【モバイル版】「Core」シリーズ・世代別の特徴比較【最新版】

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モバイル版の「Core」シリーズの世代別の特徴比較です。

基本的に最新のものから2~3世代くらいをピックアップして載せていこうと思います。現在主要シリーズとして掲載しているのは、Core Ultra シリーズ2(Lunar Lake)/ Core Ultra シリーズ1(Meteor Lake)/ 第13世代(Raptor Lake)/ 第12世代(Alder Lake)の4つです。

注意

掲載の情報は記事執筆時点(2025年5月時点)のものです。ご覧になっている際には異なっている可能性があるため注意してください。また、本記事の内容はモバイル端末向けCoreに限った話であり、デスクトップ向けやRyzenとは異なる点も注意してください。

はじめに

本題に入る前に触れておきたいことについて触れています。

本記事では「省電力モデル」を見ていく

本記事では、モバイル版で最も主流な省電力モデル(デフォルトTDP:15W~30W)に焦点を当てて見ていきます

高消費電力モデル(デフォルトTDP:30W~)は対象外としているため注意してください。

ただし、2025年時点の主力である「Core Ultra H」ではTDPの幅が非常に大きく設定されており、省電力仕様と高消費電力仕様のどちらにでも対応できるようになっているため、以前ほど明確に区切られている訳ではありません。

「Ultra」が付かないモデルは旧世代

2025年現在のIntelでは「Core Ultra」が付くシリーズが新しい主力シリーズとなっています

逆に言えば、「Ultra」が付かないものは旧世代です。「Ultra」からは各性能や機能性が大幅に向上したので、これは覚えておくと良いです。

「Ultra」が付くようになってから、製造プロセスとアーキテクチャが刷新され、CPUとGPUの性能が向上しただけでなく、NPU(AI用ユニット)も搭載されるようになりました。

個人的には多少高価でも、長く使いたいPCなら「Ultra」モデルをおすすめしたいです。

特に、「Ultra H(例:Core Ultra 7 155H)」のGPUは飛躍的な向上を遂げており、重めの処理への対応力が以前よりも格段に上がっているので、内蔵グラフィック性能を重視したいなら、出来れば「Ultra H」から選ぶようにしましょう。

NPU(AIプロセッサ)は「Ultra」が付くモデルで搭載

上の内容と関連しますが、「Ultra」と付くモデル(例:Core Ultra 7 155H)から、AI処理用のNPUが搭載されるようになりました

これによりオフラインでもAI処理を行うことが可能となっています。Windows 11ではローカル動作のAI機能が統合されることとなったので、主にこれを利用するために必須なのがNPUです。

Chat GPTなどのWebサービスで事足りる場合には必要ないですが、ローカルでAI処理を行いたい場合には欲しいのがNPUです。

ここで問題なのが、マイクロソフトが定義したAI PC「Copilot+ PC」の最低動作要件が40TOPSと比較的高めになっている点です。

この40TOPSは他のプロセッサの数値を含んでも良いらしいのでNPU単体で届いている必要がある訳ではないですが、「Core Ultra 100(例:Core Ultra 7 155H)」は最高で11TOPSとなっており、性能を十二分には発揮できない可能性があります。

そのため、2025年5月時点でNPU単体でCopilot+ PCの要件を満たしたい場合は、「Core Ultra 200V(NPU単体で40~48TOPS)」以降を検討する必要があります。

とはいえ、IntelによるとCore Ultra 100のNPUでも多数のアプリケーションで活躍できるように調整を頑張ったらしいので、意外となんとかなる可能性もあります。

また、前述したように、Chat GPT などのオンラインサービス十分ならNPUを搭載している必要すらないので、個人の用途次第かなと思います。

Eコア(高効率コア)に注目

現在のCoreシリーズの性能を見る上で非常に重要なのは、Eコアの存在です。

第12世代Coreシリーズ(Alder Lake)から、従来の高性能コア(Pコア)に加え、低消費電力と小型化に特化した効率コア(Eコア)が追加されました。

更に、Core Ultra 100 からはLP Eコア(低電力Eコア)という更に省電力に特化したコアも追加されるています。Intelに限らず、最近のモバイルPC用のCPUではEコアが重視されています。

ただし、EコアはPコアにコアあたりの性能は劣る点は注意が必要です。そのため、コア数に惑わされずに内訳を見ることが重要となっています。下記に各コアのざっくりとした説明もまとめとして改めて載せています。

PコアとEコア
Pコア(高性能コア)
Pコアは処理性能を重視した従来のコアです。高い処理性能を持ちますが、大きめのサイズでコストが高い点と、高いクロックによって消費電力・発熱が大きめなのが弱点です。ただし、電力効率に関してはEコアよりも少し良いので、基本的にはPコアの数が多い方が良いCPUです。
Eコア(高効率コア)
Eコアは効率に特化したコアです。Pコアよりもかなり小型で、少ない消費電力で動くことに特化しています。サイズが小さいため多数搭載しやすいのと、コストも少なくて済むのがメリットです。ただし、1コアで2スレッド動作となるハイパースレッディングに対応していないこともあり、処理性能は最新のPコアと比べると大幅に低い点に要注意です。第12世代CoreのEコアは第6世代のCore(1スレッド)に近いパフォーマンスと言われています。そのため、基本的に1Pコアよりも2Eコアの方が低性能です。
LP Eコア(低電力Eコア):Core Ultra 200から廃止された名称
Core Ultra 100から追加された低電力版のEコアです。LP EコアのポイントはSoCタイルに配置されている点です。他のCPUコアはコンピュートタイルに配置されており、利用する際にはSoCタイルとコンピュートタイル(CPU)との通信が必要となりますが、LP EコアはSoCタイルに配置されるため、コンピュートタイル(メインのCPUコア)との通信が要りません。そのため、LP Eコアのみで事足りる処理の場合には、SoCタイルのみで処理を完結できるというのがポイントです。その場合には消費電力はごくわずかで済むはずです。Core Ultra 200からはEコアが全てこのLP Eコアと同質のものとなったため、LP Eコアという名称が消えてEコアのみに統一されたので、事実上1世代のみで廃止になった名称です。

