ゲーミングPCの選び方ガイド【パーツ毎の要点】

ゲーミングPCのパーツの選び方についてざっくりまとめています。パーツ(スペック)を見る際の要点などを列挙している感じです。

ゲーミングPCとは言っているものの、デスクトップPC全般的な内容と思って貰って構わない内容になっているはずです。一応「こういう順番で見るのが良いかな」と思う順番で並べてはいますが、飛ばして好きな位置から見ても問題ありません。

注意

本記事の内容は記事更新時点のものになります。ご覧になっている際には異なる可能性があるため注意してください。


STEP.1

最初に考えるのは予算・用途です。どのくらいの重さのゲームをしたいのか、どれぐらいのfpsや設定でプレイしたいのかなどを出来るだけ具体的に想定しておくことが望ましいです。ざっくりと性能・用途と予算の目安を表にまとめているので、よければ参考にしてください。

予算と性能の目安(2022年8月時点)

性能・価格帯 中心CPU 中心GPU
超高価格帯
(30万円~)
Core i9 / Ryzen 9 GeForce RTX 3080 ~ RTX 3090 Ti
Radeon RX 6800 ~RX 6900 XT
高価格帯
(23万円~30万円)
Core i9 / Ryzen 9
Core i7 / Ryzen 7
GeForce RTX 3060 Ti ~ RTX 3070 Ti
Radeon RX 6700 XT
中価格帯
(17万円~23万円)
Core i7 / Ryzen 7
Core i5 / Ryzen 5
GeForce RTX 3060 ~ RTX 3060 Ti
Radeon RX 6600 ~ RX 6700 XT
低価格帯
(10万円~17万円)
Core i5 / Ryzen 5
旧世代のCPU
GeForce GTX 1650 ~ RTX 3060
Radeon RX 6600 ~ RX 6600 XT
性能・価格帯 概要
超高価格帯
(25万円~)
いわゆるハイエンドと呼ばれる性能帯です。CPU・GPUに非常に高性能なハイエンド品が採用されている価格帯です。CPUは「Core i7 / Core i9」「Ryzen 7 / Ryzen 9」が、GPUには「GeForce 70番台以降」「Radeon 800番台以降」が中心に採用されています。
個人利用では基本オーバースペックになると思う性能で、予算に余裕があったり、出来るだけ高い性能を求める人向けです。
ゲームにおいては、1080pや1440pの重いゲームで240fps以上を目指したい場合や、4Kやレイトレーシングでも高いパフォーマンスを出したい人向けです。CPUも基本的に非常に高性能なものが採用されているので、ゲーム配信や動画編集、レンダリングなどでも高いパフォーマンスを得る事ができます。
ただし、コスパ的には大体他モデルより少し悪い他、消費電力が非常に多いです。電力効率もCPUやGPUによっては悪いものがあるので、その必要性については購入前によく検討した方が良いと思います。時間が経ってしまうと、性能もハイエンドとは言えずに消費電力が多くて電力効率が悪いPCになってしまう可能性があることを留意しておきましょう。
高価格帯
(22万円~25万円)
いわゆるアッパーミドルやハイスペックと呼ばれる性能帯です。CPU・GPUに非常に高性能なものが採用されている価格帯です。性能は高くしたいけど、コスパも捨てたくないという人におすすめの製品が多いです。
CPUは「Core i7」か「Ryzen 7」、GPUは「GeForce 60番台 or 70番台」「Radeon 600番台 or 700番台」が中心に採用されています。処理性能はハイエンドには劣りますが、十分高性能でコスパや電力効率が良いものが多いです。効率も意識するなら性能重視でも選ぶ価値のある価格帯です。
ゲームでは1080pや1440pの重いゲームで165fps以上を安定させたい場合や、4Kやレイトレーシングでもそれなりのパフォーマンスを出したい人向けです。CPUはCore i7とRyzen 7が中心的に採用されており、Core i9やRyzen 9には劣るものの十分に高性能です。ゲーム配信や動画編集、レンダリングなどでも高いパフォーマンスを得る事ができるはずです。
中価格帯
(15万円~22万円)
いわゆるミドルレンジと呼ばれる性能帯です。ミドルレンジとは呼ばれつつも、これは上位製品との相対的に比較した場合のもので、十分に高性能と言える性能です。重いゲームや処理が出来る性能を備えつつ、価格も出来るだけ抑えたい場合におすすめです。
CPUは「Core i5」か「Ryzen 5」、GPUは「GeForce 60番台」「Radeon 600番台」が中心に採用されています。名前的に頼りなさも感じるかもしれませんが十分高性能で、全体的にコスパが非常に優れています。
低価格帯
(10万円~15万円)
いわゆるエントリークラスからミドルレンジ下位あたりの性能帯です。最近ではCPUやGPUの性能が大幅に底上げされているので、この価格帯のPCでも重いゲームなども普通に出来ます。ただし、上位モデルと比べるとやはり大幅に性能は劣りますし、もう少し予算をプラスした方がコスパの良いPCを検討できることが多いので、人気はそこまで無い価格帯だと思います。
CPUは「Core i5」か「Ryzen 5」、GPUはエントリーからミドルレンジ下位クラスの安価なものを中心に採用されています。旧世代品が値下がりしたり、在庫処分として採用されることも多い印象です。
STEP.2

CPUの要点
  • CPUはPCの頭脳
    CPUはPCの頭脳とも呼ばれるパーツです。CPUの性能がPC全体のパフォーマンスに影響するので、どんな用途前提でもPCパーツの中での重要度は1,2を争う高さです。
  • コア数が多いほど高性能だけど、高価で消費電力・発熱が多い
    CPUはコア数が多いほどマルチスレッド性能が高く高性能です。ただし、高価で消費電力と発熱が多くなるデメリットもある点に注意が必要です。消費電力や発熱が多いと、それに合わせて高性能な電源やCPUクーラーを用意しなければならない可能性があり、CPUの価格差以上に費用での差が出てくる可能性があります。特にCore i9の消費電力と発熱は非常に多いです。そのため、用途や予算に合わせて選ぶことが重要です
  • ゲーミング性能はコア数が多ければ多いほど良い訳ではない
    ゲーミング性能にはもちろんCPUも関係しますが、メインの処理を行うのは基本的にGPUという別のパーツです。CPUにおけるゲーミング性能というのはGPUの足を引っ張らなかったり、遅延が少しでも少ないほど良いといった感じのものです。そのため、CPUのコア数が多い(マルチスレッド性能が高い)ほどゲーミング性能が高いとは限らない点に注意が必要です。たとえば、2022年8月時点のCPUとGPUのラインナップでは、Core i7とCore i9のゲーミング性能はほとんど変わりません。
  • CPUに高負荷な処理を多用する前提の場合はコア数の多さ重視
    CPUに高負荷な処理を多用する場合、たとえばCPUエンコードや複数の高負荷なアプリケーションを同時に起動させるマルチタスク(たとえばゲームのライブ配信)など前提の場合には、CPUは出来るだけマルチスレッド性能の高いコア数が多いものが望ましいです。

