Ryzen 7000シリーズが9月末までに発売予定であることが確認:仕様や性能についても軽くおさらい

AMDの第2四半期決算説明会にて、AMDのCEOリサ・スーがZen4搭載のRyzen 7000シリーズとAM5マザーボードが、9月末までの今四半期(第3四半期)に発売される予定であることに言及しました。

また、上記以外にも確定情報ではないものの、ある程度詳しい予測も各メディアなどでされているため、そちらについても軽く触れていきたいと思います。

※追記:Weiboという中国のSNSにて、MSIがRyzen 7000シリーズに使用されるX670マザーボードが9月15日に発売予定であることを発表したため、Ryzen 7000シリーズの発売は9月15日でほぼ確定という形になりました。

注意

本記事の内容は記事執筆時点(2022年8月4日)のものであり、ご覧になっている際には異なる可能性があります。

本記事は予測やリーク情報などを含みます。あくまで噂レベルの参考程度にしてください。

9月15日の発売が予測

これまでは発売予測時期は9月~12月とやや幅が広く不確定な状況でしたが、9月末まで(第3四半期中)と幅が大幅に狭まりました。

また、海外メディアwccftechにて9月15日発売であると予測されており、下記のようなスケジュールで発表や発売が行われることがで掲載されています。ただし、独自の情報源からの取得ということなので、信ぴょう性については微妙なところです。ですが、9月末までの発売予定というのはAMD自身からの発言なので、9月15日が外れていたとしても、大幅に遅くはなりません。

追記:MSIの発表で9月15日発売が濃厚になったため、信ぴょう性が高くなりました。

発売スケジュール予測
  • 公式発表日:2022年8月30日9時
  • レビュー解禁日:2022年9月13日22時
  • 発売日:2022年9月15日22時

各時間は日本時間に変換してあります。

最初に発売されるモデルについては、以前にAMD自身が提供したリソースライブラリに基づいて、下記の4モデルが発売されるのではないかと言われています。

初発モデル予測
  • Ryzen 9 7950X
  • Ryzen 7 7900X
  • Ryzen 7 7700X
  • Ryzen 5 7600X

仕様や性能について

仕様や性能についても軽く触れておこうと思います。まず、’Zen 4′ Ryzen 7000シリーズにおいて発表や予測されている性能や仕様について下記にざっと並べています。

Ryzen 7000の仕様など【暫定】
  • TSMC 5nmノードで製造、I/Oダイも6nmへと
  • 最大16コア32スレッド(Ryzen 5000と同じ)
  • Zen 3からシングルスレッド性能が15%向上
  • Zen 3から全体的なパフォーマンスが35%向上
  • Zen 3と比較してワットあたりのパフォーマンスが25%向上
  • Zen 3からIPC(クロックあたりの命令数)が8%~10%向上
  • LGA1718ソケットのAM5プラットフォーム
  • クーラーはAM4から互換性あり
  • メモリはDDR5のみ対応(DDR5-5600ネイティブ)
  • TDPは最大170W、PPTは230W
  • 3D V-Chacheモデルも後に追加?

コア数は変わらないけど、全体的な性能は35%向上で電力効率も大幅アップ

Ryzen 7000シリーズのコア数はRyzen 5000シリーズと同じになると言われています。Ryzen 9で12~16コア、Ryzen 7で8コア、Ryzen 5で6コアという形ですね。しかし、全体的なパフォーマンスは35%向上するとAMDは主張しており、同じコア数では驚異的な向上率です。

ゲーミング性能で重要とされるIPCも8%~10%向上、ワットあたりのパフォーマンスも25%と大幅に向上すると言われているため、ゲーミングで強い上に非常に効率的なCPUである印象を受けます。特に電力効率面ではRyzen 5000シリーズの時点でもIntelにやや優位な状況がありましたから、大きく引き離すことになるのではないかと思います。

ただし、シングルスレッド性能は15%向上と控えめです。なんですが、最近出たリークではRyzen 5 7600XがCore i9-12900Kにシングルスレッド性能で約20%上回るという噂もあったりして、正直よくわからないのが本音です。もしリークが本当ならRyzen 5 5600Xと7600Xでシングルスレッド性能が1.5倍以上になっていることになりますから、個人的にはさすがに怪しそうだと思っていますが、各性能向上率についてはAMD発表ながらやや古い情報なので、完全に否定はできないという感じ。出てからの性能を楽しみにしたいと思います。

AM4とクーラーの互換性があるのが嬉しい

これは前から判明していたことですが、Ryzen 7000シリーズのAM5はCPUクーラーがAM4と互換性があることが地味に嬉しいです。既にAM4は長期化しているため、現在販売されているクーラーの多くがAM4に対応しているため、確認の手間が省けますし、既に持っているクーラーも使える可能性が高いと思います。

Intelの第12世代CoreプロセッサーのLGA1700への刷新の際に見られた、リテンションキットの同梱や無償配布、別途の購入の必要性などについて考えてなくて済みます。

価格が気になる

価格については未だに一切の公式発表がなく、一部の信ぴょう性の薄いリークがあるのみなのが不安なところです。

アメリカでは物価高の影響でIntelは値上げを実施することを発表していたりしますし、Apple製品も日本では円安の影響もあり大幅に値上がりしたことも不安を駆り立てます。

Ryzen 7000シリーズは7nmから最新鋭クラスの5nmプロセスになることに加え、I/Oダイについてもこれまでの12nmから6nmへと大幅に微細化されています。製造コストは大幅に増加していることは可能性が高い上、この情勢です。

対抗の第13世代Coreは既存の10nmプロセスを維持するため、Ryzen 7000ほどの劇的な効率面での向上は見込みにくい点もありますし、そうなるとAMD側としては無理に安くしてまで販売する必要性を感じない気がします。

発売当初より値下がりしている現在の市場のRyzen 5000シリーズより高くなるのは当然として、高価だったRyzen 5000シリーズ発売当初と同水準なのか、それよりも高くなるかは気になります。

また、Ryzen 7000シリーズはメモリがDDR5のみ対応となっている点もあります。DDR5も現在では登場当初よりは価格が落ち着いてきてはいるものの、今でもDDR4よりは大幅に高価で、その差は最低でも1.5倍くらいです。記事執筆時点の相場では、DDR4-3200 16GB(8GBx2)が約7,000円程度で購入できるのに対し、DDR5-4800は最安でも10,600円でした。16GBを最低ラインとすると、DDR4よりは最低でも3,000円~4,000円程度高くなることになります。

実際の価格は発売を待つしかないですが、総額としては前世代よりは大幅に高価になることは覚悟しておく必要がありそうです。

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