ゲーミングヘッドセットを使うメリットって何?【ざっくり解説】

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ゲーミングヘッドのメリットについてのざっくり解説記事です。要点をざっくりとまとめています。

注意

本記事の内容は記事執筆時点のものであり、ご覧になっている際には異なっている可能性があるので注意してください。

メリット・デメリットまとめ

早速ですが、まずはゲーミングヘッドセットのメリットとデメリットをざっとまとめたものを載せておきます。

ロジクール G435 LIGHTSPEED Wireless Gaming Headset
良い点
  • 遅延が少ない(※ここが特にポイント)
  • マイク搭載(※ここが特にポイント)
  • 長時間利用を想定した装着感
  • 専用ソフトが基本ある
    イコライザーやバーチャルサラウンド機能など
  • ワイヤレス製品はUSB 2.4GHz(レシーバー付属)が基本
    Bluetoothに対応していなくても使える
気になる点
  • 全体的に高価
  • ワイヤレスでもBluetoothは非対応の場合があるので注意が必要
  • オーバーヘッドタイプが多い
  • 音質コスパは悪めな傾向

遅延の少なさとマイク搭載が主なポイント

詳しくは後で見ていきますが、先にゲーミングヘッドセットの肝となる要素だけ触れておこうと思います。

ポイントとなるのはワイヤレス製品の遅延の少なさとマイクの搭載だと思います。

なぜかというと、メリットの他の点は一般的なヘッドホンでも代替案なども含めると対応が容易なのに対し、この二つは一般的なヘッドホンでは対応製品が少ないためです。

遅延の少なさ:付属レシーバーによる高速通信が基本

まずは遅延の少なさです。ゲーミングヘッドセットはワイヤレス製品でも遅延が少ないことが基本となっていることが大きな特徴の一つです。

これは付属レシーバー(USB / 2.4GHz)による接続が主流であるためです。

一般的なワイヤレスヘッドホン・イヤホンはBluetoothを使用していますが、遅延が大きめのコーデックを採用していることが多いです(主にSBC、AAC)。

一般利用での主な用途である音楽・動画鑑賞では、多少の遅延が問題になることが少ないため、低コストで省電力なコーデックが採用されることが多いためです。

低遅延のBluetoothコーデックも存在しますが(aptX系、LC3系)、2025年時点ではいずれも採用に追加コストが掛かります。また、低遅延のコーデックを使用するにはOS側とワイヤレス機器の両方にも対応が求められるため、ハードルがやはり高めです。

遅延の目安(最小)
SBC220ms~(0.22秒)
AAC120ms~(0.12秒)
aptX 系40ms~150ms(0.04秒~)
LC3 系10ms~28ms(0.01秒~)
有線ほぼゼロ
Bluetoothコーデックの遅延ざっくり比較

そして何より、音質が向上する訳でもないのに対応製品は高額になってしまいます。そのため、音楽・動画鑑賞がメイン用途である一般向け製品ではコスパが悪く、採用率が低いです。

これに対し、ゲーミングヘッドセットでは付属のレシーバー(USB / 2.4GHz)利用が主流であり、Bluetoothよりも遅延が少ない通信方式を採用していることが基本です。

デスクトップPCではBluetoothに標準で対応していないケースもありますし、遅延の問題も併せて解決するのに非常に適しているため、付属レシーバー採用が主流となっていると思われます。

レシーバー接続はモバイル性や汎用性に乏しいのがデメリットですが、最近ではBluetoothにも対応した製品が増えているので、ゲーミングヘッドセットでもモバイル用途や一般用途でも使いやすくなってきています。

ただし、ゲーミングヘッドセットでもBluetoothの場合は低遅延にならないことが多いので、その点は注意が必要です(一応、高価だが低遅延のLC3に対応した製品もわずかにあるものの、付属レシーバーの方が基本低遅延)。

しかし、元も子も無いことを言ってしまうと、有線接続ならゲーミング向けなどを気にする必要なくほぼ遅延がありません。非常に簡単な代替案があるというのは、少し気になるメリットです。

マイクの搭載

ヘッドセットとはマイクが搭載されているヘッドホンのことなので、ゲーミングヘッドセットにはマイクが搭載されています。

ヘッドセット“とはマイクが搭載されたヘッドホンのこと

マイクを搭載する理由を端的に言うなら、PCゲームはデスクトップの利用者が多いためです。

しかし、デスクトップPCではマイクの搭載が一般的ではありません。

通話が重要なゲームもたくさんありますし、単に友達と通話しながらゲームしたい場合にもマイクが必要ですから、そのような場合に他の機器を用意せずに通話できるように、マイクが搭載されています。