2022年8月現在での最新シリーズは、第12世代Core iシリーズ(12000番台)Ryzen 5000シリーズ(第4世代Ryzen)です。処理性能とコスパは全体的にCore iシリーズの方が良いので無難な選択肢になると思います。その代わり、消費電力は全体的にCoreシリーズの方が多く、特にCore i9はとんでもない消費電力となっているため注意してください。高性能なCPUクーラーが必須となる他、電源容量も多めに確保しておく必要があります。

CPUの選定に際しては、詳しくはベンチマークスコアなどを参考にして選ぶと良いですが、迷うというのであれば、とりあえず最新のCore i7というのが失敗は一番少ないと思います。

また、ゲームにおいてもCPUは重要ではありますが、重量級のゲームをプレイする場合に最も重要なのは、基本的にCPUではなくGPU(グラフィックボード)です。高性能なCPUを用意しても、GPUが低性能だと意味がない点には留意です。CPUは、高性能なGPUの性能を最大限活かすために見合ったものが必要という感じです(ボトルネックなどと呼ばれます)。

参考:主要CPUの性能

本ブログでも、現在の主要なCPUの性能について下記の記事などでまとめていますので、よければご覧ください。
おすすめ主要CPUの性能比較・一覧表【2022年9月最新版】【デスクトップ】「Core i」と「Ryzen」の違いを比較【ざっくり解説】


また、詳しい性能などは長くなるので触れませんが、本記事でも各モデルの価格・性能の関係をざっくりとまとめておきます。参考までにご覧ください。

価格・性能・用途の関係【CPU】

※モデルは2022年8月時点での最新世代が対象です。Core iは第12世代、Ryzenは第4世代(5000シリーズ)です。性能評価はざっくりとしたものなので参考までにご覧ください。また、Ryzen 3 は最新世代のものが登場していないため旧世代の評価となります。

CPUモデル名 価格の目安
(CPUの価格)
総合
コスパ
ゲーム マルチ
スレッド
消費電力
発熱
Core i9 非常に高価
(約7万円~)
4.75
4.75
2.0
Ryzen 9
4.25
4.75
3.0
Core i7 高価
(約4万円~5万円台)
4.75
4.25
3.0
Ryzen 7
4.25
3.5
3.25
Core i5(K無し) やや高価
(約2万円~3万円)
4.25
3.25
4.0
Ryzen 5
4.0
3.25
4.0
Core i3 安価
(1万円台)
3.5
2.5
4.5
Ryzen 3(旧) ×
2.5
2.25
4.5
※評価は相対比較。△や☆2だから悪いという訳ではないので注意。

ざっくりとですが、CPUの各項目などについての説明です。参考までにご覧ください。

各スペック項目の簡単な説明【CPU】

CPU 概要
ベンチマーク
スコア
CPUの性能比較の主な指標ですCPUの処理性能を専用のソフトを用いて数値化したもので、PassMarkやCinebenchなどが特に有名です。
クロック
(周波数)
CPUのコアのデータ転送速度を表します。単位は主にGHz。コア数が少なかった昔は性能の指標としてよく用いられていましたが、2022年現在ではCPUのコア数が増えてきた上、ブーストによるクロック上昇も細かく設定されている事が多いため、性能を測る指標としてはあまり役に立たなくなってきています。
高いと発熱量が多くなる傾向があるため、どちらかというと現在では発熱量の目安の一指標として扱われる事が多い気がします。
TDP
熱設計電力の事で、大体の消費電力の目安です。また、TDPが高いと発熱量も多くなります
コア
CPUの中の実際に処理を行う部品のことです。
コアの数が多いほどマルチスレッド性能が高くなり、マルチスレッド性能が重要な処理で有利になります。たとえば、エンコードやレンダリング等では処理時間を短くする事ができたり、複数タスクを同時に実行する際などに有利に働きます。ただし、コア数が多くなるほど発熱や消費電力も多くなる傾向があるので注意が必要です。
スレッド
コアが行う処理の単位のことです。もう少し分かり易くいうと「システム上で認識するコア数」です。
「原則は1コア=1スレッド」ですが、ハイパースレッディング(SMT)という技術で、「疑似的に1コアを2コアに見せる」事により、システム的には「1コア=2スレッド」として扱うCPUがあります(例:4コア8スレッド)。これを利用する事によって、マルチスレッド性能を大幅に高める事が可能です。ただし、この技術ではあくまで疑似的に1コアを2コアとして扱っているだけなので、1コアで1スレッドを担当するよりも1スレッドあたりの処理性能は落ちてしまいます。たとえば、同世代のCPUであれば、4コア8スレッドよりも8コア8スレッドCPUの方が高いマルチスレッド性能を発揮します。
補足事項
  • ボトルネック
    主にゲーミング性能を語る際に使われます。グラフィックボード(GPU)の性能に対して、CPUの性能が低すぎると、GPUの性能を最大限引き出せないことがあります。これを「ボトルネック」と呼びます。そのため、高性能なグラフィックボード(GPU)を使用する際には、CPUもそれに見合った性能のものが必要となります。
  • サーマルスロットリング
    CPUの温度が一定値に達すると、温度を下げるためにクロックを下げる機能です。通気性の悪いケースや冷却性能の低いCPUクーラーを使用している際によく発生します。サーマルスロットリングが頻発するとパフォーマンスが低下する上にシステムが不安定になるため、これが一切発生しないようにPCを構築するのが理想的です。
STEP.2.5

