「RTX 3090 Ti」のざっくり評価【性能比較】

「GeForce RTX 3090 Ti」のざっくり性能比較・評価です。RTX 3090を超える新たな最上級モデルです。メーカーの希望小売価格は約2,000ドルと非常に高価な上、TDPが450Wと消費電力も非常に多いハイエンドGPUとなっていますが、その実力を見ていきます。

注意

本記事の情報は記事執筆時点(2022年3月31日)のものです。ご覧になっている際には異なる可能性があるため注意してください。

仕様

まずは主要な仕様を表にまとめて載せています。

簡易比較表

※価格は2022年3月31日時点での北米での希望小売価格です。

GPUシェーダー
ユニット数
メモリタイプ
メモリ容量
メモリ転送速度
メモリ帯域幅
レイトレ用
ユニット数
ダイサイズ消費電力
(TDP等)
北米
参考価格
RTX 3090 Ti10752GDDR6X
24GB
21.0Gbps
1008GB/s
84基628.4㎟450W1,999ドル
RTX 309010496GDDR6X
24GB
19.5Gbps
936GB/s
82基628.4㎟350W1,499ドル
RX 6900 XT5120GDDR6
16GB
16Gbps
512GB/s
80基約519㎟300W999ドル
RTX 3080 Ti10240GDDR6X
12GB
19Gbps
912GB/s
80基628.4㎟350W1199ドル
RTX 30808704GDDR6X
10GB
19Gbps
760GB/s
68基628.4㎟320W699ドル
RX 6800 XT4608GDDR6
16GB
16Gbps
512GB/s
72基519㎟300W649ドル
RTX 3070 Ti6144GDDR6X
8GB
19Gbps
608GB/s
48基392㎟290W599ドル
RX 68003840GDDR6
16GB
16Gbps
512GB/s
60基519㎟250W579ドル
RTX 30705888GDDR6
8GB
14Gbps
448GB/s
46基392㎟220W499ドル
RX 6700 XT2560GDDR6
12GB
16Gbps
384GB/s
40基336㎟230W479ドル
RTX 3060 Ti4864GDDR6
8GB
14Gbps
448GB/s
38基392㎟200W399ドル

「RTX 3090 Ti」は、RTX 30シリーズにおける今までの最上位モデル「RTX 3090」を超える新たな最上位モデルです。メーカーの希望小売価格は約2,000ドルと更に高価になっており、おおよその消費電力を示すTDPも450Wと大幅に増えています。色んな意味で飛び抜けたハイエンドモデルとなっています。

仕様を「RTX 3090」と比較すると、主な異なる点はコア数が約2.44%増え(10496→10752)、メモリの速度が約7.7%高速になり(19.5Gbps→21.0Gbps)、クロックが約1割程度上昇し、TDPが100W増加している(350W → 450W)点です。また、レイトレーシング用のRTコアも2基増えています(82→84)。シリコンダイは同じGA102が使用されています。

【比較】RTX 3090 と RTX 3090 Ti の違い
  • 価格がより高価に(1,499ドル → 1,999ドル)
  • コア数が約2.44%増加(10496 → 10752)
  • メモリ速度が約7.7%向上(19.5Gbps → 21.0Gbps)
  • TDPが100W増加(350W → 450W)
  • ベースクロックが約11.8%向上(1395MHz → 1560MHz)
  • 最大クロックが約9.7%向上(1695MHz → 1860MHz)
※クロックは製品によって多少異なるため注意

正直、詳しい性能を見るまでもなく効率的には微妙そうだという印象です。RTX 3090と比べると消費電力が100Wも増加している(+約28.5%)にも関わらず、コア数の増量は3%未満とわずかで、メモリやクロックも1割前後しか向上していません。価格が約1,500ドルから約2,000ドルと大幅に値上がりしている点もネックです。

現実的にはRTX 3090 Tiが最適と言える場合というのは限りなく少ないと思われ、主なターゲットは、予算や効率度外視で4Kネイティブ解像度やレイトレーシングで高いゲーミングパフォーマンスを発揮したい人、高度な3D描写をゲーム以外で専門的に行う人、あとは最上級モデルということに魅力を感じるレビュアーやベンチマークをしたい人です。

