汎用性抜群の2-in-1タブレット「ASUS Chromebook Detachable CM3」ざっくり評価【発売記念値引きで32,800円】

本日(2021年3月17日)、ASUSからスタンドカバーとキーボードとペンが付属した2-in-1タブレットタイプのChromebook「ASUS Chromebook Detachable CM3」が発表され、注文も開始されました。発売開始記念ということで、期間限定(3月17日~4月8日)で128GBモデルが税込18,000円値引きの税込32,800円で購入可能となっており、良いなと思ったのでちょっと見ていきます。

同じくスタンドカバーとキーボード付属の2-in-1タブレットタイプのChromebookとして現在非常に人気のモデルである「Lenovo IdeaPad Duet Chromebook」と比較しながらざっくりと見ていきたいと思います。

注意
本記事の内容は記事執筆時点(2021年3月17日)のものであり、ご覧になっている際には異なる可能性があるため注意してください。

特徴(強み)

まずは、「ASUS Chromebook Detachable CM3」の強みについてざっくりと見ていきたいと思います。

「ASUS Chromebook Detachable CM3」の強みまとめ
  • 縦にも横にも使えるスタンドカバー付属
    横にも縦にも立てれるスタンドカバーが付属しています。一般的なスタンドカバーは横にしか立てれないので、新しい試みです。IdeaPad Duet Chromebookでも横にのみ立てれるタイプのものが付属しています。縦にも立てれるというのは、機能性的にはデメリットにはならない部分なので凄く良いと思います。耐久性については発売直後ではわかりませんが、大手のこういうギミックは割と丈夫に作ってあることが多い印象です。すぐには問題にならないと期待しています。
  • キーボード付属
    取り外し可能なキーボードカバーが付属しています。Surface Proのような感じで使えます。IdeaPad Duet Chromebookでも付属していますが、傾けて使用できるようには設計されていません。
  • スタイラスペン付属
    スタイラスペンが付属しています(筆圧4,096段階検知)。この価格の高コスパ機でペンが付属しているのは珍しいです。コスパ的にプラスです。
  • 期間限定割引で税込32,800円で非常にコスパが良い
    発売記念の期間限定割引で、128GBモデルを18,000円値引きの税込328,000円で購入することができます。凄くコスパが良いと思います。ただし、発売開始から既に注文が殺到しているようで、発送は4月下旬以降となっているので注意してください。
  • 高い耐久性
    米国軍事規格の「MIL-STD-810H」準拠の堅牢なボディを備えているそうです。よく落としたりする人には嬉しいかもしれません。

簡易比較表

「ASUS Chromebook Detachable CM3」は、Lenovoの「IdeaPad Duet Chromebook」によく似た仕様となっています。その二つを表にまとめてざっくりと見ていきます。

 Detachable CM3IdeaPad Duet
主な購入先ASUS Store
Amazon
レノボ・ショッピング
Amazon
画像
価格(税込)128GB:約 32,800円
期間限定割引
※2021年3月17日時点
128GB:約 27,941円
5月6日までのキャンペーン価格
※2021年3月17日時点
SoCMT8183
(8コア/2GHz)
Helio P60T
(8コア/2GHz)
ROM(eMMC)64GB/128GB64GB/128GB
RAM4GB4GB
インターフェースUSB Type-C
画面サイズ10.5インチ10.1インチ
解像度1,920×1,2001,920×1,200
ディスプレイTFTカラーIPS
カメラ画素数背面:800万画素
前面:192万画素
背面:800万画素
前面:200万画素
サイズ255.44×167.2×7.9 mm239.8×159.8×7.35 mm
重量本体:約 506g
本体+カバー:約 673g
本体+カバー+キーボード:約 915g
本体:約 450g
本体+カバー+キーボード:約 920g
オーディオジャック×
(USB Type-Cの変換ケーブル付属)
外部ディスプレイ出力最大 1,440×900最大 1,920×1,080
GPS非対応
BluetoothBluetooth 4.2
Wi-FiWi-Fi 5(802.11 a/b/g/n/ac)
付属スタンドカバー縦 + 横横のみ
キーボード付属付属
ペン付属
(筆圧4096段階)
別売:約3,960円
(筆圧4096段階)