CPUクーラーの要点
  • CPUは発熱するので冷却が必要
    CPUはその小さいパーツで膨大な量の処理を行うため、発熱します。CPUには「サーマルスロットリング」と呼ばれる、温度が規定より高くなるとクロックを下げて温度の低下を図る機能が付いており、これが発動してしまうとパフォーマンスの低下に繋がるため、適切なCPUクーラーを導入する必要があります。
  • 空冷と水冷の2種類があり、双方良さがある
    CPUクーラーは空冷と水冷の2種類があります。搭載可能なラジエーター(ファン)の最大サイズ的に冷却性能の最大値的には水冷の方が有利ですが、それ以外では空冷の方が良い点もあり、水冷が上位という訳ではない点は留意です。
  • ファンの数が多くサイズが大きいほど冷却性能が高い
    CPUクーラーの冷却性能は基本的に、ファンの数が多くサイズが大きいほど冷却性能が高いです。これが一番大きく関わる部分だと思います。他にもヒートシンクの大きさなども冷却性能に関わるため出来れば確認すると良いですが、大体ファンの性能に合わせたヒートシンクが搭載されているので、どちらかを見るならファンの方が分かり易くて良いと思います。

CPUクーラーは、特にコスパ重視のBTOパソコンなどでは軽視されがちな部分で、標準では性能の良くないものが使用されていることも多いので注意が必要です。

凄くざっくりですが、下記にCPUクーラーの冷却性能を相対比較した表を載せておきますので、基本的にはこれを参考に選べばOKです。ただし、表では考慮されていない要素(ヒートシンクなど)もあるので、参考までにご覧ください。

CPUクーラーのファンと冷却性能の高さの傾向(ざっくり)
冷却性能 クーラーのファン
120mm×3(360mm水冷)、140mm×2(280mm水冷)
140mm×2(空冷)、120mm×2(240mm水冷)
120mm×2(空冷)、140mm×1(空冷)
120mm×1(空冷)
92mm×1(空冷)、付属クーラー(ちょっと良いやつ)
付属クーラー(空冷)

基本的にはファンサイズが大きくて個数が多いほど冷却性能が高くなります。ヒートシンクの大きさなども影響はしてきますが、基本的にはクーラーのサイズや個数にあわせたヒートシンクが用意されるはずなので、考慮しなくても大きな失敗になる可能性は低いと思います。

また、一応クーラーの仕様面での各要点についてもまとめているので、興味があれば下記もご覧ください。基本的には上記の表を参考にすれば良いかと思うので、興味が無ければ飛ばしても構いません。


CPUクーラーの種類
  • 空冷式
    文字通り空気で冷やす方式です。ファンで起こした空気をヒートシンクに当てて冷却する仕組みとなっています。PC外部に排熱する水冷と違い、マザーボードのCPU周辺の冷却やエアフロー強化にも貢献する点が強みです。また、長期使用による性能低下や故障率についてもかなり低いです。空冷クーラーはPC内部の空気を利用するため、エアフローが非常に重要な点は必ず把握しておきましょう。また、高性能な空冷クーラーはヒートシンクが大型になり、ファンの大きさや個数も増えたりするため、ケースに収まるかどうか事前の確認も必須です。
  • 水冷式(簡易水冷)
    冷却液を利用して冷やす方式です。冷却液でCPUの熱を吸収し、PCケースに取り付けたラジエーター(ファン)で冷却して循環させる仕組みとなっています。空冷よりも多くの数のファン(ラジエーター)を搭載できるため、非常に高い冷却性能を実現することが可能です。更に、熱を直接PC外部へ排出するためPC内部が熱くなりにくく、内部のエアフローが冷却性能にもあまり影響しないのが強みです。ただし、逆にPC内部のCPU周辺のエアフローは悪くなります。また、今では確率は非常に低いものの、故障や性能低下の可能性が皆無に近い空冷と比べると故障リスクが高いのも一応デメリットだと思います。

水冷の方が冷却性能が高いと言われることもありますが、実際には大きな差があるというほどではないです(同じファン構成なら)。ただし、空冷ではスペース的に厳しいファン120mm3基構成や140mmファン2基構成が比較的容易な分、最大冷却性能では水冷の方が有利です。Core i9のような非常に発熱が多いCPUでは水冷の方が好まれます。

静音性については、水冷と空冷とで大きな差がある訳ではないです。水冷クーラーもファンやポンプを使用するので無音ではないですし、そもそも、仮に水冷クーラーが無音だったとしても、GPUやPCケースのクーラー全てを水冷にしない限りは空冷ファンの音がどこかから鳴ってしまいます。

水冷クーラーの最大冷却性能の高さと、大型空冷はケースの選択肢がやや狭まる点を考慮すると、水冷の方がやや無難な選択肢には感じますが、基本的には好みのレベルだと思います。

それに、今では水冷もメンテナンスフリーでトラブルもほとんど聞かれないため気軽に導入できるようにはなったものの、やはり空冷よりリスクはある点は変わりません。長期利用を考えるなら個人的には空冷の方がおすすめです。ですが、最大電力が250Wを超えるような超高発熱CPUだと、空冷では14cmファン2基とかのハイエンドクーラーでないと厳しいと思うので、選択肢はかなり狭くなるので向かないかもしれません。発熱が非常に多いハイエンドCPUでは水冷の方が失敗の可能性は低いと思います。

次に、CPUクーラーの冷却性能に関わる面についてざっくりと触れていきます。

CPUクーラーの冷却性能の要点
  • ファンのサイズ
    ファンのサイズが大きいほど風が強く、冷却性能が高いです。大きさは主に3種類で、92mm、120mm、140mmです。ただし、最近ではデスクトップPC向けのCPUは消費電力が全体的に多くなっていることもあり、92mmファン採用のクーラーは付属クーラーとか物凄く安価なクーラーでしか見られません。最も多いのは120mmファンで、大きすぎず小さめのケースでも使い易く、静音性と風量のバランスの良さが魅力です。140mmクーラーは120mmよりも冷却性能は一段高くて非常に良いですが、サイズが大きいためケースによっては収まらないこともある他、静音性もやや落ちるのがデメリットです。
  • ファンの個数
    単純にファンの個数が多い方が風量が増えるので、冷却性能が高いです。TDP(PL1)が100Wを超えるようなCPUの場合は、120mmファン1基だけのクーラーでは大体満足とは言えないので、2基以上のものを選ぶのがおすすめです。空冷ではサイズ的に3基以上のファン搭載は不可能に近いですが、水冷ではハイエンド品では120mm×3という構成も普通なので、最大冷却性能ではやや有利です。
  • ヒートシンクの大きさ
    空冷クーラー限定の話です。放熱部のヒートシンクが大きい方がより効率的に冷却できるため、冷却性能が高くなります。
  • ファンの風量
    ファン自体の風量が多い方が冷却性能が高くなります。仕様表などで記載があったりするので、複数製品の相対比較には使えるかもしれません。ただし、ファンの風量が多くても回転数が高いとうるさくなってしまったりもするので、一概に高い方が良いとは言えないです。個人的にはあまり参考にはしない部分です。

