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【モバイル版】「Core」シリーズ・世代別の特徴比較【最新版】

モバイル版の「Core」シリーズの世代別の特徴比較です。

基本的に最新のものから2~3世代くらいをピックアップして載せていこうと思います。現在掲載しているのは、第13世代(Raptor Lake)/ 第12世代(Alder Lake) / 第11世代(Tiger Lake)の3つです。

注意

掲載の情報は記事執筆時点(2023年7月時点)のものです。ご覧になっている際には異なっている可能性があるため注意してください。また、本記事の内容はモバイル端末向けCoreに限った話であり、デスクトップ向けやRyzenとは異なる点も注意してください。

参考リンク(ベンチマークスコア等)

はじめに

本題に入る前に触れておきたいことについて触れています。

本記事では省電力モデル(デフォルトTDP:15W~28W)を見ていく

本記事ではモバイル版で最も主流な省電力モデルを対象としています。デフォルトのTDP(TDP PL1)が15W~28Wのモデルです。35W以上の末尾にHが付くモデルや、10W未満のモデルについては対象外としているため注意してください。

上の二桁が世代番号

Coreシリーズを見る上ではじめに知っておいて欲しいのは世代番号の見分け方です。番号の上から二桁が世代番号となっています。

Coreの世代の見分け方

数字の上から二桁を見る

Core i7-1355U → 第13世代
Core i5-1240P → 第12世代
Core i7-1165G7 → 第11世代

たとえば、「Core i7-1355U」なら第13世代「Core i7-1165G7」なら第11世代といった感じです。世代が新しい方が基本的に高性能ですが、改良版レベルで性能は微増の場合もあります。また、Coreシリーズは「Core i3 / Core i5 / Core i7 / Core i9」の4つがあり、同世代であれば数字が大きい方が高性能です(※ただし、Core i9は末尾Hの高消費電力モデルのみで登場、本記事で扱う主流シリーズでは対象外)。

上記については知っている前提で話をしていくので、はじめに覚えておくことをおすすめします。

簡易比較表

本記事で取り扱う第13~11世代のCoreシリーズの主要モデルについての簡易比較表です。デフォルトTDPが28W以下の省電力モデルが対象です。

細かい仕様や性能などはこの後に触れていきますが、大まかな性能だけを知りたい場合には下記の表だけでも正直十分かなと思います。評価については価格も考慮した筆者の主観によるものなので、参考程度に見てください。

