Intelの「Core」シリーズは「Meteor Lake」から「i」が廃止。新しいブランド名と命名規則に

Intelの次世代CPU「Meteor Lake」から、新しいブランド名となり、命名規則が変更となります。実は半年ほど前(2023年6月頃)から判明していたことですが、その時点では不明瞭な部分がああり、触れるのは正式な発表まで待つことにしていました。

2023年12月15日に「Core Ultra」が正式発表され、ノートPC向けの「Meteor Lake」の初発のラインナップも公開されたことで、大体のことが判ったので触れることにしました。

「Meteor Lake」については本記事では深堀はしませんが、要点だけ箇条書きで載せています(詳しいラインナップと性能については別記事でまとめようと思っています)。

新ブランド名と命名規則の要点まとめ

まずは、「Meteor Lake」から導入される新しいブランドおよび命名規則について、要点をまとめています。

命名規則の変更についてのまとめ
  • 「Core i」は「Core Ultra」「Core」の2つのブランドに
  • とりあえずは「Core Ultra」が最新世代で、「Core」は前世代までのアーキテクチャ採用品になるっぽい?
  • 新しい命名規則(Core Ultra 5/7/9 #xx 、Core 3/5/7 #xx など)
  • 従来は「第〇世代Coreプロセッサ」といった感じのマーティング上の呼称を用いていたが、上述の命名規則に伴い廃止
  • 世代番号はリセットされ、1からになる(例:Core Ultra 155H)
  • この新しいブランド・命名規則はMeteor Lake以降でも継続予定

「i」が廃止され、「Core Ultra」「Core」の2ブランドへ

最も注目のポイントは、Core iの「i」が無くなることです。代わりに「Core Ultra」と「Core」の2つのブランドになります。

たとえば、従来では「Core i7-1355U」と表記されていたものを新しいルールに当てはめると、「Core Ultra 7 1355U」とか「Core 7 1355U」みたいな感じになります。ただし、世代番号はリセットされて1からのスタートとなるので、実際には「Core Ultra 7 155U」といった感じになっています。

また、各ブランドのモデルナンバーは「Core Ultra」は「5 / 7/ 9」で3が無く、「Core」の方は「3 / 5 / 7」で9が無いという感じになっています。

Ultraが最新世代で、Coreのみは前世代までのアーキテクチャっぽい?

「Core Ultra」と「Core」に違いについて、命名規則変更の発表の時点(2023年6月)では明確な分け方が言及されていませんでしたが、先日ノートPC向けの「Meteor Lake」の「Core Ultra」のラインナップが公開されたことで、おおよその考えが判明したと思います(多分未だに分け方を明言はしていないので、あくまで推測ですが)。

初発ラインナップでは、「Core Ultra」に末尾HとUの性能重視・省電力重視モデルの両方が含まれており、Core 3こそ無いものの、主要な消費者向けのモデルがほぼ揃えられていました。そして、Ultra無しのCoreのラインナップ発表が一切無かったことから、恐らくは、

「Core Ultra」は最新世代のアーキテクチャを採用するシリーズで、「Core」は前世代までのアーキテクチャを採用するシリーズとなる可能性が高いのではと考えられます(少なくとも現時点では)。

これは、Ryzenの古いアーキテクチャを最新シリーズの一部として組み込むやり方(例:Ryzen 7 7730U 等)と同様の手法を取ったのかなと思います。これにより、内部的には古い世代のものでも、世代番号やブランドは新しくすることによって旧世代感を紛らわせることが出来ます。また、既存の生産ラインも併用して生産効率を高めたり、余ったり基準の質に満たなかったダイの有効活用先としても期待できるかもしれません。

新しい命名規則と、第〇世代という呼称の廃止

先にも少し触れましたが、新しい命名規則では「Core Ultra 7 155H」みたいな感じになります。

ブランドとモデルナンバーから始まるのは変わらず、その後の世代番号は1からのリセットとなり、それに続き2桁の数字とアルファベットが必要に応じて付与される形です。ノートPC向けでは、末尾Pが廃止され、Hに統合される形になった点もポイントです。

ノートPC向けのCPUだとわかりにくいですが、従来は第13世代なら「Core i7-13700K」のように、Core i7なら7がSKUに取り入れられているモデルもありましたが、これも無くなります。

また、従来では「第〇世代Coreプロセッサ」みたいな呼称が用いられていましたが、この呼び方も廃止されるとのことです。この辺りもまだ正確にはわかっていませんが、発表内容から察するに「Core Ultra 1xx」って言えば世代番号もわかるし、呼称が短くて済むからそっちにしましょうって感じなのでしょうか。

とはいえ、Intelが使ってなくても、呼び方は消費者や各メディアが正式名称ではなく便宜上で決めることも珍しくないですから、「第1世代Core Ultra」みたいな呼び方を当面はされる可能性も感じますね。

また、今回の命名規則などはMeteor Lake以降でも使われる予定とのことです。正直なところ今までの「Core i」の方がIntel製ということが分かり易いですし、響きも字の見た目も好きだった(慣れてるからそう感じるだけかも)と感じるので、個人的には残念に思います。

Meteor Lake の要点

Intelは、上述のような大幅なブランド刷新や命名規則などの変更の理由を、「Meteor Lake」が技術的にも性能的にも大きな「転換期」と考えているから、といった趣旨の発言をしています。

そのため、「Meteor Lake」自体も名前の刷新に無関係ではないので、要点を箇条書きで載せておこうと思います。並べて見ると確かに、タイル設計への移行やプロセス刷新、NPUやLP Eコアの搭載など、大きな変化がたくさんあるため、その変化をより強調して明示したかったのはなんとなくわかる気もします。性能などの詳しいことは別記事で改めて触れようと思っています。

Meteor Lakeでの主な変更点
  • モノシリック設計からタイル設計へと移行
  • CPUがIntel 4(7nm)へのプロセス刷新
  • 低消費電力のLP Eコアの追加による「Pコア / Eコア /LP Eコア」構成
  • LP EコアがSoCタイルに配置されるため、低負荷な処理時やアイドル時の消費電力が削減?
  • AI用のNPU搭載
  • GPUが「Xe-LPG」へと刷新され性能大幅強化(最大でGTX 1650に匹敵する性能?でRyzen 7040搭載のRadeon 780Mを超える)
  • P(28W~64W)は廃止され、役割はHに統合

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