「Radeon RX 5700 XT」と「Radeon RX 5700」の評価記事です。
※掲載の価格は記事更新時点での主にAmazonや価格.comでの最安値価格となっています。
簡易比較表
「Radeon RX 5700 XT」と「Radeon RX 5700」とその他の現在主要なGPUとの性能の簡易比較表です。
GPU名称 | 3DMark | メモリー容量 | TDP | ワット パフォーマンス | コスパ | 価格 |
---|---|---|---|---|---|---|
RTX 2080 Ti | 33500 | 11GB | 250W | 134 | 0.223 | 150000円 |
RTX 2080 | 27800 | 8GB | 215W | 129.8 | 0.328 | 85000円 |
GTX 1080 Ti | 27800 | 11GB | 250W | 111.2 | – | – |
RX 5700 XT | 26100 | 8GB | 225W | 116.0 | 0.512 | 51000円 |
RX 5700 | 23100 | 8GB | 180W | 128.3 | 0.525 | 43000円 |
RTX 2070 | 22400 | 8GB | 175W | 121.1 | 0.415 | 54000円 |
RTX 2060 | 19700 | 6GB | 160W | 123.1 | 0.493 | 40000円 |
GTX 1660 Ti | 16000 | 6GB | 120W | 133.3 | 0.471 | 34000円 |
RX 580 | 14150 | 8GB | 185W | 76.5 | 0.71 | 20000円 |
GTX 1660 | 13700 | 6GB | 120W | 114.2 | 0.489 | 28000円 |
GTX 1060(6GB) | 12900 | 6GB | 120W | 107.5 | 0.461 | 26000円 |
RX 570 8GB | 12400 | 8GB | 150W | 82.7 | 0.689 | 18000円 |
GTX 1650 | 9000 | 4GB | 75W | 120 | 0.5 | 18000円 |
※3DMarkはFirestrike(1080p)midiumのGaraphics scoreを参考にした値。
ハイエンド上位としては価格が安く、非常に良いコスパ
ハイエンド上位クラスのGPUとしては、最新のGeForceシリーズを寄せ付けないコスパの良さが見て取れます。価格も、同性能帯の他GPUと比較すると明らかに安く、手を出し易くなっています。価格面では全面的に優位です。
ワットパフォーマンスも悪くない
RadeonはGeForceと比較してワットパフォーマンスが大きく劣っているという欠点がありました。しかし、「RX 5700 XT」と「RX 5700」は、ワットパフォーマンスの悪さが大きく改善され、差はほとんど無くなりました。とはいえ、未だに若干負けているので、電力効率的にはGeForceには届いていないという状況です。
発熱は未だにGeForceより多いか
ワットパフォーマンスと同様に、以前は同性能帯でも大きく差の付いていたTDPの差も小さくなりました。ただし、こちらも未だに少しGeForceより少し高い数値となっています。ワットパフォーマンスも少し負けている事も併せて考えると、発熱的には未だにGeForceに分がありそうです。
ゲーミング性能
ゲーミング性能は、言葉の通りゲームをする際のパフォーマンスの性能です。実際にゲームを動作させた際のFPS数で比較されます。今回は11種類のゲームでのデータを基に見ていきます(1080pの中設定)。使用されたCPUは「Core i7-8700K」となっています。詳しくは記事上部の参考リンクを参照。
GPU名称 | 平均FPS | 1フレームあたり | 参考価格 |
---|---|---|---|
RTX 2080 Ti | 183.8 | ¥816 | ¥150,000 |
RTX 2080 | 172.5 | ¥492 | ¥85,000 |
RTX 2070 Super | 167.2 | ¥394 | ¥66,000 |
GTX 1080 Ti | 166.1 | – | – |
RX 5700 XT | 160.1 | ¥318 | ¥51,000 |
RTX 2070 | 157.7 | ¥342 | ¥54,000 |
RTX 2060 Super | 153.5 | ¥358 | ¥55,000 |
RX 5700 | 147.5 | ¥298 | ¥44,000 |
GTX 1080 | 145.1 | ¥447 | ¥65,000 |
RTX 2060 | 139.9 | ¥285 | ¥40,000 |
GTX 1070 | 123.9 | ¥363 | ¥45,000 |
GTX 1660 Ti | 123.6 | ¥275 | ¥34,000 |
GTX 1660 | 105.5 | ¥265 | ¥28,000 |
RX 580 8GB | 94.3 | ¥212 | ¥20,000 |
GTX 1060(6GB) | 93.9 | ¥276 | ¥26,000 |
GTX 1060(3GB) | 88.4 | ¥271 | ¥24,000 |
RX 570 4GB | 85.0 | ¥188 | ¥16,000 |
GTX 1650 | 76.6 | ¥234 | ¥18,000 |
コスパが良い
1フレームあたりの費用を見ると、同性能帯の中では「RX 5700 XT」と「RX 5700」は他より安くなっています。コスパが良いです。
3DMarkでのコスパも非常に良かった上に、ゲームでの実測FPSでのコスパも良い訳なので、ハイエンド上位クラスのGPUとしては、トップクラスのコスパと言って過言ではなさそうです。
未だにトップ層はGeForceが独占
AMDのRadeonには価格の安さやコスパでの利点はあるものの、純粋なゲーミング性能のみの勝負では、未だにGeForceがトップ層を独占する形となりました。
「RX 5700 XT」と「RX 5700」のコスパが良いのは間違いないですが、GeForceに圧倒的な差を付けた、という程ではないので、予算に余裕のある人や少しでも高い性能を求める人にとっては、GeFoceの方がおすすめかもしれません。前の項で触れた電力効率もGeForceの方が未だにやや上という事もありますからね。
総合評価
ハイエンドGPUとしてコスパはトップクラス
ハイエンドという括りの中で見ると、「RX 5700 XT」と「RX 5700」は、3DMarkとゲームでの実測FPSのどちらを取ってもGeForceを上回っており、コスパが非常に良いです。価格も同性能帯のGeForceより明らかに安く、ハイエンドGPUとしてのコスパは文句無しのトップクラスです。
いつも発熱の多さが問題となるRadeonですが、ワットパフォーマンスが大きく改善したところを見ると、発熱も以前よりはかなりマシになっていると思います。大きな心配はしないで良いんじゃないかと思うので、コスパ重視でハイエンドGPUを選ぶなら最有力候補となると思います。
電力効率やトップを目指す性能の高さではGeForceが有利
コスパでは圧巻のRadeonでしたが、単純な性能の高さやワットパフォーマンスでは、未だにGeForceにやや後れを取っています。
また、コスパに関しても「圧倒的」という程の差はなかったため、予算に余裕のある人や少しでも高い性能を求める人には、未だにGeForceの方が有利に見えました。GeForceには、長期間トップを張り続けた信頼というのもありますからね。
まとめ(良い点・悪い点)
最後に「RX 5700 XT」と「RX 5700」の良い点・悪い点をまとめています。
良い点
- ハイエンドクラスの高い性能
- ハイエンドではトップラクスのコスパ
- 同性能帯の他GPUより安い
悪い点
- ワットパフォーマンスとTDPはGeForceにやや劣る
- 純粋な性能の高さはRTX上位モデルに負ける
- Fulid Motionが使えない(要確認)
記事はここまでです。ご覧いただきありがとうございました。