レノボのゲーミングPCブランド「Legion」のゲーミングデスクトップPCについてのざっくり評価記事です。2022年8月版です。
本記事の内容は記事執筆時点(2022年9月3日)のものであり、ご覧になっている際には異なる可能性があるため注意してください。
販売中のLegionデスクトップ一覧
2022年9月3日時点の販売モデル一覧です。
- Legion T770i – 第12世代Core搭載のハイエンド
- Legion T550(AMD) – Ryzen 5000シリーズ搭載 ※在庫処分価格で安い
- Legion T570i – 第12世代Core搭載
- Legion T750i – 第11・10世代Core搭載(旧モデル) ※本記事では未紹介
おすすめモデル
まず始めに、筆者がコスパが良くておすすめだと思うモデルをまとめて紹介しています。詳細は要らないからおすすめ製品だけ教えてくれって方用です。一番左のLegion製品名が各商品の販売ページへのリンクとなっています。
シリーズ | 構成 | 価格 |
---|---|---|
Legion T770i | Core i9-12900K / RTX 3080 32GB DDR5-4800(16GBx2) 512GB SSD + 2TB HDD | 338,679円 |
Core i7-12700K / RTX 3080 32GB DDR5-4800(16GBx2) 512GB SSD + 2TB HDD | 311,563円 | |
Legion T550(AMD) | Ryzen 9 5900X / RX 6800 XT 32GB DDR4-3200(16GBx2) 512GB SSD + 2TB HDD | 278,022円 |
Ryzen 7 5800 / RTX 3070 16GB DDR4-3200(8GBx2) 512GB SSD + 2TB HDD | 190,030円 | |
Ryzen 7 5800 / RTX 3060 Ti 16GB DDR4-3200(8GBx2) 256GB SSD + 2TB HDD | 170,537円 | |
Ryzen 7 5800 / RTX 3060 16GB DDR4-3200(8GBx2) 256GB SSD + 2TB HDD | 149,600円 |
※価格は2022年9月13日時点
以下からは各シリーズの紹介に入ります。
Legion T770i
Legion T770i:第12世代Core搭載の高性能タワー
項目 | スペック |
---|---|
CPU | Core i9-12900K(16コア 8P+8E) Core i7-12700K(12コア 8P+4E) |
CPUクーラー | 120mmx3 簡易水冷 |
メモリ | 16GB DDR5-4800(RTX 3070) 32GB DDR5-4800(RTX 3080) ※16GBは1枚搭載のシングルチャネル |
GPU | GeForce RTX 3070 GeForce RTX 3080 10GB |
ストレージ | 512GB SSD + 2TB HDD |
チップセット | インテル Z690 |
電源 | 850W 80PLUS GOLD |
通信機能 | Wi-Fi 6 / Bluetooth 5.0 |
Legion T770iはCPUに第12世代のCore i7とCore i9を搭載する高性能モデルです。ケースも大型のタワーモデルとなっています。
CPUクーラーには120mmラジエーターx3の簡易水冷が標準搭載されており、冷却能力が高いです。また、水冷のラジエーター以外にも3基採用されており、エアフローも確保されています。ケースファンは全てRGB仕様となっており、透明のサイドパネル越しに見える内部がかっこいいです。
グラフィックボードも最低でもRTX 3070が搭載され、重いゲームの対応も可能となっています。
また、現状はまだDDR4より高価なDDR5メモリを採用しているため、ぱっと見の構成よりも少しコスパが底上げされています。ただし、RTX 3070搭載モデルについてはメモリ1枚搭載のシングルチャネルとなってしまう点に注意が必要です。
- 優れたCPU性能(Core i7-12700K / Core i9-12900K)
- 高いゲーミング性能(RTX 3070 / RTX 3080)
- CPUクーラーに360mmの簡易水冷搭載
- DDR5メモリを採用
- RGBライティングで見た目がかっこいい
- コスパが良い
- RTX 3070モデルはメモリが1枚のシングルチャネル
- SSDの容量が少なめ(全モデル512GB)
- Core i9 + RTX 3080モデルは電源容量がぎりぎり感あり
構成と価格
下記が主要パーツの構成別の価格比較です(2022年9月3日時点)。背景赤はおすすめモデルです。
