2022年5月時点のデスクトップ向けGPUの現在価格と高騰具合のまとめです。
本記事の内容は記事執筆時点(2022年5月25日)のものであり、ご覧になっている際には異なる可能性があるため注意してください。
追記:RTX 2060の希望小売価格(MSRP)を実際よりも50ドル高い349ドルと表記していました。お詫びして訂正いたします。
概要
長らく続いたGPUの高騰ですが、数ヶ月前からようやく値下がり傾向へと転じているため、その動向の調査を行う記事です。現在のGPUの市場価格と予想適正価格との差を調べ、その値によって高騰具合を確かめていきます。先月の同時期にも同様の記事を投稿したので、そちらの結果も利用して価格動向も見ていきたいと思います。
懸念点はやはり、日本では以前よりも大幅に円安になっている点です。円安とGPU価格の詳しい関係について私にはわかりませんが、少なくとも主要GPUは国内では生産されていないことは確かなので、やはり影響は大きいのではないかと思います。また、世界情勢による影響も気になりますし、仮想通貨(マイニング)の影響もあると思います。
正直、私はその辺りについて詳しくはないため、とりあえず現在のGPU価格と高騰具合(適正価格と現在価格の差)を見ていきたいと思います。
適正価格の計算と市場価格について
本記事では、現在のGPUの販売価格に加え、本来の予想適正価格を載せています。
その計算方法ですが、それぞれのGPUにはメーカーの希望小売価格(ドル)が大体公開されているため、そこから為替や流通マージンなどを考慮して算出しています。内訳は、今回の記事では1ドル127円(記事執筆時点のおおよその為替レート)で計算し、流通などのマージンは全て合わせて雑に20%としています(ちょっと高いかも)。しっかりした比較ではないため、その点はご了承ください。
市場価格は筆者が各ショップや価格比較サイトを見回った際に、すぐに購入可能だった(在庫がある)ものの最安値です。また、特別なセール等で大幅に安い価格で販売されていたりすることもありますが、それが明らかな場合には筆者の判断で除外することもあるので、あらかじめご了承くださいませ。ただし、今月分については除外した価格はありません。
NVIDIA:GeForce
まずはNVIDIAのGeForceです。
GPU | 希望 小売価格 | 国内予測 適正価格 | 市場価格 ※2022年 5月25日時点 | 適正価格 との差 | 先月の価格 ※2022年 4月25日時点 | 先月比 |
---|---|---|---|---|---|---|
GeForce RTX 3090 Ti | 1,999ドル | ¥304,648 | ¥271,679 | -10.8% | ¥289,800 | -6.3% |
GeForce RTX 3090 | 1,499ドル | ¥228,448 | ¥217,417 | -4.8% | ¥249,800 | -13.0% |
GeForce RTX 3080 Ti | 1,199ドル | ¥182,728 | ¥159,800 | -12.5% | ¥165,800 | -3.6% |
GeForce RTX 3080 12GB | ?ドル | – | ¥132,000 | – | ¥147,500 | -10.5% |
GeForce RTX 3080 10GB | 699ドル | ¥106,528 | ¥120,800 | +13.4% | ¥129,800 | -6.9% |
GeForce RTX 3070 Ti | 599ドル | ¥91,288 | ¥85,800 | -6.0% | ¥89,800 | -4.5% |
GeForce RTX 3070 | 499ドル | ¥76,048 | ¥77,800 | +2.3% | ¥86,800 | -10.4% |
GeForce RTX 3060 Ti | 399ドル | ¥60,808 | ¥69,800 | +14.8% | ¥73,800 | -5.4% |
GeForce RTX 3060 | 329ドル | ¥50,140 | ¥51,980 | +3.7% | ¥58,200 | -10.7% |
GeForce RTX 3050 | 249ドル | ¥37,948 | ¥40,201 | +5.9% | ¥42,980 | -6.5% |
