正常にコメントが出来ない事があるようです(調査中)。申し訳ありませんが、何かあればメールにてご連絡お願いします。

【モバイル版】「Ryzen」シリーズ・世代別の特徴比較【最新版】

モバイル版の「Ryzenシリーズ」の世代別の特徴比較です。

基本的に最新のものから3世代くらいをピックアップして載せていこうと思います。現在掲載しているのは、Ryzen 7000 / 6000 / 5000 シリーズの3つです。

※掲載当初にRyzen 7000シリーズの簡易性能表にてプロセスルールを6nmと紹介していましたが、未発売の一部モデルでは4nmまたは5nmも採用されているため、誤りでした。お詫びして訂正いたします。

注意

掲載の情報は記事執筆時点(2023年5月時点)のものです。ご覧になっている際には異なっている可能性があるため注意してください。また、本記事の内容はモバイル端末向けRyzenに限った話であり、デスクトップ向けやCoreとは異なる点も注意してください。

参考リンク(ベンチマークスコア等)

はじめに

本題に入る前にいくつかの項目について先に触れています。

主流の省電力モデル(U)を見ていく

本記事ではモバイル版で最も主流な「U(TDP:15W~30W)」モデルに焦点を当てて見ていきます(Ryzen 5 5625U)。末尾H(TDP:35W~)については対象外となっているため注意してください。

Ryzenの頭の数字は時期を表す

モバイル版のRyzenを見る上でまず注意しなければならないのは、従来は世代番号として扱われてきた頭の数字が時期を表すものになっており、仕様に関するものでなくなっている点です。これは始めに覚えておいた方が良いです。

これの何が問題かというと、たとえばRyzen 5000シリーズは発表時期的に他のCPUや従来のルールに則れば「Zen 3」というアーキテクチャのCPUと判断されます。しかし、実際には「Zen 3」とは限らず、古い「Zen 2」が混在しています。このように、従来なら頭の数字からCPUの基本設計であるアーキテクチャの新旧を判断することが出来ましたが、現在のモバイル版Ryzenでは見る場所が変わってしまっているため、古い知識を持っている方は特に注意する必要があります。他サイトでCPUの命名規則について解説されている記事でも、頭の数字は世代を表すものとして紹介しているものが多いのも注意です。今でもデスクトップ版RyzenやCoreでは頭の数字は基本世代番号なので間違いではありませんが、モバイル版Ryzenに限っては異なる点に注意が必要です。

AMD(公式)からの説明によると、2023年のものは一律でRyzen 7000シリーズとなり、今後は2024年はRyzen 8000シリーズ、2025年分はRyzen 9000シリーズといった感じにしていく方針のようです。ただし、最近はAMDもIntelも命名についてはかなり悩んでいるようで、従来のルールから変わることが度々あるので、そうなるかも程度の認識の方が良いかなと思います。

また、一応頭の数字を一律で年に固定するのはRyzen 7000シリーズ(2023年発表分)以降となっていますが、実際にはRyzen 5000シリーズからアーキテクチャは統一されておらず、頭の数字は時期を表すものになっているため、結構前からこのルールとなっています。

現在市場に残っているのはほぼRyzen 5000シリーズ以降であり、本記事で扱うのもRyzen 5000シリーズなので、基本的に頭の数字(千の位)は時期を表すものとして扱っていく点をあらかじめご理解ください。

内蔵GPU「Vega」は古くAV1対応がないため注意

Ryzenの内蔵GPUの一つである「Vega」は「AV1」映像コーデックに対するデコード機能を持たない点に注意が必要です。「AV1」映像コーデックはロイヤリティフリーかつ圧縮率が高いということで、各動画サイトでも採用率が急増している将来性が特にあると言われている映像コーデックです。

そのため、今から新規で購入するPCでは出来ればデコードに対応しておきたいです。「Vega」は2017年初登場の古いアーキテクチャ採用のGPUであることが起因して、「AV1」サポートがありません。

コーデックというのは圧縮の方式のことで、その方式で圧縮(エンコード)した映像を符号化・解凍(デコード)する際に、GPUがその方式のデコード機能を持っていると、GPUで効率良く処理ができるという感じになります。

動画やPCなどに詳しくない方は深く意識したことが無い方も多いと思いますが、映像データはデータ量が膨大なので、動画サイト内では動画は圧縮して保存されており、逐一観る側が解凍して観ているのです。ただし、その膨大な映像データの解凍をCPUで直に処理するのはかなり高負荷な処理となるため好ましくないので、GPUのデコード機能を使って処理するのが一般的となっています。

しかし、先に触れた通り、「Vega」ではAV1のデコードがサポートされていません。2023年2月現在では各動画サイトで「AV1のみ」の動画というのはほとんどないため、現状では困ることはまずありませんが、今後はどうなるかはわかりません。現在では、市場のGPUの多くが「AV1」デコードをサポートしているので、明らかに劣る面です。「Vega」搭載のRyzenは安価なため、少しの予算追加は必要になるかもしれませんが、PCを購入から3~5年は使うことを考えると、やはりグラボ増設の難しいノートPCでは始めからAV1デコードには対応しておくことをおすすめしたいです。