構成 | 価格 |
---|---|
Core i9-12900K / RTX 3080 32GB DDR5-4800(16GBx2) 512GB SSD + 2TB HDD | 338,679円 |
Core i7-12700K / RTX 3080 32GB DDR5-4800(16GBx2) 512GB SSD + 2TB HDD | 311,563円 |
Core i7-12700K / RTX 3070 16GB DDR5-4800(8GBx2) 512GB SSD + 2TB HDD | 269,527円 |
※赤字背景はおすすめモデル
※上記以外にOffice搭載モデルもあります
基本的にはRTX 3080モデルの方がコスパが良くおすすめです。RTX 3070モデルもコスパが悪い訳ではありませんが、DDR5メモリがシングルチャネルなのが気になるのと、RTX 3080モデルとの価格差が小さいため、RTX 3080モデルの方がゲーミングコスパは良いです。
各性能について
CPUなど各パーツの性能・仕様については下記にまとめています。
CPUの処理性能を他の主要CPUと比較しています。Cinebench R23のマルチスレッドのベンチマークで見ていきます。
CPU名称 | スコア |
---|---|
Ryzen 9 5950X | 28577 |
Core i9-12900K | 27472 |
Core i7-12700K | 22812 |
Ryzen 9 5900X | 21878 |
Core i7-12700 | 21568 |
Core i5-12600K | 17660 |
Core i9-11900K | 16211 |
Ryzen 7 5800X | 15228 |
Core i7-11700K | 15011 |
Ryzen 7 5800 | 14065 |
Ryzen 7 5700X | 13802 |
Core i5-12400 | 12454 |
Ryzen 5 5600X | 10988 |
Core i5-11400 | 10155 |
Legion T770iはCPUに「Core i7-12700K」もしくは「Core i9-12900K」が搭載されています。高性能コア(Pコア)+高効率コア(Eコア)の2種のコアを含むCPUで、EコアはPコアよりもコアあたりの性能は低くなっている点に注意が必要です。
表を見ても分かるとおり、2022年8月時点では非常に高性能なCPUです。Eコアが追加されたことでマルチスレッド性能は前世代から飛躍的に向上しました。ゲーミング以外のハイエンド用途にも対応できる高性能なCPUです。
その代わり消費電力は多いため、発熱処理が問題となるCPUなのですが、T770iでは360mm(120mmx3)ラジエーターの簡易水冷が搭載されており、冷却性能が非常に高いので安心です。
GPUの性能から、ゲーミング性能を他の主要GPUと比較しています。3DMark Time Spy Graphicsのベンチマークスコアで見ていきます。
GPU名称 | スコア |
---|---|
RX 6900 XT | 20336 |
RTX 3090 | 19932 |
RTX 3080 Ti | 19608 |
RX 6800 XT | 18792 |
RTX 3080 10GB | 17692 |
RX 6800 | 15456 |
RTX 3070 Ti | 14825 |
RTX 3070 | 13789 |
RX 6700 XT | 12757 |
RTX 3060 Ti | 11893 |
RX 6600 XT | 9698 |
RTX 3060 | 8867 |
RX 6600 | 8149 |
RTX 2060 6GB | 7661 |
RTX 3050 | 6278 |
GTX 1660 SUPER | 6122 |
RX 6500 XT | 4975 |
GTX 1650 | 3669 |
RX 6400 | 3607 |
Legion T770iに搭載されるのは「RTX 3070」と「RTX 3080 10GB」です。どちらも高性能帯に属するGPUで、1080pなら重いゲームでも快適にプレイ出来る性能があります。軽めのゲームなら200fpsを超えることも十分可能な性能で、RTX 3080なら240fpsも視野に入ります。
RTX 3080の方が3割近く高性能な上、RTX 3070との価格差が小さいので、コスパ的にはRTX 3080の方が良いのでおすすめです。
2022年8月時点では次世代GPUの登場も控える今なので悩むところですが、どちらも現行世代ではコスパが良い特に人気のモデルなので、あえて今購入したとしても他モデルよりは見劣りしにくいと思います。ただし、今現在ゲーミングPCを持っている方であれば、基本的にはやはり次世代GPUを待った方が良いとは思います。
