「IdeaPad Duet 560 Chromebook」レビュー:有機ELディスプレイ採用な上にキーボードとペン付属

レノボより発売されている「IdeaPad Duet 560 Chromebook」の実機レビューです。

注意

本記事の内容は記事執筆時点(2021年12月10日)のものであり、ご覧になっている際には異なる可能性があるため注意してください。

IdeaPad Duet 560 Chromebook
価格 6万円台後半~
OS Chrome OS
SoC(CPU) Snapdragon 7c Gen2
GPU Adreno 618
RAM 4GB / 8GB
ストレージ eMMC:64GB / 128GB / 256GB
ディスプレイ 13.3インチ 有機EL
1920 x 1080
バッテリー寿命 約 15.5時間
Google Chrome OS Power_LoadTest
Wi-Fi 802.11 b / g / n / ac
Bluetooth Bluetooth 5.1
カメラ画素数 背面 800万画素
前面 500万画素
インターフェース USB Type-C ×2
(Powerdelivery対応、DisplayPort出力機能付き)
重量 本体:約 700g
キーボードとカバー装着時:約 1200g
サイズ 約 306 x 187 x 7.23 mm(本体のみ)
スピーカー ステレオスピーカー×4
主な付属品 スタンドカバー、キーボード、USIペン、ペンホルダー
ACアダプター、USBケーブル
USB Type-C – 3.5mmオーディオジャック変換ケーブル

13.3インチの有機ELディスプレイにスタンドカバー、キーボード、ペンが付属するChromebookタブレット

「IdeaPad Duet 560 Chromebook」は、13.3インチの有機ELディスプレイ採用で色鮮やかな映像を表示でき、キーボード、スタンドカバー、ペンの3点が標準で付属しているのが嬉しい2 in 1 Chromebookタブレットです。バッテリー持続時間も優れています。

SoCに「Snapdragon 7c Gen2」を搭載しており、性能自体は高くなく、6万円台後半からという価格の割には低性能ですが、低性能な機種が多いChromebookの中では平均よりは上の性能です。動画鑑賞や軽作業をするには十分な性能です。

重い処理には向きませんが、豊富な付属品、有機ELディスプレイ、長時間駆動により、軽い処理や動画鑑賞では非常に優れた実用性を発揮する2 in 1タブレットです。

主な特徴や利用シーン

まず始めに、本製品の主な魅力や特徴と、利用シーン(各用途への対応度)についてざっくりまとめています。

主な特徴・魅力

Duet 560 の大きな魅力2点
  • スタンドカバー、キーボード、ペンが同梱
  • 13.3インチの有機ELディスプレイ

スタンドカバー、キーボード、ペンが同梱

本製品の大きな魅力の一つは、豊富な付属品です。スタンドカバー、キーボード、ペンが同梱しており、追加費用が必要ありません。購入して届いてすぐに 2 in 1 スタイルで利用することができます。単体で非常に優れた実用性の製品となっています。

2 in 1 タブレットとして有名な製品に Surface Pro や iPad Pro がありますが、キーボードやカバー類は基本付属されておらず、別途購入する必要があります。本体だけでもかなり高価な上に、追加費用も必要となりますが、IdeaPad Duet 560ならその必要がありません。

13.3インチの有機ELディスプレイ

もう一つの大きな魅力が、タブレットにしては大型の13.3インチの大画面と、色鮮やかな有機ELディスプレイです。有機ELディスプレイはスマートフォンではもう主流になっていますが、画面サイズの大きなタブレットはコストが掛かることもあってか、現在では採用製品は少ないです。

そんな中で貴重な有機ELディスプレイ採用のタブレットかつ13.3インチと大きめなので、動画などのメディア鑑賞で重宝します。タブレットの利用方法としてかなり多いものの一つは動画鑑賞だと思うので、そこを重視していると思います。

利用シーン:Web閲覧や軽作業、動画鑑賞

具体的なレビューはまだですが、使用感や性能を確認した私のざっくりと利用シーンや用途別の対応能力の評価をまず載せておきたいと思います。

処理性能は低いですが、高いディスプレイ性能と付属品による実用性に優れた2 in 1 システムによって、軽作業や動画鑑賞に適したタブレットです。

主要項目の評価
価格
(3.0)
付属品
(5.0)
軽い処理
(4.0)
重い処理
(2.0)
ディスプレイ
(4.5)
スピーカー
(4.0)
カメラ
(2.5)
総合コスパ
(3.5)