先でも触れましたが、基本的にはヒートシンクはファンに合わせたものが用意されているはずなので、ファンのサイズと個数を見ればOKです(一応、大型ヒートシンクで120mmファン1基にして、CPUに合わせてファン追加などを検討できるようにしているようなクーラーもありますが)。

STEP.3

GPU(グラボ)の要点
  • 画像処理はCPUではなくGPUが主に担当
    GPUはPCの画像処理をほぼ専門に担当するパーツです。画像処理は非常に負荷が大きいため、システム全般を担当するCPUの負担を減らすために特化型のプロセッサを利用するという形です。
  • ゲーミングPCの核と言えるパーツ
    前述のように画像処理はGPUが担当するため、ゲーミング性能を最も左右するのはGPUです。高性能なGPU(グラフィックボード)が搭載されていることがゲーミングPCである所以であり、核となる重要なパーツです。
  • GPU(グラボ)でもエアフローは重要
    ほとんどのGPU(グラボ)は空冷クーラーを採用しており、その熱はPC内部へ排出されるため、PCケースのエアフローはGPUにとっても重要です。意外と見落としがちな部分だと思いますが、GPUはCPUよりも発熱が多いものも多いので、十分留意しておく必要があります。
  • 下位のものと超高額なものはコスパが悪い
    ゲーミング性能を最も左右するのはGPUと前述しましたが、実際にゲームをするためにPCを作るには他にも多くのパーツが必要で費用が掛かります。そのため、ゲーミングPCのゲーミングコスパを考える際にはGPUのコスパだけではなく、PC総額から見たGPU性能によるコスパを考える方が適切です。これについては少し長くなるので後述です。

ゲーミングPCの購入を考えている場合、恐らくプレイしたいゲームタイトルがあるかと思います。ゲームタイトルによって必要スペックは異なるので、そこを事前に確認し、そのスペックに合わせたものを選ぶことが必要です。

ただし、じゃあ出来れば安くてコスパの良いGPUにしようを考えた人は少し注意してください。安くてコスパの良いGPUを使用することがゲーミングコスパの良いゲーミングPCを作ることに繋がるとは限りません。

PC総額から考えることが大事

GPUのみのコスパを見るだけだと適切なコスパ判断ができていない可能性があります。

例を示すと、たとえば、CPUの性能差はなくボトルネックも発生しないことを前提として、GPU以外の総額が15万円であると仮定します。

その際にGPUを比較するとして、AのGPUは100の性能で10万円、BのGPUは75の性能で5万円であったとします。この場合1万円あたりの性能は、AのGPUが10、BのGPUが15となり、BのGPUの方が大幅にコスパは良いです。

しかし、PC総額で考えると話が変わってきます。GPU以外の費用の15万円を加算した場合、AのGPUは100の性能で25万円、BのGPUは75の性能で20万円です。1万円あたりの性能はAが4、Bが3.75となり、立場は逆転してAの方がコスパが少し良いことがわかります。

このことを考慮すると、実は基本的に安いGPUほどゲーミングコスパは悪くなる傾向があります。価格が高くてもGPUが高性能なほど基本的にはコスパが良くなり、RTX 3090のような価格が超高額でコスパが悪いGPU層に入るまではこの傾向が続くことが多いです。そのため、いわゆるアッパーミドルやミドルハイのGPU(2022年8月時点ならRTX 3060 TiやRTX 3070)が高過ぎずコスパも良い選択肢として人気という訳です。

GPUの性能についてはベンチマークテストのスコアを見るのが一般的です。Windows用のゲーム用(DirectX)のベンチマークとしては3DMarkがよく使われています。弊ブログでもまとめた記事がありますので、良ければ下記からご覧ください。

参考:おすすめGPU

また、ざっくりとですが、GPUの各項目についての簡単な説明も下記に載せています。

各スペック項目の簡単な説明【GPU】

GPU 概要
3DMark
GPUのゲーミング性能を測るのに2022年現在では最も主流なベンチマークですGPUの画像処理性能を専用のソフトを用いて数値化しています。
ゲーミング
性能
実際にゲームを動作させた時のフレームレート(FPS)数です。重いゲームは基本的にGPU性能による影響が圧倒的に大きいですが、ゲームによってはCPUの性能も大きく影響するものもあります。
TDP
熱設計電力の事で、大体の消費電力の目安です。また、TDPが高いと発熱量も多くなりますCPUと違い、大体「TDP=最大消費電力」となっているので分かりやすいです(2021年11月時点)。
2021年11月時点でのハイエンドGPUは消費電力が非常に多く(軒並み300W超え)、PCパーツの中でも非常に多い消費電力となっています。電源ユニットの容量を十分に確保しておく必要があります。
価格
主流製品の単体価格は3万~15万円程度(2021年11月時点)。
1920×1080の低設定で構わないなら、安いものでも大体のゲームを快適にプレイ可能です。

また、最近では「GPGPU」というGPUの処理能力を画像処理以外にも応用する技術が実用化されてきている他、レイトレーシングやアップスケーリングといった次世代技術も増えてきており、GPUの重要度は更に増しています。

参考:その他の技術
  • GPGPU
    本来画像処理専門であるGPUを画像処理以外の目的に応用する技術のこと。元々GPUは簡単な処理に限定すればCPUを凌駕する性能を持っているため、上手く活用出来れば非常に便利。
  • ハードウェアアクセラレーション
    CPUの処理をハードウェア実装(主にGPU)で支援する機能。GPGPUの一種に入る(多分)。
  • レイトレーシング
    2022年現在ではラスタライズと呼ばれるレンダリング法が一般的ですが、レイトレーシングと呼ばれる手法が出てきています。レイトレーシングは名前の通り光線を追跡することによってシミュレートする手法で、光の反射・屈折を現実になるべく近いようにシミュレートし、影などの細かい表現も現実に非常に近いものを実現します。ただし、処理量が従来のラスタライズと比べると圧倒的に増加してしまうため、それによるfps低下などが課題です。また、処理には専用のコア(RTコアなどと呼ばれる)を使用して処理の支援を行っているため、専用コアを持たない旧世代GPUではパフォーマンスが劇的に低下する点にも注意が必要です。
  • アップスケーリング(超解像)技術(DLSS・FSR 等)
    アップスケーリング技術とは、映像を元の解像度(画素数)より高い解像度へと変換する技術です。たとえば、4K映像を描写したい場合には、まず1080p(フルHD)でレンダリングし、それを基に2160p(4K)へ変換することで、4K映像を描写していながら、実際には1080p+変換処理という圧倒的に少ない負荷しか掛かっていないという感じのことを実現する技術です。これにより、fpsの増加やfpsを落とさずに画質を上げることが出来るなどの恩恵があります。2022年現在ではいくつかの技術が乱立しているような状況ですが、専用コアが必要ないAMDのFSRがやや採用率では高い印象です。DLSSも有名で、そのパフォーマンスの評価は高いものの、利用にはRTXシリーズ搭載の専用コア(Tensorコア)が必要というのが難点です。
STEP.4

