第13世代Coreと第12世代Coreの違いは?どれが良い?【ざっくり評価】

デスクトップ用のCoreシリーズ(主流モデル)の第13世代(Raptor Lake)と第12世代(Alder lake)の比較・まとめです。各CPUの特徴をざっくりと載せています。また、本記事は世代毎の比較であるため、「Core i9 vs Core i7」のような各モデル間の違いや性能については下記の記事の方が分かり易いかと思うので、モデル間の差が気になる場合は出来ればそちらを参照ください。

【性能比較】Core「9 / 7 / 5 / 3」の違いを解説【2024年最新版】


注意

本記事の内容は、記事更新時点(2023年2月26日時点)のものとなります。ご覧になっている際には異なる可能性があるため注意してください。

ベンチマーク

恐らくは処理性能の差を知りたい方が大半だと思うので、まずはベンチマークテストの結果を載せておきたいと思います。青のバーが第13世代で、緑のバーが第12世代です。その他の2023年2月時点での主要CPUも参考に載せています。

参考サイトや各環境については記事冒頭の参考ページを参照ください。


マルチスレッド性能:Eコア追加で第13世代が圧倒

マルチスレッド性能は、CPUの全コア稼働時の処理性能を表します。マルチスレッド性能が高いと、動画のソフトウェアエンコード(CPUエンコード)やレンダリングなど、膨大な量の処理に掛かる時間が短くなる他、複数タスクでのパフォーマンスが向上するなどのメリットがあります。

今回は、Cinebench R23というベンチマークソフトで測定された数値で見ていきます。

Cinebench R23 Multi
CPU名称スコア
Core i9-13900K
39956
Ryzen 9 7950X
38657
Core i9-13900
32605
Core i7-13700K
31062
Ryzen 9 7900X
29516
Ryzen 9 5950X
28641
Core i9-12900K
27198
Ryzen 9 7900
25062
Core i7-13700
24770
Core i5-13600K
24525
Core i7-12700K
22812
Ryzen 9 5900X
21878
Core i7-12700
21568
Core i5-13500
21135
Ryzen 7 7700X
20399
Ryzen 7 7700
18720
Core i5-12600K
17660
Core i5-13400
15890
Ryzen 5 7600X
15315
Ryzen 7 5800X
15245
Ryzen 7 5800X3D
15003
Ryzen 5 7600
14240
Ryzen 7 5700X
14211
Ryzen 7 5700G
14041
Core i5-12400
11448
Ryzen 5 5600X
11268
Ryzen 5 5600G
11077
Core i3-12100
8172

第13世代と第12世代の最も大きな差は、「Eコアの差によるマルチスレッド性能差」です。上の表を見てもわかりますが、第13世代の方が第12世代より大幅に高性能で圧倒しています。大体3~4割ほど向上しています。

第13世代ではCore i5以上ではEコアが4~8コアと多数追加されているため、これほどの差が出ています。コア数の差などの点は後述します。


シングルスレッド性能:クロック分の少しの向上(4%~12%程度)

シングルスレッド性能は、1コアでの処理性能を表します。シングルスレッド性能が高いと、軽い処理に掛かる時間が短くなる(サクサク動く)他、全コア稼働時にも当然影響がありますので、ほぼ全ての処理に対して有利に働きます。

今回は、Cinebench R23というベンチマークソフトで測定された数値で見ていきます。レンダリングのベンチマークテストです。

Cinebench R23 Single
CPU名称スコア
Core i9-13900K
2271
Core i9-13900
2165
Core i7-13700K
2126
Core i7-13700
2107
Ryzen 9 7950X
2072
Ryzen 9 7900X
2041
Core i5-13600K
2026
Ryzen 7 7700X
2010
Core i9-12900K
2002
Ryzen 5 7600X
1976
Ryzen 9 7900
1964
Core i7-12700K
1939
Core i5-12600K
1918
Ryzen 7 7700
1916
Core i5-13500
1880
Core i7-12700
1862
Ryzen 5 7600
1856
Core i5-13400
1794
Core i5-12400
1716
Core i3-12100
1679
Ryzen 9 5950X
1639
Ryzen 9 5900X
1622
Ryzen 7 5800X
1594
Ryzen 5 5600X
1572
Ryzen 7 5700X
1522
Ryzen 7 5700G
1517
Ryzen 5 5600G
1504
Ryzen 7 5800X3D
1491

圧倒的な差をつけたマルチスレッド性能とは異なり、シングルスレッド性能は少しの向上に留まっています。また、第13世代ではおおよそ4%~12%程度です。

第13世代におけるポイントはほぼEコアの追加に集約されるため、その他の点はそこまでです。シングルスレッド性能向上も、最大クロックが増えたことが主な要因と思われるため、恐らくコアの質はほぼ変わらないものと推測されます。


ゲーミング性能:前世代GPUなら小さめの向上だけど、最新のハイエンドGPUなら大きめの向上

この項目でのゲーミング性能は、実際にゲームを起動した際の幾何平均FPS数を見ていきます。

今回は12種類のゲームで測定した平均FPSの数値を見ていきます。使用されたGPUは「GeForce RTX 3080」です。その他の設定はウルトラ(可能な限り最高の設定)です。測定に使用されたゲームタイトルやその他の環境は、お手数ですが少し上のリンクからご確認お願いします。

また、「RTX 3080」は2022年秋ごろまではハイエンドGPUとして文句ない位置に居たGPUですが、現在では「RTX 40シリーズ」および「Radeon RX 7000シリーズ」が登場しており、より高性能なGPUがあります。それらのGPUと組み合わせた場合にはやや異なる結果になる可能性がある点に一応注意です(特にCore i9などのハイエンドGPU)。

