簡易比較表
項目 | 一般的なヘッドフォン (ヘッドセットも含む) | ゲーミングヘッドセット |
---|---|---|
価格 | さまざま | 高い (大型ドライバー採用中心のため) |
ドライバーサイズ | さまざま | 基本大きい |
ワイヤレス | ワイヤレスが主流 | 最近は増えてきている |
Bluetooth対応 | 多い | 非常に少ない |
重量 | さまざま | 全体的に重め |
バーチャルサラウンド | 専用ソフトは無いことが多い (ただし、Windows 10で標準で利用できる機能有) | 専用ソフトが大体ある (ただし、Windows 10に標準で利用できる機能有) |
音質 | さまざま | 同価格帯のヘッドフォンより悪い |
マイク音質 | 基本良くはない | 基本良くはない |
装着方式 | さまざま | ほぼオーバーヘッドタイプ |
装着感 | さまざま | 圧迫感の少なさを重視 (メッシュタイプ多め) |
専用ソフトウェア有無 (細かい音質調整等) | 基本的にない | 大体ある |
ゲーミングヘッドセットは汎用性では劣る
表を見ると、一般的なヘッドフォンの方が機能性の幅が広く、選択肢が多い感じになっているのがわかると思います。汎用性が高いです。Bluetooth対応製品も多く、スマホや外出時にも気軽に利用できるよう設計されている製品も多いです。
その点、ゲーミングヘッドセットはBluetooth対応製品が非常に少ない上、重量も重くて持ち運びは厳しいので、汎用性は低いです。ゲーミングヘッドセットは、絶対的な何かがあるというよりは「型がある程度絞られているもの」ぐらいの認識が丁度良いと思います。
特徴
ゲーミングヘッドセットの仕様・性能面について見ていきましょう。製品によって差はありますが、良い点・悪い点に分けて説明していきます。
ゲーミングヘッドセットのメリット
ゲーミングヘッドセットの主な良い点
- 圧迫感の少ない装着感少しでもゲームに集中できるように、圧迫感の少ない装着感を意識した製品が多いです。
- 遮音性が高いイヤークッションが耳をすっぽりと覆うオーバーイヤータイプが多く、遮音性を高めている製品が多いです。
- 専用ソフトウェアで細かい設定が可能(イコライザなど)一般的なヘッドフォンやヘッドセットでは、専用の調整用ソフトウェアが用意されているケースはあまり無いかと思いますが、ゲーミングヘッドセットでは多くが専用のソフトウェアが存在します。音域の強弱を変える「イコライザ」などを利用する事ができます。足音や銃声に該当する音域の音を大きくすることによって、足音や銃声をより聞こえやすくしたりなどもできます。
- 大型ドライバー採用大型のドライバーを採用することによって、バーチャルサウランド機能と併用した場合に、より正確に音の出所を把握することができます。
- バーチャルサウランド機能音の方向をより正確に表現できるバーチャルサラウンド機能を利用できる製品が多いです。ただし、これはいわゆる「バーチャルサラウンド」と呼ばれるもので、ソフトウェアの処理による表現なので、「ゲーミングヘッドセット自体」の機能ではありません。その製品(同社の音響機器)専用のソフトウェアがあって、そのソフトがバーチャルサラウンド機能を有しているという感じだったりします。実は、Windows 10には標準でバーチャルサラウンドと同様の機能がある(Windows Sonic for Headphones)ので、バーチャルサラウンド機能が使いたいだけならゲーミングヘッドセットは必須ではなかったりします。
よりゲームに集中できるような設計
よりゲームに没入(集中)するための設計となっています。
ゲーミングヘッドセットのデメリット
ゲーミングヘッドセットの主な悪い点
- 価格が高い機能性を高めるのにコストが掛かるため、一般的なヘッドセットやヘッドフォンより価格が高い傾向があります。比較的安いものでも5000円くらいはします。
- 全体的に重いゲーミングヘッドセットは基本的に大型のドライバーを採用しているので、全体的に重めです。
- 音楽鑑賞は意識していない製品が多いゲーミングなので当然といえば当然ですが、音楽鑑賞は意識されていない製品が多いようです。要するに、同価格帯の一般的なヘッドフォンより音質は悪いです。正直私には音の違いはよくわかりませんが、そのような意見をよく見かけるのでそうっぽいです。