メモリの要点
  • メモリはCPUの作業スペース
    メモリはCPUの作業スペースです。容量が少ないとCPUが満足に作業することが出来ず、本来の性能を発揮できません。ゲーミングPCなら最低でも16GB以上は欲しいですし、重いゲームをやるなら32GBでもやり過ぎではないレベルです。
  • デュアルチャネルは必須
    メモリではデュアルチャネルという同じ規格・容量のメモリを2枚同時に使用することで、2枚のメモリで並列処理することでデータの転送速度を向上させる技術があります。結構な差が出ますし、費用も変わらない部分なので必須の仕様といえます。2022年現在では非常に一般的で、既製品PCでは大体始めからデュアルチャネル仕様となっていると思いますが、念のためチェックしておきましょう。
  • DDR5とDDR4は互換性がないので注意
    2022年8月現在ではメモリの主要規格がDDR4からDDR5への切り替わりの最中となっています。双方には互換性がないため、CPUとマザーボードに合った規格のものを選ぶ必要がある点に注意が必要です。
  • DDR5の方が1.5倍~2倍くらい高価(2022年8月時点)
    DDR5の方がDDR4よりも帯域幅が大幅に広くて良いですが、2022年8月現在では容量あたりDDR4よりも1.5倍~2倍くらい高価になっています。帯域幅が大幅に広いとはいえ、遅延については若干増加していることもあってか、ゲーミング性能や多くのアプリケーションではパフォーマンスが大して変わらないというデータもあるので、予算重視ならDDR4でも良いと思います。
  • 内蔵GPUの場合にはメモリ帯域幅が非常に重要
    本記事はゲーミングPC向けの記事なのであまり関係ないかもしれませんが、CPUの内蔵GPUを利用する際にはメモリの帯域幅が非常に重要です。これは単純に、基本的に内蔵GPUではCPUのメインメモリを共有または割り当てられて使用するためです。

また、下記にもメモリの仕様についてのざっくり解説を表にまとめているので、興味がある方はご覧ください。

メモリ 概要
容量
8GBとか16GBとかのことです。ゲーミングPCなら最低でも16GB以上は欲しいですマザーボードによって最大の容量が違うため注意。
クロック
(速度)
DDR4-3200(PC4-25600)とかの部分です。数字が大きいほど速度が高く、処理も高速になります。第12世代のCoreプロセッサ「Alder Lake」ではDDR5メモリにも対応しましたが、2021年11月時点ではまだ非常に高価です。DDR5メモリでも多くのアプリケーションでは性能差がそこまで出ないようなので、価格が落ち着くまではDDR4で良いと思います。
初期設定では、メモリの速度はCPU(マザーボード)によって対応速度が定められています。たとえばDDR4-3200(PC4-25600)対応CPUなら、最大DDR4-3600(PC4-28800)メモリを用意しても、初期設定ではDDR4-3200(PC4-25600)動作となります。その場合は、メモリをオーバークロック(XMPというメモリ設定を調整する機能を有効にする)する必要があります。メモリとPC側両方がXMPに対応している必要がありますが、CPUのオーバークロックよりはリスクも小さく簡単に適用できます。しかし、動作が不安定になったりする可能性はもちろんあり、何かあっても基本保証の対象外となると思われるので、そこは自己責任となります。
また、速度の違う複数のメモリーをデュアルチャネル等で同時に利用しようとした場合、速度の遅い方に合わせられてしまう点も注意です。
規格
DDR4などのこと。マザーボード(チップセット)に対応したものしか使えません。現在(2021年)の主流はDDR4となっていますが、Intelの第12世代CoreプロセッサーでDDR5も対応しました。既製品やBTO製品を購入するのであれば、規格の合わないものは選べないはずなので、規格については気にする必要ありません。
インターフェース
接続する方式(形状)です。ノートパソコンなら「S.O DIMM」、デスクトップなら「DIMM」となります。既製品やBTO製品を購入するのであれば、規格の合わないものは選べないはずなので気にする必要ありません(そもそも物理的に挿さらない)。
デュアルチャネル
メモリのデュアルチャネルとは、同じ規格・容量のメモリを2枚同時に使用することでデータの転送速度を向上させる技術です。デュアルチャネルではシングルチャネルの場合より帯域幅(一度に扱えるデータ量)が2倍になります。基本的に同一のメモリ2枚1組で使用することが望ましいです。
遅延(レイテンシ)
メモリではメモリ自体の速度だけでなく、遅延(レイテンシ)も性能に影響します。目安となるのは「CL22」や「16-16-16」といった形で示されるメモリタイミングです(CLはCas Latencyの略称)。これは要求があってから実際にメモリが応答してデータを読み書きするまでに掛かるクロック数(時間)を表します。そのため、この数が少ないほど掛かるクロック数(時間)が少なくて良いということにはなりますが、元のメモリの速度によってはCLが多い方が遅延が少ない場合もあるため、同じ規格のメモリ同士ならCL数が少ない方が遅延が少ないという認識で良いです。たとえば、同じDDR4-3200メモリでCL22とCL20のものがあったとしたら、CL20の方が遅延が少なくて実質的に高速という感じです。
ランク
メモリーのランクとは、簡単にいうとメモリコントローラが認識するメモリの数です。大体シングルランクかデュアルランクのどちらかです。1枚のメモリでもデュアルランクだと2と認識されるという感じです。どちらでも性能差自体はほぼ無いみたいですが、デュアルランクだとメモリコントローラーの負担が増える他、コントローラには対応可能なランク数に上限があるため、個人利用なら出来ればシングルランクの方が失敗は無いかなと思います。ただ、仕様表などを見ても載っていないことが多いので、正直気にするだけ無駄な気もします。
ヒートシンク
メモリの放熱性を高めるためのもの。基本あれば良い程度のもので、メモリを酷使する用途を頻繁に行う場合にはあった方が安心かも。基本的にOCメモリとかやや高価なメモリには付属しているので、特に後から買い足す必要が出ることは無いと思う。
STEP.5