12種類のゲームでの幾何平均fps(1080p)
CPU名称スコア
Core i9-13900K
178.3
Core i7-13700K
176.9
Core i5-13600K
174.3
Core i9-12900K
171.6
Core i7-12700K
168.3
Ryzen 7 7700X
164.7
Ryzen 9 7950X
164.7
Ryzen 9 7900X
163.6
Core i5-12600K
163.3
Ryzen 5 7600X
160.7
Ryzen 7 5800X3D
158.3
Ryzen 9 5950X
152.2
Ryzen 9 5900X
150.9
Core i5-12400F
150.4
Ryzen 7 5800X
148.4
Core i9-11900K
147.3
Ryzen 7 5700X
145.4
Core i7-10700K
145.1
Ryzen 5 5600X
141.7
Ryzen 7 5700G
133.8
Core i5-11400F
128.1
Core i9-10900K
125.8

12種類のゲームでの幾何平均fps(1440p)
CPU名称スコア
Core i9-13900K
149.2
Core i7-13700K
148.1
Core i5-13600K
147.1
Core i9-12900K
146.2
Core i7-12700K
144.5
Ryzen 7 7700X
141.9
Ryzen 9 7950X
141.2
Core i5-12600K
141.1
Ryzen 9 7900X
140.8
Ryzen 7 5800X3D
140.4
Ryzen 5 7600X
140.2
Ryzen 9 5950X
135.6
Ryzen 9 5900X
134.9
Core i5-12400F
134.2
Ryzen 7 5800X
133.5
Core i9-10900K
133.2
Ryzen 7 5700X
131.6
Core i9-11900K
131.0
Core i7-10700K
130.3
Ryzen 5 5600X
128.3
Ryzen 7 5700G
122.3
Core i5-11400F
120.4

12種類のゲームでの幾何平均fps(4K)
CPU名称スコア
Core i9-13900K
96.7
Core i9-12900K
96.7
Core i7-13700K
96.5
Core i7-12700K
96.5
Core i5-13600K
96.3
Core i5-12600K
96.1
Ryzen 7 5800X3D
95.8
Ryzen 9 7950X
95.7
Ryzen 7 7700X
95.5
Core i5-12400F
95.5
Ryzen 5 7600X
95.4
Ryzen 9 7900X
95.3
Ryzen 9 5950X
95.1
Ryzen 9 5900X
94.8
Ryzen 7 5800X
94.6
Core i9-10900K
94.5
Ryzen 7 5700X
94.3
Ryzen 5 5600X
93.8
Core i7-10700K
93.7
Core i9-11900K
93.3
Ryzen 7 5700G
90.8
Core i5-11400F
90.5

「RTX 3080」を使用した際のゲーミング性能の向上率は概ねシングルスレッド性能の向上率と一致しており、基本1割未満の小さめの向上です。要するに、「RTX 3080」クラスの前世代のハイエンドGPUであれば、第12世代Coreでもボトルネックにはほとんどなっていなかったことがわかります。そのため、採用予定のGPUの性能によっては、第12世代Coreでもゲーミング性能は大して変わらない可能性があります。

ただし、上記の表とは別のデータになりますが、「RTX 4090」と組み合わせた際のfpsは10%以上変わるレベルの大きめの差が確認されているため、RTX 4080以降や、RX 7900 XT以降レベルの最新のハイエンドGPUと組み合わせる際には第13世代Coreの方が優先度は高くなる点は留意です。

余談ですが、「RTX 3080」を使用した際の性能差はほぼシングルスレッド性能差と一致していたため、「RTX 4090」を使用した際の大きな向上は、恐らく増量したキャッシュ量が関係しているのかなと思います。


第13世代と第12世代の違い

ベンチマークの次は、仕様面での第13世代と第12世代の違いについてみていきます。下記に主なものを挙げています。

第13世代と第12世代での違いの要点まとめ
  • Eコアが増量し、マルチスレッド性能が大幅に向上
    Eコアは非常に小型で低消費電力動作に特化した効率コアです。第13世代ではCore i3を除く全モデルで前世代からEコアが4~8コア増量され、マルチスレッド性能が大幅に向上しました。これが最も大きな違いです。Core i5とCore i7では4コア、Core i9では8コアもEコアが増量されました。第13世代から遂にCore i5のK無しモデルでもEコアが搭載されることになり、低価格PCの性能が大きく底上げされることが期待できます。ただし、性能重視のPコアの数は変わらなかったため、シングルスレド性能が重要な処理やゲーミング性能での向上率は小さい点は留意。
  • ゲーミング性能が向上
    第13世代Coreでは、後述のクロック上昇やキャシュ量増加によりゲーミング性能が向上しています。「RTX 3080」クラスのGPUならその差は大きくないですが、「RTX 4090」などの高性能GPUでは大きな向上が確認されています。
  • MTP(TDP PL2)が増加
    恐らくは主にEコアを追加した影響で、第12世代よりも最大消費電力が増加しています。ただし、無印モデルに関しては実際の消費電力は大きく増えた訳ではないため、K付きの高性能モデル以外は特に気にする必要はありません。
  • 最大クロックが上昇
    一応アーキテクチャの変更はあったものの、基本的には第13世代は第12世代の改良版といった位置付けのため、コア自体の性能はさほど変わりません。ただし、第13世代では第12世代よりも最大クロックが全体的に上昇しているため、シングルスレッド性能はクロック分向上しています(大体4%~10%ほど)。また、それに伴い、ゲーミング性能も向上しています。
  • キャッシュが増量(Core i5の無印モデル以下を除く)
    第13世代ではコア自体の質は大きく変わらないと言われているものの、先述のクロック上昇に加え、キャッシュ量も増量されています。L2キャッシュは前世代ではPコアあたり1.25MB、4Eコアあたり2MBだったものが、第13世代ではPコアあたり2MB、4Eコアあたり4MBと大きく増量しています。恐らくはこのキャッシュ量の影響も大きく、「RTX 4090」レベルの超高性能GPUでの使用では特に大きくゲーミング性能が向上しました。ただし、Core i5の無印モデル以下では、第13世代でも第12世代と同じコア仕様を維持しており、キャッシュ量が少ないため、ゲーミング性能が大きく向上はしていない点は注意です。
  • DDR5-5600までサポート(Core i5の無印モデル以下はDDR5-4800)
    メモリですが、DDR5のサポートが前世代のDDR5-4800からDDR5-5600に向上しています。とはいえ、2023年1月時点ではDDR5はDDR5-4800より上のものだと価格が一気に高くなることもあり、当面はDDR5-4800が主流となりそうな気もします。また、先の内容とも関連しますが、Core i5の無印モデル以下では前世代のコア仕様を維持しているため、メモリもDDR5は前世代と同じDDR5-4800が正式サポート速度になります。


