「Radeon RX 6600」ざっくり評価【性能比較】

「Radeon RX 6600」のざっくり性能比較・評価です。RX 6600ではFE版(レビュー用のリファレンス版)が無いようなので、企業等の最速レビューでも基本的に一般消費者がベンダーから購入するものと同じものがテストに使用されています。

注意

本記事の情報は記事執筆時点(2021年10月15日)のものです。ご覧になっている際には異なる可能性があるため注意してください。

仕様

まずは、主要な仕様だけざっくりと載せています。

簡易比較表

GPU 北米
参考価格
シェーダー
ユニット数
メモリタイプ
メモリ容量
メモリ転送速度
メモリ帯域幅
レイトレ用
コア数
ダイサイズ 消費電力
(TDP等)
RTX 3080 699ドル 8704 GDDR6X
10GB
19Gbps
760GB/s
68基 628.4㎟ 320W
RX 6800 XT 649ドル 4608 GDDR6
16GB
16Gbps
512GB/s
72基 519㎟ 300W
RTX 3070 Ti 599ドル 6144 GDDR6X
8GB
19Gbps
608GB/s
48基 392㎟ 290W
RX 6800 579ドル 3840 GDDR6
16GB
16Gbps
512GB/s
60基 519㎟ 250W
RTX 3070 499ドル 5888 GDDR6
8GB
14Gbps
448GB/s
46基 392㎟ 220W
RX 6700 XT 479ドル 2560 GDDR6
12GB
16Gbps
384GB/s
40基 336㎟ 230W
RTX 3060 Ti 399ドル 4864 GDDR6
8GB
14Gbps
448GB/s
38基 392㎟ 200W
RX 6600 XT 379ドル 2048 GDDR6
8GB
16Gbps
256GB/s
32基 237㎟ 160W
RX 6600 329ドル 1792 GDDR6
8GB
14Gbps
224GB/s
28基 237㎟ 132W
RTX 3060 329ドル
3584 GDDR6
12GB
15Gbps
360GB/s
28基 276㎟ 170W

まず価格ですが、「Radeon RX 6600」の希望小売価格は329ドルとなっています。「RTX 3060」と同額です。しかし、実際の初動価格は約56,000円~となっており、「RTX 3060」は約63,000円~のため、少なくとも現在の日本市場においては「RTX 3060」よりも安く販売されています。

下記に記事執筆時点での日本での実売価格を参考までに載せておきます(筆者調べ)。

日本での実売価格(2021年10月15日)
RX 6600 RX 6600 XT RTX 3060
約56,000円~ 約58,000円~ 約63,000円~

とはいえ、現在のGPUの市場はまともな状態と言えないので、価格については購入を検討する度に注視する必要があります。

6600 XTと比較すると、GPUコア数が12.5%の削減された他、メモリの速度が僅かに遅くなっています(16Gbps→14Gbps)。希望小売価格も同じくらいの減少なので、コスパ的には同じくらいにも見えますが、流通マージンや現在はGPU高騰によって価格が底上げされてしまう点を考えると、5万円台中盤のGPUにしては正直微妙な気がしてしまいます。

「RX 6600」は1080pゲーミングに最適なGPUとして登場しています。これはもちろん性能的に1080pなら高いfpsを出せる性能を持っているという意味合いもありますが、メモリが弱いため高解像度になるほど性能の低下が顕著になるという意味も含んでいると思うので注意が必要です。

メモリが弱いけど、小型で省電力
GPU メモリバス幅 メモリ転送速度
メモリ帯域幅
PCIe
レーン数
ダイサイズ 消費電力
(TDP)
RTX 3070 256ビット 448GB/s x16 392㎟ 220W
RX 6700 XT 192ビット 384GB/s x16 336㎟ 230W
RTX 3060 Ti 256ビット 448GB/s x16 392㎟ 200W
RX 6600 XT 128ビット 256GB/s x8 237㎟ 160W
RX 6600 128ビット 224GB/s x8 237㎟ 132W
RTX 3060 192ビット 360GB/s x16 276㎟ 170W

容量の8GBは1080pなら十分ですが、問題はバス幅と帯域幅です。メモリのバス幅が128ビットと低いため、帯域幅が224GB/sと狭くなっています。これは最新のGPUとしてはかなり低い数値です。競合のRTX 3060にも大幅に負けています(RTX 3060のメモリ帯域幅:360GB/s)。1080pのゲーミング環境では影響は小さいかもしれませんが、より高い解像度や動画編集等に用いる際には、競合製品よりもやや不利になることが予想されるため注意してください。ちなみにこれはRX 6600 XTでも共通の仕様です。

