「PS5 Pro」は高すぎる?ゲーミングPCとの費用の差を見てみる【ざっくり比較】

2024年9月11日に「PS5 Pro(Play Station 5 Pro)」が発表されました。発売予定日は11月7日です。

しかし、国内での発売予定価格が約12万円(税込み119,980円)となっており、単純に高価すぎる点や、米国での699ドル予定と比べると、為替や消費税を考慮してもやや割高に感じる点もあり、批判を多く浴びている印象です。

性能が無印版と比べると格段に上がっていることは事実ですので、価格だけ見て批判するのは早計ではありますが、

12万円という高額さで多く気にされている点として「12万円も出して色々と制約もある家庭用ゲーム機を買うなら、ゲーミングPCを購入した方がお得なのでは」ということがあります。

PS5 Proの詳細スペックはまだわからない部分も多いですが、基本スペックや無印版との相対性能差は公表されたので、大体の性能の推測は可能となっています。

そのため、本記事では「PS5 Pro」と同じくらいの性能のゲーミングPCを自作するとしたらいくら掛かるのかという点や、PS5(Pro)とゲーミングPCの性能以外での違い(メリットやデメリット)についてざっくりと触れていこうかなと思います。

注意

本記事の内容は記事執筆時点(2024年9月13日)のものであり、ご覧になっている際には異なる可能性があるため注意してください。

PS5 Proのスペック(通常版と比較)

まずは、PS5 Proのスペックについて始めに触れていきます。必要無い方は飛ばして貰っても構いません。

主なスペックをまとめたのが下記の表です。一部は推測値となっているため、その点は留意してください。

最初の発表では細かな仕様などは明かされない部分が多かったですが、無印版(PS5)との相対的な差は多く示されていました。そして、無印版については詳細なスペックが既に判明していますから、大体の性能の推測は割とできるようになっています。

PS5 ProPS5
参考価格
(税込み)
119,980円通常版:79,980円
デジタル版:72,980円
CPUAMD Zen 2
8コア
最大 3.8GHz
4nm?
AMD Zen 2
8コア
最大 3.5GHz
7nm / 6nm(Slim)
GPURDNA 3?
60CU
RDNA 2
36CU
メモリ16GB GDDR6
256bit 18Gbps
576 GB/s
※CPUとGPU共有
16GB GDDR6
256bit 14Gbps
448 GB/s
※CPUとGPU共有
ストレージSSD PCIe 4.0
2TB
SSD PCIe 4.0
1TB(Slim)
825GB(旧)
AIユニットXDNA 2無し
光学ドライブ無し4K UHD Blue-ray ドライブ
※デジタル・エディションは非搭載

CPU性能は大差無し

まずCPUは通常版と大差ないです。最大クロックに関しては3.5GHz→3.8GHzとなっており、約8.6%の向上が見られるものの、同じ「Zen 2」アーキテクチャの8コアCPUなので、大差ないと言える範囲です。

プロセスルール(ノード)は、通常版では7nm/6nmとされていたのが、4nmになると噂されているため、それが本当なら電力効率の向上により同クロックでの発熱・消費電力が若干減少することが期待されるため、そこがクロック向上に回されたとみるのが自然かなと思います。

一般的に類似CPUとしては「Ryzen 7 5700X」がよく挙げられていると思います。アーキテクチャ的には「Ryzen 7 3700X」が近そうな感じですが、プロセスは当時よりも新しくて高効率なものがほぼ確実に採用されているので、「Ryzen 7 5700X」の少し下くらいと考えるのが楽な感じです。

「Ryzen 7 5700X」ですら現在ではやや古いCPUですが、現在でも非常に安価で超コスパが良いCPUで、安さ重視の類似構成を作るにはもってこいの存在なので、これを利用しない手はありません。なので、本記事でもこれに倣います。

GPU:ユニット数が67%増加し、RX 7700 XT並みの性能に?

