Intelの「Core i」シリーズCPUの違いをまとめて解説しています(デスクトップ用)。最新世代を対象としています。現在(2023年1月)の最新世代は第13世代です。
現在の主要CPU
まずは記事更新時点(2023年1月)の主流CPUの性能比較表を下記に示しています。最新の第13世代Coreおよび、まだ市場でよく見かける第12世代Coreも一緒に掲載しています。
末尾Fのモデルは、Fの付かないモデルから内蔵GPUが無効化されたモデルで、Fの付かないモデルとCPUとしての処理性能は基本的に同じです。また、コアにEコアとPコアと2種類のコアがありますが、Eコアは高効率コアのことで、小型化と超消費電力に特化したコアで、Pコアは高性能コアのことで、従来通りの普通のコアのことです。また、クロックもEコアとPコアで異なりますが、見易さ重視でPコアのみ記載しています。
CPU名称 | 評価 | 性能 スコア |
コア | スレッド | TDP | クロック 定格 / 最大 |
電力
効率 |
コスパ | 参考価格 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Pコア | Eコア | 合計 | PL1 | PL2 | ||||||||
Core i9-13900K | ◎ |
60,000
|
8 | 16 |
24
|
32 | 125W | 253W | 3.0 / 5.8GHz | 88,340円 | ||
Core i9-13900KF | ◎ |
60,000
|
8 | 16 |
24
|
32 | 125W | 253W | 3.0 / 5.8GHz | 87,480円 | ||
Core i9-13900 | 〇 |
58,500
|
8 | 16 |
24
|
32 | 65W | 219W | 2.0 / 5.6GHz | 88,880円 | ||
Core i9-13900F | 〇 |
58,500
|
8 | 16 |
24
|
32 | 65W | 219W | 2.0 / 5.6GHz | 86,980円 | ||
Core i7-13700K | ◎ |
46,900
|
8 | 8 |
16
|
24 | 125W | 253W | 3.4 / 5.4GHz | 63,800円 | ||
Core i7-13700KF | ◎ |
46,900
|
8 | 8 |
16
|
24 | 125W | 253W | 3.4 / 5.4GHz | 61,800円 | ||
Core i7-13700 | ◎ |
42,730
|
8 | 8 |
16
|
24 | 65W | 219W | 2.1 / 5.2GHz | 58,980円 | ||
Core i7-13700F | ◎ |
42,730
|
8 | 8 |
16
|
24 | 65W | 219W | 2.1 / 5.2GHz | 54,980円 | ||
Core i9-12900KS | △ |
44,460
|
8 | 8 |
16
|
24 | 150W | 241W | 3.4 / 5.5GHz | 92,800円 | ||
Core i9-12900K | 〇 |
41,180
|
8 | 8 |
16
|
24 | 125W | 241W | 3.2 / 5.2GHz | 79,300円 | ||
Core i9-12900KF | 〇 |
41,180
|
8 | 8 |
16
|
24 | 125W | 241W | 3.2 / 5.2GHz | 76,000円 | ||
Core i5-13600K | ◎ |
38,300
|
6 | 8 |
14
|
20 | 125W | 181W | 3.5 / 5.1GHz | 48,800円 | ||
Core i5-13600KF | ◎ |
38,300
|
6 | 8 |
14
|
20 | 125W | 181W | 3.5 / 5.1GHz | 45,980円 | ||
Core i5-13500 | ◎ |
32,280
|
6 | 8 |
14
|
20 | 65W | 154W | 2.5 / 5.2GHz | 42,800円 | ||
Core i9-12900 | 〇 |
37,500
|
8 | 8 |
16
|
24 | 65W | 202W | 2.4 / 5.1GHz | 71,500円 | ||
Core i9-12900F | 〇 |
37,500
|
8 | 8 |
16
|
24 | 65W | 202W | 2.4 / 5.1GHz | 66,000円 | ||
Core i7-12700K | 〇 |
34,300
|
8 | 4 |
12
|
20 | 125W | 190W | 3.6 / 5.0GHz | 56,300円 | ||
Core i7-12700KF | 〇 |
34,300
|
8 | 4 |
12
|
20 | 125W | 190W | 3.6 / 5.0GHz | 55,000円 | ||