ただし、先にも触れた通り今後もしばらくはAV1以外のコーデックでの提供が続くとも思いますし、必須かと言われるとそうでもありません。あくまでリスク回避優先の参考意見として聞いて頂ければ幸いです。

それに、GPUのコーデック対応(ハードウェアデコード機能)が無い場合にも、CPUで処理することで動画を観ることは可能です。FHD以下程度の画質であれば、最新の高性能CPU(6コア~)なら大体ゴリ押しは可能なレベルかと思います。ただし、特に高画質の動画ファイルはデータ量が膨大であり、デコード機能無しで処理するにはCPUに大きな負荷が掛かります。特にノートPCのようなモバイル端末にとっては、消費電力の増加によってバッテリー持ちに影響が出ますし、発熱の増加によって冷却が追いつかなくなったり、PCの寿命に影響を与えることも考えられます。

そのため、長く使いたいノートPCでは「Vega」は避けた方が良い、というのが個人的な意見ということを述べています。

また、ビデオカードを搭載している場合には話は別(ビデオカード側のGPUのAV1対応を見る必要がある)なので、上記はあくまでCPUの内蔵GPUの話であることを踏まえて考えてくださいませ。

簡易比較表

本記事で取り扱うRyzen 5000~7000シリーズの主要モデルについての簡易比較表です。省電力モデル限定です。

この後にも色々と触れていきますが、細かく知りたい訳でなく各モデル同士の比較を自分でしたいという場合には下記の表だけでも正直十分かなと思いますので、先に載せておきます。評価については搭載製品の価格なども考慮した筆者の主観によるものなので、参考程度に見てください。

Ryzen 5000~7000の簡易比較表
Ryzen 5000~7000の主流モデル
CPU 評価
Cinebench
R23 Multi
世代 コア スレッド クロック
定格 – 最大
TDP 内蔵GPU
Ryzen 7 7735U
4.5
?
Zen 3+ 8 16 2.7 – 4.75 GHz 28W Radeon 680M
Ryzen 7 PRO 6860Z
4.5
11822
Zen 3+ 8 16 2.7 – 4.75 GHz 15W~28W Radeon 680M
Ryzen 7 7730U
4.0
11490
Zen 3 8 16 2.0 – 4.5 GHz 15W~28W Radeon RX Vega 8
Ryzen 7 PRO 6850U
4.5
10779
Zen 3+ 8 16 2.7 – 4.7 GHz 15W~28W Radeon 680M
Ryzen 7 6800U
4.5
10779
Zen 3+ 8 16 2.7 – 4.7 GHz 15W~28W Radeon 680M
Ryzen 7 5825U
4.0
10528
Zen 3 8 16 2.0 – 4.5 GHz 15W~25W Radeon RX Vega 8
Ryzen 5 7535U
4.25
?
Zen 3+ 6 12 2.9 – 4.55 GHz 28W Radeon 660M
Ryzen 5 7530U
3.75
9284
Zen 3 6 12 2.0 – 4.5 GHz 15W~28W Radeon RX Vega 7
Ryzen 5 PRO 6650U
4.25
8977
Zen 3+ 6 12 2.9 – 4.5 GHz 15W~28W Radeon 660M
Ryzen 5 6600U
4.25
8977
Zen 3+ 6 12 2.9 – 4.5 GHz 15W~28W Radeon 660M
Ryzen 7 5800U
4.0
8851
Zen 3 8 16 1.9 – 4.4 GHz 15W~25W Radeon RX Vega 8
Ryzen 7 5700U
4.0
8675
Zen 2 8 16 1.8 – 4.3 GHz 15W~25W Radeon RX Vega 8
Ryzen 5 5625U
3.75
8083
Zen 3 6 12 2.3 – 4.3 GHz 15W~25W Radeon RX Vega 7
Ryzen 5 5600U
3.75
7776
Zen 3 6 12 2.3 – 4.2 GHz 15W~25W Radeon RX Vega 7
Ryzen 5 5500U
3.75
7151
Zen 2 6 12 2.1 – 4.0 GHz 15W~25W Radeon RX Vega 7
Ryzen 3 7335U
3.75
?
Zen 3+ 4 8 3.0 – 4.3 GHz 15W~28W Radeon 660M
Ryzen 5 7520U
3.5
5149
Zen 2 4 8 2.8 – 4.3 GHz 8W~15W Radeon 610M
Ryzen 3 7330U
3.0
?
Zen 3 4 8 2.3 – 4.3 GHz 15W~28W Radeon RX Vega 6
Ryzen 3 7320U
3.25
?
Zen 2 4 8 2.4 – 4.1 GHz 8W~15W Radeon 610M
Ryzen 3 5400U
3.25
?
Zen 3 4 8 2.6 – 4.0 GHz 15W~25W Radeon RX Vega 6
Ryzen 3 5300U
3.25
5522
Zen 2 4 8 2.6 – 3.8 GHz 15W~25W Radeon RX Vega 6
ベンチマークスコアの参考:notebookcheck、CPU-Monkey