利用シーン別の評価
軽作業
(4.0)
動画・配信の視聴
(4.5)
軽いスマホゲー
(4.0)
重いスマホゲー
(2.0)
画像編集
(2.0)
動画編集
(1.0)

本体・付属品(外観)

早速見ていきます。まずは主な付属品から。

本体の他に、スタンドカバー、キーボード、USIペン、ペンホルダー(カバーに装着)、ACアダプター、USBケーブル、USB Type-C – 3.5mmオーディオジャック変換ケーブル です。非常に豊富な付属品で、購入後のオプション品の追加はほぼ必要ありません。本機の大きな魅力の一つです。人によっては欲しいものとしては保護フィルムくらいだと思います。

主な付属品 備考
スタンドカバー スタンドは横向きのみ対応、無段階調整
キーボード JIS配列 78キー、この手のキーボードにしては打ちやすい
Lenovo USIペン 4096段階の筆圧検知、単6形乾電池1個駆動(1個同梱)
その他のボタン等は無し
ペンホルダー ペンを収納できる樹脂製のホルダーです。
スタンドカバー裏に装着できます。
USBケーブル USB Type-C – C(オスオス)
ACアダプダー 3A/最大30W出力
オーディオ用
3.5mm変換ケーブル
USB Type-Cポートで3.5mmオーディオケーブルが
使えるように変換するケーブル

次は背面です。ツートンカラーのデザインです。レビュー機のカラーはアビスブルーで、もう一つストームグレーのカラーバリエーションがあります。

表面はさらさらとした感じの仕上げになっており、指紋が目立ちません。安物っぽさが無くて良いと思います。黒では無いですが、かなり暗い印象です。「アビス」ブルーとついているのも納得です。ただし、大体の人は付属のスタンドカバーを装着して使用すると思うので、この背面はあまりお目に掛かることは無い気がします。

次は本体正面です。ベゼルは比較的薄く、最新のデバイスといった印象を受けます。ただし、解像度がタブレットで一般的なFHDの「1920×1200(16:10)」ではなく「1920×1080(16:9)」となっていて片方の幅が短いため、縦長の印象を受けます。

左:USB Type-C、スピーカー×2、電源ボタン

右:USB Type-C、スピーカー×2

上部:ボリュームボタン、マイク

下部:付属キーボード用コネクタ

主な付属品 備考
左側面 電源ボタン、USB Type-C ポート、スピーカー×2
右側面 USB Type-C ポート、スピーカー×2
上部 ボリュームボタン、マイク
下部 付属キーボード接続用コネクタ

次は各側面とインターフェースについての確認です。両サイドにUSB Type-Cポートを1つずつと、スピーカーを2つずつ備えています。その他も下部に付属キーボード用のコネクタがある以外は特別な点はなく、ごく一般的な接続性だと思います。

次にスタンドカバーについて見ていきます。ファブリック調となっていて持ち易く手に馴染みます。見た目や持ち易さは良いと思います。ただし、長期間の使用を想定すると、汚れたりほつれたりしないかが少し心配です。

また、ペンホルダーを装着することができます。少し出っ張るため、スタンドを利用せずに置いてもわずかな傾斜が付くことになります。次にスタンド部について見ていきます。

スタンドカバーは無段階調整となっていて、好みの位置に調整できます。マグネットで装着しますが、非常に強力なので、ちょっとした弾みで外れる心配はありません。角度調整もでき、非常に安定していて良いと思います。最大で1番目の画像のように倒すことができます。

ちなみに、スタンドを立てると元々スタンドがあった部分は本体裏面が露出します。

次にキーボードを見ていきます。

残念ながらキーボードに傾斜を付けることはできません。

打鍵感については、キーストロークが非常に浅いのに押下圧が強めに感じたので、他のキーボードと比べると少し違う印象です。特性的にはスムーズなタイピングを求める場合や、頻繁にタイピングをする人いには向かないように思えますが、一つ一つ入力を感じながらタイピングするタイプの方ならそこまで悪くも感じないかもしれません(筆者の主観です)。

また、この手の2 in 1タブレットのキーボードは、他製品でもあまり良くないのが基本なので、そのことを踏まえるならデメリットと言えるほどかは難しい部分です。

配列については、JIS配列の78キーとなっています。メインのボタン配置は海外製の13.3インチ以下のPCによく見られるものだと思いますが、Chromebookなので一部のキーが特殊なので注意です。Chromebookを利用した経験が無い人は始めは戸惑うかもしれませんが、よく使う機能にすぐにアクセスできるようになっていて便利なので、各キーの機能はチェックしておくと良いと思います。

