2022年6月時点のデスクトップ向けGPUの現在価格と高騰具合のまとめです。
本記事の内容は記事執筆時点(2022年6月24日)のものであり、ご覧になっている際には異なる可能性があるため注意してください。
概要
GPU価格の動向を調査した記事です。GPUに値下がりの兆候が見えた2022年2月頃から毎月更新しながら投稿しています。
具体的には、現在のGPUの市場価格と予想適正価格との差を調べ、その値によって高騰具合を確かめていきます。また、先月の同時期にも同様の記事を投稿したので、そちらの結果も利用して先月からの価格の動向も同時に確認していきます。
先月に引き続き、懸念は円安と新世代GPUの発売が近付いている点です。
円安については、先月の同時期にも同様の記事を投稿しましたが、その際には1ドルあたり約127円だったのが、現時点では約134~135円あたりと円安が更に進んでいます。
円安がGPU価格にどれだけの影響を与えるのかは具体的にはわかりませんが、少なくとも国内では主要GPUが生産されていないことは確かなので、やはり影響は大きいはずです。また、未だに続く世界情勢による影響も気になりますし、大幅に下落している仮想通貨の価格(マイニング)の影響も気になるところです。
新世代GPUについても少しずつ情報が出てきており、RX 7000シリーズは電力効率が前世代より50%向上すると発表されたり、RTX 40シリーズ発売に向けてRTX 30シリーズが在庫処分価格になるかもしれないなど、今GPUを買うにはややためらわれる時期とも言えると思います。
色々気になる点はありますが、とりあえず今月の現在のGPU価格と高騰具合(適正価格と現在価格の差)を見ていきたいと思います。
適正価格の計算と市場価格について
本記事では、現在のGPUの販売価格に加え、本来の予想適正価格を載せています。
その計算方法ですが、それぞれのGPUにはメーカーの希望小売価格(ドル)が大体公開されているため、そこから為替や流通マージンなどを考慮して算出しています。内訳は、今回の記事では1ドル135円(記事執筆時点のおおよその為替レート)で計算し、流通などのマージンは全て合わせて雑に20%としています(少し高かったかも…)。しっかりした比較ではないため、その点はご了承ください。
市場価格は筆者が各ショップや価格比較サイトを見回った際に、すぐに購入可能だった(在庫がある)ものの最安値です。また、特別なセール等で大幅に安い価格で販売されていたりすることもありますが、それが明らかな場合には筆者の判断で除外することもあるので、あらかじめご了承くださいませ。
NVIDIA:GeForce
まずはNVIDIAのGeForceです。
GPU | 希望 小売価格 | 国内予測 適正価格 | 市場価格 ※2022年 6月24日時点 | 適正価格 との差 | 先月の価格 ※2022年 5月25日時点 | 先月比 |
---|---|---|---|---|---|---|
GeForce RTX 3090 Ti | 1,999ドル | ¥323,838 | ¥236,800 | -26.9% | ¥271,679 | -12.8% |
GeForce RTX 3090 | 1,499ドル | ¥242,838 | ¥198,800 | -18.1% | ¥217,417 | -8.6% |
GeForce RTX 3080 Ti | 1,199ドル | ¥194,238 | ¥151,554 | -22.0% | ¥159,800 | -5.2% |
GeForce RTX 3080 12GB | ?ドル | – | ¥125,400 | – | ¥132,000 | -5.0% |
GeForce RTX 3080 10GB | 699ドル | ¥113,238 | ¥104,934 | -7.3% | ¥120,800 | -13.1% |
GeForce RTX 3070 Ti | 599ドル | ¥97,038 | ¥83,800 | -13.6% | ¥85,800 | -2.3% |
GeForce RTX 3070 | 499ドル | ¥80,838 | ¥73,800 | -8.7% | ¥77,800 | -5.1% |
GeForce RTX 3060 Ti | 399ドル | ¥64,638 | ¥67,480 | +4.4% | ¥69,800 | -3.3% |
GeForce RTX 3060 | 329ドル | ¥53,298 | ¥49,800 | -6.6% | ¥51,980 | -4.2% |
GeForce RTX 3050 | 249ドル | ¥40,338 | ¥38,900 | -3.6% | ¥40,201 | -3.2% |
GeForce RTX 2060 12GB | 299ドル | ¥48,438 | ¥40,800 | -15.8% | ¥48,660 | -16.2% |
