「GeForce RTX 4080」ざっくり評価【性能比較】

NVIDIA「GeForce RTX 4080」FE版のざっくり性能比較・評価です。先に登場している「RTX 4090」に続く「RTX 40シリーズ」の2つ目の製品です。想定売価は22万円程度からと非常に高価なので、こちらも消費者向けと言えるかは怪しいモデルになりますが、最新世代のハイエンドGPUの実力を海外レビューを参考に見ていきたいと思います。

注意

本記事の情報は記事執筆時点(2022年11月16日)のものです。ご覧になっている際には異なる可能性があるため注意してください。

仕様

まずは主要な仕様を表にまとめて載せています。

簡易比較表

※価格は2022年11月16日時点での北米での希望小売価格です(判明しているもののみ)。

GPU シェーダー
ユニット数
メモリタイプ
メモリ容量
メモリ転送速度
メモリ帯域幅
レイトレ用
ユニット数
ダイサイズ 消費電力
(TGP等)
北米
参考価格
RTX 4090 16384 GDDR6X
24GB
21.0Gbps
1008GB/s
128基 608㎟ 450W 1,599ドル
RTX 4080 9728 GDDR6X
16GB
22.4Gbps
716.8GB/s
76基 380㎟ 320W 1,199ドル
RTX 3090 Ti 10752 GDDR6X
24GB
21.0Gbps
1008GB/s
84基 628.4㎟ 450W 1,499ドル
RTX 3090 10496 GDDR6X
24GB
19.5Gbps
936GB/s
82基 628.4㎟ 350W 1,299ドル
RX 6950 XT 5120 GDDR6
16GB
18Gbps
576GB/s
80基 519㎟ 335W 949ドル
RX 6900 XT 5120 GDDR6
16GB
16Gbps
512GB/s
80基 519㎟ 300W 699ドル
RTX 3080 Ti 10240 GDDR6X
12GB
19Gbps
912GB/s
80基 628.4㎟ 350W 1,099ドル
RTX 3080 10GB 8704 GDDR6X
10GB
19Gbps
760GB/s
68基 628.4㎟ 320W 699ドル
RX 6800 XT 4608 GDDR6
16GB
16Gbps
512GB/s
72基 519㎟ 300W 599ドル
RTX 3070 Ti 6144 GDDR6X
8GB
19Gbps
608GB/s
48基 392㎟ 290W 599ドル
RX 6800 3840 GDDR6
16GB
16Gbps
512GB/s
60基 519㎟ 250W 549ドル
RTX 3070 5888 GDDR6
8GB
14Gbps
448GB/s
46 392㎟ 220W 499ドル
RX 6750 XT 2560 GDDR6
12GB
18Gbps
432GB/s
40 336㎟ 250W 419ドル
RTX 3060 Ti 4864 GDDR6
8GB
14Gbps
448GB/s
38 392㎟ 200W 399ドル
RX 6700 XT 2560 GDDR6
12GB
16Gbps
384GB/s
40 336㎟ 230W 379ドル
Arc A770 16GB 4096 GDDR6
16GB
17.5Gbps
560GB/s
32 406㎟ 225W 349ドル
Arc A770 8GB 4096 GDDR6
8GB
16Gbps
512GB/s
32 406㎟ 225W 329ドル
RTX 3060 3584 GDDR6
12GB
15Gbps
360GB/s
28 276㎟ 170W 329ドル
RX 6650 XT 2048 GDDR6
8GB
17.5Gbps
280.3GB/s
32 237㎟ 180W 299ドル
RX 6600 XT 2048 GDDR6
8GB
16Gbps
256GB/s
32 237㎟ 160W
Arc A750 3584 GDDR6
16GB
16Gbps
512GB/s
28 406㎟ 225W 289ドル
RTX 3050 2560 GDDR6
8GB
15Gbps
224GB/s
20 276㎟ 130W 249ドル
RX 6600 1792 GDDR6
8GB
14Gbps
224GB/s
28 237㎟ 132W 239ドル
GTX 1660 SUPER 1408 GDDR6
6GB
14Gbps
336GB/s
284㎟ 125W 229ドル
RX 6500 XT 1024 GDDR6
4GB
18Gbps
144GB/s
16 107㎟ 107W 169ドル
GTX 1650 GDDR6 896 GDDR6
4GB
12Gbps
192GB/s
200㎟ 75W 149ドル
RX 6400 768 GDDR6
4GB
16Gbps
128GB/s
12 107㎟ 53W 149ドル
Arc A380 1024 GDDR6
6GB
15.5Gbps
186GB/s
8 157㎟ 75W 129ドル?