処理性能(ベンチマークスコア)

次に、各処理性能を見ていきます。IdeaPad Duet 560 Chromebookには「Snapdragon 7c Gen2」が搭載されています。少し前によく採用されていたミドルレンジSoC Snapdragon 730G や 720G に近い性能となっています。

また、レビュー機のRAM(メモリ)は4GBなので、8GBモデルだともう少し良くなる可能性がある点に注意です。

レビュー機以外のベンチマークの参考

CPU性能:価格の割には低いけど、軽作業には十分な性能

CPUの処理性能のテストを見ていきます。ベンチマークソフト「Geekbench 5.4.3」でテストを行いました。

CPU性能は処理全般に影響してくるため重要ですが、Chromebook自体が主に軽作業を前提としたデバイスなので、個人的には凄く高性能である必要性は小さいとも思います。

レビュー機は「Snapdragon 7c Gen2」搭載されており、Webブラウジングや軽作業はサクサクです。

レビュー機のGeekbench 5(.4.3)のベンチーマーク結果と、他の主要タブレットでよく採用されるSoCとの比較が下記です。

Geekbench 5.1-5.4 マルチコア
CPU名称 スコア
Apple A12Z
4709
Apple A14
4160
Core i5-1035G4
3986
Apple A13
3476
Snapdragon 870 5G
3381
Apple A12
2814
Snapdragon 860
2657
Core i3-1005G1
2417
Snapdragon 730G
1744
Snapdragon 7c Gen2
1739(レビュー機)
Helio G90T
1715
Apple A10
1429
Core m3-8100Y
1396
Snapdragon 662
1389
UNIUSOC Tiger T618
1325
MT8183
1293
Celeron N4100
1271
Helio P60T(Chromebook)
926

Geekbench 5.1-5.4 シングルコア
CPU名称 スコア
Apple A14
1593
Apple A13
1336
Core i5-1035G4
1235
Core i3-1005G1
1141
Apple A12Z
1122
Apple A12
1117
Snapdragon 870
1000
Core m3-8100Y
845
Apple A10
777
Snapdragon 860
728
Snapdragon 7c Gen2
620(レビュー機)
Snapdragon 730G
547
Helio G90T
545
Celeron N4100
405
UNIUSOC Tiger T618
383
Snapdragon 662
314
MT8183
303
Helio P60T(Chromebook)
263

やはり「Snapdragon 730G」に近いスコアとなっています。軽作業やブラウジングなら十分な性能で、実際に使ってみてもストレスはありませんでした。SoC自体は高性能とは言えないですが、軽作業前提のChromebookなら必要十分だと思います。

また、Chromebookでは基本的にアプリは仮想環境の動作となると思うので、本来の性能より若干低下するのではと思っていましたが、今回のテスト結果を見る限りはその影響はありませんでした(むしろ若干良かった)。何にせよ、多少性能が低下しても、軽作業をするには十分なくらいの性能はあります。

そして、軽作業をするには十分な性能ですが、その性能自体は価格を考えると低めなのも確かです。豊富な付属品を考慮すると、商品自体は低コスパというほどではないと思いますが、より安価な4万円台に大幅に高性能なiPad 無印やXiaomi Pad 5 がある上、同価格帯にもiPad Airがありますから、処理性能重視なら定番製品よりは劣ります。

GPU性能:重いゲームは厳しそう

次にGPU(グラフィック)性能のテストです。「Snapdragon 7c Gen2」に搭載されているGPUは「Adreno 618」です。

グラフィック性能はゲーム、動画などのグラフィック全般に影響するため、それらを楽しみたい人には重要です。ベンチマークソフトは「3D Mark」と「GFX Bench」を利用しました。

3D Markでは「Sling Shot」、GFX Benchはたくさんの種類がありますが、全部載せると非常に長くなるので、「1080p マンハッタン 3.1 オフスクリーン」を例として見ていくことにします。

3DMark Sling Shot ES3.0 Graphics
GPU スコア 搭載SoC例
Apple A14 GPU
21465
Apple A14
Apple A13 GPU
20135
Apple A13
Apple A12 GPU
14085
Apple A12
Adreno 650
12811
Snaprdagon 870 5G,865
Adreno 640
10119
Snapdragon 860,855
Apple A10 GPU
5859
Apple A10
Adreno 618
3756
Snapdragon 730G
Mail-G76 MP4
3216
Helio G90T
Adreno 618(Chromebook)
3066(レビュー機)
Snapdragon 730G
Mail-G52 MP2
2028
UNISOC T618
Adreno 610
1670
Snapdragon 662,665
Mail-G72 MP3
1605
MT8183 / Helio P60T

