「Radeon RX 6700 XT」ざっくり評価【性能比較】

「Radeon RX 6700 XT(FE版)」のざっくり性能比較・評価です。RTX 3070との比較ではどうなのでしょうか。

注意

本記事の情報は記事執筆時点(2021年3月18日)のものです。ご覧になっている際には異なる可能性があるため注意してください。

仕様

まずは、主要な仕様だけざっくりと載せています。

簡易比較表

GPU 北米参考価格 シェーダー
ユニット数
メモリタイプ
メモリ容量
メモリ転送速度
メモリ帯域幅
レイトレ用
コア数
ダイサイズ 消費電力
(TDP等)
RTX 3090 1,499ドル 10496 GDDR6X
24GB
19.5Gbps
936GB/s
82基 628.4㎟ 350W
RX 6800 XT 649ドル 4608 GDDR6
16GB
16Gbps
512GB/s
72基 519㎟ 300W
RTX 3080 699ドル 8704 GDDR6X
10GB
19Gbps
760GB/s
68基 628.4㎟ 320W
RX 6800 579ドル 3840 GDDR6
16GB
16Gbps
512GB/s
60基 519㎟ 250W
RTX 3070 499ドル 5888 GDDR6
8GB
14Gbps
448GB/s
46基 392㎟ 220W
RX 6700 XT 479ドル 2560 GDDR6
12GB
16Gbps
384GB/s
40基 336㎟ 230W
RTX 3060 Ti 399ドル 4864 GDDR6
8GB
14Gbps
448GB/s
38基 392㎟ 200W
RTX 3060 329ドル
3584 GDDR6
12GB
15Gbps
360GB/s
28基 276㎟ 170W

「Radeon RX 6700 XT」の北米参考価格は「RTX 3070」に近い約480ドルです(3070は500ドル)。従来なら国内での想定市場価格は約6万円台後半~くらいになると思いますが、今はGPUの高騰が凄まじいので、この価格ではまず買えないですね。海外だと700ドルくらいが予想されているようです。日本だと、諸々の追加分を考慮して約9万円~10万円くらいになりそうな気がします。合っていれば「6800 XT」の発売時価格と同じくらいですね。さすがに高すぎ感はありますが、情勢的に仕方ないですね。やっぱり気にはなりますが。

シェーダーユニットとレイトレーシング用のコアは、RX 6800と比較してどちらも3分の2に削減されています。それなのに、価格は約17%しか安くなっていない上に、消費電力も20Wしか減っていないので、ハードウェア仕様から見たコスパはちょっと悪そうに見えます。

ただし、ダイサイズもほぼ3分2程度まで小さくなっており、小型化されています。省スペースPCにも採用し易そうな雰囲気はありますが、その際にも230Wというダイサイズの割にはかなり多い消費電力が気になります。

メモリには16GbpsのGDDR6 12GBが搭載されており、ハイエンド顔負けです。192bitとなっているためにメモリ帯域幅は少し狭い点に注意ですが、少し前まではこの価格帯では考えられなかった仕様ですね。凄いです。

帯域幅が少し狭い点は気になりますが、Radeon RX 6000シリーズでは「Infinity Cache」という1.5T/sの帯域幅を持つ96MBの高速なキャッシュメモリが導入されており、上位製品ではあまり活きなかったようにも見えなかった仕様ですが、もしかしたらこのような帯域幅がネックとなりそうな際には特に有効に働くかもしれません。

それでは、詳しい性能については以下から見ていきます。

ゲーミング性能

ゲーミング性能は、言葉の通りゲームをする際のパフォーマンスの性能です。実際にゲームを動作させた際の平均FPS数を見ていきます。今回は22種類のゲームでのデータを基に見ていきます。設定は基本的に最高品質です。使用されたCPUは「Ryzen 7 5800X」となっています。その他のスペックなどの詳細は、お手数ですが記事上部の参考リンクを参照お願いします。


1080p(最高品質)

FHD(1920×1080)です。最低限の解像度という感じですが、2021年現在では最も主流な解像度です。ハイエンドGPUを使用していても、特にFPSやTPSでは出来るだけ高いFPS数を維持するためにこの設定にするのが主流だと思います。

平均FPS(1080p 最高設定)
GPU名称 平均FPS
RX 6900 XT
209.8
RTX 3090
204.8
RX 6800 XT
201.1
RTX 3080
190.9
RX 6800
178.8
RTX 3070
163.6
RTX 2080 Ti
163.5
RX 6700 XT
158.7
RTX 3060 Ti
147.9
RTX 2080 SUPER
143.5
RX 5700 XT
127.1
RTX 2070 SUPER
129.2
RTX 3060
117.2
RTX 2070
115.1
RX 5700
114.1
RTX 2060 SUPER
112