各部の画像です。画像はスライドして切り替えることができます。公式HPから持ってきたもので、実際とは異なる可能性もあるため注意してください。
その他の各パーツについて
メモリとストレージ
メモリにはDDR5-4800メモリが採用されています。記事執筆時点ではDDR4よりも高価なので、コスパが良いです。
ただし、RTX 3070搭載モデルは16GBx1となっており、シングルチャネルとなるため注意が必要です。RTX 3080とRTX 3070の価格差が小さいこともありますし、出来ればRTX 3080の方が良いと思います。
ストレージは全モデル共通で、SSDが512GB、HDDが2TBという構成になっています。価格の割にはSSD容量は少なめです。キレイなグラフィックのゲームをたくさんプレイしたい人は足りなくなってしまう可能性も結構高い点は留意です。
電源とPCケース
電源には全モデル850Wの80PLUS GOLD認証のものが採用されています。基本的には問題ないと思いますが、Core i9 + RTX 3080でCPUとGPUの両方がフル稼働することを前提としたら、ちょっとぎりぎり感がある点には一応注意です。とはいえ、そういうケースは滅多にないと思うので、基本的には大丈夫だと思います。
PCケースは120mmのケースファンが上面に2基、背面に1基搭載されています。上面は防塵パネル付きです。フロントには360mmの簡易水冷のラジエーターが設置されています。また、底面にもダストフィルター付きの通気口があります。エアフローや排熱はしっかり確保されていると思います。
また、搭載されるファンが全てRGBライティング仕様となっており、ケースも内部の光が見える仕様となっています。見た目もかっこいいです。
Legion T770i の総評
Legion T770iは、DDR5メモリや360mmの簡易水冷を標準搭載している割には安くてコスパが良いハイエンドゲーミングPCです。特にRTX 3080モデルがコスパが良いと思います。
外観もケースファン全てがRGBライティング仕様となっていて、見た目がかっこいいです。国内BTOでは標準でフルでRGBライティング仕様のPCはあまりないですし、カスタマイズで対応しようとしても高かったりするので、RGBライティングに興味がある人は特に魅力的に見えるかもしれません。
また、国内BTOの標準構成ではほぼ対応していない「Wi-Fi」と「Bluetooth」に標準で対応している点も地味に嬉しい人が居るかもしれません
ただし、深刻というほどではないですが、注意点があり、RTX 3070モデルではメモリが1枚だったり、SSD容量が512GBだったり、Core i9とRTX 3080構成だと電源容量がギリギリめになるといったことが挙げられることは留意しておきましょう。
Legion T550(AMD)
Legion T550(AMD):Ryzen 5000 搭載の高コスパモデル
項目 | スペック |
---|---|
CPU | Ryzen 9 5900X Ryzen 7 5800 Ryzen 7 5700G Ryzen 5 5600G |
CPUクーラー | 空冷 |
メモリ | 32GB DDR4-3200 16GB DDR4-3200 |
GPU | Radeon RX 6800 XT GeForce RTX 3070 GeForce RTX 3060 GeForce GTX 1650 SUPER |
ストレージ | 512GB SSD + 2TB HDD 256GB SSD + 2TB HDD 256GB SSD + 1TB HDD |
チップセット | AMD B550 |
電源 | 850W 80PLUS GOLD 650W 80PLUS GOLD |
通信機能 | Wi-Fi 6 / Bluetooth |
Legion T550(AMD)は、CPUにRyzen 5000シリーズを搭載する高コスパモデルです。確認時点(2022年9月3日)では、CPUが次世代のRyzen 7000シリーズが発表されたこともあってか、一気に価格が下がり在庫処分価格になっており、非常にコスパが良くなりました。RTX 3070で約19万円、RTX 3060 Tiで約17万円、RTX 3060で約15万となっており、旧世代とはいえ2022年9月始め時点の相場からすると明らかに安いので、今すぐコスパの良いゲーミングPCが欲しい場合には非常におすすめです。
ケースはやや小型のタワーの高コスパモデルながら、RGBライティング対応の120mmのケースファンが標準で3基搭載されており、エアフローも妥協されていません。このコスパでRGBファン搭載のゲーミングPCは国内BTOではほぼ無いと思うので、コスパも妥協したくないけど光らせたいという人には魅力だと思います。