このように、同じCPU内に複数のコアが存在するようになったので、コア数だけで性能を想像するのが難しくなり、PコアとEコアの内訳を知ることが大切となっています。

簡単に覚えるのは難しいですが、各モデルのコア構成を下記の表にまとめているので、参考程度にご覧ください。

Coreシリーズのコアの内訳(2025年5月時点)
Coreシリーズのコアの内訳
世代 製造
プロセス
コア スレッド
Pコア Eコア LP E 合計
Core Ultra 200H
(TDP:28W~115W)
例:Core Ultra 7 255H
3nm
4-6P
8E 2LPE 合計 14-16 コア
14-16
Core Ultra 200V
(TDP:17W~37W)
例:Core Ultra 7 258V
3nm 4P 4E 合計 8 コア 8
Core Ultra 100H
(TDP:28W~115W)
例:Core Ultra 7 155H
7nm
4-6P
8E 2LPE 合計 14-16 コア
18-22
Core Ultra 100U
(TDP:15W~57W)
例:Core Ultra 5 125U
7nm
2P
8E 2LPE
合計 12 コア
14
第13世代【P】
(TDP:28W~64W)
例:Core i7-1360P
10nm
2-6P
8E 0LPE
合計 10-14 コア
12-20
Coreシリーズ1
第13世代【U】
(TDP:15W~55W)
例:Core 5 120U
Core i7-1355U
10nm 2P 4-8E 0LPE 合計 10 コア 8-12

第12世代と第13世代はコア数は基本同じで性能差も小さいので、差を深く気にする必要はありませんが、第11世代以下はPコアのみとはいえコア数が大きく減るため性能が格段に低いです。出来れば第12世代以降を選ぶことを意識しましょう。

簡易比較表

本記事で取り扱うCoreシリーズの主要モデルについての簡易比較表です。デフォルトTDPが28W以下の省電力モデルが対象です。

細かい仕様や性能などはこの後に触れていきますが、大まかな性能だけを知りたい場合には下記の表だけでも正直十分かなと思います。評価については価格も考慮した筆者の主観によるものなので、参考程度に見てください。

主要Coreシリーズ(Core Ultra 200~第12世代 Core)の簡易比較表
簡易比較表
CPU
Cinebench
R23 Multi
※内蔵GPU
ゲーム性能
コア
(P+E+
LPE)
スレ
ッド
クロック
定格 – 最大
TDP
ベース-最大
内蔵GPU NPU
最大性能
XMX※
GPU AI
Core Ultra 7 255H
20521
4028
16
(6+8+2)
16
P:2.0 – 5.1 GHz
E:1.5 – 4.4 GHz
LP E:0.7 – 2.5 GHz
28-115W Arc 140T 13TOPS
Core Ultra 5 225H
16040
3448
14
(4+8+2)
14
P:1.7 – 4.9 GHz
E:1.3 – 4.3 GHz
LP E:0.7 – 2.5 GHz
28-115W Arc 130T 13TOPS
Core Ultra 7 155H
14654
3412
16
(6+8+2)
22
P:1.4 – 4.8 GHz
E:0.9 – 3.8 GHz
LP E:0.7 – 2.5 GHz
28-115W Arc 8コア 11TOPS ×
Core i7-1370P
13159
1589
14
(6+8)
16
P:1.9 – 5.2 GHz
E:1.4 – 3.9 GHz
28-64W Iris Xe 96EU × ×
Core Ultra 5 135H
12173
3412
14
(4+8+2)
18
P:1.7 – 4.6 GHz
E:1.2 – 3.6 GHz
LP E:0.7 – 2.5 GHz
28-115W Arc 8コア 11TOPS ×
Core i7-1280P
11685
1589
14
(6+8)
16
P:1.8 – 4.8 GHz
E:1.3 – 3.6 GHz
28-64W Iris Xe 96EU × ×
Core Ultra 5 125H
11293
3109
14
(4+8+2)
18
P:1.2 – 4.5 GHz
E:0.7 – 3.6 GHz
LP E:0.7 – 2.5 GHz
28-115W Arc 7コア 11TOPS ×
Core Ultra 7 258V
11196
3889
8
(4+4)
8
P:2.2 – 4.8 GHz
E:2.2 – 3.7 GHz
17-37W Arc 140V 47TOPS
Core Ultra 7 256V
10580
3889
8
(4+4)
8
P:2.2 – 4.8 GHz
E:2.2 – 3.7 GHz
17-37W Arc 140V 47TOPS
Core i7-1360P
10997
1589
12
(4+8)
16
P:2.2 – 5.0 GHz
E:1.6 – 3.7 GHz
28-64W Iris Xe 96EU × ×
Core i5-1340P
10921
1230
12
(4+8)
16
P:1.9 – 4.6 GHz
E:1.4 – 3.4 GHz
28-64W Iris Xe 80EU × ×
Core Ultra 7 165U
10797
1865
12
(2+8+2)
14
P:1.7 – 4.9 GHz
E:1.2 – 3.8 GHz
LP E:0.7 – 2.1 GHz
15-57W Xe 4コア(Arc) 11TOPS ×
Core Ultra 5 226V
9867
3407
8
(4+4)
8
P:2.1 – 4.5 GHz
E:2.1 – 3.5 GHz
17-37W Arc 130V 40TOPS
Core 7 150U
9670
1589
10
(2+8)
12
P:1.8 – 5.4 GHz
E:1.2 – 4.0 GHz
15-55W Iris Xe 96EU × ×
Core i7-1260P
9603
1589
12
(4+8)
16
P:2.1 – 4.7 GHz
E:1.5 – 3.4 GHz
28-64W Iris Xe 96EU × ×
Core 5 120U
9114
1230
10
(2+8)
12
P:1.4 – 5.0 GHz
E:0.9 – 3.8 GHz
15-55W Iris Xe 80EU × ×
Core i7-1355U
9071
1589
10
(2+8)
12
P:1.7 – 5.0 GHz
E:1.2 – 3.7 GHz
15-55W Iris Xe 96EU × ×
Core i5-1335U
8349
1230
10
(2+8)
12
P:1.3 – 4.6 GHz
E:0.9 – 3.4 GHz
15-55W Iris Xe 80EU × ×
Core Ultra 5 125U
8320
1865
12
(2+8+2)
14
P:1.3 – 4.3 GHz
E:0.8 – 3.6 GHz
LP E:0.7 – 2.1 GHz
15-57W Xe 4コア(Arc) 11TOPS ×
Core i5-1240P
8273
1589
12
(4+8)
16
P:1.2 – 4.4 GHz
E:1.7 – 3.3 GHz
28-64W Iris Xe 80EU × ×
Core i7-1255U
7904
1589
10
(2+8)
12
P:1.7 – 4.7 GHz
E:1.2 – 3.5 GHz
15-55W Iris Xe 96EU × ×
Core i5-1235U
7634
1230
10
(2+8)
12
P:1.3 – 4.4 GHz
E:0.9 – 3.3 GHz
15-55W Iris Xe 80EU × ×
Core i7-1250U
7402
1239
10
(2+8)
12
P:1.1 – 4.7 GHz
E:0.8 – 3.5 GHz
9-29W Iris Xe 96EU
(~950MHz)
× ×
Core i5-1230U
7264
940
10
(2+8)
12
P:1.0 – 4.4 GHz
E:0.7 – 3.3 GHz
9-29W Iris Xe 80EU
(~850MHz)
× ×
Core 3 100U
6553
1067
6
(2+4)
8
P:1.2 – 4.7 GHz
E:0.9 – 3.3 GHz
15-55W UHD Xe 64EU × ×
Core i3-1315U
6187
1067
6
(2+4)
8
P:1.2 – 4.5 GHz
E:0.9 – 3.3 GHz
15-55W UHD Xe 64EU × ×
Core i3-1215U
5802
1067
6
(2+4)
8
P:1.2 – 4.4 GHz
E:0.9 – 3.3 GHz
15-55W UHD Xe 64EU × ×
参考:CPU-Monkey , notebookcheck , TopCPU
※内蔵GPU性能は3DMark Time Spy Graphicsのスコア。各チップの実際の性能ではなく、同じGPUの平均性能です。モデルによって多少前後します。
※XMXはIntelのXeグラフィックスに統合されるAIエンジンのこと