色の付いていない部分は同等で、差がある部分は赤色が有利という感じにしています。ざっと見るとわかりますが、処理性能や機体性能に関わる部分はほぼ全てが同等となっています。SoCも同メーカーの類似モデルなのでほぼ同じ性能です。それぞれについて、この後もうちょっとだけ触れていきます。

各種項目

SoC

SoCはCM3では「MT8183」、Duetでは「Helio P60T」が採用されています。双方ともMediaTek製のもので、コア仕様は全く同じなので、処理性能はほぼ同じです。全体で見ると、ミドルレンジ下位くらいの性能になります。性能自体は良いとは言えないですが、Chromebookが軽作業を前提としたものなので、必要十分なレベルだと思います。タブレットで行う主な用途は基本的に快適に行えると思います。安価な上に付属品が充実している点を考慮すればコスパは良いと思います。

参考までに、他の主要なタブレットのSoCとのベンチマーク比較を下記に載せています。ただし、Chrome OSでは、基本Androidアプリなどは仮想環境での実行となるため、普通のAndroidデバイスよりも多くのパフォーマンスを要求される点に注意してください。下記の表ではP60TがMT8183よりも低い性能となっていますが、実際にはChrome OS上で測定されたP60Tと同程度までパフォーマンスが低下するはずです。

Geekbench 5.3 マルチコア
SoCスコア搭載端末(例)
Apple A14 Bionic
4160
iPad Air (2020)
Apple A12 Bionic
2814
iPad (2020秋)
Snapdragon 730G
1727
MT 8183(Android)
1430
Snapdragon 662
1408
Kirin 710
1338
Helio P60T(IdeaPad Duet)
926
Lenovo IdeaPad Duet Chromebook
MT8183(Chrome OS推測)
926
ASUS Chromebook Detachable CM3
Snapdragon 429
566
Snapdragon 450
498

Chrome OSの動作が非常に軽快なこともあり、仮想環境下でも軽作業前提なら問題はないレベルだと思いますが、普通のAndroidデバイスやiPadなどよりは弱い点は留意です。特にゲームではその影響が大きく、重いゲームは厳しいです。iPadや少し高価なAndroidタブレットの方が圧倒的に快適です。

RAMとストレージ

RAMは「4GB LPDD4X」で、ストレージは「eMMC:64GB/128GB」です。CM3もDuetも同じです。価格を考えれば妥当な仕様だと思います。

SDカードスロットを備えないためストレージにはやや不安が残るかもしれませんが、Chromebook(Chrome OS)がデバイス自体にはあまりデータを保存しないのを前提としている部分もあるので、普通に使っていればさほど困ることはないと思います。

ディスプレイ

CM3はNTSC比87%のTFTカラー液晶です。NTSCが日本のモバイル端末ではあまりメジャーではないので単純比較が難しいですが、日本でもメジャーなsRGBよりも広範囲の規格です。それで87%カバーしてのであれば、この価格帯のタブレットとしてはかなり良いと思います。また、そのような色域の広い高品質なパネルで、その他の性能が低いディスプレイというのも考えにくいです。その他もそこまで悪いものではないと思います。

比較対象のDuetのIPS液晶ディスプレイも価格の安さからすれば良い評価を得ていますし、どちらも価格の割には良い液晶ディスプレイを採用していると思われます。細かく見れば差はあるかもしれませんが、正直大手メーカーのこの価格帯のタブレット同士では、劇的な差は基本ないと思うので、「どちらも価格の割には良い」という評価で統一しておこうと思います。

重量

下記の表にまとめています。

CM3(公表値)Duet(実測)
本体:約506g本体:約454g
カバー:約167gカバー:約222g
キーボード:約242gキーボード:約259g
本体+カバー:約673g本体+カバー:約676g
全部:約915g全部:約935g

本体は10.1インチのDuetよりも10.5インチのCM3の方が少し重いですが、Duet側の方が付属品の重量が全体的に重いため、キーボードやカバーを付けると同程度の重さになります。

大きな差ではありませんが、やや小さいながら同程度の重量のDuet側の方がずっしり感はあるかもしれません。

付属スタンドカバー

CM3では縦と横どちらでも立てれる形になっていますが、Duetでは横のみしか立てれません。重量もCM3の方が大幅に軽いので、スタンドカバーはCM3の方が良いと思います。