Core i7-12700 | ◎ |
32,220
|
8 | 4 |
12
|
20 | 65W | 180W | 2.1 / 4.9GHz | 50,000円 | ||
Core i7-12700F | ◎ |
32,220
|
8 | 4 |
12
|
20 | 65W | 180W | 2.1 / 4.9GHz | 47,000円 | ||
Core i5-12600K | ◎ |
27,000
|
6 | 4 |
10
|
16 | 125W | 150W | 3.7 / 4.9GHz | 41,000円 | ||
Core i5-12600KF | ◎ |
27,000
|
6 | 4 |
10
|
16 | 125W | 150W | 3.7 / 4.9GHz | 38,000円 | ||
Core i5-13400 | ◎ |
26,300
|
6 | 4 |
10
|
16 | 65W | 154W | 2.5 / 4.6GHz | 34,800円 | ||
Core i5-13400F | ◎ |
26,300
|
6 | 4 |
10
|
16 | 65W | 148W | 2.5 / 4.6GHz | 29,980円 | ||
Core i5-12600 | 〇 |
21,800
|
6 | 0 |
6
|
12 | 65W | 117W | 3.3 / 4.8GHz | 34,000円 | ||
Core i5-12500 | 〇 |
20,900
|
6 | 0 |
6
|
12 | 65W | 117W | 3.0 / 4.6GHz | 30,800円 | ||
Core i5-12400 | 〇 |
19,700
|
6 | 0 |
6
|
12 | 65W | 117W | 2.5 / 4.4GHz | 29,000円 | ||
Core i5-12400F | 〇 |
19,700
|
6 | 0 |
6
|
12 | 65W | 117W | 2.5 / 4.4GHz | 26,000円 | ||
Core i3-13100 | △ |
14,640
|
4 | 0 |
4
|
8 | 60W | 89W | 3.4 / 4.5GHz | 21,980円 | ||
Core i3-13100F | △ |
14,640
|
4 | 0 |
4
|
8 | 58W | 89W | 3.4 / 4.5GHz | 17,800円 | ||
Core i3-12100 | △ |
14,450
|
4 | 0 |
4
|
8 | 60W | 89W | 3.3 / 4.3GHz | 19,500円 | ||
Core i3-12100F | △ |
14,450
|
4 | 0 |
4
|
8 | 58W | 89W | 3.3 / 4.3GHz | 15,500円 |
K:オーバークロック可能モデル
クロック周波数を従来より引き上げる事が可能なモデル。しかし、オーバークロックは想定されていない発熱の増加が懸念されるため、基本的には非推奨。ただし、オーバークロックをしなくても、無印版より定格やTB時の周波数が高くなっており、オーバークロックを利用しなくても性能が高いので、オーバークロックをする気が無くても、ただの高性能モデルとして扱える。
F:内蔵GPU(iGPU)が無効化モデル
CPU自体に画面出力機能を含むグラフィック機能がないため、別途GPUが必須となる。価格が少し安い。
CPU名称:CPUの名称です。4桁の数字の先頭が世代数を表しています。(例: Core i7 8700 → 第8世代)
評価:筆者の主観によるオススメ度を表しています。主に性能と価格から判断しています。
性能スコア:CPUのベンチマークで有名なPassmarkのスコアです。総合性能を測るテストですが、マルチスレッド性能が高い(=コア数が多い)ほど高いスコアが出る傾向があります。
クロック:CPUのクロック周波数です。見易さ重視でPコアのみ掲載。また、高負荷時には全コアが記載の最大クロックまで上がる訳ではないので注意。
TDP:熱設計電力です。CPUの消費電力や発熱の目安となる指標です。現在ではPL2という2段階目の制限値が実質的な最大消費電力となっています。
コア:CPUが実際に処理を行う部品の名称です。コア数が多いほど発熱が多くなる傾向があります。
スレッド:ざっくりいうと、コアが行う仕事を表します。原則は、1コアにつき1スレッドですが、ハイパースレッディング・テクノロジーという技術により、1コアを疑似的に2コアに見せることで、1コアにつき2スレッドを実現したCPUも今では珍しくありません。
電力効率:1Wあたりの性能スコアです。
コスパ:1円あたりの性能スコアです。
参考価格:CPUの現在の価格の参考です。記事更新時点での、価格.comやAmazonなどの最安値となっています。最終更新は2019年6月25日です。
各モデルの特徴【i9 , i7 , i5 , i3】