ベンチマークスコア

対抗製品となる「AMD Ryzen」も含めたベンチマークスコアも先に載せておこうと思います。

正直、このスコアと価格だけで選んでも基本OKかなと思います。オレンジ色のバーがRyzenで、青色のバーがCoreとなっています。

マルチコア性能

Cinebench R23 Multi
CPU スコア
Ryzen AI 9 HX 370
22246
Core Ultra 7 255H
20521
Ryzen AI 9 365
19189
Core Ultra 5 225H
16040
Core Ultra 7 155H
14654
Ryzen AI 7 PRO 360
13794
Core Ultra 9 288V
13401
Ryzen AI 7 350
13088
Ryzen 7 8840U
12972
Ryzen 7 7840U
12884
Core Ultra 5 135H
12678
Ryzen AI 5 340
11727
Core Ultra 5 125H
11293
Core Ultra 7 258V
11196
Core i7-1360P
10997
Core i5-1340P
10921
Core Ultra 7 165U
10797
Ryzen 5 8640U
10675
Ryzen 5 7640U
10675
Core Ultra 7 256V
10580
Ryzen 7 6800U
10297
Ryzen 7 7735U
10085
Ryzen 7 7730U
9908
Core Ultra 5 226V
9867
Ryzen 5 8540U
9635
Core 7 150U
9670
Core i7-1260P
9603
Core 5 120U
9114
Core i7-1355U
9071
Core i5-1335U
8349
Core Ultra 5 125U
8320
Core i5-1240P
8273
Ryzen 5 7530U
8081
Ryzen 5 6600U
8018
Core i7-1255U
7904
Core i5-1235U
7634
Core 3 100U
6553
Core i3-1315U
6187
Core i3-1215U
5802
参考:CPU-Monkey , notebookcheck , TopCPU

シングルコア性能

Cinebench R23 Single
CPU スコア
Core Ultra 7 255H
2029
Core Ultra 5 225H
2015
Core Ultra 9 288V
1967
Ryzen AI 7 PRO 360
1958
Ryzen AI 9 HX 370
1953
Ryzen AI 9 365
1926
Core 7 150U
1904
Ryzen AI 7 350
1889
Core Ultra 7 258V
1886
Core Ultra 7 256V
1886
Core 5 120U
1881
Ryzen AI 5 340
1862
Core i7-1360P
1821
Core i7-1355U
1794
Core Ultra 5 226V
1780
Core i7-1260P
1778
Core i7-1255U
1775
Core 3 100U
1760
Ryzen 7 8840U
1755
Core Ultra 7 155H
1749
Ryzen 5 8640U
1743
Ryzen 5 8540U
1743
Ryzen 7 7840U
1719
Core i5-1340P
1710
Core Ultra 5 165U
1706
Core i5-1335U
1685
Core Ultra 5 135H
1692
Core Ultra 5 125H
1683
Core Ultra 5 125U
1679
Core i5-1240P
1663
Core i3-1315U
1663
Core i5-1235U
1649
Core i3-1215U
1633
Ryzen 5 7640U
1552
Ryzen 7 7735U
1490
Ryzen 7 6800U
1480
Ryzen 7 7730U
1435
Ryzen 5 7530U
1428
Ryzen 5 6600U
1425
参考:CPU-Monkey , notebookcheck , TopCPU