違いの要点まとめ

次にコア数以外も含めた比較表です。各要点についは表の後から少し触れていきます。

第13世代第12世代
各モデルの
コア/スレッド
Core i9:24コア / 32スレッド
Core i7:16コア / 24スレッド
Core i5 K付:14コア / 20スレッド
Core i5 K無:10コア / 16スレッド
Core i3: 4コア/8スレッド
Core i9:16コア / 24スレッド
Core i7:12コア / 20スレッド
Core i5 K付:10コア / 16スレッド
Core i5 K無:6コア / 12スレッド
Core i3: 4コア/8スレッド
合計コア数4~24 コア4~16 コア
Pコア4~8 コア4~8 コア
Eコア0~16 コア0~8 コア
K付きモデルの
TDP(PL1/PL2)
Core i9:125W / 253W
Core i7:125W / 253W
Core i5:125W / 181W
Core i9:125W / 241W
Core i7:125W / 190W
Core i5:125W / 150W
K無しモデルの
TDP(PL1/PL2)
Core i9:65W / 219W
Core i7:65W / 219W
Core i5:65W / 148W~154W
Core i3:58W~60W / 89W
Core i9:65W / 202W
Core i7:65W / 180W
Core i5:65W / 117W
Core i3:58W~60W / 89W
L2キャッシュ
Pコアあたり2MB
4Eコアあたり4MB
※Core i5(無印)以下は前世代と同様
Pコアあたり1.25MB
4Eコアあたり2MB
L3キャッシュ
12MB~36MB
12MB~30MB
対応メモリ
(定格)
DDR5-5600
DDR5-4800(Core i5下位)
DDR4-3200
DDR5-4800
DDR4-3200
ソケット形状
チップセット
LGA1700
Intel 600,700シリーズ
※600番台はアップデートが必要
LGA1700
Intel 600,700シリーズ

コア:Eコアが4コア~8コア追加(Core i3除く)

コア数の比較です。第13世代ではPコアの数は据え置きだったものの、Eコアが4~8コア増量されている点に注目です。下記が比較表です。

世代モデルコアスレッド
PコアEコア合計
第13世代Core i98162432
第12世代881624
第13世代Core i7881624
第12世代841220
第13世代 500番以降Core i5681420
第13世代 400番641016
第12世代 K641016
第12世代 無印60612
第13世代Core i34048
第12世代4048

Pコア(高性能コア)とEコア(高効率コア)

第12世代および第13世代では「Pコア」と「Eコア」の異なる2種類のコアが混在しています。Pコアは(Performance-Core)の略称で、高性能コアのことです。従来の普通のコアです。対してEコアは(Efficient-core)の略称で、高効率コアのことです。Pコアよりも大幅に小型かつ低消費電力動作に特化したコアです。単純な性能はPコアに劣るものの、コスト削減やコア数(マルチスレッド性能)の底上げに大きく貢献します。

性能比較:Eコア追加によりマルチスレッド性能が格段に向上

新しい第13世代の第12世代の先代モデルとのおおよその差を示した表です。Eコアが追加・増量されたことにより、マルチスレッド性能が飛躍的に向上しているのがわかります。その代わり消費電力も向上している点は注意です。対して、シングルスレッド性能およびゲーミング性能も向上しているものの、向上率は小さめです。クロック向上と対応メモリの速度の向上による部分が主と思われる程度となっており、コアの質は恐らく大差はないことが推測されます。

モデルマルチスレッド性能
Cinebench R23
シングルスレッド性能
Cinebench R23
ゲーミング性能
1080p/RTX 3080
Core i9+46.9%+12.2%+3.9%
Core i7+36.2%+9.6%+5.1%
Core i5(K)+38.9%+5.4%+6.7%
Core i5(下位)+27.6%+4.5%?%
Core i3?%?%?%

価格比較:一部モデルで値上げ+円安に影響で全体的に高くなった

価格比較です。いずれも2023年1月時点のものです。第13世代でCore i7(K付き)以降の希望小売価格は維持されたものの、それ以下のモデルでは値上げされました

更に、第12世代発売時よりも進んだ円安による影響もあり、前世代と比べると実売価格はやや高価となっています。これまた更に、主にCPUの・性能および発熱・消費電力の上昇に伴い、マザーボードもそれに併せた仕様が必要となった結果コストが増えました。要するにマザーボードも全体的に従来より高価となりました。

そのため、希望小売価格だけでみれば変わらずか最大で45ドル程度の値上がりに見えますが、実際にはCore i5以上では従来よりも1~2万円程度の追加費用が余儀なくされるのが現状です。

そのような事情もあり、第12世代でも在庫処分価格の場合には第13世代よりも格段に安く手に入れることが出来る可能性も結構あって、そちらの方がコスパは上となる可能性もある点は覚えておいて損はないかなと思います

モデル希望小売価格
(米国)
国内市場価格
※2023年2月時点
Core i9-13900K$58982,980円
Core i9-12900K$58971,980円
Core i9-13900KF$56479,780円
Core i9-12900KF$56469,980円
Core i7-13700K$40957,980円
Core i7-12700K$40956,300円
Core i7-13700KF$38456,580円
Core i7-12700KF$38455,700円
Core i7-13700$384+$4556,580円
Core i7-12700$33945,980円
Core i7-13700F$359+$4553,980円
Core i7-12700F$31443,580円
Core i5-13600K$319+$3045,980円
Core i5-12600K$28941,980円
Core i5-13600KF$294+$3045,980円
Core i5-12600KF$26439,980円
Core i5-13400$221+$2932,980円
Core i5-12400$19228,580円
Core i5-13400F$196+$2928,980円
Core i5-12400F$16722,980円
Core i3-13100$134+$1221,580円
Core i3-12100$12219,800円
Core i3-13100F$109+$1217,980円
Core i3-12100F$9714,800円