TDPは132Wとなっており、RX 6600 XTの160Wよりも28W、RTX 3060の170Wよりも38Wも低くなっています。現在登場している最新世代のGPUではかなり省電力なモデルとなっています。電源ユニットや消費電力の費用を減らすことが期待できる他、サイズも小さめなので、小型のケースでも採用しやすいと思います。

RX 6600 XTと比較すると、TDP減少率は17.5%です。コアの削減率が約12.5%なので、電力効率は少し向上していることが見て取れます。RX 6600 XTでもミドルレンジGPUにしては優れた電力効率だったので、それが更に良くなるならかなり魅力的です。ただし、そうなるとまたマイニング目的での買い占めの標的になりそうな気もするのは心配です。

また、PCIeのレーン数がx8対応となっている点に一応注意です。PCIe 3.0だと帯域幅が足りずにややパフォーマンスが低下する可能性があります。ただ、同じ仕様の「RX 6600 XT」でも性能の低下はわずかだったので、より性能の低いRX 6600無印では特に気にする必要は無いかもしれません。とはいえ、出来る限りPCIe 4.0対応するに越したことはないと思います。

ゲーミング性能

ゲーミング性能は、言葉の通りゲームをする際のパフォーマンスの性能です。実際にゲームを動作させた際の平均FPS数を見ていきます。今回は22種類のゲームでのデータを基に見ていきます。設定は基本的に最高品質です。使用されたCPUは「Ryzen 7 5800X」、ビデオカードは「PowerColor Radeon RX 6600 Fighter」が使用されています。OSはWindows 10が使用されているため、Windows 11で問題になっているゲーミングパフォーマンスが低下する問題は発生していません。その他のスペックなどの詳細は、お手数ですが記事上部の参考リンクを参照お願いします。


1080p(1920×1080)

FHD(1920×1080)です。最低限の解像度という感じですが、2021年現在では最も主流な解像度です。ハイエンドGPUを使用していても、特にFPSやTPSでは出来るだけ高いFPS数を維持するためにこの設定にするのが主流だと思います。

平均FPS(1080p 最高設定)
GPU名称 平均FPS
RX 6900 XT
198.9
RTX 3090
194.0
RX 6800 XT
191.2
RTX 3080
181.4
RX 6800
172.9
RTX 3070
156.9
RX 6700 XT
151.6
RTX 3060 Ti
142.5
RX 6600 XT
126.5
RX 5700 XT
123.3
RTX 3060
113.9
RX 6600
111.2
RTX 2070
110.5
RTX 2060
95.5
GTX 1660 Ti
80.8

RTX 3060とほぼ同等

1080pではRTX 3060より約2.3%遅いという、ほぼ同等の性能でした。RX 6600 XTと比較すると約12%遅れています。

重いゲームが中心の最高設定で平均111fps出ているので、FHDなら十分快適なパフォーマンスと言えると思います。中設定以下なら大体平均120fpsは超えそうな印象です。

ただ、ハイエンドGPUではないので仕方がないですが、「FHDなら快適」といっても144fps以上のフレームレートを重いゲームで安定して出すのは厳しいというのは留意しておきましょう。


1440p(2560×1440)

WQHD(2560×1440)です。1080pでは性能を少し持て余してしまう場合に利用する解像度です。現在の主流解像度は1080pですが、GPU性能が全体的に大幅に向上してきているため、徐々にこの1440pが主流解像度に切り替わっていく気がします。

平均FPS(1440p 最高設定)
GPU名称 平均FPS
RX 6900 XT
162.4
RTX 3090
162.0
RX 6800 XT
154.7
RTX 3080
148.6
RX 6800
138.4
RTX 3070
123.4
RX 6700 XT
116.4
RTX 3060 Ti
109.0
RX 6600 XT
91.3
RX 5700 XT
90.8
RTX 3060
83.6
RTX 2070
81.4
RX 6600
77.4
RTX 2060
69.5
GTX 1660 Ti
58.3

RTX 3060を少し低い性能

1440pではRTX 3060より約7.4%遅い性能となっています。1080pよりも差が5%開き、やはりメモリ面が足を引っ張っているのかなという印象です。

とはいえ、最高設定でも平均77fps出ているので、普通に使えるパフォーマンスです。競技性の高いゲームで出来るだけfpsを高めたい訳でないなら、多少fpsが1080pより低くなるだけで、快適といえるレベルだと思います。


4K(3840×2160)