GeForce RTX 2060 6GB | 299ドル | ¥48,438 | ¥39,798 | -17.8% | ¥44,360 | -10.3% |
GeForce GTX 1660 Ti | 279ドル | ¥45,198 | ¥42,679 | -5.6% | ¥34,800 | +22.6% |
GeForce GTX 1660 SUPER | 229ドル | ¥37,098 | ¥29,797 | -19.7% | ¥36,959 | -19.4% |
GeForce GTX 1650 GDDR6 | 149ドル | ¥24,138 | ¥22,800 | -5.5% | ¥26,546 | -14.1% |
値下がり傾向は継続しており、円安の影響を大きく受けている様子は見受けられません。在庫過剰気味といった噂もあるので、円安の影響を受ける新しい仕入れが少ないとか、単に在庫処分で円安に影響よりも大きく値下げされているという可能性もあるかもしれません。また、仮想通貨の価格が大幅に下落しているらしいので、その影響のせいかもしれません。何にせよ、今のところは円安進むから急いで買え!的な雰囲気は無いです。
人気モデルで特に値下がりが大きかったモデルは「RTX 3080 10GB」と「GTX 1660 SUPER」です。「RTX 3080 10GB」は先月よりも13.1%も値下がりし、ついに10万円台に突入しています。新世代が近付く中で特に手を出しにくいハイエンドモデルが先に影響を受け始めたのかなと思います。「RTX 3090」や「RTX 3090 Ti」にも大きめの値下がりが見られます。
「GTX 1660 SUPER」は2割近く値下がりし、今では約3万円ですぐに購入できます。RTXと比べると機能にやや制限があるのが気になるものの、通常のゲーミングコスパならかなり高いです。
RTX 3070やRTX 3060 Tiといった高コスパかつ電力効率も良い人気モデルは値下がり幅こそ大きくないものの、やはり魅力的です。
AMD:Radeon RX
次にAMDのRadeonです。
GPU | 希望 小売価格 | 国内予測 適正価格 | 市場価格 ※2022年 6月24日時点 | 適正価格 との差 | 先月の価格 ※2022年 5月25日時点 | 先月比 |
---|---|---|---|---|---|---|
Radeon RX 6950 XT | 1,049ドル | ¥178,038 | ¥162,800 | -8.6% | ¥171,800 | -5.2% |
Radeon RX 6900 XT | 999ドル | ¥161,838 | ¥151,517 | -6.4% | ¥153,281 | -1.2% |
Radeon RX 6800 XT | 649ドル | ¥105,138 | ¥122,400 | +16.4% | ¥129,800 | -5.7% |
Radeon RX 6800 | 579ドル | ¥93,798 | ¥113,300 | +20.8% | ¥114,800 | -1.3% |
Radeon RX 6750 XT | 549ドル | ¥88,938 | ¥83,580 | -6.0% | ¥88,800 | -5.9% |
Radeon RX 6700 XT | 479ドル | ¥77,598 | ¥67,480 | -13.0% | ¥79,580 | -15.2% |
Radeon RX 6650 XT | 399ドル | ¥64,638 | ¥59,280 | -8.3% | ¥62,800 | -5.6% |
Radeon RX 6600 XT | 379ドル | ¥61,398 | ¥52,000 | -15.3% | ¥53,800 | -3.3% |
Radeon RX 6600 | 329ドル | ¥53,298 | ¥42,979 | -19.4% | ¥43,800 | -1.9% |
Radeon RX 6500 XT | 199ドル | ¥32,238 | ¥25,800 | -20.0% | ¥27,000 | -4.4% |
Radeon RX 6400 | 149ドル | ¥24,138 | ¥19,980 | -17.2% | ¥21,980 | -9.1% |
AMDのRadeonも値下がり傾向は継続です。
ですが、「RX 6800」と「RX 6800 XT」については未だに適正価格よりも大幅に高い状況です。「RTX 3080」が現在では10万円台で買える今、需要的にこの価格では怪しい気もするのですが、中々下がりません。どちらも電力効率が非常に良くてマイニングで人気だったモデルなので、今でも多少その需要があるということなのでしょうか。