これに対し、一般的なヘッドホン・イヤホンの場合はモバイル端末による利用が非常に多いです。そして、モバイル端末ではマイクが搭載されているのが基本です。そのため、ヘッドホン側のマイク搭載の必要性が薄いです。

また、一般消費者だけでなく、プロが利用するようなら音響の現場でも別途の単体のマイクの用意が当たり前だと思います。

そのため、PCゲーム以外の利用シーンでは意外とマイクが別途必要となるケースが少ないため、ゲーミングヘッドセット以外ではヘッドホン側にマイクが搭載されているケースが少ないです。

そのため、マイク搭載が前提の「ゲーミングヘッドセット」というジャンルは意外と希少だと思います。

ただし、音質は微妙な傾向

ただし、ゲーミングヘッドセットのマイクの音質は全体的に微妙な傾向があるため注意が必要です。凄く高価な製品出ない限りは、基本的には聞こえればOK程度の音質だと思った方が良いかと思います。

恐らくはコストやサイズなどの兼ね合いで高音質が難しいのだと思います。

そのため、高音質での通話を行いたいのなら結局は別途のマイクの用意が必要となることが多いので、その点は留意しておきましょう。

一般的なヘッドホンとの比較

次に、一般的なヘッドホン(ヘッドセット含む)とゲーミングヘッドセット比較をしていきます。両者をざっくり比較した表が以下です。

一般的なヘッドホン
※ヘッドセット含む
ゲーミングヘッドセット
主な想定デバイス幅広いデバイス
最近はモバイル向けが多い
PC
価格幅広い価格全体的に高価
遅延(レイテンシ)
※ワイヤレス製品の場合
遅延は重視されない製品が多い遅延の少なさを非常に重視
ワイヤレス方式Bluetoothが主流レシーバー(USB 2.4GHz)が主流
Bluetooth対応製品最近多い
装着方式非常に幅広いラインナップ
左右分離ワイヤレス製品が豊富
オーバーヘッドが多い
※ただし、小型製品も増えつつある
音質高コスパ製品も多数音質コスパは悪めな傾向
マイクマイク搭載は少ないマイク搭載が基本
(ヘッドセットなので)
装着感(素材)非常に幅広い圧迫感の少なさを重視
※メッシュタイプ多め
専用ソフト
※細かな音質の調整など
専用ソフトは基本なし
※一部製品ではある
専用ソフトが基本ある
※バーチャルサラウンドなど

低遅延とPC利用では優秀だけど、音質コスパは悪めな傾向

ゲーミングヘッドセットと一般的なヘッドホン・イヤホンとの比較をざっくりまとめると、PC利用における遅延の少なさや利便性では優秀ですが、価格が高価で音質コスパは悪めな傾向があるというのがポイントかなと思います。

「ゲームにおける音声」というのはゲームを構成する一部分です。

それに対し、一般的なヘッドホン・イヤホンは音楽・動画鑑賞がメインで想定するコンテンツであり、音声はコンテンツの大部分を占める要素です。重視度に差が出るのは合理的です。