第13~11世代Coreの簡易比較表
簡易比較表
CPU 評価
Cinebench
R23 Multi
コア スレッド クロック
定格 – 最大
TDP 内蔵GPU
Core i7-1370P
3.75
13159
14
(6P+8E)
16
P:1.9 – 5.2 GHz
E:1.4 – 3.9 GHz
28W~64W Iris Xe Graphics 96EU
Core i7-1280P
3.75
11685
14
(6P+8E)
16
P:1.8 – 4.8 GHz
E:1.3 – 3.6 GHz
28W~64W Iris Xe Graphics 96EU
Core i7-1360P
4.0
10997
12
(4P+8E)
16
P:2.2 – 5.0 GHz
E:1.6 – 3.7 GHz
28W~64W Iris Xe Graphics 96EU
Core i5-1340P
4.25
10921
12
(4P+8E)
16
P:1.9 – 4.6 GHz
E:1.4 – 3.4 GHz
28W~64W Iris Xe Graphics 80EU
Core i7-1260P
4.0
9603
12
(4P+8E)
16
P:2.1 – 4.7 GHz
E:1.5 – 3.4 GHz
28W~64W Iris Xe Graphics 96EU
Core i7-1355U
4.25
9071
10
(2P+8E)
12
P:1.7 – 5.0 GHz
E:1.2 – 3.7 GHz
15W~55W Iris Xe Graphics 96EU
Core i5-1335U
4.25
8349
10
(2P+8E)
12
P:1.3 – 4.6 GHz
E:0.9 – 3.4 GHz
15W~55W Iris Xe Graphics 80EU
Core i5-1240P
4.25
8273
12
(4P+8E)
16
P:1.2 – 4.4 GHz
E:1.7 – 3.3 GHz
28W~64W Iris Xe Graphics 80EU
Core i3-1220P
4.0
?
10
(2P+8E)
12
P:1.5 – 4.4 GHz
E:1.1 – 3.3 GHz
28W~64W UHD Xe Graphics 64EU
Core i7-1255U
4.25
7904
10
(2P+8E)
12
P:1.7 – 4.7 GHz
E:1.2 – 3.5 GHz
15W~55W Iris Xe Graphics 96EU
Core i5-1235U
4.25
7634
10
(2P+8E)
12
P:1.3 – 4.4 GHz
E:0.9 – 3.3 GHz
15W~55W Iris Xe Graphics 80EU
Core i7-1250U
4.0
7402
10
(2P+8E)
12
P:1.1 – 4.7 GHz
E:0.8 – 3.5 GHz
9W~29W Iris Xe Graphics 96EU
(~950MHz)
Core i5-1230U
4.0
7264
10
(2P+8E)
12
P:1.0 – 4.4 GHz
E:0.7 – 3.3 GHz
9W~29W Iris Xe Graphics 80EU
(~850MHz)
Core i3-1315U
3.75
?
6
(2P+4E)
8
P:1.2 – 4.5 GHz
E:0.9 – 3.3 GHz
15W~55W UHD Xe Graphics 64EU
Core i3-1215U
3.75
5802
6
(2P+4E)
8
P:1.2 – 4.4 GHz
E:0.9 – 3.3 GHz
15W~55W UHD Xe Graphics 64EU
Core i7-1185G7
3.5
5324
4
8
3.0 – 4.8 GHz
15W~64W Iris Xe Graphics 96EU
Core i7-1165G7
3.5
5110
4
8
2.8 – 4.7 GHz
15W~64W Iris Xe Graphics 96EU
Core i5-1135G7
3.5
4709
4
8
2.4 – 4.2 GHz
15W~64W Iris Xe Graphics 80EU
Core i3-1115G4
2.75
3038
2
8
3.0 – 4.1 GHz
15W~64W UHD Xe Graphics 64EU
参考:CPU-Monkey , notebookcheck

コアについて

第12世代からEコアが追加

現在のCoreシリーズの性能を見る上で非常に重要なのは、Eコアの存在です。

第12世代Coreシリーズ(Alder Lake)から、従来の高性能コア(Pコア)に加え、低消費電力と小型化に特化した効率コア(Eコア)が追加されました。

PコアとEコア
Pコア(高性能コア)
Pコアは処理性能を重視した従来のコアです。高い処理性能を持ちますが、高いクロックにより消費電力・発熱が大きめで、サイズも後述のEコアよりも大きいのが弱点です。ただし、電力効率に関してはEコアよりも少し良いので、基本的にはPコアの数が多い方が良いCPUです。
Eコア(高効率コア)
Eコアは効率に特化したコアです。Pコアよりも小型で、少ない消費電力で動くことに特化しています。サイズが小さいため多数搭載しやすいのと、コストも少なくて済むのがメリットです。ただし、1コアで2スレッド動作となるハイパースレッディングに対応していないこともあり、処理性能は最新のPコアと比べると大幅に低い点に要注意です。第12世代CoreのEコアは第6世代のCoreに近いパフォーマンスと言われています。

上記の異なる特徴を持つコアを持つこととなったため、従来のようにコア数でざっくり性能を測るということが難しくなっている点に要注意です。PコアとEコアの内訳を知ることが大切となります。各モデルのコア構成を下記の表にまとめているので見ていきましょう。

Coreシリーズのコアの内訳
Coreシリーズのコアの内訳
世代 モデル コア スレッド
Pコア Eコア 合計
第12,13世代 – P
(TDP:28W~64W)
Core i7
6
4
8
16
12
20
16
Core i5 4 8 12 16
Core i3 2 8 10 12
第12,13世代 – U
(TDP:15W~55W)
Core i7 2 8 10 12
Core i5 2 8 10 12
Core i3 2 4 6 8
第11世代
(TDP:15W~28W)
※64W / 28s
Core i7 4 0 4 8
Core i5 4 0 4 8
Core i3 2 0 2 4

