【2020年7月版】BTOパソコン VS フルカスタマイズPC(組み立て代行)

本記事では「BTOパソコンは本当に安いのか?」という点を、「コスパの良いBTOパソコン」と同性能くらいでコスパ重視で組んだ「フルカスタマイズPC(組み立て代行サービス利用)」と比較してみていきたいと思います。思いついたのでとりあえずやってみた、やっつけ記事です。参考までにご覧ください。

コスパの良いBTOパソコンは「ドスパラ」様のPCを例にし、フルカスタマイズPCは「PCワンズ」様のフルカスタマイズPCサービスを利用したものを例として見ていきます。

注意

本記事の内容は、記事執筆時点(2020年7月9日)のものであり、記事をご覧になっている際には異なる可能性があるため注意してください。

概要

BTOは楽でお得は本当か?

近年ではPCゲームが大流行し、ゲーミングPCの需要が非常に高くなっています。それに伴い「ドスパラ」等のBTOパソコンの売れ行きは非常に好調らしいです。また、最近では新型コロナウィルスによる在宅増加による需要増による影響もあると思われます。このような情勢の中で「ゲーミングPCを買うならBTO」が一般的な認識というのはあると思います。

そこで、「ゲーミングPCを買うならBTOが楽でお得」という認識が本当に正しいのかを、改めて確認しようと思い記事にしています。

比較方法など

比較について
 BTOパソコン
(ドスパラ)
フルカスタマイズPC
(PCワンズ)
PC人気ランキング1位と2位のPC
(ハイエンド下位とエントリーくらいの性能)
※2020年7月9日時点
対抗PCと同じくらいの基本性能
コスパ重視でパーツ選択
公式HPドスパラPCワンズ

比較方法は、「ドスパラのゲームPCランキング上位のBTOパソコン」と、「PCワンズで市販のパーツを選択して構成するフルカスタマイズPC」を比較する形式でやっていきます。

ドスパラはBTOパソコンショップとしては日本では屈指の知名度の誇るショップです。総合評価では、質やサポートを疑問視する人も多く賛否両論といった感じだとは思いますが、純粋なコスパに関して文句を言う人はほぼ居ないレベルの良さだと思います。PCワンズは、大手のPCパーツショップで、サービスの一つとしてフルカスタマイズPCの注文を受け付けています(BTOパソコンも一応少しありますが)。

フルカスタマイズPC側は、コスパ重視で対抗のドスパラのPCと同クラスのCPUとGPUを使用してパーツを選択します。価格は「PCパーツの総額+セットアップ手数料(OSインストール込で+12,000円)」です。

大手のBTOパソコンを購入する主な利点は、細かいパーツ選択や組み立てやセットアップの「手間が掛からない」ことと、大量生産によるコスト削減で「コスパが良い」ことです。もし、フルカスタマイズPCの方がお得であれば、BTOパソコンの利点は「細かいパーツ選択の手間が掛からない」というほぼ一点のみになります。ゲーミングPCは安いものでも10万円程度はしますし、総じて非常に高価です。少しの手間でお得度や自由度が増すなら、フルカスタマイズしてみたいって人も居ると思います。もちろん大手のメーカーに任せた方が安心って人も居るとは思いますが、「ゲーミングPCならBTO」では無くなるんじゃないか?と思います。

ちなみに、自作PCやフルカスタマイズPCだとPC本体に保証はつかずにPCパーツ毎の保証となるのに対し、BTOパソコンだとPC本体に保証がつく違いもありますが、これはどちらが良いかは諸説あると思うので、本記事では特に考慮しません。

高性能モデル【Core i7-10700 + RTX 2070 SUPER】

まずは、高性能モデルからです。

ドスパラ 人気1位

GALLERIA XF【2020/7/9 時点】

 
スペック
価格189,978円(税込・送料込)
CPUCore i7-10700
メモリーDDR4-2666 16GB(8GBx2)
GPUGeForce RTX 2070 SUPER
(HDMI x1,DisplayPort x3)
ストレージ容量
HDD:2TB
SSD(NVMe):512GB
チップセットIntel H470
電源650W 80PLUS BRONZE
OSWindows 10 Home 64bit
光学ドライブなし
商品リンクGALLERIA XF Core i7-10700モデル

