メカニカルキーボードの軸の色毎の特徴の解説と、軸の色毎のおすすめ製品紹介です。
掲載の情報は記事更新時点(2021年9月30日)のものであり、ご覧になっている際には異なる可能性があるため注意してください。
軸の色ざっくり解説
まずはメカニカルキーボードの軸の特徴をざっくりと解説します。既にご存知の方は飛ばして頂いても構いません。
メカニカルキーボードの軸とは?
安価なキーボードでよく用いられる「メンブレン」や「パンタグラフ」等のキースイッチは、そのキースイッチの種類だけで特徴がかなり似たものになります。それに対し、メカニカルキーボードは決まった構造やパーツが無いため、スイッチ毎に性質が変わります。中でも「軸」は使用感に大きな影響を与えます。そのため、メカニカルキーボードを選ぶ際には、まず自分の好みにあった軸を見つけることが大切です。この「軸」ですが、性質を色によって分けるのが一般的となっており、「軸の色」から大まかな性質を掴むことが可能となっています。たとえば、「赤軸は打鍵音が小さめ」といった具合です。
性質と色の組み合わせはメーカー毎に多少異なりますが、メカニカルスイッチの最大手メーカーである「Cherry」が使用している軸を基準として覚えるのが一般的となっています。現在メカニカルキーボード市場の主要な軸色は、「赤軸・青軸・茶軸・Speed軸(銀軸)」の4つとなっています。これらの軸についてざっくりとした説明をこの後に載せています。また、本記事ではこの4つの軸のおすすめ製品も後で紹介していますので、よければそちらもご覧ください。

各軸の特徴ざっくりまとめ
各軸の特徴を表にまとめたものを載せています。
軸 |
音の大きさ
|
キーの軽さ
|
クリック感※1 | タクタイル※2 |
---|---|---|---|---|
赤軸 |
★★★(小さい)
|
★★★(軽い) | × | × |
茶軸 | ★★★(小さい) | ★★★(軽い) | △ | △ |
青軸 | ★★★(大きい) | ★★★(重い) | 〇 | 〇 |
銀軸 | ★★★(小さい) | ★★★(軽い) | × | × / △ |
各軸の特徴まとめ
各軸色について補足説明をしています。もうちょっと詳しく知りたいという方はご覧ください。
赤軸

- 打鍵音が小さい(メカニカルにしては)
- タクタイル・クリック感がない
- キーが軽い
タクタイル:なし
クリック感:なし
タクタイルとクリック感が無く、軽いキータッチが特徴。打鍵音もメカニカルの中では比較的小さめのライトタイプの軸。軽いキー特性により高速入力にも向きますが、キーストロークはメンブレンやパンタグラフと比べると深めな場合が多いです。
>>赤軸おすすめ製品
青軸

- 独特で大きい打鍵音(金属っぽい)
- しっかりとしたクリック感
- キーが重い
タクタイル:あり
クリック感:しっかりとあり
しっかりとしたタクタイルとクリック感による明確な入力感が魅力。キーは重めで、カチンとかパチンと言った類の金属っぽい打鍵音が特徴。底打ちタイプで一つ一つのキー入力をしっかりと感じたい人におすすめの軸です。
>>青軸おすすめ製品
茶軸

- ソフトなタクタイル
- キーが軽い
タクタイル:ソフトにあり
クリック感:なし?※
軽いキータッチとソフトなタクタイルによる軽快な入力感が魅力。打鍵音は小さめですが、ソフトなタクタイルによる擦れるような音が混じります。打鍵音が小さめで、その他の特性も癖が強すぎない程度に取り入れられているので、入門用におすすめの使い易い軸です。
※クリック感は仕様上はないはずですが、製品によっては感じるものがあります(主観です)。恐らくはタクタイルの影響だと思われますが、クリック感のない製品をお求めの方は注意してください。
>>茶軸おすすめ製品
銀軸