「GeForce RTX 4080」は「RTX 40シリーズ」におけるハイエンドモデルです。TSMC 4Nプロセスに基づいており、これは5nmカスタムだと言われているため、前世代のSamusung 8nmから大きく微細化されています。それによって性能や効率面の大幅な向上が期待されています。「RTX 4090」では高すぎる価格と消費電力が緩和されているため、従来のハイエンドGPUの扱いやすさに近づいているのが魅力です。

とはいえ、希望小売価格は約1200ドルと非常に高価で、NVIDIA公式による日本での想定売価は219,800円~となっています。約30万円からという「RTX 4090」よりは大きく安価であるものの、手の出しやすいモデルとは言えない点には注意が必要です。

「RTX 4080」では「AD103」が使用されており、「RTX 4090」とは異なるダイ仕様となっている点も注目です。ダイサイズは「RTX 4090」の約608㎟よりも約37.5%も縮小された380㎟となっています。

主要なコア仕様は、CUDAコア数は9784RTコアは76Tensorコアは304などとなっています。「RTX 4090」と比べると各コアが約4割ほど削減されており、性能は低下している点に注意です。前世代では「RTX 3090」と「RTX 3080」が同様のダイを使用しているため性能差も小さかったですが、「RTX 40シリーズ」では90番台がしっかりと頭一つ抜けた仕様のモデルとなっています。

コアの大幅な削減は残念ですが、電力面ではTDPが320Wに設定されており、「RTX 4090」の450Wよりは格段に低くなっている点は嬉しいです。従来のハイエンドGPUの平均的な数値なので、各メーカーが搭載製品の構成を考える際や、既存PCへの導入する場合に助かります。

VRAMの仕様はバス幅256bitの16GB GDDR6Xとなっており、速度は22.4Gbps帯域幅は716.8 GB/sとなっています。前世代の「RTX 3080 10GB」のメモリの帯域幅が760 GB/sでしたから、帯域幅だけ見れば若干低下しています。ただし、前世代よりもL2キャッシュが大幅に増加しているため、実効メモリ帯域幅は向上している可能性が高いです。

また、ここからは「Ada Lovelace(RTX 40シリーズ)」共通の仕様ですが、レイトレーシング用の「RTコア」が第3世代に、DLSS用の「Tensorコア」も第4世代へと更新されており、機能が追加されている点も注目です。

レイトレーシング用の「RTコア」は第3世代へと更新されており、「Shader Execution Reordering」などの新機能が追加され、性能が向上しています。

同社のアップスケリーング技術である「DLSS」用の「Tensor」コアも第4世代へと更新されており、新しく発表され対応する「DLSS 3」では中間フレームを作成することで負荷を大幅に軽減する機能が追加されており、性能が格段向上しているとNVIDIAは主張しています。

前置きが長くなりましたが、次から実際の性能を見ていきたいと思います。

ゲーミング性能

ゲーミング性能は、言葉の通りゲームをする際のパフォーマンスの性能です。実際にゲームを動作させた際の平均FPS数を見ていきます。今回は25種類のゲームでのデータを基に見ていきます。設定は基本的に最高品質です。使用されたCPUは「Ryzen 7 5800X」となっています。正直GPUの割にはやや非力なCPUが採用されているので、特に低解像度ではボトルネックが発生している可能性があります。

また、OSはWindows 10が使用されているため、Windows 11で報告例のあるゲーミングパフォーマンスが低下する問題は発生していません。その他のスペックなどの詳細は、お手数ですが記事上部の参考リンクを参照お願いします。


1080p(1920×1080)