内蔵GPU性能(ゲーム)

Time Spy Graphics(DX12)
GPU名称
搭載CPUの例
スコア
Intel Arc 140T
Core Ultra 7 255H 等
4028
Intel Arc 140V
Core Ultra 7 258V 等
3889
Radeon 890M
Ryzen AI 9 HX 370 等
3581
Intel Arc 130T
Core Ultra 5 225H 等
3448
Iris Xe 8コア (128EU)
Core Ultra 7 155H 等
3446
Intel Arc 130V
Core Ultra 5 226V 等
3407
Radeon 880M
Ryzen AI 9 365 等
3190
Iris Xe 7コア (112EU)
Core Ultra 5 125H 等
3108
Radeon 860M
Ryzen AI 7 350 等
2810
Radeon 780M
Ryzen 7 8840U 等
2779
Radeon 680M
Ryzen 7 6800U 等
2400
Radeon 760M
Ryzen 5 8640U 等
2116
Iris Xe 4コア (64EU)
Core Ultra 7 165U 等
1766
Iris Xe G7 96EU (~1400MHz)
Core i7-1260P 等
1756
Radeon 840M
Ryzen AI 5 340 等
1704
Iris Xe G7 96EU (~1300MHz)
Core i7-1165G7 等
1589
Radeon 660M
Ryzen 5 6600U 等
1558
Radeon 740M
Ryzen 5 8540U 等
1534
Iris Xe G7 96EU(-950MHz)
Core i7-1250U 等
1270
Iris Xe G7 80EU(-1300MHz)
Core i5-1240P 等
1244
Radeon RX Vega 8
Ryzen 7 7730U 等
1173
Radeon RX Vega 7
Ryzen 5 7530U 等
1054
UHD Xe 64EU
Core i3-1220P
1049
Iris Xe G7 80EU(-850MHz)
Core i5-1230U
941
Radeon RX Vega 6
Ryzen 3 5300U
839
UHD G4 48EU
Core i3-1115G4
646
参考:3DMark , CPU-Monkey , notebookcheck

電力効率(CPU)

Cinebench R15 Multi 外部モニター
CPU スコア
Ryzen AI 9 HX 370(33W)
54.9
Ryzen 7 7840U
48.0
Ryzen 7 6800U
40.2
Ryzen AI 7 350(40W)
39.9
Core Ultra 7 155H(24W)
37.9
Core Ultra 5 125H(35W)
32.2
Ryzen 5 6600U
29.9
Core Ultra 7 258V
29.7
Ryzen 7 7730U
29.0
Core Ultra 5 226V
28.9
Ryzen 5 7530U
28.8
Core i7-1260P
28.4
Core i5-1240P
28.4
Core i7-1355U
27.7
Core i7-1360P
25.5
Core i7-1255U
25.0
Core i5-1235U
24.4
Core i3-1215U
17.4
参考:notebookcheck

各シリーズ

各シリーズの特徴(メリット・デメリット)

まずは各シリーズの特徴(メリット・デメリット)をまとめた表を載せています。表の後に各シリーズごとに触れていきます。

メリットデメリット
最新おすすめ
Core Ultra 200H
Core Ultra 7 255H 等
・非常に優れたマルチスレッド性能(最大16コア)
・かなり優れた内蔵GPU性能
・アイドル時の消費電力が少なめ
・高負荷時の電力効率が良い
・NPU搭載(最大13TOPS)
・GPUにもAIエンジン搭載(XMX)
・非常に高価(2025年5月時点:11万円~)
・最大消費電力が多い(設定次第)
最新
Core Ultra 200V
Core Ultra 5 226V 等
・かなり優れた内蔵GPU
・非常に優れたワットパフォーマンス
・アイドル時の消費電力が少なめ
・高負荷時でも比較的省電力
・高性能NPU搭載(最大48TOPS)
・GPUにもAIエンジン搭載(XMX)
・ものすごく高価(2025年5月時点:14万円~)
・価格の割には低いCPU性能(最大8コア)
・CPU性能コスパが非常に悪い
おすすめ
Core Ultra 100H
Core Ultra 7 155H 等
・優れたマルチスレッド性能(最大16コア)
・優れた内蔵GPU
・アイドル時の消費電力が少なめ
・NPU搭載(最大11TOPS)
・やや高価(2025年5月時点:9万円台~)
・最大消費電力が多い(設定次第)
・高負荷時のワットパフォーマンスが悪め
Core Ulra 100U
Core Ultra 5 125U 等
・アイドル時の消費電力が少なめ
・高負荷時でも比較的省電力
・NPU搭載(最大11TOPS)
・やや高価(2025年5月時点:10万円台~)
・価格の割には低いCPU性能(Pコアが2つのみ)
・価格の割には低いGPU性能(4コア)
Core 100U
Core 13世代(U)
Core 12世代(U)
Core 7 150U
Core i5-1335U 等
・安価(2025年5月時点:6万円台~)
・優れたマルチスレッド性能コスパ
・価格の割には悪くない内蔵GPU
・マルチスレッド性能は低め(Pコアが2つのみ)
・高負荷時のワットパフォーマンスが悪め
・上位モデルに大きく劣るGPU性能(重めの処理は厳しい)
・NPU無し

Core Ultra 200H

Core Ultra 200Hについて見ていきます。

Core Ultra 200H(Arrow Lake)
Core Ultra 200
コードネーム Arrow Lake
プロセス 3nm(CPU)、5nm(GPU)
コア
最大 16 コア
(4-6P + 8E + 2LPE)

スレッド
コア数と同じ
内蔵GPU
(iGPU)
Arc 100T(Xe2)
140T:8コア
130V:7コア
TDP
(ベース)
20~115W(28W)
※285Hのみ35W~115W
NPU
(AIユニット)
~13TOPS
XMX
(GPU統合AIユニット)
対応メモリ DDR5,LPDDR5,LPDDR5X
発表時期 2025年1月~