GPUは巷では「RX 7700 XT 12GB」相当になったと言われており、自分も現在判明している情報から推測するならその辺りになると思います。

発表としては、通常版よりもコンピュートユニット(CU)数が67%増加、進化したレイトレーシング機能(恐らくAIアップスケーリング込み)は通常版よりも2倍、ときには3倍の性能を発揮すると説明がありました。また、メモリ速度が28%向上したことでレンダリング速度が向上したとも説明されています。

アーキテクチャには言及が無かったと思いますが、CU数あたりの性能が大きく向上していないと思われる発表の仕方、AIユニットの搭載やレイトレーシング性能の向上、あと事前の噂などから、RDNA 3になっていると噂されています。

CU数は通常版の36CUの約1.67倍だと60CUとなり、「RX 7800 XT 16GB」と同じになりますが、通常版ではデスクトップ版の類似GPUよりもクロックが少し低く設定されていたことや、メモリがCPUと共有で16GBということで、ゲーム時にGPUに使えるのは大体8GB~10GBくらいが多そうという感じで、やや低めに見積もって「RX 7700 XT 12GB」というのは妥当だと思います。

ただし、メモリ帯域は推定576GB/sなので「RX 7700 XT」よりやや高いですし、グラフィックスAPIがDirectXではないためWindowsとはグラフィック描写の基盤のシステムが異なる他、レイトレーシングもAIによる独自のアップスケーリング手法を用いているなど、違いは結構あるので、単純比較できない点は一応留意しておく必要があります。

メモリ:帯域幅は28%向上したけど、容量は16GBのまま

メモリ速度が28%向上ということで、帯域幅が推定576GB/sとなったのは素晴らしいです。ただし、容量には言及が無かったため、恐らく16GBのままなのが少し残念です。

PS5(Pro含む)では、メモリはCPUとGPUで共有なため、全てがGPUで使える訳ではありません。そのため、合計16GBだとレイトレーシング使用時や高設定時、CPUのメモリ使用量の多いタイトルなどでは心許ないです。

ゲームでGPUに使用されるメモリはタイトルにもよりますが、下記の参考ページなどを見ると、

高速メモリを使うとゲーム性能は上がる?大作7タイトルでメモリ使用量と速度の影響を調べてみた – AKIBA PC Hotline!

人気の主要3Dゲームでは4GB~10GB程度です。それを参考に平均7GB前後と仮定すると、GPUに使える容量は9GB程度です。

フルHDの低~中設定なら重量級タイトルでもなんとかなりそうなラインではありますが、レイトレーシング時や高画質設定時には心許ない容量という点は一応留意しておいても良いかもしれません。

SSD:倍増の2TBで、価格を考えれば破格

SSDは容量は倍増の2TBになりました。

光学ドライブ搭載モデルが無くなったので、それを補う意味もあると思いますが、12万円のデバイスとしては破格の容量です。CPUとGPUばかりに焦点が当てられていますが、この差は結構大きいです。

SSDの詳細な仕様は明かされていないですが、SSDは最近やや値上がり気味となっていて、PCIe 4.0対応の主要メーカー品は安価なものでも1TBで1万円前後です。ここを考慮すれば、批判している人の不満も少しは改善される可能性がある…かも。

PS5とゲーミングPCの機能・用途別比較

PS5とゲーミングPCの機能・用途別のざっくり比較も先に見ておきたい部分です。一覧にした表を載せています。こちらを見れば、大体のメリット・デメリットもわかると思います。

また、ゲーミングPCの価格については後述の内容を先に記述しており、ネタバレ的な部分も含むので、一応注意です。

PS5とゲーミングPCの違いまとめ
PlayStation5ゲーミングPC
価格安価
通常版:7.3~8万円
Pro:12万円
非常に高価
PS5並み:10万円強~
Pro並み:15万円~
フレームレート
※モニターにも依存
最大120fps処理性能次第
最大540Hz程度
(モニターの性能)
オンライン
利用料金
一部有料
(12か月:6,800円~)
※主に有料ゲーム
必須ではない
基本無料
ゲームタイトル数
PS独占タイトル×
Webブラウジング×※1
動画・配信の視聴
ライブ配信
動画投稿
簡単な動画編集
高度な動画編集×
ゲーム以外のソフト×
少しだけ用意
複数ディスプレイ×
コントローラー
マウス・キーボード
Wi-Fi
標準対応

安さ重視の場合
非対応が基本
チーター×
省スペース×
通話※2
※1 機能としては備わっており、一応使う方法もあるみたいですが、実用的とは言えなさそうに見えました。
※2 2023年3月8日のアップデートよりDiscord連携が可能になりました。ただし、PS4ではまだ未対応なようなので注意。

