Intelの第9世代CPU「Core i9 9900K」「Core i7 9700K」「Core i5 9600K」と第8世代の「Core i」プロセッサの比較記事です。(最終更新:2019/8/17)
要点だけ知りたいという方は、目次から「まとめ」だけ見ても良いかも。
簡易比較表
インテルの第9世代と第8世代のCore iシリーズの比較表です。(2019年8月末時点)
9000番台が第9世代で、8000番台が第8世代となります。
9000番台が第9世代で、8000番台が第8世代となります。
【簡易比較表】※CPU名をクリックで、Amazonもしくはドスパラでの現在価格を確認できます。
CPU名 | ベンチマーク | コア (スレッド) | TDP | クロック数 定格(最大) | ワット パフォーマンス | コスパ | 参考価格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
第9世代 | |||||||
Core i9 9900K | 20200 | 8(16) | 95W | 3.6GHz(5.0GHz) | 212.6 | 0.348 | 58,000円 |
Core i7 9700K | 17200 | 8(8) | 95W | 3.6GHz(4.9GHz) | 181 | 0.373 | 46,000円 |
Core i7 9700F | 16200 | 8(8) | 65W | 3.0GHz(4.7GHz) | 249.2 | 0.438 | 37,000円 |
Core i5 9600K | 13500 | 6(6) | 95W | 3.7GHz(4.6GHz) | 142.1 | 0.465 | 29,000円 |
Core i5 9400F | 12100 | 6(6) | 65W | 2.9GHz(4.1GHz) | 186.1 | 0.672 | 18,000円 |
第8世代 | |||||||
Core i7 8700K | 16100 | 6(12) | 95W | 3.7GHz(4.7GHz) | 169.5 | 0.374 | 43,000円 |
Core i7 8700 | 15250 | 6(12) | 65W | 3.2GHz(4.6Ghz) | 234.6 | 0.426 | 36,000円 |
Core i5 8500 | 12100 | 6(6) | 65W | 3.0GHz(4.1GHz) | 186.1 | 0.504 | 24,000円 |
Core i5 8400 | 11700 | 6(6) | 65W | 2.8GHz(4.0GHz) | 180 | 0.531 | 22,000円 |
Core i3 8300 | 8860 | 4(4) | 62W | 3.7GHz | 143 | 0.466 | 19,000円 |
Core i3 8100 | 8100 | 4(4) | 65W | 3.6GHz | 124.6 | 0.54 | 15,000円 |
※ベンチマークスコアはPASSMARKのベンチマークスコアを参考にした目安の値。
※参考価格は、価格.comの2019年8月中旬時点での最安値価格。
表をざっと見てみると、
Core i5 9400F がやや頭一つ抜けているのを除けば、第9世代も第8世代もコスパ的には大差が無さそうです。
ワットパフォーマンスは全体的にやや向上していますが、大きな差ではありませんし。
ワットパフォーマンスは全体的にやや向上していますが、大きな差ではありませんし。
相対的に見て、どちらを買うか選ぶなら第9世代が若干有利ですが、差は小さく、第8世代を所持しているのであれば買い替えたい魅力は正直無さそうです。
同モデル同士(Core i7同士とか)では、若干ですが第9世代の方が価格が高くなっている事もあります。
性能(PassMark)でも、 Core i9 が頭一つ抜けている点を除けば、大きな差はありません。
第8世代の主流CPUにはCore i9が存在しないため、少しでも高い性能を…という事であれば第9世代一択になりますが、それ以外では第9世代と第8世代での差はほぼないという事になります。
第8世代の主流CPUにはCore i9が存在しないため、少しでも高い性能を…という事であれば第9世代一択になりますが、それ以外では第9世代と第8世代での差はほぼないという事になります。
また、第9世代では、第8世代より全体的にクロック周波数・コア数が増えており、発熱の問題が気になりますが、第9世代では第8世代と比べて放熱能力がやや向上しているらしいので、多分プラマイゼロっていった感じになって差は無しと考えて良いと思われます。
各種性能について
シングルスレッド性能
シングルスレッド性能が高いと、軽い処理の処理速度が速くなる他、ほぼ全ての処理に対して有利に働くので、重要視される事が多いです。
今回は、Cinebench R15というソフトで測定した数値を見ていきます。
【Cinebench R15 Single】
CPU名称 | スコア |
---|---|
Core i9 9900K | 221 |
Core i7 9700K | 218 |
Core i7 8700K | 203 |
Core i5 9600K | 201 |
Core i5 8400 | 177 |
Core i3 8100 | 172 |
シングルスレッド性能は向上
第9世代のシングルスレッド性能は、第8世代からやや大きめの向上が見られました。
区分的には中性能域であるはずの「Core i5 9600K」に至っては、前世代のトップ性能の「Core i7 8700K」に迫る性能まで向上しています。