以下からは各シリーズ別に見ていきます。

各シリーズ

Ryzen 7000シリーズ

Ryzen 7000シリーズの基本情報
Ryzen 7000シリーズ
アーキテクチャ Zen 2 ~ Zen 4
プロセス 4nm~7nm(TSMC)
コア
Zen 2以外:4~8コア
Zen 2:2~4コア(Ryzen 5まで)
スレッド
Zen 2以外:8~16スレッド
Zen 2:4~8スレッド(Ryzen 5まで)
内蔵GPU(iGPU)
Radeon 700M (RDNA 3)
Radeon 600M (RDNA 2)
Radeon RX Vega
対応メモリ Zen 2, 3+, 4:DDR5
Zen 3:DDR4

Ryzen 7000の主流モデル
CPU 評価
Cinebench
R23 Multi
世代 コア スレッド クロック
定格 – 最大
デフォルトTDP 内蔵GPU
Ryzen 7 7735U
4.5
?
Zen 3+ 8 16 2.7 – 4.75 GHz 28W Radeon 680M
Ryzen 7 7730U
4.0
11470
Zen 3 8 16 2.0 – 4.5 GHz 15W Radeon RX Vega 8
Ryzen 5 7535U
4.25
?
Zen 3+ 6 12 2.9 – 4.55 GHz 28W Radeon 660M
Ryzen 5 7530U
3.75
9284
Zen 3 6 12 2.0 – 4.5 GHz 15W Radeon RX Vega 7
Ryzen 5 7520U
3.5
5149
Zen 2 4 8 2.8 – 4.3 GHz 8W~15W Radeon 610M
Ryzen 3 7335U
3.75
?
Zen 3+ 4 8 3.0 – 4.3 GHz 28W Radeon 660M
Ryzen 3 7330U
3.0
?
Zen 3 4 8 2.3 – 4.3 GHz 15W Radeon RX Vega 6
Ryzen 3 7320U
3.25
?
Zen 2 4 8 2.4 – 4.1 GHz 8W~15W Radeon 610M
ベンチマークスコアの参考:notebookcheck、CPU-Monkey

記事執筆時(2023年2月)にはRyzen 7000シリーズは市場にまだほとんど登場していませんが、末尾U(TDP:15W~28W)の今後主流になると思われるモデルの主要な仕様を雑に並べています。同シリーズ内での比較にお使いください。

未登場の状態でもアーキテクチャはほとんどが既存のものなので、性能や価格に大体の推測が出来ます。そのため、それを基に評価も先駆けて掲載しています。後に変更となるかもしれませんので、参考程度にご覧ください。未掲載のZen 4モデルは詳細な仕様が判明次第掲載します。

Ryzen 7000:Zen 2~Zen 4 が混在するカオスなシリーズ

Ryzen 7000シリーズは2023年をターゲットにしたRyzenです。記事更新時点(2023年2月)では最新ですが、アーキテクチャ的には古いものも多数となっており、内部的には新しいとは限らない点に注意です。

2023年2月時点でCPUのアーキテクチャが「Zen 2 / Zen 3 / Zen 3+ / Zen 4」と4つが混在しているのに加え、内蔵GPUについても「Vega / RDNA 2 / RDNA 3」の3つが混在しているという、非常に混沌としたシリーズになっています。

しかも後述の命名規則が複雑かつ分かりにくく、場合によってはRyzen 5よりもRyzen 3の方が高性能だったりなどのケースもあり得ます。他記事やコメントなどでは詐欺だとか悪質だとか揶揄されているのもちらほら見掛けるレベルで、実際分かりにくいです。そのため、Ryzen 7000シリーズを選択する際には名前には要注意です。

命名規則や世代について

まずは、AMD公式が発表した命名規則について表にまとめたものを下記に示しておきます。

Ryzen 7000以降の命名規則
モデル 市場区分 アーキテクチャ 上下 英字/TDP
千の位 百の位 十の位 一の位 末尾
Ryzen 9
Ryzen 7
Ryzen 5
Ryzen 3
Athlon
9:2025年
8:2024年
7:2023年
9:Ryzen 9
8:Ryzen 7 / 9
7:Ryzen 7
6 / 5:Ryzen 5
4 / 3:Ryzen 3
2:Athlon Gold
1:Athlon Silver
1:Zen / Zen+
2:Zen 2
3:Zen 3 / Zen 3+
4:Zen 4
5:Zen 5
0:下位
5:上位
HX:55W+
HS:~35W+
U:15W~28W
C:15W~28W
(Chromebook向け)
e:9W

古いアーキテクチャを多数含めたせいで分かりにくくなっています。

ただし、下から2桁目(十の位)がZenの世代を表しているので、そこを見ると分かり易いです。まとめると下記のようになります。

シリーズ アーキテクチャ モデル 内蔵GPU
Ryzen 7020 Zen 2(Mendocino) Athlon~Ryzen 5 Radeon 610M(RDNA 2)
Ryzen 7030 Zen 3(Barcelo-R) Ryzen 3~Ryzen 7 Radeon RX Vega
Ryzen 7035 Zen 3+(Rembrant-R) Ryzen 3~Ryzen 9 Radeon 600Mシリーズ(RDNA 2)
Ryzen 7040 Zen 4(Phoenix) Ryzen 3~Ryzen 9 Radeon 700Mシリーズ(RDNA 3)
Ryzen 7045 Zen 4(Dragon Range) Ryzen 5~Ryzen 9 Radeon 700Mシリーズ(RDNA 3)