GFX Bench マンハッタン ES3.0 オフスクリーン 1080p
GPU fps 搭載SoC例
Apple A14 GPU
174.7
Apple A14
Apple A13 GPU
162.5
Apple A13
Apple A12 GPU
127.6
Apple A12
Adreno 650
125
Snaprdagon 870 5G,865
Adreno 640
99
Snapdragon 860,855
Apple A10 GPU
59.7
Apple A10
Mail-G76 MP4
50
Helio G90T
Adreno 618
41
Snapdragon 720G,730,730G
Adreno 618(Chromebook)
36(レビュー機)
Snapdragon 7c Gen2
Mail-G52 MP2
21
UNISOC T618,Helio G80,G70
Mail-G72 MP3
20
MT8183 / Helio P60
Adreno 610
19
Snapdragon 662,665

4万円未満の低価格タブレットによく採用されるものよりは1.5倍~2倍程度良いですが、性能自体は低いです。軽いゲームを快適にプレイする性能はありますが、重めのゲームは低設定なら一応動くくらいの性能だと思います。詳しいゲーム性能についてはこの後見ていきます。

また、Androidで使用される「Adreno 618」の平均スコアよりもやや低かったです(1~2割程度)。RAMが4GBと少ないためなのか、それともChromebookの環境による影響なのかはわかりませんが、一応留意です。ただし劇的な違いではないので、使用感にはさほど影響無いと思います。

ゲーム性能:13.3インチの画面がスマホゲーではやや不向き

実際にゲームを起動してパフォーマンスや設定を確認してみました。正直モバイル端末向けゲームは詳しくないのですが、「ウマ娘」「PUBG MOBILE」「原神」の3つを試してみました。

ウマ娘

ウマ娘です。テストする際にわかった注意点がまずあります。起動時に横向きだと下記の画像から進まずに、フリーズしてしまいます。

なので、縦画面にして起動する必要があります。縦画面なら正常に起動し、その後に横画面に変更したりしても特に問題ありませんでした。ライブなども横画面で問題無く表示されます。

注意書きはここまでで、本題のテストに入ります。ウマ娘にはグラフィック品質に簡易版と標準版の2つが用意されています。自分も普通にプレイした経験があり、モデリングが結構しっかりしている印象なので重いかと思いましたが、標準版でも意外と軽いゲームみたいです。

レビュー機では標準版でもサクサク動き、レースの激しい動きのなどに一瞬カクつきやfps低下が見られた気がしますが、特に気になるほどでもありませんでした。簡易版だとよりサクサク動きます。標準版でも問題なく動きますが、バッテリー消費や発熱は増えると思われるので、グラフィックにこだわりが無ければ簡易版の方が良いと思います。参考のグラフィック品質のホーム画面での比較が下記です(一応レビュー機の画像)。

標準版

簡易版

静止画だと違いがあまりわからないですが、簡易版ではジャギジャギ感が少し増します。凄く粗くなるというほどではないので普通に見れるレベルだと思いますが、レース中には少し気になるかもしれません。

また、付属ペンでの操作が結構快適でした。手で持って使うには厳しいサイズと重量ですが、置きながらのプレイ感は良好でした。

PUBG MOBILE

TPSのPUBG MOBILEです。品質は6段階用意されていましたが、レビュー機(IdeaPad Duet 560 Chromebook)では「スムーズ」「標準」「HD」の下から3つしか選べない様になっていました。初期設定では品質は標準、フレーム設定は中となっており、普通にプレイできました。

ただし、PUBE MOBILEはマウスに対応しておらず、タッチ操作を強制させられますが、13.3インチだと正直大きすぎて操作性は良くはありませんでした。感度設定と慣れ次第でなんとかなるレベルだとは思いますが、この大きさと重さはアクション操作が要求されるスマホゲームには不向きかなと思いました。マウスは使えるのでPC版ゲームが利用できれば良かったのですが、基本的にはGoogle Playからのインストールでスマホ向けアプリに限定されてしまうのが残念です。

初期設定

プレイ画面

ちなみに、割と余裕がありそうだったので、試しに品質をHD、フレーム設定を高にして試してみましたが、そちらでも意外と普通にプレイできました。ただし、端末はやや熱を持っていたので、やはりおすすめはできないかもしれません。