また、性能とは直接関係はありませんが、RTX 3090 Tiの450Wという消費電力は、補助電源が従来のハイエンドGPUで最大の8ピンコネクタ×2だと足りないため、16ピンコネクタが採用されています。ただし、電源ユニット側で16ピン対応が一般的でないため、グラフィックボード側に変換コネクタが付属しそれを利用することになる点も一応異なります。

24GBメモリの利点:ゲーム以外のプロ用途向け

上述のように、「RTX 3090 Ti」は全体的に見ると微妙なハイエンドGPUです。コストや電力消費の割に、得られる性能向上が小さすぎます。

「RTX 3090 Ti」や「RTX 3090」の下位モデルに対する最も大きな優位性は、24GBという規格外の大容量のGDDR6X VRAMです。このVRAMが価格や消費電力の増加の大きな要因と思われるので、購入者はそのメモリが有益となる用途に使用するかということを考える必要があります。

まず、多くの人が一番の用途として考えると思われるゲームですが、メモリが半分の12GBしかないRTX 3080 Tiでも、RTX 3090とのゲーミング性能差はわずかという結果があります。トップの性能を誇るという点で、経済的に十分な余裕がある層にとっては意味はなくはないですが、ほとんとの人は現状はRTX 3090 Tiほどのメモリはゲームでは必要ありません。

ではどこで最も活躍するかというと、主にクリエイター向けの用途です。Blenderを用いた高度なレンダリングや、4Kや8Kなどの超解像度の画像や動画編集などがこれに当たります。内容にもよりますが、現状これらはデータ量が多いと10GBや12GBのメモリ容量では処理の遅延が発生する可能性があるため、24GBの恩恵を受けられる可能性が高いです。

とはいえ、その向上が価格や電力消費のマイナスを受け入れるに値するほどのものになるかは別の話だと思います。RTX 3080ならRTX 3090の半分、RTX 3090 Tiの3分の1に近い価格で手に入れることができ、その性能差はゲームでは大きくても1割程度で、その他の用途でも半分まで低下することはまずないです。また、電力効率もRTX 3080の方が良いです。

いくら性能の高さや処理時間の短縮に価値があるといっても、さすがにやり過ぎ感が否めないモデルになっていると思います。邪推かもしれませんが、次世代のRTX 40シリーズ登場前に、今抱えている最上級の半導体を価値を失う前に出来るだけ高価で売りたいという思惑を感じなくもない気がします。

ゲーミング性能

ゲーミング性能は、言葉の通りゲームをする際のパフォーマンスの性能です。実際にゲームを動作させた際の平均FPS数を見ていきます。今回は25種類のゲームでのデータを基に見ていきます。設定は基本的に最高品質です。使用されたCPUは「Ryzen 7 5800X」、ビデオカードは「Zotac GeForce RTX 3090 Ti AMP Extreme Holo」が使用されています。

また、OSはWindows 10が使用されているため、Windows 11で報告例のあるゲーミングパフォーマンスが低下する問題は発生していません。その他のスペックなどの詳細は、お手数ですが記事上部の参考リンクを参照お願いします。


1080p(1920×1080)

FHD(1920×1080)です。最低限の解像度という感じですが、2022年現在では最も主流な解像度です。ハイエンドGPUを使用していても、特にFPSやTPSでは出来るだけ高いFPS数を維持するためにこの設定にするのが主流だと思います。

平均FPS(1080p 最高設定)
GPU名称平均FPS
RTX 3090 Ti
181.2
RX 6900 XT
173.2
RTX 3090
171.9
RTX 3080 Ti
170.3
RX 6800 XT
165.4
RTX 3080 10GB
159.3
RX 6800
148.4
RTX 3070 Ti
140.8
RTX 3070
135.2
RX 6700 XT
128.0
RTX 3060 Ti
123.0
RX 6600 XT
107.4
RX 5700 XT
102.7
RTX 3060
96.5
RX 6600
93.2
RTX 2070
94.5
RTX 2060 6GB
81.4
RTX 3050
70.5
GTX 1660 Super
67.5
RX 6500 XT
49.7