安さとゲーム以外はPCの方が有利。特にブラウザとマルチディスプレイ対応は大きく感じる

PS5とゲーミングPCの機能・用途別のざっくり比較も先に見ておきたい部分です。一覧にした表を載せています。こちらを見れば、大体のメリット・デメリットもわかると思います。

参考:GPU性能比較表

「ゲーム性能が〇〇と同じくらい」と言われても、普段からPC市場を見ている人以外にはわからないと思うので、大体のGPUの基本性能の目安を載せておきます。

グラフィックスAPIがPS5ではWindowsゲームの主要な方式(DirectX)とは異なるので、あくまで参考値ですが、GPUの名前が出たらこの表の数値を思い返すか見直してみると分かり易いかと思います。

3DMark Time Spy Graphics
CPU名称スコア
RX 7800 XT 16GB
19945
RTX 4070 12GB
17944
RTX 3080 10GB
17692
RX 7700 XT 12GB
(PS5 Pro 想定)
17006
RTX 3070 8GB
13789
RTX 4060 Ti 8GB
13473
RTX 4060 Ti 16GB
13356
RX 7600 8GB
10836
RTX 4060 8GB
10665
RX 6650 XT 8GB
(PS5 想定)
9987
RX 6600 XT 8GB
9698
RTX 3060 12GB
8867
RTX 3050 8GB
6278
RTX 3050 6GB
4869
参考:3DMark

ゲーミングPCとの比較(自作とBTO)

前置きが長くなりましたが、本題のゲーミングPC(自作構成)との比較です。PS5、PS5 Proに近い性能の構成を出来るだけ安さとコスパ重視で選んで作っています。参考にBTOパソコン(既製品)の場合の金額と構成も載せています。

その他の注意点として、PS5はコントローラーが付属している他、Wi-Fiにも標準対応していたりなどしますが、ゲーミングPCではその辺り対応は当たり前ではなく、その辺りを対応すると予算面で不都合が生じるため、無視してしまっています。

また、ゲーム以外の利便性についてはPCの方が上な他、PS Plusに加入する場合は追加費用が掛かる点などもあるので、その点も留意しておく必要があります。ゲーミングPCとPS5(Pro)のメリット・デメリットについては上述しているので、興味がある方はそちらをご覧頂ければと思います。


PS5 Proと近い性能の自作構成(15万円程度)

PS5 Proに近い性能の自作ゲーミングPCの費用を確認します。

パーツ参考価格
CPURyzen 7 5700X24,980円
メモリDDR4-3200 16GB(8GB×2)4,880円
GPURadeon RX 7700 XT64,780円
SSDMSI SPATIUM M482 2TB17,164円
マザーボードASRock B550 Pro49,980円
電源ユニットMAG A650BNL
650W 80PLUS BRONZE
6,980円
CPUクーラー虎徹 MARK3 SCKTT-30003,400円
PCケースZALMAN T3 PLUS3,700円
OSWindows 11 Home パッケージ版15,327円
合計151,191円

約15万円で、PS5 Proの方が3万円ほど安い

PS5 Proに近い性能の構成は約15万円程度となり、PS5 Proの方が初期費用は3万円ほど安く済みます。思ったよりも差が付かなかった印象です。

3万円という差が絶妙に感じますが、やはりゲーム以外の優位性やPS Plusへの加入の可能性を考えると、実用コスパではPCの方が少し上かなと個人的には思います。

中でも気になるのは、やはりPS5ではWebブラウザとマルチディスプレイの正式対応が無い点です。

それ以外でも「PCなら…」となる用途がたくさんあるので、長く使う高価なデバイスなら、3万円の追加費用を掛けてでもPCの方が個人的には良いのではないかな…と思うのが正直なところです。

最近で言うなら、生成AIやメタバースなども「RX 7700 XT」搭載のゲーミングPCなら対応ができますが、PS5 Proでは現状厳しいというのもやや大きな違いかもしれません。

一応、PS5 ProではAIを活用した独自のアップスケーリングが使えるという強みはありますが、PC側の「RX 7700 XT」にもAIアクセラレーターは搭載されているので、今後別の形でWindowsでもAIアップスケーリングが利用できるようになる可能性はありますし、FSRやAFMFなどの他のアップスケーリングやフレーム生成は今でも利用できますから、個人的には大きな強みだと思っていません。

