2022年8月現在、次世代GPUやCPUが控える今はゲーミングPCを購入するには正直ためらってしまう時期ですが、あえて購入するならという場合のコスパ比較についてです。対象はゲーミングPCで、自作ではなく主にBTOショップで購入することを前提としています。
本記事の内容は記事執筆時点(2022年8月10日)のものであり、ご覧になっている際には異なる可能性があるため注意してください。
はじめに:次世代を待てるなら待った方が良い
始めに触れておきたいのが、今ゲーミングPCを買おうとする際に考えるべき第一の要点は、コスパを考えるなら登場が迫っている次世代のCPUやGPUを待った方が良いということです。
CPUはRyzen 7000シリーズと第13世代Coreシリーズ、GPUはGeForce RTX 40シリーズやRX 7000シリーズが、2022年秋以降に続々と登場する予定となっています。新しい世代のパーツの性能が常に飛躍的な向上を果たすとは限らないのですが、今回は登場する数が多いため全てが微妙という可能性は考えにくいですし、リークや少しだけ出ている公式情報などを見ても大幅な性能向上となる可能性が高いため、出来れば待った方が良いという話になります。
ただし、現在ゲーミングPCを所有していない人が数ヶ月~半年も待つとなると話は別です。今現在ゲーミングPCを所有している人に関しては次世代の到着まで多少低いパフォーマンスで我慢すれば良い話ですが、そうでない人は今ゲームがしたくてゲーミングPCを購入を検討しているという本末が転倒してしまいます。
そのため、コスパを考えるなら次世代を待った方が良いということは前提として置きつつも、あえて今ゲーミングPCを購入することを考えて、現在販売されている筆者がお得だなと思った主要モデルをコスパ比較してみたいというのが本記事の趣旨となります。ただし、各CPUとかGPUの性能については深くは触れないので、そちらに関しては別のベンチマーク比較などを参考にしてください。
重要なのはPC総額から見たゲーミングコスパ
本記事の本題です。一般的な消費者にとってゲーミングPCを購入する際に重要なのは、コスパだと思います。これは時期に関わらない事項だと思いますが、次世代GPUが控える今であるからこそ、コスパなどの効率面が良いものを導入しておきたいという気持ちはより強まると思います。
そして、ゲーミングPCのコスパを考える際に特に重要な要素の一つは「PC総額から見たゲーミングコスパ」です。
PCのゲーミング性能を調べる際にはGPU同士での価格や性能で比較されることが多いと思いますが、実際にはGPUの費用は大体PC総額の3分の1前後です。しかし、PCのゲーミング性能はGPUの性能が大部分を占めるため、GPUのみの比較ではやや不適切と言えると思います。
GPUのみを交換するのであればGPUのみの比較で正しいですが、PCを丸ごと購入する場合に重要なのはGPU単体からの比較ではなく、ゲーミングPCの総額から見たコスパです。
例を示すと、たとえば、CPUの性能差はなくボトルネックも発生しないことを前提として、GPU以外の総額が15万円であると仮定します。
その際にGPUを比較するとして、AのGPUは100の性能で10万円、BのGPUは75の性能で5万円であったとします。この場合1万円あたりの性能は、AのGPUが10、BのGPUが15となり、BのGPUの方が大幅にコスパは良いです。
しかし、PC総額で考えると話が変わってきます。GPU以外の費用の15万円を加算した場合、AのGPUは100の性能で25万円、BのGPUは75の性能で20万円です。1万円あたりの性能はAが4、Bが3.75となり、立場は逆転してAの方がコスパが少し良いことがわかります。
実際にはゲーミング性能にはCPUも関わってきますし、その他の面についても最低でも価格には関わってくるため、上記のような図式が常に成り立つわけではないですが、GPUのみで見たコスパとPC総額から見たコスパでは差が出るという説明にはなるかなと思います。
おすすめゲーミングPCのコスパ比較
弊サイトでは別記事で「今選ぶおすすめゲーミングPC」という記事をちょくちょく更新しているのですが、主に現在そちらの記事で掲載している製品のコスパを算出して比較してみたいと思います。
【コスパ重視】今選ぶおすすめゲーミングPC 【2024年12月更新】
その他、各項目の補足説明なども含めて下記に載せているので、気になる方はご覧ください。また、繰り返しになりますが、雑な比較なのであくまで参考までに見てくださると幸いです。
- ゲーミングコスパ
- ゲーミングコスパは、1円あたりのゲーミング性能スコア(後述)です。小数点以下が多くなってしまい見辛かったので、全ての数値を100倍して見易くしています。