1080pではRTX 3090 から約5.8%の向上

1080pではRTX 3090より約5.8%高速でした。その性能はAMD製GPUを含めても現状トップの性能です。

ただし、やはり価格や消費電力を考えると微妙だと思います。大幅に安いRTX 3080と比較しても、約13.7%の差となっており向上率も微妙ですし、そもそもレイトレーシング無しの1080pではRTX 3090どころかRTX 3080でも十分な性能と言えると思うので、わざわざRTX 3090 Tiを導入するメリットはほぼ無いと思います。

1080pでも非常に優れた性能を発揮しますが、価格と性能的にはターゲットはここではありません。


1440p(2560×1440)

WQHD(2560×1440)です。4Kは重すぎるけど、1080pよりはキレイな映像で楽しみたいという場合や、1080pでは少し性能を持て余してしまう場合に利用する解像度です。現在の主流解像度は1080pですが、GPU性能が全体的に大幅に向上してきているため、徐々にこの1440pが主流解像度に切り替わっていく気がします。

平均FPS(1440p 最高設定)
GPU名称平均FPS
RTX 3090 Ti
154.1
RTX 3090
143.0
RTX 3080 Ti
141.6
RX 6900 XT
141.3
RX 6800 XT
133.7
RTX 3080 10GB
129.4
RX 6800
119.1
RTX 3070 Ti
112.2
RTX 3070
106.5
RX 6700 XT
98.8
RTX 3060 Ti
93.9
RX 6600 XT
77.7
RX 5700 XT
75.6
RTX 3060
71.6
RTX 2070
70.6
RX 6600
65.8
RTX 2060 6GB
59.5
RTX 3050
51.8
GTX 1660 Super
49.0
RX 6500 XT
33.0

1440pではRTX 3090から約7.8%の向上

1440pではRTX 3090より約7.8%高速になっています。1080pよりも差がわずかに広がっています。

やはり負荷が大きくなると優位性が強くはなりますが、RTX 3090から約3割の価格および消費電力の増加の代償を考えると、1440pでも微妙感は否めません。そもそもRTX 3090自体も非常に高価かつ消費電力が多いGPUですし、そこから更に悪化したのにこの程度の向上では、とてもじゃないですが割に合いません。

その規格外のハイエンドGPUは、1440pすらもターゲットになりません。


4K(3840×2160)

「超高解像度の代名詞」ともいえる解像度の4K(3840×2160)です。非常に繊細で綺麗な映像になりますが、その負荷の大きさから高いFPSを出す事が難しいためTPSやFPSなどの対人競技ゲームで利用されることはまずないです。処理性能の要求が高いだけでなく、高リフレッシュレートの4Kモニターが非常に高価ということもあり、2022年現在では競技性の高いゲームではあまり利用されません。フレームレートよりもグラフィックのキレイさや臨場感が重要なゲームを中心に需要のある解像度です。

平均FPS(4K 最高設定)
GPU名称平均FPS
RTX 3090 Ti
104.2
RTX 3090
93.4
RTX 3080 Ti
91.9
RX 6900 XT
87.6
RTX 3080 10GB
82.8
RX 6800 XT
81.9
RX 6800
71.2
RTX 3070 Ti
68.5
RTX 3070
63.6
RX 6700 XT
55.9
RTX 3060 Ti
55.6
RX 5700 XT
43.1
RTX 3060
41.7
RX 6600 XT
41.2
RTX 2070
41.1
RX 6600
34.3
RTX 2060 6GB
32.3
RTX 3050
29.5
GTX 1660 Super
26.3
RX 6500 XT
15.7

4KではRTX 3090から約11.4%の向上

本命ともいえる4KではRTX 3090より約11.6%のfps向上が見られます。解像度が高くなるごとに差が広がり、4Kでは1080pの約2倍という大きな差になりました。

少し下位のRTX 3080と比較してみると約25.8%も高速となっており、高いクロックや大容量かつ高速なVRAMが活きていると思います。

とはいえ、やはり価格と消費電力を考えると効率的とは言えないGPUです。1080pや1440pよりは下位GPUとの差も大きくなっていますし、4Kでも出来るだけ高いパフォーマンスが欲しいという場合には選択肢には入ってくるかもしれませんが、その場合でもちょっとでも効率を重視するならRTX 3090~RTX 3080の方が良いということになると思います。