ドスパラでは「Core i7-10700」+「GeForce RTX 2070 SUPER」搭載の「GALLERIA XF」がゲーミングPCの人気1位らしいです(2020年7月9日:公式HPより)。ハイエンドクラスのゲーミング性能を維持しつつも、価格を出来るだけ抑えたようなゲーミングコスパ重視構成です。非常に良い構成だと思います。ドスパラでは、新PCケースがつい先日発表されましたが、そのPCケース採用モデルの第一陣にも選ばれた現在のドスパラ屈指の人気モデルです。もしかしたら新PCケース版発売と同時に廃止されるのか、在庫切れの表示となっています。ただ、後継モデルはHDDが未搭載になっていて、コスパ的にはやや悪そうなので、旧モデルで見ていきたいと思います。

価格は、記事執筆時点だと159,800円(税別)となっていますが、在庫切れになっていなかった1週間くらい前に見た時は、確か169,800円(税別)だったと思うので、そちらで計算します。159,800円(税別)はさすがに安すぎです。ちなみに、新ケース採用の後継モデルの価格は169800円(税別)です。色々と邪推してしまいますが、ここでは触れません。

細かいところや性能については、後で比較していきますので、ここでは省略します。


フルカスタマイズPC(PCワンズ)

 
スペック
価格207,039円(税込・送料無料)
CPUCore i7-10700
(CPUクーラー:虎徹 Mark II)
メモリーDDR4-3200 16GB(8GBx2)
(DDR4-2933で動作)
GPUGeForce RTX 2070 SUPER
(HDMI x1,DisplayPort x3)
ストレージ容量
HDD:4TB
SSD(NVMe):512GB
マザーボードASRock H470 Steel Legend
電源750W 80PLUS GOLD
(Antec Neo ECO)
PCケースP7 Silent(14cmケースファン×1追加)
OSWindows 10 Home 64bit DSP版
光学ドライブなし

出来るだけコスパを良くしようとした結果、ドスパラより2万円近く高くなってしまいました。ただ、コスパとしては悪くない出来だと思います。ちなみに、PCケースがガラスやアクリルパネル仕様の場合は手数料が掛かるため注意が必要です(本記事ではあえて避けています)。詳しい性能や仕様については直後の項目で見ていきます。


双方の比較

 BTO
(ドスパラ)
フルカスタマイズ
(PCワンズ)
総額(税込・送料込)189,978円202,839円(+12,861円)
CPUCore i7-10700Core i7-10700
(43,700円)
CPUクーラー(空冷)DEEPCOOL製 12cmファン?虎徹 Mark II
(4,250円)
メモリーDDR4-2666 16GB(8GBx2)crucial製 DDR4-3200 16GB(8GBx2)
※DDR4-2933で動作(8,750円)
GPUGeForce RTX 2070 SUPER
(HDMI x1,DisplayPort x3)
GeForce RTX 2070 SUPER 玄人志向
(HDMI x1,DisplayPort x3)
(60,800円)
HDD
2TB
4TB WESTERN DIGITAL製
(9,071円)
SSD(NVMe)
512GB(多分TLC)
読込3200MB/s,書込2000MB/s
512GB TLC ADATA製
読込3500MB/s,書込2350MB/s
(9,280円)
マザーボードASUS製 H470ASRock H470 Steel Legend
(19,030円)
電源650W 80PLUS BRONZE750W 80PLUS GOLD(Antec Neo ECO)
(11,800円)
PCケースガレリア KTケースP7 Silent(14cmケースファン×1追加)
(6,980円+1,518円)
OSWindows 10 Home 64bitWindows 10 Home 64bit DSP版
(15,660円)
光学ドライブなしなし
セットアップ費用なし12,000円(OSインストール込)
その他SDカードリーダー付属 
送料3,300円(離島など以外)送料無料
(税込み12,000円以上で送料無料)

フルカスタマイズの方が少し高いが、コスパ的には同程度?