ストレージの要点
  • ストレージはデータの保管場所
    ストレージはPCのデータを保存する場所です。WindowsなどのOSを含め、PC内のデータは全てストレージに保存します。
  • HDDよりもSSDの方が圧倒的に高速で、HDDの方が安い
    ストレージの大まかな種類はSSDとHDDの2種類です。双方の主な特徴としては、SSDの方が圧倒的に高速で、HDDの方が単価が安いという感じです。そのため、OSやよく使うデータはSSDに保存し、アクセス機会が少ないけど大容量のデータなどはHDDに保存するといった感じの使い分けが基本です。
  • SSDの中でも、SATAとNVMeで圧倒的な差がある
    SSDというだけでHDDより圧倒的に高速なのは間違いないですが、同じSSDでも接続の方法(規格)で大きな差が出ます。HDDと同じSATA接続よりも、メモリのような形のM.2 SSDをPCIeを利用してNVMe接続する方が圧倒的に高速です。PCIeの規格によっても速度差がありますが、Gen4ならSATAよりも10以上高速なものも珍しくないほど差が出ます。NVMeのM.2 SSDの方が少し単価が高いですが、2022年現在では差は小さいので、OSを入れるシステムストレージにはNVMeのSSDを採用することが基本となっています。
  • SSDはレベルセルに注目(QLCやTLC)
    SSDの中の実際にデータを保存するNAND型フラッシュメモリの仕様に、「レベルセル」というものがあります。これはメモリ上にデータを保存する際に使用するセルに何bitのデータを記録できるかを示したものです。たとえば「QLC」はクアッドレベルセルの略で、一つのセルに4bitのデータを記録することが可能という感じです。レベルセルの階層が高くなるほど、同じ面積でも多い容量のデータを扱えるようになり単価が安くなりますが、逆に階層が高くなるほど耐久性が低くなっていく点に注意が必要です。特にQLCは各性能がTLC以上に大きく劣る割には価格も安くないので避けることをおすすめします。TLC以上であれば、読み込み速度も大して変わらずに耐久性も基本的に一般利用では許容範囲です。特にTLCは選択肢が多いです(性能もピンキリ)。
  • ゲーミング性能はNVMeでもSATAでも大差ない
    ゲームを保存するのはSSDなので、SSDが高速な方がゲーミング性能も上がる印象を受けますが、実際には現状は大差無い点は一応留意です。ゲーミングパフォーマンスに影響するストレージの性能は、速度よりも遅延などの方の影響が強いらしいためです。PS5などのようにハード全体でSSDとシステムとの遅延を無くすような仕組みがない限りは、SATA SSDでもボトルネックになる面は少なく、基本的にはあまり差がでないようです。

SSDとHDDの簡易比較表を下記に示しています。

HDD SSD(SATA) M.2 SSD(NVMe,PCIe)
単価 安価 高価 SATAよりも高価
読み込み速度
(目安)
低速
(約110~140 MB/s)
速い
(約 550 MB/s)
非常に高速
(約 1700~7000 MB/s)

基本的なことは上記のリストや表に載せているので特に語ることはありません。各自の用途に合わせてストレージの容量や種類を選択しましょう。

STEP.6

電源ユニットの要点
  • 電源ユニットは電力を供給するパーツ
    電源ユニットはPCに電力を供給するパーツです。電源ユニットが故障すると、最悪PC全てがダメになってしまうこともあるため、特に耐久性は重要なパーツです。ただし、高価で高品質な電源を導入しても、PCの処理性能を向上させるという意味では貢献する訳ではないため、出来るだけ安く済ませたいのも分かる部分です。
  • 電源容量
    電源ユニットが扱える最大の容量です。単位はW(ワット)。ただし、変換の際にロスが生じるために表記の電力全てをPCへ供給できる訳ではない他、電源容量の50%~70%付近の方がギリギリの容量よりも変換効率が良い(後述)ため、多めの容量を確保しておくことが必要です。凄くざっくりとだけど、CPUとGPUのTDPの合計に2倍程度した容量が大まかな目安と思って貰えれば良いと思います。
  • 80PLUS認証(変換効率)
    電源ユニットが電力をPCで使えるように変換する際にロスが生じますが、そのロスが少ない(変換効率が良い)方が部品への負荷も少なく発熱も減るため、良いとされています。その変換効率の良し悪しを判断するための材料として「80PLUS認証」という称号のようなものが存在します。BRONZE→SILVER→GOLDなどのようにランク分けされていて、同じ容量でも認証が上位の方が高価となっています。高価なPCでは出来ればGOLD以上を採用したいけど、安さ・コスパ重視ではBRONZE採用が多いです。細かい変換効率とランクの違いについては後述の表を参照。
  • コンデンサ
    電力を放出したり蓄えたりする重要な部品。使用温度上限が85℃と105℃のものがあり、105℃の方が寿命が長いと言われています。また、日本製コンデンサは故障率が低く品質が良いとされています。出来れば105℃の日本製コンデンサが望ましいですが、一部のコンデンサのみ品質が良いものを利用し「高品質コンデンサを使用」などと銘打つ事もできるし、実際にどんな部品が使われているかは分解して確認するしかなかったりするので気休め程度の指標です。
  • 販売メーカーで選ぶのは難しい
    電源ユニットは細かい部品の品質などが重要なパーツなので、信頼性の高いメーカーを選ぶのが安心じゃないかと考える人も居ると思いますが、電源に関しては一概に言えません。理由は、電源の販売メーカーの多くが電源の製造を別企業(OEM)に頼っているからです。同じ販売メーカーでも中身は製品によって違うOEMだったりするため、販売メーカーだけ見ても実質意味がないという感じです。仕様表などでもOEMを記載することは基本ないので、過去のレビューで「このメーカーのこのグレードの製品はこのOEMだった」的な情報を基に考えるしかなく、しかもそれも今では異なる可能性も否定できないです。一応、高品質と言われている主要OEMでは、コスパもそこまで悪くない割に高品質なのが「CWT」、非常に高価だけど信頼性が高く高品質なのが「Seasonic」や「Flextronics」などが2022年現在では挙げられるところだと思うので、こだわるならこの辺りのOEMかどうかを確認すると良いです。
  • 【自作&交換】サイズはケースに入るか事前に確認
    ゲーミングPCをBTO等から購入する場合には関係ありませんが、自作や電源交換の場合には電源のサイズとケースのサイズを事前に確認しておきましょう。
  • 【自作&交換】ケーブルの長さに注意
    電源を各パーツと接続するケーブルについては、基本的に一通り付属しているため気になるする必要はありません。ただし、ケーブルの長さについては、ケースのサイズやPCパーツをたくさん搭載するために取り回しが悪くなっているなどの関係で、短いケーブルだと困る可能性がある点に一応注意です。また、基本的には電源容量に応じたコネクタやケーブルが付属しているはずですが、最近の高性能GPUでは8pinの補助電源コネクタが必要となる場合があり、やや容量が少なめの電源の場合では対応していない可能性もあるかもしれないので、そこは一応注意です。
電源選びの目安
容量の目安(認証) CPUのTDP GPUのTDP
450W~600W(Bronze) 65W 75W~120W
600W~750W(Bronze~Gold) 65W 150W~220W
600W~850W(Gold) 95W~125W 150W~220W
850W~1000W(Gold~) 95W~125W 175W~320W
80PLUS認証 変換効率(AC 115V時)
使用率 20% 50% 80%
STANDARD 80% 80% 80%
BRONZE 82% 85% 82%
SILVER 85% 88% 85%
GOLD 87% 90% 87%
PLATINUM 90% 92% 89%
TITANIUM 92% 94% 90%