更に、4Kではモニター面も考慮する必要があります。現状では4Kの高リフレッシュレートのモニターは非常に高価なので、実際のゲーム体験を向上させるには更なる投資が必要になります。そこを節約して60Hzモニターを使用するなら、RTX 3080の方が圧倒的に安く効率的でお得です。

レイトレーシング性能

レイトレーシング利用時のパフォーマンスを見ていきます。今回は9種類のゲームでの性能を見ていきます。

レイトレーシングFPS(1080p 幾何平均)
GPU名称平均FPS
RTX 3090 Ti
141.0
RTX 3090
131.6
RTX 3080 Ti
130.1
RTX 3080 10GB
118.7
RX 6900 XT
106.5
RTX 3070 Ti
101.8
RX 6800 XT
100.2
RTX 3070
97.2
RX 6800
89.7

レイトレーシングFPS(1440p 幾何平均)
GPU名称平均FPS
RTX 3090 Ti
111.3
RTX 3090
101.8
RTX 3080 Ti
100.2
RTX 3080 10GB
89.4
RX 6900 XT
78.0
RTX 3070 Ti
74.0
RX 6800 XT
73.5
RTX 3070
70.0
RX 6800
65.4

レイトレーシングFPS(4K 幾何平均)
GPU名称平均FPS
RTX 3090 Ti
66.5
RTX 3090
59.5
RTX 3080 Ti
58.8
RTX 3080 10GB
51.6
RX 6900 XT
43.4
RX 6800 XT
40.6
RX 6800
35.6
RTX 3070 Ti
27.0
RTX 3070
25.5

非常に高いレイトレーシング性能で、RTX 3090より1割前後高速

当然ながらレイトレーシング性能も非常に高いです。ただし、RTX 3090からRTコアが2つしか増えていないこともあってか、4Kでは約11.8差となっており、レイトレーシング無しの場合との性能差はほぼ同じです。レイトレーシングでは更に優位になるという状況は見られない点は留意です。

ただし、4Kと同等にfpsが低くなるレイトレーシングではどれだけ高性能でもオーバースペックということになりにくいため、恩恵を感じやすいです。予算に十分な余裕がある場合には選択肢には一応入るかもしれません。とはいえ、先にも触れた通り効率を少しでも重視するならRTX 3090~RTX 3080の方が適していると思います。

電力関連

消費電力

ゲームプレイ時(高負荷時)の平均消費電力を見ていきます。低い方が良い数値となります。測定に使用されたゲームは「Cyverpunk 2077」で、解像度は「2560×1440」です。

GPU平均消費電力(ゲーミング)
GPU名称消費電力(W)
RTX 3090 Ti
443W
RTX 3090
355W
RTX 3080 Ti
354W
RTX 3080 10GB
318W
RX 6900 XT
302W
RTX 3070 Ti
298W
RX 6800 XT
292W
RTX 2080 Ti
265W
RX 6800
223W
RX 6700 XT
221W
RTX 3070
220W
RX 5700 XT
210W
RTX 3060 Ti
199W
RTX 2070
192W
RTX 3060
183W
RTX 2060 6GB
164W
RX 6600 XT
160W
RTX 3050
139W
GTX 1660 Super
125W
RX 6600
120W
RX 6500 XT
101W

443Wという驚異的な消費電力

ゲーミング時の消費電力は443Wとなっています。凄まじい消費電力です。スペック上の450Wよりは若干少ないものの、ただでさえ消費電力の多いRTX 3090より更に約25%(+88W)も増加しています。

電源ユニットの容量は十分に確保しておく必要がありますし、これだけの電力を消費多いなら変換効率も出来るだけ高いものを採用したいところだと思います。

NVIDIA公式のシステム電力要件は850Wとなっていますが、最近はCPUの消費電力も非常に多いので、最低でも1,000Wは欲しいところだと思います。

ワットパフォーマンス

ゲームプレイ時(高負荷時)のワットあたりのパフォーマンス(fps数)を見ていきます。前述の1440pゲーミング時の平均fpsとゲーミング時の消費電力を用いて、1Wあたりのfpsを算出して電力効率としています。消費電力は単一のゲームで測定したものに対し、fpsは複数ゲーム平均なので、厳密には正確な電力効率とは言えない点には注意ですが、各GPUの相対的な差を調べる分には概ね適切な値の範囲になっていると思います。