参考:15万円クラスのBTOパソコンの例(2024年9月時点)

15万円クラスのゲーミングPCを自作ではなく既製品(BTO)で購入する場合の例も触れておこうと思います。

LevelΘのPCケース画像(ホワイト)
LEVEL-M17M-124F-SLX
149,980円
Core i5-12400
16GB DDR5-4800
RTX 4060 Ti 8GB
500GB NVMe
650W BRONZE
B760
公式リンク
パソコン工房の見た目とコスパの良いミニタワーPC。LED色は青以外にもミント、さくら色も選べるし、ブラックモデルもあります。
また、+1万円で「RTX 4060 Ti 16GB」、+3万円で「RTX 4070 12GB」なども選ぶことができるので、重量級ゲームやVRAM容量を重視したい場合にはそちらの方がコスパが良い。

BTOで15万円だと、頑張っても「RTX 4060 Ti」あたりが限界です。基本のゲーム性能は「RX 7700 XT」と比べると-20%くらいです。

ただし、「RTX 4060 Ti」でもフルHDゲームに関しては十分な性能がありますし、PS5(Pro含む)では最大リフレッシュレートが120Hzであることを考えると、レイトレーシングや高設定を除く実用ゲームコスパは大して変わらない可能性も割とあります。
とはいえ、SSD容量がPS5 Proは2TBもあるのに対し、15万円以下のPCでは500GB~1TBが基本となっている点も考慮すると、総合コスパは自作よりも格段に劣るのは否めないです。
余談ですが、このモデルでは+1万円で「RTX 4060 Ti 16GB」モデルもあるので、生成AIやメタバース等も視野に入れるならそちらの方がおすすめです。
更に、約18万円出せば「RTX 4070」が選べるので、そちらを選べばゲーム性能でもPS5 Proを上回ります。


PS5 Proと同じくらいの価格の自作構成(12万円台)

次に、PS5 Proと同じ12万円程度の自作構成ではどうなるかも見てみましょう。

パーツ参考価格
CPURyzen 5 560017,480円
メモリDDR4-3200 16GB(8GB×2)4,880円
GPUGeForce RTX 4060 Ti 8GB56,800円
SSDADATA LEGEND 800 1TB9,680円
マザーボードASRock B550 Pro49,980円
電源ユニットMAG A650BNL
650W 80PLUS BRONZE
6,980円
CPUクーラーWraith Stealth
※CPU付属クーラー
PCケースZALMAN T3 PLUS3,700円
OSWindows 11 Home パッケージ版15,327円
合計124,827円

ゲーム性能はPS5 Proの方が3割近く高いし、SSD容量にも余裕がある

12万円台で出来るだけゲームコスパを高めようとしても、GPUは「RTX 4060 Ti 8GB」を採用するのが限界でした(しかもやや予算オーバー)。

基本ゲーム性能は3割近く「RX 7700 XT」の方が高いので、PS5 Proの方が大幅に高性能です。また、SSDも12万円では普通は1TBが限界な感じですが、PS5 Proでは標準で2TB搭載しているのも地味に大きな差です。

さすがに同額勝負ではPS5 Proの方が格段に有利となっています。

ただし、「RTX 4060 Ti 8GB」でもフルHDゲームなら大体快適ですし、PS5では最大リフレッシュレートが120Hzという制約があるため、レイトレーシングや重量級ゲームの高画質設定などを考慮しなければ、恐らくそこまで差を感じることはないと考えることも可能ではあります。

SSD容量に関しても、ゲームメインなら1TBあれば上手くやりくりすればそこまで苦労するほどではないと思う容量なので、なんとかなるレベルではあります。

その辺りの差とPS5とPCの実用性の差をどう感じるかという話になると思います。

参考:12万円クラスのBTOパソコンの例(2024年9月時点)

12万円クラスのゲーミングPCについても見ておこうかと思います。

Magnate MV 第12世代Core搭載
119,980円
Core i5-12400
16GB DDR5-4800
RTX 4060 8GB
500GB NVMe
650W BRONZE
H610
公式リンク
ドスパラの一般向けモデルPC。ケースやチップセットなどが安さ特化仕様で、とにかく安さを重視したモデルです。
しかし、メモリにはDDR5が採用されていたり、価格の割には頑張っている部分も見受けられるのが好印象。一応キーボードとマウスも付属しています。