- ゲーミング性能は3DMark TimeSpy の総合スコア
- GPUのゲーミング性能スコアは、3D Mark TimeSpyの総合スコアを利用しています。DirectX 12のスコアです。CPUも各モデルのCPUと同じ組み合わせのものを抜き出して掲載しています。要するに、CPUのゲーミング性能やボトルネックなども込みのゲーミング性能スコアです。ただし、RX 6000シリーズについてはRTX 30シリーズの対抗製品よりもレイトレーシング性能が少し低いですが、本項ではその点は考慮していない点には注意してください。参考:https://www.3dmark.com/
- CPUコスパ
- PC価格から見たCPU性能のコスパも参考までに載せています。参照スコアはCinebench R20 のマルチスレッド性能です。小数点以下が多くなってしまい見辛かったので、全ての数値を100倍して見易くしています。参考:https://www.cpu-monkey.com/ja/
おすすめゲーミングPCのコスパ (2022/8/10 時点)
製品(メーカー) | ゲーム コスパ | 価格(税込) 22/8/10 時点 | CPU GPU | メモリ SSD | ゲーム 性能 | CPU コスパ | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
LEVEL-R769-129-DZX (パソコン工房) | 6.17 | 319,800円 | Core i9-12900 RX 6900 XT | 32GB DDR4 1TB | 19,729 | 3.16 | クーラー× |
Legion T770i Core i9+3080 (Lenovo) | 5.39 | 330,004円 | Core i9-12900K RTX 3080 | 32GB DDR5 512GB +2TB HDD | 17,789 | 3.19 | 電源△ |
LEVEL-R66P-LC127-VAX (パソコン工房) | 5.48 | 310,880円 | Core i7-12700 RTX 3080 | 32GB DDR4 1TB | 17,041 | 2.69 | |
PG-PD12 (STORM) | 5.88 | 289,800円 | Core i7-12700 RTX 3080 | 16GB DDR5 1TB | 17,041 | 2.88 | クーラー△ 電源◎ |
raytrek XF (ドスパラ) | 5.79 | 234,980円 | Core i7-12700 RTX 3070 | 32GB DDR4 500GB | 13,603 | 3.55 | クーラー△ 電源〇 メモリ〇 |
LEVEL-R769-LC127-TAX (パソコン工房) | 5.79 | 234,800円 | Core i7-12700 RTX 3070 | 16GB DDR4 1TB | 13,603 | 3.56 | クーラー◎ |
GALLERIA XA7C-67XT (ドスパラ) | 5.98 | 219,980円 | Core i7-12700 RX 6700 XT | 16GB DDR4 1TB | 13,149 | 3.79 | クーラー△ |
raytrek XD (ドスパラ) | 5.50 | 214,980円 | Core i7-12700 RTX 3060 Ti | 16GB DDR4 500GB | 11,821 | 3.88 | クーラー△ |
LEVEL-R769-127-SAX-L (パソコン工房) | 5.91 | 199,980円 | Core i7-12700 RTX 3060 Ti | 16GB DDR4 1TB | 11,821 | 4.17 | クーラー△ |
LEVEL-R769-LC127-TAX (パソコン工房) | 5.79 | 234,800円 | Core i7-12700 RTX 3070 | 16GB DDR4 1TB | 13,603 | 3.56 | クーラー◎ |
LEVEL-R7X6-R75G-DUX (パソコン工房) | 6.41 | 189,800円 | Ryzen 7 5700G RX 6700 XT | 16GB DDR4 1TB | 12,162 | 2.88 | クーラー△ |
G-GEAR GA7A-B221TER/SP1 (TSUKUMO) | 6.76 | 179,800円 | Ryzen 7 5700G RX 6700 XT | 16GB DDR4 1TB | 12,162 | 3.04 | クーラー△ ケース△ |
LEVEL-R769-124-DSX (パソコン工房) | 5.67 | 169,800円 | Core i5-12400 RX 6600 XT | 16GB DDR4 500GB | 9,621 | 2.82 | クーラー△ |