第13世代Coreシリーズの各モデルの特徴をざっくり解説しています。
「CPUのゲーミング性能」は基本的に「高性能なグラフィックボードを使用した場合」のものを指しています。CPUの内蔵GPU(iGPU)の性能を示すものではないため、注意してください。
Core i9:性能特化のハイエンドモデル
- 処理性能ではあらゆる面でトップクラスのハイエンドモデル
- 24コア(8P+16E)による圧倒的なマルチスレッド性能
- 非常に優れたシングルスレッド性能・ゲーミング性能
- 消費電力・発熱が凄まじく多い
- 非常に高価(8万円台)
第13世代のCore i9は24コア(8P+16E)を搭載し、圧倒的なマルチスレッド性能を発揮するハイエンドCPUです。Intelの主流CPUとしては最高性能のモデルになります。
前世代の第12世代のCore i9は16コア(8P+8E)だったため、マルチスレッド性能は第13世代の方が大きく上回った上、第13世代ではCore i7が16コアで同じコア構成となったため、第12世代のCore i9は在庫処分などで相当安くならない限りは有力な選択にならなくなった点に注意。
Core i9の特に魅力な点は、やはり何といっても24コアによる圧倒的なマルチスレッド性能です。凄まじい高性能さです。重いマルチスレッド処理を日常的に行う人にとって最適なCPUとなります。
ただし、その処理性能の高さの代わりに価格は非常に高価で、8万円台後半(2023年1月時点)です。
更に、消費電力(発熱)がめちゃくちゃ多い点も要注意です。「Core i9-13900K」のTDP PL2は253Wとなっています。性能を最大限引き出すためには冷却性能の非常に高いクーラーが必要となるため、240mm以上の水冷が推奨です。電源面でも他モデルよりも良いものが求められます。
このように、CPU価格が非常に高価な上にクーラーや電源でも追加費用を求められるため、Core i7以下と比べると導入費用に大きな差が出る点は留意しておく必要があります。飛躍的に向上したマルチスレッド性能のおかげで性能コスパは悪くはないため、性能重視なら有力な選択肢ではありますが、やはり気軽には手を出しにくいです。
また、Core i9の処理性能は素晴らしくCoreシリーズでトップなのは確かですが、下位モデルに対して大きな優位性があるのはマルチスレッド性能のみという点も留意しておくと良いです。
Core i7との性能差を見ると、シングスレッド性能では基本5%前後程度となっており、ゲーミング性能などにおいても性能差はわずかです。それでいて本体価格が2万円~3万円も安いです。第13世代Core i9のマルチスレッド性能を一般の人が十分に発揮するケースもあまり無いと思われるので、実用コスパを求めるなら基本的にCore i7の方が優秀です。
Core i7:コスパも優れたハイスペックモデルで、高性能PCの定番
- 16コア(8P+8E)による非常に優れたマルチスレッド性能
- Core i9とも大差ない優れたゲーミング性能
- 消費電力・発熱が非常に多い
- 高価(5万円台中盤~6万円台前半)
第13世代のCore i7は16コア(8P+8E)を搭載する高性能モデルです。Core i7は代々、迷ったらCore i7と言われることもあるほど、高性能CPUの安定択として常に高い人気を誇っている人気モデルです。第13世代も例に漏れずにおすすめ出来る仕上がりのCPUとなっています。各種性能が非常に優れており、Core i9とゲーミング性能が大差ない点も人気の要因の一つです(Pコアの数が変わらないため)。
高性能高コスパCPUならおすすめできるCPUなのは間違いないですが、価格は高価です。無印モデルは第12世代から少し値上がりしたこともあって、大体5万円台中盤から6万円ちょっとくらいの価格となっています。
また、消費電力(発熱)が非常に多い点も注意が必要です。Eコアが増えてクロックも上がったため、前世代よりも最大消費電力が増大しています。TDP PL2はCore i9と同じで、無印が219W、K付きが253Wと超高消費電力です。性能を最大限引き出すためには冷却性能の高いクーラーが求められ、K付きは水冷推奨ですし、無印も水冷でも良いレベルです。Core i9ほど規格外ではないですが、十分に注意しましょう。
Core i5:安さとコスパが魅力のミドルレンジモデル
- 14コア(6P+8E)による非常に優れたマルチスレッド性能
- Core i9 / Core i7とのゲーミング性能は小さい
- 消費電力・発熱が多い
- 高価(4万円台後半)
- 比較的安価(約3万円~)
- 10コア(6P+4E)による優れたマルチスレッド性能
- 非常に優れたコスパ
- 上位モデルには大きく劣るマルチスレッド性能
- 上位モデルにやや劣るゲーミング性能
Core i5 はCoreシリーズにおけるミドルレンジモデルです。ですが、この「ミドルレンジモデル」というのは同世代のCore i7やCore i9と比較した場合の話であり、今では十分高性能なCPUです。ハイエンド用途でも使えるレベルです。
