点
  • 比較的安価(5万円前後)
  • 価格の割に優れたVRAM(12GB、456GB/s)
  • 価格の割に優れたAI性能・レイトレーシング性能
  • 5万円以下クラスで1440pでも実用的な性能
  • 安価で優れたメディアエンジン
  • 比較的安価ながら、多方面の処理に対応できる優れた実用コスパ
気になる点
  • 実際のゲーム性能がベンチマークスコアよりもやや劣る(実際にはRTX 4060を少し上回る程度)
  • 性能の割には消費電力がやや多め(190W)
  • フルHDでは競合モデルに劣るワットパフォーマンス
  • アイドル消費電力が多い(ASPM有効で改善はする)
  • ドライバの最適化が不安(前世代で酷かったが、改善が進んではいた)
  • 古めのCPUや一部のゲームでパフォーマンスが低下(アップデートに期待)
主要スペック
GPUArc B580
区分ミドルレンジ
VRAM
12GB GDDR6(456 GB/s)
TGP/TDP190W
3DMark Graphics Score
Time Spy
(DX12)
14,500
※実性能はRTX 4060の少し上くらい
Port Royal
(DXR/レイトレ)
7,900

「Arc B580」は5万円前後という比較的安価な価格設定で12GB VRAMを搭載し、重い処理にも高めの対応力を備えるのが魅力のGPUです。

近年注目度が急激に上がった、生成AI・レイトレーシング・メタバースなどではVRAM容量が非常に重要となっているため、5万円以下で主流の8GB VRAMでは大きくパフォーマンスが制限されることが多いのですが、このB580は12GB VRAMを備えるため、それらの用途でのボトルネックを大きく回避できるのが良いです。

また、基本性能もRTX 4060を少し上回るレベルとなっており、純粋なコスパも悪くないです。しかも、8GB VRAMのGPUと比べると実性能や安定性では大きく上回るケースが散見されることもあり、実用コスパが非常に優れています。

出来るだけ費用を抑えつつも、高い対応力を備えたGPUが欲しいなら魅力的なGPUだと思います。

しかし、全てが良いという訳ではなく、特に気になるのは電力面です。

前世代の酷さを考えれば格段に改善はしたものの、未だにフルHDゲームでのワットパフォーマンスはRTX 4060には大きめに劣っており、消費電力も多めです(TBP:190W)。

また、前世代と同じくResizable BARが有効でないとパフォーマンスが大きめに低下するため要件で必須とされている点や、標準のアイドル消費電力がかなり多いためASPM有効が推奨される点など、前世代で大きく不安視されたドライバの最適化不足を含めてやや粗い仕上がりを感じさせる点も健在ではあるのも少し懸念点です。

とはいえ、5万円以下で12GB VRAMを備える実用コスパに優れるGPUは魅力的なので、それを考慮しても十分検討に値すると思います。

追記:発売直後、やや古めのCPUや低性能なCPUではパフォーマンスが大きめに低下する報告が散見されており(Ryzen 5 5600などでも発生)、検証で実際に一部のゲームで該当の現象が確認されています。そのため、使うCPUには注意が必要です(ただし、Intelもこの問題を認識しているようなので、アップデートで改善される可能性あり)。

7位

GeForce RTX 5070 Ti

参考価格

148,800円~

おすすめ度 :★4.0

基本性能 ★4.5 | VRAM(メモリ) ★4.5 | 電力効率 ★4.5 | AI ★4.5 |レイトレ ★4.25 | 価格 ★1.5

良い点
  • 非常に優れたVRAM性能(16GB、896GB/s)
  • 4K・レイトレーシングでも優れた性能
  • 非常に優れたAIパフォーマンス
  • 優れたワットパフォーマンス
  • DLSS 4 対応(マルチフレーム生成など)
気になる点
  • 非常に高価(約15万円~)
  • 消費電力が多い(TGP:300W)
主要スペック
GPUGeForce RTX 5070 Ti
区分準ハイエンド
VRAM
16GB GDDR7(896 GB/s)
TGP/TDP300W
3DMark Graphics Score
Time Spy
(DX12)
27,800
Port Royal
(DXR/レイトレ)
19,160

「RTX 5070 Ti」はどの用途でも強力な性能を持つ準ハイエンドGPUです。

基本性能は前世代の「RTX 4080 SUPER」を若干下回る程度で非常に高く、VRAMには896GB/sという広い帯域の16GB GDDR7を備えるため、どの用途でも安定した優れたパフォーマンスを発揮するのが魅力です。