GeForce RTX 2060 12GB | 299ドル | ¥45,568 | ¥48,660 | +6.8% | ¥50,800 | -4.2% |
GeForce RTX 2060 6GB | 299ドル | ¥45,568 | ¥44,360 | -2.7% | ¥48,840 | -9.2% |
GeForce GTX 1660 Ti | 279ドル | ¥42,520 | ¥34,800 | -18.2% | ¥40,800 | -14.7% |
GeForce GTX 1660 SUPER | 229ドル | ¥34,900 | ¥36,959 | +5.9% | ¥43,901 | -15.8% |
GeForce GTX 1650 GDDR6 | 149ドル | ¥22,708 | ¥26,546 | +16.9% | ¥26,980 | -1.6% |
前月と同じように値下げ傾向は継続しています。前月より全モデルが値下がりです。そろそろ円安の影響が出てきて影響があるかとも思っていましたが、特には変わらない印象です。
主要モデルでは前月から5%~10%の値下がりが見られます。予想適正価格を下回るモデルも増えており、もう高騰とまではいかないレベルに落ち着いている印象です。
これまでRTX 30シリーズで特に人気かつ高騰していたのは「3060 Ti / 3070 / 3080 10GB」の3モデルだと思われ、2022年2月時点では3モデルとも予想適正価格よりも50%以上の高騰が見られましたが、今ではいずれもかなり価格が落ち着いてきており、3060 Tiと3080は約14%前後のプラスに留まっています。
そして意外だったのは3070で、ここにきて一気に値下がりして適正価格よりわずかに高い(+2.3%)程度になっています。3070 Tiが台頭してきたことと、マイニング需要の低下が大きかったのかなと思います。今ならGPU単体コスパは非常に良いと思います。
ただし気になるのは次世代GPUです。RTX 40シリーズの登場が近付いてきており、それが値下がりを後押ししている可能性もあります。その影響を受けて適正価格に大分近付いたここから更に値下がりするのか、それともこの価格を維持するのかは来月以降にも注目したいところです。
AMD:Radeon RX
次にAMDのRadeonです。
GPU | 希望 小売価格 | 国内予測 適正価格 | 市場価格 ※2022年 5月25日時点 | 適正価格 との差 | 先月の価格 ※2022年 4月25日時点 | 先月比 |
---|---|---|---|---|---|---|
Radeon RX 6950 XT | 1,049ドル | ¥167,488 | ¥171,800 | +2.6% | ¥164,800 | – |
Radeon RX 6900 XT | 999ドル | ¥152,248 | ¥153,281 | +0.7% | ¥164,800 | -7.0% |
Radeon RX 6800 XT | 649ドル | ¥98,908 | ¥129,800 | +31.2% | ¥122,482 | +6.0% |
Radeon RX 6800 | 579ドル | ¥88,240 | ¥114,800 | +30.1% | ¥119,980 | -4.3% |
Radeon RX 6750 XT | 549ドル | ¥83,668 | ¥88,800 | +6.1% | ¥82,800 | – |
Radeon RX 6700 XT | 479ドル | ¥73,000 | ¥79,580 | +9.0% | ¥82,800 | -3.9% |
Radeon RX 6650 XT | 399ドル | ¥60,808 | ¥62,800 | +3.3% | ¥59,800 | – |
Radeon RX 6600 XT | 379ドル | ¥57,760 | ¥53,800 | -6.9% | ¥59,800 | -10.0% |
Radeon RX 6600 | 329ドル | ¥50,140 | ¥43,800 | -12.6% | ¥45,980 | -4.7% |
Radeon RX 6500 XT | 199ドル | ¥30,328 | ¥27,000 | -11.0% | ¥24,979 | +8.1% |
Radeon RX 6400 | 149ドル | ¥22,708 | ¥21,980 | -3.2% | ¥25,300 | – |