グラフィックボードはGTX 1650 SUPER~RX 6800 XTと幅広い性能に対応していますが、コスパ的にはRTX 3060以上がおすすめです。
電源は全モデルGOLD電源採用となっており、容量も明らかに不足していると感じるモデルが無い点は良いです。
SSDの標準容量が少ない点は残念ですが、高コスパながら各部で最低限は抑えつつ良いところは良いという印象です。
Ryzen 5000シリーズは第12世代Coreにゲーミング性能でやや劣る点が気になりますが、第12世代Coreモデルよりも安価なのでゲーミングコスパなら悪くないです。より安価でゲーミングコスパを重視したい人におすすめのモデルです。
特に、記事執筆時点(2022年8月)では「Ryzen 7 5800」+「RTX 3060」モデルが約16万円となっており、コスパが非常に良いのでおすすめです。
- 10万円台中盤~で安くて高コスパ
- RGBライティングで見た目がかっこいい
- 「Ryzen 7 5800」+「RTX 3060」モデルが約16万円で非常に高コスパ
- SSDの容量が少ない(256GB~512GB)
- Ryzen 5000のゲーミング性能が第12世代Coreよりもやや低い
- CPUクーラーが高性能ではない空冷
- 背面のUSB Type-Aが4つと少なめ
構成と価格
下記が主要パーツの構成別の価格比較です(2022年9月3日時点)。背景赤はおすすめモデルです。記事執筆時点で注文可能なモデルのみ記載しています。
構成 | 価格 |
---|---|
Ryzen 9 5900X / RX 6800 XT 32GB DDR4-3200(16GBx2) 512GB SSD + 2TB HDD | 278,022円 |
Ryzen 9 5900X / RTX 3070 32GB DDR4-3200(16GBx2) 512GB SSD + 2TB HDD | 272,468円 |
Ryzen 7 5800 / RTX 3070 16GB DDR4-3200(8GBx2) 512GB SSD + 2TB HDD | 190,030円 |
Ryzen 7 5800 / RTX 3060 Ti 16GB DDR4-3200(8GBx2) 256GB SSD + 2TB HDD | 170,537円 |
Ryzen 7 5800 / RTX 3060 16GB DDR4-3200(8GBx2) 256GB SSD + 2TB HDD | 149,600円 |
Ryzen 5 5600G / GTX 1650 SUPER 16GB DDR4-3200(8GBx2) 256GB SSD + 1TB HDD | 136,016円 |
※赤字背景はおすすめモデル
※上記以外にOffice搭載モデルもあります
最もおすすめなのはやはり「Ryzen 7 5800」+「RTX 3060」で約16万円のモデルです。Core i5やRyzen 5でもRTX 3060搭載機で16万円以下のモデルはあまりないながら、Ryzen 7で約16万円は安いです。また、10万円台中盤のモデルはBTOでは下位に位置付けられることが多く、ケースも小型でケースファンが少なかったりしますが、こちらのモデルはケースファンが3基標準でRGBにまで対応しています。また、地味にWi-FiとBluetoothにも標準対応な点もコスパを底上げしています。SSD容量が256GBという点以外は非常に良いと思います。
次におすすめなのが「Ryzen 9 5900X」+「RX 6800 XT」で約28万円のモデルです。総合コスパは良いと思いますが、Ryzen 5000シリーズが第12世代Coreよりもゲーミング性能がやや低い点と、次世代GPUが控える今はハイエンドはやや手を出しにくいということもあって、次点にしています。
とはいえ、「Ryzen 9 5900X」は電力効率が第12世代Coreよりも良いですし、「RX 6800 XT」もVRAMが16GBと「RTX 3080」より多い上に電力効率が良いので、クリエイティブ用途や電力効率重視なら悪くない選択肢になると思います。
各性能について
CPUなど各パーツの性能・仕様については下記にまとめています。
CPUの処理性能を他の主要CPUと比較しています。Cinebench R23のマルチスレッドのベンチマークで見ていきます。
CPU名称 | スコア |
---|---|
Ryzen 9 5950X | 28577 |
Core i9-12900K | 27472 |
Core i7-12700K | 22812 |
Ryzen 9 5900X | 21878 |
Core i7-12700 | 21568 |
Core i5-12600K | 17660 |
Core i9-11900K | 16211 |
Ryzen 7 5800X | 15228 |
Core i7-11700K | 15011 |