FHD(1920×1080)です。最低限の解像度という感じですが、2022年現在では最も主流な解像度です。ハイエンドGPUを使用していても、特にFPSやTPSでは出来るだけ高いFPSを維持するためにこの設定にするのが主流だと思います。

平均FPS(1080p 最高設定)
GPU名称 平均FPS
RTX 4090
215.5
RTX 4080
201.7
RX 6950 XT
184.0
RTX 3090 Ti
181.7
RX 6900 XT
175.5
RTX 3090
172.0
RTX 3080 Ti
170.2
RX 6800 XT
168.8
RTX 3080 10GB
158.0
RX 6800
150.4
RTX 3070 Ti
140.3
RTX 3070
134.5
RX 6700 XT
130.8
RTX 3060 Ti
121.1
RX 6600 XT
106.9
Arc A770 16GB
98.8
RTX 3060
94.8
RX 5700 XT
93.2
RTX 2070
92.9
Arc A750
92.7
RX 6600
91.8
RTX 2060 6GB
79.2
RTX 3050
69.2
GTX 1660 Super
66.1
RX 6500 XT
47.6
参考:TechPowerUp

RTX 3090 Tiを約1割上回る凄い性能だけど、1080pでは過剰性能感が強く、実用コスパが怪しい

1080pゲーミングでは「RTX 3090 Ti」を平均で約11%上回る結果でした。重めのゲームが中心かつ最高設定でも約200fpsとなっており、1080pではどのゲームでも最高設定で快適にプレイすることが可能となっています。

CPUによるボトルネックも発生していそうな中でこの結果なので、より高性能CPUでは更に高い性能も期待できますし、「RTX 4090」との差も1割未満と思ったよりも小さく、事前の予想よりは良い印象です。特に「RTX 4090」との差がこれだけ少ないのは予想外でした。

ただし、発売時で想定約22万円~と非常に高価なので、実用コスパは良くないです。軽い部類のゲームではモニターやゲームのリフレッシュレートやfps上限に達するケースも多いと思いますし、CPUのボトルネックの件もありますから、やはり1080pで使うには現状では過剰性能すぎて、色んなことがボトルネックになって活かしにくいと思います。

仮にボトルネックの件をクリアできたとしても、「1080p/360fps」みたいなことをやるよりはもう少しfpsを下げても解像度を上げた方がゲーム体験的には上な気がしますし、やはり1080pがメインのGPUにはならないかなと感じます。1080pに関しては、既存の値下がりの進んだGPUの方にまだ優位性があると思います。

たとえば、「RTX 4080」の価格を22万円と仮定すると、「RTX 3080 10GB」が今なら丁度半額の11万円程度で購入できます。fpsは大きく低下してしまうものの半分までにはなりませんし、一般的には十分といえるパフォーマンスです。それで11万円も節約できるのは非常に大きいと思います。

「RTX 4090」のときも思いましたが、次世代のハイエンドGPUにとっては、1080pすら時代遅れとなり始めています。


1440p(2560×1440)

WQHD(2560×1440)です。4Kは重すぎるけど、1080pよりはキレイな映像で楽しみたいという場合や、1080pでは少し性能を持て余してしまう場合に利用する解像度です。現在の主流解像度は1080pですが、GPU性能が全体的に大幅に向上してきているため、徐々にこの1440pが主流解像度に切り替わっていく気がします。

平均FPS(1440p 最高設定)
GPU名称 平均FPS
RTX 4090
199.9
RTX 4080
177.3
RTX 3090 Ti
155.1
RX 6950 XT
150.3
RTX 3090
143.2
RX 6900 XT
142.5
RTX 3080 Ti
141.6
RX 6800 XT
135.9
RTX 3080 10GB
128.8
RX 6800
120.6
RTX 3070 Ti
111.1
RTX 3070
105.6
RX 6700 XT
99.6
RTX 3060 Ti
92.1
Arc A770 16GB
79.4
RX 6600 XT
76.9
Arc A750
73.9
RTX 3060
70.8
RX 5700 XT
70.3
RTX 2070
69.6
RX 6600
64.9
RTX 2060 6GB
58.6
RTX 3050
51.1
GTX 1660 Super
48.5
RX 6500 XT
32.2
参考:TechPowerUp