キーボード

Duetでは底面にぺたっと付けて使うことになりますが、CM3ではSurface Proのようにキーボードに傾斜を付けることもできます。人間工学?的にはそちらの方が良いと言われていますが、タイピングの際にたわみや揺れが多少発生してしまうので、筆者の個人的な印象では正直良いとは思いません。

また、ChromebookではWindowsのデスクトップアイコンのようなものは使わずに、下部のタスクバーからブラウザやアプリを選択して使うことが基本となるかと思いますが、キーボードを傾斜を付けて装着するとタスクバーへのアクセスが悪くなりそうな印象もあります。なので、個人的には傾斜を付けれることに大きな価値が無いように感じるので、キーボードの差は大してないかなと思いました。

また、キータイピングに関して、どちらもキーストロークは非常に浅いです。仕組み的に仕方ないのですが、正直どちらも頻繁にタイピングするには向かない点は留意しておいた方が良いと思います。

ペン

Duetではペンは付属せずに別売りとなりますが、CM3では最初から付属しています。更に、CM3では本体に収納することができます。非常に便利で良いと思います。

Duet側の方が価格が安いので、差額でペン代は埋まるとは思いますが、Duet側ではペンを本体に収納・装着する仕組みがないので、導入しても利便性はあまり良くないと思います。ペンを使いたいなら、CM3の方が良いです。

カメラ

どちらも安価かつ高コスパなタブレットPCなので、カメラの画素数は最低限です。安価なエントリーレベルのスマホくらいと想定するのが良いと思います。綺麗な画像を撮るには向かないですが、ただその画面を残しておきたいとか、ビデオ通話で顔や表情を見るくらいには十分だと思います。

注意点

一通り性能等について触れましたが、注意点についても触れておきます。

注意点
  • 32,800円は一応期間限定価格
    32,800円を前提としてここまで評価等をしましたが、一応これは発売記念の期間限定価格です。通常価格は税込50,800円みたいです。とはいえ、さすがに通常価格だとIdeaPad Duetに対してコスパで大幅に負けてしまいますし、期間終了後も通常価格(税込50,800円)でしか買えないという事にはならないんじゃ…という気もします。ただし、保証はできないので、気になる方は早めに購入を検討した方が良いと思います。
  • 外部ディスプレイ出力の解像度低い(1,440×900)
    IdeaPad Duetに対して、ほぼ唯一の明らかな欠点です。CM3では外部ディスプレイへの出力解像度が、最大1,440×900となっています。今のご時世でFHD(1,920×1,080)未満というのはちょっと厳しいです。外部ディスプレイへの出力を考えている人は注意が必要です。

要点まとめ

最後に、要点をざっとまとめています。

IdeaPad Duetとの比較

性能や仕様が非常によく似ている「Lenovo IdeaPad Duet Chromebook」との違いを、差がある項目だけを抜粋して表にまとめてみました。差がほとんど無いかなと判断したところは省いています。参考までにご覧ください。

項目ASUS Chromebook Detachable CM3Lenovo IdeaPad Duet Chromebook
価格32,800円
(発売記念値引き後/通常50,800円)
27,941円
(5月6日までの9900円引き適用/通常37,841円)
SoCMT 8183
(Helio P60Tとほぼ同性能)
Helio P60T
(MT 8183とほぼ同性能)
画面サイズ10.5インチ10.1インチ
オーディオジャック×
(USB Type-C経由の変換ケーブル付属)
外部ディスプレイ出力最大 1,440×900最大 1,920×1080
重量本体:約 506g
本体+カバー:約 673g
本体+カバー+キーボード:約 915g
本体:約 450g
本体+カバー+キーボード:約 920g
サイズ255.44×167.2×7.9 mm239.8×159.8×7.35 mm
付属スタンドカバー縦・横に対応横のみに対応
ペン付属(筆圧4,096段階)
※本体に収納可能
別売り
耐久性米国軍事規格「MIL-STD-810H」準拠不明
出荷予定日
(2021年3月17日時点)
4月下旬以降最短2-3営業日
(Amazonならもっと早いかも)


といった感じで、ざっくりとですが見ていきました。総評としては、非常に使い勝手が良い素晴らしいChromebookだと思いました。出荷が遅い点や外部ディスプレイ解像度が低い点は注意が必要ですが、安価ながらかゆい所に手が届く機種だと思います。また、魅力的な機種も増え、急激に普及しているChromebook全体の今後にも目が離せないと感じました。

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