内蔵GPUの性能をざっくり解説【性能比較】

内蔵GPUの性能についてざっくり解説しています。WindowsPCに採用されるCPUの内蔵GPUを対象としています。

注意

本記事の内容は記事更新時点のものであり、現在は異なる可能性があるため注意してください。

はじめに:GPUとは?

本記事で扱うのは内蔵GPUですが、まず始めにGPUという存在に関しての軽い説明です。

GPU:画像処理に特化したプロセッサ

GPUというのは、PCに搭載されている処理を行う装置(プロセッサ)の一つです。GPUは「Graphics Processing Unit」の略称となっており、Graphics(グラフィックス)とあるように、特に画像処理に特化したプロセッサになります。

よく耳にすると思われるCPUはPCの処理を全般的に行う汎用プロセッサなのに対し、GPUはグラフィック処理を主に担当する特化型のプロセッサという感じです。GPUはCPUの画像特化版と捉えると分かりやすいかと思います。

GPUは、CPUと異なりどの処理にも関わってくる訳ではありませんが、GPUが無いとディスプレイに映像を表示させること(画面出力)ができないため、PCにとっては実質必須の重要なパーツです。また、画面出力以外のグラフィック処理に幅広く関わっており、たとえば「ゲーム」「動画・画像編集」などの際にもその性能が重要になってきます。

内蔵GPUと分離GPU

PCには必須といえるGPUですが、その実装方法は大きく分けて2種類あります。一つは本記事のメインテーマである内蔵GPU(iGPU)で、現在では主にCPUに内蔵されています。もう一つは、逆にCPUから独立したGPUで、分離GPU(主にdGPU)と呼びます。主にグラフィックボードやビデオカード(略称:グラボ)というパーツに搭載され、そのパーツをPCに搭載する形で利用されています。英語だとディスクリートGPU(dGPU)と呼ぶため、そう呼ぶことも多いです。メジャーなパーツでありながら呼び方が統一されていない印象です。外部GPUや単体GPUなどとも呼ばれることもあります。

また、あまりメジャーではないですが、専用の規格とケーブルを用いて外付けストレージの用に接続して利用するタイプのeGPUと呼ばれる分離GPUも存在します。

内蔵GPUと分離GPU
  • CPUの内蔵GPU
    文字通りCPUに内蔵されているGPU(iGPU)です。内蔵GPUを利用する場合には別途GPUを用意する必要がないため、当然GPUのための追加費用が必要ありません。単体のGPUは非常に高価(主要なのは大体2万円~10万円)なので、内蔵GPUを利用することで費用を大幅に減らすことができます。別途設置スペースが必要無くて省スペースPCや薄型ノートPCなどでも採用しやすい点や、消費電力や発熱が少ない点もメリットです。ただし、単体のGPUと比べると性能は大幅に低く、最新の重い3Dゲームや4Kなどの高画質動画の編集等を快適に行うのは現状では厳しいです。
  • 分離GPU(ビデオカード・グラフィックボード)
    CPUから独立しているGPUです。グラフィックボード(グラボ)やビデオカードと呼ばれることが多いです。内蔵GPUと比べると性能は大幅に高く、2021年現在では重いゲームや動画編集などを快適に行いたいなら必須に近いパーツとなっています。ただし、非常に高価なため、搭載PCの価格も大幅に高くなります。また、設置スペースが必要となるため省スペース化しにくい点や、消費電力や発熱が非常に多い点も注意しなければいけません。

次からは、内蔵GPUと分離GPUの特徴(メリット・デメリット)をもう少し詳しくみていきます。

また、GPUの全般的なことについては下記の記事でもう少しだけ詳しく扱っているので、良ければご覧ください。

GPU(グラボ)とは?【ざっくり解説】

内蔵GPUと分離GPUの特徴比較

内蔵GPUと分離GPUについて軽く触れたところで、それぞれの特徴を見ていきたいと思います。まずは、ざっくりと比較した表を載せています。

基本的には、内蔵GPUは性能は低いけどコスト面や発熱・消費電力の面で有利なのに対し、分離GPUは性能は高いけど、価格や消費電力・発熱面では良くないといった感じになります。