Ryzen 7000シリーズという一応最新ではあるのの、新しいアーキテクチャと言えるのはZen3 +かZen 4採用のものに限られます。「Ryzen 7035 / 7040 / 7045」のどれかという感じですね。

Zen 3とZen 4ではマルチスレッド性能は大差ないので、「Ryzen 7030」も悪くないように見えますが、内蔵GPUが古いVegaのものとなっている点に注意が必要です。処理性能自体に問題がなかったとしても、VegaはAV1というコーデックへのサポートが無いため、将来性的にはやや微妙な選択です。

ただし、アーキテクチャに関わらずTSMCの7nmか6nmプロセスのダイを採用しており、対抗の第12,13世代のCoreの10nmよりもプロセス面では一歩リードしているため、特に電力効率においてその差が顕著に出ています。内蔵GPUにVegaがあるため話がややこしくなっていますが、バッテリー性能を重視するならRyzenの方がおすすめな場合が多いです。

マルチスレッド性能コスパは恐らく7030シリーズ(例:Ryzen 7 7730U、Ryzen 5 7530U)が一番良くなると思いますが、気になるのは内蔵GPUがVegaであることです。VegaはAV1デコードに対応していないため将来性が気になりますし、性能や電力効率でもRDNA 2以降と比べると劣りますから、特に動画視聴をメイン用途として長く使いたいなら避けたいところではあります。

カタログスペックだけを見れば「Zen 3+」もしくは「Zen 4」採用のモデルを選ぶのが最善なのは間違いないですが、問題は価格と供給です。「Zen 3+」が採用されていたRyzen 6000シリーズは、価格が「Zen 2」や「Zen 3」よりもやや高かったのに加え供給も少ない印象でしたから、そこが改善されるのか次第という部分が正直あります。

「Zen 2」採用モデルはRyzen 5でもコア数が4なのが罠(例:Ryzen 5 7520U)という感じがして印象は正直良くないですが、内蔵GPUには古いVegaではなく「RDNA 2」の「Radeon 610M」が採用されている点は評価できます。CU数が2と少なく処理性能は低いものの、元々CPUのコア数的に軽作業前提のCPUですから、新しいコーデックに対応している上に最適化が続く「RDNA 2」採用の方が嬉しいです。また、コア数が少なくTDPが低く設定されているため省電力性は高く、GPUもCU数が少なくCU数が少ないのも消費電力削減に貢献すると思われますから、長寿命バッテリーを魅力に思う場合には非常に優れています。そのため、重い処理を考慮しないのであればVega採用の「Zen 3」モデルよりは「RDNA 2」の内蔵GPU搭載の「Zen 2」モデルの方がおすすめです。

最後にまとめておくと、カタログスペック上は「Zen 3+」か「Zen 4」モデルを選ぶのが無難ですが、価格や供給面で不安があります。価格面も含めて性能コスパを最優先するなら「Zen 3」が最適と言えますが、内蔵GPUがVegaでAV1デコードに対応しない点は要注意です。重い処理を考慮しないのであれば、「RDNA 2」の内蔵GPU搭載の「Zen 2」モデルの方がおすすめです。ただし、Ryzen 5でもコア数が4なので注意が必要です。

Ryzen 6000シリーズ

Ryzen 6000シリーズの基本情報
Ryzen 6000シリーズ
アーキテクチャ Zen 3+
プロセス 6nm(TSMC)
コア
Ryzen 7 / 9:8コア
Ryzen 5:6コア
スレッド
Ryzen 7 / 9:16スレッド
Ryzen 5:12スレッド
内蔵GPU(iGPU)
Radeon 600M (RDNA 2)
対応メモリ DDR5
Ryzen 6000シリーズの主流モデル
CPU 評価 Cinebench R23 Multi 世代 コア スレッド クロック
定格 – 最大
TDP 内蔵GPU
Ryzen 7 PRO 6860Z
4.5
11822
Zen 3+ 8 16 2.7 – 4.75 GHz 15W~28W Radeon 680M
Ryzen 7 PRO 6850U
4.5
10779
Zen 3+ 8 16 2.7 – 4.7 GHz 15W~28W Radeon 680M
Ryzen 7 6800U
4.5
10779
Zen 3+ 8 16 2.7 – 4.7 GHz 15W~28W Radeon 680M
Ryzen 5 PRO 6650U
4.25
8977
Zen 3+ 6 12 2.9 – 4.5 GHz 15W~28W Radeon 660M
Ryzen 5 6600U
4.25
8977
Zen 3+ 6 12 2.9 – 4.5 GHz 15W~28W Radeon 660M
ベンチマークスコアの参考:notebookcheck、CPU-Monkey

Ryzen 6000:Zen 3+のみのため一番手放しでおすすめできるけど、搭載製品が少ない

Ryzen 6000シリーズは2022年発表のシリーズです。複数のアーキテクチャが混在する5000および7000シリーズと異なり「Zen 3+」のみの構成となっているため分かり易いです。