ただし、価格の割にはVRAM容量と基本性能が小さく感じるのが気になる点です。

まずVRAMですが、749ドル(発売時:15万円弱~)という価格で16GBは少ないです。「RX 9070 / 9070 XT」は600ドル以下で16GBを搭載しています。

896GB/sという帯域は強力ではあるものの、用途によってはほとんど差が出ませんし、ボトルネック回避の点でも容量が多い方が嬉しいです。

基本性能も先代から大きく向上した感がなく、コスパも「RX 9070 / 9070 XT」の方が強力に見えます。

現状で決め手となりやすい「性能コスパとVRAM」という点で魅力を感じにくいGPUだと思います。

しかし、AIでは現状(2025年3月時点)では多くのソフトがCUDAやTensorRTに最適化されている中、AMDのROCmはまだWindowsでネイティブ動作できない点で優位性があります。そのため、AIでは「RX 9070 XT」を基本上回り、用途によっては大きく上回るのは強みです。

「RX 9000」では9070 XTが最上位と言われていて代替品が無いですし、「RTX 5080」が大きく高価なことを考えると、予算次第では有力な選択肢になることもあると思います。

8位

Arc B570

参考価格

40,800円~

おすすめ度 :★3.75

基本性能 ★2.75 | VRAM(メモリ) ★3.25 | 電力効率 ★3.5 | AI ★2.75 |レイトレ ★2.25 | 価格 ★4.25

良い点
  • 比較的安価(4万円台前半~)
  • 安価で10GB VRAM搭載
  • 優れた優れたメディアエンジン
  • 少ない消費電力(TBP:150W)
  • 価格の割には多方面の処理に対応できる優れた実用コスパ
気になる点
  • 実際のゲーム性能がベンチマークスコアよりもやや劣る(実際にはRTX 4060をやや下回る程度)
  • RTX 4060に劣る電力面
  • アイドル消費電力が多い(ASPM有効で改善はする)
  • ドライバの最適化が不安(前世代で酷かったが、改善が進んではいた)
  • 古めのCPUや一部のゲームでパフォーマンスが低下(アップデートに期待)
主要スペック
GPUArc B570
区分ミドルレンジ下位
VRAM
10GB GDDR6(380 GB/s)
TGP/TDP150W
3DMark Graphics Score
Time Spy
(DX12)
12,630
※実性能はRTX 4060の少し下くらい
Port Royal
(DXR/レイトレ)
6,730

「Arc B570」は4万円ちょっとで10GB VRAMを搭載し、安価な割には高めの対応力を持つのが魅力のGPUです。

5万円未満クラスのGPUでは、VRAMは8GB以下に制限されてしまうことがほとんどですが、Arc B570は4万円ちょっとで10GBを搭載しています。これにより、高設定や1440pに対するボトルネックを同価格の他GPUよりも若干緩和できます。

また、安価な割には優れたメディアエンジンも搭載しているため、安価な割には幅広い用途で高めの対応力を持つのが嬉しい低価格GPUです。

ただし、基本性能はRTX 4060を少し下回るレベルとなっており、基本性能コスパ自体はやや低めです。この性能のGPUはフルHD運用が基本ということもあり、その前提では8GBと10GBで差が出ることも思ったより多くはないので、実用コスパ的にもやや微妙感はちょっとあるのが気になる点ではあります。

出来るだけ費用を抑えつつも、高い対応力を備えたGPUが欲しいなら魅力的なGPUだと思います。

また、前世代と同じくResizable BARが有効でないとパフォーマンスが大きめに低下するため要件で必須とされている点や、標準のアイドル消費電力がかなり多いためASPM有効が推奨される点など、前世代で大きく不安視されたドライバの最適化不足を含めてやや粗い仕上がりを感じさせる点も健在ではあるのも少し懸念点です。

更に、発売直後、やや古めのCPUや低性能なCPUではパフォーマンスが大きめに低下する報告が散見されており(Ryzen 5 5600などでも発生)、検証で実際に一部のゲームで該当の現象が確認されています。そのため、使うCPUにも注意が必要です(ただし、Intelもこの問題を認識しているようなので、アップデートで改善される可能性あり)。