TDP PL2:全体的に増加

CPUの仕様には「TDP」という大まかな消費電力の目安となる指標があります。最近のCPUは大まかに2段階のTDPがあり、1段階目をPL1(Power Limit 1)、2段階目をPL2(Power Limit)という感じで定められています。一般的に表に出るのはPL1のTDPの数値ですが、高負荷時の最大消費電力はPL2に近い値となります(冷却性能や電源容量が確保されていれば)。

一応、最近のIntel CPUではTDP(PL1)だけでなく、ベース電力としてPBP(Processor Based Power)というものが設定されており、厳密は違う他、PL2はMTP(Maximum Turbo Power)と呼ぶというような評価基準の見直し?的なものも言われていますが、正直ややこしいので、本記事では従来通り「TDP(PL1)」と「TDP(PL2)」と表記したいと思います。

下記の表に第13世代と第12世代のTDPをまとめています。「125W / 251W」となっていたら、左側がTDP(PL1)で、右側がTDP(PL2)です。Tモデルは正直メジャーではないと思うので、見易さ重視で割愛しています。

TDPの違い
TDP PL1/PBPTDP PL2
第13世代第12世代
Core i9 K125W253W241W
Core i9 無印65W219W202W
Core i7 K125W253W190W
Core i7 無印65W219W180W
Core i5 K125W181W150W
Core i5 無印65W148W~154W117W
Core i5 無印65W89W89W

Core i3を除く全モデルで増加しています。ただし、性能向上率の方が基本大きいため、電力効率はむしろ良くはなっています。また、無印モデルに関しては、最大消費電力設定は上がっているものの、ベース電力設定が低くなっているため、前世代と比較した際の実際の消費電力や発熱はほぼ上昇していないことが確認されています。そのため、標準設定で使うなら特に気にする必要はありません。

ただし、K付きモデルは概ね設定の上がり幅と同じ感じで消費電力が大きめに上昇しているため要注意です。

一覧【ざっくり説明付き】

第13世代および第12世代のCoreシリーズの主流CPUの評価一覧です。全CPUを網羅している訳ではありませんが、主要なものは出来る限り掲載しています。性能スコアはCinebench R23のマルチコアのベンチマークスコアとなっています。