原神

重量級ゲームらしい原神です。初期設定では画質が低、fpsは30となっていました。画質設定は更に下に「最低」というものがあるので、一応最低設定ではありません。画質はお世辞にも良いとは言えませんが、初期設定では思ったよりもサクサクと動き、キレイなグラフィックにこだわりが無ければ一応プレイはできます

デバイス負荷もスムーズと表示されており、実際カクつくこともあまりなくスムーズでした。

ただし、こちらもPUBG MOBILEと同様に、Android版はマウスが使えずにタッチ操作しかできません。13.3インチの画面でこの手のゲームのタッチ操作はやはり操作性は良くないです。ただし、こちらはスマホ専用に開発されたPUBG MOBILEと違って、PC版と基本同じ仕様のゲームのAndroid版という形なので、今後改善される可能性も無くはないかもしれません。

参考までに画質比較を下記に載せています。上から「最低」「低(デフォルト)」「中」です。

画質:最低

画質:低(デフォルト)

画質:中(高負荷)

最低と低は影以外はほとんど変わらない印象ですが、デフォルトより一つ高い中設定にすると、線の粗さが大分なくなり結構違います。

また、そのまま中設定で動かしてみると、やはりfpsは明らかに落ちている印象はありましたが、フリーズなどはすることなく、意外と普通に動きました。常時中設定で使うのはさすがに厳しそうですが、きれいな画質でみたいときに一時的に設定を上げる分には問題なさそうではありましたので、参考までに。

ディスプレイ:色鮮やかな有機EL(DCI-P3 100%)

ディスプレイはIdeaPad Duet 560 Chromebok の大きな魅力の一つです。タブレットにしては大型の13.3インチで、有機ELディスプレイとなっています。10億色表示に対応し、色鮮やかな映像を表示することが可能となっています。公式ページの説明によると、DCI-P3 100%で、非常に優れた色域です。

実際に確認してみると、やはり画像自体は綺麗で発色は非常に優れていることがわかります。ただ、単体で見ると特に違和感は無いのですが、IdeaPad Duet Chromebook(10.1インチ)と比べると、白が若干黄色みのある印象でした。サイズも含め、下記の画像で比較しています。(輝度はどちらも100%で、夜間モードオフ)。

IdeaPad Duet 10.1との比較

撮影するカメラの性能や撮影モードなどによっても色味は変わってくるとは思いますが、異なることはわかると思います。

実際に使用している最中は全く気になりませんでしたが、こう見ると本当の白とはちょっと違う感じもするので、そこは留意しておいた方が良いかもしれません。

また、後述のカメラテストで屋外にて使用することがありましたが、天気が曇りの外では暗くて見え辛いということ感じませんでした。ただし、光沢のある液晶なので、場所や天気によっては見え辛いこともあると思います。

重量:サイズの割には軽量

重量関係です。本体は実測で711.1gでした。公称スペックの約700gよりわずかに重かった点は少し気になるものの、サイズの割には軽量だと思います。

その他、各付属品等の重量一覧が下記になります(全て実測)。

品目 重量
タブレット本体 711.1 g
スタンドカバー 180.0 g
キーボード 336.6 g
本体+カバー 901.2 g
本体+カバー+キーボード 1227.7 g
ペンホルダー 10.0 g
ペン 15.0 g

本体+カバーだと約900gとなり、手を持って使うには重いです。短時間ならなんとかなると思いますが、基本的にはスタンドを立てて置いて使うことになると思います。手にする前の印象ではやや重さがネックになるかと思いましたが、無段階の横に広いスタンドのおかげで、膝の上とかでも気軽に立てて使えるので意外と苦にはなる場面はなさそうでした。

キーボードも装着すると約1.23kgとなります。普通の13.3インチのノートパソコンくらいの重さです。

スピーカー:悪くない音質の4スピーカー

引用:レノボショッピング

1Wのステレオスピーカーが合計4つ搭載されています。左右に二つずつです。公式の商品説明を見ると、スマートアンプ付きのスピーカーらしいです。

スピーカーを売りにした機種は大体2Wなのに1Wということで、最大音量が小さいのでは?という懸念もありましたが、実際に聞いてみると特に小さい印象はありませんでした。

音質に関しては筆者が疎いので参考になるかはわかりませんが、安価なスマホやタブレットよりは良かったです。

13.3有機ELディスプレイ採用の点からもメディア鑑賞には力を入れている端末だと思うので、さすがにスピーカーもそれなりのものを採用しているようです。どのくらいの良さかは正直わかりませんが、こだわりの無い人なら気にならないくらいの良さはあると思います。