フルカスタマイズの方がやや高くはなってしまいましたが、主に「メモリー速度」「電源」「Windowsのライセンス」「HDD容量」で優位性があります。特に電源は「650W BRONZE」と「750W GOLD」では結構な差があります。一応ケースファンの追加などもしています。

他は大した差でもない感じなので、差し引きで総合的なコスパの差はほぼ無しって感じの印象です。結構微妙なラインだと思います。ただ、BTOだと型番がわからないパーツがあるのが個人的には少し嫌なのと、BTOはカスタマイズすると大体パーツ価格よりも少し高く掛かりますが、フルカスタマイズならカスタマイズ費用はセットアップ費用に含まれているので、柔軟に豊富な選択肢で対応できる分強みを感じます。それに、一応フルカスタマイズの方も安さに特化すれば、同じくらいに価格にすることは可能です(ただし、コスパ的には少し悪くなりそう)。「安く楽に」という意味ならやはりBTOの方にやや分があるかなといった感じですが、自分でじっくりパーツ構成を考えられる人なら、フルカスタマイズの方が自由度が高い分上だと思いました。

エントリーモデル【Ryzen 5 3500 + GTX 1660 SUPER】

次にエントリークラスのモデルを見ていきます。最低限の性能を確保しつつ価格を出来るだけ低くといった感じのクラスです。

ドスパラ 人気2位

GALLERIA RT5 Minecraft Dungeons同梱【2020/7/9 時点】

 
スペック
価格113,278円(税込・送料込)
CPURyzen 5 3500
メモリーDDR4-2666 16GB(8GBx2)
GPUGeForce GTX 1660 SUPER
(DVI x1,HDMI x1,DisplayPort x1)
ストレージ容量
SSD(NVMe):500GB
チップセットB450 Micro-ATX
電源650W 80PLUS BRONZE
OSWindows 10 Home 64bit
光学ドライブなし
商品リンク公式

ドスパラでは「Ryzen 5 3500」+「GeForce GTX 1660 SUPER」搭載のミニタワーゲーミングPCが人気2位のようです(2020年7月9日:公式HPより)。価格の安さとコスパに特化したモデルです。

細かいところや性能については、後で比較していきますので、ここでは省略します。


フルカスタマイズPC(PCワンズ)

 
スペック
価格113,718円(税込・送料無料)
CPURyzen 5 3500
(CPUクーラー:同梱クーラー)
メモリーDDR4-3200 16GB(8GBx2)
GPUGeForce GTX 1660 SUPER
(HDMI x1,DisplayPort x3)
ストレージ容量
SSD(NVMe):512GB
マザーボードASRock B450M Steel Legend
電源650W 80PLUS BRONZE
(Antec Neo ECO Classic)
PCケースP7 Silent
OSWindows 10 Home 64bit DSP版
光学ドライブなし

あえてドスパラ側と総額が同じになるくらいでまとめてみました。詳しい性能や仕様については直後の項目で見ていきましょう。


双方の比較

 BTO
(ドスパラ)
フルカスタマイズ
(PCワンズ)
総額(税込・送料込)113,278円113,718円(+440円)
CPURyzen 5 3500Ryzen 5 3500
(16,148円)
CPUクーラー(空冷)CPU同梱クーラーCPU同梱クーラー
メモリーDDR4-2666 16GB(8GBx2)crucial製 DDR4-3200 16GB(8GBx2)
(8,750円)
GPUGeForce GTX 1660 SUPER
(DVI x1,HDMI x1,DisplayPort x1)
GeForce GTX 1660 SUPER ZOTAC
(HDMI x1,DisplayPort x3)
(26,980円)
HDD
なし
なし
SSD(NVMe)
500GB(多分QLC)
512GB TLC ADATA製
読込3500MB/s,書込2350MB/s
(9,280円)
マザーボードB450 Micro-ATXASRock B450M Steel Legend
(10,980円)
電源650W 80PLUS BRONZE650W 80PLUS BRONZE Antec製
(6,940円)
PCケースガレリア KTMミニタワーP7 Silent
(6,980円)
OSWindows 10 Home 64bitWindows 10 Home 64bit DSP版
(15,660円)
光学ドライブなしなし
セットアップ費用なし+12,000円(OSインストール込)
その他SDカードリーダー付属
Minecraft Dungeons 同梱
 
送料3,300円(離島など以外)送料無料
(税込み12,000円以上で送料無料)

フルカスタマイズの方がお得

あえてほぼ同額の構成にしてみましたが、フルカスタマイズの方は「メモリー」「SSD」「Windowsのライセンス」等の利点が得られています。明らかにフルカスタマイズの方がお得です。Ryzenは特にメインメモリーに性能が左右されやすいので、意外と大きいです。SSDは、ドスパラの方は詳しい仕様が記述されていませんが、記載されていないということは恐らく安価なQLCのものだと思うので、TLCのものを採用したフルカスタマイズ側の方が良いと思われます。また、多分ケースも、ドスパラのミニタワーケースよりは今回選択したP7 Silentの方が良いと思います。