Ryzen 7 5800 | 14065 |
Ryzen 7 5700G | 14041 |
Ryzen 7 5700X | 13802 |
Core i5-12400 | 12454 |
Ryzen 5 5600G | 11077 |
Ryzen 5 5600X | 10988 |
Core i5-11400 | 10155 |
Legion T550(AMD)にはRyzen 5000シリーズの「Ryzen 5 5600G」「Ryzen 7 5700G」「Ryzen 7 5800」「Ryzen 9 5900X」が採用されています。数が多いですが、筆者のおすすめモデル採用のものに絞れば「Ryzen 7 5800」と「Ryzen 9 5900X」の二つです。
Ryzen 5000シリーズは第12世代Coreにゲーミング性能が全体的にやや劣る他、マルチスレッド性能もRyzen 7はCore i7に大きく劣る点は留意です。そのため、基本的に処理性能の高さを考えるなら第12世代Coreの方が優位です。
ただし、その分価格が安く設定されているため、CPUの処理性能を特に重視しない限りは悪くはないと思います。「Ryzen 7 5800」でも一般的な用途なら、重い処理も十分できる性能を持ちます。また、「Ryzen 9 5900X」は電力効率が第12世代Coreよりも大きく優れているため、その点では利点があります。
Ryzen 7以上であれば、ある程度高性能な処理にも十分耐えうる性能があるので、よほど重いCPUによる処理を想定している訳でなく安さ重視ならむしろ優位になるともいえるので、大きく問題視はしなくても良いと思います。
CPUクーラーは空冷ですが、Ryzen 5000シリーズは第12世代Coreよりも省電力で発熱が少ないので、エアフローもしっかりしている本機なら許容範囲かなと思います。ただし、高性能なものとは言えないので、高負荷でよく運用する場合には交換した方が良いかもしれません。
GPUの性能から、ゲーミング性能を他の主要GPUと比較しています。3DMark Time Spy Graphicsのベンチマークスコアで見ていきます。
GPU名称 | スコア |
---|---|
RX 6900 XT | 20336 |
RTX 3090 | 19932 |
RTX 3080 Ti | 19608 |
RX 6800 XT | 18792 |
RTX 3080 10GB | 17692 |
RX 6800 | 15456 |
RTX 3070 Ti | 14825 |
RTX 3070 | 13789 |
RX 6700 XT | 12757 |
RTX 3060 Ti | 11893 |
RX 6600 XT | 9698 |
RTX 3060 | 8867 |
RX 6600 | 8149 |
RTX 2060 6GB | 7661 |
RTX 3050 | 6278 |
GTX 1660 SUPER | 6122 |
RX 6500 XT | 4975 |
GTX 1650 SUPER | 4702 |
GTX 1650 | 3669 |
RX 6400 | 3607 |
Legion T550(AMD)に搭載されるのは「GTX 1650 SUPER」「RTX 3060」「RTX 3070」「RX 6800 XT」です。採用数が多くて悩ましいですが、2022年8月時点の価格設定なら「RTX 3060」か「RX 6800 XT」がおすすめです。
「RTX 3060」は現状でも高性能帯ではないですが、1080pゲーミングなら十分使える性能がありますし、Ryzen 7搭載で約16万円は魅力です。
「RX 6800 XT」はハイエンドGPUで、上の「RTX 3060」と比べると性能は2倍以上です。対抗の「RTX 3080 10GB」に対しても、レイトレーシングを除けば少し上回る性能を持ちます。1080pなら重いゲームでも快適なプレイが十分可能で、1440pの高fps運用や4Kも視野に入るレベルです。TDPも300Wとなっており、RTX 3080 10GBの320Wより少ないため電力効率も良く、大容量の16GBメモリはクリエイティブ用途でも活きるはずなので、現状のハイエンドGPUではかなり魅力的なモデルです。次世代GPUが控える今は評価が難しいですが、今ゲーミングPCを所有していない人がハイエンドなゲーミングPCが欲しいという場合には「RTX 3080」と並んで筆頭候補になるGPUだと思います。
各部の画像です。スライドして切り替えることができます。公式HPから持ってきたもので、実際とは異なる可能性があるため注意してください。
その他の各パーツについて
メモリとストレージ
メモリはDDR4-3200が採用されています。容量はRyzen 9モデルが32GBで、他は16GBです。Ryzen 5000はDDR5に対応しないので、ごく一般的な構成です。メモリスロットは合計4つで、空きが二つあるため増設が可能です。