プロセスは前世代までの7nmから6nmへとわずかに微細化され、ダイ構造も複数のダイから成るチップレット設計となったのがハードウェアでの大きな変更です。

また、「Zen 3」や「Zen 2」から変わった最も大きい点は、内蔵GPUのアーキテクチャが「Vega」から「RDNA 2」に変わったことです。「Vega」は初出が2017年の古いアーキテクチャということもあり、最新のものと比べると電力効率やAV1対応の点で明らかに劣るのが弱点でしたが、「RDNA 2」では電力効率および性能が格段に向上し、AV1デコードにも対応しています。特にモバイル端末にとっては非常に大きな向上となりました。

Ryzen 7以降で搭載される内蔵GPU「Radeon 680M」のゲーミング性能は「GTX 1050 Ti(モバイル版)」にも匹敵するレベルとなったのがポイントです。重いゲームはやはり快適とは言えないまでも、特に重い部類のものでなければ動作自体は大体可能というレベルの性能に達しました。従来は内蔵GPUで重い3Dゲームはプレイすることが不可能というのが常識でしたが、それを覆す非常に革新的な内蔵GPUとなりました。これで電力効率も非常に優れていますから、モバイル端末向けとしては非常に素晴らしいです。

また、このことに目を付けられて、Steam Deckなどを代表とする「ゲーミングUMPC」というNintendo Switchのようなポータブルゲーミングデバイスが多数登場しています。ただし残念なのは、思ったほどノートPCでの採用が無かったことです。2023年2月に、AMDのCEOから需要低下を避けて価格を維持するためにチップの供給を制限していたと明かされたこともあり、供給についてはAMDの匙加減ではあります。とはいえ、現状はPC以外にも需要がありチップが流れてしまっているためノートPCでの採用が少ないのは確かだと思うため、今後の供給の動きも気になるところです。

「Ryzen 5000 / 7000」と異なりアーキテクチャが一律で「Zen 3+」という良いものである「Ryzen 6000シリーズ」は一番手放しでおすすめできるのですが、そもそも選択肢に挙げることが難しいのが非常に残念です。

とはいえ、採用製品が全くない訳でもないので、各CPUの見極めが厳しいと感じる方は「Ryzen 6000シリーズ」に絞って探してみるのも一つの手かなと思います。

ちなみに、内蔵GPUの性能は高いものの、内蔵のため専用のビデオメモリ(VRAM)を持たないため、データ量の多い動画編集などではまだ単体のGPU(グラボ)には基本劣る点は注意です。データ量の多い動画編集をメイン用途とするなら、やはりグラボ搭載機をおすすめします。とはいえ、Ryzen 6000からはDDR5メモリにも対応して帯域幅も向上しているため、高速なDDR5メモリを大容量搭載すれば、エントリーレベルのグラボで出来ることくらいなら出来るとは思います。

PRO版は主に企業向けの機能が追加されているだけで、物理的には基本同じで性能も同等なので、実質的に「Ryzen 7 6800U」と「Ryzen 7 6600U」の2モデルという感じになります。

仕様的にほぼ最新と言っても良い「Zen 3+」採用で、内蔵GPUもRadeon 600Mシリーズ(RDNA 2)となっており良いので、どちらもおすすめできるモデルです。ただし、上述の問題もあって採用製品が思ったより少ないため、そもそも選択肢に挙がってこないのが残念なところです。

とはいえ、全くない訳でもないので、Ryzen 5000や7000で優れたモデルを見極めたり探すのが面倒という人は、Ryzen 6000を探すと失敗は無いかなと思います。特に「Ryzen 7 6800U」は処理性能が高いのはもちろん、電力効率も対抗の第12世代Coreよりも明らかに優れているため、バッテリー性能重視なら非常におすすめです。

Ryzen 5000シリーズ

Ryzen 5000シリーズの基本情報
Ryzen 5000シリーズ
アーキテクチャ Zen 2 / Zen 3
プロセス 7nm(TSMC)
コア
4~8コア
スレッド
8~16スレッド
内蔵GPU(iGPU)
Radeon RX Vega
対応メモリ DDR4
Ryzen 5000の主流モデル
CPU 評価 Cinebench R23 Multi 世代 コア スレッド クロック
定格 – 最大
TDP 内蔵GPU
Ryzen 7 5825U
4.0
10528
Zen 3 8 16 2.0 – 4.5 GHz 15W~25W Radeon RX Vega 8
Ryzen 7 5800U
4.0
8851
Zen 3 8 16 1.9 – 4.4 GHz 15W~25W Radeon RX Vega 8
Ryzen 7 5700U
4.0
8675
Zen 2 8 16 1.8 – 4.3 GHz 15W~25W Radeon RX Vega 8
Ryzen 5 5625U
3.75
8083
Zen 3 6 12 2.3 – 4.3 GHz 15W~25W Radeon RX Vega 7
Ryzen 5 5600U
3.75
7776
Zen 3 6 12 2.3 – 4.2 GHz 15W~25W Radeon RX Vega 7
Ryzen 5 5500U
3.75
7151
Zen 2 6 12 2.1 – 4.0 GHz 15W~25W Radeon RX Vega 7
Ryzen 3 5400U
3.25
?
Zen 3 4 8 2.6 – 4.0 GHz 15W~25W Radeon RX Vega 6
Ryzen 3 5300U
3.25
5522
Zen 2 4 8 2.6 – 3.8 GHz 15W~25W Radeon RX Vega 6
ベンチマークスコアの参考:notebookcheck、CPU-Monkey