AMDのRadeonも値下がり傾向は継続です。ただし、4%~7%程度の値下がりとなっておりGeForceよりも幅が小さい他、6800 XTなど一部モデルでは若干の値上がりが見られます。
コスパと電力効率的に特に魅力のある「6800 / 6800 XT」が依然として予想適正価格よりも約30%程度も高騰している状況となっており、GeForceよりも高騰幅が大きいです。マイニング需要で見れば相当良い二つですが、レイトレーシング性能的にゲーミング需要は恐らくRTX 3080やRTX 3070にやや劣ると思うので、その二つよりも高価なのは微妙そうです。次世代GPUも近付いてGeForceが順調に値下がりしている中でこの価格では売れ残ってしまう確率が高いのではと心配してしまいます。
これまで特に良いコスパを示していた「6600 / 6600 XT」は更に少し値下げとなり、コスパが更に良くなりました。ただし、特にGeForce側が全体的に値下げされてきている上、対抗のRTX 3060が大きめの値下げとなっているため、立ち位置は変わらない感じではあるものの、相対的には安さという強みが若干薄れてきている印象もあります。とはいえ、今でもミドルレンジ帯では非常に強力な2モデルになっていると思います。
新たに追加された末尾50番台の「6650 XT / 6750 XT / 6950 XT」の3つですが、正直目立ったモデルはなく、発売から間もないため価格が少し高いこともあり、あえて選ぶ必要性は今は無さそうです。
現在価格から見たコスパと電力効率
価格比較の次は、コスパと電力効率です。
Windowsのゲーム用の主要APIのDirectX 12(DX12)と、レイトレーシング用のDirectX Raytracing(DXR)の3DMarkのベンチマークスコアを利用し、2022年5月25日時点の価格を基に算出しています。
電力効率に関しては価格との関連性はないですが、追加モデルが少しだけあったことと、購入の参考になる部分という事で載せています。
DX12性能:3DMark Time SpyのGraphics Scoreです。DirectX 12(DX12)の1440pゲーミングのベンチマークスコアになります。新しめの3Dゲームで主流の方式(API)です。
レイトレ性能:3DMark Port Royalのスコアです。DirectX Raytracing(DXR)のベンチマークスコアになります。
コスパ:1円あたりの性能スコアです。小数点以下が多すぎて見難いので、各数値100倍して見易い数値にしています。
電力効率:1Wあたりの性能スコアです。
性能スコアの参考:https://www.3dmark.com/
GPU | 市場価格 (22/5/25 時点) | TDP | DX12性能 (3DMark Time Spy) | レイトレ性能 (3DMark Port Royal) |
---|---|---|---|---|
RX 6950 XT | ¥171,800 | 335W | 22,236 | 10,946 |
RTX 3090 Ti | ¥271,679 | 450W | 21,977 | 14,844 |
RX 6900 XT | ¥153,281 | 300W | 20,062 | 10,365 |
RTX 3090 | ¥217,417 | 350W | 19,932 | 13,641 |
RTX 3080 Ti | ¥159,800 | 350W | 19,608 | 13,297 |
RX 6800 XT | ¥129,800 | 300W | 18,792 | 9,545 |
RTX 3080 10GB | ¥120,800 | 320W | 17,692 | 11,564 |
RX 6800 | ¥114,800 | 250W | 15,456 | 7,783 |
RTX 3070 Ti | ¥85,800 | 290W | 14,825 | 8,871 |
RTX 3070 | ¥77,800 | 220W | 13,789 | 8,302 |
RX 6750 XT | ¥88,800 | 250W | 13,492 | 6,447 |
RX 6700 XT | ¥79,580 | 230W | 12,574 | 5,941 |
RTX 3060 Ti | ¥69,800 | 200W | 11,893 | 6,978 |