一際大きい値下がりが見られたのが「RX 6700 XT」です。先月から約15.2%も値下がりし、最安モデルは6万円台に突入しています。しかし、「RX 6700 XT」よりも大幅に高性能でコスパも電力効率も良い「RTX 3070」が今では7万円台に突入しているモデルもあるため、これだけ値下がりしても競争力としてはやや弱く感じます。また、近い性能「RTX 3060 Ti」も今では6万円台に突入した点も大きいです。以前と比べるとかなり競争力を感じるレベルにはなったものの、もう少し値下がりしないと有力な選択肢にはならなさそうです。
Radeonで魅力的なモデルは「RX 6600 XT」「RX 6600」です。値下がり幅こそ大きくないものの、元々安くてコスパと電力効率が良いです。また、次世代GPUが恐らくハイエンドモデルから順に発売されていくことを考えると、旧世代化するまでに高価格モデルよりも期間があるということもあり、ハイエンドモデルなどよりは今でも手を出し易いと思います。また、単純にハイエンドモデルよりも省電力かつ電力効率も良いので、旧世代化したとしてもダメージは少ないと思います。
現在価格から見たコスパと電力効率
価格比較の次は、コスパと電力効率です。
Windowsのゲーム用の主要APIのDirectX 12(DX12)と、レイトレーシング用のDirectX Raytracing(DXR)の3DMarkのベンチマークスコアを利用し、2022年5月25日時点の価格を基に算出しています。
電力効率に関しては価格との関連性はないですが、追加モデルが少しだけあったことと、購入の参考になる部分という事で載せています。
DX12性能:3DMark Time SpyのGraphics Scoreです。DirectX 12(DX12)の1440pゲーミングのベンチマークスコアになります。新しめの3Dゲームで主流の方式(API)です。
レイトレ性能:3DMark Port Royalのスコアです。DirectX Raytracing(DXR)のベンチマークスコアになります。
コスパ:1円あたりの性能スコアです。小数点以下が多すぎて見難いので、各数値100倍して見易い数値にしています。
電力効率:1Wあたりの性能スコアです。
性能スコアの参考:https://www.3dmark.com/
GPU | 市場価格 (22/6/24 時点) | TDP | DX12性能 (3DMark Time Spy) | レイトレ性能 (3DMark Port Royal) |
---|---|---|---|---|
RX 6950 XT | ¥162,800 | 335W | 22,236 | 10,946 |
RTX 3090 Ti | ¥236,800 | 450W | 21,977 | 14,844 |
RX 6900 XT | ¥151,517 | 300W | 20,062 | 10,365 |
RTX 3090 | ¥198,800 | 350W | 19,932 | 13,641 |
RTX 3080 Ti | ¥151,554 | 350W | 19,608 | 13,297 |
RX 6800 XT | ¥122,400 | 300W | 18,792 | 9,545 |
RTX 3080 10GB | ¥104,934 | 320W | 17,692 | 11,564 |
RX 6800 | ¥113,300 | 250W | 15,456 | 7,783 |
RTX 3070 Ti | ¥83,800 | 290W | 14,825 | 8,871 |
RTX 3070 | ¥73,800 | 220W | 13,789 | 8,302 |
RX 6750 XT | ¥83,580 | 250W | 13,492 | 6,447 |
RX 6700 XT | ¥67,480 | 230W | 12,574 | 5,941 |
RTX 3060 Ti | ¥67,480 | 200W | 11,893 | 6,978 |
RX 6650 XT | ¥59,280 | 180W | 9,746 | 4,786 |
RX 6600 XT | ¥52,000 | 160W | 9,698 | 4,407 |
RTX 3060 | ¥49,800 | 170W | 8,867 | 5,157 |
RX 6600 | ¥42,979 | 132W | 8,065 | 3,779 |
RTX 2060 12GB | ¥40,800 | 184W | 7,996 | 4,443 |
RTX 2060 6GB | ¥39,798 | 160W | 7,661 | 4,152 |
GTX 1660 Ti | ¥42,679 | 120W | 6,403 | 1,654 |
RTX 3050 | ¥38,900 | 130W | 6,278 | 3,605 |
GTX 1660 SUPER | ¥29,797 | 125W | 6,122 | 1,566 |
