【2024年1月後半】GPUの追加モデル事前情報まとめ【RTX 40 SUPER / RX 7600 XT 16GB】

2024年1月後半のGPUの追加モデル事前情報まとめ【RTX 40 SUPER / RX 7600 XT 16GB】

今月(2024月1月)の後半にいくつかのGPUが追加されるので、そちらの事前情報のまとめです。

アーキテクチャは既存シリーズと同じものですし、価格もある程度判明しているので、これからのゲーミングPCやグラボを購入予定の方はそちらも参考にしてみると良いかもしれません。結論から言うと、RTX 4070以上を現在検討している方は少し待った方が良いです。

注意

本記事の内容は記事執筆時点(1月16日時点)のものであり、ご覧になっている際には異なる可能性があるため注意してください。

GeForce RTX 40 SUPERシリーズ

目玉は「RTX 40 SUPER」です。「RTX 4070 SUPER」「 RTX 4070 Ti SUPER」「RTX 4080 SUPER」の3つが、1月17日/24日/31日(米国時間)に順次発売されます。スペックは下記の通り。

GPUCUDAコアメモリタイプメモリ
速度・
帯域幅
L2 CacheRTコア
Tensorコア
クロック
最大/定格
TGP想定価格※
RTX 4080 SUPER1024016GB GDDR6X
256bit
23Gbps
736GB/s
64MB80基
320基
2.55GHz
2.11GHz
320W999ドル
(148,000円~)
RTX 4080972816GB GDDR6X
256bit
22.4Gbps
716.8GB/s
64MB76基
304基
2.51GHz
2.11GHz
320W1199ドル
→廃止予定
RTX 4070 Ti SUPER844816GB GDDR6X
256bit
21Gbps
672GB/s
64MB66基
264基
2.61GHz
2.34GHz
285W799ドル
(115,800円~)
RTX 4070 Ti768012GB GDDR6X
192bit
21Gbps
504GB/s
48MB60基
240基
2.61GHz
2.31GHz
285W799ドル
→廃止予定
RTX 4070 SUPER716812GB GDDR6X
192bit
21Gbps
504GB/s
48MB56基
224基
2.48GHz
1.98GHz
220W599ドル
(86,800円~)
RTX 4070568812GB GDDR6X
192bit
21Gbps
504GB/s
36MB46基
184基
2.48GHz
1.92GHz
200W549ドル
前:599ドル
※ドル表記は米国における希望小売価格。()内の日本円は公式サイト表記の想定価格。

RTX 4080 SUPER

追加モデルの中で最上位の「RTX 4080 SUPER」です。1月31日発売予定です。元の「RTX 4080」と比較すると、各コア数などの増加は約5.26%程度で微増レベルです。

ただし、問題は性能ではなく価格です。RTX 4080は1199ドルだったのに対し、SUPERモデルは999ドルで200ドルも安いです。日本での想定価格もNVIDIAの公式ページに記載されており、148,000円~となっています。RTX 4080が18万円前後あたりが多かったことを考えると、約3万円ほど値引きされたことになり、しっかりと200ドル分の値引きが反映されています。

性能微増かつ3万円値引きということで、RTX 4090では高すぎるけどハイエンド上位GPUを求めていたという人にとっては非常に魅力的な存在になりそうです。

また、SUPERの登場に伴い、元の「RTX 4080」は市場から廃止予定なので、既存モデルの大幅な値引きも期待されます。性能差自体はわずかになりそうなので、SUPERと同じかわずかに低いレベルでも需要があるはずですが、CPUで最近旧世代化した第13世代Coreシリーズと組み合わせたPCは在庫処分で更なる値引きも期待できるので、注目しておくと良いかもしれません。

RTX 4070 Ti SUPER

今回追加されるSUPERモデルの中で、特に注目度が高そうなのが「RTX 4070 Ti SUPER」です。1月24日発売予定です。日本での想定価格がNVIDIAの公式ページに記載されており、115,800円~となっています。

価格設定は元の「RTX 4070 Ti」の799ドルを引き継ぐ形ながら、メモリは12GBから16GBに増量され、バス幅も増加、L2キャッシュも増量されています。各コア数も約10%増えており、高解像度ゲームや最近注目の画像生成AI(高解像度)での対応力も大幅に増していると思われます。その上、TGPは285Wを維持しており、電力効率も非常に良いことが期待できます。

元のRTX 4070 Tiは主要ゲーム性能はRTX 3090 Tiクラスではあったものの、4KレベルやVRAM依存度の高い処理で劣る面があったのが玉に瑕でした。そこが解消されることは高価格帯のGPUとしては非常に大きく、元モデルよりも遥かに魅力的な高性能GPUとなったと思います。

また、SUPERの登場に伴い、元の「RTX 4070 Ti」は市場から廃止予定なので、既存モデルの大幅な値引きが期待されます。

RTX 4070 SUPER

今回追加されるSUPERモデルの中では一番下のモデルが「RTX 4070 SUPER」です。日本での想定価格がNVIDIAの公式ページに記載されており、86,800円~となっています。1月17日発売予定です。