また、フルカスタマイズなら高額なカスタマイズ費用を払うことなく、構成変更をすることが可能です。今なら、第4世代のRyzenを見据えてマザーボードをB550のものにしたりとか、電源をGOLD認証のものにしたりとか、CPUクーラーも好きなものを選ぶことが可能です。今回のケースでいえば、CPUを評判の良い「Ryzen 3 3300X」にするなんてことも簡単にできます(品薄だけど)。

ちなみに、ドスパラ側にもSDカードリーダーとゲームが付くという利点が一応ありますが、これはおまけみたいなものだと思うので評価対象外としています。

まとめ

まとめ
  • コスパ
    BTOが基本構成なら、大差ないかフルカスタマイズが少し上というくらいでした。純粋なコスパでいえばフルカスタマイズの方が僅かに有利という結果でした。また、BTO側はカスタマイズ費用が基本的にパーツ価格よりも高いので、こだわりのある人や高品質なパーツを積極的に採用したい人は、フルカスタマイズの方のコスパは更に上がってくると思います。ただ、BTO側はストレージ増量などのキャンペーンも頻繁に行っていますし、セールなども頻繁に行っているショップもありますから、それらを考慮すると話が少し変わってくると思います。とはいえ、「基本構成でセールやキャンペーン無し」ならフルカスタマイズの方が、現状のコスパはやや上だと思います。
  • 安さ
    フルカスタマイズで安さに特化しても、BTOと同じくらいの価格にしかならなそうだったので、楽な分BTOの方がやや有利に見えました。PCについて知識があまり無く、安くて最低限を備えたPCが欲しいなら、やはりBTOは最善と言っても良い選択肢だと感じました。
  • 自由度(高品質パーツの採用)
    当たり前ですが、フルカスタマイズの方が上です。カスタマイズ性は、どうあがいてもBTOはフルカスタマイズには構いませんし、BTOはカスタマイズの費用がやはり高いと感じます。また、特定の製品やメーカーのパーツを選択したいという場合にも、フルカスタマイズの方が広い選択肢から対応できます。
  • 楽さ(手軽さ)
    BTOの方が楽です。フルカスタマイズでは、全てのパーツを自分が考えて選択しないといけないので、まずそこで時間と手間が掛かります。更に、場合によってはその後に確認や相性問題によるパーツ変更を求められたりする可能性もあります。BTOでは、問題があるようなカスタマイズ項目はそもそも出ないようになっているのが基本なので、後から何か手間が掛かることもほぼありません。多忙だったり、PC自体への興味が無い人には、BTOは凄く使い勝手が良いと思います。

BTO:安くて楽で、基本構成ならコスパも良い

総合的に見ると、自由度が高い分フルカスタマイズの方がやや有利といった印象でした。ただし、BTO側がカスタマイズ無しの基本構成なら、フルカスタマイズで時間と手間を掛けてコスパ重視のパーツで固めたPCですら、コスパ的には大差無かったとも言えます。それに、今回のBTO(ドスパラ)側では、キャンペーン等の適用はありませんでしたが、大手のBTOショップでは結構頻繁に送料無料やストレージの増量キャンペーンが開催されます。その場合にはBTOの方がコスパは少し上になると思われます。

PCでゲームをやる事だけに興味があって、PC自体にはさほど興味がないという人にとっては、基本構成の価格が安くてコスパ的にも悪くなくて、しかも楽なBTOの方が良いと思います。

フルカスタマイズ:手間が掛かっても良いならお得

安さに特化する前提では、やはりBTOは強く、しかも楽なのでやや分が悪いです。ただし、コスパ的には意外と良い勝負で、パーツ選択次第では上にもなれるポテンシャルもあります。実際、今回のエントリーモデルでの検証でも、フルカスタマイズの方がややコスパが上という結果になりました。

また、言わずもがな、フルカスタマイズは自由度が段違いです。パーツ選択の手間を惜しまないのであれば、コスパ的にも不利ではなく、自由度も高いフルカスタマイズPCは非常に強い選択肢だと思いました。


それでは、記事は以上になります。やっつけ記事ですが、ご覧いただきありがとうございました。

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