1440pではRTX 3090 Tiを約14.3%上回る性能

1440pでは「RTX 3090 Ti」を約14.3%上回る結果となっていました。前世代の最上位GPUとの差を1080pから更に少し広げ、凌駕しています。

また、1080pと比べるとfps低下率は約12%程度に留まっており、余裕の見えるパフォーマンスです。「RTX 3090 Ti」の1080p時に近いパフォーマンスとなっているため、1440pで従来の1080pでのハイエンドGPU並みのパフォーマンスです。

240fpsを目指すかどうかやゲームに重さにもよるものの、いよいよ1440pがゲームでのメイン解像度として移行し始めそうに感じさせてくれる性能です。

また、「RTX 4090」と比較すると約11.3%低いfpsとなっており、思ったよりも遥かに小さい差となっています。コア数の約4割の差は一体なんだったんだという感じです。1080pではCPUなどによるボトルネックの影響で差が小さいことも考えられましたが、1440pでもこの差ということは、性能差は低く見積もっても2割程度にしかならなさそうです。

正直、コア数の差から「RTX 4080」はそこまで良くなさそうと思っていましたが、良い意味で裏切られました。


4K(3840×2160)

「超高解像度の代名詞」ともいえる解像度の4K(3840×2160)です。非常に繊細で綺麗な映像になりますが、その負荷の大きさから高いFPSを出す事が難しいためTPSやFPSなどの対人競技ゲームで利用されることはまずないです。処理性能の要求が高いだけでなく、高リフレッシュレートの4Kモニターが非常に高価ということもあり、2022年現在では競技性の高いゲームではあまり利用されません。フレームレートよりもグラフィックのキレイさや臨場感が重要なゲームを中心に需要のある解像度です。

平均FPS(4K 最高設定)
GPU名称 平均FPS
RTX 4090
152.7
RTX 4080
121.0
RTX 3090 Ti
104.3
RX 6950 XT
93.2
RTX 3090
93.0
RTX 3080 Ti
92.3
RX 6900 XT
87.0
RX 6800 XT
81.8
RTX 3080 10GB
81.0
RX 6800
71.3
RTX 3070 Ti
67.4
RTX 3070
63.2
RX 6700 XT
55.7
RTX 3060 Ti
54.6
Arc A770 16GB
48.8
Arc A750
44.6
RTX 3060
41.4
RTX 2070
40.7
RX 6600 XT
40.3
RX 5700 XT
39.2
RX 6600
33.9
RTX 2060 6GB
32.1
RTX 3050
29.1
GTX 1660 Super
26.2
RX 6500 XT
14.9
参考:TechPowerUp

RTX 3090 Tiを約16%上回る非常に高い4K性能。RTX 4090との差は約2割

ボトルネックの影響が小さいことが期待できる4K性能です。「RTX 3090 Ti」を約16%上回る非常に高い性能でした。

重めのゲームが中心かつ最高設定でも平均121fpsを記録しており、4Kで前世代のミドルレンジGPUの1080p並みのパフォーマンスが期待できます。これは、4K/120Hz~144Hzクラスのモニターで使用するのに適したパフォーマンスと言えます。

価格はモニターも含め非常に高価なので、4Kの高fpsが身近になったとまでは言えませんが、費用さえ掛ければ4Kを滑らかな性能を十分に実現可能となっています。

「RTX 4090」と比較すると、約20.8%低い数値となっており、1080pや1440pよりも差が少し広がっています。とはいえ、価格差やコア数差から予想された差よりは遥かに小さいです。

電力関連

消費電力

ゲームプレイ時(高負荷時)の平均消費電力を見ていきます。低い方が良い数値となります。測定に使用されたゲームは「Cyverpunk 2077」で、解像度は「3840×2160(4K)」です。