RX 6650 XT | ¥62,800 | 180W | 9,746 | 4,786 |
RX 6600 XT | ¥53,800 | 160W | 9,698 | 4,407 |
RTX 3060 | ¥51,980 | 170W | 8,867 | 5,157 |
RX 6600 | ¥43,800 | 132W | 8,065 | 3,779 |
RTX 2060 12GB | ¥48,660 | 184W | 7,996 | 4,443 |
RTX 2060 6GB | ¥44,360 | 160W | 7,661 | 4,152 |
GTX 1660 Ti | ¥34,800 | 120W | 6,403 | 1,654 |
RTX 3050 | ¥40,201 | 130W | 6,278 | 3,605 |
GTX 1660 SUPER | ¥39,959 | 125W | 6,122 | 1,566 |
RX 6500 XT | ¥27,000 | 107W | 4,975 | 483 |
GTX 1650 GDDR6 | ¥26,546 | 75W | 3,669 | – |
RX 6400 | ¥21,980 | 53W | 3,496 | – |
DX12でのコスパ
GPU | コスパ |
---|---|
RX 6500 XT | 18.4 |
RX 6600 | 18.4 |
GTX 1660 Ti | 18.4 |
RX 6600 XT | 18.0 |
RTX 3070 | 17.7 |
RTX 3070 Ti | 17.3 |
RTX 2060 6GB | 17.3 |
RTX 3060 | 17.1 |
RTX 3060 Ti | 17.0 |
GTX 1660 SUPER | 16.6 |
RTX 2060 12GB | 16.4 |
RX 6400 | 15.9 |
RX 6700 XT | 15.8 |
RTX 3050 | 15.6 |
RX 6650 XT | 15.5 |
RX 6750 XT | 15.2 |
RTX 3080 10GB | 14.6 |
RX 6800 XT | 14.5 |
RTX 3080 12GB | 14.3 |
GTX 1650 GDDR6 | 13.8 |
RX 6800 | 13.5 |
RX 6900 XT | 13.3 |
RX 6950 XT | 12.9 |
RTX 3080 Ti | 12.3 |
RTX 3090 | 9.2 |
RTX 3090 Ti | 8.1 |
恐らく現在最も主流であるDX12のコスパです。
やはり注目したいのは「RTX 3070」です。元々高性能かつコスパも悪くないモデルとして人気ながら大きめの値下げとなったため、かなり上位に食い込んできました。「RTX 3070 Ti」も追い抜いています。非常に魅力的だと思います。
また、前月から上位だった「RX 6600 / RX 6600 XT」は今月も相変わらず上位で魅力的です。ただし、値下がり幅の大きかったRTX 3060やRTX 3070との差がわずかに縮まっています。依然として強力なコスパのミドルレンジGPUではあるものの、わずかに地位を下げた印象です。
DX12での電力効率
GPU | 電力効率 |
---|---|
RX 6900 XT | 67.8 |
RX 6950 XT | 66.4 |
RX 6400 | 66.0 |
RTX 3070 | 62.7 |
RX 6800 XT | 62.6 |
RX 6800 | 61.8 |
RX 6600 | 61.1 |
RX 6600 XT | 60.6 |
RTX 3060 Ti | 59.5 |
RTX 3090 | 56.9 |
RTX 3080 Ti | 56.0 |
RTX 3080 10GB | 55.3 |
RX 6700 XT | 54.7 |
RX 6650 XT | 54.1 |
RX 6750 XT | 54.0 |
RTX 3080 12GB | 53.9 |
GTX 1660 Ti | 53.4 |
RTX 3060 | 52.2 |
RTX 3070 Ti | 51.1 |
GTX 1660 SUPER | 49.0 |
GTX 1650 GDDR6 | 48.9 |
RTX 3090 Ti | 48.8 |
RTX 3050 | 48.3 |
RTX 2060 6GB | 47.9 |