RX 6500 XT | ¥25,800 | 107W | 4,975 | 483 |
GTX 1650 GDDR6 | ¥22,800 | 75W | 3,669 | – |
RX 6400 | ¥19,980 | 53W | 3,496 | – |
コスパ(DX12)
GPU | コスパ |
---|---|
GTX 1660 SUPER | 20.5 |
RTX 2060 12GB | 19.6 |
RX 6500 XT | 19.3 |
RTX 2060 6GB | 19.2 |
RX 6600 | 18.8 |
RX 6600 XT | 18.7 |
RTX 3070 | 18.7 |
RX 6700 XT | 18.6 |
RTX 3060 | 17.8 |
RTX 3070 Ti | 17.7 |
RTX 3060 Ti | 17.6 |
RX 6400 | 17.5 |
RTX 3080 10GB | 16.9 |
RX 6650 XT | 16.4 |
RX 6750 XT | 16.1 |
RTX 3050 | 16.1 |
GTX 1650 GDDR6 | 16.1 |
RX 6800 XT | 15.4 |
RTX 3080 12GB | 15.0 |
GTX 1660 Ti | 15.0 |
RX 6950 XT | 13.7 |
RX 6800 | 13.6 |
RX 6900 XT | 13.4 |
RTX 3080 Ti | 12.9 |
RTX 3090 | 10.0 |
RTX 3090 Ti | 9.3 |
恐らく現在最も主流であるDX12のコスパです。
大きく値下がりした旧世代GPUが上位にきており、「RTX 2060」と「GTX 1660 SUPER」が現状トップクラスのコスパとなっています。特に「GTX 1660 SUPER」は約3万円で買えるためかなりリーズナブルです。RTXではないため、レイトレーシング支援やDLSSへの対応が無かったりと機能性は低めですが、非常に安くてコスパもトップクラスなので魅力的です。
ただし、「RTX 2060」ならレイトレーシング支援やDLSSも一応サポートされています。「GTX 1660 SUPER」より約1万円高い4万円ですが、性能もやや高くてコスパも良いので、どちらかなら個人的にはRTX 2060の方を推したいところです。ただし、どちらもAV1デコード機能は含まれていないため、今買うのが良いGPUと言えるは怪しい点は留意です。
RX 6500 XTも非常に優れたコスパで魅力的に見えると思いますが、エンコード機能が無い上に、デコードについても最新世代GPUとしては物足りない仕上がりなので、正直おすすめしません。
トップ層のわずか下に続くのが、「RX 6600」「RX 6600 XT」「RTX 3070」「RX 6700 XT」です。トップ層が旧世代GPUが多く、将来性に劣る点が気になるので、長く使いたいならこちらの方が本命かなという印象です。特におすすめは前者3つです。
「RX 6600」「RX 6600 XT」はコスパはもちろん、価格も安く電力効率も良いのが魅力的です。ただし、ミドルレンジモデルなので性能面では上位モデルに劣る点は注意です。それに、RTX 2060や以前のGTX 1060などを見てもわかるように、この性能・価格帯の高コスパモデルは、旧世代化してもある程度コスパや需要を保てる傾向があります。「次世代GPUの発売前に新しいGPUを買うのが不安だけど今欲しい」という人には最適なモデルになっていると思います。
「RTX 3070」はハイエンド用途にも使える性能を持っていながら、どの方面から見ても現状トップクラスの効率を誇る高コスパGPUです。次世代GPUが控える今、高価格帯のGPUを買うのは損かもしれないという一点を除けば、かなりおすすめできるGPUです。前述の「RX 6600(XT)」だと240fpsや高解像度では性能不足感が否めませんが、RTX 3070なら視野に入れることが出来る点が強みです。今コスパ重視で高性能GPUが欲しいなら、最有力になるGPUです。
「RX 6700 XT」については、コスパも良く決して悪いGPUではありませんが、対抗のRTX 3070が優秀すぎるのが厳しいです。Radeonの方が良くて、高性能高コスパGPUが欲しいなら選択肢には入りますが、基本的には第一候補になることはないと思うGPUです。
その他では、大きく値下がりした「RTX 3080 10GB」がハイエンドにしては良い位置に付けています。他のハイエンドモデルよりも一段良いコスパとなっているので、元々ハイエンドにしては良い方のコスパでしたが、以前よりもその地位を少し上げています。次世代GPUが迫っている点を除けば、魅力的なハイエンドGPUです。
電力効率(DX12)
GPU | 電力効率 |
---|---|
RX 6900 XT | 67.8 |