良い点
  • 非常に優れたマルチスレッド性能(最大16コア)
  • かなり優れた内蔵GPU性能
  • NPU搭載(~13TOPS)
  • XMX搭載(GPU統合のAIエンジン)
  • アイドル時の消費電力が少なめ
気になる点
  • 非常に高価(2025年5月時点:11万円~)
  • 最大消費電力が多い(設定次第)

Core Ultra 200Hの主要モデル
CPU
Cinebench
R23 Multi
※内蔵GPU
ゲーム性能
コア
(P+E+
LPE)
スレ
ッド
クロック
定格 – 最大
TDP 内蔵GPU NPU
最大性能
XMX※
GPU AI
Core Ultra 7 255H
20521
4028
16
(6+8+2)
16
P:2.0 – 5.1 GHz
E:1.5 – 4.4 GHz
LP E:0.7 – 2.5 GHz
20-115W Arc 140T 13TOPS
Core Ultra 5 225H
16040
3448
14
(4+8+2)
14
P:1.7 – 4.9 GHz
E:1.3 – 4.3 GHz
LP E:0.7 – 2.5 GHz
20-115W Arc 130T 13TOPS
参考:CPU-Monkey , notebookcheck , TopCPU
※内蔵GPU性能は3DMark Time Spy Graphicsのスコア。各チップの実際の性能ではなく、同じGPUの平均性能です。モデルによって多少前後します。
※XMXはIntelのXeグラフィックスに統合されるAIエンジンのこと


どの性能も強力で隙の少ない「Core Ultra 200H」

「Core Ultra 200H」は、CPUとGPU性能がどちらもかなり強力なのが魅力のシリーズです。

価格は高価ですが、性能を考えれば納得できる範囲だと思うので、性能重視ならおすすめのシリーズです(2025年5月時点)。

まずCPUは、最大16コアを搭載するため非常に強力です。製造プロセスも3nmと最新鋭で効率も良く、低消費電力のLP Eコアを含むため、アイドル時の消費電力も少なめです。

そして、内蔵GPU性能も強力です。最新の「Xe2」アーキテクチャのGPUが7~8コア搭載されており、「GeForce GTX 1650」に匹敵するレベルの性能を発揮します。8コアモデルなら、「RTX 3050 4GB」にも匹敵するレベルです。

数年前の安価なゲーミングノート並みのGPU性能を持っているため、内蔵ながら重めのゲームや動画編集にも対応できるのも大きな強みです。

また、Core Ultra 200シリーズではGPUにもAIエンジン「XMX」搭載されることとなったのも注目です。その性能は53TOPS~と高性能です。

単体のNPU性能が最大13TOPSなので「Copilot+ PC」の要件は満たせていないものの、GPUのAI性能を含めれば2025年時点ではトップクラスのAI性能も持ち合わせています。

消費電力設定は、20W~115Wと非常に幅が広く取られており、省電力仕様と性能重視仕様のどちらにも対応できます。搭載PC内の設定から選べるのが基本だと思うので、用途に応じて選択しましょう。

このように、どの性能も2025年時点ではトップクラスのものを備えており、その隙の少なさが魅力なのが「Core Ultra 200H」です。

Core Ultra 200V

Core Ultra 200Vについて見ていきます。

Core Ultra 200V(Lunar Lake)
Core Ultra 200
コードネーム Lunar Lake
プロセス 3nm(I/O以外)、6nm(I/O)
コア
8 コア(4P + 4E)
スレッド
コア数と同じ
内蔵GPU
(iGPU)
Arc 100V(Xe2)
140V:8コア
130V:7コア
TDP
(ベース)
8~37W(17W)
NPU
(AIユニット)
40~48TOPS
XMX
(GPU統合AIユニット)
対応メモリ LPDDR5X
発表時期 2024年9月~

良い点
  • 非常に優れたAI性能(NPU:最大48TOPS)
  • かなり優れた内蔵GPU性能
  • XMX搭載(GPU統合のAIエンジン)
  • 非常に優れたワットパフォーマンス
  • アイドル時の消費電力が少なめ
  • 高負荷時でも比較的省電力
気になる点
  • ものすごく高価(2025年5月時点:14万円~)
  • 価格の割には低いCPU性能(最大8コア)

Core Ultra 200Vの主要モデル
CPU
Cinebench
R23 Multi
※内蔵GPU
ゲーム性能
コア
(P+E+
LPE)
スレ
ッド
クロック
定格 – 最大
TDP 内蔵GPU NPU
最大性能
XMX※
GPU AI
Core Ultra 7 258V
11196
3889
8
(4+4)
8
P:2.2 – 4.8 GHz
E:2.2 – 3.7 GHz
17-37W Arc 140V 47TOPS
Core Ultra 7 256V
10580
3889
8
(4+4)
8
P:2.2 – 4.8 GHz
E:2.2 – 3.7 GHz
17-37W Arc 140V 47TOPS
Core Ultra 5 226V
9867
3407
8
(4+4)
8
P:2.1 – 4.5 GHz
E:2.1 – 3.5 GHz
17-37W Arc 130V 40TOPS
参考:CPU-Monkey , notebookcheck , TopCPU
※内蔵GPU性能は3DMark Time Spy Graphicsのスコア。各チップの実際の性能ではなく、同じGPUの平均性能です。モデルによって多少前後します。
※XMXはIntelのXeグラフィックスに統合されるAIエンジンのこと


強力なAI性能とGPU性能が魅力だけど、高すぎる「Core Ultra 200V」

「Core Ultra 200V」は、強力なA性能と内蔵GPU性能が魅力のシリーズです。

NPU単体で40~48TOPSの高いAI性能を備えており、「Copilot+ PC」の要件を満たしています。

GPUにもAIエンジン「XMX」が搭載されており、そちらでも53~67TOPSの性能があるため、チップ全体で100TOPSを超えるAI性能を備えるという、非常に優れたAIチップとなっています。