第12世代と第13世代はコア数は基本同じで性能差も小さいので、差を深く気にする必要はありませんが、第11世代以下はPコアのみとはいえコア数が大きく減るため性能が格段に低いです。出来れば第12世代以降を選ぶことを意識しましょう。

また、各モデルのコア数も含めてのざっくりとした所感が以下です。

モデル別の所感
第12,13世代(P):やや性能重視モデル

第12,13世代の末尾P(TDP:28W~64W)モデルはやや性能重視モデルです。末尾Uモデルよりも多くのコアを搭載し、消費電力もやや多いです。

Eコアは8コアで統一されており、主流モデルのPコアはCore i7およびCore i5が4コア、Core i3が2コアとなっています。合計コアおよびスレッド数は、Core i7およびCore i5が12コア16スレッド、Core i3が10コア12スレッドとなっています。Core i7にPコアが6コアで合計14コアのモデルもありますが、採用が極端に少ないモデルのため、例外としています。

10コア以上のコアを搭載するためマルチスレッド性能は優れており、前世代までのCoreを圧倒します。ただし、TDPが28W~と高いため消費電力は多い点がデメリットです。また、搭載製品がやや高めの印象で、低価格機やコスパ重視機での採用が少ないです。

第12,13世代(U):省電力性重視モデルで、コアの多くがEコアで構成される

第12,13世代の末尾P(TDP:15W~55W)モデルは省電力モデルの中間帯に位置する最も採用率が高い主流モデルです。合計コアおよびスレッド数は、Core i7およびCore i5が10コア12スレッド、Core i3が6コア8スレッドとなっています。コアの内訳は、Pコアは2コアで統一されているのに対し、EコアはCore i7およびCore i5が8コア、Core i3が4コアとなっています。コア全体の多くをEコアが占めています。

前述のように、Eコアは1コア1スレッドでコア自体の性能は高くはないため、「10コア」という表記に騙されないように注意する必要があります。末尾Uモデルは10コアでもスレッド数は12であり、対抗の6コアのRyzen 5(12スレッド)に近いマルチスレッド性能です。とはいえ、それでも軽作業には十分かつ少し重い処理もいけるくらいには高性能なので、処理性能重視の用途で使う場合でなければ不満は基本生まれないかと思います。

また、もう一つの注意点としては、末尾Uは省電力モデルですが、最大のTDPは55Wと高いため高負荷時には高消費電力・高発熱となる場合があります。

第11世代:最大4コアで、最新CPUと比べると圧倒的に低性能

第11世代CoreのコアはPコアのみですが、Core i7およびCore i5は4コア、Core i3は2コアです。

第12,13世代ではCore i5以降は全モデル10コアとなっているなど、Eコアを含むとはいえコア数で圧倒的に負けており、性能も圧倒的に下となっています。2023年現在ではよほど安くなければ第12世代以降のCoreを選ぶことをおすすめします。

以下から各シリーズごとに仕様などの表も交えてもう少し詳しく見ていきます。

各シリーズ

第12,13世代Coreシリーズ

モバイル版の第12世代と第13世代Coreは、世代こそ分かれているものの、コア数などが基本同じで性能差も小さいので、一括で紹介します。

第12世代Coreシリーズ(Alder Lake)
第12世代Coreシリーズ
コードネーム 第13世代:Raptor Lake
第12世代:Alder Lake
プロセス 10nm
コア
6~14コア
Pコア:2~6コア
Eコア:4~8コア
スレッド
8~20スレッド
Pコア:1コア2スレッド
Eコア:1コア1スレッド
内蔵GPU(iGPU)
Iris Xe Graphics
Core i7:96EU
Core i5:80EU
UHD Xe Graphics
Core i3:64EU
TDP
末尾P:28W~64W
末尾U:15W~55W , 9W~29W
対応メモリ DDR4、DDR5
発表時期 第13世代:2023年1月
第12世代:2022年4月