RX 6950 XT | 66.4 |
RX 6400 | 66.0 |
RTX 3070 | 62.7 |
RX 6800 XT | 62.6 |
RX 6800 | 61.8 |
RX 6600 | 61.1 |
RX 6600 XT | 60.6 |
RTX 3060 Ti | 59.5 |
RTX 3090 | 56.9 |
RTX 3080 Ti | 56.0 |
RTX 3080 10GB | 55.3 |
RX 6700 XT | 54.7 |
RX 6650 XT | 54.1 |
RX 6750 XT | 54.0 |
RTX 3080 12GB | 53.9 |
GTX 1660 Ti | 53.4 |
RTX 3060 | 52.2 |
RTX 3070 Ti | 51.1 |
GTX 1660 SUPER | 49.0 |
GTX 1650 GDDR6 | 48.9 |
RTX 3090 Ti | 48.8 |
RTX 3050 | 48.3 |
RTX 2060 6GB | 47.9 |
RX 6500 XT | 46.5 |
RTX 2060 12GB | 43.5 |
DX12での電力効率です。価格が影響しないため前月と同じ内容です。
DX12の電力効率はRadeonが上位を占めています。コスパで上位だった「RX 6600」「RX 6600 XT」も優れた電力効率を示しています。
GeForceでトップ層に食い込んでいると言えるのは「RTX 3070」と「RTX 3060 Ti」です。どちらもコスパも良いので、効率重視でレイトレ面なども含めた総合コスパを重視するならこのどちらかが最有力になると思います。
コスパ(レイトレーシング)
GPU | コスパ |
---|---|
RTX 3070 | 11.2 |
RTX 3080 10GB | 11.0 |
RTX 2060 12GB | 10.9 |
RTX 3070 Ti | 10.6 |
RTX 2060 6GB | 10.4 |
RTX 3060 | 10.4 |
RTX 3060 Ti | 10.3 |
RTX 3080 12GB | 9.9 |
RTX 3050 | 9.3 |
RX 6600 | 8.8 |
RTX 3080 Ti | 8.8 |
RX 6700 XT | 8.8 |
RX 6600 XT | 8.5 |
RX 6800 XT | 7.8 |
RX 6650 XT | 7.8 |
RX 6750 XT | 7.7 |
RX 6800 | 6.9 |
RTX 3090 | 6.9 |
RX 6900 XT | 6.8 |
RX 6950 XT | 6.7 |
RTX 3090 Ti | 6.3 |
GTX 1660 SUPER | 5.3 |
GTX 1660 Ti | 3.9 |
RX 6500 XT | 1.9 |
RX 6400 | |
GTX 1650 GDDR6 |
レイトレーシングコスパでは、性能で優位なRTXシリーズが上位を独占しています。中でもトップは「RTX 3070」となっており、前述のDX12でも優れた効率を示していたモデルなので、総合コスパはトップと言えると思います。現状の最強コスパGPUだと思います。
次点には大幅に値下がりした「RTX 3080 10GB」が入っています。高いレイトレーシング性能を求める上でコスパも重視するなら最適だと思います。
電力効率(レイトレーシング)
GPU | 電力効率 |
---|---|
RTX 3090 | 39.0 |
RTX 3080 Ti | 38.0 |
RTX 3070 | 37.7 |
RTX 3080 10GB | 36.1 |
RTX 3080 12GB | 35.6 |
RTX 3060 Ti | 34.9 |
RX 6900 XT | 34.6 |
RTX 3090 Ti | 33.0 |
RX 6950 XT | 32.6 |
RX 6800 XT | 31.8 |
RX 6800 | 31.1 |
RTX 3070 Ti | 30.6 |
RTX 3060 | 30.3 |
RX 6600 | 28.6 |
RTX 3050 | 27.7 |
RX 6600 XT | 27.5 |
RTX 2060 6GB | 26.0 |
RX 6700 XT | 25.8 |
RX 6750 XT | 25.8 |
RX 6650 XT | 25.6 |
RTX 2060 12GB | 24.1 |
GTX 1660 Ti | 13.8 |
GTX 1660 SUPER | 12.5 |
RX 6500 XT | 4.5 |
RX 6400 | |
GTX 1650 GDDR6 |
レイトレーシングでの電力効率です。価格に影響されない指標なので、前月と同じ内容です。