9位

GeForce RTX 5080

参考価格

198,800円~

おすすめ度 :★3.75

基本性能 ★4.75 | VRAM(メモリ) ★4.5 | 電力効率 ★4.75 | AI ★4.75 |レイトレ ★4.5 | 価格 ★1.25

良い点
  • 圧倒的な処理性能
  • 非常に優れたVRAM性能(16GB、960GB/s)
  • 4K・レイトレーシングでも優れた性能
  • 非常に優れたAIパフォーマンス
  • トップクラスのワットパフォーマンス(2025年時点)
  • DLSS 4に対応(マルチフレーム生成など)
気になる点
  • ものすごく高価(19万円台~)
  • 16GB VRAMは価格の割には少なすぎる
  • 消費電力が非常に多い(360W)
主要スペック
GPUGeForce RTX 5080
区分ハイエンド
VRAM
16GB GDDR7(960 GB/s)
TGP/TDP360W
3DMark Graphics Score
Time Spy
(DX12)
32,410
Port Royal
(DXR/レイトレ)
22,100

「RTX 5080」は圧倒的な処理性能と非常に優れたワットパフォーマンスが魅力のハイエンドGPUです。

前世代の「RTX 4080」をやや上回る高性能GPUとなっており、様々なハイエンド用途でも高く安定した性能を発揮することができます。

ただし、単純に価格が高すぎてコスパ的にはやや微妙な点もありますし、VRAM容量が価格の割には少なすぎるのが非常に気になります。

米国における希望小売価格は999ドルですが、それで749ドルの「RTX 5070 Ti」、549/599ドル「RX 9070 / 9070 XT」と同じVRAM容量というのは渋すぎます

国内価格で言うなら、2025年3月時点で5070 Tiよりも約5万円高価、RX 9070シリーズには9万円前後も高価なのにVRAM容量が同じです。

最近ではVRAM容量が重要な用途として、レイトレーシングや生成AI、メタバースの普及も進んでいる中で、超高額GPUで16GBは凄く残念です。

様々な追加機能でも多少の追加VRAMを求められる可能性もありますし、20万円もの費用を掛けてもそのボトルネックの不安から解放されないのは悲しいです。

「RTX 5090」が圧倒的な高価さなので、4K・レイトレーシング・AIで妥協できるコスパ範囲での高い性能を求めるなら有力候補とはなるものの、単純なコスパでは下位GPUと比べると微妙感は否めないハイエンドGPUだと思います。

10位

Radeon RX 7700 XT

参考価格

69,800円~

おすすめ度 :★3.75

基本性能 ★3.5 | VRAM(メモリ) ★3.5 | 電力効率 ★3.75 | AI ★3.25 |レイトレ ★3.0 | 価格 ★3.0

良い点
  • 1440pでも実用的な性能
  • RTX 4060 Tiよりも大幅に高い性能
  • 非常に優れた基本性能コスパ
  • 6万円台で12GB VRAM
  • AFMFが使える(ドライバ動作のフレーム生成)
気になる点
  • 1万円ちょっとの追加でRX 7800 XT 16GBが選べる
  • やや高価(6万円台中盤~)
  • 消費電力が多い(245W)
  • 同世代ではやや悪い電力面
  • RadeonはAIやクリエイティブの一部用途でGeForceにやや不利(2025年3月時点)
主要スペック
GPURadeon RX 7700 XT
区分ミドルレンジ上位
VRAM
12GB GDDR6(432 GB/s)
TGP/TDP245W
3DMark Graphics Score
Time Spy
(DX12)
17,000
Port Royal
(DXR/レイトレ)
9,060