更に、GPUのグラフィック性能も強力です。最新の「Xe2」アーキテクチャのGPUが7~8コア搭載されており、「GeForce GTX 1650」に匹敵するレベルの性能を発揮します。8コアモデルなら、「RTX 3050 4GB」にも匹敵するレベルです。

数年前の安価なゲーミングノート並みのGPU性能を持っているため、内蔵ながら重めのゲームや動画編集にも対応できるのも大きな強みです。

しかも、チップのコア部分には全て最新鋭の3nmプロセスが採用されている他、最大消費電力も37Wとマイルドなので、高負荷時でも比較的省電力なのも強みです。

このように、近年では特に重視されることが多い、AIとGPUの性能を高めつつも、電力面も優れているのが魅力なのが「Core Ultra 200V」です。

しかし、デメリットとして価格の高さとCPU性能の低さが挙げられます。

CPUは8コア(4P+4E)となっており、価格を考えれば明らかに少ないです。マルチスレッド性能コスパは非常に悪いのが大きなデメリットです。

価格が単純に高すぎるのも大きなデメリットです。2025年5月時点の搭載PCの価格は最安14万円~となっています。

「Core Ultra 200H」が11万円~ということを考えるとその高価さがよくわかると思います。これは恐らく、チップのほとんどに最新鋭の3nmプロセスを採用していることが理由として考えられます。

確かに、コアあたりの性能や効率は優れているとは思うものの、この高価さを許容できるほどとは個人的には思わないので厳しめの評価です。

そのため、需要はモバイルPCでAI性能をとにかく重視したいという人に限られるのかなと思います。

Core Ultra 100H

Core Ultra 100Hについて見ていきます。

Core Ultra 100H(Meteor Lake)
Core Ultra 100H
コードネーム Meteor Lake
プロセス 7nm(CPU)、5nm(GPU)
コア
14~16コア
Pコア:4~6コア
Eコア:8コア
LP Eコア:2コア
スレッド
16~22スレッド
Pコア:1コア2スレッド
Eコア:1コア1スレッド
内蔵GPU(iGPU)
Intel Arc Graphics(Xe LPG)
7~8コア
TDP
(ベース)
20W~115W(28W)
NPU
(AIユニット)
~11TOPS
XMX
(GPU統合AIユニット)
×
対応メモリ DDR5,LPDDR5,LPDDR5X
発表時期 2023年12月

良い点
  • 優れたマルチスレッド性能
  • 優れた内蔵GPU性能
  • NPU搭載(最大11TOPS)
  • アイドル時の消費電力が少なめ
気になる点
  • やや高価(2025年5月時点:9万円台~)
  • 最大消費電力が高い(設定次第)
  • 高負荷時の電力効率が悪め

Meteor Lakeの主要モデル
CPU
Cinebench
R23 Multi
※内蔵GPU
ゲーム性能
コア
(P+E+
LPE)
スレ
ッド
クロック
定格 – 最大
TDP 内蔵GPU NPU
最大性能
XMX※
GPU AI
Core Ultra 7 155H
14654
3412
16
(6+8+2)
22
P:1.4 – 4.8 GHz
E:0.9 – 3.8 GHz
LP E:0.7 – 2.5 GHz
20-115W Arc 8コア 11TOPS ×
Core Ultra 5 135H
12173
3412
14
(4+8+2)
18
P:1.7 – 4.6 GHz
E:1.2 – 3.6 GHz
LP E:0.7 – 2.5 GHz
20-115W Arc 8コア 11TOPS ×
Core Ultra 5 125H
11293
3109
14
(4+8+2)
18
P:1.2 – 4.5 GHz
E:0.7 – 3.6 GHz
LP E:0.7 – 2.5 GHz
20-115W Arc 7コア 11TOPS ×
参考:CPU-Monkey , notebookcheck , TopCPU
※内蔵GPU性能は3DMark Time Spy Graphicsのスコア。各チップの実際の性能ではなく、同じGPUの平均性能です。モデルによって多少前後します。


優れたCPU&GPU性能が魅力で実用コスパに優れる「Core Ultra 100H」

「Core Ultra 100H」は、優れたCPUとGPU性能を持ちつつも価格はそこまで高価ではなく、実用コスパに優れるのが魅力のシリーズです。

まずCPUですが、最大16コアを搭載するため非常に高性能です。また、低消費電力のLP Eコアもあるため、アイドル時の消費電力が少なめなのも良いです。

GPU性能も強力です。Arc 7~8コア GPU が採用されており、その性能はモバイル版の「GTX 1650」に迫る性能です。内蔵ながらやや重めのゲームや動画編集にも対応することが可能です。

CPUとGPUに高い性能を持ちつつも、搭載PCの価格は最安10万円程度(2025年5月時点)となっており、特別高価ではないです。そのため、一般的な人の実用コスパに非常に優れているのが魅力です。

しかも、NPUも高性能ではないながら搭載されており、ローカルAI処理にもある程度対応できるため、お得感の強いシリーズとなっていると思います。

デメリットとしては、最大消費電力が高く、高負荷時のワットパフォーマンスも悪めである点が挙げられます

最大消費電力はPCの設定で下げることも可能であり、省電力設定なら電力効率も悪くないのですが、それをしてしまうと性能が下がってしまうため、最大の魅力が多少損なわれるというのが残念なところです。