バッテリー:長時間駆動

公式発表のバッテリー持続時間は15.5時間です(Google Chrome OS Power_LoadTest)。容量は非公表です。ChromebookはPC(Windows)用のソフトが基本使えないこともあり、測定方法は「Google Chrome OS Power_LoadTest」というChromebook用の耳慣れないものが主に採用されています。

Chromebookではこれまでにもスタンドカバーとキーボードを付属した人気モデルが主に二つあるので、それと比較してみることにします。Lenovoの「IdeaPad Duet Chromebook(初代)」と、ASUSの「Detachable CM3」です。各持続時間は下記です。

端末 バッテリー持続時間
Google Chrome OS Power_LoadTest
IdeaPad Duet 560 15.5 時間
Detachable CM3 12.3 時間
IdeaPad Duet (10.1型の初代) 10.0 時間

どちらも今では3~4万円という安価な機種との比較にはなりますが、それらよりは良い事が伺えます。

CM3は12.3時間でバッテリー持ちの評判は比較的良い方みたいですが、それよりも良いので、カタログスペックからもバッテリー持ちは良いことが伺えます。筆者が実際にテストで使用した所感でも、バッテリー持ちの良さは感じられました。

ただ、比較的軽負荷な処理でも、さすがに15.5時間は持たないので、その点は一応注意です。

カメラ:写れば良い用

タブレット端末は、特に高級なものを除き大体カメラの性能は良くないです。本機も例に漏れず、良くないと思います。付属のカメラアプリでリアカメラでそのまま撮影した作例を少しだけ載せます。

筆者がカメラを撮るのがあまり得意ではない点を考慮しても、明らかに色味が出ないというのか、色のグラデーションが上手く表現できないという印象でした。他のほとんどのタブレットと同様、何が写っているかわかれば良いくらいのメモ的な運用になると思います。

インカメラについては更に少し画素数が低くなりますし、こちらも誰が写っているかわかればOKなら使える程度くらいのものだと思います。

まとめ

最後にまとめです。

総評:性能は高くないが、軽い処理なら実用性が非常に高い2 in 1 タブレット

Lenovo IdeaPad Duet 560は、13.3インチ有機ELディスプレイ搭載で、キーボード・スタンドカバー・USIペンが付属するChromebookタブレットです。

6万円台後半という価格ながら、DCI-P3 100%の色鮮やかな有機ELディスプレイと音質の悪くないクアッドスピーカーを搭載し、動画鑑賞は非常に快適です。タブレットとしては大型の13.3インチディスプレイも視認性が良いです。

ただし、SoCには「Snapdragon 7c Gen2」を搭載しており、価格の割には性能は低いです。重い処理には向きません。ただ、軽作業が前提のChromebookでは平均よりは上の性能で、軽作業やWeb閲覧を快適に行う性能はありますし、豊富な付属品のおかげで総合コスパは悪くないと思います。

また、ストレージがeMMCというのが当初は懸念点でしたが、ChromeOSの特性のおかげか読み込みの遅さでは想像よりも気にならなかったです。

タブレット本体は約700gと軽量で薄型です。脱着式のキーボードとスタンドカバーを装着すると約1.2kg程度とやや重くなりますが、13.3型の一般的なノートPCと同程度の重さなので、持ち運んでノートPCのようにも使えます。

性能は高くないけど、6万円台後半からという価格で13.3インチの有機ELディスプレイ搭載で、スタンドカバー・キーボード・ペンが付属するのは非常に魅力的です。

この価格でこれだけの実用性と有機ELディスプレイを備えた端末は他に現状は無いと思うので、軽作業や動画鑑賞なら非常に高い満足度を得られると思うので、そういう用途の方にはおすすめできる製品だと思います。

IdeaPad Duet 560 Chromebook

良い点
  • スタンドカバー、キーボード、ペン付属で高い実用性の2 in 1
  • 13.3インチの有機ELディスプレイ搭載で動画鑑賞で嬉しい
  • 価格の割には悪くはないスピーカー4つ搭載
  • 13.3インチ有機ELと豊富な付属品込みで6万円台後半(ポイント込みなら5万円程度)からというコスパの良さ

気になる点
  • 価格の割には処理性能が低い
  • 13.3インチの2 in 1だけど、Chromebookなのでスマホ向けアプリが基本
  • 画像・動画編集は厳しい

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