メカニカルキーボードの軸の特徴の解説と、おすすめ製品紹介です。
軸の色ざっくり解説
まずはメカニカルキーボードの軸の特徴をざっくりと解説します。既にご存知の方は飛ばして頂いても構いません。
- 軸:メカニカルキーボードのキー内部の支点およびスイッチのことまず、「軸」について簡単な説明です。軸とはメカニカルキーボードのキー内部の支点やスイッチの構造のことを指します。メカニカルキーボードはメンブレンやパンタグラフと異なり、決まった構造が無くスイッチの種類によって性質が変わるため、メカニカルだけでは性質を表現できないため、加えて軸を性質を知る要素の一つとして扱っているという感じです。下記から主要な軸についてそれぞれ簡単に説明しています。
- 赤軸:打鍵音が比較的小さくて軽いキータッチのライト軸赤軸は比較的ライトで癖の少ない軸です。メカニカルキーボードは全体的にメンブレンなどよりは打鍵音が大きいのが特徴の一つですが、赤軸は比較的小さめの打鍵音なので導入しやすいです。また、キーも軽めに作られていることもあり、癖が少なく使いやすい軸です。入門用に特におすすめの軸です。
- 青軸:独特な打鍵音でしっかりとしたフィードバックのあるややヘビーな軸青軸はややヘビーな特殊な軸です。最近では「クリッキー」と呼ばれることも多いです。最大の特徴は金属っぽさのある独特で大きめの打鍵音です。また、キーはやや重めで、作動点ではしっかりとしたタクタイル(引っかかり)があるため、確実なフィードバックを得ることが出来るのがメリットです。一般的なキーボードのようなキー入力と異なり、カチカチ鳴るスイッチを押している感じから、クリック感が強いとも表現されることがあります。打鍵音が独特で大きな点もあり、ややヘビーでライト向けではない軸だと思います。
- 茶軸:ソフトなタクタイルで軽快な入力感茶軸はソフトなタクタイル(引っかかり)が特徴の軸です。最近では「タクタイル」と呼ばれることも多いです。作動点にソフトなタクタイルを用意することで、キーの重さや入力感を出来るだけ阻害することなくフィードバッグを得ることができます。赤軸と同様に癖が少なく入門用におすすめの軸ですが、打鍵音にソフトなタクタイルによる摺動音(擦れるような音)が混じるため、それが苦手な人は注意が必要です。
- 銀軸・Speed軸:浅い作動点で高速入力に特化銀軸・Speed軸は、浅い作動点で高速入力に特化した軸です。基本的に1.5mm未満の非常に浅い作動点を持つので、ほんの少し押し下げるだけ反応します。撫で打ちのようなタイピングで高速入力をしたい方に適している他、指の運動量も減らすことができるため、入力量が多い人には嬉しいです。ただし、底打ち派の人は一般的なキーボードよりも底打ちした際の指への衝撃がやや強くなることが予想される点は注意です。また、意味合いは少し異なりますが、ロープロファイルなどと呼ばれることが多い薄型のスイッチ(キーボード)ではキーの作動点も浅いことが多いので、それらも銀軸・Speed軸の性質を持っていると言えると思います。
- 上記だけでなくその他にも多くの軸が存在現在主要な軸は上記で説明しましたが、他にも多くの軸が存在します。全てを一つの記事で網羅するのは厳しいので、気になる人は各メーカーのサイトやキーボードの製品説明をご覧になると良いと思います。
メカニカルキーボードの軸とは
メカニカルキーボードの「軸」とは、メカニカルキーボードにおけるキー内部のスイッチ構造のことです。
安価なキーボードでよく用いられる「メンブレン」や「パンタグラフ」等のキースイッチと異なり、なぜ「軸」といった言い方をするかというと、メカニカルスイッチは他スイッチと異なり特定の決まった構造やパーツが無く、スイッチ毎に性質が変わるためです。そのため、特に性質に影響を与えるキー内部のキーを支える部分(軸)から、この性質のメカニカルスイッチは「〇軸」だ、みたいな感じで呼んでいます。また、メーカー側が性質ごとにある程度決まった軸の色をしていることも、この呼び方になった理由だと思います。
そのため、メカニカルキーボードを選ぶ際には、まず自分の好みにあった軸を見つけることが大切です。上でも触れましたが、メカニカルスイッチは性質を色によって分けるのが一般的となっており、「軸の色」から大まかな性質を掴むことが可能となっています。たとえば、「赤軸は打鍵音が小さめ」といった具合です。 性質と色の組み合わせはメーカー毎に多少異なりますが、メカニカルスイッチの最大手メーカーである「Cherry」が使用している軸を基準として覚えるのが一般的となっています。現在メカニカルキーボード市場の主要な軸色は、「赤軸・青軸・茶軸・Speed軸(銀軸)」の4つとなっています。これらの軸についてざっくりとした説明をこの後に載せています。また、本記事ではおすすめ製品も後に紹介していますので、そちらも良ければご覧ください。
また、下記の記事にして各スイッチについてもうちょっと詳しく触れているので、こちらも興味があればご覧ください。
各軸の特徴まとめ
各軸色について補足説明をしています。もうちょっと詳しく知りたいという方はご覧ください。また、軸の画像を引用して掲載していますが、これはキースイッチ大手のCherryのものであり、必ずしも画像のような構造となっているとは限らないのでご注意ください。