Ryzen 5000:マルチスレッド性能コスパは良いけど、内蔵GPUがVegaだけなのが気になる

Ryzen 5000シリーズは2021年1月に発表されたRyzenです。2023年2月現在では投入から2年が経過しておりやや古いモデルですが、プロセスは7nmとなっており、最新モデルの6nmとの差はわずかです。そのため、マルチスレッド性能や電力効率は2023年現在でも十分現役です。2023年2月時点でもモバイル市場のRyzenのほとんどがこのRyzen 5000シリーズとなっており、息の長いシリーズとなっています。

アーキテクチャは「Zen 2」と「Zen 3」が混在しています。百の位が奇数の場合は「Zen 2」(例:Ryzen 7 5700U)、偶数の場合は「Zen 3」(例:Ryzen 7 5825U)となっています。マルチスレッド性能差はわずかなので、使用感はほぼ変わらないと思いますが、「Zen 3」の方がシングルスレッド性能および電力効率は大きく向上しているので、出来れば「Zen 3」モデルを選びたいです。

しかし、気になるのは内蔵GPUです。Ryzen 5000シリーズは共通で「Radeon RX Vega」が搭載されていますが、これが少し古いものなので、AV1という将来性が期待されている映像コーデックへの対応が全くありません。

また、単純に性能や効率も他の新しいRyzenやCoreの内蔵GPU比べるとやや劣りますので、動画視聴がメイン用途にあり、長期利用したいなら今おすすめできるかは微妙なところです。

命名規則や世代について

Ryzen 5000シリーズはアーキテクチャが「Zen 2」と「Zen 3」が混在している点に注意です。上述した通り、百の位の数字で見分けることが出来ます。百の位が奇数の場合は「Zen 2」(例:Ryzen 7 5700U)、偶数の場合は「Zen 3」(例:Ryzen 7 5825U)です。

アーキテクチャ 百の位
Zen 3 偶数 Ryzen 7 5825U
Ryzen 5 5600U
Zen 2 奇数 Ryzen 7 5700U
Ryzen 5 5500U

とはいえ、2023年2月時点では市場のRyzen 5000シリーズの多くが「Zen 3」のものとなっているため、特に不便を感じることはないかと思います。

※Ryzen 7000シリーズで「Zen 2」と「Zen 3」というRyzen 5000シリーズで使われる古いアーキテクチャのモデルも含まれていたため、Ryzen 5000シリーズは徐々にRyzen 7000シリーズに置き換えられていくものと思われます。とはいえ、2023年2月現在では市場でよく見掛けるので、総評を下に書いておきます。

Ryzen 5000シリーズは、2021年1月発表のやや古いモデルながら2023年2月時点ではまだ市場で多く見かける主流モデルです。安価な割にマルチスレッド性能が高性能かつ、対抗のCoreよりも省電力性に優れているため非常に人気で息が長いシリーズとなっています。

しかし、注意点があります。CPUのアーキテクチャに「Zen 2」と「Zen 3」が混在している点と、内蔵GPUがVegaである点です。

まずはCPUのアーキテクチャですが、電力効率およびシングルスレッド性能は「Zen 3」モデルの方が優れているため、出来れば「Zen 3」モデルをおすすめします。百の位が偶数のモデルが「Zen 3」モデルです(例:Ryzen 7 5825U)。とはいえ、マルチスレッド性能差は「Zen 2」と比べても大差がなく、使用感には大きな差が出るほどではありませんし、電力効率の向上によるバッテリー性能差も劇的というほどの差ではないです。そのため、「Zen 2」モデルの方が安かった場合にはコスパ面で上回る可能性はあります。

Ryzen 5000シリーズでCPU性能以上に気になるのは内蔵GPUです。「Zen 2」「Zen 3」の両方とも古いVega採用となっています。最新の「RDNA 2 / 3」や対抗シリーズであるCoreの内蔵GPUである「Xe」には処理性能で劣る上、効率面でもやや劣ります。そこはまだ妥協できるレベルだと仮定しても、現在市場にあるGPUで唯一「AV1」という映像コーデックへのサポートがないのが致命的です。

「AV1」はロイヤリティフリーかつ圧縮率が高いということで、各動画サイトでも採用率が急増している将来性が特にあると言われている映像コーデックです。ただし、「AV1でエンコードされた動画」を観るためにはGPUが「AV1のデコード機能」が必要となります。そのため、長く使うPCを今購入するならAV1デコード機能は備えておきたいです。しかし、Ryzen 5000シリーズではその機能がないのが難しい点です。

