新登場した「Nvidia GeForce RTX 2070/2080/2080 Ti」の比較記事です。
注意
本記事の内容は、記事執筆時点(2018年11月22日)のものであり、ご覧になっている際には異なる可能性があるのでご注意ください。
簡易比較表
GTX 10シリーズと「RTX 2070/2080/2080 Ti」の簡易比較表です。
【RTX 2070/2080/2080 Ti 簡易比較表】
GPU名称 | 3DMark | メモリー | TDP | ワット パフォーマンス | コスパ | 価格 |
---|---|---|---|---|---|---|
RTX 2080 Ti | 33500 | 11GB | 250W | 134 | 0.197 | 170000円 |
RTX 2080 | 27900 | 8GB | 215W | 129.8 | 0.279 | 100000円 |
GTX 1080 Ti | 27800 | 11GB | 250W | 111.2 | 0.278 | 100000円 |
RTX 2070 | 22400 | 8GB | 185W | 121.1 | 0.345 | 65000円 |
GTX 1080 | 22000 | 8GB | 180W | 122.2 | 0.355 | 62000円 |
GTX 1070 Ti | 19900 | 8GB | 180W | 110.6 | 0.332 | 60000円 |
GTX 1070 | 18000 | 8GB | 150W | 120 | 0.36 | 50000円 |
GTX 1060(6GB) | 12900 | 6GB | 120W | 107.5 | 0.43 | 30000円 |
GTX 1060(3GB) | 12300 | 3GB | 120W | 102.5 | 0.473 | 26000円 |
GTX 1050 Ti | 7700 | 4GB | 75W | 102.7 | 0.428 | 18000円 |
GTX 1050 | 6800 | 2GB | 75W | 90.7 | 0.425 | 16000円 |
価格は記事更新時点での価格.com最安値。
3DMarkは、Firestrike 1920×1080 のGraphics スコア。
コスパはRTX 2070以外良くない
表を見ると、コスパは「RTX 2070」以外はGTX10シリーズを大幅に下回っている事が判る。
純粋な本体価格も高くなっているため、手の出しにくい印象を持ってしまうのは仕方なさそう。
後述する「レイトレーシング」という新技術に対応しているものの、現段階では実用的ではないので差別化するには至らなさそうです。
そのため、コスパ面ではGTX 10シリーズの方が良いという結論にならざるを得ないです。
性能・ワットパフォーマンスは向上
コスパはあまり良くなかったものの、純粋な性能やワットパフォーマンスは順調に向上しています。
少しでも上の性能を求める人や、本体価格よりも消費電力が気になるようなヘビーな使い方をする人にとっては、需要は普通にあります。
ゲーミング性能
ゲーミング性能は、言葉の通りゲームする際のパフォーマンスの性能です。
主に実際にゲームを起動した際のFPS数で比較されます。
今回は、12種類のゲームでFPS数を測定した平均FPS数(相乗平均)の数値を見ていきます。
【総合ゲーミング性能】
GPU名称 | 平均FPS |
---|---|
RTX 2080 Ti | 204.2 |
RTX 2080 | 190.7 |
GTX 1080 Ti | 184.5 |
RTX 2070 | 166.0 |
GTX 1080 | 157.5 |
GTX 1070 Ti | 149.0 |
GTX 1070 | 132.2 |
GTX 1060(6GB) | 98.6 |
GTX 1060(3GB) | 92.6 |
GTX 1050 Ti | 63.7 |
GTX 1050 | 55.8 |
ゲーミング性能は大きく向上
ゲーミング性能は大きく向上しました。性能が上がったので当然ですが、順調に数値を伸ばしています。