- マイクの音質は基本良くないゲーミングに限らず、ヘッドセットのマイクは、通話(意思の疎通)をするためのものという扱いなので、音質は重要視されていない事が多いです。
- オーバーヘッドタイプがほとんど良い点で触れた「圧迫感の少ない装着感」を実現するために、耳をすっぽり覆うイヤークッションが採用される事が多いので、オーバーヘッドタイプがほとんどとなっています。
- Bluetooth対応製品が少ない最近ではスマホなどでもワイヤレスで使えるように、Bluetooth対応のヘッドセットやヘッドフォンが非常に多いですが、ゲーミングヘッドセットでは非常に少ないです。
汎用性は低い
ゲーム用に特化した結果コストが掛かる事もあり、汎用性は低いです。Bluetooth対応製品が非常に少ないので、スマホで使うには使い勝手が悪く、当然外出時の使用は出来ないものと思っておいた方が良いです。
他にも、音楽鑑賞は意識されていなかったり、オーバーヘッドタイプばっかりだったり、ゲーム以外の用途は基本的に考慮されていません。使えない事はないですが、価格が高めという事もあるので、ゲーム以外の用途ではコスパは悪くなってしまいます。
マイクについて
ゲーミングヘッドセットはヘッドセットなので、マイクが付いています。正直おまけ程度のものですが、特徴についてざっくりまとめています。
- 環境音やノイズが入りにくい
- 口とマイクの距離を一定に保てる
- 音質が悪い
- ヘッドフォン(イヤホン)が少し大きく重くなる
ヘッドセットのマイクの一つ目のメリットは、口とマイクとの距離を常に一定に保つことが出来る点です。画面から多少離れたり顔や身体を動かしたりしても音量が小さくなったり大きくなったりすることを気にしないで済みます。しかも近い位置で固定することが出来るので、小さな声も拾う事ができます。
二つ目のメリットは、ノイズや環境音が入りにくい点です。ヘッドセットのマイクは基本ダイナミックマイクとなっていますが、ダイナミックマイクは感度が低いためノイズや環境音が入りにくい傾向があります。口とマイクの位置が近く、マイクボリュームを下げ易いことも相まって、ヘッドセットのマイクはノイズには比較的強いです。
しかし、上記のメリットを考慮しても厳しいデメリットがあります。マイク音質は悪い点です。音の良さにこだわりが無い人が少し聞いただけでもわかるくらいには音質は悪いのが基本です。ダイナミックマイクが基本な上、小型のマイクしか搭載できないことが大きいと思われます。仕様上どうしても音質を良くする事が難しいこともあって、大体の製品では聞き取れれば良い程度の扱いとなっています。そのため、上述の良さを加味してもおまけ程度の認識になっています。
具体的には、全体的に曇ったような音質になる印象です。小さいせいという事もあると思いますし、仕様的にも、周波数幅が単体のマイクではコンデンサーマイクなら20Hz~20kHz、ダイナミックマイクなら50Hz~15kHzあたりが主流なのに対し、ヘッドセットのマイクは100Hz~10kHzあたりが多く、明らかに狭いです。声自体は聞き取れるので、友達などと通話するだけに使うのなら問題ないかと思いますが、音質も意識したい動画や配信で使うには厳しいと思います。
要点
上述のメリットとデメリットを踏まえ、ゲーミングヘッドセットの要点をまとめています。
- 価格:一般的なヘッドセット(ヘッドフォン)より平均価格は高い機能性を高めたり、大型ドライバーを採用している分、一般的なヘッドセットやヘッドフォンより、平均価格は高い傾向があります。ここが一番のネックですね。一般的なヘッドフォンだと安いものだとワイヤレスでも3,000円程度からありますが、ゲーミングヘッドセットではワイヤレス製品は安い部類のものでも1万円程度はします。
ただし、普通のヘッドフォンでも高性能なものは非常に高いので、それらと比べるなら高価というほどでもないです。 - バーチャルサラウンド機能:必須ではないゲーミングヘッドセットがよく謳っている7.1chなどの「サラウンド対応」などですが、これは正直必須ではないです。なぜかというと、ゲーミングヘッドセットのような単一の出力デバイスにおけるサラウンドは、いわゆる「バーチャルサラウンド」というものになりますが、これは機器自体(ヘッドセット)の機能ではないからです。