2080 Tiや3070に近い非常に高いパフォーマンス

1080pでは平均158.7fpsで、「RTX 2080 Ti」と「RTX 3070」より約3%劣る程度のパフォーマンスでした。最高設定でかつ重いゲームが中心でこのスコアなので、1080pなら非常に高いパフォーマンスが期待できます。

「RTX 3070」にはわずかに負けていますが、価格は「RX 6700 XT」の方が若干安いため、コスパ的にはほぼ同じくらいだと思います。正直価格も性能差もわずかなので、どちらが良いとは言えないレベルの違いだと思います。


1440p(最高品質)

WQHD(2560×1440)です。1080pでは性能を少し持て余してしまう場合に利用する解像度です。現在の主流解像度は1080pですが、GPU性能が全体的に大幅に向上してきているため、徐々にこの1440pが主流解像度に切り替わっていく気がします。

平均FPS(1440p 最高設定)
GPU名称 平均FPS
RX 6900 XT
169.6
RTX 3090
169.2
RX 6800 XT
161.2
RTX 3080
155.7
RX 6800
142.1
RTX 3070
126.8
RTX 2080 Ti
126.7
RX 6700 XT
122
RTX 3060 Ti
112.4
RTX 2080 SUPER
109.4
RTX 2070 SUPER
97
RX 5700 XT
93
RTX 3060
86.9
RTX 2070
85.5
RX 5700
83.7
RTX 2060 SUPER
82.9

1440pでも144fpsはいけそうな性能

1440pでは平均122fpsで、1080pと同じく「RTX 2080 Ti」と「RTX 3070」よりわずかに低い程度のパフォーマンスでした。重いゲームが中心でかつ最高設定でこれなので、実環境では144fpsもいけると思います。十分快適といえるパフォーマンスです。


4K(最高品質)

「超高解像度の代名詞」ともいえる解像度の4K(3840×2160)です。非常に繊細で綺麗な映像になりますが、その負荷の大きさから高いFPSを出す事が難しいためTPSやFPSなどの対人競技ゲームで利用されることはまずないです。グラフィックの綺麗さや臨場感が重要なゲームを中心に需要のある解像度です。

平均FPS(4K 最高設定)
GPU名称 平均FPS
RTX 3090
109.9
RX 6900 XT
104.5
RTX 3080
98.3
RX 6800 XT
97.6
RX 6800
85.3
RTX 2080 Ti
76.4
RTX 3070
75.9
RX 6700 XT
69.2
RTX 3060 Ti
66.1
RTX 2080 SUPER
65.4
RTX 2070 SUPER
56.4
RX 5700 XT
52.6
RTX 3060
49.9
RTX 2070
49.4
RTX 2060 SUPER
47.5
RX 5700
47.1

4Kでも60fps超え

4Kでは平均約69fpsでした。重いゲームが中心かつ最高設定でこれなので、4Kでも60fpsは割と余裕を持って到達することができます。対戦ゲームでなければ実用レベルの快適なパフォーマンスだと思います。素晴らしい性能です。

ただし、「RTX 3070」との比較では約8.8%遅れており、1080p~1440pでは3%~4%だった差が広がっています。4Kでは総じてfpsが低いためにプレイ中に気になるほどの差ではないかと思いますが、4Kへの対応は少しだけ「RTX 3070」の方が上かなという印象です。

レイトレーシング性能

レイトレーシング利用時のパフォーマンスを見ていきます。測定タイトルはControlです。

レイトレーシング平均FPS(Control 1080p)
GPU名称 平均FPS
RTX 3090
94.7
RTX 3080
84.1
RTX 3070
61.6
RX 6900 XT
59.1
RX 6800 XT
55.1
RTX 3060 Ti
54.7
RTX 2080 SUPER
48.5
RX 6800
47.1
RTX 2070 SUPER
43.0
RTX 3060
42.1
RTX 2070
38.6
RX 6700 XT
37.5
RTX 2060 SUPER
37.3

レイトレーシング性能は低い

レイトレーシング性能は「RTX 2060 SUPER」と同等という低いものになっています。Cntrolの1080pで約37fpsです。使えないことはないレベルですが、多少設定を工夫すれば60fpsに届くかもってぐらいの感じだと思うので、快適とは言えるかは微妙なラインです。

「RTX 3070」と比較すると約39%も負けています。価格差は小さくてこれなので、レイトレーシングを意識するなら「RTX 3070」の方が明らかに優位です。価格や上位モデルの性能を考えても、レイトレーシングにはあまり向かない印象です。