K:倍率ロックフリー(オーバークロック)対応モデル。K無しのモデルより動作クロックが高く、オーバークロックを利用しなくても無印より性能は高い。ただし、使用電力も無印より多い。
F:iGPU(内蔵GPU/統合グラフィック)無効化モデル。その分価格が少し安くなっている。
T:超省電力モデル(TDP PL1:35W)。ベースのCPUより大幅に省電力なのが魅力だけど、性能は低下している。価格が安ければ需要があったと思うが、無印モデルと基本同じとなっているためコスパで負けるため需要は低め。知識がある人なら、無印モデルを省電力化することもできるため、あえて選ぶ必要性は基本ない。
評価CPUCinebench
R23 Multi
概要
Core i9-13900K(F)
24コア/32スレッド
(8P+16E)
125W – 253W
39956
第13世代Core i9のK付きモデル。合計24コアにより圧倒的なマルチスレッド性能を発揮します。ゲーミング性能も非常に高いです。コアは8Pコアと16Eコアという構成。
その代わり、価格は非常に高価な上、消費電力および発熱も非常に凄い点は要注意です。価格は8万円台(2023年2月時点)で、クーラーは240mm以上の水冷推奨です。
コア数に関してはCore i7からEコアが8個増えた形です。Eコアとはいえ8個増えるのはやはり非常に大きく、マルチスレッド性能差は大きいです。マルチスレッドに関していえばコスパも良いので、とにかく高いマルチスレッド性能を求める場合には最適と言えるモデルです。
Core i9-13900(F)
24コア/32スレッド
(8P+16E)
65W – 219W
32605
第13世代Core i9の無印モデルです。24コア(8P+16E)による圧倒的なマルチスレッド性能と、K付きよりも少し低い価格と消費電力が魅力です。
Core i9は特にK付きの消費電力が凄まじいので、消費電力が多少でも減るのは嬉しいです。電力効率もやや向上しているため、費用を抑えたいなら悪くない選択肢です。
マルチスレッド性能もK付きよりも大きく低下してしまいますが、標準のPL1の電力制限を解除することでK付きに近い性能まで引き上げることも可能なので実は性能も劇的に下がるわけではないです。ただし、その際にはTDP PL2の219Wが常に適用される形になり、消費電力および発熱は当然多くなるので、最大限性能を発揮させたいなら高性能なクーラーが必要な点には注意。
なのですが、2023年2月時点ではK付きモデルとほぼ価格が変わらないため、現状はあえて選ぶ必要性はないCPUです。
Core i7-13700K(F)
16コア/24スレッド
(8P+8E)
125W – 253W
31062第13世代のCore i7のK付きモデル。合計16コアにより非常に優れたマルチスレッド性能を発揮し、ゲーミング性能はCore i9ともわずかしか変わらないので、高性能高コスパゲーミングCPUとして優れた選択肢です。
コアは8Pコアと8Eコアという構成で、前世代のCore i9と同じです。
前世代のCore i9と同等以上の性能のCPUが約6万円(2023年2月時点)という価格で購入できるのは非常に魅力。
ただし、消費電力および発熱もCore i9クラスになっているため要注意。
Core i9-12900K(F)
16コア/24スレッド
(8P+8E)
125W – 241W
27198第12世代のCore i9のK付きモデルです。16コア(8P+8E)による非常に優れたマルチスレッド性能が魅力。
消費電力および発熱は非常に多いので、高性能なクーラーと電源には要注意です。
第13世代でCore i7が同じコア構成となり、性能が同等レベルになりました。価格も当然Core i7の方が大幅に安いので、コスパ的には今あえて選ぶ価値は無くなりました。
ただし、性能自体はまだまだ現役なので、BTOや既製品のPCで在庫処分価格で安くなっていれば選択肢に入る可能性はあります。
Core i9-12900(F)
16コア/24スレッド
(8P+8E)
65W – 202W
26455第12世代のCore i9の無印モデルです。概ね前述のK付きモデルと同じ評価です。TDP PL1は65Wですが、PL2が202Wなので省電力なCPUとは言い難いCPUな点に注意です。
Core i7-13700(F)
16コア/24スレッド
(8P+8E)
65W – 219W
24470
第13世代Core i7の無印モデルです。16コア(8P+8E)による非常に優れたマルチスレッド性能と、K付きよりも少し低い価格と消費電力が魅力です。
マルチスレッド性能もK付きよりも大きく低下してしまいますが、標準のPL1の電力制限を解除することでK付きに近い性能まで引き上げることも可能なので、実は性能も劇的に下がるわけではないです。ただし、その際にはTDP PL2の219Wが常に適用される形になり、消費電力および発熱は当然多くなるので、最大限性能を発揮させたいなら高性能なクーラーが必要な点には注意。
2023年2月時点ではK付きモデルよりも約5,000円ほど安くてコスパが良いです。実質的なK付きとの性能差も小さく、実用性はほぼ変わらないので、高性能高コスパゲーミングPC用のCPUとして非常に強力な選択肢です。
Core i5-13600K(F)
14コア/20スレッド
(6P+8E)
125W – 181W
24525第13世代のCore i5のK付きモデルです。14コア(6P+8E)で、前世代のCore i7を上回るマルチスレッド性能を発揮します。
価格は4万円台後半(2023年1月時点)と従来と比べるとやや高価ですが、前世代のCore i7よりはわずかに安く、性能は前世代のCore i7より少し高いため、従来のCore i7のような立ち位置になることも期待できる高コスパCPUです。
Core i7と比べるとPコアが2コア減るため性能面ではやや劣るものの、ゲーミング性能も十分でありコスパも良いです。また、最大消費電力は従来のCore i5からすると上昇した181Wですが、第13世代のCore i7の(219~253W)よりは大幅に低いのも魅力です。空冷でも高性能なものなら高負荷運用が十分できるレベルなのは地味に大きいと思います。
Core i7-12700K(F)
12コア/20スレッド
(8P+4E)
125W – 190W
22812第12世代のCore i7のK付きモデルです。12コア(8P+4E)により非常に優れたマルチスレッド性能を発揮します。
無印モデルとTDP PL2が10Wしか変わらず性能向上もわずかなので、どちらかというと価格が少し増加するデメリットの方が嫌な印象。性能自体は普通に良いので、BTOや既製品PCで在庫処分価格で安いならという感じ。
Core i7のK付きながらTDP PL2は190Wと意外と低いので、空冷でも高性能なものなら十分事足りるのは良いです。
Core i7-12700(F)
12コア/20スレッド
(8P+4E)
65W – 180W
21568第12世代Core i7の無印モデルです。12コア(8P+4E)により非常に優れたマルチスレッド性能を発揮します。
K付きモデルと消費電力差が小さく性能差もわずかなので、OCできない以外はほぼ同じCPUとして認識してOKです。
次世代である第13世代が登場しましたが、Core i7は従来より少し値上がりし、5万円台後半(2023年1月時点)となるため、価格面では少し優位性があります。第13世代のCore i5(K付き)に近い価格でマルチスレッド性能ではやや負けているため不利ですが、Pコアの数では勝っているので、シングルスレッド性能が重要な処理を多く行う場合には一応今でも選択の余地はあるかと思います。
BTOや既製品PCでは在庫処分価格になっているのも見られますし、品薄になるまでは出来るだけ安く高コスパPCが欲しい場合にはむしろ有力な選択肢として残る気がします。
Core i5-13500
14コア/20スレッド
(6P+8E)
65W – 154W
21135
第13世代のCore i5の中位モデルです。3万円台中盤という価格(2023年2月時点)ながら、14コアを搭載するためマルチスレッドコスパが破格の良さとなっている超絶コスパCPUです。
しかし、500番台のCore i5は、従来からBTOや既製品PCで標準採用となることがほとんどない実質的にほぼ自作専用となっているモデルのため、可用性にやや難があるCPUです。
とはいえ、コスパは間違いなく破格の良さなので、コスパ特化で自作PCを検討する場合や、カスタマイズで選択できる場合には非常に有力な選択肢だと思います。
Core i5-12600K(F)
10コア/16スレッド
(6P+4E)
125W – 150W
17660第12世代のCore i5のK付きモデルです。10コア(6P+4E)搭載で4万円程度の高コスパCPUです。
あまり見掛けないですがコスパは普通に良くて、ゲーミング性能もCore i7と大差ないです。消費電力も上位CPUと比べると少ない最大150Wで、空冷運用が十分可能です。
採用率が低いため選択肢に挙がることは少ないですが、出来るだけ安く高いゲーミング性能を得たいなら優れた選択肢です。
ただし、第13世代ではCore i5(無印)が同じコア構成となり、最安3万円程度(2023年1月時点)で購入できるようになりました。クロック差があるためこの12600Kの方がまだやや高性能ではあるものの、価格面では負けてしまうことになり、「出来るだけ安くかつ高性能」という意味での魅力は少し薄れました。
Core i5-13400(F)
10コア/16スレッド
(6P+4E)
65W – 148W~154W
15980第13世代のCore i5の下位モデルです。3万円程度という安さながら10コア(6P+4E)搭載で非常にコスパが良く、低価格PCで非常に強力なCPUです。
前世代まではEコアが無かったためマルチスレッド性能で上位モデルに格段に劣るのが玉に瑕でしたが、第13世代ではEコアが追加されて弱点がやや改善されました。
消費電力が非常に少なく、電力効率が良いのも魅力の一つです。発熱も少ないため、12cmファン空冷などでも十分に冷却できるのも低価格PC用としては嬉しいです。
Core i5-12400(F)
6コア/12スレッド
65W – 117W
12454第12世代のCore i5の無印モデルです。2万円台という安価さながらある程度重い処理もこなせるのが魅力です。
第13世代が出るまでは低価格PCで非常に競争力を持ったCPUでした。
ただし、第13世代の後継モデルが10コアとなりマルチスレッド性能が大きく向上しため、コスパでは明らかに負けることなりました。元々マルチスレッド性能が上位モデルに大きく劣る点がデメリットでしたが、それが程良く改善された後継モデルが出てしまったので、今となっては魅力が一気に薄れた感が強いです。
在庫処分価格で安くなっているモデルも増えていますが、正直「Core i5-13400F」搭載の最新モデルの方がコスパ的にも魅力的にも上なことが多いので、かなり大きめの値下げでないと魅力を感じにくいと思います。
Core i3-13100(F)
4コア/8スレッド
58W~60W- 89W
?第13世代のCore i3です。2万円前後(2023年1月時点)と非常に安価なのが魅力です。
安さは魅力ですがプラス1万円程度すると10コアのCore i5を選択することができ、性能が格段に上がることを考えると正直微妙です。
重い処理を一切しない小型PCなどでの需要はあるかもしれませんが、性能コスパではCore i5以上に明らかに劣る点は留意です。
Core i3-12100(F)
4コア/8スレッド
58W~60W- 89W
8443一つ上の「Core i3-13100(F)」とほぼ同じ評価です。古い世代なので価格は若干安いですが、コア数は同じで性能も大差ないです。