「RX 7700 XT」は7万円未満で12GB VRAMと重量級ゲームにも対応できるアッパーミドルクラスの高性能さを持つ、基本性能コスパに優れたGPUです。

基本のゲーム性能は「RTX 3080 10GB」や「RTX 4070」よりも少し下程度の高性能さを持ちますが、価格は7万円未満と安くて基本性能コスパが良いです。

VRAMも12GBで価格の割には高めの仕様を持っており、レイトレーシングを考慮しなければ1440p以下では大きく不足することはほとんどありません。

このように価格と性能だけ見れば優れたGPUだと思うのですが、相対的に見るとやや微妙な点も多いのが気になるGPUなのは注意です。

まず気になるのは一つ上位の「RX 7800 XT」との差です。

2025年2月時点では1万円ちょっとの追加で、16GB VRAM搭載のRX 7800 XTを選ぶことができます。

最近ではレイトレーシングや生成AIやメタバースなどのVRAMを大量に使う用途が増えてきているので、この差は気になります。

また、電力面も微妙で、こちらはRX 7800 XTにやや劣る結果となっている上、対抗のRTX 40シリーズには大幅に負けてしまっています。

更に、2025年3月時点では主要ソフトでのAI関連処理やBlenderのGPUレンダリングなどがGeForce向けに最適化されていることが多いのも気になる点です。今後改善される可能性はあるものの、現状では明確に改善される見通しがある訳でもないので、すぐに様々な用途で活躍して欲しい場合にはやはりGeForceが安定です。

総評としては、RX 7700 XTは「重量級ゲームを快適にプレイできる性能を持っている中で出来るだけ安いGPU」という条件なら強力なGPUであり、需要もあるとは思いますが、少し上の価格帯のGPUが非常に強力なので、相対的に見て第一候補にはなりにくいGPUだと思います。

11位

Arc A770 16GB

参考価格

42,500円~

おすすめ度 :★3.75

基本性能 ★2.75 | VRAM(メモリ) ★4.5 | 電力効率 ★2.5 | AI ★3.25 |レイトレ ★2.5 | 価格 ★4.0

良い点
  • 安価でハイエンド級のVRAM(16GB、560GB/s)
  • 比較的安価(約4万円~)
気になる点
  • 実際のゲーム性能がベンチマークスコアよりも大幅に劣る(RTX 3060 12GBと同じくらい)
  • ゲームコスパは良くはない
  • 性能の割には消費電力がかなり多い(225W)
  • アイドル消費電力が多い(ASPM有効で改善はする)
  • Resizable BARが有効でないとパフォーマンスが低下
  • ドライバの最適化が怪しい(改善が進んではいる)
主要スペック
GPUArc A770 16GB
区分ミドルレンジ下位
VRAM
16GB GDDR6(560 GB/s)
TGP/TDP225W
3DMark Graphics Score
Time Spy
(DX12)
13,500
※実性能は9000弱の
RTX 3060 12GBに近い
Port Royal
(DXR/レイトレ)
7,100

「Arc A770 16GB」は4万円台では破格の16GB VRAMを搭載するのが魅力のGPUです。「RTX 4060 Ti 16GB」や「RX 7600 XT」と違って、帯域幅も560GB/sと広いです。

生成AIやレイトレーシングやメタバースなど、これから利用が広まっていきそうな次世代用途では大容量VRAMを必要とする傾向が強い印象があるため、それらの用途でVRAMボトルネックを回避するためのGPUとしては非常に安価なのが良いです。

しかし、その他では気になる点が多いのに注意です。

まずは、最適化不足が気になる点です。主要なベンチマークでは「RTX 4060 Ti」並みの高いスコアが出ているのに、実ゲーム性能が「RTX 3060 12GB」程度しかなく、ゲームコスパが良くないです。騙されないようにする必要があります。

また、「Arc A770 16GB」を含めた初代の「Arc Aシリーズ」は、登場当初に最適化不足が更に顕著で、不具合等が多発していた点も留意する必要があります。現在(2024年12月時点)ではそこまで深刻なレベルでは無くなっているとは思うものの、他GPUよりは不安定な可能性があります。

また、電力面が競合GPUと比べると明らかに悪いのも気になる点です。ゲーム性能は「RTX 3060 12GB」と同等なのでミドルロークラスの性能ですが、消費電力(TBP)は225Wとなっており、アッパーミドルレベルです。性能を考えれば非常に多く、ワットパフォーマンスが悪いです。

そのため、一般的な4万円台のGPUよりも電源やケースに少し気を遣う必要があります。基本性能がもう少し高ければ、電力制限しての運用を前提とするのも良かったと思いますが、「RTX 3060 12GB」レベルの性能を更に下げて運用するのはちょっと厳しめに感じるのもかゆいところに手が届かない感が強いです。

このように、注意点が多くて上級者向けのGPUではあると思いますが、4万円前後で16GB VRAMと搭載するGPUは非常に魅力的ですし、最適化もかなりの速度で進んではいて、Intelの最新GPU(2025年1月時点)ともベースが同じアーキテクチャということで、これからの最適化も一応期待はできるので、出来るだけ低価格で次世代用途への対応や将来性に期待したい場合には悪くはないと思うGPUです。