SSDはRTX 3070以上搭載機が512GBで、他は256GBです。また、全モデル1TB~2TBのHDDも搭載されます。SSDの標準容量が少ないのは残念です。空きスロットはあるので増設は可能です。
電源とPCケース
電源には全モデル80PLUS GOLD認証のものが採用されています。容量は「RX 6800 XT」搭載モデルのみ850W、その他は650Wとなっています。「Ryzen 9 5900X」+「RTX 3070」の650Wだけはやや不安がありますが、それ以外は妥当な電源が搭載されていると思います。
PCケースは120mmのケースファンが前面に2基、背面に1基搭載されています。また、上面は通気できるようになっており防塵パネル付きです。底面にもダストフィルター付きの通気口があります。エアフローは最低限確保されており、10万円台中盤のPCにも採用されるケースとしては比較的良い方だと思います。
また、搭載されるケースファンが全てRGBライティング仕様となっており、ケースも内部の光が見える仕様となっています。10万円台中盤から購入できるPCとは思えない見た目です。
Legion T550(AMD) の総評
Legion T550(AMD)は、価格が安くコスパに優れるゲーミングPCです。Ryzen 5000シリーズの性能は競合の第12世代Coreには劣るものの、価格が安いのでコスパは悪くないです。
また、次世代のCPUが次世代のRyzen 7000シリーズが発表されたおかげか、一気に価格が下がりコスパが更に良くなりました。特にRTX 3070搭載で約19万円やRTX 3060 Ti搭載で約17万円は非常にコスパが良いと思います。次世代が控えており時期的には微妙ですが、新世代製品は値下がりした旧世代製品よりは高価な上、GPUに関しては高額モデルから登場する事もあり、このレベルの安さで揃えられるのはかなり先になると思うので、出来るだけ安くてコスパの良いゲーミングPCが今すぐ欲しいという人にとっては非常に魅力的だと思います。
性能以外の面でも、価格は10万円台中盤からと安価ながら、外観はケースファン全てがRGBライティング仕様となっていて、安っぽさがないです。国内BTOの標準構成ではほぼ対応していない「Wi-Fi」と「Bluetooth」にこの価格で標準で対応している点も嬉しい点です。
SSDの標準容量が少ない点と背面のUSBポートが少ない点は残念なものの、安さとコスパは良い魅力的な製品だと思います。
Legion T570i
Legion T570i:第12世代Core搭載の価格重視モデル
項目 | スペック |
---|---|
CPU | Core i7-12700F Core i5-12400F |
CPUクーラー | 空冷 120mmx1 |
メモリ | 32GB DDR5-4800 16GB DDR5-4800 |
GPU | GeForce RTX 3070 GeForce RTX 3060 Ti GeForce RTX 3060 GTX 1660 SUPER GeForce GTX 1650 SUPER |
ストレージ | 1TB SSD(Gen4) + 2TB HDD 512GB SSD(Gen4) + 1TB HDD 256GB SSD |
チップセット | インテル B660 |
電源 | 500W 80PLUS BRONZE |
通信機能 | Wi-Fi 6 / Bluetooth 5.2 |
Legion T570iは第12世代Core搭載の価格重視モデルです。DDR5メモリを標準搭載ということありぱっと見のコスパは良く見えますが、上位モデルはの場合はそのまま使うにはおすすめ出来ない点が2点あるため、その点は注意が必要です。
まず一つ目は、上位モデルでは電源容量が明らかに足りていない点です。T570iの電源は全モデル共通で500W BRONZEが採用されていますが、500WではRTX 3060以上やCore i7を搭載するには頼りないです。ただ、Core i5やGTX 1660 SUPER以下なら妥当な容量だと思うので、特に問題ないです。
とはいえ、コスパ的には上位モデルの方が魅力的ですし、電源の交換は費用が掛かる上に手間なのでPC初級者では敷居が高い部分です。仮にできたとしても保証の問題もあるので、最低でもここは上位製品は650Wくらいは搭載して欲しかったところです(それでもぎりぎりだけど)。
二つ目は、ケースファンがRTX 3070モデル以外は背面に1基(120mm)のみと少ない点です。空冷クーラーを採用するPCにしてはエアフローが不十分です。また、RTX 3070モデルでも前面に1基増えるだけなので、十分とは言えないです。公式のイメージ画像ではRGBケースファンが5基搭載されている画像が載っているのに、これは正直どうなのかなと思っちゃいます。注意してください。ケースファンは割と簡単に増設は部分なので深刻な問題ではないと思いますが、上述の電源の面も含め初級者には不親切な仕様のPCになっていることは否めないかなと感じます。