ワットパフォーマンス(1440pゲーミング)
GPU名称1Wあたりのfps
RX 6600
0.548
RX 6800
0.534
RX 6600 XT
0.486
RTX 3070
0.484
RTX 3060 Ti
0.472
RX 6900 XT
0.468
RX 6800 XT
0.458
RX 6700 XT
0.447
RTX 3080 10GB
0.407
RTX 3090
0.403
RTX 3080 Ti
0.400
GTX 1660 Super
0.392
RTX 3060
0.391
RTX 3070 Ti
0.377
RTX 3050
0.373
RTX 2070
0.368
RTX 2060 6GB
0.363
RX 5700 XT
0.360
RTX 3090 Ti
0.348
RX 6500 XT
0.327

電力効率は悪い

電力効率は悪いです。テストされた中ではワースト2位の結果となっており、一番下も評価の低いエントリーGPUの「RX 6500 XT」ですから、最新の高性能モデルGPUの中では一つだけ沈んでいるレベルの電力効率の悪さを示しています。

RTX 3090と比較しても約13%も劣っており、電力効率の良いGPUのRTX 3070と比較してみると約28%も劣っており、いくら性能重視のモデルとはいえ許容できるか怪しいと思います。

VRAM容量もRTX 3090と同じですし、処理性能差も大きくて1割程度ですし、ガンガンフル稼働させる場合には電力効率も非常に重要だと思いますから、正直RTX 3090より優先される場面が想像できません。

実際には常に最大負荷で稼働する訳ではないと思いますし、最大負荷時以外には悪くない電力効率を示す可能性も無くは無いとは思いますが、そこを考慮するならRTX 3090 Tiを選ぶ理由が尚更無くなってしまいます。

最大性能の高さというのは確かに魅力的でパワーがありますが、その差が大きくない場合には最低でも電力効率は維持していないと、個人的には選ぶ価値を感じません。

まとめ

GeForce RTX 3090 Ti

良い点
  • どの項目でもトップの驚異的な性能
  • 4Kやレイトレーシングでも高い性能
  • 大容量かつ高速な24GBビデオメモリ

悪い点
  • 価格が非常に高価(約2,000ドル:日本だと恐らく30数万円以上)で、コスパが非常に悪い
  • 消費電力がめちゃくちゃ多い(TDP:450W)
  • 電力効率が悪い(最新の高性能GPUではワースト1位)

その性能の高さは凄いが、効率を少しでも重視するなら×

ここまで何度も言っていますが、RTX 3090 Tiは効率を少しでも重視するなら選択肢に入らないGPUです。

他のハイエンドGPUとの大きな差は、24GBという超大容量かつ高速なVRAMですが、そこまでのメモリ容量は現状のゲームでは大きな優位性を与えないことがRTX 3080 TiとRTX 3090との比較で判明しているので、RTX 3090 Tiを有効活用できる可能性があるのは、レンダリングなど超大容量なグラフィック処理をする主にクリエイター向けの用途です。

しかし、そのような超大容量の処理を大量に日常的に行う場合には、電力効率も重要になります。RTX 3090 Tiはこの電力効率も悪いのが特に致命的だと思います。いくらRTX 3090より高性能とはいえ、VRAM容量は同じ24GBですし、4Kレイトレーシングといった超高負荷ゲーミングにおいても約1割程度の優位性しかありません。

ただし、処理量が決まっている用途では性能の高さ=処理時間の短縮となるため、お金では買えない時間という優位性を得る事が可能になります。1割の性能向上のために500ドルの価格増加(約+33.3%)およびコスパの悪化、約100Wの消費電力増加(約+28.5%)、電力効率の悪化(約-13%)を許容できるかは人それぞれだとは思いますが、個人的にはRTX 3090を選ぶ方が賢いと思います。


といった感じで、本記事は以上になります。ご覧いただきありがとうございました。

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