内蔵GPU 分離GPU
性能
(主要GPUの3DMark
TimeSpy Graphics)
低い
(300~1,600)
高い
(2,900~19,500)
メモリ CPUのメインメモリと共有で低速
※一部例外あり
専用のビデオメモリ(VRAM)で高速
価格 CPUに内蔵で追加費用無し
無しモデルと比べて+3,000円程度
非常に高価
人気モデル:約2万円~10万円程度
消費電力 非常に少ない 非常に多い
主要モデル:75W~320W程度
その他 ・幅広い用途(API)に最適化 ・ゲームに特化
(GeForce・Radeon RX / DirectX等)
・クリエイティブ用途に特化
(Quadro・Radeon Pro / OpenGL等)

内蔵GPU:汎用性は高いが性能は低い

内蔵GPUの特徴をまとめています。性能は低いものの、その他の面では優秀なので、重いグラフィック処理をしないのであれば優れた選択肢となります。

良い点
  • 追加費用が要らない
  • 消費電力が少ない
  • 幅広い用途(API)に最適化
悪い点
  • 性能が低い(単体のGPUと比較して)
  • メモリがCPUと共有で、専用のVRAMより低速で使える容量も少ない

追加費用無しで使える内蔵GPUは魅力的ですが、分離GPUよりも性能が大幅に低い点は大きなデメリットです。内蔵GPUはCPUの一部という関係上、使えるスペースが基本少ない点や、発熱やメモリの問題もあるため、どうしても単体のGPUよりは性能が低くなってしまいます。

ただし、消費電力が少ない点や、主要な内蔵GPUは「API」というプログラムの共有方式のようなものに幅広く対応しており汎用性が高い点は魅力です。

たとえば、ゲーム用のGPUとして有名な「NVIDIA GeForce」や「AMD Radeon RX」シリーズはゲームに特化したGPUです。ゲームにおいては内蔵GPUより何倍も高性能ですが、ゲーム以外への最適化は十分でないことも多いため、そこまで大きな差は付かないこともあります(とはいえ、GPU自体の処理性能が内蔵GPUと比べると段違いなので、ゲーム以外でも内蔵GPUよりは性能は基本上です)。

内蔵GPUには他にも、別途設置するスペースが必要無かったり、費用を抑えらえれるなどのメリットもあります。高いグラフィック性能を必要としないなら、非常に優秀な選択肢です。

また、内蔵GPUの性能は分離GPUと比べると圧倒的に劣るのは現状事実ですが、内蔵GPUの性能自体は近年で急激に向上しています。軽いゲームや動画鑑賞なら基本十分な性能を持っていますし、特に高性能なものであれば重いゲームすらもプレイ自体は可能なレベルまで向上しています。FHD以下ならミドルレンジ未満の分離GPUは不要になったとまで言われ始めています。

ポイント:内蔵GPUでも重いゲームやデータ量の多い動画編集等をしなければ特に問題なし
内蔵GPUであっても、ゲーム等や高度なグラフィック処理をしないのであれば特に問題無い性能は持っています。最新の高性能なものであれば、少し重めのゲームでも設定を下げれば動作はするくらいの性能までは向上してきています(2021年12月時点)。
補足説明:内蔵GPUでも分離GPU並みの性能のものも
  • 内蔵GPUでも分離GPU並みの性能のものも
    2021年時点では例外的ですが、内蔵GPUでも分離GPU並みの性能をもつものも一部存在します。2021年時点ではApple M1シリーズが頭一つ抜けて高性能なものとして挙げられます。仕組みとしては、従来の内蔵GPUよりも大きいGPUを、CPUと同一チップ上に実装すること分離GPU並みの高性能さを実現しています。ただし、もはや内蔵GPUというよりは分離GPUをくっつけたという感じなので、GPU自体の消費電力は当然増大しますし、コストも当然増えるので、内蔵GPUとしてはまだ例外的な位置付けだと思います。そのため、統合GPUという呼び方をしていることが多いです。ただし良い点もあり、本来は内蔵GPUはCPUのメインメモリを借りる形になるため遅延が発生しますが、同一チップ上に実装することでメモリアクセスの遅延を少なくできるため、専用のビデオメモリが無くても高速なメモリアクセスを実現できます。また、GPUとCPU(PC)との遅延も少なくなる点もメリットです。
  • AMD APU:内蔵GPUとほぼ同義と捉えてOK
    AMDという大手CPUメーカー製のCPUでは、GPUを搭載したCPUを「APU」と呼んでいます。特別な呼び方を用意しているから何か違うのかなという印象も持ちますが、正直消費者側はただのGPUを内蔵したCPUと思っても差し支えないです。ただし、Intel製などのCPUの内蔵GPUよりも、メインメモリの性能に内蔵GPUの性能が左右されやすい傾向があるため、その点だけは留意しておいた方が良いかもしれません。