第12世代Coreの主流モデル
CPU 評価
Cinebench
R23 Multi
コア スレッド クロック
定格 – 最大
TDP 内蔵GPU
Pコア Eコア コア計
Core i7-1370P
3.75
13159
6 8 14 16
P:1.9 – 5.2 GHz
E:1.4 – 3.9 GHz
28W~64W Iris Xe Graphics 96EU
Core i7-1280P
3.75
11685
6 8 14 16
P:1.8 – 4.8 GHz
E:1.3 – 3.6 GHz
28W~64W Iris Xe Graphics 96EU
Core i7-1360P
4.0
10997
4 8 12 16
P:2.2 – 5.0 GHz
E:1.6 – 3.7 GHz
28W~64W Iris Xe Graphics 96EU
Core i5-1340P
4.25
10921
4 8 12 16
P:1.9 – 4.6 GHz
E:1.4 – 3.4 GHz
28W~64W Iris Xe Graphics 80EU
Core i7-1260P
4.0
9603
4 8 12 16
P:2.1 – 4.7 GHz
E:1.5 – 3.4 GHz
28W~64W Iris Xe Graphics 96EU
Core i7-1355U
4.25
9071
2 8 10 12
P:1.7 – 5.0 GHz
E:1.2 – 3.7 GHz
15W~55W Iris Xe Graphics 96EU
Core i5-1335U
4.25
8349
2 8 10 12
P:1.3 – 4.6 GHz
E:1.2 – 3.7 GHz
15W~55W Iris Xe Graphics 80EU
Core i5-1240P
4.25
8273
4 8 12 16
P:1.2 – 4.4 GHz
E:1.7 – 3.3 GHz
28W~64W Iris Xe Graphics 80EU
Core i3-1220P
4.0
?
2 8 10 12
P:1.5 – 4.4 GHz
E:1.1 – 3.3 GHz
28W~64W UHD Xe Graphics 64EU
Core i7-1255U
4.25
7904
2 8 10 12
P:1.7 – 4.7 GHz
E:1.2 – 3.5 GHz
15W~55W Iris Xe Graphics 96EU
Core i5-1235U
4.25
7634
2 8 10 12
P:1.3 – 4.4 GHz
E:0.9 – 3.3 GHz
15W~55W Iris Xe Graphics 80EU
Core i7-1250U
4.0
7402
2 8 10 12
P:1.1 – 4.7 GHz
E:0.8 – 3.5 GHz
9W~29W Iris Xe Graphics 96EU
(~950MHz)
Core i5-1230U
4.0
7264
2 8 10 12
P:1.0 – 4.4 GHz
E:0.9 – 3.3 GHz
9W~29W Iris Xe Graphics 80EU
(~850MHz)
Core i3-1315U
3.75
?
2 4 6 8
P:1.2 – 4.5 GHz
E:0.9 – 3.3 GHz
15W~55W UHD Xe Graphics 64EU
Core i3-1215U
3.75
5802
2 4 6 8
P:1.2 – 4.4 GHz
E:0.9 – 3.3 GHz
15W~55W UHD Xe Graphics 64EU
参考:CPU-Monkey , notebookcheck


おすすめモデル
  • Core i5-1240P, 1340P、Core i7-1260P, 1360P(性能重視)
  • Core i5-1235U, 1335U、Core i7-1255U, 1355U(コスパ重視)
  • Core i3全般(安さ&コスパ重視)※メモリやストレージ容量が少ない傾向があるので注意

Eコアが追加され、11世代以前よりもマルチスレッド性能が飛躍的に向上

第12世代Coreシリーズから、省スペースと低消費電力に特化したEコアが追加されました。その小型さから、従来のPコアよりも圧倒的に少ないスペースで多くのコアを搭載することが可能になりました。このEコアを大量追加することによりコア数が一気に増え、マルチスレッド性能が飛躍的に向上しました。

第11世代では省電力モデルでは4コアが最高でしたが、第12世代では最大14コア(6P+8E)となりました。1世代の差とは思えないほどの性能向上を果たし、今までは性能コスパで明らかに劣っていたRyzenとの差を一気に縮めることになりました。