ゲーミングヘッドセットは音質という部分のコストを、ゲーム向けの機能に回した機器であるとも言えると思います。

項目別の評価

ここまでは大まかな特徴をポイントにしていましたが、以下では各項目について一つずつ触れていこうと思います。

ゲーミングヘッドセットの項目別の評価(2025年9月時点)
価格:全体的に高価
ゲーミングヘッドセットは全体的に高価です。一般的なヘッドホン(イヤホン含む。以下省略)では安価な製品も豊富にありますが、ゲーミングヘッドセットはその特徴を維持するために最低コストが高くなっているため、安価な製品が少ないです。
たとえば、一般的なヘッドホンなら5000円程度あればワイヤレスも含めて多数の選択肢がありますが、ゲーミングヘッドセットで5000円はかなり安価な部類であり、選択肢はかなり少ないです。ワイヤレス対応も難しいです。
遅延(レイテンシ):素早いレスポンスを重視
ゲーミングヘッドセットのワイヤレス製品は遅延の少なさがほぼ基本要件となっています。そのため、最たる特徴と言って良いかもしれません。
これはやはりゲームでの利用を想定しているためです。特に対戦系のゲームではリアルタイムで素早い対応などが求められることが多いため、遅延の少なさは非常に重要です。対戦以外のゲームでも、映像と音でズレが発生してしまうと没入感が低下し、ストレスが大きくなったりします。そのため、わずかでも遅延は残したくないという意識があります。
そして、後述する付属レシーバーによる接続が主流なのも、この低遅延を実現するためというのが要因の一つです。低遅延のBluetoothコーデックは導入コストが高いため、付属レシーバーによる対応になっていると思われます(それに、Bluetoothの低遅延でも付属レシーバーには及ばない)。
対して、一般的なヘッドホンでは音楽や動画の鑑賞がメイン用途となっているため、わずかな遅延はデメリットととして捉えられないことが多く、遅延が大きめのBluetoothのコーデックもさほど悪い印象なく広く利用されています。
ワイヤレス接続:付属レシーバー(USB / 2.4GHz)が主流
ゲーミングヘッドセットのワイヤレス製品は、付属レシーバー(USB / 2.4GHz)による接続が主流です。
ゲーミングヘッドセットはPCでの利用を想定していますが、デスクトップPCではBluetoothに対応していない場合も多いので、レシーバーを付属する必要があるのと、そもそもBluetoothでは低コストで低遅延化するのが現状では難しいため、付属のレシーバー接続が基本となっています。
一般的なワイヤレスヘッドホン・ワイヤレスイヤホンといえばBluetoothですが、ゲーミング向け製品ではBluetooth非対応の場合もあるので注意が必要です。
とはいえ、最近はBluetoothにも対応するのが主流になりつつあるので、事前にチェックしておけば困ることはありません。
ただ、多くの製品では低遅延のコーデック(aptX系、LC3系)には対応しておらず、ゲーミング向け機能ではないことが多い点には注意。主に一般的なワイヤレスヘッドホンとの差を作らないための負荷機能であることが多いです。
音質:音質のコスパは悪い傾向
音質に関するコスパは一般的なヘッドホンよりも悪い傾向があります。これは「ゲーミング」としての特徴を取り入れるために、コストが掛かってしまうためです。
たとえば、マイクを搭載する点、前述のレシーバー付属の件、専用ソフトの開発や更新のコストなど、一般的なヘッドホンでは必須ではない要素を持つことが求められるため、最低コストが高くなります。
マイク:搭載しているけど、音質は微妙な傾向
PCゲームでは通話による意思疎通が重要なゲームも多いため、ゲーミング向け製品ではマイク搭載がほぼ必須要件となっており、ヘッドセットとして売り出しています。
別途の機器の用意が必要なく、通話をスムーズに開始できるので便利です。
スマートフォンなどのモバイル端末では、デバイス側にマイクが搭載されているのが基本なため、音響機器側のマイクは必要性が薄いため、非搭載製品がほとんどとなっています。
デスクトップPCではPCにはマイクが搭載されていないことが基本なので、ゲーミングヘッドセットのように付属されていると余計なコストや手間がいらずに済むのが嬉しいです。
ただし、音質に関しては微妙な傾向があるため注意が必要です。サイズ的な問題で高音質化が難しい側面もあるとは思いますが、コスト節約の意味合いが恐らく大きいです。
優れたマイク音質を目指すなら単体のマイクには敵いませんし、スピーカー音質や重量や装着感などの方が満足度に直結しやすいのも事実だと思うので、需要が低いところは切り捨てられてしまっているのだと思います。
そのため、結局高音質で音声を届けたいなら別途マイクの用意が必要となることが多い点は留意しておきたいです。
装着感:長時間利用を想定
ゲーミングヘッドセットは長時間の利用を想定していることが多く、オーバーヘッドタイプが多い傾向があります。
オーバーヘッドタイプは耳の穴とその周辺に触れないため、耳への負担が少ないのがメリットです。また、イヤホンタイプよりも大きなバッテリーを搭載できるため、バッテリー持続時間が長いのも強みです。
ただし、重量が重いと負担を感じたり、製品や人によっては側圧が強く、こめかみや耳介(耳の飛び出ている部分)に痛みを感じることがある点に注意が必要です。
とはいえ、重量や側圧の点さえ気にならない製品を見つければ、長時間利用でもストレスを少なく使うことが可能です。
対して、一般向けで主流なカナル型イヤホンは、小型軽量で首や頭への負担がなく、持ち運びに適している反面、耳の穴に入れる上、プラスチック部分を耳に引っかけて固定することが多いため、長時間での利用はどの製品でも基本推奨できません。
また、バッテリーが非常に小型なので、持続時間もオーバーヘッドタイプと比べると大幅に短い傾向があります。1度の充電を1日が終わる前に使い切る可能性が高くなります。
専用ソフト:細かな調整用ソフトがあるのが基本
ゲーミングヘッドセットでは多くの製品で音を調整するための専用ソフトが用意されています。これにより、バーチャルサラウンド・イコライザー(音の高さごとに音量を調整する機能)・ノイズキャンセリング機能などを手軽に利用することができます。
Windowsなら細かな標準機能やフリーソフトが豊富なので、別途対応することも不可能ではなかったりしますが、ある程度知識と手間が必要になるので、始めから手軽に対応できるソフトがあるのはやはり便利です。
対して、一般的なヘッドホンではそのような調整ソフトは無いことが多いです。これは、ゲーミングヘッドセットはPCでの利用を想定したものであるのに対し、一般的なヘッドホンはスマートフォンなどでの利用もメインとなっているためです。
PCでは専用のドライバー導入は一般的なので手を入れやすく、ユーティリティソフトの導入の敷居を低く感じるユーザーが多いので、メーカー側が専用ソフトを提供しやすいです。
スマートフォンでのオーディオは、OS標準の機能を使うのが基本なため、専用ソフト・アプリを用意しても使われない可能性も高いです。そのため、用意されないことが基本となっていると思われます。ただし、一部メーカー(SONYやCREATIVE)ではスマートフォン向けのアプリで調整アプリを提供をしたりしており、そのようなメーカーが増えつつあるので、今後は状況が変わっていくかもしれません。