分離GPU(グラボ):高度な3D描写用

分離GPUというのは、CPUを含む他パーツから独立したGPUのことを指します。一般的に、分離GPUを搭載したグラフィックボードやビデオカードと呼ばれるPCパーツをPCに搭載することで利用します。

分離GPUは、使えるスペースに余裕があるため大型化でき、専用のビデオメモリや冷却ファンも搭載することが出来るため、基本的に内蔵GPUよりも大幅に高性能です。

その代わり、非常に高価な上、消費電力の増加や排熱処理を考えなければいけないといったデメリットもあります。

内蔵GPU

特徴をざっくりまとめると下記のようになります。

良い点
  • 性能が高い
  • 専用のVRAMを搭載
悪い点
  • 非常に高価
  • 消費電力が多い
  • 設置スペースが必要

分離GPUは、基本的に内蔵GPUよりも圧倒的に性能が高いです。内蔵GPUと違い独立したパーツのため、消費電力や発熱やサイズの面での制限が緩いため性能を上げやすいためです。重いゲームやデータ量の多い動画の編集などを快適にしたいなら単体のGPUがほぼ必須となります。

ただし、基本的に単体GPUは高価な上、消費電力や発熱も多く設置スペースも必要となります。高いグラフィック性能を求めない人にとってはデメリットだけの無用の長物となり兼ねません。万人にとってメリットがあるものではないので、そんな人のためにあるのが内蔵GPUという訳です。

グラボとの性能比較(ゲーム)

少し具体的に、CPUの内蔵GPUと単体のGPU(グラボ)との性能の差を見ていきます。今回は「ゲーム」での性能を見ていきます。性能比較表をざっとまとめてみたのでそちらを見ていきましょう。2021年1月時点での新しめの主要GPUを載せています。


デスクトップPC向けノートPC向け

GPU 3DMark※ タイプ 備考(価格は参考価格)
Radeon RX 6800 XT
17918
単体 約9万円のハイエンドGPU
GeForce RTX 3080
17642
約10万円のハイエンドGPU
GeForce RTX 3070
13789
7万円前後のハイエンドGPU
Radeon RX 6700 XT
11986
GeForce RTX 3060 Ti
11893
GeForce RTX 2060
7661
3万円台前半の高コスパGPU
GeForce GTX 1660 SUPER
6122
2万円台中盤の高コスパGPU
GeForce GTX 1060 6GB
4210
2016年頃に大流行した高コスパGPU
GeForce GTX 1650
3669
デスクトップ向けのミドルレンジ下位クラスのGPU
GeForce GTX 1650
3453
ノートPC向けのミドルレンジ下位クラスのGPU
重めのゲームでもそれなりに動かせるライン(3000以上)
GeForce GTX 1650 Max-Q
2930
単体 ノートPC向けのGTX 1650の小型軽量モデル
Xe Graphics G7(96EU)
1589
内蔵 Core i7-1165G7 等に搭載
Radeon RX Vega 8(Ryzen 4,5000)
1402
Ryzen 7 PRO 4750G 等に搭載
Radeon RX Vega 11(Ryzen 2,3000)
1193
Ryzen 5 3400G 等に搭載
Radeon RX Vega 8 Mobile(Ryzen 4,5000)
1173
Ryzen 7 5700U / 5800U 等に搭載
Radeon RX Vega 7 Mobile(Ryzen 4,5000)
1045
Ryzen 5500U / 5600U 等に搭載
Radeon RX Vega 6 Mobile(Ryzen 4,5000)
854
Ryzen 5 4500U 等に搭載
Radeon RX Vega 8 Mobile(Ryzen 2,3000)
844
Ryzen 5 3500U 等に搭載
Iris Plus Graphics G7
789
Core i7-1065G7 等に搭載
Intel UHD Graphics 750
663
Intel 第11世代CPU(デスクトップ)に搭載
Intel UHD Graphics 630
433
Intel 第8~10世代CPU(デスクトップ)に搭載
Intel UHD Graphics 620
356
Intel 第8~10世代CPU(モバイル)に搭載
※3DMark Time Spy Graphics score。

内蔵GPUの性能が圧倒的に低い

上記の表を見ればわかるかと思いますが、単体のGPUと比較すると内蔵GPUの性能は圧倒的に低いです。内蔵GPUは、特に性能の優れたものでもミドルレンジ帯の単体GPUに圧倒的に劣っています。

具体的にどれぐらい性能が低いのか?