RX 6500 XT | 46.5 |
RTX 2060 12GB | 43.5 |
DX12での電力効率です。価格が影響しないため前月とほぼ同じ内容です。RX 6000の末尾50のリフレッシュモデルが追加されましたが、正直元モデルの方で良いので、全体としては特に変わりないです。
トップは変わらずRX 6900 XTです。規格外の価格のハイエンドモデルという印象もあると思いますが、前月から約1万円程度安くなり、今では15万円台で購入できるGPUになっています。高騰時のRTX 3080レベルの価格にまで落ち着いてきており、今ではみんなが思っているほどは規格外ではないモデルになっていると思うので、電力効率重視のハイエンドモデルとしては普通に選択肢に入るかもしれません。ですが、RTX 40シリーズの登場が近付いてきており、ハイエンドモデルは大体次世代が登場すると色々と微妙なモデルになりがちなので、そこが懸念点ではあると思います。
他に上位で魅力的なモデルは「RTX 3070 / RTX 3060 Ti / RX 6600 XT / RX 6600」あたりです。どれも前月より値下がりしてコスパが良くなっています。前述のコスパでもどれも優秀だったので、基本的には効率重視ならこの中のどれかを選ぶのが無難かなと思います。
中でも特にRTX 3070は大きめの値下がりだったため、元々良かった電力効率に加えてコスパでもトップレベルとなったためかなり良いと思います。他の3モデルも素晴らしいですが、素の性能も高い上にレイトレーシング性能も低くないRTX 3070が総合コスパではやはり有利な印象です。
レイトレーシングでのコスパ
GPU | コスパ |
---|---|
RTX 3070 | 10.7 |
RTX 3070 Ti | 10.3 |
RTX 3060 Ti | 10.0 |
RTX 3060 | 9.9 |
RTX 3080 10GB | 9.6 |
RTX 3080 12GB | 9.4 |
RTX 2060 6GB | 9.4 |
RTX 2060 12GB | 9.1 |
RTX 3050 | 9.0 |
RX 6600 | 8.6 |
RTX 3080 Ti | 8.3 |
RX 6600 XT | 8.2 |
RX 6700 XT | 7.5 |
RX 6800 XT | 7.4 |
RX 6650 XT | 7.3 |
RX 6750 XT | 7.3 |
RX 6800 | 6.8 |
RX 6900 XT | 6.8 |
RX 6950 XT | 6.4 |
RTX 3090 | 6.3 |
RTX 3090 Ti | 5.5 |
GTX 1660 Ti | 4.8 |
GTX 1660 SUPER | 4.2 |
RX 6500 XT | 1.8 |
RX 6400 | |
GTX 1650 GDDR6 |
レイトレーシングコスパでは、性能が高いRTXシリーズが上位を占めます。また、GeForceの方がわずかながら値下げ幅が大きかったので、RX 6000シリーズは更に相対的に価値をわずかに下げた感じになっています。
トップは価格が大きめに下がったRTX 3070となっています。DX12でも優れた数値を示していましたから、レイトレ性能も含めた総合コスパでは頭一つ抜けている印象です。
他モデルも全体的に値下がりしているため、RTX 30シリーズはRTX 3080 TiやRTX 3080などの超高価格モデルを除きどれも優れたレイトレコスパとなっています。「RTX 3080 10GB ~ RTX 3060」はどれも良い感じだと思います。
レイトレーシングでの電力効率
GPU | 電力効率 |
---|---|
RTX 3090 | 39.0 |
RTX 3080 Ti | 38.0 |
RTX 3070 | 37.7 |
RTX 3080 10GB | 36.1 |
RTX 3080 12GB | 35.6 |
RTX 3060 Ti | 34.9 |
RX 6900 XT | 34.6 |
RTX 3090 Ti | 33.0 |
RX 6950 XT | 32.6 |
RX 6800 XT | 31.8 |
RX 6800 | 31.1 |
RTX 3070 Ti | 30.6 |
RTX 3060 | 30.3 |
RX 6600 | 28.6 |
RTX 3050 | 27.7 |
RX 6600 XT | 27.5 |