GPU平均消費電力(ゲーミング)
GPU名称 消費電力(W)
RTX 3090 Ti
537W
RTX 4090
411W
RX 6950 XT
391W
RTX 3090
368W
RTX 3080 Ti
365W
RTX 3080 10GB
336W
RX 6900 XT
305W
RTX 4080
304W
RTX 3070 Ti
302W
RX 6800 XT
298W
RTX 2080 Ti
272W
RX 6800
235W
RTX 3070
232W
RX 6700 XT
224W
RX 5700 XT
215W
RTX 3060 Ti
205W
RTX 2070
196W
RTX 3060
183W
RTX 2060 6GB
167W
RX 6600 XT
159W
RTX 3050
132W
GTX 1660 Super
127W
RX 6600
120W
GTX 1060 6GB
106W
参考:TechPowerUp

300Wを少し超える程度で、従来のハイエンドと似たような感じ

4Kゲーミング時の平均消費電力は約304Wとなっており、仕様の320Wよりもわずかに少なかったです。「RTX 3070 Ti」や「RX 6800 XT」に近い消費電力です。

消費電力自体は非常に多いものの、性能を考えれば全然悪いとは思わない数値です。従来のハイエンドGPUと似たような数値なので、既存システムへの導入や、各メーカーが搭載モデルを考える際には単純にGPUだけを変えるだけで済むので嬉しいと思います(コネクタ面での違いはありますが)。

ワットパフォーマンス

ゲームプレイ時のワットあたりのパフォーマンス(fps数)を見ていきます。ゲーミング時の消費電力と平均fpsを用いて、1Wあたりのfpsを算出して電力効率としています。

「RTX 4080」は非常に高性能なGPUなので、ボトルネックによる影響を出来るだけ少なくするため解像度には4Kを採用しています。また、複数ゲームだと軽いゲームによるボトルネックが発生する可能性もありますので、平均とは別に非常に高負荷なゲーム「Cyberpunk 2077」の4K/Ultra設定での効率も見ていきます。

注意点として、消費電力は「Cyberpunk 2077」のみで測定したものに対し、後者のスコアは平均ゲームでのfpsは複数ゲーム平均なので、厳密には正確な電力効率とは言えない点は留意です。ただし、最大負荷時の消費電力はゲーム毎に大きな差は出ない事が多いので、概ね許容範囲の値が得られると思います。

ワットパフォーマンス(4K Cyberpunk2077 Ultra)
GPU名称 1Wあたりのfps
RTX 4080
0.185
RTX 4090
0.173
RX 6800
0.129
RX 6900 XT
0.122
RX 6800 XT
0.118
RTX 3070
0.118
RTX 3090
0.116
RTX 3080 Ti
0.115
RTX 3060 Ti
0.113
RTX 3080 10GB
0.107
RX 6600
0.102
RX 6950 XT
0.100
RTX 3070 Ti
0.097
RTX 2070
0.095
RTX 3060
0.092
RX 6700 XT
0.093
RTX 3090 Ti
0.088
RTX 2060 6GB
0.088
RX 6600 XT
0.087
RX 5700 XT
0.075
RTX 3050
0.061
参考:TechPowerUp

ワットパフォーマンス(4Kゲーム平均)
GPU名称 1Wあたりのfps
RTX 4080
0.398
RTX 4090
0.372
RX 6800
0.303
RX 6900 XT
0.285
RX 6600
0.283
RX 6800 XT
0.274
RTX 3070
0.272
RTX 3060 Ti
0.266
RX 6600 XT
0.253
RTX 3090
0.253
RTX 3080 Ti
0.253
RX 6700 XT
0.249
RTX 3080 10GB
0.241
RX 6950 XT
0.238
RTX 3060
0.226
RTX 3070 Ti
0.223
RTX 3050
0.220
RTX 2070
0.208
GTX 1660 Super
0.206
RTX 3090 Ti
0.194
RTX 2060 6GB
0.192
RX 5700 XT
0.182
参考:TechPowerUp

非常に優れた電力効率で、前世代の高効率GPUをも圧倒

特に印象的な結果だったのが、このワットパフォーマンスです。既存GPUの中では「RTX 4090」も上回りトップの効率となっています。

前世代GPUと比較するとその差は更に印象的です。前世代で特に効率の良かったGPUである「RX 6800」と比較しても、4K平均では約31.4%も上回る数値となっています。非常に優れた電力効率のGPUであることがわかります。