一口にGPUの性能といってもGPUの使い方は一つではないので一概には言えません。ただし恐らく、一般ユーザーが高性能GPUに求める一番多い事は「ゲームを快適にプレイできる」ことです。今回はとりあえずこれを例にして実際の使用感について言及します。

表にも記載した「GeForce GTX 1060」は、2016年中頃から2019年という長期間に渡って流行した高コスパミドルレンジGPUです。今となってはやや古いGPUで、性能もミドルレンジでは下位です。それでも、GeForce GTX 1060であれば、今でも最新の重めのゲームでもほぼ全てのタイトルで60FPS以上は簡単に出す事ができます(設定調整が必要な場合はあるけど)。タイトルにもよりますが、FHDで低設定なら主要な重めのFPSやTPSゲームでおおよそ平均で80~120FPSぐらいになると思います。

次に内蔵GPUの性能を、表に記載した中で最高性能の「Xe Graphics G7(96EU)」を例として見ていきます。この内蔵GPUでどれぐらいゲームが出来るかというと、FHDでは設定を出来るだけ低く設定したとしても、重めのゲームでは平均60FPSに基本届きません。おおよそ平均40~50FPSくらいだと思います。トップクラスの性能のGPUでもその程度です(2021年6月時点)。もちろんタイトルにもよりますし、プレイ自体は基本出来ます。少し前までは「内蔵GPUだと重いゲームはプレイすら不可能」だったので、重いゲームのプレイ自体は可能になった事は凄いことではあります。性能向上率は凄まじいです。ただし、「快適にプレイできるのは軽いゲームくらい」というところは、正直まだ変わっていないと思います。

要するに、単体GPUならミドルレンジ程度の性能でもほぼ全てのゲームをそれなりに快適にプレイできますが、内蔵GPUはトップクラスの性能のものでも重いゲームの快適なプレイは厳しいと言って過言ではありません。ただし、近年の内蔵GPUの性能向上率は凄まじいです。2021年6月現在でも、最新の高性能なものであれば、重めのゲームも設定を低くすればプレイ自体は可能です。FPS(紙芝居の枚数のようなもの)は低く快適なプレイとは言えないものの、雰囲気を知るためにプレイするというくらいには使えますし、これからの更なる向上も期待できると思います。

ただし、性能は近年で爆発的に向上している

単体のGPUと比べてしまうと圧倒的に劣ってみえる内蔵GPUですが、その性能自体は近年爆発的に向上しています。本当に驚愕の速度で性能が向上しています。

そもそも内蔵GPUで「重いゲームをプレイする」事自体がつい最近まで不可能だったのですが、動作自体は出来るレベルに向上したのです。今までは内蔵GPUでは雰囲気を知るためにプレイするという事すら基本不可能だったのが、最新の高性能な内蔵GPUなら可能になっています。

また、当然ゲーム以外の動画編集等のパフォーマンスも当然上がっているため汎用性が凄いです。そのため、「がっつりゲームや動画編集をやる」と最初から決めている訳でなければ、とりあえず内蔵GPUでも困ることはほとんど無くなってきています。とはいえ、そのレベルの性能の内蔵GPUはまだ全てのCPUが搭載している訳ではないので、あらかじめ内蔵GPU性能を調べて選んでおくことは結構重要です。

内蔵GPUで出来ることと出来ないこと

内蔵GPUで出来ることと出来ないことを、ざっくりと用途別にまとめています。

出来ること
  • 動画の鑑賞 ※4Kなどの超高画質動画は場合による
  • 軽いゲーム
  • 動画のエンコード(QSV / VCN)
  • FHD以下の動画編集(低性能なものを除く)
出来ないこと
  • 重いゲームを快適にプレイ
  • 4K等の高画質な動画の編集