レイトレの電力効率はレイトレ用のコアが多く搭載されるハイエンドGPUほど良くなる傾向があります。レイトレは非常に高負荷な処理なので、メモリも高性能なハイエンドGPUの方が有利ということもあると思います。
電力効率でもレイトレーシング性能が高いRTXシリーズの方がRadeonよりも有利です。
ただし、旧世代の「RTX 2060」や、「RTX 3070 Ti」「RTX 3060」「RTX 3050」についてはレイトレの電力効率は良くない点は注意が必要です。この辺りは「RX 6600」などのRadeonの高効率モデルと大して変わらない電力効率なので、Radeonに対してレイトレ面でも大きく優位とは言えなかったりします。
トップ2は「RTX 3080 Ti」と「RTX 3090」ですが、超高価格なので一般の人には基本的に選択肢から外れることを考えると、実質トップは「RTX 3070」となります。前回も同じようなことを書いたと思いますが、「RTX 3070」はあらゆる面で優れた効率を示しており、今効率重視で選ぶなら最有力GPUだと思います。
まとめ
2022年6月下旬時点でのGPU価格について見ていきました。
さすがにそろそろ円安の影響が出ると思っていましたが、今のところはその様子はなく、ひとまずは安心です。ただし、仮想通貨下落の影響が出ている可能性もあり、単純にその影響が円安の影響を上回っている可能性もあります。また、大幅に値上がりしたM1搭載Macのように、いつ急に値上がりするかわかりませんので、油断はできません。出来ればこのまま値下がりしないでくれると嬉しいのですけどね。
全体の内容としては、特に総合コスパで有力に見えるのが「RTX 3070」「RX 6600 XT」「RX 6600」という点は変わりませんでした。
他では、「RTX 3060 Ti」も、トップにこそ絡んできませんでしたが、常に上位につけており有力だと思います。
今月から大幅に値下げされて特に有力度が増したモデルは「RTX 3080 10GB」です。10万円台に突入し、15万円以上した頃からすると物凄く安くなりました。ハイエンドモデルということもあり、全体的から見たコスパは安くなった今でもそこまででもないですが、ハイエンドモデル内では少し浮いて良い数値となっているので、今ハイエンドモデルでコスパの良いモデルが欲しいなら一択レベルだと思います。
また、低価格帯でも「GTX 1660 SUPER」が約3万円まで値下がりしており、安さ重視なら魅力的です。レイトレーシング支援やDLSS、AV1デコードといった最新機能に一切対応していないのが気になるものの、従来の使い方で考えるなら非常にコスパが良いです。
魅力的なモデルが増えてきて消費者としては嬉しいです。
値下がりは嬉しいが、気になるのは次世代
ですが、気になるのは次世代GPUです。RTX 40シリーズとRX 7000シリーズが秋頃から発売予定です。未だに具体的な性能については発表がないものの、RX 7000シリーズは前世代より電力効率が50%向上しているという発表があったのは見逃せない情報です。
次世代を待つのか、値下がりしている今GPUを買うのか本当に難しい時期です。更に、日本においては円安が進んでいるという状況もあり、GPU市場自体には影響がなくても値上がりしていく可能性があるのも、事態をより複雑にしています。仮想通貨の下落についても、これからどうなるのかわかりません。
次世代の方が性能が大幅に高くなるのは間違いないはずなので、予算が潤沢な人は待った方が良いとは思いますが、恐らくほとんどの消費者はコスパと安さ重視だと思います。新しいGPUは大体ハイエンドモデルから順に発売されるため、ミドルレンジモデルが発売されるまで更に少し掛かることも悩ましいです。円安がどれだけ進むのか、それとも収まって値下がりするのかによっても大きく変わると思いますし、もう本当にわかりません。
ですが、個人的にはやはりRX 7000シリーズの「電力効率が50%向上」という発表が気になるところです。全モデルが先代より50%向上しているとまでは言っていないものの、ある程度の向上は確実と考えるなら、消費電力が同じならRX 7000シリーズのミドルレンジモデルがRX 6000のハイエンド級の性能を持っていてもおかしくないです。そう考えると、価格設定がRX 6000シリーズよりも大幅に値下がりした上で円安も大幅に進むとか極端なことにならない限りは、RX 7000シリーズの方がコスパは明らかに良いと思うので、待つ価値はあるのかなと思います。ただし、具体的な仕様や性能については全くわからない状況なので、あくまで参考程度に聞いてください。
といったところで、本記事はここまでになります。もうGPUも高騰という域を終えたと思うので、本記事も今月で終わりにすることも考えていましたが、まだ続く値下がり傾向がどうなるのか個人的にも興味があるので、確認も兼ねて来月もまた同様の記事を出したいと思います。良ければ、またそこでお会いしましょう。