2023年現在では第11世代Coreも市場でまだ少し見掛けられますが、性能差が圧倒的なので、よほど安値でない限りは第12,13世代を選ぶことをおすすめします。

ただし、内蔵GPUは第11世代と同じ「Xe」のため性能はほぼ同じです。Core i3のEU数が少し増えた点は変わりましたが、Core i5とCore i7はクロックがわずかに上昇しただけなので、性能はほとんど変わりません。そのため、相変わらず重いゲームや動画編集は厳しいため、GeForceなどの単体のGPU(ビデオカード)の搭載が推奨です。

しかし、第12世代からはメモリにDDR5が使えるようになり、高速なDDR5メモリ搭載時には内蔵GPUは大きめの性能向上も期待できると思いますので、軽めのゲームやFHD以下の動画編集くらいなら比較的快適に行える可能性もあります。

第12世代と第13世代の差は小さいため、特に気にしなくてもOK

第12世代と第13世代は世代こそ違うものの、コア数や機能性は基本同じで、性能差は小さいです。第13世代の方がベンチマークスコアでは上に見えるものの、これは主にクロックが上昇したことが要因であり、電力効率はほぼ同じなため、コアの質自体はさほど変わりません。

同価格なら第13世代の方が当然優先されるかと思いますが、第12世代の方が安ければそちらを優先しても構いません。

コスパ重視ならU(TDP:15W~)がおすすめ

第12、13世代Coreの主流モデルは末尾U(TDP:15W~)末尾P(TDP:28W~)の二つがあります。

Core i5 / i7で見ると、末尾Uが10コア12スレッド(2P + 8Eコア)で、末尾Pが12コア16スレッド(4P + 8Eコア)という感じになっています。

どちらもコスパは良くておすすめですが、末尾Uの方がコア数が少なく、価格が安い傾向があるため、コスパ重視なら末尾Uをおすすめします。性能も軽い処理なら十分な性能があります。

Pコア数で勝る末尾Pはマルチスレッド性能が少し高いですが、電力制限がネックとなるため、思ったほどは末尾Uに対して性能の優位性も感じられなかったりします。

処理性能重視の場合や、CPU以外の部分で優位性が感じられる場合、末尾Uと同額の場合などには優先されると思いますが、安さとコスパを重視するなら末尾Uの方が有力になる可能性が高いと思います。

Core i3も性能が底上げされ、安さ重視なら有力に

第12世代Coreから全モデルにEコアが追加されて性能が底上げされた影響で、Core i3も前世代までのような低性能感が一気に無くなっているのもポイントです。

前世代までのCore i3は「2コアCPU」という低性能感が拭えない仕様でしたが、第12世代からは末尾Uでも6コア8スレッドなので、軽い処理には十分な処理性能を持つようになりました。

Core i3モデルは標準のメモリ、SSDの容量が少ないことが多いのがネックではありますが、軽作業前提で予算を節約するPCを求めている場合には、おすすめできるCPUとなっています。

第11世代Coreシリーズ

第11世代Coreシリーズ(Tiger Lake)
第11世代Coreシリーズ
コードネーム Tiger Lake
プロセス 10nm
コア
2~4コア
スレッド
4~8スレッド
内蔵GPU(iGPU)
Iris Xe Graphics
Core i7:96EU
Core i5:80EU
UHD Xe Graphics
Core i3:48EU
TDP
15W~28W(64W / 28s)
対応メモリ DDR4、DDR5
発表時期 2020年9月

第11世代Coreの主流モデル
CPU 評価
Cinebench
R23 Multi
コア スレッド クロック
定格 – 最大
TDP 内蔵GPU
Pコア Eコア コア計
Core i7-1185G7
3.5
5324
4 0 4 8
3.0 – 4.8 GHz
15W~64W Iris Xe Graphics 96EU
Core i7-1165G7
3.5
5110
4 0 4 8
2.8 – 4.7 GHz
15W~64W Iris Xe Graphics 96EU
Core i5-1135G7
3.5
4709
4 0 4 8
2.4 – 4.2 GHz
15W~64W Iris Xe Graphics 80EU
Core i3-1115G4
2.75
3038
2 0 2 8
3.0 – 4.1 GHz
15W~64W UHD Xe Graphics 64EU
参考:CPU-Monkey , notebookcheck