動画の鑑賞

動画視聴は、FHD以下の解像度なら内蔵GPUなどを気にせずとも基本的に快適です(低性能でないCPUなら)。ただし、4Kなどの超高画質動画だとGPUが動画のコーデックに対してデコードに対応していないと非常に重いです。なぜかいうと、GPUが動画のデコードをすることができない場合には基本的にCPUが全ての処理を行うことになりますが、これは画像処理に特化している訳でないCPUによってはかなりかなり重い処理となるためです。そのため、GPUがデコードに対応していれば快適だけど、対応していなかったら凄く重くて、CPUの性能によってはまともに観れないという感じになります。

ざっくりと説明すると、動画というのは元のままだと容量が非常に大きいため、Web上で公開するなどして観て貰うためには圧縮することが必要となります。これをエンコード(符号化 / 暗号化)と呼びます。

エンコード(圧縮)された動画はそのままでは利用することが出来ないため、実際に視聴するにはそのデータを基に視聴できる動画にする必要があります。この作業をデコード(複合化)と呼びます。そのため、動画を視聴するために重要な性能というのはこのデコードの性能になります。

このデコードですが、基本的にはCPUがこなしますが、元動画自体の容量(データサイズ)は非常に大きいため、4Kなどの超高画質動画などはCPUデコードだとかなり負荷が大きいです。最新の高性能CPUならCPUデコードだけでも4K動画を視聴することは不可能ではないですが、CPU使用率は高くなってしまい、発熱や消費電力、その他の作業に影響が出てしまうため、あまり好ましくありません。低性能なCPUでは視聴自体が厳しいです。

そんな時に有難いのがGPUによる動画の再生支援です。ブラウザやGPUが動画のコーデックに対応したデコーターを備えていれば、デコードの補助をしてくれるため、CPUの負荷が大幅に軽減してくれます。ざっくりとまとめると下記のようになっています。

動画のコーデックに
GPUデコードが対応
動画のコーデックに
GPUデコードが未対応
4K等の超高画質動画 快適 かなり重い(CPUデコード)
高性能CPUなら観れるけど、低性能なCPUだと厳しい
FHD程度の動画 快適 そこそこ快適(CPUデコード)
低性能CPUだと少し重い

FHD程度の動画ならたとえGPUの再生支援が無くても普通に観れますし、4Kでアップされた動画も画質を下げて観ることは基本可能なので、視聴自体が出来ないということは基本無いと思います。また、GPUの再生支援は非常に有難い機能ではありますが、いつでも必ず使えるというものではありません。動画視聴について環境変化にもある程度対応したいなら、少しでも新しいGPUにするというのも効果はありますが、高性能なCPUを搭載することの方が確実です。

今の有名な動画配信サイトで有名な動画コーデックはH.264やVP9となっていますが、これらのコーデックには新しめのCPUの内蔵GPUなら大体対応しているため、4Kであっても快適に視聴が可能なはずです。ただし、このコーデックは時代によって移り変わっていくものなので、将来的には動画の主要コーデックが変わってしまいGPUの再生支援を受けれなくなって重くなってしまうということも十分にあり得ます。

次に主流となっていくかもと言われているのは、ロイヤリティフリー(らしい)の「AV1」やH.265の標準後継の「H.266」とされていますが、AV1ですら最新のGPUでやっと対応してきた感じで、H266に関してはまだ全く対応されていないレベルです(2021年6月時点)。今後主要コーデックがどうなっていくのはかわかりませんが、将来性も考えるならAV1には対応していると少しは安心できるかもしれません。2021年6月時点では、内蔵GPUではIntelの第11世代CPUの内蔵GPU(Tiger Lake / Rocket Lake)、単体のGPUではNVIDIA RTX 30シリーズ、AMD Radeon RX6000シリーズなどの最新GPUが対応しています。興味のある方は調べてみてください。

ゲーム

ゲームは、軽いゲームなら内蔵GPUでも十分いけますが、やはり重いゲームは厳しいです。

ただし、最近の内蔵GPUの性能は急激にしているため、プレイできれば良い(FHD低設定 平均30~60fps)くらいなら、最新の上位のものならいけるくらいにはなってきています。詳しい性能については、上述の性能比較参照です。