今後登場してくる最新世代GPUも似たような効率となるのかもしれませんが、現状では信じられないほど効率的です。この効率なら、GPU本体が多少高くても、酷使する前提の場合には旧世代GPUを安く買うよりも長期的には有益となる可能性も十分ある差なので、今ハイエンドGPUを検討している人はその辺りも含めて考える必要があると思います。

レイトレーシング・DLSS性能

レイトレーシング性能

まずはDLSSを使用しないレイトレーシング単体でのパフォーマンスを見ていきます。8種類のゲームでの幾何平均fpsを見ていきます。

レイトレーシングFPS(1080p 幾何平均)
GPU名称 平均FPS
RTX 4090
152.7
RTX 4080
140.3
RTX 3090 Ti
124.4
RTX 3090
114.9
RTX 3080 Ti
114.7
RTX 3080
103.1
RX 6950 XT
97.1
RX 6900 XT
92.4
RX 6800 XT
88.3
RTX 3070 Ti
86.7
RTX 3070
82.1
RX 6800
77.1
RTX 3060 Ti
72.2
Arc A770 16GB
64.3
RX 6700 XT
61.4
Arc A750
59.8
RTX 3060
55.7
RX 6600 XT
46.9
RTX 2060 6GB
42.3
RTX 3050
40.1
RX 6600
40.1
参考:TechPowerUp

レイトレーシングFPS(1440p 幾何平均)
GPU名称 平均FPS
RTX 4090
137.4
RTX 4080
112.9
RTX 3090 Ti
96.2
RTX 3090
86.3
RTX 3080 Ti
85.6
RTX 3080
74.8
RX 6950 XT
70.4
RX 6900 XT
66.8
RX 6800 XT
66.4
RTX 3070 Ti
61.9
RTX 3070
58.6
RX 6800
54.8
RTX 3060 Ti
51.5
Arc A770 16GB
46.5
Arc A750
42.5
RX 6700 XT
42.1
RTX 3060
38.5
RX 6600 XT
31.5
RTX 3050
27.3
RTX 2060 6GB
26.8
RX 6600
26.8
参考:TechPowerUp

レイトレーシングFPS(4K 幾何平均)
GPU名称 平均FPS
RTX 4090
90.1
RTX 4080
66.1
RTX 3090 Ti
55.3
RTX 3090
48.2
RTX 3080 Ti
47.9
RTX 3080
41.9
RX 6950 XT
38.8
RX 6800 XT
36.6
RX 6900 XT
36.0
RX 6800
29.1
Arc A770 16GB
25.1
RTX 3070 Ti
23.8
RTX 3070
22.9
RX 6700 XT
21.8
RTX 3060
20.3
Arc A750
19.8
RTX 3060 Ti
19.6
RTX 3050
11.6
RX 6600 XT
10.7
RTX 2060 6GB
10.1
RX 6600
9.6
参考:TechPowerUp

RTX 3090 Tiを4Kで約2割上回る高い性能

レイトレーシング性能も非常に高性能です。

平均fpsは、1080pで140.3fps1440pで112.9fpsとなっており、レイトレーシングでも十分実用的と言える性能です。むしろ、144Hz~165Hzモニターを使用している場合には丁度良さそうなパフォーマンスです。

ただし、少し気になるのは4K性能です。平均は66.1fpsとなっており、前世代最上位の「RTX 3090 Ti」と比べると約19.5%も上回る非常に優れたパフォーマンスなので問題があるわけではありませんが、「RTX 4090」には約26.6%劣る数値となっており、他のテストより差が大きくなっています。

「RTX 4090」と「RTX 4080」は思ったより性能差が小さかったことと、モニターやCPUなどのボトルネックの面から、実用性の差は正直感じないケースも多いと思いますが、4Kレイトレーシングに限れば「RTX 4090」がやや大きく上回る結果となりました。

とはいえ、かなり限られた需要なので、実用コスパではやはり「RTX 4080」の方が上な印象です。

DLSS性能(レイトレーシング併用)

次に、レイトレーシングとDLSSを使用した場合のパフォーマンスを見ていきます。DLSSはGeForce RTXシリーズのTensorコアが必要となるため、RadeonやArc等の別メーカーのGPUでは利用できない点を留意してください。