赤軸
- 打鍵音が小さい(メカニカルにしては)
- タクタイル・クリック感がない
- キーが軽い
タクタイル:なし
クリック感:なし
タクタイルとクリック感が無く、軽いキータッチが特徴。打鍵音もメカニカルの中では比較的小さめのライトタイプの軸。軽いキー特性により高速入力にも向きますが、キーストロークはメンブレンやパンタグラフと比べると深めな場合が多いです。
青軸
- 独特で大きい打鍵音(金属っぽい)
- しっかりとしたクリック感
- キーが重い
タクタイル:あり
クリック感:しっかりとあり
しっかりとしたタクタイルとクリック感による明確な入力感が魅力。キーは重めで、カチンとかパチンと言った類の金属っぽい打鍵音が特徴。底打ちタイプで一つ一つのキー入力をしっかりと感じたい人におすすめの軸です。
茶軸
- ソフトなタクタイル
- キーが軽い
タクタイル:ソフトにあり
クリック感:なし?※
軽いキータッチとソフトなタクタイルによる軽快な入力感が魅力。打鍵音は小さめですが、ソフトなタクタイルによる擦れるような音が混じります。打鍵音が小さめで、その他の特性も癖が強すぎない程度に取り入れられているので、入門用におすすめの使い易い軸です。 ※クリック感は仕様上はないはずですが、製品によっては感じるものがあります(主観です)。恐らくはタクタイルの影響だと思われますが、クリック感のない製品をお求めの方は注意してください。
銀軸
- 反応点とキーストロークが浅い
- キーが軽い
タクタイル:なし or ソフトにあり
クリック感:なし
高速入力に特化した軸。軽いキータッチに浅い接点とキーストロークも備えているのが特徴。他のメカニカルスイッチでは、一般的なスイッチよりキーストロークが深めな事が基本で、高速入力をしたいなら底打ちしないようにしなければなりませんでしたが、この銀軸(Speed軸)ではキーストロークも浅めに設計されているので、底打ちしても問題ありません。撫で打ちも当然できるので、高速入力をしたいなら人を選ばず使える軸。
おすすめ製品
おすすめメカニカルキーボード早見表
メーカー 製品名 | 参考価格 | 軸色 | 反応点 | キー ストローク | テンキー | 接続 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ロジクール K835 TKL | 7,500円 | 赤軸 青軸 | ?mm | 4.0±4mm | × | 有線 | |
ロジクール SIGNATURE K855 | 10,500円 | 赤軸 | ?mm | 4.0±4mm | × | 無線 | |
ROCCAT Pryo JP リニア | 6,250円 | 赤軸 | 2.0mm | 4.0mm | 〇 | 有線 | |
Korsair K60 RGB PRO SE | 11,000円 | 赤軸系 | 2.0mm | 4.0mm | 〇 | 有線 | |
ロジクール G512 Carbon | 11,000円 | 赤軸 青軸 茶軸 | 2.0mm | 4.0mm | 〇 | 有線 | |
Corsair K63 Cherry MX Red | 8,100円 | 赤軸 | 2.0mm | 4.0mm | × | 有線 | |
Razer BlackWidow Lite JP オレンジ軸 | 11,990円 | 茶軸系 | 1.9mm | 4.0mm | × | 有線 | |
Razer BlackWidow V3 TKL JP | 8980円 | Speed軸系 青軸系 | 1.9mm | 4.0mm | × | 有線 | |
Razer BlackWidow V3 JP | 11,980円 | Speed軸系 青軸系 | 1.2mm | 3.5mm | 〇 | 有線 | |
ロジクール G813 | 19,900円 | 赤軸系 茶軸系 青軸系 | 1.5mm | 3.0mm | 〇 | 有線 | |
Corsair K70 RGB PRO MX Speed | 16,600円 | Speed軸 | 1.0mm | 3.2mm | 〇 | 有線 | |
steelseries Apex Pro JP | 25,300円 | 磁気センサー | 0.4mm ~3.6mm | 3.6mm | 〇 | 有線 |
K835 TKL(ロジクール)
主要スペック表 | |||
キースイッチ | 赤軸 青軸 | ||
---|---|---|---|
キーストローク | 4.0±4mm | ||
テンキー | なし | ||
接続 | 有線 | ||
価格 | 約7,500円(2022年12月6日時点) | ||
販売ページ |
SIGNATURE K855 TKL(ロジクール)
主要スペック表 | |||
キースイッチ | 赤軸 | ||
---|---|---|---|
キーストローク | 4.0±4mm | ||
テンキー | なし | ||
接続 | 無線(USB / Bluetooth) | ||
価格 | 約10,500円(2022年12月6日時点) | ||
販売ページ |