元の「RTX 4070」と比較すると、CUDAコアは5688→7168で約26%も増えているにも関わらず、価格は599ドルを引き継ぐ形となっており、元々良かったコスパで更なる向上が期待されます。その他のコア数も20%以上も増量されています。TGPは200Wから220Wへと増加しているものの、まだ性能の割には十分省電力であり、コア数の増加率を考えれば効率も悪くなっていなさそうなので、特にネックではないかと思います。

VRAMスペックは全く同じ12GB GDDR6(504GB/s)ですが、L2キャッシュは36MBから48MBへと増量されています。12GB据え置きなのは残念でしたが、コア数とL2キャッシュが大きく増量されたのに同額なので、コスパは大幅アップです。

20万円台中盤くらいの予算で、コスパを高めつつハイエンド用途を視野に入れたい場合の選択肢としてものすごく魅力的な存在になりそうです。

また、元の「RTX 4070」は販売が継続される予定ですが、希望小売価格は549ドルへ引き下げられる見込みなので、既存モデルがやや値引きされると思われます。ただ、他のラインナップ的に仕方ないかなとも思いますが、50ドル差なら「RTX 4070 SUPER」の方が魅力度は高いと思います。

そのため、旧世代CPUと組み合わせたBTOパソコンなどでは、50ドル差以上の値引きも期待できるような気がするので、思わぬ掘り出し物が発見される可能性もあるかもしれません。

Radeon RX 7600 XT 16GB

ハイエンドモデル強化のGeForceに対し、Radeonはエントリーモデルのラインナップ強化です。低~中価格帯では貴重な大容量VRAMモデルの「Radeon RX 7600 XT 16GB」が追加されます。1月24日に発売予定です(米国時間)。

GPUSP数メモリタイプメモリ
速度・
帯域幅
Infinity
Cache
Ray/AI
アクセラレーター
クロック
最大/定格
TBP想定価格※
RX 7600 XT204816GB GDDR6
128bit
18Gbps
288GB/s
32MB32/642.76GHz
2.47GHz
190W(最大)329ドル
RX 760020488GB GDDR6
128bit
18Gbps
288GB/s
32MB32/642.66GHz
2.25GHz
165W(最大)269ドル
※ドル表記は米国における希望小売価格。

高性能帯のラインナップを強化したGeForceとは逆に、Radeonは安価ながら16GB VRAM搭載の「RX 7600 XT」を追加し、エントリーモデルでの競争力を高める形です。希望小売価格は329ドルに設定されており、「RX 7600」より60ドル高くなります。日本だと恐らく4万円台中盤~後半くらいが主な価格になりそうです。

こちらは基本的に「RX 7600のメモリが16GBに増量されたもの」と捉えて良いです。各スペックを下位の「RX 7600」と比較すると、メモリを除くハード仕様はほぼ同じなためです。ストリーミングプロセッサー数は同じ2048で、Infinity CacheやレイアクセラレーターやAIアクセラレーターも同じです。違うのは、クロックがわずかに向上した点と、メモリが8GBから16GBと倍増された点です。メモリも容量以外のスペックは同じです。

クロックの向上率は、ベースクロックが約9.8%、ブーストクロックが約3.8%程度となっています。差は小さいです。

メモリが16GBに倍増したのは大きな変化であるものの、ゲームの場合はこのGPUはFHDがメインターゲットであり、FHDなら8GBでもそこまでネックにならないはずなので、16GBメモリは活きないケースが多いと思われます。クロック向上もあるので少しのfps向上は望めるものの、微増程度と捉えた方が良いと思います。

そのため、「RX 7600 XT 16GB」は主要ゲーム用というよりは、最近注目度の高い生成AI関連や、一部のVRAM容量が重要なゲーム(VRChatなど)で真価を発揮するGPUとなると思います。

上記に挙げた用途などでは、GPU自体の性能はハイエンドまでは要らないけど、VRAM容量は出来るだけ欲しいみたいなケースが結構あるので、そういう場合には余計な費用を掛けずに済む選択肢として魅力的になるかもしれません。既存モデルでも似たような理由で「RTX 3060 12GB」は未だに人気GPUです。

とはいえ、少なくとも現状は生成AIやレイトレーシングではRadeonはGeForceに劣っているので、そちらの最適化が進んで差が縮まらない限りは、第一候補にはならないような気もしてしまいますね。

しかし、以前よりは最適化が進んでいるのは確かではありますし、ゲーム性能では「RTX 3060 12GB」よりは大分上で、5万円未満で16GBメモリは非常に魅力的なのは事実なので、将来性込みでゲームメインの方が導入するというのは無しではないかもしれません。

また一応ですが、主要ゲームでもFSRのようなアップスケーリングを使用すれば、高解像度やレイトレーシング運用も可能ではあるので、その場合には16GBメモリがある程度活きるかもしれません。


といった感じで、紹介は以上になります。各GPUの詳しい評価は、登場後に個別記事でやっていきたいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です