テストに使用されたタイトルは「Control」です。DLSSとレイトレーシングの両方に対応したゲームが現状少ないため、単一タイトルでの結果となっています。タイトルによって多少の差が生まれるかもしれない点に注意してください。結果はレイトレーシングのみ有効なものと、DLSSも有効にしたものの2種類載せており、DLSSを有効にしたことによってどれだけパフォーマンスが向上するかをわかるようにしています。

レイトレーシングFPS(1080p Control)
GPU名称 平均FPS
RTX 4090
191.0
RTX 4080 DLSS
184.6(+26.6%)
RTX 4080
145.8
RTX 3090 Ti
116.8
RTX 3090
104.4
RTX 3080 Ti
101.9
RTX 3080
91.4
RTX 3070 Ti
73.0
RTX 3070
67.8
RTX 3060 Ti
59.7
RTX 3060
45.6
RTX 2060 6GB
34.9
RTX 3050
34.3
参考:TechPowerUp

レイトレーシングFPS(1440p Control)
GPU名称 平均FPS
RTX 4080 DLSS
151.3(+65.0%)
RTX 4090
131.9
RTX 4080
91.7
RTX 3090 Ti
78.3
RTX 3090
68.7
RTX 3080 Ti
68.0
RTX 3080
60.4
RTX 3070 Ti
46.8
RTX 3070
43.6
RTX 3060 Ti
37.8
RTX 3060
28.7
RTX 2060 6GB
21.7
RTX 3050
20.0
参考:TechPowerUp

レイトレーシングFPS(4K Control)
GPU名称 平均FPS
RTX 4080 DLSS
80.4(+76.7%)
RTX 4090
68.1
RTX 4080
45.5
RTX 3090 Ti
40.3
RTX 3080 Ti
34.5
RTX 3090
34.4
RTX 3080
32.1
RTX 3070 Ti
23.2
RTX 3070
21.4
RTX 3060 Ti
18.3
RTX 3060
13.9
RTX 2060 6GB
10.7
RTX 3050
9.1
参考:TechPowerUp

DLSS利用時には高解像度だとfpsが格段に向上

DLSSはTensorコアを使用するためにRTX固有のアップスケーリングとなっています。質的にも他の同様の技術よりもやや上と見られており、Radeonと比べると優位性があります。

性能に関してですが、レイトレーシング時にDLSSを使用すると、特に1440p以上の高解像度でのfpsが格段に向上します。

その向上率は「Control」では1440pで+65%、4Kで+76.7%と非常に大きいです。残念ながらDLSSとレイトレーシングの両方に対応しているタイトルが現状多くはないので、実際に活かせる機会は少ないとは思いますが、その効果は絶大です。

とはいえ、どちらかというと性能不足が気になるGPUで輝く機能であり、この「RTX 4080」なんかはDLSS無しの性能でもボトルネックが気になるくらいですから、正直現状では重視する意味は小さく感じます。

実際、現状ではDLSS性能を実際に日常的に活用している人はあまり居ないと思いますし、正直ここを重視するなら他の面を重視した方が良いと思います(質的には劣るかもしれないけど、他のGPUでもFSRなどのアップスケーリングが使えるし、専用コアが必要なDLSSよりも基本的に対応タイトルが多い)。

まとめ

GeForce RTX 4080

良い点
  • RTX 3090 Tiを1~2割上回る非常に高いパフォーマンス
  • 16GBの大容量メモリ(256bit で 716.8 GB/s)
  • 1440pや4Kでも非常に高いパフォーマンス
  • 非常に優れた電力効率
  • アップスケーリング無しでも非常に優れたレイトレーシング性能
  • DLSS 3に対応(メインのGPUコアに頼らずフレーム生成)
  • レイトレーシング無効時にはTGPより大幅に少ない消費電力
  • AV1のデコードおよびエンコードをサポート

気になる点
  • 高すぎる価格(NVIDIAの日本での想定価格は219,800円~)
  • 非常に多い消費電力(TDP:320W)
  • 価格の割には良くないメモリ(16GBで716.8GB GB/s)