RTX 2060 6GB | 26.0 |
RX 6700 XT | 25.8 |
RX 6750 XT | 25.8 |
RX 6650 XT | 25.6 |
RTX 2060 12GB | 24.1 |
GTX 1660 Ti | 13.8 |
GTX 1660 SUPER | 12.5 |
RX 6500 XT | 4.5 |
RX 6400 | |
GTX 1650 GDDR6 |
レイトレーシングでの電力効率です。価格に影響されない指標なので、追加モデル以外は前月と同じです。
レイトレの電力効率はレイトレ用のコアが多く搭載されるハイエンドGPUほど良くなる傾向があります。レイトレは非常に高負荷な処理なので、メモリも高性能なハイエンドGPUの方が有利ということもあると思います。
当然ながら電力効率でもやはりレイトレーシングではRTXシリーズの方が有利です。ただし、RX 6900 XTは悪くない数値を示しています。レイトレを重視するほどでないなら、ハイエンドの効率重視モデルとしてはRTX 3090よりは個人的には良さそうに思います。
トップ2の「RTX 3090 / RTX 3080 Ti」は価格的に一般向けとしては選択肢として外れることを考えると、実質トップはRTX 3070となります。ここでも優れたパフォーマンスを見せているRTX 3070は、「今」効率重視で選ぶなら文句無しの1位だと思います。
レイトレ効率で続くのは「RTX 3080 / RTX 3060 Ti」となっており、特にRTX 3060 Tiは他の面でも比較的優れたパフォーマンスを見せているので、予算を安くしたい場合の選択肢として優秀です。
RTX 3080については3070や3060 Tiと比べるとコスパでやや劣りますが、GeForce側のハイエンドモデルとしては比較的優れたコスパや効率となっているので、レイトレ重視のハイエンドモデルで、効率も出来るだけ妥協したくない場合には最有力となると思います。ここにきて12GBモデルも大きく値下がりしているので、メモリ性能を重視したい場合には12GBモデルも悪くないと思います。ただし、消費電力が少し増えて電力効率も若干落ちる点は注意です。
まとめ
2022年5月下旬時点でのGPU価格について見ていきました。
全体的には値下がり傾向は続いており良かったです。特にGeForceは全モデルが前月よりも値下がりしており、人気モデルも順調に値下がりしています。特にRTX 3070は元々コスパ的にも魅力的なモデルだったのにやや大きめの値下がりが見られ、「今」買うならかなりお得なモデルになっていると思います。
ただし、次世代のRTX 40シリーズの登場が近付いてきているため、今お得なGPUを買うのか、次世代を待つのかの選択が難しい時期です。基本的には次世代GPUの方が性能が大幅に高くなるので待った方がお得ですが、登場が近いとは言われているとはいえ、具体的な性能も価格も登場時期がわからないのが悩みどころです。
参考までにRTX 30シリーズとRTX 20シリーズの性能を比較してみましょう。例として、RTX 3070とRTX 2080の性能を比べてみると、3DMark Time Spy Graphics(DX12性能)ではRTX 3070の方が約24%も高くなっています。このように、次世代では前世代の上位モデルを大きく上回る性能で下位モデルが出てくる可能性も十分あり得ます。それだけでなく、メモリ性能や電力効率なども基本新しい世代の方が高性能です。
といったことを考えると、多少遅くなったり価格が高くなる可能性を考慮しても、次世代は待った方が正直無難に思えます。ですが、今既にゲーミングPCを持っている人ならまだしも、今ゲーミングPCを所持しておらずにPCゲームをやりたいという人が数ヶ月待つというのも厳しいです。時間はお金で買えません。
諸々考えて仮に今購入するとしたら、やはり出来るだけ効率的なモデルの方が損をしにくいのは確かなので、確認しておいて悪いことはないと思いますが、現状の情報だけ見てお得だから欲しい!ってなるのが逆に損となる可能性もある点は十分に留意しておきましょう。
といった感じで2022年5月分は終了です。高騰も収まりつつあり、動きが少ないようであればこの類の記事の価値も微妙になってきたかもしれない気もしますが、とりあえず次月は、結果に関わらずまた同様の記事を出したいと思います。出来ればまたそこでお会いしましょう。