末尾Tモデルはベース電力のPBP(TDP)が一律で35Wと低い(消費電力や発熱が少ない)超省電力モデルです。採用例は少ないメジャーとは言えないモデルのため、備考として掲載。

ベースのCPUより性能が落ちるにも関わらず価格はほぼ変わらないので、需要は低めです。知識のある人なら、無印モデルやK付きモデルの電力やクロックを制限することで似たような運用をすることも可能なので、あえて選ぶ必要性がなかったりもします。一般的には、メーカー既製品の小型デスクトップPCや液晶一体型PCにビジネス用途やライトユーザー向けの製品として採用される印象です。仕様・利用層的にベンチマークテストがあまり行われない傾向があります。

CPUCinebench 23
Multi
概要
Core i9-13900T?Core i9-13900の省電力版
Core i7-13700T?Core i7-13700の省電力版
Core i9-12900T22804Core i9-12900の省電力版
Core i7-12700T?Core i7-12700の省電力版
Core i5-13400T?Core i5-13400の省電力版
Core i5-12400T?Core i5-12400の省電力版
Core i3-13100T?Core i3-13100の省電力版
Core i3-12300T?Core i3-12300の省電力版

モデルナンバー別ざっくり比較

大体の要点は上述で触れてしまったので語ることは少ないですが、一応各モデルナンバー毎での第13世代と第12世代での比較を触れています。

ただし、当然ながら基本的に第13世代の方が良いので、飛ばしても特に問題ないかもしれません。

Core i9

総合ざっくり評価
CPU名
マルチ
スレッド
シングル
スレッド
ゲーミング
消費電力
発熱
第13世代
Core i9(第13世代)
24コア/32スレッド
(8P+16E)
5.0
5.0
4.75
1.25
第12世代
Core i9(第12世代)
16コア/24スレッド
(8P+8E)
4.5
4.75
4.5
1.75

最上位モデルのCore i9です。各種性能で同世代では他モデルより高い性能を発揮し、特に超多コアによる圧倒的なマルチスレッド性能が魅力です。

ただし、その代わりに性能以外ではデメリットも大きいCPUであることは留意しておくべき点です。

消費電力および発熱は非常に多く扱いにくい他、価格も非常に高価となります。電力面のデメリットのせいで非常に高性能なクーラーと大容量の電源が求められ、マザーボードも性能に合わせた良質で高価なものが必要となりますから、総合的な追加費用はCPU価格差以上に大きく、Core i7との価格は1~2万円程度では済まないことが基本です。このように、処理性能に特化する代わりにその他の面が大幅に悪い、という極端なCPUとなっています。

第13世代と第12世代のCore i9ですが、基本的に第13世代一択です。

第12世代のCore i9は第13世代のCore i7と同じコア構成なので、少し安価な第13世代のCore i7の方がお得です。そのため、第12世代Core i9は、BTOや既製品のPCで在庫処分で大きな値下げが見られる場合のみ選択肢に入ります。

Core i7

総合ざっくり評価
CPU名
マルチ
スレッド
シングル
スレッド
ゲーミング
消費電力
発熱
第13世代
Core i7(第13世代)
16コア/24スレッド
(8P+8E)
4.5
4.75
4.75
1.75
第12世代
Core i7(第12世代)
12コア/20スレッド
(8P+4E)
4.0
4.75
4.5
2.75

高性能モデルの定番のCore i7です。各種性能で非常に優れた性能を発揮し、ゲーミング性能に関してはCore i9とも基本差はわずかなので、高コスパ高性能CPUとして非常に強力な選択肢です。

第13世代と第12世代のCore i7ですが、コスパとゲーミング性能を重視するなら第13世代の方がやや上ですが、第13世代Core i7は無印が値上がりしたので、第12世代Core i7も価格面でまだ少し優位性があります。Eコアが増えたところで実用性が変わらない用途にしか使用しない場合(CPU使用率100%になることがほぼない)、より安い第12世代の方が実用コスパは上となる可能性もあります。