特に、第13世代では下位モデルでもEコアが追加されてマルチスレッド性能が格段に上がったため、従来までの重い処理では性能不足感を感じる懸念点も大分改善されました。
また、第13世代のCore i5は、最下位モデルの10コアCPUの「Core i5-13400(F)」と、それ以外の14コアモデルとで評価が少し変わってくるので、分けて話していきます。
まず14コアのCore i5(例:Core i5-13600K)ですが、合計14コアによる非常に優れたマルチスレッド性能を持ち、その性能は前世代のCore i7を上回るレベルです。数年前のCore i9を遥かに上回る高性能CPUとなっています。
K付きモデルはクロックも高いため、ゲーミング性能もCore i7やCore i9と比べてわずかに劣る程度となっています。第13世代ではCore i7の下位モデルが値上がりしため、価格的に従来のCore i7のような立ち位置はこのCore i5の16コアモデルとなっていることもあり、今までよりも需要のある人気のモデルになるかもしれません。高性能PCでも十分おすすめできる仕上がりです。
ただし、消費電力も前世代より高くなっており、TDP PL2は181Wです。Core i7以上よりはやや少なく、空冷でも十分運用できるレベルなので問題にはなりにくいですが、存分に性能を発揮させたいなら高性能なCPUクーラーが必要となる点は留意です。
次にCore i5-13400(F)です。第12世代ではK付きだけが違う仕様という感じでしたが、第13世代ではCore i5-13500などのK無しモデルもCore i5-13600K(F)と同じ16コアになったので、Core i5-13400(F)だけが異なる仕様という感じになりました。
先代のCore i5-12400(F)はEコアのない6コアCPUでしたが、第13世代で遂にEコアが追加されました。6P+4Eの10コアCPUとなり、マルチスレッド性能が格段に向上しています。性能不足感が一気に解消されました。これが最安3万円程度(2023年1月時点)から購入できる時代になりました。
当然コスパは非常に優れており、低価格PCでは非常に強力な選択肢です。コア数やクロック面で上位モデルには劣り、ゲーミング性能もやや劣る点は留意ですが、安さ重視なら非常に魅力的なモデルです。
Core i3:安価だけど性能不足が気になるエントリーモデル
- 非常に安価(2万円前後)
- 軽作業には十分な性能
- 消費電力・発熱が少ない
- 4コアで重い処理には向かない性能
- ゲーミング性能がCore i5以上に大きく劣る
Core i3はエントリーモデルです。安価で消費電力も少ないため扱いやすいですが、コアが4つしかないためマルチスレッド性能がCore i5以上に圧倒的に劣るため、重い処理には向きません。軽作業前提のCPUです。
Webブラウジングやオフィス作業などなら十分な性能を持っているので、それらの用途がメインのライトユーザーやビジネス用途での採用が主なモデルです。消費電力と発熱も少ない点は省スペースPCなどでも採用しやすいのもライト用途に向いている要素の一つです。。
コスパ自体は悪くないのですが、やはり上位モデルと比べると重い処理への対応力が大幅に低いのが致命的です。やはり4コアは厳しいです。ゲーミングでもボトルネックとなり易いため。高性能GPUと組み合わせた際の性能は上位CPUと比べると大きく劣ります。
+10,000円ほどでCore i5を選択すればグッと性能が上がりますし、出来ることの幅も一気に広がるので、出来ればCore i5以上をおすすめします。
その他参考
その他の参考情報です。知っておいて損はないと思うので、よろしければご覧ください。
オーバークロック(OC)
オーバークロック(OC)とは、CPUに標準で設定されている動作クロックよりも高い値を設定して、性能を本来を引き上げることです。引き換えに消費電力や発熱が多くなるデメリットがあります。また、基本的にオーバークロックは保証の範囲外の動作となる点も注意です。基本的には実用性を考慮して使用するものというよりは、一部のPC好きの人が好奇心のために利用する機能になっています。
Intel製の主流CPUの場合、末尾(接尾語)に「K」が付くCPUは「オーバークロック(OC)」が可能となっています。ただし、オーバークロックを利用しない場合でも、定格のクロックがK付きモデルの方が高く、K無しモデルよりは高性能であることが基本のため、オーバークロックしないならK無しの方が良いとは限らない点は注意です。
Intel CPUの一部(基本Core i9)では、Adaptive Boost Technology(以下:ABT)と呼ばれる、温度制限付きで動的にクロックを引き上げてくれるブースト機能を利用することができます。実質的には自動のオーバークロック機能のような感じです。しかし、普通のオーバークロックは保証の対象外となるのに対し、ABTは保証の範囲内となります。温度制限下で動作する上に保証の範囲でもあるため、手軽に利用できるものになっています。