LevelΘのPCケース画像(ホワイト)
LEVEL-M17M-124F-SLX
119,700円
Ryzen 5 4500
16GB DDR4-3200
RTX 4060 8GB
500GB NVMe
650W BRONZE
B550
公式リンク
パソコン工房の見た目とコスパの良いミニタワーPC。LED色は青以外にもミント、さくら色も選べるし、ブラックモデルもあります。
安さの割にはケースは見た目も排熱性もやや高めなのは嬉しいです。ただし、CPUは世代が古くて低めの性能なので、CPUがボトルネックになり易いゲームには向かない点に注意。

BTOで12万円だと「RTX 4060」あたりが限界です。「RX 7700 XT」と比べると圧倒的な性能差があり、基本性能は-37%以上になってしまいます。重量級ゲームを想定するなら、PS5 Proの方が圧倒的に有利です。

とはいえ、現在ではアップスケーリング機能が多数存在するため、「RTX 4060」でもフルHDなら正直大体快適なので、プレイタイトルや設定によってはそこまで変わらない可能性もあります。
ただし、やはりSSD容量がPS5 Proは2TBもあるのに対し、12万円以下のPCでは500GBが基本となっており、そこの差は非常に大きいです。
フルHDゲームが出来れば良いという人も多いと思うので、どちらが良いかは諸説あるとは思いますが、確実にPS5よりPCにして良かったと思える性能を実現するなら、やはり最低でも15万円程度は欲しいかなという感じはあります。


PS5と近い性能の自作構成(10万円強)

Proではない方のPS5も先日値上がりしたことで事情が変わっていますので、そちらも参考までに見ていこうと思います。Pro版以上に安さ重視気味での選定となっています。

パーツ参考価格
CPURyzen 5 560017,480円
メモリDDR4-3200 16GB(8GB×2)4,880円
GPURadeon RX 760038,800円
SSDADATA LEGEND 800 1TB9,680円
マザーボードASRock A520M-HDV5,890円
電源ユニットMAG A650BNL
650W 80PLUS BRONZE
6,980円
CPUクーラーWraith Stealth
※CPU付属クーラー
PCケースZALMAN T3 PLUS3,700円
OSWindows 11 Home パッケージ版15,327円
合計102,737円

約10.3万円で、PS5の方が2~3万円ほど安い

PS5に近い性能の構成は約10.3万円程度となり、PS5の方が初期費用は2.3~3万円ほど安く済みます。光学ドライブの無いデジタル・エディション(約7.3万円)であれば、節約できる額はPS5 Proとほぼ同じ3万円です。

以前と比べるとお得感が大分薄れてしまってはいますが、未だに数万円の節約には繋がります。

それでもやはり個人的にはPCをおすすめしたいところではありますが、こちらではPC側がやや無理をして安くしているのは否めないのも事実です。

マザーボードは超安さ特化品ですし、CPUクーラーも冷却性・静音性の微妙なCPU付属のものです。

また、Proと違い、PS5(無印)はフルHDなら重量級ゲームには十分に対応できる性能を、通常のゲーミングPCでは絶対不可能な安さ(8万円以下)で実現しているという点が大きな違いです。

Pro版もレイトレーシングや非常に重いゲームを快適にプレイするという点では、12万円のゲーミングPCよりも優位性こそあるものの、多少性能が低くても設定を下げればプレイは出来ますから、どうしようもない差というほどではないですし、ゲーミングPCであれば得られるはずの、生成AIやメタバースなどの次世代の高負荷用途でもPS5 Proでは現状は対応できないため、その高性能さを思ったよりも活かせない感が結構あります。

そのため、どうしてもレイトレーシングなどの超高負荷用途で出来るだけ快適なプレイをしたいという訳でないなら、値上がり後の価格でも、Pro版よりも従来のPS5の方が実用コスパはやや上かなと個人的には思います。

参考:10万円クラスのBTOパソコンの例(2024年9月時点)

10万円クラスのゲーミングPCを、自作ではなく既製品(BTO)で購入する場合の例も触れておこうと思います。

LevelΘのPCケース画像(ホワイト)
LEVEL-M17M-124F-SLX
104,800円
Ryzen 5 4500
16GB DDR4-3200
RX 6600 8GB
500GB NVMe
650W BRONZE
B550
公式リンク
パソコン工房の見た目とコスパの良いミニタワーPC。今では珍しい「RX 6600」採用でフルHDゲームコスパが良い。LED色は青以外にもミント、さくら色も選べるし、ブラックモデルもあります。ただし、CPUは世代が古くて低めの性能なので、CPUがボトルネックになり易いゲームには向かない点に注意。