そのため、第13世代のCore i7も非常に高性能でコスパは良くて悪くないですが、標準設定では消費電力が大幅増となったためにCPUクーラーの敷居が上がったことも気になりますし、第12世代Core i7の在庫処分品も非常に狙い目だと思います。

Core i5

総合ざっくり評価
CPU名
マルチ
スレッド
シングル
スレッド
ゲーミング
消費電力
発熱
第13世代 K付き
Core i5 K付き(第13世代)
14コア/20スレッド
(6P+8E)
4.0
4.75
4.5
2.75
第13世代 500番
Core i5 500番台(第13世代)
14コア/20スレッド
(6P+8E)
3.75
4.5
4.25
3.5
第13世代 400番
Core i5 400番台(第13世代)
10コア/16スレッド
(6P+4E)
3.5
4.25
4.25
4.0
第12世代 K付き
Core i5 K付き(第12世代)
10コア/16スレッド
(6P+4E)
3.75
4.5
4.25
3.5
第12世代 無印
Core i5 K無し(第12世代)
6コア/12スレッド
(Pコアのみ)
3.0
3.75
4.0
4.0

ミドルレンジモデルのCore i5です。ミドルレンジとはいっても、今では十分に高性能と言えるCPUです。一般用途なら出来ないことはないくらいの性能はあります。価格がCore i7やCore i9よりも大きく安いことと、コスパの良さが魅力のモデルです。

第13世代と第12世代のCore i5ですが、基本的に第13世代の方がおすすめです。第12世代のCore i5の無印モデルはEコアの無い6コアCPUとなっているため、マルチスレッド性能が格段に落ちます。

第13世代の方が少し値上がりはしてしまったものの、値上げはおおよそ3,000円~5,000円程度であるのに対し、性能向上率は従来の3割近くと非常に大きいので、コスパは明らかに第13世代の方が良いです。

第12世代でも唯一「Core i5-12600K(F)」については、第13世代ともゲーミング性能差も変わらず、「Core i5-13400(F)」よりも少し高性能なため選択肢に入ると思いますが、元々あまり採用率の高くないCPUであるため、わざわざ考慮に入れるほどではないかなと思います。ただし、BTOや既製品PCで在庫処分の大幅な値下げが行われる可能性もあるので、頭の隅に置いておくともしかしたら役に立つかもしれません。

また、ほぼ自作専用に近いですが、「Core i5-13500」のコスパが頭一つ抜けて優れているのも注目です。3万円台中盤という価格(2023年2月時点)ながら14コアを搭載しており、コア単価が圧倒的に安くてコスパが良いです。無印Core i7(16コア)が5万円台ということを考えるとその安さがわかると思います。ほとんどのユーザーは導入できる余地がないCPUではありますが、もしカスタマズで選べる場合やコスパ特化で自作する場合には必見のCPUです。

Core i3

総合ざっくり評価
CPU名
マルチ
スレッド
シングル
スレッド
ゲーミング
消費電力
発熱
第13世代
Core i3(第13世代)
4コア/8スレッド
(Pコアのみ)
1.75
3.75
3.25
4.25
第12世代
Core i3(第12世代)
4コア/8スレッド
(Pコアのみ)
1.75
3.75
3.25
4.25

Core i3はCoreシリーズの中で一番低性能なエントリーモデルです。一般用途を一通りこなせるくらいの性能は持ちつつも非常に安価なのが魅力のモデルです。

価格および消費電力面では優秀ですが、4コアなので処理性能が上位モデルと比べると圧倒的に低く、重い処理が厳しいのが致命的です。

プラス1万円程度でCore i5にすることができ、出来ることの幅がグッと広がります。軽作業しかしないスリムPCなどでの需要はあるかもしれませんが、基本的にはCore i5以上にすることを推奨します。

おすすめCPU

最後に、第13,12世代のCoreシリーズの中で、特におすすめのCPUを紹介しています。掲載の価格は、2023年1月24日時点のものとなっています。

Core i7-13700(F)

ざっくり評価
コスパ
(4.5)
マルチ性能
(4.5)
シングル性能
(5.0)
ゲーミング
(5.0)
発熱・消費電力
(2.0)

スペック表
CPU名称Core i7-13700(F)
PassMarkスコア
約42,600
動作クロック2.1GHz-5.2GHz – Pコア
1.5GHz-4.1GHz – Eコア
コア/スレッド16(8P+8E)/24
TDP65W – 219W
内蔵GPUIntel UHD Graphics 770
※末尾Fは無し
価格無印:約56,280円 
F:約53,980円 ※2023年2月9日時点
購入ページ
AmazonF

5万円台で前世代Core i9並みの性能、高性能ゲーミングPCの安定の選択肢

第13世代の無印のCore i7です。従来のCore i7(無印)より少し値上がりしたものの、16コアで5万円台は魅力的です。標準設定だとK付きよりも大きく性能が下回りますが、電力制限を解除することでK付きに近い性能まで引き上げることが可能です(クーラーも高性能なものが必要となる点は注意)。その際のマルチスレッド性能向上は驚異の前世代比30%以上で、コスパは格段に向上しています。予算を悪くしすぎない範囲の高性能かつコスパ重視のゲーミングPCが欲しいならとりあえずこれを選んでおけば良いかなと思います。

ただし、先にも述べた通り無印とはいえ、性能重視で使おうとすれば最大消費219Wの高消費電力&高発熱CPUなのでその点は注意が必要です。コスパ重視のBTO PCで標準採用されることが多い12cmファン1基の空冷では頼りない点は留意。


Core i5-13400(F)

ざっくり評価
コスパ
(4.5)
マルチ性能
(3.5)
シングル性能
(4.0)
ゲーミング
(4.0)
発熱・消費電力
(3.0)

スペック表
CPU名称Core i5-13400(F)
PassMarkスコア
約26,300
動作クロック2.5GHz-4.6GHz – Pコア
1.8GHz-3.3GHz – Eコア
コア/スレッド10(6P+4E)/16
TDP65W – 148W~154W
内蔵GPUIntel UHD Graphics 730
※末尾Fは無し
価格無印:約32,880円 
F:約28,980円 ※2023年2月9日時点
購入ページ
AmazonF