6700 XTに限った話ではなく、Radeon RX 6000シリーズはレイトレーシングではNVIDIAに大きく劣っていると言わざるを得ないと思います。今回の比較では省きましたが、Radeon側はDLSSについても対応が遅れている点も大きいです。次世代機能への対応は、NVIDIAの方が一歩先を行っていると思います。

電力関連

消費電力

ゲームプレイ時(高負荷時)の平均消費電力を見ていきます。低い方が良い数値となります。測定に使用されたゲームは「Cyverpunk 2077」で、解像度は「2560×1440」です。

GPU平均消費電力(ゲーミング)
GPU名称 消費電力(W)
RTX 3090
355
RTX 3080
318
RX 6900 XT
302
RX 6800 XT
292
RTX 2080 Ti
265
RTX 2080 SUPER
253
RX 6800
223
RX 6700 XT
221
RTX 3070
220
RX 5700 XT
210
RTX 2070 SUPER
206
RTX 3060 Ti
199
RTX 2070
192
RTX 3060
189
RTX 2060 SUPER
179
RX 5700
165.0

RTX 3070とほぼ同じ消費電力

カタログスペックだと230Wで「RTX 3070」より10W多かったですが、実際にはほぼ同じ消費電力のようです。若干ながら性能は全体的に負けていたので、ワットパフォーマンスではやや劣る感じになりますが、これはどちらかというと「RTX 3070」を褒めるべきところだと思います。他のモデルや前世代のGPUの値を見ると、全体から見たワットパフォーマンスは良い部類だと思います。

ワットパフォーマンス

ゲームプレイ時(高負荷時)のワットあたりのパフォーマンス(フレーム数)を見ていきます。こちらは高い方が良い数値となります。使用されたゲームは「Cyverpunk 2077」で、解像度は「2560×1440」、設定はウルトラ(可能な限り最高)です。

ワットパフォーマンス(ゲーミング)
GPU名称 1Wあたりのフレーム
RX 6800
0.310
RX 6800 XT
0.273
RTX 3070
0.254
RX 6700 XT
0.251
RTX 3060 Ti
0.244
RTX 3080
0.221
RTX 2080 Ti
0.216
RTX 2070 SUPER
0.211
RTX 2080 SUPER
0.195
RTX 3060
0.195
RX 5700 XT
0.183

RTX 3070とほぼ同じの優れたワットパフォーマンス

ワットパフォーマンスは「RTX 3070」とほぼ同じくらいで、非常に優れています。前世代のGPUよりは全体的に大きく優れている他、「RTX 3060」や「RTX 3080」等の一部の最新のGPUにも勝っています。「RTX 3070」への優位性は見出せなかったものの、その性能自体は素晴らしいです。

まとめ

Radeon RX 6700 XT

良い点
  • 「RTX 3070」より安い(参考価格で20ドル)
  • 1440pでも高いパフォーマンス
  • 優れたコスパとワットパフォーマンス
  • 小さめのダイ
悪い点
  • 高価(480ドル、日本では今だと9万円以上?)
  • 消費電力が多い(高負荷時:約220W)
  • レイトレーシング性能がRTXシリーズに大幅に劣る
  • DLSSが現状利用できない

コスパは良いけど、RTX 3070の方がちょっと良い印象

性能は全体的に「RTX 3070」にわずかに劣る程度でした。価格差も少しなので、コスパ的に良い印象の大きい「RTX 3070」と良い勝負をしています。素晴らしいコスパです。

なのですが、レイトレーシング性能に関しては大幅に負けている点があるので、そこを含めると「RTX 3070」の方がやや有利かなという印象です。DLSSに関しても、AMDでも類似機能が近々発表予定?みたいですが、GeForceでは既に対応している機能なので、有利は覆らないです。

レイトレーシングやDLSSは現状ではメジャーな機能ではないとはいえ、対応していて困るものではないですし、消費者心理としては次世代の新機能というのは非常に魅力的に見えます。そこが負けているのは割と致命的な気がします。ラスタライズ(レイトレーシングじゃない従来の描画方法)で相当な差がつかない限りは、出来ればRTXシリーズの方が良いという結論になってしまう気は正直します。

ただし、「今」はそもそもGPU全体の在庫が枯渇しています。新GPUなら、発売直後なら一瞬ながら買えるかもしれないというだけで貴重です。しかも、レイトレーシングを視野に入れないなら「RTX 3070」や「RTX 2080 Ti」並みの性能で、コスパとワットパフォーマンスも良いというのは非常に魅力的です。対抗の「RTX 3070」が優秀すぎるというのもありますし、選り好み出来る状況ではないので、経済的に余裕があってコスパの良いGPUが欲しいなら良い選択肢だと思います。


といった感じで、本記事は以上になります。ご覧いただきありがとうございました。

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