また、CPUクーラーも120mmファン1基のものが採用されており、Core i7モデルの方ではやや不安がある点も注意です。DDR5採用の安さ重視PCという意味ではコスパは良いモデルなので魅力はありますが、何かあった際に自分で対応できる人向けの製品だと思います。
ただ、自分で対応するにしても追加の費用が多少掛かるため、正直このT570iの上位モデルを選ぶくらいなら予算を始めから少し足してでも、T770iの方を購入することをおすすめしたいです。
- 10万円台中盤~で安くて高コスパ
- DDR5メモリ標準採用
- 上位製品の電源容量が足りない(全モデル500W BRONZE)
- 標準のケースファンが背面1基のみ(RTX 3070の場合前面に+1基)
- CPUクーラーがCore i7では頼りない(120mmファン1基)
構成と価格
下記が主要パーツの構成別の価格比較です(2022年8月時点)。記事執筆時点で注文可能なモデルのみ記載しています。
構成 | 価格 |
---|---|
Core i7-12700F / RTX 3070 32GB DDR5-4800(16GBx2) 1TB SSD + 2TB HDD | 272,359円 |
Core i7-12700F / RTX 3060 Ti 16GB DDR5-4800(8GBx2) 512GB SSD + 1TB HDD | 219,651円 |
Core i7-12700F / RTX 3060 16GB DDR5-4800(8GBx2) 512GB SSD + 1TB HDD | 210,395円 |
Core i5-12400F / RTX 3060 16GB DDR5-4800(8GBx2) 512GB SSD + 1TB HDD | 194,495円 |
Core i5-12400F / GTX 1660 SUPER 16GB DDR5-4800(8GBx2) 512GB SSD + 1TB HDD | 161,063円 |
Core i5-12400F / GTX 1650 SUPER 16GB DDR5-4800(8GBx2) 256GB SSD | 135,828円 |
※赤字背景はおすすめモデル
※上記以外にOffice搭載モデルもあります
ケースファンが少ない点と500Wしかない電源容量がネックとなり、上位モデルは基本的におすすめしにくいです。ですが、下位モデルよりも上位モデルの方がコスパが良いので難しいところ。
そのままでも使えるレベルで選ぶなら「Core i5」+「GTX 1660 SUPER」モデルなんですが、「GTX 1660 SUPER」が旧世代GPUというころで、レイトレーシングのハードウェアアクセラレーションやDLSS、AV1デコードなどの最新世代なら対応している機能がない点は留意です。
各性能について
CPUなど各パーツの性能・仕様については下記にまとめています。
CPUの処理性能を他の主要CPUと比較しています。Cinebench R23のマルチスレッドのベンチマークで見ていきます。
CPU名称 | スコア |
---|---|
Ryzen 9 5950X | 28577 |
Core i9-12900K | 27472 |
Core i7-12700K | 22812 |
Ryzen 9 5900X | 21878 |
Core i7-12700 | 21568 |
Core i5-12600K | 17660 |
Core i9-11900K | 16211 |
Ryzen 7 5800X | 15228 |
Core i7-11700K | 15011 |
Ryzen 7 5800 | 14065 |
Ryzen 7 5700G | 14041 |
Ryzen 7 5700X | 13802 |
Core i5-12400 | 12454 |
Ryzen 5 5600G | 11077 |
Ryzen 5 5600X | 10988 |
Core i5-11400 | 10155 |
Legion T570iには「Core i7-12700F」か「Core i5-12400F」が採用されています。Fが無いものとCPUの処理性能は同じです。
「Core i5-12400F」は従来と同じ6コアCPUですが、「Core i7-12700F」は高性能コア8つに加えて高効率コア4つの合計12コアなので、マルチスレッド性能は非常に優れています。コスパはCore i7の方が良いので、CPU性能を重視するならCore i7モデルの方が良いです。