現状では主要な動画サイトでAV1のみの対応の動画というのはほとんどないため困ることはありませんが、長期利用前提で動画視聴がメイン用途に含まれているなら避けた方が無難かなと思います。


ベンチマークスコア

対抗製品となるInteのCoreシリーズの主流モデルも含めたベンチマークスコアです。参考にご覧ください。オレンジ色のバーがRyzenで、青色のバーがCoreとなっています。

マルチコア性能

Cinebench R23 Multi
CPU スコア
Ryzen 7 6800U
10779
Core i7-1260P
9603
Ryzen 7 5800U
8851
Ryzen 7 5700U
8675
Core i5-1240P
8473
Ryzen 5 6600U
8018
Ryzen 5 5600U
7776
Core i5-1235U
7589
Core i7-1255U
7385
Ryzen 5 5500U
7151
Core i3-1215U
6410
Ryzen 3 5300U
5522
Core i7-1185G7
5397
Core i7-1165G7
5186
Core i5-1135G7
4982
Core i3-1115G4
3236
ベンチマークスコアの参考:notebookcheck、CPU-Monkey

シングルコア性能

Cinebench R23 Single
CPU スコア
Core i7-1260P
1778
Core i7-1255U
1775
Core i5-1240P
1663
Core i5-1235U
1649
Core i3-1215U
1633
Ryzen 7 6800U
1480
Core i7-1185G7
1457
Core i7-1165G7
1455
Ryzen 7 5800U
1427
Ryzen 5 6600U
1425
Ryzen 5 5600U
1362
Core i5-1135G7
1345
Core i3-1115G4
1312
Ryzen 7 5700U
1256
Ryzen 5 5500U
1172
Ryzen 3 5300U
1129
ベンチマークスコアの参考:notebookcheck、CPU-Monkey

内蔵GPU性能(ゲーム)

Time Spy Graphics(DX12)
GPU名称
搭載CPUの例
スコア
Radeon 680M
Ryzen 7 6800U
2400
Iris Xe G7 96EU (~1400MHz)
Core i7-1260P
1756
Iris Xe G7 96EU (~1300MHz)
Core i7-1165G7
1589
Radeon 660M
Ryzen 5 6600U
1558
Iris Xe G7 80EU(-1300MHz)
Core i5-1240P
1244
Radeon RX Vega 8
Ryzen 7 5700U
1173
Iris Xe G7 80EU(-1300MHz)
Core i5-1135G7
1131
Radeon RX Vega 7
Ryzen 5 5500U
1054
UHD Xe 64EU
Core i3-1220P
1049
Radeon RX Vega 6
Ryzen 3 5300U
839
UHD G4 48EU
Core i3-1115G4
646
ベンチマークスコアの参考:notebookcheck、CPU-Monkey

電力効率(CPU)

Cinebench R15 Multi 外部モニター
CPU
スコア
Ryzen 7 5800U
48.0
Ryzen 7 6800U
40.2
Ryzen 5 5600U
34.8
Ryzen 7 5700U
34.4
Ryzen 5 6600U
29.9
Ryzen 5 5500U
28.9
Core i7-1260P
28.7
Core i5-1240P
28.4
Core i7-1255U
26.2
Core i5-1235U
24.4
Ryzen 3 5300U
22.5
Core i7-1165G7
20.9
Core i5-1135G7
19.2
Core i3-1215U
17.4
Core i3-1115G4
13.5
ベンチマークスコアの参考:notebookcheck、CPU-Monkey

結局どれが良い?【選ぶ際の優先順位】

最後に「結局どれを選ぶのが良いか」という点について、筆者の主観を載せておこうと思います。対象は末尾Uの省電力モデルで、ゲーミングノートやクリエイターノートなどは含まない場合という点に留意してご覧ください。

Ryzen 5000~7000シリーズの優先順位(左に行くほど優先)

優先順位(上が優先)
Ryzen 7040(Zen 4)、Ryzen 7035(Zen 3+)、Ryzen 6000(Zen 3+)
Ryzen 7020(Zen 2)【軽処理前提】
Ryzen 7030(Zen 3)、Ryzen 5000(Zen 3)
Ryzen 5000(Zen 2)
Ryzen 7020(Zen 2)

この時期に長く使えるPCを選ぶ基準として、やはり「AV1デコード」は備えておきたいと個人的には思います。Ryzenは5以上なら普段使いには十分な処理性能がありますし、電力効率もCoreと比べると総じて優れていますから、そのくらいしか気を付ける部分がないとも言えますが…。

「AV1デコード」に対応するには内蔵GPUに「RDNA 2 / 3」アーキテクチャ採用の「Radeon 600M / 700M」シリーズが必要となります。CPUとしては「Zen 3+ / Zen 4」では全モデル搭載で、Ryzen 7020シリーズに限り「Zen 2」でも採用されています(2023年2月時点)。そのため、恐らく現在の市場では最も人気のある「Zen 3(無印)」が唯一確実に「AV1デコード」に対応していないというのがやっかいなところです。CPUコスパでいえば恐らく最も良いのですが、CPUコスパに特化しないなら実は良い選択肢かは怪しいという…。