シンプルに良い点を増やすというより、ゲーム向けに寄せている

項目別に見ると、明確に良いといえるのは低遅延ワイヤレス対応くらいで、その他は良い点というよりは、ゲーム向けに寄せた仕様という感じです。

これは割とポイントかなと思っています。

たとえば、「ゲーミング向けの製品」というと、マウスやキーボードなども有名だと思います。

そちらは現在は非常に進化しており、現状では一般利用向けの高性能なマウスやキーボードとしてもおすすめできる製品が多数ありますし、ゲーミング向けでも低価格ワイヤレスでコスパの良いものも多いです。

それに対し、ゲーミングヘッドセットはモバイル用途や一般利用などで使うには適さない製品も多めです。

マウスやキーボードのスイッチやセンサーなどと違い、スピーカーのドライバーユニットは時代が進んでもコストが減りにくい部分だと思うため、音の面でのコスパ向上も微妙な印象です。

そのため、雑におすすめするのが難しいジャンルであると個人的に思います。

良い点としては、「少なめの総合コストで手軽にゲーム向けの機能や仕様に対応したい」人には良い選択肢です。一概に微妙なものだとまでは思いません。

また、最近では一般利用も意識した製品が増えつつあり(左右分離ワイヤレスやBluetooth対応)、予算さえ潤沢なら雑におすすめできる製品も増えてきています。

ただ、超高価なゲーミングヘッドセットを購入するなら、中価格で高コスパなヘッドホン・マイク・オーディオインターフェースなどを別途揃えた方が利便性が高いという意見もあると思いますし、中々選択が難しいジャンルだと思います。

よくありそうな疑問(Q&A 方式 でまとめ)

最後に、ここまでの内容を踏まえて、よくありそうな疑問についてQ&A方式でまとめています。

PCでゲームするならゲーミングヘッドセットは必須ですか?
いいえ、必須ではありません
個人的には、マウスやキーボードと比べると重要度は低いと思っています。
ゲーミングヘッドセットは、手っ取り早く低遅延とゲーム向けの機能とマイクを導入したい人向けの機器であり、シンプルな高級音響機器とは扱えないことも多いためです。
音質コスパが悪めな傾向があり、オーバーヘッドタイプが多いことも汎用性的に気になるところです。
それに、優れたスピーカー音質とマイク音質を求めるなら、別々の機器を用意する方が良いことが多いです(費用は高くなるけど)。
ただし、2025年時点ではPCでも低遅延Bluetooht接続を可能とした汎用性に優れた高音質なゲーミング製品が出てきており(SONY INZONE Buds や パナソニック SC-GNW30 など)、いきなり上位にランクインしたりしているので、今後は状況が変わっていく可能性もあります。
ゲーミングヘッドセットの長所はなんですか?
低遅延(付属レシーバー)、マイク搭載、専用の調整ソフトが大体用意されている、長時間使用でも耳への負担が少ない、などが挙げられます(一般的なヘッドホン・イヤホンと比較した場合)。
特に、ワイヤレス製品の遅延についてはBluetoothと比べると大きな差があることが多いです。ワイヤレスで低遅延を求めるならゲーミングヘッドセットは手っ取り早く失敗しにくい選択肢です。
ただ、ゲーミング向けでなくても有線なら低遅延なのが気になるところです。音質コスパも良いです。
実際、ゲーム系の配信者などを見ると、有線のヘッドホン・イヤホンを使用している人が結構多かったりします。
ゲーミングヘッドセットの短所はなんですか?
価格が高価、全体的に重い、音質コスパが悪めな傾向、オーバーヘッドタイプが多い、などが挙げられます(一般的なヘッドホン・イヤホンと比較した場合)。
価格面はある程度妥協できるとしても、重量や装着タイプは使用感に関わる大きな部分なので、そこの選択肢が限られている点は特に注意が必要です。
ただし、2025年時点ではゲーミング製品でも左右分離型のワイヤレス製品が徐々に台頭してきているので、今後は状況が変わっていくかもしれません。

それでは、記事はここまでになります。ご覧いただきありがとうございます。

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