12位

RTX 4060

参考価格

49,800円~

おすすめ度 :★3.75

基本性能 ★3.0 | VRAM(メモリ) ★3.0 | 電力効率 ★4.5 | AI ★3.0 |レイトレ ★2.25 | 価格 ★3.75

良い点
  • 比較的安価(4万円台後半~)
  • フルHDで十分な性能
  • 優れたフルHDコスパ
  • 非常に省電力(TGP:115W)
  • 小型&低発熱なので小型ケースで採用しやすい
  • 安価にDLSSのフレーム生成を利用できる
  • 非常に優れたワットパフォーマンス(フルHD)
気になる点
  • VRAM性能が低い(8GB、272GB/s)
  • 重量級ゲームや1440p以上やレイトレーシング等ではやや厳しい性能
主要スペック
GPUGeForce RTX 4060
区分ミドルレンジ下位
VRAM
8GB GDDR6(272 GB/s)
TGP/TDP115W
3DMark Graphics Score
Time Spy
(DX12)
 10,700
Port Royal
(DXR/レイトレ)
6,040

「RTX 4060」は非常に少ない消費電力(TGP:115W)ながら、その割には高性能なミドルレンジGPUです。安価ながら「RTX 40シリーズ」なので、DLSS 3のフレーム生成を利用できるのも強みです。

何といっても、特に魅力なのは消費電力の少なさと効率の良さです。1080pゲームなら大体快適にプレイできる性能を持ちながら115Wというのは非常に魅力的です。発熱も少なく、ショート基盤製品も発売時から複数登場しているため、小型ケースや排熱に不安があるケースでの運用での懸念が軽減できるのも嬉しいです。

しかし、基本性能自体は他のミドルレンジGPUと比べて高い訳ではなく、前世代の「RTX 3060 Ti」にもやや負けるレベルではある点には一応注意です。重量級のゲームや、1440p以上の解像度でネイティブ運用するのはやや厳しいです。とはいえ、前世代までの150W以下のGPUと比べると格段に高い性能とはなっていて、1080pなら快適と言えるパフォーマンスを提供してくれるので、ライト層では満足できる性能にはなっていると思います。

それに、1440p以上やレイトレ関しては、一つ上位の「RTX 4060 Ti」でもやや不安のある設定です。ネイティブでは1080pで使うGPUとして割り切って、電力面と安さのメリットに特化するなら、この「RTX 4060」は非常に理に叶った選択となりそうなGPUだと思います。高負荷なゲームではDLSS 3等のアップスケーリングと併用するのが基本になると思いますし、それを考えれば尚更上位GPUに対してそこまで基本性能の低さがデメリットにも感じないとも言えますし。

総評としては、「RTX 4060」は基本性能の高さを求める人には向かないGPUだとは思いますが、1080pゲームでは基本十分な性能を持ち、小型さと低消費電力のおかげで非常に扱いやすいのが魅力です。DLSS 3にも対応しているため、より高負荷ゲームでも使えないことはないという保険もある、ライト層には非常におすすめできるミドルレンジGPUです。

13位

Radeon RX 7600

参考価格

38,980円~

おすすめ度 :★3.75

基本性能 ★3.0 | VRAM(メモリ) ★3.0 | 電力効率 ★3.0 | AI ★2.25 |レイトレ ★2.0 | 価格 ★4.25

良い点
  • 安価(3万円台後半~)
  • フルHDで非常に優れたコスパ
  • 比較的少ない消費電力(165W)
  • AFMFが利用可能(AMDのドライバ動作のフレーム生成)
気になる点
  • VRAM性能が低め(8GB、288GB/s)
  • RTX 4060に電力面で大きく劣る
  • レイトレーシングは期待できない
主要スペック
GPURadeon RX 7600
区分ミドルレンジ下位
VRAM
8GB GDDR6(288 GB/s)
TGP/TDP165W
3DMark Graphics Score
Time Spy
(DX12)
10,800
Port Royal
(DXR/レイトレ)
5,400

「RX 7600」は約4万円クラスという安価な価格帯で、1080p(FHD)での非常に優れたコスパが魅力のGPUです。

前世代の「RX 6600 XT」や「RTX 3060」をやや上回るパフォーマンスを発揮しつつも、価格は3万円台後半からと安いため、コスパが非常に良いです。低予算PCのコスパ特化の選択肢として魅力的です。