電源についての要点は上記の通りです。もっと細かく言うとファンの仕様などもありますが、電源を単体購入するならともかく、ゲーミングPCとして購入する場合には考えても仕方ない(限界がある)部分だと思うので、割愛させて頂きます。

STEP.7

PCの土台となるパーツがマザーボードです。PCのほぼ全てのパーツはマザーボードに設置・接続するため非常に重要なパーツです。一部の主要仕様についてざっくり説明を載せています。また、インターフェース仕様や通信機能の有無など見ておいて損はない部分はありますが、それらは各々が欲しい部分を確認しておくということで割愛させていただきます。

ソケット形状

CPUはマザーボードのCPUソケットに取り付けますが、当然ながらこの形状がCPUと一致している必要があります。事前に使いたいCPUのソケット形状を確認し、それに合っているソケット(チップセット)を搭載したマザーボードを用意する必要があります。ただし、CPUに対応したチップセットを搭載したマザーボードなら、ソケット形状も当然一致するため、対応チップセットのみ確認でも問題ありません。

チップセット

チップセットは、CPUと各パーツとを繋ぐ役割を果たすマザーボードの部品です。拡張性・汎用性や各種機能の有無などに関わります。予算に余裕があり、後に色々カスタマイズをする気があるなら要チェックです。逆に、後にパーツの増設や構成の変更をする気が無いのであれば、最も廉価なモデルでも困る事はほとんどありません。故障や不具合などが頻発していないか程度のチェックで大丈夫です。

「チップセット名の頭文字のアルファベット」がそのチップセットを大まかな特徴を表しています(例:H570、X570)。下記に消費者向けの主要なものを表にまとめていますので参考までにご覧ください(2021年7月時点)。

詳しい拡張性や対応規格については、申し訳ないですが、各自で確認ということで割愛させていただきます。主なものだと「無線機能(Wi-FiとBluetooth)への標準対応」「有線LANの対応速度」「各ポート数」「PCIeスロット(レーン数)」「PCIe 4.0のSSDの利用可能数」などを確認すると良いと思います。


【Intel CPU対応チップセット】

チップセット名の頭文字 価格 機能性 オーバークロック
B(例:B560) ×
H(例:H570) ×
Z(例:Z590)

【AMD Ryzen CPU対応チップセット】

チップセット名の頭文字 価格 機能性 オーバークロック
A(例:A520)
×
B(例:B550)
X(例:X570)
オーバークロック(OC)

マザーボードの中には、CPUのクロックを本来より引き上げる機能を持つものがあります(CPU側も対応している必要有)。性能を本来よりも向上させる事が可能ですが、発熱の増加などによる故障のリスクが高いので、あまり推奨はしません。

VRMフェーズ

マザーボードのVRMフェーズ(CPU VRM)というのは、CPUに電力を供給するための部品のことです。このVRMフェーズの仕様によって、CPUの安定性、発熱、性能が多少変わってくるので重要な部分です。

高負荷な処理も頻繁に行う訳ではないならそこまで気にする必要はありませんが、CPUを頻繁に酷使する必要がある場合(あとオーバークロックなどをする際)には、チェックしておくことをおすすめしたいです。ただし、VRMが高性能になるほどグッと価格が高くなるので、予算とは要相談。

見る必要があるのは数と質です。まずは数ですが、一般的にVRMフェーズ数が多いほど電力を安定して供給できるとされています。供給部品が増えるほど、一つあたりの負荷が減り安定する他、熱源が分かれて一つあたりの発熱が減り、またそれを別々に冷却することが出来るために、熱的にも有利となると言われています。ハイエンドCPUを高負荷で頻繁で使う場合には、VRMフェーズ数が大体10以上はあるものを選ぶと良いかもしれません。ただし、VRMフェーズ数が増えるということは当然コストも高くなるため、VRMフェーズ数が多いマザーボードほど高価になります。

また、数だけでなくVRMの質自体も重要と言われており、具体的には「Dr.MOS」と呼ばれるものが良いと言われています。Dr.MOSは、従来では複数の部品に分かれて構成されていたVRMを一つのチップにまとめたもので、変換効率が良く、発熱が抑えられるとされています。Dr.MOS採用のマザーボードは、大体公式の紹介ページ等で記載があると思うので、確認してみると良いです。ただし、Dr.MOS採用のマザーボードはそうでないものよりも基本高価になるので、ここも用途や予算と相談という感じになります。

フォームファクタ

フォームファクタはマザーボードのサイズを表します。消費者向けの主要なのはATXMicro-ATXMini-ITXの3つです。この3つさえ把握していれば基本問題ないです。ATXが一番大きくてかつ主流なので、省スペースPCを希望している訳でなければATXにしておけば拡張性面は基本問題ないです。