- 反応点とキーストロークが浅い
- キーが軽い
タクタイル:なし/ソフトにあり
クリック感:なし
高速入力に特化した軸。軽いキータッチに浅い接点とキーストロークも備えているのが特徴。他のメカニカルスイッチでは、一般的なスイッチよりキーストロークが深めな事が基本で、高速入力をしたいなら底打ちしないようにしなければなりませんでしたが、この銀軸(Speed軸)ではキーストロークも浅めに設計されているので、底打ちしても問題ありません。撫で打ちも当然できるので、高速入力をしたいなら人を選ばず使える軸。
>>銀軸おすすめ製品
おすすめ製品
おすすめメカニカルキーボード早見表
メーカー 製品名 |
価格 | 軸色 | 反応点 | キー ストローク |
テンキー | 無線 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
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K60 PRO | 7,330円 | 赤軸系 | 2.0mm | 4.0mm | 〇 | × |
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K63 Compact | 8,800円 | 赤軸 | 2.0mm | 4.0mm | × | × |
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G512 Carbon リニア | 11,000円 | 赤軸 | 2.0mm | 4.0mm | 〇 | × |
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K68 RGB Cherry MX Red | 11,980円 | 赤軸 | 2.0mm | 4.0mm | 〇 | × |
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G512 Carbon クリッキー | 11,000円 | 青軸 | 2.0mm | 4.0mm | 〇 | × |
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BlackWidow V3 TKL JP Classic Green | 9,500円 | 青軸系 | 1.9mm | 4.0mm | × | × |
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BlackWidow Lite JP オレンジ軸 | 9,980円 | 茶軸系 | 1.9mm | 4.0mm | × | × |
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G512 Carbon タクタイル | 11,000円 | 茶軸 | 2.0mm | 4.0mm | 〇 | × |
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BlackWidow V3 JP Yellow Switch | 11,980円 | 銀軸 | 1.2mm | 3.5mm | 〇 | × |
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K70 RAPIDFIRE Cherry MX Speed | 13,800円 | 銀軸 | 1.2mm | 3.4mm | 〇 | × |
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G813 | 16,800円 | 赤軸系 茶軸系 青軸系 |
1.5mm | 3.0mm | 〇 | × |
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K70 RGB MK.2 RAPIDFIRE MX Speed | 14,500円 | 銀軸 | 1.0mm | 3.2mm | 〇 | × |
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Apex Pro JP | 24,400円 | 磁気 センサー |
0.4mm ~3.6mm |
3.6mm | 〇 | × |
軸の色別のおすすめ製品紹介です。コスパ重視で選定しています。
K60 PRO(Corsair)

主要スペック表 | |||
キースイッチ | Cherry Viola | ||
---|---|---|---|
キーストローク | 4.0mm | ||
テンキー | あり | ||
接続 | 有線 | ||
価格 | 約7,330円(2021年9月28日時点) | ||
販売ページ |
CorsairのCherry Violaスイッチ採用の格安ゲーミングキーボードです。スイッチは赤軸に似たリニアタイプですが、底へ近づくと押下圧が強くなる(要するにキーが重くなる)という点が異なります。底打ちをしたくないタイプの人には特に適しています。
有名メーカーのライティング対応のフルメカニカルが約7,400円(2021年5月時点)という破格の安さで、コスパが非常に良いです。軸も癖が比較的少ないものなので、メカニカル入門用にもおすすめできます。ライティングはRGB対応版もあります(少し高くなります)。
K63 Compact(Corsair)

コンパクトなテンキーレスの赤軸キーボードです。ゲーミングキーボードなのでゲーム用の設定も可能です。メディアコントロールキーはありますが、シンプルな製品です。有名メーカーの赤軸製品にしては安価なので「余計な機能のないコンパクトな赤軸のゲーミングキーボードが欲しい」という人におすすめです。バックライトは赤色のみ対応なので、こだわりのある方は注意です。
G512 Carbon リニア(ロジクール)

主要スペック表 | |||
キースイッチ | GX Red(赤軸) | ||
---|---|---|---|
キーストローク | 4.0mm | ||
テンキー | あり | ||
接続 | 有線 | ||
価格 | 約11,000円(2021年9月30日時点) | ||
販売ページ |
ロジクールの赤軸系スイッチ採用のフルキーボードです。艶消しのアルミボディがかっこいいです。RGBライティングに対応した有名メーカーのフルメカニカルが1万円ちょっとで買えるのはコスパが良いです。
K68 RGB Cherry MX Red(Corsair)

主要スペック表 | |||
キースイッチ | Cherry MX red(赤軸) | ||
---|---|---|---|
キーストローク | 4.0mm | ||
テンキー | なし | ||
接続 | 有線 | ||
価格 | 約11,980円(2021年9月30日時点) | ||
販売ページ |
CorsairのRGBライティングに対応した赤軸のフルキーボードです。IP32の防水・防塵性能もある他、パームレストも付属しています。価格の割に高機能でコスパが良いと思います。特に、メカニカルで防水性能があるのは珍しいので、飲み物をよくこぼしたりする人によっては嬉しい製品だと思います。
G512 Carbon クリッキー(ロジクール)