AMDは出荷量を制限したりなどで市場を調整しようとしていることを明言していたこともあるので、これもAMDの狙いで、今後のAV1デコード必須時代が来た時に買い替えを検討する人を増やすために「Vega」の「Zen 3」を最も売ろうとしているのではないかと邪推してしまいます。

何にせよ「Zen 3+ 以降を購入できれば良い」というのが最適解なのは明白だとは思います。それに差し当たって問題となるのはやはり価格や搭載製品の数ですが、Ryzen 6000シリーズの出荷量が思いのほか少なかったのが懸念点です。Ryzen 7000では改善されることを期待したいところです。


といった感じで記事は以上になります。必要があれば色々と修正・加筆を行う予定なので、何か気になった点やこうした方が良いなどあればコメントで教えて頂けると幸いです。

6 COMMENTS

ひろき

PCについての知識が豊富ではないので、とねりんさんの記事を読んで、いつも勉強させていただいています。

今回はyoutubeの映像コーデックのAV1への移行状況の見通しについて、とねりんさんの見立てをお聞きしたく、コメントしました。

昨年ノートPCを買い換えた後、本記事で映像コーデックのことを知りました。
調べたところ、そのPCの内蔵GPUがRadeon Vega 8でした。(CPUはRyzen7 5800Hです)
youtubeで動画をよく見るので、AV1への移行が急速に進むことを懸念しております。
(最低でも5年はそのノートPCを使いたいと思っているので)
8K動画などは移行されているという指摘を見ましたし、当然のことながら、今後は4KやFHDでも移行が進んでいくのは避けられませんよね。
私はだいたいFHDで視聴しているのですが、移行はどのぐらいのスピードや年数で進んでいくとお考えでしょうか?

予見が難しいことは承知で質問しております。
ご回答よろしくお願いいたします。

返信する
とねりん:管理人

ご覧いただきありがとうございます。記事内での私の書き方が悪かったかもしれませんので、始めに少し補足しておこうと思います。

まず、FHD/60p程度の動画であれば、AV1デコードに対応していなくても「Ryzen 7 5800H」クラスの高性能CPUなら、CPUのみで十分ゴリ押しできるレベルだと思います。そのため、視聴が困難ということにはならないので、その点は安心して良いかと思います。
見返すと、AV1デコードが無いと論外みたいな文章になっていたので、後で修正しておこうと思います。

ただし、CPUにとっては重い処理になりますので、それなりの使用率となり消費電力と発熱が増加すると思われます。最近ではPCで動画を観ることは日常的な人が多いと思いますが、その際に常に高負荷な処理が要求されるのは、特にモバイル端末にとっては好ましくないので、事前に知っておいて少しの追加費用で対応できるならしといた方が良いよねって感じで触れたかった次第でした。

前置きが長くなりましたが、本題のAV1の移行状況についてです。
正直なところ、見当が付きません。YouTubeなどの主要動画サイトの匙加減次第ですから、申し訳ないですが、具体的な年数については参考になる回答はできないかと思います。

ただ、少なくともこれからすぐには急激に移行が進むことはなく、数年は深く気にする必要はない状況が続くとは思っています。一番の理由は、スマホやAppl製品での対応がほとんど進んでいないためです。

まずApple側ですが、Macで搭載されるAppleのプロセッサの最新は現在「Apple M2」ですが、このSoCではAV1に対応していません。また、Apple製品の標準ブラウザである「Safari」でもAV1が現状では正式サポートされていません。

スマホに関しても、Android向けのSoCとしてはQualcommのSnapdragonのシェアがかなりの割合を占めますが、SnapdragonでAV1対応をしているのは、現状最近出たハイエンドSoCである「Snapdragon 8 Gen 2」だけで、現在のAndroidユーザーのほとんどが対応していません。

上記のような状況がある中、無理やりAV1移行が進められることはさすがにないと思うので、少なくともそこがある程度対応するまでは、全体として急激に進むことはない気はしています。時間的余裕はそれなりにあるとは思います。5年絶対持つとは言い切れませんが、今めちゃくちゃ後悔するほどではないと思います。

ただ、最近Apple製品の標準ブラウザである「Safari」のベータ版ではAV1対応がされたとのニュースもあるので、Appleも一応普及に向けて下地は作り始めようとしている感じはありますし、SnapdragonでもAV1対応製品が出たというのは事実なので、少しずつ進んでいくことは確実なのかなとは感じています。そのため、今購入するならやはりAV1対応製品がおすすめかなというのが私見という感じですね。

煮え切らない回答で申し訳ありませんが、以上が回答になります。

返信する
ひろき

お早い回答ありがとうございます。
やはりとねりんさんに質問して良かったです。
懸念が少し解消されました。
数年の猶予はあるということで、気にしすぎることはないですね。

スマホやApple製品での対応が進んでいないのは、意外でした。
しかしながら、対応した製品が出始めている以上は、トレンドとしては徐々に移行されていくのが確実なのですね。
ど素人の考えで恐縮ですが、スマホでの対応がある程度進めば、急速に移行が進むのだろうなと思います。

数年は気にすることがないと分かっただけでも安心できました。
丁寧な回答ありがとうございました。

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