ブースト機能なんてほとんどのCPUにあるじゃんと思う方も居るかもしれませんが、ABTは少し異なります。一般的なブーストといえば、引き上げられるクロックはあくまで仕様の最大クロックまでです。ABTが従来のブースト機能と違うのは、公式機能で本来のクロック制限を超えての動作が許容されている点です(温度制限内なら)。これが自動オーバークロック機能などと表現される理由です。
ただし、元々非常に発熱が多いハイエンドCPUでしか基本利用できない機能であり、更に消費電力や発熱が増加することになりますから、利用する際には非常に高性能なクーラーを使用している場合に限った方が良いと思います。
CPUクーラー
CPUにはクーラーによる冷却が重要です(ノートPCやタブレット向けのCPUではファンレス駆動向け製品もありますが)。
CPUの冷却が間に合わないと「サーマルスロットリング」という機能が働き、クロックを下げることで低温化を図るため、性能が低下する恐れがあります。そのため、CPUの消費電力に合わせたクーラーを導入することが重要です。
Intel製CPUではTDPが65W以下のモデルではクーラーが付属していますが、基本的に性能は良くないので別のものを使用することが望ましいです。BTOパソコン等では、何もしなくても何かしらのクーラーが搭載されていますが、コスト削減のため冷却性能が十分でないクーラーを標準採用しているケースも多いです。事前に確認しておきましょう。
また、特に空冷クーラーの場合にはPCケースのエアフロー(排熱性)も非常に重要となるため、そこも最低限確保しておくことを意識しましょう。これは、空冷クーラーはPCケース内部の空気を冷却に使用するためです。
ただし、どのくらいのCPUにどのくらいのクーラーが必要なのかわからないという人も居ると思うので、ざっくりとした目安を表にまとめています。参考までにご覧ください。第13世代Coreシリーズ基準です。
CPU | 推奨クーラー |
---|---|
Core i9(K) Core i7(K) |
簡易水冷 (280mm以上のラジエーター) |
Core i9(無印) Core i7(無印) Core i5(K) |
簡易水冷 (240mm以上のラジエーター) 大型空冷 (120mm以上のファン2基 or 140mmのファン1基) |
Core i5(無印) | 簡易水冷 (120mm以上のラジエーター) 空冷 (120mm以上のファン1基以上) ※120mmファン1基の空冷だと最大性能を出すにはちょっと厳しいかも。 高負荷な処理をたくさんする前提じゃなければOK。 |
Core i3 | 付属クーラー 空冷 (92mm以上のファン1基以上) |
記事はここまでになります。ご覧いただきありがとうございました。
また、CPUのその他の情報に関しては、下記の記事も参考になるかもしれません。良ければご覧ください。
説明がとてもわかり易かったです。
最初は10900kを使おうと思っていたのですが11700kのほうが良いということがわかってよかったです
とても分かりやすい記事をありがとうございます。
当方corei7 9700KFというモデルを使っています。
マザーボードがオーバークロックできないものでKのものでなくてもよかったかなと思いましたがベースのものよりも性能高いんですね。この記事に出会わなければわからなかったことです。あと内臓GPU非搭載というのは何かデメリットなどはあるのでしょうか。わたしのPCにはグラフィックボード積んでいます。
内蔵GPU非搭載のデメリットは、グラフィックボードを利用する前提ならほぼ無いと思います。
強いていうなら、グラフィックボードが故障して使えなくなった際に画面が表示する事ができない事や、グラフィックボードを搭載しにくい超小型PCでの利用が難しいというくらいだと思います。
追記:内蔵GPU非搭載モデルではQSVエンコードを利用する事ができません。恐らく大丈夫とは思いますが、積んでいるグラフィックボードがハードウェアエンコード未対応だった場合には困る可能性はあります。
Kが付かないとOCってできないのですか?
いいえ、必ずしもそうではありません。ですが、”Intelの主流CPU”内なら、基本的にその認識でも構わないです。
「Core X(Extreme Edition)」というシリーズは末尾がXでOC可能ですが、非常に高価かつ消費電力が多いため一般向けではありませんし、以前に末尾CのCPUでOC対応のものがありましたが、現在は恐らく廃止されている、など例外はあります。
また、AMD製のCPUでは末尾Kは関係なく、無印でもOCに対応していたりします。
Core i3:エントリー~ミドルレンジ の説明で
悪い点:消費電力(発熱)が少ない
とありますが、冬場の暖房器具としての性能かな?
確認不足でした。「良い点」の間違いですね。申し訳ございません。訂正いたしました。