主要スペック表 | |||
キースイッチ | GX Blue(青軸系) | ||
---|---|---|---|
キーストローク | 4.0mm | ||
テンキー | あり | ||
接続 | 有線 | ||
価格 | 約11,000円(2021年9月28日時点) | ||
販売ページ |
ロジクールの青軸系スイッチ採用のフルキーボードです。艶消しのアルミボディが美しくかっこいいです。RGBライティングに対応した有名メーカーのフルメカニカルが、1万円ちょっとで買えるのはコスパが良いです。
BlackWidow V3 TKL JP Classic Green(Razer)

主要スペック表 | |||
キースイッチ | Razer Green Switch(青軸系) | ||
---|---|---|---|
キーストローク | 4.0mm | ||
テンキー | なし | ||
接続 | 有線 | ||
価格 | 約9,480円(2021年9月28日時点) | ||
販売ページ |
Razerの青軸系のスイッチ「Razar Green Switch」を採用したテンキーレスキーボードです。ライティングもRGBに対応しており、有名メーカーで約1万円はコスパが良いです。
BlackWidow Lite JP オレンジ軸 (Razer)

主要スペック表 | |||
キースイッチ | Razer Orange Switch(茶軸系) | ||
---|---|---|---|
キーストローク | 4.0mm | ||
テンキー | なし | ||
接続 | 有線 | ||
価格 | 約9,980円(2021年9月28日時点) | ||
販売ページ |
Razerの茶軸系のスイッチ「Razer Orange Switch」を採用した、コンパクトなテンキーレスのキーボードです。ボリュームコントールなどの機能はないシンプルな仕様です。このキーボードの最大の特徴は、付属の「O-リング」をキーキャップに装着する事で静音化できる点です。メカニカルキーボードが気になるけど、打鍵音の大きさが気になるという人には嬉しいと思います。ゲーミングキーボードながらライト層も意識されています。入門用として優れている製品だと思います。
G512 Carbon タクタイル(ロジクール)

主要スペック表 | |||
キースイッチ | GX Brown | ||
---|---|---|---|
キーストローク | 4.0mm | ||
テンキー | あり | ||
接続 | 有線 | ||
価格 | 約11,000円(2021年9月28日時点) | ||
販売ページ |
ロジクールの茶軸系スイッチ採用のフルキーボードです。艶消しのアルミボディがかっこいいです。RGBライティングに対応した有名メーカーのフルメカニカルが1万円ちょっとで買えるのはコスパが良いです。
BlackWidow V3 JP Yellow Switch(Razer)

主要スペック表 | |||
キースイッチ | Razer Yellow Switch(Speed軸系) | ||
---|---|---|---|
キーストローク | 3.5mm | ||
テンキー | あり | ||
接続 | 有線 | ||
価格 | 約11,980円(2021年9月30日時点) | ||
販売ページ |
RazerのYellow Switch(Speed軸系)を採用したフルキーボードです。RGBライティングに対応している他、パームレストが付属しています。Speed軸系はやや高価な製品が多いのですが、この製品は赤軸などと同じ価格で販売されておりコスパが良いです。
K70 RAPIDFIRE Cherry MX Speed(Corsair)

主要スペック表 | |||
キースイッチ | Cherry MX speed(銀軸) | ||
---|---|---|---|
キーストローク | 3.4mm | ||
テンキー | あり | ||
接続 | 有線 | ||
価格 | 約13,800円(2021年9月28日時点) | ||
販売ページ |
Corsairの銀軸系スイッチ「Cherry MX Speed」採用のフルキーボードです。1.2mmと非常に浅いアクチュエーションポイント(反応点)で、高速入力向けの仕様となっています。ボリュームとメディアコントロール機能も付いている他、取り外し可能なパームレスト(キーボード手前に置き手首の負担を軽減させるもの)も付属しています。ライティングは赤色のみ対応なのでこだわりたい方は注意です。
ただし、従来のメカニカルスイッチよりも高価になっているのが基本で、2021年9月現在では「コスパ」という点ではあまり良くない事が多いです。見た目や浅いストロークと反応点を特に重視したい人向けです。
G813(ロジクール)