おすすめモデル
  • 基本的に第12世代以降の方がおすすめ
  • 高級機が在庫処分価格の場合に、処理性能重視でないなら候補に

今では第12,13世代Coreに圧倒的に劣るため、特別安くない限りは避けたい

第11世代Coreシリーズは、2023年現在ではコア数が最新モデルと比べて少なすぎるため、優先して選ぶ理由はほぼ無いです。そのため、出来れば第11世代は避けて第12世代以降を選ぶ方がおすすめです。

コア数はCore i5 / i7で4コア、Core i3で2コアとなっています。Core i7ですら4コアと少ないです。第12世代ではCore i3でも最低6コア(2P+4E)を搭載し、Pコアの性能も向上しているため、第11世代Core i7のマルチスレッド性能は第12世代のCore i3にすらやや劣ります。

ただし、CPUとしては第12世代以降に明らかに劣るのは確かですが、在庫処分価格が安くなっている高級などがあれば、一応狙い目となる可能性もあります。

第12世代以降に性能が圧倒的に劣るとはいっても、軽い処理ではあれば十分な性能があります。Surface Pro 8などは汎用性的に非常に魅力的ですし、その他にも2 in 1タイプのPCは最新CPU搭載だと高価な傾向があるため、古いモデルで大幅に安ければ選択肢に入ってくるかもしれません。

ベンチマークスコア

上述でもベンチマークスコアを載せていましたが、その他の項目なども含めて参考に載せています。RyzenだけでなくCoreの主流モデルも載せています。オレンジ色のバーがRyzenで、青色のバーがCoreとなっています。

マルチコア性能

Cinebench R23 Multi
CPU スコア
Core i7-1360P
10997
Core i5-1340P
10921
Ryzen 7 6800U
10297
Ryzen 7 7735U
10085
Ryzen 7 7730U
9908
Core i7-1260P
9603
Core i7-1355U
9071
Ryzen 7 5800U
8851
Ryzen 7 5700U
8675
Core i5-1335U
8349
Core i5-1240P
8273
Ryzen 5 7530U
8081
Ryzen 5 6600U
8018
Core i7-1255U
7904
Ryzen 5 5600U
7776
Core i5-1235U
7634
Ryzen 5 5500U
7151
Core i3-1215U
6410
Ryzen 3 5300U
5522
Core i7-1185G7
5397
Core i7-1165G7
5186
Core i5-1135G7
4982
Core i3-1115G4
3236
参考:CPU-Monkey , notebookcheck

シングルコア性能

Cinebench R23 Single
CPU スコア
Core i7-1360P
1821
Core i7-1355U
1794
Core i7-1260P
1778
Core i7-1255U
1775
Core i5-1340P
1710
Core i5-1335U
1685
Core i5-1240P
1663
Core i5-1235U
1649
Core i3-1215U
1633
Ryzen 7 7735U
1490
Ryzen 7 6800U
1480
Core i7-1185G7
1457
Core i7-1165G7
1455
Ryzen 7 7730U
1442
Ryzen 5 7530U
1428
Ryzen 7 5800U
1427
Ryzen 5 6600U
1425
Ryzen 5 5600U
1362
Core i5-1135G7
1345
Core i3-1115G4
1312
Ryzen 7 5700U
1256
Ryzen 5 5500U
1172
Ryzen 3 5300U
1129
参考:CPU-Monkey , notebookcheck

内蔵GPU性能(ゲーム)

Time Spy Graphics(DX12)
GPU名称
搭載CPUの例
スコア
Radeon 780M
Ryzen 7 7840U
2805
Radeon 680M
Ryzen 7 6800U
2400
Iris Xe G7 96EU (~1400MHz)
Core i7-1260P
1756
Iris Xe G7 96EU (~1300MHz)
Core i7-1165G7
1589
Radeon 660M
Ryzen 5 6600U
1558
Iris Xe G7 96EU(-950MHz)
Core i7-1250U
1270
Iris Xe G7 80EU(-1300MHz)
Core i5-1240P
1244
Radeon RX Vega 8
Ryzen 7 5700U
1173
Radeon RX Vega 7
Ryzen 5 5500U
1054
UHD Xe 64EU
Core i3-1220P
1049
Iris Xe G7 80EU(-850MHz)
Core i5-1230U
941
Radeon RX Vega 6
Ryzen 3 5300U
839
UHD G4 48EU
Core i3-1115G4
646
参考:CPU-Monkey , notebookcheck