しかし、やはり1080pをメインとしたGPUであるため、基本性能は高くはない点には注意です。1080pなら快適と言えるパフォーマンスなので、ライト層なら満足できる性能だと思いますが、144fps安定や1440p以上の解像度などの高いパフォーマンスを求める場合には向かないGPUという点には留意しておく必要があります。

ただし、RDNA 2以降のRadeonでは2024年1月に対応した「AFMF」というドライバレベル動作のフレーム生成機能を使えば、非常に手軽にfpsを上げることが出来る点があり、強みの1080pゲームコスパの良さを強めてくれる点はポイントです。「RTX 4060」には「DLSS 3」が使える点で優位性があるものの、そちらはゲーム側の対応が必要なのに対し、AFMFはゲーム側の対応が必要なく非常に手軽に有効化できるので、ライト層ならそちらの方が嬉しそうかなと思います。

電力面に関しては、消費電力を表す指標のTBPは165Wとなっており、競合の「RTX 4060(115W)」と比べると明らかに劣るのは気になるところです。115Wの「RTX 4060」ではロープロファイルモデルやショート基盤モデルも珍しくなく、小型ケースや静音ケースでの採用のしやすさでは大きな差があるので、やや評価を下げる結果となりました。

総評としては、競合の「RTX 4060」のDLSS 3対応や低消費電力による扱いやすさが強力なため、同価格帯の競争力で一番になるのは難しいですが、1080pゲームコスパに焦点を当てるなら非常に強力な選択肢だと思います。

それでは、記事はここまでです。ご覧いただきありがとうございました。

46 COMMENTS

OMG

初めまして
現在利用しているグラボを980から4070Tis、もしくは4080sに新調しようと考えているのですが、最近50シリーズの発表がされたこともあり迷っています。

価格帯的には5070tiを考えていたのですが、価格と性能の面で少し様子見をしたほうがいいなどもしあればご教示ください。
※購入目途を2~4月と想定しています。

返信する
とねりん:管理人

はじめまして。
どれだけの供給量があるかなどは不明ですし、実際の価格動向や性能は発売されてからでないと確かなことは言えない、というのは前置きしておくとして、

購入が2月~4月でハイエンドモデルを購入予定なら、RTX 40シリーズよりは「RTX 5070 Ti」を待った方が良いのが基本路線だとは思います。

個人的な見立てでは、「RTX 5070 Ti」はDLSS(AI面)を除外しても「RTX 4080 SUPER」と同等か少し超える性能がありそうだと思っています。そのため、想定価格通り(15万円弱~)なら初動でもコスパは良く、「RTX 4070 Ti SUPER / RTX 4080 SUPER」が多少値下がりする可能性を考慮しても、コスパで大きく劣るようなことにはなりにくそうに感じるのが、待った方が良いかなと思う理由です。

一応、DLSSやAI関連性能はそこまで重視する訳ではない場合で既存モデルが大きく値下がりすれば、RTX 50と比べてもコスパは悪くなくなる可能性もあるとは思います。ただし、今回はRTX 50の発表前に既にNVIDIAが既存モデルの生産・供給を調整して減らしており、市場の在庫が既にあまりない印象なので、従来よりも大幅値下げ品を狙い撃ちするのが難しいかもしれません。

しかし、結局想定最安値価格がいわゆる”アリバイ価格”的なものである可能性もあったりするので、やはり発売まで待たないと確かなことは言えないですね。

返信する
ネコラー

評価は非常に的を射ていましたが、
Radeon独自のAFMFに触れてほしかった感アリマス。
60FPS制限のゲームでもフレーム倍にしてくれますし、画質の劣化云々言われていますが正直体感できないレベルなので。次の更新時に是非触れてあげてください。

返信する
とねりん:管理人

コメントありがとうございます。
確かに、AFMFレベルで気軽に使えるものなら評価に入れるべきですね…。
早速少し追記しておきました。

返信する
DDT

最近バカ売れしているNvidia RTX A2000 6GB、使ってみると名機でしたよ。
ロープロファイルで補助電源不要の消費電力70W、それにもかかわらず性能は1660superやRTX3050クラス。価格が不安定ながらも、38000円程度に下落する事があります。
デメリットは出力がMiniDisplayPortで使い勝手が悪い程度です。

ゲーム用ではないからランクインは難しいですか?