ただし、T570iではCPUクーラーが120mmファン1基の空冷となっており、Core i7に対して冷却性能が十分とは言えない点は留意です。また、電源容量が心許ない点もCore i7だと少しネックになります。
GPUの性能から、ゲーミング性能を他の主要GPUと比較しています。3DMark Time Spy Graphicsのベンチマークスコアで見ていきます。
GPU名称 | スコア |
---|---|
RX 6900 XT | 20336 |
RTX 3090 | 19932 |
RTX 3080 Ti | 19608 |
RX 6800 XT | 18792 |
RTX 3080 10GB | 17692 |
RX 6800 | 15456 |
RTX 3070 Ti | 14825 |
RTX 3070 | 13789 |
RX 6700 XT | 12757 |
RTX 3060 Ti | 11893 |
RX 6600 XT | 9698 |
RTX 3060 | 8867 |
RX 6600 | 8149 |
RTX 2060 6GB | 7661 |
RTX 3050 | 6278 |
GTX 1660 SUPER | 6122 |
RX 6500 XT | 4975 |
GTX 1650 SUPER | 4702 |
GTX 1650 | 3669 |
RX 6400 | 3607 |
Legion T570iに搭載されるのは「GTX 1650 SUPER」「GTX 1660 SUPER」「RTX 3060」「RTX 3060 Ti」「RTX 3070」です。1080pで100fps以上を狙うならRTX 3060以上にしたいところです。ただし、T570iは電源容量が少なくてRTX 3060でもやや怪しいのが悩ましいところ。
従来のゲーミング性能(ラスタライズ)に限れば「GTX 1660 SUPER」も悪くないのですが、レイトレーシングやDLSSやAV1デコードなどの機能は使えない点を割り切れる場合のみの選択となる点は注意が必要です。
各部の画像です。スライドして切り替えることができます。公式HPから持ってきたもので、実際とは異なる可能性があるため注意してください。T570iはイメージ画像だとケースファンが5基ほど付いていますが、実際には1~2基(最上位モデルのみ2基)となっているため、特に注意です。
その他の各パーツについて
メモリとストレージ
メモリはDDR5-4800が採用されています。記事執筆時点(2022年8月)ではDDR4より大幅に高価なので嬉しいです。BTOなどではまだハイエンド帯のPCでしか採用されないことが多いですが、T570iでは珍しくミドルレンジ以下の性能でも搭載しています。
SSDはCore i5の最下位モデルが256GB、RTX 3070搭載の最上位モデルが1TB、その他は512GBという感じになっています。全体的にやや少なめな印象ですが、基本的には512GB以上搭載なので、一応及第点です。M.2 2280スロットに一つ空きがあるので、増設も可能です。
電源とPCケース
電源には全モデル500Wの80PLUS BRONZEが採用されています。下位モデルでは十分な容量ですが、Core i7やRTX 3060以上搭載のモデルでは、CPUとGPUの両方が高負荷で稼働するには明らかに足りない容量なので注意が必要です。
PCケースはRTX 3070搭載の最上位モデル以外は、120mmのケースファンが背面に1基のみ搭載されています(RTX 3070でも前面に1基増えるだけ)。エアフローはお世辞にも良いとは言えません。イメージ画像では5基のケースファンが搭載されていますが、実際にはそのような状態の構成はないので、誤解して購入しないようにしてください。
基本PCケースファンを増設して利用することを推奨します。上面は防塵パネル付きで通気できるようになっているので、前面ではなくそこにも追加できます。また、底面も通気できるようになっており、ダストフィルターが付いています。通気性は良いので、PCケースファンさえしっかりしていればエアフローは良好になると思います。
Legion T570i の総評
Legion T570iは、DDR5メモリ標準採用でコスパが良く見えますが、上位モデルでは電源容量が明らかに少なく、ケースファンも少ないのでエアフローに難があるモデルです。
ぱっと見のコスパは悪くないものの、上記のデメリットを考えると微妙な印象です。特に、PC初級者の方は注意が必要なモデルとなっていると思います。
問題箇所を自分で対応するにしても、電源に関しては保証の問題もありますし、現在の価格では破格というほどの安さではないので、追加費用が必要となると正直微妙です。高性能なモデルが欲しいなら、少し予算を足してT770iを選択する方が良いと思います。
内容は以上です。また新モデルなどが登場した際には随時更新していく予定です。