電力効率(CPU)

Cinebench R15 Multi 外部モニター
CPU
スコア
Ryzen 7 5800U
48.0
Ryzen 7 6800U
40.2
Ryzen 5 5600U
34.8
Ryzen 7 5700U
34.4
Ryzen 5 6600U
29.9
Ryzen 7 7730U
29.0
Ryzen 5 5500U
28.9
Ryzen 5 7530U
28.8
Core i7-1260P
28.4
Core i5-1240P
28.4
Core i7-1355U
27.7
Core i7-1360P
25.5
Core i7-1255U
25.0
Core i5-1235U
24.4
Ryzen 3 5300U
22.5
Core i7-1165G7
20.9
Core i5-1135G7
19.2
Core i3-1215U
17.4
Core i3-1115G4
13.5
参考:CPU-Monkey , notebookcheck

グラフを見ても分かる通り、特にマルチスレッド性能が第12世代以降と第11世代とで圧倒的に差がある点に要注意です。Core i7などの肩書きに惑わされず、世代をちゃんと確認するようにしましょう。

余談にはなりますが、上記の表見ても分かる通り、内蔵GPU性能および電力効率では最新のRyzen(Zen 3+以降)の方が有利です。各アプリケーションの対応などを考えるとCoreの方が魅力だとは思いますが、マルチに活躍できるモバイルPC向けのCPUとしては2023年時点ではRyzenの方が一段上の印象です。

ただし、Ryzenは内蔵GPUがVegaの場合には、AV1映像コーデックのデコード機能がないため、Vega搭載のRyzenよりはCoreの方がおすすめです。

結局どれが良い?【選ぶ際の優先順位】

最後に、「結局どれを選ぶのが良いか」という点について筆者の主観を載せておこうと思います。予算や製品の価格、その他の仕様などによって前後する可能性も高いため、参考までにご覧ください。対象は省電力モデル(TDP PL1:15~28W)で、ゲーミングノートやクリエイターノートなどは含まない場合という点に留意してご覧ください。

第13~11世代Coreの優先順位

コスパ重視

優先順位(上が優先)
第12,13世代Core i7,Core i5(U)、第12,13世代Core i5(P)
第12,13世代Core i7(P)、第12,13世代Core i3(U/P)
第11世代のCore i5、Core i7
第11世代Core i3
※同列内は左が優先

性能重視

優先順位(上が優先)
第12,13世代Core i7(P – 14コア)
第12,13世代Core i7,Core i5(P – 12コア)
第12,13世代Core i7,Core i5(U)、第12世代Core i3(P)
第11世代Core i7,Core i5
第11世代Core i3
※同列内は左が優先

大幅な価格差が無い限りは第11世代は1、2段劣るのが最も注意しておくべき点です。出来れば第12,13世代を選びましょう。

また、Core i5とCore i7のコア数は省電力モデルでは実は基本同じということも覚えておくと良いです(例外はPモデルの14コアCore i7のみ)。ただし、内蔵GPUのEU数はCore i5が80なのに対しCore i7は96となっているため、グラフィック性能を高めたい場合にはCore i7の方が若干有利です。


といった感じで記事は以上になります。必要があれば色々と修正・加筆を行う予定なので、何か気になった点やこうした方が良いなどあればコメントで教えて頂けると幸いです。

2 COMMENTS

第12世代Core i5(P)と第12世代Core i7(U)ではどちらの方がよいでしょうか?
性能面はCore i5(P)の方がコア数が多く、また価格面もCore i5(P)の方がi7やRyzen7と比較して安い印象を受けます。

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とねりん:管理人

内蔵GPU(グラフィック)の性能は第12世代のCore i7-Uの方が少し高いですが、CPUとしての処理性能はCore i5-Pの方が少し高いです。
性能的には大差はないですね。

Core i5はメモリやSSDの容量がCore i7の標準より低いことが多いので、そこも考慮しての価格次第での選択になると思います。

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