返信する
とねりん:管理人

ご推察の通り、ゲームコスパが同価格帯の他製品と比べると劣るため除外しています。
3.8万円を基準としても、同価格帯の競合製品だと「RTX 3060 12GB」「RTX 4060」「RX 7600」などがありますが、それらと比べるとゲーム性能は大分劣るのに価格が同じなので…。

とはいえ、補助電源不要の低消費電力でロープロファイルのブロワーファンというのは非常に使い勝手が良いのは確かで、ゲームに対して高い要求を求めない場合には非常に良いグラボだと思います。

返信する
迷い人

初めまして!
ゲーミングPCを買い替えようと思っていたので、とても参考になりました!
今のPCがi7-6700k/GTX1070/16GB/SSD 500GBで、RTX3080もしくはRTX3070搭載のPCを選ぼうかと思っています。

GPUランキングでは3070が80より上ですが、買うからにはなるべく性能を追求し、数年間は一線級のスペックを持つものを買いたいと思います(3090は高価すぎる、ゲーム中心ではオーバースペックかと思い諦めました)
ゲームはFF14やPSO2NGS等をウルトラワイドモニタでなるべく高画質でスムーズに動かせるものが欲しいです。

色々な比較サイト様を拝見して検討しておりますが、踏ん切りがつかない状態です。
RTX3080と3070、どちらがより希望を満たせるでしょうか?
非常に難しい話かと思いますが、背中を押していただきたく思います。

返信する
とねりん:管理人

はじめまして。
私自身がコスパと電力効率重視の考えなので、その面でRTX 3070の方を上にしています。ただ、価格の高ささえ我慢できるならコスパも電力効率も大きな差ではないので、予算に余裕があって少しでも高い性能が良いならRTX 3080でも良いと思います。

後のために高い性能を導入するのは良い選択肢だと思いますが、基本的にRTX 3070でも1440pまでなら重いゲームでも十分な性能です。165fpsくらいまでは全然いけると思います。数年前までは1080pでも重いゲームで144fpsを安定させるのは厳しい状況があったので、より高いGPUを導入するメリットも全然あったと思いますが、今では全体的に性能が向上したので、昔ほどのメリットは無いのかなと思います。
質問者様のご利用の環境や要求するレベルによりますが、RTX 3080の方が良いとなるのは、4Kやレイトレーシングで出来るだけ高いfpsを出したい場合などになると思います。どちらかというと、そのあたりを意識するかどうかの話になると思います。

返信する
迷い人

詳しいアドバイスをいただき、恐縮です。
当時、1070を選んだ時も1080との性能差と金額面で妥協して選んでしまった面があるので、今回買うならなるべく妥協はせずに性能で選びたいと思い、3080も視野に入れていました。
ただ、1070からの買い替えとなると3070でも倍近い性能アップに繋がるということもあり、それでも十分かなとは思ってはおりました。今のところ、4Kやレイトレーシング対応ゲームをプレイする予定もないので、仰るように3070でも十分なのかも知れません。
また、Radeon系も考えてはみましたが、今までずっとGeforceを使い続けてきたことと、最近のAMD事情を知らないので、安全を考えてGeforceにしました。

ケースデザインや価格的にドスパラ様での購入を考えていますが、3080搭載PCが入荷待ち状態なので、もう少し待ってみて、FF14の大型アップデートが来る11月までに再入荷し、価格が無理のない範囲でしたら3080を、3070をカスタマイズした以上の価格になってしまうようなら、「GALLERIA XA7C-R37T」or「GALLERIA XA7C-R37」をカスタマイズしたものを考えたいと思います。

返信する
はか

コスパいいものを探してるのに、評価が「高すぎるのが難点」みたいな評価ばっかりでどうなの。ただの高品質ランキングかと

返信する
とねりん:管理人

価格の高さとコスパは別の指標なので、別におかしくはないと思います。
コメント頂いている時点では最新世代GPUがハイエンド品しか出ていないので、そういうものが多くなるのも仕方ないです。

それに、現在の1~3位は順に「RTX 3060 Ti」「RX 6700 / 6750 XT」「RX 6600 / 6650 XT」ですから、少なくとも現時点では比較的安価なものも評価していると思いますが…。

返信する

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です