「超高解像度の代名詞」ともいえる解像度の4K(3840×2160)です。非常に繊細で綺麗な映像になりますが、その負荷の大きさから高いFPSを出す事が難しいためTPSやFPSなどの対人競技ゲームで利用されることはまずないです。処理性能でも敷居が高いだけでなく、高リフレッシュレートの4Kモニターが非常に高価ということもあり、2021年現在では競技性の高いゲームではあまり利用されません。フレームレートよりもグラフィックのキレイさや臨場感が重要なゲームを中心に需要のある解像度です。

平均FPS(4K 最高設定)
GPU名称 平均FPS
RTX 3090
106.2
RX 6900 XT
101.9
RTX 3080
93.8
RX 6800 XT
95.1
RX 6800
83.3
RTX 3070
72.7
RX 6700 XT
65.2
RTX 3060 Ti
63.3
RX 5700 XT
50.6
RX 6600 XT
48.4
RTX 3060
47.8
RTX 2070
46.7
RX 6600
40.4
RTX 2060
39.2
GTX 1660 Ti
32.2

4Kでは性能が大幅に低下

4KではRTX 3060より約15.5%遅くなっており、1440pから差が8%も広がっています。最新の他GPUよりも性能の低下が顕著です。やはりVRAMの帯域幅の狭さが影響していそうです。対抗のRTX 3060どころか、RTX 2060とほぼ同等のパフォーマンスになってしまいます。

一応最高設定でも平均40fps出ているため使えないことは無いと思いますが、少しカクカク気味の4Kや設定を下げた4Kでプレイするよりは、1440pや1080pで最高設定にした方が高い映像品質になる気がするので、やはり4Kには向かないGPUだと言えると思います。

1080pに焦点を当てたGPUなので、4K性能はそこまで重要ではないかもしれませんが、2万円程度プラスすればRTX 3060 Tiを購入できます。RTX 3060 Tiなら4Kでの性能もグンと上がりますし、1080pや1440pでもfpsの大幅な向上が得られると考えると、そちらの方が正直お得な気がします。後述のレイトレーシング性能でもRadeon RX 6000シリーズはRTX 30シリーズに負けていますから、多様性込みのコスパは上位GPUには大きく劣るという印象が強いです。

レイトレーシング性能

レイトレーシング利用時のパフォーマンスを見ていきます。今回は9種類のゲームでの性能を見ていきます。

レイトレーシングFPS(1080p 幾何平均)
GPU名称 平均FPS
RTX 3090
131.5
RTX 3080
120.8
RX 6900 XT
110.1
RX 6800 XT
104.4
RTX 3070
97.9
RX 6800
90.8
RTX 3060 Ti
86.8
RX 6700 XT
73.1
RTX 3060
67.3
RX 6600 XT
55.6
RX 6600
49.2
RTX 2060
47.3
レイトレーシングFPS(1440p 幾何平均)
GPU名称 平均FPS
RTX 3090
101.4
RTX 3080
89.7
RX 6900 XT
81.0
RX 6800 XT
76.2
RTX 3070
71.0
RX 6800
66.5
RTX 3060 Ti
62.2
RX 6700 XT
51.4
RTX 3060
47.4
RX 6600 XT
38.1
RX 6600
32.7
RTX 2060
31.6

レイトレーシング性能は低い

Radeon RX 6000シリーズの共通の弱点ですが、レイトレーシング性能はRTX 30シリーズに負けています。RX 6600のレイトレーシング性能は1080pでもRTX 3060に約27%も負けており、旧世代かつRTXシリーズで最低性能のRTX 2060と同等程度のfpsしか出せません。

フレームアップ技術(FSR)を使用できればある程度補うことも出来ますし、使えないことは無いレベルではありますが、やはりレイトレーシングをしっかり楽しみたいならおすすめはできない性能だとは思います。レイトレーシングを視野に入れるならRTX 30シリーズを選んだ方が良いです。

電力関連

消費電力

ゲームプレイ時(高負荷時)の平均消費電力を見ていきます。低い方が良い数値となります。測定に使用されたゲームは「Cyverpunk 2077」で、解像度は「2560×1440」です。

GPU平均消費電力(ゲーミング)
GPU名称 消費電力(W)
RTX 3090
355
RTX 3080
318
RX 6900 XT
302
RX 6800 XT
292
RTX 2080 Ti
265
RX 6800
223
RX 6700 XT
221
RTX 3070
220
RX 5700 XT
210
RTX 3060 Ti
199
RTX 2070
192
RTX 3060
183
RX 6600 XT
160
RX 6600
120