とはいえ、やはり重いゲームだとfpsは低く安定しないため、がっつりゲームをやりたいなら単体のGPUを導入することをおすすめします。

動画のエンコード

動画などのエンコードは、CPUによるエンコード(ソフトウェアエンコード)よりもGPUによるエンコード(ハードウェアエンコード)を利用する方が時間を大幅に短縮する事ができます。それも、2倍とか3倍のレベルではなく、基本10倍以上短くすることができます(CPU(内蔵GPU)や動画(コーデック)にもよるけど)。これは、内蔵GPUであっても、CPUよりもGPUの方が画像処理は得意なためです。

CPUというのは汎用プロセッサという位置付けになっており、複雑な処理にも対応できる設計になっています。対してGPUは、特化型のプロセッサという位置付けのもので、CPUよりも対応できる処理が限られてしまうものの、純粋な処理能力は非常に高いです。そのため、要求スペックの高いゲームをしない、FHD以下の動画やGPUによるエンコードが主目的の人なら、内蔵GPUでも要件は満たすことができます

とはいえ、もちろん単体のGPUでもハードウェアエンコードを利用する事は可能ですし(エンコーダを搭載している必要あり)、性能も内蔵GPUよりも基本的に高いです。導入する価値は十分あります。

QSVとVCN / VCE

2021年6月現在、Intelの内蔵GPUによるエンコードは「QSV」。AMDの内蔵GPUによるエンコードは「VCN / VCE」というものが主流です。単体のGPUの無いPCをお使いの方でも大体のPCではどちらかは利用可能だと思います。

動画編集

動画編集については、使うソフトや処理によっても異なると思うので一概には言えませんが、FHD以下なら基本的に内蔵GPU(CPU)でも何とかなると思います。ただし、書き出しやプレビュー時などの処理ではもっさり感が生まれる可能性は十分あります。FHDでも、単体GPUは有効です。

4Kなどの超高画質動画になると、扱うデータ量も跳ね上がるため、内蔵GPUでは厳しいです。性能的な面でもそうですが、扱うデータ量が多いとメモリ性能も重要となるため、専用のビデオメモリを持たない内蔵GPUはその面でも不利になってしまいます。

まとめ

最後に、要点だけを箇条書きでまとめています。

内蔵GPU:要点まとめ
  • 性能は単体のGPU(グラボ)に比べると圧倒的に低い
    内蔵GPUの性能は基本的に、単体のGPUよりも圧倒的に低いです。内蔵GPUのトップでも、ミドルレンジの単体GPUに遠く及ばないレベルです(2021年6月時点)。重いゲームやデータ量の多い動画や画像編集を快適に行いたいのであれば、単体GPU(グラボ)はほぼ必須というのが現状です。
  • 動画関連は、FHD以下くらいなら大丈夫だけど4Kなどは厳しめ
    CPU性能やその他のことにもよりますが、基本的に内蔵GPUでもFHD程度の画質なら問題ありません。4K等の超高画質なものとなると扱うデータ量が跳ね上がるため、内蔵GPUだと厳しいというのが一般的です。
  • 性能は低いけど、汎用性は高く消費電力も少ない
    内蔵GPUの性能は単体GPUに比べると圧倒的に低いですが、消費電力やパーツ費用、汎用性の高さは単体のGPUよりも優位なので、高いグラフィック性能を求めない人であれば単体GPUを導入するよりもメリットがあります。
  • 内蔵GPUの性能は近年爆発的に向上している
    内蔵GPUの性能は単体GPUには圧倒的に劣りますが、性能自体は近年で爆発的に向上しています。少し前までは重いゲームやデータ量の多い動画・画像編集は内蔵GPUでは「不可能」と言われていたのが、「快適とまでは言えないけどできる」レベルまで向上しています。そのレベルの内蔵GPUは2021年6月時点では一部の高性能なものに限られるものの、あと数年もすれば一般的になってくるのではないかと思います。そうなれば、日常的に重いグラフィック処理を行う訳でなければ、多少重い処理が用途でも内蔵GPUで対応できる時代が近付いているかもしれません。

記事はここまでになります。ご覧いただきありがとうございました。

2 COMMENTS

Tsubasa-B

こんにちは。
重くないゲームをプレイするためのノートパソコンを探していて、Bing検索からこちらのページにたどり着きました。
CPU内蔵GPUにフォーカスしたページとのことで、消費電力と騒音の大きくないパソコンを探しているので、参考になります。