Pryo JP リニア(ROCCAT)
主要スペック表 | |||
キースイッチ | 赤軸 | ||
---|---|---|---|
キーストローク | 4.0mm | ||
テンキー | あり | ||
接続 | 有線 | ||
価格 | 約6,250円(2022年12月6日時点) | ||
販売ページ |
ROCCATの安価で非常にコスパが良い赤軸ゲーミングキーボードです。
赤軸のRGBライティング対応のフルメカニカルキーボードが約6,250円(2022年12月時点)は非常に安くてコスパが良いです。しかもマグネット式の着脱可能なパームレストまで付属しています。
軸の詳細については記載がないため、恐らくは安価なものが採用されているであろうとはいえ、それを考慮しても非常にコスパが良い製品だと思います。見た目もかっこいですし、赤軸な上にキーボード上部にキーや余分なスペースが無くて思ったよりもコンパクトなので導入しやすく、入門用には素晴らしい製品だと思います。
K60 RGB PRO SE(Corsair)
主要スペック表 | |||
キースイッチ | Cherry Viola | ||
---|---|---|---|
キーストローク | 4.0mm | ||
テンキー | あり | ||
接続 | 有線 | ||
価格 | 約11,000円(2022年12月6日時点) | ||
販売ページ |
G512 Carbon (ロジクール)
主要スペック表 | |||
キースイッチ | GX Red(赤軸) GX Blue(青軸) GX Brown(茶軸) | ||
---|---|---|---|
キーストローク | 4.0mm | ||
テンキー | あり | ||
接続 | 有線 | ||
価格 | 約11,000円前後(2022年12月6日時点) | ||
販売ページ |
K63 Cherry MX Red(Corsair)
主要スペック表 | |||
キースイッチ | Cherry MX red(赤軸) | ||
---|---|---|---|
キーストローク | 4.0mm | ||
テンキー | なし | ||
接続 | 有線 | ||
価格 | 約8,100円(2022年12月6日時点) | ||
販売ページ |
BlackWidow Lite JP オレンジ軸 (Razer)
主要スペック表 | |||
キースイッチ | Razer Orange Switch(茶軸系) | ||
---|---|---|---|
キーストローク | 4.0mm | ||
テンキー | なし | ||
接続 | 有線 | ||
価格 | 約11,990円(2022年12月6日時点) | ||
販売ページ |
BlackWidow V3 TKL JP (Razer)
主要スペック表 | |||
キースイッチ | Razer Green Switch(青軸系) Razer Yellow Switch(Speed軸系) | ||
---|---|---|---|
キーストローク | 4.0mm | ||
テンキー | なし | ||
接続 | 有線 | ||
価格 | Green Switch:約8,980円 Yellow Switch:約8,980円 (2022年12月6日時点) | ||
販売ページ |
BlackWidow V3 JP(Razer)
主要スペック表 | |||
キースイッチ | Razer Yellow Switch(Speed軸系) Razer Green Switch(青軸系) | ||
---|---|---|---|
キーストローク | 3.5mm | ||
テンキー | あり | ||
接続 | 有線 | ||
価格 | 約11,980円(2022年12月6日時点) | ||
販売ページ |
G813(ロジクール)
主要スペック表 | |||
キースイッチ | コンパクトGLスイッチ (リニア / タクタイル / クリッキー) | ||
---|---|---|---|
キーストローク | 3.0mm | ||
テンキー | あり | ||
接続 | 有線 | ||
価格 | 約19,900円(2022年12月6日時点) | ||
販売ページ |
K70 RGB MK.2 RAPIDFIRE MX Speed[Corsair]
主要スペック表 | |||
キースイッチ | Cherry MX Speed Silver | ||
---|---|---|---|
キーストローク | 3.4mm? | ||
テンキー | あり | ||
接続 | 有線 | ||
価格 | 約16,600円(2022年12月6日時点) | ||
販売ページ |
Apex Pro JP[SteelSeries]
主要スペック表 | |||
キースイッチ | OmniPointスイッチ (反応点調節可能) | ||
---|---|---|---|
キーストローク | 3.6mm | ||
テンキー | なし | ||
接続 | 有線 | ||
価格 | 約25,300円(2022年12月6日時点) | ||
販売ページ |
記事はここまでになります。ご覧いただきありがとうございました。