「GeForce GTX 1650」の評価・まとめ記事です。
価格的には「GTX 1050 Ti」の後継となりそうですが、実際はどうなのか見ていきます。
簡易比較表
「GeForce GTX 1650」とその他の現在主要なGPUとの簡易比較表です。 価格は記事投稿時点での、主に価格.com最安値となっています。
GPU名称 | 3DMark | メモリー | TDP | 電力効率 | コスパ | 価格 |
---|---|---|---|---|---|---|
RTX 2080 Ti | 33500 | 11GB | 250W | 134 | 0.223 | 150000円 |
RTX 2080 | 27800 | 8GB | 215W | 129.8 | 0.279 | 100000円 |
GTX 1080 Ti | 27800 | 11GB | 250W | 111.2 | 0.278 | 100000円 |
RTX 2070 | 22400 | 8GB | 185W | 121.1 | 0.386 | 58000円 |
RTX 2060 | 19700 | 6GB | 160W | 123.1 | 0.458 | 43000円 |
GTX 1070 | 18000 | 8GB | 150W | 120 | 0.419 | 43000円 |
GTX 1660 Ti | 16000 | 6GB | 120W | 133.3 | 0.457 | 35000円 |
GTX 1660 | 13700 | 6GB | 120W | 114.2 | 0.457 | 30000円 |
GTX 1060(6GB) | 12900 | 6GB | 120W | 107.5 | 0.496 | 26000円 |
GTX 1650 | 9000 | 4GB | 75W | 120 | 0.45 | 20000円 |
GTX 1050 Ti | 7700 | 4GB | 75W | 102.7 | 0.453 | 17000円 |
※3DMarkはFirestrike(通常)のもの。
参考 UL Benchmarks 参考 「GeForce GTX 1650」をレビュー。GTX1050Tiより25%以上高速に!
性能は GTX 1050 Tiの2割程度向上
3DMarkの性能は「GTX 1050 Ti」の約17%向上しています。ただし、やはりGTX 1060 よりは大分低い性能となっており、重めのゲームを快適にプレイするのは厳しいか、もしくは設定を下げる必要がありそうです。ただし、逆にいえば設定に気さえ遣えば、プレイ出来ないゲーム自体はほとんどなさそうなくらいではありそう。
TDP75Wで優れたワットパフォーマンス
「GTX 1050 Ti」よりもワットパフォーマンスが大幅に上となっています。TDP75Wクラスとしては前例が無いほど優秀な値です。
コスパはGTX 1050 Ti と同程度
コスパは「GTX 1050 Ti」と同程度となっています。しかし、グラボの価格は発売から日が浅い内は少し高い傾向があるので、これから少し下がってくると予想されます。そうなれば、「GTX 1050 Ti」のコスパをやや上回りそうです。後継としては申し分ないですね。
ゲーミング性能
ゲーミング性能は、言葉の通りゲームをする際のパフォーマンスの性能です。実際にゲームを動作させた際のFPS数で比較されます。今回は13種類のゲームでのデータを基に見ていきます。(1080pの中設定)
GPU名称 | 平均FPS |
---|---|
RTX 2060 | 145.1 |
GTX 1070 | 129.3 |
GTX 1660 Ti | 127.0 |
GTX 1660 | 110.1 |
RX 590 | 109.3 |
RX 580 8GB | 98.8 |
GTX 1060(6GB) | 98.2 |
GTX 1060(3GB) | 92.0 |
RX 570 4GB | 87.2 |
GTX 1650 | 78.3 |
GTX 1050 Ti | 60.6 |
GTX 1050 | 49.8 |
参考 GeForce GTX 1650 レビューPC Gamer
ゲーミング性能は GTX 1050 Ti を25%以上も上回る
ゲームでの実測値は「GTX 1050 Ti」を大きく上回り、1050 Ti と 1060 の中間程度という結果でした。3DMarkの数値で見るよりも良い印象ですね。最適化が進んでいるということでしょうか。何にせよ、TDP75Wの2万円以下のGPUとしては破格の性能です。設定を多少工夫する必要はあるかもしれませんが、出来ないゲームはほとんどなさそうだし、重くないゲームなら快適にプレイも可能そうです。
悪くないが、少し上の価格帯のGPUが強すぎる
GTX 1050 Ti の性能を大きく上回り、TDP75Wで約2万円…とこれだけ聞けば凄く良さそうに見えます。実際悪くないです。
しかし、少し上の価格帯の競争相手があまりにも強すぎます。未だに最強コスパの呼び声も高い「GTX 1060」に加え「GTX 1660」と「GTX 1660 Ti」まで居ます。更には、値下がりで「RX 570 」や「RX 580」までも参戦してきています。まさに群雄割拠ともいえる状況。これらのGPUは、少し価格が高くても出来る事の幅がグッと広がります。コスパが同程度で、ミドルレンジ最下位クラスの性能の「GTX 1650」では正直太刀打ちできません。
低価格ゲーミングPCで期待される
「総合的なコスパ」という面では、少し上の価格帯のGPUたちが強すぎるため負けてしまいますが、価格の安さは武器です。低価格ゲーミングPCでの採用が期待できます。現在低価格ゲーミングPCの主流である「GTX 1050 Ti」とは違い、設定次第で出来ないゲームは無さそうなレベルには達したと思うので、需要は跳ね上がったのではないかと思います。今までは器用貧乏感の強かった低価格ゲーミングPCの救世主として活躍する可能性はありそうです。
総合評価
低価格ゲーミングPCの主流GPUとなりそう
TDP75Wのまま「GTX 1050 Ti」を大きく上回る性能を持ち、価格も同程度(となるであろう)の「GTX 1650」は、「GTX 1050 Ti」の純粋な上位互換と言っても良いと思います。
「GTX 1050 Ti」は現在の低価格ゲーミングPCの主流GPUなので、当然これは「GTX 1650」にとって代わることになると思います。そうなると、低価格ゲーミングPCでも設定次第では出来ないゲームがほぼ無くなる事になります。今まで器用貧乏感の強かった低価格ゲーミングPCの立場が変わってきそうです。
やはり性能は少し物足りない
「GTX 1650」は、TDP75Wでワットパフォーマンスも良く素晴らしいのですが、やはり性能が物足りないです。更に、「GTX 1060」などの少し上の価格のGPUたちが強すぎるのも大きいです。5000円~10000円のプラスで性能が大幅にアップし、ゲームの快適さも跳ね上がります。価格の安さというのはもちろん強みではあるのですが、PCにおいて「性能不足」非常に嫌われる要素なので、厳しいところですね。
まとめ(良い点・悪い点)
最後に「GTX 1650」の良い点・悪い点をまとめています。
GTX 1650 の良い点
- TDP75Wという省電力仕様
- 優れたワットパフォーマンス
- 約2万円という価格の安さ(多分ここから更に少し安くなる)
- GTX 1050 Ti の上位互換と言っても良い
GTX 1660 の悪い点
- 重いゲームでは性能不足を感じるであろう性能
- 少し上の価格の他GPUが強すぎる(総合的なコスパで負ける)
記事はここまでです。ご覧いただきありがとうございました。