BTOで10万円クラスというのはそもそも製品数が少ないです。あるとしても大体「RTX 3050 6GB」などが多かったですが、わずかに「RX 6600 8GB」や「RTX 3050 8GB」搭載のものが見られるので、狙うならその辺りが良さそうです。

PS5と比べるとゲーム性能は2~3割ほど低下してしまいますが、フルHDゲーム(中設定以下)に限れば割と快適なので、ゲーム以外の用途を重視したいなら普通にありかもしれません。

まとめ

価格とゲーム性能差のまとめ

最後にここまで見てみたPS5とゲーミングPCの価格と性能比較のまとめです。

ただし、表には載せていませんが、PS5側の方がSSD容量は1TB~500GBほど基本的に多い点と、Wi-Fi標準対応もある点で少し有利なので、その点は留意です。

機種価格GPU(性能差の目安)
PS5 Pro の比較
PS5 Pro12万円RX 7700 XT 相当?
ゲーミングPC
(自作)
15.1万円(+3.1万円)
12.5万円(+5,000円)
RX 7700 XT(±0%)
RTX 4060 Ti 8GB(-20%~)
ゲーミングPC
(BTO)
15万円(+3万円)
12万円(±0%)
RTX 4060 Ti 8GB(-20%~)
RTX 4060(-37%~)
PS5 の比較
PS57.3~8万円RX 6650 XT 相当?
ゲーミングPC
(自作)
10.3万円(+2.3万円~)RTX 4060(+7%)
ゲーミングPC
(BTO)
10.5万円(+2.5万円~)RX 6600(-19%)

所感:自作はPS5 Proより優勢に見えるけど、BTOだと微妙なライン

あくまで筆者の考えではありますが、PS5 Proを買うなら、なんとか+3~5万円ほどを追加して高性能なゲーミングPCを購入する方が実用コスパは良い…と思います。

先にも触れましたが、やはりPS5にはブラウザとマルチディスプレイ対応が無いのは特に致命的に感じる部分ですし、PS Plusを利用する可能性もありますから、PS5 Proの実質費用は12万円よりも増えるかもしれないのも懸念点です。

3~5万円という追加費用は非常に高価ですが、この額のPCやゲーム機は長期利用が前提となると思いますから、多少高価でも適用範囲が広くて良いものを選んでおきたいと思います。

ただし、ここで少し問題なのが、自作であれば「RX 7700 XT(約6.5万円~)」をPC総額で15万円ちょっとで導入することが可能なので、上記のような考え方になりますが、BTOや既製品だと15~17万円ではPS5 Proクラスの性能を実現するのが困難な点です。

事情を少し説明すると、2024年9月時点のBTOパソコンの10万円台後半の人気製品でよく見られるGPUは「RTX 4060 Ti(約5.7万円~)」と「RTX 4070(約8.5万円~)」です。「RX 7700 XT」はBTOではほとんど見掛けることがないGPUとなっています。

要するに、6~8万円の高コスパGPUが現状不在に近い形となっているため、特に15~17万円くらいで重量級ゲームでも快適で高コスパなゲーミングPCを探すのがちょっと難しいのです。

このような事情から、「RTX 4070」を狙える18万円~くらいのPCの方が総合コスパは良く見えることが多いため、BTOパソコンや既製品でPS5 Pro以上のゲーム性能を求めるなら、15万円ではなく18万円程度が必要になる可能性が高いのが問題な点です。

多少性能が劣っていても、15万円~のゲーミングPCならフルHDなら大体快適ではあるので、大きなネックにはならないので良いという考えもあるとは思いますが、

12万円のゲーム機が18万円クラスのPCに近い性能を持っているとなると、PS5 Proの安さもかなり魅力的になってくるので、やはり人によって左右されそうな感じです。市場の状況などに大きく左右されるものの、やはり一筋縄ではいかない案件だなと改めて感じます。

煮え切らない結論で申し訳ないですが、実際白黒付けるのは非常に難しい話であるから話題になっているので、このまま終わっておこうかなと思います。

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