主要スペック表 | |||
キースイッチ | コンパクトGLスイッチ (リニア / タクタイル / クリッキー) |
||
---|---|---|---|
キーストローク | 3.0mm | ||
テンキー | あり | ||
接続 | 有線 | ||
価格 | 約16,800円(2021年9月28日時点) | ||
販売ページ |
ロジクール開発の薄型スイッチ「コンパクトGLスイッチ」を採用したキーボードです。従来のメカニカルキーボードは高さが40mm前後くらいなのに対し、22mmという驚異の薄さを実現しています。パームレストが無くても、従来のメカニカルキーボードより比較的快適なタイピングが可能となっています。
キーストロークは3.0mm(スイッチ自体の仕様は2.7mm)で反応点は1.5mmとなっています。メカニカルにしては浅いストロークと反応点となっています。そのため、キースイッチは赤軸系の「リニア」、茶軸系の「タクタイル」、青軸系の「クリッキー」の3種類が用意されていますが、大まかな特性は全てSpeed軸に近いと思います。
バックライトは搭載しており調節可能です。ホットキー類も完備している他、カスタマイズ用の個別キーが「G1」~「G5」まで5つ用意されています。この個別キーが非常に便利で、作業を効率化してくれます。
見た目もおしゃれで非常に魅力的ですが、価格が非常に高いです。約16,800円(2021年9月時点)は、有線キーボードとしてはかなり高価です。予算に余裕がある人やどうしても気になる人向けです。
K70 RGB MK.2 RAPIDFIRE MX Speed[Corsair]

主要スペック表 | |||
キースイッチ | Cherry MX Low Profile Speed |
||
---|---|---|---|
キーストローク | 3.2mm | ||
テンキー | あり | ||
接続 | 有線 | ||
価格 | 約14,500円(2021年9月28日時点) | ||
販売ページ |
薄型のSpeed軸「Cherry MX Low Profile Speed」採用キーボードです。従来の軸よりも約35%高さが低くなっており、本体の厚さが29mmまで薄くなっています。パームレストが無くても、従来のメカニカルキーボードより比較的快適なタイピングが可能となっています。
ロープロファイル仕様のSpeed軸ということで1.0mmと非常に浅い反応点で、高速入力向けです。慣れない内は誤入力が多発する可能性もあるレベルの反応点の浅さですが、慣れれば非常に速いタイピングが可能になります。
バックライトは調節可能で、ボリューム調節ダイヤル等も付いている他、取り外し可能なパームレスト(キーボード手前に置き手首の負担を軽減させるもの)も付属しています(ただ、パームレストについては本体が薄いため必要性は正直薄くも感じます)。
やはりネックは価格。約17,200円(2021年5月時点)はやはり高いです。Speed軸が他の軸より全体的に高いこともありますし、その上での薄型仕様なので、コスパとしては凄く悪いという訳ではないのかもしれませんが、やっぱり高いは高いです。予算に余裕がある人やどうしても気になる人向けです。
Apex Pro JP[SteelSeries]

主要スペック表 | |||
キースイッチ | OmniPointスイッチ (反応点調節可能) |
||
---|---|---|---|
キーストローク | 3.6mm | ||
テンキー | なし | ||
接続 | 有線 | ||
価格 | 約24,400円(2021年9月28日時点) | ||
販売ページ |
SteelSeries独自開発の「OmniPointスイッチ」採用のキーボードです。かなり特殊なスイッチとなっており、反応点が調節可能という機能があります。0.4mm~3.6mmの間で調節が可能です。
そして、もう一つの特殊な仕様で、各種設定を確認・変更できる有機ELディスプレイを搭載しているという点があります。従来は多くのダイヤルやキー類を用意して実装する機能を、小さな有機ELディスプレイ一つでカバーできるため、本体サイズが機能性の割にコンパクトになっています。具体的には、ホットキー類を搭載したキーボードの縦幅が大体150mm~170mmぐらいなのに対し、本製品は139mmです。テンキーレス版では横幅も小さいので、かなりコンパクトです。
また、取り外し可能なパームレスト(キーボード手前に置き手首の負担を軽減させるもの)を付属しています。
特にコンパクトなゲーミングキーボードを好む人には受けそうな製品ですが、価格がとにかく高いです。有線で個別キーもなく、薄型でもないのに約26,000円(2021年1月時点)は非常に高価です。他のキーボードにはない特殊で魅力的な要素が二つもあるとはいえ、よほど気にならない限りはちょっとためらってしまいそうな金額となっています。
「反応点が調節可能なキースイッチ」、「有機ELディスプレイ搭載とそれによる本体の縦幅の縮小化」この2点を魅力に感じれるかどうかの製品だと思います。