そのため、モバイルPC向けのチップとしては競合の「Ryzen」や「Apple」に劣っている感が否めず、相対的に低評価を受けやすいシリーズとなっています。

しかし、価格と性能を考えれば十分にコスパは良いシリーズだと思います。

Core Ultra 100U

Core Ultra 100Uについて見ていきます。

Core Ultra 100U(Meteor Lake)
Core Ultra 100U
コードネーム Meteor Lake
プロセス 7nm(CPU)、5nm(GPU)
コア
12コア
Pコア:2コア
Eコア:8コア
LP Eコア:2コア
スレッド
14スレッド
Pコア:1コア2スレッド
Eコア:1コア1スレッド
内蔵GPU(iGPU)
Xe Graphics(Xe LPG)
4コア(64EU)
TDP
(ベース)
12W~57W(15W)
NPU
(AIユニット)
~11TOPS
XMX
(GPU統合AIユニット)
×
対応メモリ DDR5,LPDDR5,LPDDR5X
発表時期 2023年12月

良い点
  • NPU搭載(最大11TOPS)
  • アイドル時の消費電力が少なめ
  • 優れたワットパフォーマンス
  • 高負荷時でも比較的省電力
気になる点
  • やや高価(2025年5月時点:10万円台~)
  • 価格の割には低いCPU性能(Pコアが2つのみ)
  • 価格の割には低いGPU性能(4コア)

Meteor Lakeの主要モデル
CPU
Cinebench
R23 Multi
※内蔵GPU
ゲーム性能
コア
(P+E+
LPE)
スレ
ッド
クロック
定格 – 最大
TDP 内蔵GPU NPU
最大性能
XMX※
GPU AI
Core Ultra 7 165U
10797
1865
12
(2+8+2)
14
P:1.7 – 4.9 GHz
E:1.2 – 3.8 GHz
LP E:0.7 – 2.1 GHz
15-57W Xe 4コア(Arc) 11TOPS ×
Core Ultra 5 125U
8320
1865
12
(2+8+2)
14
P:1.3 – 4.3 GHz
E:0.8 – 3.6 GHz
LP E:0.7 – 2.1 GHz
15-57W Xe 4コア(Arc) 11TOPS ×
参考:CPU-Monkey , notebookcheck , TopCPU
※内蔵GPU性能は3DMark Time Spy Graphicsのスコア。各チップの実際の性能ではなく、同じGPUの平均性能です。モデルによって多少前後します。

高価な割にどの性能も高くはなく、正直おすすめしない「Core Ultra 100U」

「Core Ultra 100U」は、正直おすすめしないシリーズです。

価格が高価な割に(2025年5月時点で10万円台~)、CPU&GPU性能が低くてコスパが悪いです。

省電力で効率が良い点は強みですが、ほぼ同額で「Core Ultra 100H」を選ぶことが出来ます。100Hなら最大性能はCPUが約1.4倍、GPUは約1.9倍にもなるので、そちらを選んで省電力設定で運用する方が良いです。

NPUを搭載している割には安価なのを強みにしたかったシリーズだと思いますが、直後にNPU全体の性能が飛躍的に向上してしまったため微妙になったシリーズです。

値下げで搭載PCが8万円台くらいまで下がれば選択肢に入ると思いますが、従来価格では価値に見合う性能はないと思います。

Coreシリーズ1・第13世代・12世代Core

「Ultra」が付かないモデルはAI処理用のユニット搭載しない旧世代アーキテクチャ採用のモデルです。

Core 100 および 第13・12世代Coreシリーズ(Raptol Lake & Alder Lake)
Core(100、第12・13世代)
コードネーム Core 100・第13世代:Raptor Lake
第12世代:Alder Lake
プロセス 10nm
コア
6~14コア
Pコア:2~6コア
Eコア:4~8コア
スレッド
8~20スレッド
Pコア:1コア2スレッド
Eコア:1コア1スレッド
内蔵GPU(iGPU)
Iris Xe Graphics
Core i7:96EU
Core i5:80EU
UHD Xe Graphics
Core i3:64EU
TDP
P:28W~64W
U:15W~55W , 9W~29W
NPU
(AIユニット)
×
XMX
(GPU統合AIユニット)
×
対応メモリ DDR4、DDR5
発表時期 Coreシリーズ1:2024年1月
第13世代:2023年1月
第12世代:2022年4月

良い点
  • 安価(2025年5月時点:6万円台~)
  • 優れたマルチスレッド性能コスパ
  • 安価だけど軽作業には十分な性能
  • 価格の割には悪くないGPU性能
気になる点
  • マルチスレッド性能は低め(Pコアが2つのみ)
  • 高負荷時のワットパフォーマンスは悪め
  • 上位モデルに大きく劣る性能
  • NPU無し

