新たに登場した「GeForce GTX 1660 Ti」の評価・まとめ記事です。(2019年3月時点)
「GeForce GTX 1660」はRTXシリーズに搭載されるコアの中で、現状のゲームパフォーマンスに直接影響しない、新機能を実現するためのコアを省いたGPUです。主に「レイトレーシング」という機能が使えなくなっていますが、その分コストが削減され価格が抑えられているのが特徴です。未だに最強コスパとして名高い「GeForce GTX 1060」の後継として期待されますが、実際はどうなのでしょうか。
簡易比較表
「GeForce GTX 1660 Ti」とその他の現在主要なGPUとの簡易比較表です。 価格は記事投稿時点での、主に価格.com最安値となっています。
GPU名称 | 3DMark | メモリー | TDP | ワット パフォーマンス | コスパ | 価格 |
---|---|---|---|---|---|---|
RTX 2080 Ti | 33500 | 11GB | 250W | 134 | 0.197 | 170000円 |
RTX 2080 | 27800 | 8GB | 215W | 129.8 | 0.279 | 100000円 |
GTX 1080 Ti | 27800 | 11GB | 250W | 111.2 | 0.278 | 100000円 |
RTX 2070 | 22400 | 8GB | 185W | 121.1 | 0.345 | 65000円 |
GTX 1080 | 22000 | 8GB | 180W | 122.2 | 0.338 | 65000円 |
GTX 1070 Ti | 19900 | 8GB | 180W | 110.6 | 0.362 | 55000円 |
RTX 2060 | 19700 | 6GB | 160W | 123.1 | 0.41 | 48000円 |
GTX 1070 | 18000 | 8GB | 150W | 120 | 0.4 | 45000円 |
GTX 1660 Ti | 16000 | 6GB | 120W | 133.3 | 0.410 | 39000円 |
GTX 1060(6GB) | 12900 | 6GB | 120W | 107.5 | 0.461 | 28000円 |
GTX 1060(3GB) | 12300 | 3GB | 120W | 102.5 | 0.473 | 26000円 |
GTX 1050 Ti | 7700 | 4GB | 75W | 102.7 | 0.428 | 18000円 |
性能はGTX 1060 とGTX 1070 の中間くらい
性能はGTX 1060と1070の中間くらいとなっています。現状でもGTX 1060で不可能なゲームというのはほぼ無いので、ミドルレンジGPUとしては十分といえます。
優れたコスパ
まだ発売から日が浅く価格が高めの現状でもコスパは良いです。現時点ではまだGTX 1060には負けますが、性能を考えれば十分です。現状でのコスパ評価はまずまずといったところ。ただし、これから3万円台前半にまで値下がりする事があれば、一気に評価が上がります。
非常に優れたワットパフォーマンス
GTX 1660 Tiはワットパフォーマンスが非常に良いです。2019年3月時点ではトップクラスです。その優れたワットパフォーマンスをTDP120Wで実現しているのがまた素晴らしいです。
ゲーミング性能
ゲーミング性能は、言葉の通りゲームをする際のパフォーマンスの性能です。実際にゲームを動作させた際のFPS数で比較されます。今回は、19種類のゲームでのデータを基に見ていきます。(1080pの中設定)
GPU名称 | 平均FPS |
---|---|
RTX 2080 Ti | 190.7 |
RTX 2080 | 177.0 |
GTX 1080 Ti | 170.3 |
Radeon VII | 157.5 |
RTX 2070 | 157.1 |
GTX 1080 | 149.0 |
RTX 2060 | 142.5 |
GTX 1070 Ti | 141.0 |
GTX 1660 Ti | 129.2 |
GTX 1070 | 127.4 |
GTX 1060(6GB) | 98.6 |
GTX 1060(3GB) | 92.9 |
GTX 1050 Ti | 61.1 |
GTX 1050 | 47.9 |
ゲーミング性能は GTX 1070 と同程度
ゲームでの実測値は「GTX 1070」とほぼ同程度という結果でした。ミドルレンジ上位からハイエンド下位といったところですね。もちろん最新ゲームも十分に動作させることが出来るレベルです。まだ発売から日が浅く価格が高めの今でも、「GTX 1070」以上の性能とコスパを実現しているのは凄いです。非常にコスパが良いです。破格です。「RTX 2060」も非常にコスパが良く魅力的ですが、価格はこちらの方が1万円程度安いので、優位性はこちらの方がありそうです。
総合評価
高水準でバランスの良い、非常に魅力的なGPU
「GTX 1660 Ti」はゲーミング性能・コスパ・ワットパフォーマンス全ての面で高い数値を出しており、高水準でバランスの良い非常に魅力的なGPUです。
目立った欠点もなく、「最新ゲームを快適にプレイしたいけど、ハイエンドGPUを買う程の予算は無い」という人にはうってつけのGPUだと思います。
ただ、性能と価格的に「GeForce RTX 2060」と需要が少し被っており、RTX 2060も非常に魅力的なGPUなのでそこだけは懸念点かもしれないですね
現状だと少し高いけど、GTX 1060の後継になれる可能性は十分
2019年3月11日時点で「GTX 1660 Ti」が約39,000円で、「GTX 1060」が27,000円くらいなので、後継としては少し高いです。 ただし、まだ発売から日が浅く、 これから価格が下がる可能性が高いです。3万円台前半で価格が落ち着けば、GTX 1060の後継になれる可能性は十分あります。もしそうなればコスパも性能も勝っているので、純粋な上位互換としての後継となります。
レイトレーシングは使えないが、正直欠点どころか長所
GTX 1660 Ti にはRTXシリーズに搭載されている一部コアがありません。そのため、RTXシリーズの目玉機能とされた「レイトレーシング」機能を利用する事ができません。ただし、レイトレーシングはまだ現状では実用的とは言えない技術(RTX 2080 Tiといった超ハイエンドGPUでも低FPS)です。そのため、この点は正直欠点とはいえません。むしろ、その分コストが抑えられ価格が安くなっているので、長所と言った方が良かったり。結果的に現状のGPU群では最高クラスのコスパとなりました。
まとめ(良い点・悪い点)
最後に「GTX 1660 Ti」の良い点・悪い点をまとめています。
- 優れたコスパ
- 非常に優れたワットパフォーマンス
- GTX 1070 に迫るゲーミング性能
- レイトレーシング機能は使えない(現状実用的とはいえない機能なので、実質短所でもない)
記事はここまでです。ご覧いただきありがとうございました。