G-GEAR GC5A-C212TN/R/CP2 (TSUKUMO) | 5.25 | 164,800円 | Ryzen 5 5600X RTX 3060 | 16GB DDR4 1TB | 8,645 | 2.77 | 電源〇 |
PG-PJ12 (STORM) | 4.69 | 138,800円 | Core i5-12400 RTX 3050 | 16GB DDR4 500GB | 6,516 | 3.45 | クーラー△ 電源◎ |
また、短期セールがメインなので紹介し辛くて含めていませんが、FRONTIER(リンク)のセール商品はここに載せているものよりもコスパが良い製品が出ることも多いので、併せて確認してみると良いかもしれません。
トップ2は RX 6700 XT + Ryzen 7 5700G
トップ2はいずれも「RX 6700 XT」搭載製品となっています。発売当初は「RTX 3070」に近い価格設定だったこともあり魅力が薄いモデルでしたが、売れ残りが多いためか、次世代も控える今は恐らく在庫処分価格で安いモデルが増えています。性能としては「RTX 3060 Ti」より若干上ながら、BTOでは「RTX 3060 Ti」搭載製品とほぼ同じかやや安い価格でも売られているのも見掛けます。今回比較したモデルでは最安で約18万円という価格になっており、かなりコスパが良いです。
ただし、トップ2の製品はいずれも「Ryzen 7 5700G」搭載となっており、CPUのゲーミング性能が「Core i7-12700」などと比べると低めな点は注意が必要です。「Ryzen 7 5700G」も恐らく在庫処分という感じで、CPUとGPU両方が在庫処分価格で大きく値下げされているという感じっぽいです。
ゲーミングコスパのみを考えれば非常に良いですが、やはりCPU性能は良くはない印象です(価格を考えれば全然悪くないけど)。マルチスレッド性能はRyzen 5やCore i5よりは高いため必要十分な性能ではあると思うものの、「Core i7-12700」にはゲーミング性能でもマルチスレッド性能でも大きく負けるので、CPU性能も重視したい場合にはCore i7の方がおすすめです。
Core i7 + RTX 3070 or RX 6700 XT はCPUコスパも良い無難な選択肢
トップ層には入らなかったものの、「Core i7-12700」+「RTX 3070」or「RX 6700 XT」は中の上くらいのコスパの製品が多い感じになっています。上の製品の「Ryzen 7 5700G」よりもCPUコスパが優れているので、CPUとGPU共にコスパが良いバランスの良い無難な選択肢と言えると思います。Core i7 + RTX 3070に関しては以前からずっと人気の構成だと思いますが、人気の理由がわかります。
以前と違うのは、値下がりした「RX 6700 XT」が同じくらいのコスパで入り込んできているところです。ただし、「RTX 3070」の方が性能は少し上ですし、消費電力も若干少なく電力効率が良いので、RTX 3070の方がやや上な印象です。とはいえ、RX 6700 XTの方がやや安いので、そこは予算次第という感じ。
基本的には、今PCをコスパ重視で購入するなら最有力は「RTX 3070」で、安さ次第では「RX 6700 XT」という感じになるかなと思います。
ハイエンドGPUもゲーミングコスパは良い製品もある
また、次世代GPUが控える今では手を出し辛いハイエンドGPU搭載製品も、ゲーミングコスパのみなら意外と良い製品はあります。もちろん、大分値下がりしてきた結果ではありますが。
やはり筆頭候補となるのは、グラボ単体ではかなり値下がりが進んでいる「RTX 3080」だと思います。ただし、BTO PCではRTX 3070よりも値下がりの動きが鈍い印象で、グラボ単体の価格比較では約3万円程度の差なのに、BTOだと6~7万円くらい高くなっていることが多いです。電源などのアップグレード費用込みだとしても少し高めです。
比較したモデルにおいても、出来るだけ安くてコスパが良い製品をチョイスしたつもりでもCore i7搭載で約29万円となっており、23万円台の製品も多いRTX 3070と比べると一気に価格が上昇してしまうのがやや悩ましい点です。
コスパと性能のみを考えれば悪くないので、コスパと性能の双方を重視するなら全然ありだと思いますが、やはり高いほど手は出しにくいですし、予算が気になるなら無理して手を出すほどの良さはないかなという印象です。消費電力や発熱の増加の点も考えると、大幅に安いRTX 3070の方が今は魅力が大きいのかなと思います。