RTX 3090 Tiを1~2割超える非常に高い性能で、思ったよりも「RTX 4090」との差が小さくて魅力的

「RTX 40シリーズ」第2弾となる「RTX 4080」ですが、予想よりも大分良かったです。

正直に言うと、カタログスペックを見た段階では、各コアなどが「RTX 4090」と比べると約4割も削減されているのを見て怪しさを感じていました。それでいて価格は約25%しか安くない上に、メモリ性能もがくっと落ちていたので、かなり微妙そうだなと思っていました。

ですが、実際には基本的には「RTX 4090」と比べても基本1~2割程度の性能低下に留まっており、予想より遥かに小さい差でした。事前に悪い評価をしてしまい申し訳なかったです。

メモリの帯域幅が前世代のハイエンドよりも少し劣る点も気掛かりでしたが、4Kなどにおいても前世代のハイエンドよりも性能が落ちるということもありませんでした。大幅に増量されたオンダイキャッシュの影響だと思いますが、こちらも想像よりも良かったです。

総合的に見て、価格に見合う性能かどうかは別の話ですが、「RTX 4080」という次世代のハイエンドGPUの名を冠するのには申し分ない性能で、個人的には「RTX 4090」よりもコスパは魅力的だと思いました。

従来のハイエンドGPU並みの消費電力で性能が大幅に向上しているので、電力効率が非常に良い

性能も素晴らしいものでしたが、特に印象的だったのはやはり電力効率です。微細化が進んだプロセスの影響はやはり大きそうです。

ゲーミング時の1Wあたりのパフォーマンスは驚異的で、前世代GPU全てを圧倒しています。前世代で特に効率の良かったGPUの「RX 6800」と比較しても1.3倍以上のパフォーマンスを発揮していました。想像を大きく超える効率でした。

価格が高すぎるのが致命的ではありますが、高負荷な処理を頻繁に行う場合の電力料金も考慮すると、前世代のハイエンドGPUを従来より安く買うよりは長期的には良くなる可能性も十分にあり得る大きな差です。

とはいえ、対抗の「RX 7000シリーズ」や下位モデルの登場もまだですから、おすすめできるかどうかの最終評価はまだということにしておきたいと思います。

問題は高すぎる価格。単純なコスパは既存GPUに負ける

先にも何度か触れていますが、やはり問題は高すぎる価格です。日本での想定価格約22万円~はさすがに高すぎます

円安の影響ももちろんありますが、希望小売価格は「RTX 4080」が1199ドルなのに対し、前世代の「RTX 3080 10GB」は699ドルでしたから、円安抜きでも先代モデルからは500ドルも値上がりしています。円安前でも5~6万円は値上がりしていた計算になりますから、めちゃくちゃ大きい値上がりです。

元々は「RTX 4080 12GB」という下位モデルが投入予定だったからということもあると思いますが、対抗の「RX 7000」シリーズは最上位モデルでも999ドルと発表されましたし、単純に高すぎだと思います。

現状では恐らくかなり高価な最新の半導体を使用しているためコストが増大しているというのは理解できますが、同じモデルナンバーで約1.7倍の値上がりはさすがにどうなのというのは否めないです。

前世代のハイエンドGPUを凌駕する性能と電力効率は魅力的ですが、単純な性能コスパではまだ前世代の値下がり気味のGPUの方が明らかに良いです。

先にも出した例ですが、「RTX 4080」を22万と仮定すると、現在の「RTX 3080 10GB」は丁度約半分の11万円で購入できます。しかし、だからといって性能は半減するかというとさすがにそんなことはなく、もっとも差が大きくなる4Kでも4080の優位性は1.5倍くらいなので、コスパは細かく検討するまでもないです。

一応、DLSS 3やAV1エンコードは「RTX 40シリーズ」新たに対応する部分なので優位性がありますが、どちらも現状は必要になる人はほとんど居ない機能なので、少なくとも現状のコスパはやはり悪いと言わざるを得ないと思います。

従来では80番台のGeForceといえば消費者向けハイエンドのメインストリームでしたが、「RTX 40シリーズ」においては従来の90番に近い位置の規格外モデルになるのかなという印象です。


といった感じで、本記事は以上になります。ご覧いただきありがとうございました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です