専用ゲーミングヘッドセット用のソフトでバーチャルサラウンド機能を使えるようにして、それをサラウンド対応と言っている感じになります。商品価値を高めるためのものです。ちなみにWindows 10でも標準で「Windows Sonic for Headphones」という立体音響(バーチャルサラウンド)機能が付いています。他にも、別途ソフトを導入したりして対応することもできます。 - 大型ドライバー採用:その割には高くはない大体40mm~50mmくらいの大型のドライバーが採用されています。音の方向をより正確に把握感じれるように意識した設計と思われます。大型ドライバー採用のヘッドセット(ヘッドフォン)は総じて高いので、ゲーミングヘッドセットも当然やや高いです。しかし、実はドライバーサイズの割には安い場合も多いです。
大手音響機器のヘッドフォンなどを調べるとわかりますが、大型ドライバー採用製品は非常に高価です。ワイヤレス製品が多いですが、人気製品の主要価格帯は3万円前後(2020年7月時点)です。ゲーミングヘッドセットは、ワイヤレスでも1万円台前半くらいが主流なので、実は仕様的には高い価格設定ではないです。大型ドライバー採用のヘッドフォンが欲しいなら、ゲーミング目的でなくてもゲーミングヘッドセットはコスパは悪くなかったりします。 - 遮音性が高いゲーミングヘッドセットは基本的に密閉型(クローズド)となっていて、遮音性が高いです。更には耳をすっぽり覆うタイプが主流ということもあり、外部への音漏れは少なく、使用している際の外部からのノイズも入りにくいです。普通のヘッドフォンでは開放型(オープンエアー)という主流のタイプがもう一つある上、耳乗せ型も多いので、「遮音性の高さ」を重視するならゲーミングヘッドセットから選ぶのは手っ取り早くて良いです。
- 圧迫感の少ない装着感長時間のゲームプレイでも支障が出ないように、圧迫感の少ない装着感が意識されている製品が多いです。メッシュ仕様が多いことも特徴の一つで、中にはイヤークッションの中に冷却ジェルが注入されている製品などもあります。主観ですが、ゲーミングヘッドセットの装着感は、安いそこらのヘッドフォンよりは大体良いと思います(高いから当たり前かもしれないですが)。とはいえ、オーバーヘッドタイプである以上、最低限の重みや圧迫感は避けることはできないので、イヤホン派の人にとっては辛い人も居ると思います。
- マイクが付いている:おまけ程度ゲーミングヘッドセットはヘッドセットなので、マイクが付いています。ただし、「ゲーム中の通話」の用途ではマイク音質は聞き取れれば良いという感じなので、性能は重視されない傾向があります。そのため、ゲーミングヘッドセットを利用していても、他のマイクを利用しているという人は多いと思います。
型が絞られているので、ゲーム用途なら手っ取り早い
ゲーミングヘッドセットは、文字通りゲームでの使用を意識して設計されたヘッドセットのことです。機能や仕様、装着感も含めほぼ全てがゲームを意識して設計されています。ただし、正直、一般的なヘッドフォンと比較して絶対的な要素というのはほぼ無いです。ですが、似たような仕様の一般的なヘッドフォンを探せばそれなりに高価になるはずなので、コスパ的には悪くないです。型が絞られている分手っ取り早いですし、選択肢も多いので、ゲーム用途ならゲーミングヘッドセットを選ぶことは良い選択肢です。
まとめ
最後にざっとQ&A形式で、必要性についてまとめています。あくまで主観としての回答なので、参考までにご覧ください。
ゲームするならゲーミングヘッドセットは必須?
いいえ、必須ではありません。「ゲーミングヘッドセットじゃないとダメ」みたいな優位性はほぼ無く、活躍しているゲーマーの中にはイヤホンでプレイしている人もたくさん居ます。
ゲーミングヘッドセットの主な短所は?
明らかなものとしては、重い点、Bluetooth対応製品が非常に少ない点、価格が高い点などです。
ゲーミングヘッドセットの主な長所は?
ストレスが軽減されるような装着感が重視されている点、大型ドライバーが採用されている割には高くない点などです。
かなりざっくりでしたが、内容は以上になります。後は参考リンク等です。
参考リンク
参考リンク等です。
今選ぶゲーミングヘッドセットランキング【コスパ重視・2023年4月版】
それでは、記事はここまでになります。ご覧いただきありがとうございました。