Raptol Lake 、 Alder Lakeの主流モデル
CPU
Cinebench
R23 Multi
※内蔵GPU
ゲーム性能
コア
(P+E+
LPE)
スレ
ッド
クロック
定格 – 最大
TDP 内蔵GPU NPU
最大性能
XMX※
GPU AI
Core i7-1370P
13159
1589
14
(6+8)
16
P:1.9 – 5.2 GHz
E:1.4 – 3.9 GHz
28-64W Iris Xe 96EU × ×
Core i7-1280P
11685
1589
14
(6+8)
16
P:1.8 – 4.8 GHz
E:1.3 – 3.6 GHz
28-64W Iris Xe 96EU × ×
Core i7-1360P
10997
1589
12
(4+8)
16
P:2.2 – 5.0 GHz
E:1.6 – 3.7 GHz
28-64W Iris Xe 96EU × ×
Core i5-1340P
10921
1230
12
(4+8)
16
P:1.9 – 4.6 GHz
E:1.4 – 3.4 GHz
28-64W Iris Xe 80EU × ×
Core 7 150U
9670
1589
10
(2+8)
12
P:1.8 – 5.4 GHz
E:1.2 – 4.0 GHz
15-55W Iris Xe 96EU × ×
Core i7-1260P
9603
1589
12
(4+8)
16
P:2.1 – 4.7 GHz
E:1.5 – 3.4 GHz
28-64W Iris Xe 96EU × ×
Core 5 120U
9114
1230
10
(2+8)
12
P:1.4 – 5.0 GHz
E:0.9 – 3.8 GHz
15-55W Iris Xe 80EU × ×
Core i7-1355U
9071
1589
10
(2+8)
12
P:1.7 – 5.0 GHz
E:1.2 – 3.7 GHz
15-55W Iris Xe 96EU × ×
Core i5-1335U
8349
1230
10
(2+8)
12
P:1.3 – 4.6 GHz
E:0.9 – 3.4 GHz
15-55W Iris Xe 80EU × ×
Core i5-1240P
8273
1589
12
(4+8)
16
P:1.2 – 4.4 GHz
E:1.7 – 3.3 GHz
28-64W Iris Xe 80EU × ×
Core i7-1255U
7904
1589
10
(2+8)
12
P:1.7 – 4.7 GHz
E:1.2 – 3.5 GHz
15-55W Iris Xe 96EU × ×
Core i5-1235U
7634
1230
10
(2+8)
12
P:1.3 – 4.4 GHz
E:0.9 – 3.3 GHz
15-55W Iris Xe 80EU × ×
Core i7-1250U
7402
1239
10
(2+8)
12
P:1.1 – 4.7 GHz
E:0.8 – 3.5 GHz
9-29W Iris Xe 96EU
(~950MHz)
× ×
Core i5-1230U
7264
940
10
(2+8)
12
P:1.0 – 4.4 GHz
E:0.7 – 3.3 GHz
9-29W Iris Xe 80EU
(~850MHz)
× ×
Core 3 100U
6553
1067
6
(2+4)
8
P:1.2 – 4.7 GHz
E:0.9 – 3.3 GHz
15-55W UHD Xe 64EU × ×
Core i3-1315U
6187
1067
6
(2+4)
8
P:1.2 – 4.5 GHz
E:0.9 – 3.3 GHz
15-55W UHD Xe 64EU × ×
Core i3-1215U
5802
1067
6
(2+4)
8
P:1.2 – 4.4 GHz
E:0.9 – 3.3 GHz
15-55W UHD Xe 64EU × ×
参考:CPU-Monkey , notebookcheck , TopCPU
※内蔵GPU性能は3DMark Time Spy Graphicsのスコア。各チップの実際の性能ではなく、同じGPUの平均性能です。モデルによって多少前後します。
※XMXはIntelのXeグラフィックスに統合されるAIエンジンのこと


安価で軽作業には十分な性能が得られる「Ultraが付かないCore」

「Ultraが付かないCore」は、旧世代のアーキテクチャ採用のモデルです。安価ながら、軽作業には十分な性能が得られるのが魅力です。

旧世代ですが、恐らく製造のコストや工場などの事情で、2025年現在でも現行モデルとして製造・販売が続けられています。

搭載PCの価格は6万円台と非常に安価ながら(2025年5月時点)、CPU・GPUともに軽作業には十分な性能があるため、ライトユーザーや安価な機種が欲しい場合には有力な選択肢です。

デメリットはやはり性能の低さです。軽作業には十分な性能ですが、重めの処理は厳しめの性能です。

特に、近年のモバイル向けチップは内蔵グラフィック性能が飛躍的に向上していて、重めのゲームや動画編集にもある程度対応できるのが強みなので、そこは明確な差となっています。

また、AI処理用のユニットも一切搭載していない点でも差があり、現状ではさほど困る点ではないものの、将来性には不安があります。

そのため、安さとコスパは悪くないものの、長くメイン機として使いたい場合や、グラフィック性能を重視したい場合には一考の余地があるシリーズです。

結局どれが良い?【選ぶ際の優先順位】

最後に、「結局どれを選ぶのが良いか」という点について筆者の主観を載せておこうと思います。予算や製品の価格、その他の仕様などによって前後する可能性も高いため、参考までにご覧ください。対象は省電力モデル(TDP PL1:15~28W)で、ゲーミングノートやクリエイターノートなどは含まない場合という点に留意してご覧ください。

対象は「Meteor Lake」と「Raptol Lake」のCoreです(2025年5月時点の主流シリーズ)。

Coreの優先順位の目安(2025年5月時点)

内蔵グラフィック性能重視

GPU性能
Core Ultra 200V、Core Ultra 200H
Core Ultra 100H
Core Ultra 100U
Ultra が付かないCore(5 / 7)
Ultra が付かないCore(3)
※同列内は左が優先

CPU性能コスパ重視

CPU性能コスパ
Core Ultra 200H
Core Ultra 100H、Ultraが付かないCore
Core Ultra 100U
Core Ultra 200V
※同列内は左が優先

AI性能重視

AI性能重視
Core Ultra 200V
Core Ultra 200H
Core Ultra 100H、Core Ultra 100U
Ultraが付かないCore(AI用ユニット無し)
※同列内は左が優先

総合性能コスパ

総合性能コスパ
Core Ultra 200H、Core Ultra 100H
Ultraが付かないCore
Core Ultra 200V
Core Ultra 100U
※同列内は左が優先

ざっくりまとめるとこんな感じです。ただ、実際にはどの要素も価格を考慮しつつの判断になると思うので、参考程度に見てください。


といった感じで記事は以上になります。必要があれば色々と修正・加筆を行う予定なので、何か気になった点やこうした方が良いなどあればコメントで教えて頂けると幸いです。

2 COMMENTS

第12世代Core i5(P)と第12世代Core i7(U)ではどちらの方がよいでしょうか?
性能面はCore i5(P)の方がコア数が多く、また価格面もCore i5(P)の方がi7やRyzen7と比較して安い印象を受けます。

返信する
とねりん:管理人

内蔵GPU(グラフィック)の性能は第12世代のCore i7-Uの方が少し高いですが、CPUとしての処理性能はCore i5-Pの方が少し高いです。
性能的には大差はないですね。

Core i5はメモリやSSDの容量がCore i7の標準より低いことが多いので、そこも考慮しての価格次第での選択になると思います。

返信する

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