『ゲーミングPCって何?』という疑問に対してのざっくりとした解説記事です。一般的なPCとの違いについても触れています。
ゲーミングPCとは?
ゲーミングPCは文字通りゲームをするためのPCですが、一般的なPCとの決定的な違いは「グラフィックボード(単体のGPU)の有無」です。
- グラフィック性能(ゲーミング性能)の高いPCのことゲーミングPCは文字通りゲームをするためのPCです。また、単にゲームといっても、重いゲームにも対応できるという意味合いが含まれています。そして、重いゲームをするために重要な性能はグラフィック性能(ゲーミング性能)なので、要するにゲーミングPCとは重いゲームにも対応できるほど高いグラフィック性能を備えたPCのことになります。
- 決定的な違いはグラボの有無ゲーミングPCと一般的なPCの決定的な違いは、ずばりグラフィックボード・ビデオカード(単体のGPU)の有無です。グラフィックボード(略称:グラボ)は、単体のGPUを搭載した高いグラフィック性能を備えたパーツです。グラボの無いPCの場合は、基本的にCPUに内蔵されたGPUを利用することになりますが、この内蔵GPUは単体のGPUと比べて性能が圧倒的に低いため、現状では重いゲームを快適にプレイするには厳しい性能となっています。そのため、このグラボがあるか否かがゲーミングPCであるかの決定的な違いとなっています。
ゲーミングPCはグラフィック性能の高いPC
ゲーミングPCは文字通りゲームをするためのPCですが、一般的なゲーミングPCというのは、重いゲームにも対応できるPCという意味合いが含まれています。
そして、重いゲームをするために重要な性能はグラフィック性能(ゲーミング性能)です。そのため、要するに、ゲーミングPCとは重いゲームにも対応できるほど高いグラフィック性能を備えたPCのことになります。具体的には、グラフィック処理をするグラフィックボードやビデオカード(以下:グラボ)と呼ばれるパーツをCPUとは別に搭載することでグラフィック性能を引き上げています。これが一般的なPCとの決定的な違いです(後述)。
対して、一般的なゲーミングでないPC(会社のオフィスPCや家電量販店などで販売されているようなPC)は、オフィス作業やWeb閲覧などを前提作業としています。それらの作業は基本的にグラフィック性能がさほど重要ではありません。そのため、グラフィック性能は低いことが基本(グラフィックボードやビデオカードは搭載されない)となっており、重いゲームをプレイすることが厳しいです。これがゲーミングPCと一般的なPCとの差です。
このように、PCで重いゲームをプレイするためには「グラフィック性能の高いPC」が必要となります。このことから、グラフィック性能の高いPCのことをいわゆるゲーミングPCと呼ぶようになりました。
また、重いゲームをするために必須の要件はグラフィック性能の高さですが、CPUの性能が低くてもゲームパフォーマンスに影響が出ます。そのため、ゲーミングPCではCPUも高性能なものを搭載しているのが基本となっており、グラフィック性能を含まないゲーム以外の用途も快適に行うことができます。
グラフィックに関しても、ゲーム用に最適化されたパーツが採用されてはいるものの、動画編集などの他の高いグラフィック性能が必要な用途でも普通に有用です。それらの点を踏まえると、ゲーミングPCは、単純に何でもできるPCと捉えることもできます。サイズが大きくなったり価格が高くなったりなどのデメリットはあるものの、ゲーム用途でなくても後の憂いを無くしたいなら有力な選択肢となります。
決定的な違い:グラボの有無
上でも軽く触れましたが、ゲーミングPCと一般的なPCの決定的な違いはグラボの有無です。細かな違いは他にもありますが、ほぼこれに尽きます。
ゲーミングと付かない一般的なPCでは、グラフィック処理を担当するGPUはCPUに内蔵されているものを使用していることが基本です。しかし、CPUの内蔵GPUは電力など様々な制約を受けるため性能が低く、重いゲームをするには力不足なのが現状です。
対してゲーミングPCでは、グラボ(単体のGPU)がCPUとは別に搭載されています。これは内蔵GPUよりも性能が圧倒的に高く、比較的低性能ななものでも重いゲームを動かすことが可能です。そのため、このグラボの有無が決定的な違いとなる訳です。