RTX 2080/2080 Ti の驚異的なFPSも注目ですが、この二つは現時点(2018年11月)で10万円を超える価格なので「まぁ…うん(買えないし)」といった印象です。
そのため、個人的に一番魅力を感じるのはRTX 2070です。現状(2018年11月)GTX 1080と同価格帯(6万円台)ながら、性能は上回っています。
レイトレーシング
「RTX 2070/2080/2080 Ti」は「レイトレーシング(Ray Tracing)」という次世代の新技術に対応しています。
ざっくり説明すると「光の反射・屈折の全てをリアルタイムで計算し描写する技術」です。
実際どんなものかというと「実写とほぼ区別のつかない映像」の描写が可能となります。
この「実写と区別のつかない映像」を実現する技術が「レイトレーシング」です。
まだ実用的ではない
レイトレーシング技術について内容だけ見るとワクワクしますが、残念ながらまだ実用的ではありません。
これは「対応ゲームが少ない」「要求スペックが高すぎてFPSが低い」ためです。
対応ゲームが少ない
「レイトレーシング」は一般にはまだ浸透していないため、対応ゲーム(作品?)が非常に少ないです。利用出来る環境が無ければ機能だけあっても意味がありません。
要求スペックが高すぎる
「レイトレーシング」の光の動きをリアルタイムで全て計算し描写するというのは、膨大な処理が必要となります。
現状超超高性能といって過言ではない「RTX 2080 Ti」ですら、1080pの中設定で30~70FPS程度しか出ないという報告があります。
実用的になったとしても、競技性のあるゲームではメリットが無い?
「レイトレーシング」が仮に実用的だったとしても、「レイトレーシングを利用しない状態」よりFPSが大きく落ちてしまうのであれば、競技性のあるゲームでは無い方が有利・メリットが無いなどが考えられます。
まとめ
コスパ重視なら「RTX 2070」以外は微妙
RTX 2080/2080 Ti はコスパが悪い上、価格も10万円超と高いです。コスパが気になるなら「RTX 2070」以外は選択肢に入らないでしょう。
「RTX 2070」は GTX 1080 を上回る性能を持っており、コスパも悪くないです。価格も6万円台中盤で、ハイエンドGPUなら仕方ないと思える値段に収まっています。
今(2018年11月)コスパ重視でハイエンドGPU(グラボ)を求めるのであれば、「RTX 2070」は候補の筆頭GPUと見て良いでしょう。
ただ、「RTX 2070」でも「GTX 10シリーズ」とコスパは同じか少し下なので、「GTX 10シリーズ」まだまだ現役です。
「GTX 10シリーズ」はこれから生産が減っていき、生産終了とはなっていくと思われるので「RTX 20シリーズ」が主流となるのは間違いないですが、まだ暫く現役でやれると思います。
性能自体は大幅に向上
単純な性能は「GTX 10シリーズ」から順調に向上しています。最高性能も大幅に向上しました。
そのため「予算は気にしないから少しでも上の性能を求める人」にとっては普通に嬉しい新GPUとなったかもしれません。
レイトレーシングはまだ実用的ではない。将来に期待
RTX シリーズの目玉ともいえる「レイトレーシング」ですが、残念ながらまだ実用的ではありません。
要求スペックが異常に高い上、対応しているゲームが非常に少ないです。
そのため、RTX 20番台の「レイトレーシング」機能はGTX 10番台との差別化出来る点にはならなそうです。
それでは記事はここまでです。ご覧いただきありがとうございました。
2070と2080は結局どっちがいいのですか?
本記事は結構古い記事なので、現在は他GPUも増えていますし、用途や予算によっても変わると思いますが、コスパのみで考えるならRTX 2070の方が良いです。
今年はBTOで、RTX2080Tiを組み込んでいこうと思っていたのですが、単に性能だけを見ていてはダメなようですね。
メモリ64GB、RTX2080Ti、SSD1TB こんな感じで組むより、RTX2070(2080)SUPERで組んだ方が良いんですかね・・・?
まず、用途によるので具体的なことは言えないと前置きしておきますが、経済的に余裕があるならRTX2080Tiはワットパフォーマンスは良いので普通に選択肢としてはアリだと思います。