RTX 3060よりも大幅に少ない消費電力

ゲーミング時の消費電力は約120Wとなっており、RTX 3060よりも大幅に少ないです。電源でも大きく余裕が出来ると思います。CPUにもよりますが、450W電源等でも大丈夫そうなのは嬉しいです。扱い易さはかなり良いです。

ワットパフォーマンス

ゲームプレイ時(高負荷時)のワットあたりのパフォーマンス(フレーム数)を見ていきます。

ワットパフォーマンス(1440pゲーミング)
GPU名称 電力効率(基準:RX 6600)
RX 6600
100%
RX 6800
99%
RX 6900 XT
90%
RTX 3070
90%
RTX 3060 Ti
89%
RX 6800 XT
85%
RX 6700 XT
81%
RTX 3080
80%
RTX 3060
77%
RTX 3090
72%
RTX 2070
71%
RX 5700 XT
68%

非常に優れた電力効率

電力効率は非常に優れています。高負荷な処理での電力効率はハイエンドGPUの方が有利な傾向があるのですが、今回のテストされたGPUの中ではトップに輝いています。凄いです。対抗のRTX 3060を約23%も突き放しています。

4K性能やレイトレーシング性能が低いという明確な弱点があるため、電力効率なら一択とまでは言えませんが、一般的な1080pゲーミングでならかなり活きると思います。1080pゲーミングなら、コスパだけでなく電力効率も優れているというライトゲーマーにうってつけのGPUと言えると思います。

まとめ

Radeon RX 6600

良い点
  • 比較的安価(実売価格がRTX 3060より少し安い)
  • 1080pで快適なパフォーマンス
  • 非常に優れた電力効率
  • 比較的少ない消費電力(TDP:132W)
悪い点
  • メモリの帯域幅が狭い(224GB/s)
  • 4Kゲーミングではパフォーマンスが大幅に低下
  • レイトレーシング性能が低い(対抗のRTX 3060よりも大幅に低い)

1080pで快適なパフォーマンスと非常に優れた電力効率

「Radeon RX 6600」の最大の魅力は、比較的安価に1080pで快適なパフォーマンスを得られることです。また、電力効率も非常に優れています。現状のゲーマーのほとんどは1080pでのプレイを想定していると思うので、需要にマッチした製品とも言えると思います。

単純に消費電力が少ないことも、電源ユニット代の節約に繋がります。重いゲームも一通りやりたいライトゲーマーには嬉しい、1080pに最適なGPUと言えると思います。

「RX 6600 XT」との価格差が小さく、性能コスパは良くは無い

「RX 6600」は、元の希望小売価格では「RX 6600 XT」より50ドル安くなっています。高騰や流通マージン分も考慮すると、日本円では7,000円前後くらいは安くなる見込みになると思います。しかし、筆者がショップにて価格を確認したところ、6600無印は約56,000円~、6600 XTは約58,000円となっており(冒頭の表に記載)、実際には2,000円程度しか安くなっていませんでした。

コア削減率や実際のテストを見ても「RX 6600 XT」より約12%遅いGPUなのに、値下げ率は明らかに低く、コスパは悪化しています。RTX 3060は約63,000円~だったので、それよりは安いですが、どっちにせよ「RX 6600 XT」でいいじゃん感が大きいです。価格はショップ次第なので、どこでも同じ状況かはわかりませんが、少なくとも発売時の価格ではコスパは良くない点は留意しておいて良いと思います。「RX 6600」を買うなら少し予算を足して「RX 6600 XT」を購入した方が賢いと思います。

4Kとレイトレーシング性能が低く、多様性に欠ける

1080pゲーミングには優れたパフォーマンスを提供してくれる「RX 6600」ですが、それ以外の用途では他の最新GPUに劣ります。4Kゲーミングやレイトレーシングでは、対抗のRTX 3060には大きく負け、RTX 2060程度までパフォーマンスが落ちてしまう点には注意が必要です。

4K性能が低い原因はやはり、メモリの帯域幅が狭いためだと思います。速度以外同じ仕様のメモリを採用している「RX 6600 XT」でも同様の傾向が見られていました。また、動画編集等でも同様に高解像度ではメモリがボトルネックになってしまうと思います。レイトレーシング性能も低さは、RX 6000シリーズ共通の弱点ですね。

4Kもレイトレーシングも低fpsながら動きはしますし、フレームアップ技術(FSR)を利用できればfps低下を補えるので、使えないことは無いと思いますが、それらを視野に入れるならRTXシリーズかもう少し上位のGPUにする方が良いと思います。


といった感じで、本記事は以上になります。ご覧いただきありがとうございました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です