フォームファクタ (最大) (最大) 概要
ATX
305mm 244mm 主流の3つの中では最も大きく拡張性が高い。自作や高性能PCでは一番人気。
多くの拡張スロットやストレージベイを備え、大型グラフィックボードも搭載できる。
VRMのフェーズ数が多いのが基本のため、オーバークロックへの耐性も高い。
Micro-ATX
244mm 244mm ATXより縦幅が短く、正方形サイズになっている。横幅は同じ。大型のグラフィックボードも搭載できる。
そこそこの拡張性を保ちつつ、省スペース化されている。
Mini-ITX
170mm 170mm Micro-ATXよりも更に小さくなっている。拡張性は低い。省電力CPUを内蔵GPUで運用する小型PCで利用される。
STEP.8

PCケースの要点
  • PCケースは各PCパーツを格納する箱
    PCケースは各PCパーツを格納する箱です。見た目はもちろん、拡張性やエアフローや静音性などで重要になるパーツです。
  • 空冷クーラー採用の場合はエアフローは重要
    CPUやGPUに空冷クーラー品を採用している場合には、PCケースのエアフローは非常に重要です。いくら空冷クーラー自体が高い風量を備えていたとしても、冷却にはPC内部の空気を利用するので、排熱が不十分で熱い空気が篭っていると上手く機能しません。逆に言えば、PCケースのエアフローが非常に優れている場合には少し空冷クーラーの性能が低くても思ったより冷却が間に合う可能性がありますし、PCケースのエアフローは空冷クーラーを利用する際にはおいては冷却において最重要事項と言っても過言ではないです。
  • エアフローはケースファンと通気性で見る
    PCケースのエアフローを重視する際に重要なのは、ケースファンと通気性です。ケースファンの数が多く大型であるほどエアフローは良くなります。また、PCケースに穴が開いていてメッシュパネルで密閉しない仕様になっているなど、通気性が高いほどエアフローや排熱の効率を高めることが出来ます。ただし、どちらも強化すると静音性は悪くなるので、そこは個人次第です。また、ケースファンの向きや位置については諸説ある部分なので、ここでは触れません。吸気ファンと排気ファンを最低1つずつ搭載していれば、最低限のエアフローは生み出せます。
  • 静音性は密閉具合や吸音シートの有無などで確認
    PCケースの静音性は、密閉具合や内側に吸音シートが貼り付けられていることなどで判断します。ただし、静音性の高いケースではどうしてもエアフローは多少悪くなる傾向があるため、そこは個人の環境や構成次第という感じ。ただ、超ハイエンド構成ではパーツの発熱が非常に多いので、密閉性の高い静音ケースは出来れば避けた方が無難だとは思います。
  • サイズは用途などに合わせて選択
    サイズが異なるケースがたくさんあると思いますが、そこは用途や個人の好みなどによって選択しましょう。当たり前ながらケースが大きい方が多くのケースファンを設置できたり、ドライブベイの数が多かったりなど拡張性は高いので、その辺りも考えておきましょう。また、自作や交換の場合にはマザーボードのフォームファクタに対応したケースを選ぶ必要がある点も注意です。
  • 【自作&交換】CPUクーラーやGPU・電源などが入るかの確認
    CPUクーラー・GPU(グラボ)、電源など、ケースのサイズが対応していないと搭載できないパーツもあるので、その辺りは事前の確認が必須です。
  • 裏面配線対応やメンテナンスホールは出来れば欲しい
    最近のPCケースでは、マザーボードが設置されている側のサイドパネルを取り外すことができ、裏面配線が可能だったりCPUクーラーのバックプレートをマザーボードを外さずに取り付けれるメンテナンスホールがあったりするものが増えています。裏面配線は見た目だけでなくエアフローの観点からも良いですし、自作に限らずCPUクーラーを後から換えたいという人は多いと思うので、メンテナンスホールもあると嬉しいです。BTOではやや古いケースや小型だったり安価なケースでは対応していなかったりするので、出来れば対応しているものを選択したいです。ただし、利便性は上がりますが性能等にはほとんど関わらない部分なので、一応妥協ポイント。
  • RGBライティングやサイドパネルが透明なものなどは好み
    言わずもがなだとは思いますが、ファンを光らせたりするのは好みです。実性能には影響しませんが、追加費用も凄く掛かる訳でもないので、本当に好みという感じです。
  • 最近は高額ドライブを内蔵できないケースが多い
    USBメモリやクラウドストレージが普及している影響で、最近のPCケースは内蔵の光学ドライブを搭載できないものも多いので、必要な場合にはチェックしておきましょう。

PCケースについてはざっと以上のような感じです。最近ではBTOもPCケースに力を入れている印象なので、高性能モデルでは意外と標準で良い物が採用されていたりしますが、未だに省スペース型や安めのPCではあまり良くないものが採用されていることも多いので注意が必要です。

STEP.ラスト

以上でパーツ関連は一通り触れました。最後に最終確認です。用途・予算と構成を見比べ、問題が無いか確認しましょう。問題が無ければ終了です。

また、特に触れていませんでしたが、OSも念のため確認しておきましょう。

最後におすすめショップとか関連記事へのリンクを置いています。

おすすめBTOパソコンショップ

筆者おすすめのコスパの良いBTOパソコンショップを一部軽く紹介しています。

ショップ リンク 概要
FRONTIER(フロンティア) 公式 常時開催セールが非常に安いのがフロンティアです。セール品は他の良コスパショップと比較しても安い場合も多く、非常に魅力的です。コスパは正義。安いだけでなく、電源ユニットに日本製コンデンサを使用した高品質なものを採用するなど、品質へのこだわりも見られる点が好印象です。
ドスパラ 公式 BTOパソコンショップとして非常に知名度の高いドスパラです。常に平均以上のコスパを保っている点が魅力です。2020年7月にPCケースがリニューアルされ、特にフルタワーケースはコスパ重視機にも採用されるものにしてはかなり質が良いと思います。PCパーツショップとしても大手で、自作PC製作にも役立ちます。
パソコン工房 公式 コスパの良いショップです。2021年にリニューアルされたミドルタワーケースが今までより良くなった(変更があるかもしれないので要確認)。元々コスパ自体は良かったので、弱点が減った良コスパショップとして地位を上げていると思います。
PCワンズ 公式 PCワンズは、フルカスタマイズPCが前提のショップです(元の構成が無く全てのパーツを選ぶので、正確には組み立て代行)。PCパーツショップでもあるPCワンズの単品販売のパーツから選んでいくというシステムのため、非常にカスタマイズ性が高いです。選んだパーツで規格や相性問題がある場合は事前に教えてくれるので、初級者の方でも明らかな失敗は少ないと思います。

2 COMMENTS

とねりん:管理人

誤字申し訳ありません。ご指摘感謝です。修正いたしました。

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