Eコア追加で性能が飛躍的に向上した安価なCore i5

第13世代の下位のCore i5です。第13世代で遂にEコアが追加され、10コアCPUになりました。マルチスレッド性能が格段に向上し、低性能感が一気に払拭されました。

上位モデルと比べるとマルチスレッド性能差は未だに大きくはあるものの、このレベルの性能があれば困る人は一般の方で困る人はほとんど居ないと思われるので、実用コスパは凄いです。

前世代より少し値上がりした点は残念ではあるものの、それを補って余りある性能向上があるため、第12世代の「Core i5-12400(F)」と比べてもこちら一択かなと思います。


Core i5-13500

ざっくり評価
コスパ
(5.0)
マルチ性能
(4.0)
シングル性能
(4.0)
ゲーミング
(4.0)
発熱・消費電力
(3.0)

スペック表
CPU名称Core i5-13500
PassMarkスコア
約32,540
動作クロック2.5GHz-4.8GHz – Pコア
1.8GHz-3.5GHz – Eコア
コア/スレッド14(6P+8E)/20
TDP65W – 154W
内蔵GPUIntel UHD Graphics 770
価格約35,800円 
※2023年2月26日時点
購入ページ

コア単価が非常に安い超高コスパCore i5

第13世代のCore i5の中位モデルです。13500の魅力はコア単価の安さです。3万円台という価格ながら14コアを搭載しており、明らかに安いです。マルチスレッド性能は前世代のCore i7に匹敵しており、コスパがめちゃくちゃ良いです。

残念ながら、従来から500番台はBTOや既製品PCでは採用されないモデルとなっているため、実質ほぼ自作専用となっていますが、自作する場合やカスタマイズで選べる場合には非常に有力な選択肢になります。

ただし、コア以外は無印のCore i5の仕様を受け継いでおり、オーバークロックは当然出来ない他、電力制限の最大値も厳しめなので、性能の伸び代があまりない点は一応留意です。


Core i5-13600K(F)

ざっくり評価
コスパ
(4.5)
マルチ性能
(4.0)
シングル性能
(4.5)
ゲーミング
(4.5)
発熱・消費電力
(2.5)

スペック表
CPU名称Core i5-13600K(F)
PassMarkスコア約 38,000
動作クロックPコア:3.5GHz-5.1GHz
Eコア:2.6GHz-3.9GHz
コア/スレッド
14コア/20スレッド
(6P+8E)
TDP125W – 181W
内蔵GPUIntel UHD Graphics 770
※末尾Fは無し
価格K:約45,980円
KF:約45,980円
※2023年2月9日時点
購入ページ
AmazonF

従来のCore i7くらいの価格のCPUが良いならこれ

第13世代のCore i5のK付きモデルです。Eコアが8コアとなり、合計14コアになっています。前世代のCore i7も1割以上上回る非常に優れたマルチスレッド性能を発揮します。Core i5という肩書は忘れた方が良い高性能CPUです。

希望小売価格の値上げ、円安、マザーボードの値上げなどで第13世代Core搭載PCは従来より全体的に高価なので、従来のCore i7くらいの価格が良い場合におすすめのCPUです。標準の電力設定も第12世代のCore i7に近いです。

コスパも普通に良いですし、空冷運用もCore i7よりしやすいので、意外と丁度良い選択になるケースは多いと思います。


Core i9-13900K(F)

ざっくり評価
コスパ
(4.5)
マルチ性能
(5.0)
シングル性能
(5.0)
ゲーミング
(5.0)
発熱・消費電力
(1.0)

スペック表
CPU名称Core i9-13900K(F)
PassMarkスコア
約 60,000
動作クロックPコア:3.0GHz-5.8GHz
Eコア:2.2GHz-4.3GHz
コア/スレッド
24コア(8P+16E)/32スレッド
TDP125W – 253W
内蔵GPUIntel UHD Graphics 770
※末尾Fは無し
価格K:約82,980円
KF:約79,780円
※2023年2月9日時点
購入ページ
AmazonF
24コアによる圧倒的なマルチスレッド性能
第13世代のCore i9です。合計24コアによる圧倒的なマルチスレッド性能が魅力です。ゲーミング性能ももちろん高いです。
その代わり、価格は8万円台後半(2023年1月時点)とめちゃくちゃ高価な上、消費電力と発熱も非常に多いため、その他の追加費用も高額です。そのデメリットを考えて検討することになります。
デメリットも大きいですが、マルチスレッド性能コスパおよび電力効率も意外と悪くないため、高負荷なマルチスレッド処理が継続的に必要となる用途の場合には全然悪くない選択肢です。


記事はここまでになります。ご覧いただきありがとうございました。

4 COMMENTS

スター

アドバイスして頂いてありがとうございます!
h9flowが無難そうなのでそちらにしたいと思います!

返信する
スター

コメント失礼します。
初めて自作PCを組もうと思ってるのですが
pcケース nzxt h9 flowに ROG STRIX Z690Fは組めますか?
今のところ
CPU core i7 13700(k)
GPU 4070ti
cpuクーラー deepcool LE720
マザーボード ROG STRIX Z690F
pcケース nzxt h9 flow もしくは
   deepcool CH510 MESH DIGITAL
にするつもりなのですが実際組み込めるか不安なので
アドバイス頂けると助かります。

返信する
とねりん:管理人

特に小型のケースという訳でもないですし、サイズはマザーボードもグラボもカタログスペック上は問題なさそうに見えます。

注意した方が良さそうなのは、CH510 MESH DIGITALの場合は付属ファンが12cmファンが1基しかないので、別途ファンを用意する必要がある点くらいです。

返信する
とねりん:管理人

追記:書き忘れていましたが、Z690は発売時には第13世代Coreシリーズが無かったので、起動前にBIOSの更新が必要となる可能性がある点も注意点でした。

返信する

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です