ちなみに、GeForceではハイエンドモデルはRTX 3080 10GBしかお得に感じるモデルが現状ほぼ無かったために載せていないですが、先月にRTX 3080 12GB以上のモデルはNVIDIAから値下げが発表されたりしたので、今後大幅に安くなる可能性があります。その時の価格次第ではありますが、今後は選択肢に入る可能性が無くはないと思います。ただし、当然ながらRTX 3080 10GBよりは高くなるでしょうし、次世代が控える今にTDPが350W以上のモデルを買うのはやや避けたい気持ちが結局は勝りそうな気はします。
次にハイエンド帯のRadeonですが、筆頭候補となるのは本来RTX 3080の対抗の「RX 6800 / RX 6800 XT」なのですが、採用PCが明らかに少なかったです。他の高コスパ製品と比べてお得に感じる製品もほとんどありませんでした。単純に供給量が少ないことに加え、マイニング効率が非常に良かったモデルなので、ほとんど在庫がないのかなという気がします。
ただし、Radeonは「RX 6900 XT」もかなり値下がりしており、グラボ単体ならなんと最安で13万円台にまで突入しています(記事執筆時点)。「RTX 3090」は現状安くても18万円くらいはするので、明らかにコスパは良いです。
BTOでも一部では安いモデルを見つけることができ、今回比較に加えたモデルもCore i9(無印) + RX 6900 XT で約32万円となっており、価格は高いもののゲーミングコスパは優れています。お得に見えるものを集めた14製品の中でも4位のゲーミングコスパでした。レイトレーシング性能ではRTX 30シリーズにやや負けてしまうものの、電力効率では若干上回っていますし、大幅に安ければ選択肢に入りそうです。RTX 3080よりは注目度が低く競争率も低いと思われるので、探してみると思いがけない掘り出し物に出会える可能性もあるかもしれません。
RTX 3060 と RTX 3050 はコスパを考えるなら微妙
実は低性能なGPUであるほど、PC総額から見たゲーミングコスパは低くなりやすい傾向があります。OSやケースなどの固定費用が占める割合が多くなることが主な要因です。そのため、GPUで単体で見たコスパもそこまで良くないRTX 3050やRTX 3060などのコスパは正直微妙です。表を見ても下に沈んでしまっていることがわかると思います。RTX 3050とRTX 3060に関しては電力効率もあまり良くないですし、効率面を重視するならおすすめはできないモデルになります。
安いという利点はあるので、安さを最重視するなら魅力的なモデルではありますが、実はコスパは良くはないというのがちょっと罠っぽい。
ただし、一応価格さえ安くなれば当然コスパは良くなるので、今の相場でいえばRTX 3060なら15万円以下、RTX 3050なら11万円以下くらいになればコスパはまぁまぁになります。とはいえ、「RTX 3070」や「RX 6700 XT」は「Core i7 / Ryzen 7」を積みながらGPUとCPUコスパの双方を良いレベルに出来るのに対し、RTX 3060以下の下位GPUは価格上昇とゲーミングコスパ悪化を抑えるためにCore i5 / Ryzen 5限定な上に、大幅な値下げ前提でやっと戦えるというレベルなので、やはり厳しめ。1080pでそれなりにプレイできるなら出来るだけ安い方が良いという割り切った考え以外ではおすすめはできないです。
ただし、RTX 3060に関してはVRAMが12GBある割には安価なので、VRChatやクリエイティブ用途などの一部の用途に限れば優れたパフォーマンスを発揮することも確認されてはいます。そのため、用途と安さ次第では選択肢に入ります。しかし、RTX 3050は値下げの敷居も高すぎますし、電力効率も良くないし、1080pでも十分と言えるかは怪しいパフォーマンスなので…厳しいですね…。
「安さ」という面をどれだけ重視するか、最低限プレイできれば良いと割り切るかなどの個人の主観によって評価が変わる部分だとは思いますが、長く使うつもりならやはりちょっと頑張ってても20万円くらいは予算を用意した方が良いのが今の状況なのかなと思います。
RTX 3060 Ti はCPUコスパが優秀で、価格によってはゲーミングコスパも良い
高すぎない価格と1080pなら十分な性能が魅力の「RTX 3060 Ti」です。搭載製品はCore i7が多く、当然ながらRTX 3070などよりは安価なので、CPUコスパは優れている製品が多いです。CPUコスパも重視するなら一番おすすめできる構成だと思います。
思ったよりRTX 3070との価格差がない製品も多かった上に価格のバラつきも大きかったのでゲーミングコスパは一律の評価を与えにくいですが、安い製品であればゲーミングコスパも上位に入ります。