- GPU画像処理をメインに担当するユニットのことです。CPUの画像特化バージョンと考えると分かり易いのではないかと思います。GPUが無いと画面に映像を出力することができないため、PCにとっては実質必須のユニットです。
- CPUの内蔵GPU文字通りCPUに内蔵されたGPUです。内蔵GPUは様々な制約を受けるため、グラボと比べると性能は圧倒的に低いです。ただし、近年では急激に性能が向上しており、特に高性能なものなら重いゲームを動かせるレベルにまでなっています(ただし、まだ快適とは言えないレベル)。
- グラフィックボード・ビデオカード(グラボ)単体のGPUを搭載したパーツのことです。内蔵GPUよりも色んな面で余裕があるため、低性能な部類のものでも内蔵よりは基本的に高性能です。ただし、価格が高い、消費電力・発熱が多いといったデメリットもあります。
GPUに関しては、本サイトの別記事でざっくり解説した記事がありますので、興味があればご覧になってみてください。
GPU(グラボ)とは?【ざっくり解説】 内蔵GPUの性能をざっくり解説【性能比較】ゲーミングPCの特徴
ここまではゲーミングPCとは、という部分について見ていきました。次に、実際に購入を検討する際に気になると思うゲーミングPCの長所・短所をについて見ていききます。
ゲーミングPCの長所
まずはゲーミングPCの長所についてです。下記にざっくりまとめています。
ゲーミングPCの良い点
- 高性能なグラフィックボードを搭載
ゲーミングPCと呼ばれる所以の部分です。高性能なグラフィックボードにより、高いゲーミング性能を発揮します。また、ゲームだけでなく動画編集などのクリエイティブ用途でも高い性能を発揮します。 - グラフィック面以外でも基本的に高性能ゲーミングPCたる所以はグラフィックボードと言っても過言ではありませんが、グラフィックボードだけ高性能で他は低性能、というゲーミングPCはほとんどありません。まず、「ボトルネック」と呼ばれるCPUが低性能だとGPUが性能を最大限発揮できない問題があるため、最低限CPUはそれなりに高性能です。また、単純にゲームではGPUだけでなくCPU性能も影響があります。
- 通気性(エアフロー)・冷却性に優れる高性能なグラフィックボードやCPUは発熱が多いです。そのため、これらを搭載するゲーミングPCでは、当然対策が行われます。特に、PCケースやファンなどが大きく関わっています。
- 拡張性(カスタマイズ性)が高いゲーミングPCは、PCケースが大きめのものが多くなっています。CPUやGPUの冷却にクーラー等が必要となり、通気性・排熱性が重要となるためです。その結果、他パーツを搭載するためのスペースの余裕ができ、これが拡張性の高さに繋がります。
また、マザーボードと呼ばれるPCの基盤となるパーツも拡張性に大きく影響しますが、これもゲーミングPCでは多機能なものが採用されている場合が多い点もあります。
高性能なグラフィックボードやCPUに加え、それを活かすための仕様によるものが主になります。「ゲーミング」と名は付くものの、単純に基本なんでもできる高性能なPCと捉えると良いと思います。
ゲーミングPCの短所
次にゲーミングPCの短所についても見ていきましょう。
悪い点
- 価格が非常に高いゲーミングPCは非常に高価です。ゲーミングでないPCでは10万円もすれば高価な部類だと思いますが、ゲーミングPCで10万円はかなり安い部類です。15万円でも大して高価じゃないレベルです。簡単に買い直しを検討するのも難しい額なので、購入する際は失敗の無いように慎重に選ばなければいけません。
- 消費電力が多い高負荷時のゲーミングPCの消費電力はかなり多いです。高負荷で頻繁に稼働させるなら、電気料金も結構高くなってしまいますし、ノートPCならバッテリー持続時間、デスクトップPCなら電源ユニットの容量に気を使わなければならず、不便さや追加費用もプラスされてしまいます。
- 発熱が多い消費電力が多いという事は発熱も多いという事になります。既製品のPCを購入する際には最低限の対策は行われているはずですが、対策が十分でない場合にはCPUやGPUが性能を十分に発揮できなかったり、トラブルの原因になる可能性があるため注意する必要があります。