元々第8世代でも、優れたシングルスレッド性能を持っていたので、それから順調に性能を伸ばしているのは素晴らしいです。
というわけd、シングルスレッド性能では、第9世代に軍配が上がりました。
マルチスレッド性能
マルチスレッド性能が高いと、マルチタスクの処理やエンコードの速度などが速くなります。簡単にいうとCPU全体の全力のパフォーマンスを表します。
シングルスレッド性能と同じく、Cinebench R15というソフトで測定した数値を見ていきます。
【Cinebench R15 Multi】
CPU名称 | スコア |
---|---|
Core i9 9900K | 2063 |
Core i7 9700K | 1515 |
Core i7 8700K | 1411 |
Core i5 9600K | 1074 |
Core i5 8400 | 949 |
Core i3 8100 | 650 |
マルチスレッド性能は、Core i9以外は差は小さい
マルチスレッド性能は、Core i9が頭一つ抜けている以外は同モデル同士では微増といった程度でした。概ね1割未満の成長率。
Core i9で大幅な性能向上を狙いたいという人以外は、やはり第8世代CPUから買い替える魅力は無さそうです。
Core i9 以外では、第8世代より第9世代の方が価格が若干高いので、コスパ的にはほとんど変わらないと言って良いレベルです。
Core i9 以外では、第8世代より第9世代の方が価格が若干高いので、コスパ的にはほとんど変わらないと言って良いレベルです。
ゲーミング性能
ゲーミング性能は、言葉の通りゲームする際のパフォーマンスの性能です。
主に実際にゲームを起動してみた際のFPS数で比較されます。
今回は、10種類の人気ゲームでFPS数を測定した平均FPS数(相乗平均)の数値を見ていきます。
使用されたGPUは「Geforce GTX 1080 Ti」となっています。
【総合ゲーミング性能】
CPU名称 | FPS |
---|---|
Core i9 9900K | 120.7 |
Core i7 9700K | 119.2 |
Core i7 8700K | 115.7 |
Core i5 9600K | 115.2 |
Core i5 8400 | 111.3 |
Core i3 8100 | 100.6 |
ゲーミング性能も大きくは変わらず、Core i5が驚異的なコスパ
「Core i7 8700K」と「Core i7 9700K」の比較ではFPSの差は約4程度で、微増と言った程度でした。
他モデルも数値の差はあまりなく、ゲーミング性能は伸びてはいるものの大きな向上とまではいっていませんでした。
また、世代間の比較とは関係ないですが、Core i5 のゲーミングコスパの良さが非常に目立ちます。
極端な例として、価格に4万円近い差がある、第9世代「Core i7 9700K」と第8世代「Core i5 8400」を比較したとしても、平均FPSの差は10未満です。
今回の測定に用られているGPUは「GeForce GTX 1080 Ti」という高性能ハイエンドGPUですが、第8世代のCore i5でも大きなボトルネックにはならないという事がわかるため、単純なゲーミングコスパではCore i5が圧倒的優位ということになります。
まとめ
第8世代と第9世代はコスパはほぼ差がなく、性能も大きくは変わらない(Core i9除く)
元々ほぼ同じマイクロアーキテクチャを利用しているため、必然といえば必然ですが、第9世代と第8世代でコスパや性能上の差は小さいです。
第8世代を所持しているのであれば、わざわざ第9世代へ乗り換える価値はほぼ無いと言って良いと思います。
第8世代を所持しているのであれば、わざわざ第9世代へ乗り換える価値はほぼ無いと言って良いと思います。
とはいえ、第9世代の方が若干ながら性能は上ですし、新しいという事もあるので、どちらかを選ぶなら第9世代が無難です。
予算を気にせず、少しでも上の性能を求める人ならCore i9は魅力的
第9世代から主流CPU入りした「Core i9」は、当然ながら他のモデルより頭一つ抜けて性能が高いです。
価格の高さは気になりますが、第8世代には無い性能の高さを持っています。予算に余裕がある人ならば、第8世代からでも乗り換える価値はあると思います。
でも、やはり価格は高いですし、第8世代のCore i7でも性能的には十分に高性能なので、個人的には新しいCPUが出るまでもうちょっと待った方が良いかなという意見です。
最高コスパを求めるなら、Core i5 9400F 一択
第9世代の中でも後発な「Core i5 9400F」は、非常に優れたコスパを発揮します。「Core i5 8400」のいわゆる焼き直しCPUとなりますが、良さを更に伸ばした出来となっており、素晴らしいです。
特にゲーミング性能は、Core i7やCore i9と比べても遜色ない程となっており、コスパがエグいです。
特にゲーミング性能は、Core i7やCore i9と比べても遜色ない程となっており、コスパがエグいです。
マルチスレッド性能だけはCore i7やCore i9を大きく下回る性能となっているため、そこを重要視している人にはオススメしにくくはありますが、数値自体は決して低いものではありません。一般的な用途ならこなせない事はない、十分高性能といえるものです。
上記の事を考えると、少しでも予算が気になる場合であれば「Core i5 9400F」はかなり無難な選択だと思います。
ただし、末尾Fモデルは内蔵GPUが無効化されている点は、念のため留意しておきましょう。
それでは、記事はここまでになります。ご覧いただきありがとうございました。