また、RTX 3060 TiではCore i5やRyzen 5採用の製品も結構あります。今回の比較には入れていませんが、「RTX 3060 Ti」搭載でCore i7-12700とCore i5-12400の比較だと、ゲーミング性能は平均で約6%程度低下するというスコアがあります。思ったよりも低下率は低めなので、Core i5も安さ&ゲーミングコスパ重視なら選択肢には十分入ると思います。Core i5採用であれば、ゲーミングコスパは一気にトップクラスになります。
ただし、そうなると逆にCPUコスパは一気に最下位レベルまで下がることになるため、難しいところ。ゲーミングコスパに特化したいならありですが、総合的にはやはりCore i7が無難かなという印象です。
全体的に見るとRTX 3070やRX 6700 XTの方がゲーミングコスパは良い印象なので、筆頭候補とまでは言えないかもしれませんが、CPUコスパ重視で価格を少し抑える意味では強力なモデルだと思います。
Core i9はよほど安くない限りはコスパ的には厳しい
Core i9に関しては、「RTX 3090」や「RX 6900 XT」などのハイエンドGPUを搭載した上で、相場を大きく下回るような価格にならない限りはコスパは微妙です。
Core i9自体が高価な上、Core i9を活用するために高性能なCPUクーラー(大型の簡易水冷)、十分な電源容量とマザボ、エアフローに優れているケースなどが必要となり、価格が跳ね上がってしまいます。その価格上昇に伴いコスパも悪くなります。
あまり見掛けないですが、「Core i9 + RTX 3070以下」といった構成であればCPUコスパに関しては良くなりますが、逆にゲーミングコスパは悪くなってしまいます。CPUとゲーミングのどちらかのコスパは必ずやや悪くなってしまうことを避けられないといった構成になります。
ただし、比較に含めているCore i9(無印) + RX 6900 XT で約32万円の製品は相場からすればかなり安価で、このレベルならゲーミングコスパもCPUコスパも悪くないという感じ。
RTX 3080 12GB以上は値下げが発表されており、これから大幅に安くなる可能性もあるので、一応望みはあるかもしれませんが、次世代が控える今に消費電力や発熱が非常に多いモデルを導入するのをどう判断するかという感じ。
「RX 6700 XT」「RTX 3060 Ti」「RTX 3070」なら、そこまで苦労して探さなくてもCPUコスパもゲーミングコスパも優れたモデルがたくさん見つかるので、あえてハイエンドモデルにこだわって待って探してをするのが合理的には思えないというのが本音ではあります。
RX 6600 XT / RX 6600 はBTOだと数が少なくて微妙
最後に低価格帯のミドルレンジのRadeonに関してですが、グラボ単体では「RX 6600 XT」および「RX 6600」は現在かなり値下がりしており、電力効率も良いモデルなので、低価格帯においては魅力的です。在庫も結構たくさんあるように見えます。
なのですが、やはり日本ではRadeonが人気がないと踏んでいるのか、BTO PCでは取り扱いが明らかに少ないですし、あってもやや高価です。グラボ単体価格ではRX 6600 XTは現在RTX 3060とほぼ同じくらいなのですが、BTOでは基本的にRTX 3060の方がやや安いです。
RX 6600(無印)に関してはBTOではそもそも製品数が0のショップが多く、比較対象に含めることすら厳しかったです。
まとめ
PC総額から見たゲーミングコスパ比較をしました。
「RTX 3070」や「RTX 3060 Ti」が強力というのは従来通りですが、「RX 6700 XT」も値下げされてコスパが強力になっています。CPUについては、コスパと性能を考えれば「Core i7-12700」一強に近い状態だと思いますが、Ryzen 5000シリーズも値下げ幅が日に日に大きくなっている印象なので、ゲーミングコスパ特化ならこちらも目が離せないところです。
今回比較したモデルでも、ゲーミングコスパトップ2は「Ryzen 7 5700G」+「RX 6700 XT」でした。次世代CPUとGPUが一気に押し寄せてくるので、CPUとGPUの双方が在庫処分のモデルを狙い撃つことでよりお得に購入できるというのは結構ミソかもしれません。「Core i7-12700」はもちろん強力ですが、であるが故に、次世代が迫る今でも需要を保っており値下げされている印象が全くありません(むしろ若干値上がりしている)。そのため、「Core i7-12700」に捉われると、Ryzen 5000シリーズ搭載のゲーミングコスパ特化なら非常にお得な製品を見逃す可能性があるというのは、頭のどこかに置いておくと良いかもしれません。