- サイズが大きいゲーミングPCは一般的なPCよりサイズが大きい場合が多いです。拡張面で優位な部分でもありますが、設置スペース的な意味ではマイナスです。とはいえ、一般的なPCもそれなりの設置スペースを占有する訳なので、目立った欠点とはいえないかもしれません。
性能面だけを見ると凄く魅力的なゲーミングPCですが、上記のようなデメリットがあります。
やはり特に気になるのは価格です。ゲーミングPCは10万円以上が当たり前の世界です。しかも、一般的なPCでの10万円は高価な部類だと思いますが、ゲーミングPCでの10万円はかなり安価な部類です。高いフレームレートや画質を求め、より高性能なゲーミングPCが欲しい人は、20万円以上の出費を覚悟する必要があります。
価格以外の面でも、扱い辛さを感じるデメリットが多いです。そのグラフィック性能の高さを活かせないなら、ただ重くて大きくて消費電力が多い、扱い辛いPCです。その辺りもよく考えて検討する必要があります。
よくありそうな疑問
ざっくりとした説明は上記で終わりになりますが、補足説明として、よくありそうな疑問と回答をまとめています。参考までにご覧ください。
よくありそうな疑問
ゲーミングPCについてよくありそうな疑問をQ&A形式でまとめています。
ゲーミングPCじゃないとPCゲームはできない?
したいゲームによります。2Dや軽めのゲームなら、CPUの内蔵GPUでも問題なくプレイできるものも多いです。ただし、最新の3Dゲームを快適にプレイしたいのであれば必須に近いです。
ゲーミングPCっていくらから買える?
要求するパフォーマンス、購入する時期、プレイしたいタイトルなどによって異なりますが、安いものなら12万円程度でほとんどのタイトルでプレイは可能だと思います(2021年11月時点)。
ゲーミングPCはどこで買えばいい?
BTOパソコンショップを利用して購入するのが一般的です。また、やや専門的な知識が必要となりますが、自作PCという選択肢もあります。
関連パーツまとめ
最後に備考として、ゲーミングPCと関連性のあるパーツ一式をざっくりと説明しています。参考までにご覧ください。
- CPU言わずと知れたPCの頭脳(中央処理装置)です。いくら高性能なグラフィックボードを用意しても、CPUの性能が低いとその性能を最大限に発揮できません。GPUが処理したデータを最終的にシステムに反映させるのがCPUだからです。この問題を「ボトルネック」などと読んだりします。ゲーミングPCにおいても、CPUは重要です。
- GPU(グラボ)PCのグラフィック性能を決定づけるパーツです。これがある事がゲーミングPCの条件とも言えます。ゲーミング性能に最も影響のあるパーツとなります(CPUも最低限の性能は無いといけないけど)ので、ゲーミングパフォーマンスにおいては最も重要となります。
- メモリーCPUの作業場となるパーツです。出来るだけ容量が多くて高速なのが望ましいです。ゲーミングPCなら最低でも16GB以上は欲しいです。
- ストレージ(SSD)処理性能に直接の影響は無いですが、高速だとゲームの起動時間を短縮する事ができ、よりストレスなくスムーズなゲームプレイをする事ができます。HDDは低速なので、SSDが好ましいです。また、SSDにも大きく分けて2.5インチ(SATA接続)とM.2(NVMe接続)のものがあり、M.2(NVMe接続)の方が高速ですが、SSDであれば高速である点に変わりはないので、深く考えずとも問題ありません。
- 電源ユニット高性能なCPUやグラボは消費電力が多いため、高電源容量の電源ユニットが必要となります。また、電源の変換効率も良いものが好ましいです(80PLUS認証というもの参照)。
- マザーボードPCの基盤となるのがマザーボードです。特に拡張性に大きく関わります。重要なパーツではあるのですが、処理性能には大きくは関わりませんし、かなり専門的な部分となるので、詳しくは割愛させていただきます。申し訳ありません。
- PCケース高性能なCPUやグラボは消費電力が多いため、発熱も多いです。熱はPCにとって大敵なため、対策はしっかりと行わなければいけません。特に、PCケースの通気性(エアフロー)や各パーツの冷却性に大きく関わるので重要です。
それでは、記事はここまでになります。ご覧いただきありがとうございました。