ただひとつ気になったのですが、iGPUとしては現状最高峰とも言える Intel Iris Xe Graphics について記載されていますが、dGPUとして NVIDIA GeForce GTX 1060 や NVIDIA GeForce GTX 1660 SUPER からしか記載されていません。また、iGPU側は Iris Xe などを「モバイル向け」としていますが、dGPU側は「デスクトップ向け」しか記載されていません。
モバイル向けGPUとしては、この間を埋めるようなスコアになるたくさんの製品があるはずです。残念ですが、ノートパソコンを検討している私のような向きには、iGPUかdGPUかという選択の上では、あまり参考にならないように思いました。

ロークラス前後でも、GeForce GT 1030 や、1030リリースまで長らく発売されていた GeForce GT 730 があります。そもそもデスクトップ向け Intel Core i シリーズのiGPUでは、Intel UHD Graphics 750 が最高ではないかと思いますし、それならば GT 1030 のほうがそれでもまだ高性能な場面もあるように思いますので、dGPUの意味もあるように思います。
なにより、GTX 1060 や GTX 1660 SUPER と UHD 750 や GT 1030 の間を埋める、GTX 1050 や GTX 1050 Ti、GTX 1650がありますし、これらは GT 1030 よりも搭載製品が多く出ているようなので、GTX 1650 は載せる意味があるのではと思います。

また、iGPU側に Iris Xe を載せるのであれば、モバイル向けdGPUとしての GTX 1050Ti(Max-Qも) や GTX 1650(Max-Qも)、GTX 1650 Ti(Max-Qも) はいまでも搭載PCが発売されていますし、なにより GeForce MX450 や MX350、MX330といったモバイル向けのみのラインナップもあります。
iGPU である Iris Xe との比較であれば、MX350、MX450、GTX 1050Tiあたりは、GTX 1660シリーズよりも性能が近いので、比較の意味がやりあると思います。

残念ですが、GTX 1650シリーズやMXシリーズが欠けている現在のリストでは、iGPUとdGPUの性能差を意図的に強調し、dGPUがいかに性能が低いかということをいたずらに強調しているように思いました。
モバイル向けに限っても、GTX 1650 や MX450 を搭載したノートパソコンが少なくない数リリースされているので、これらをあえて排除する必要性はないように思います。

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とねりん:管理人

こんにちは。確かに仰っている点は一部はその通りだと思います。特にモバイル版のGTX 1650など採用率も高いので入れるべきだと思いました。この記事は元々デスクトップ向けにと作ったものなので、その辺りへの対応が疎かになっていました。ご指摘頂き感謝します。コメント返信後に追加いたします。

その他の点には賛同しかねる部分があります。間を埋めるGPUがたくさんあるとのことですが、それらはほとんどが古いGPUか機能的に何らかの欠点があるものになっていると思います。載せているGPU群はある程度コスパと実用性を兼ね備えたものを選定しています。購入を勧めている訳ではないとはいえ、需要のある(あった)GPUに絞って載せた方がPCを選ぶ際の参考になりやすいと思い、そうしています。質問者様は特に、GT1030やGeForce MX 450に凄く価値を見出しているように感じますが、これらはNVENCに対応しておらず、クリエイター用途では割と致命的な欠点となるため私の中では選択肢外です。また、MX 450についても搭載したノートパソコンが少なくないと仰っていますが、本当ですか?GT1030やMXシリーズ等は上記の問題があり、クリエイター向けとは言い切れない部分があるため、標準搭載したPCは少ない傾向があるはずです。特に、今では内蔵GPUの性能が格段上がっており、対応範囲が広くなってきていることもあり、汎用性の点でもバッテリー消費の点でもコスパの面でも、内蔵GPUを選ぶ方がまだ良いと思います。ゲーム向けとして考えるなら無くはないですが、それならGTX 1650等を選んだ方がコスパは明らかに良いと思います。

また、仮にGTX 1650 Max-Qのような実質的に価値のあるモバイル向けdGPUの中では低性能なGPUでも、内蔵GPUと比べると性能は圧倒的に高いですし、専用のビデオメモリがある点も優位です。確かに、意図していないとはいえdGPUの優位性をより強調するような表になっていた点は申し訳ないとは思いますが、dGPUの方が性能的に圧倒的優位という事実は変わらないと思います。最後の方のiGPUとdGPUがごっちゃになっていますが、iGPUの性能がいかに低いかを強調しているというのは心外です。iGPUの有用性についても触れていますし、iGPUはダメ!という趣旨の記事にはなっていないはずです。

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