遂に登場となった「Ryzen 9000シリーズ」の第一弾、「Ryzen 7 9700X」と「Ryzen 5 9600X」のざっくり評価記事です。日本での発売はもう少し後になるようですが、海外ではレビューおよび発売が開始されたので、海外レビューを参考にざっくり評価していきたいと思います。
本記事の内容は記事執筆時点(2024年8月8日)のものとなります。ご覧になっている際には異なる可能性があるため注意してください。
掲載の価格は、主にAmazonや価格.comを参考にしたおおよその市場価格です。
追記:本記事の投稿後に、Windowsの更新による分岐予測性能の改善のアップデートが行われ、特にゲーム性能ではわずかに改善が見られているようです(ただし、分岐予測性能の改善はRyzen 9000だけでなく、Ryzen 5000~7000にも影響するらしいので、Ryzen間の相対的な差はほぼ変わらず)。そのため、実際のゲーム性能はわずかに高くなっていることを意識してご覧いただいた方が良いかもしれません。
簡易比較表
前世代との比較
まずは、前世代の「Ryzen 7000シリーズ」の先代モデルと比較して仕様を確認していきます。
Ryzen 7 9700X | Ryzen 5 9600X | Ryzen 7 7700X (無印) | Ryzen 5 7600X (無印) | |
---|---|---|---|---|
アーキテクチャ | Zen 5 | Zen 5 | Zen 4 | Zen 4 |
プロセス | 4nm + 6nm (CCD + IOD) | 4nm + 6nm (CCD + IOD) | 5nm + 6nm (CCD + IOD) | 5nm + 6nm (CCD + IOD) |
ソケット | AM5 | AM5 | AM5 | AM5 |
コア | 8コア | 6コア | 8コア | 6コア |
スレッド | 16スレッド | 12スレッド | 16スレッド | 12スレッド |
TDP(PL1) | 65W | 65W | 105W(65W) | 105W(65W) |
PPT (TDP/PL2) | 88W | 88W | 142W(88W) | 142W(88W) |
クロック(基本) | 3.8GHz | 3.9GHz | 4.5GHz | 4.7GHz |
クロック(最大) | 5.5GHz | 5.4GHz | 5.4GHz | 5.3GHz |
L1キャッシュ | 640KB | 480KB | 512KB | 384KB |
L2キャッシュ | 8MB | 6MB | 8MB | 6MB |
L3キャッシュ | 32MB | 32MB | 32MB | 32MB |
Tjunction max (最大温度) | 95℃ | 95℃ | 95℃ | 95℃ |
内蔵GPU | Radeon Graphics (RDNA2 / 2CU) | Radeon Graphics (RDNA2 / 2CU) | Radeon Graphics (RDNA2 / 2CU) | Radeon Graphics (RDNA2 / 2CU) |
対応メモリ (定格最大) | DDR5-5600 | DDR5-5600 | DDR5-5200 | DDR5-5200 |
発売時の 希望小売価格 | 359ドル | 279ドル | 399ドル (329ドル) | 299ドル (229ドル) |
おおまかなCPU仕様の違いは以上のような感じになっています。
「Ryzen 9000シリーズ」では、CPUのアーキテクチャがZen 4からZen 5に更新され、CCDの製造プロセスが5nm→4nmへとわずかに微細化されています。しかし、それ以外の点は前世代の「Ryzen 7000シリーズ」と大差の無い設計となっているため、分かり易いシリーズになっています。
ソケットも前世代と同じ「Socket AM5」を採用しているため、既存の600シリーズチップセット(B650等)を使うことができます(BIOSアップデートが必要になる可能性はあるので注意)。CPUクーラーも既存のものを使うことができるため、他パーツの登場や価格を気にせずに導入可能なのは嬉しい点です。
コア・スレッド数も前世代と同じで、Ryzen 5が6コア12スレッド、Ryzen 7が8コア16スレッドです。Coreとは異なり、小型コア(Eコア)を含まないシンプルなコア構成です。発売はもう少し後になりますが、Ryzen 9では12コアと16コアモデルが発売されます。
少し変わる点としては、先代にあたる「Ryzen 7 7700X」と「Ryzen 5 7600X」ではTDPが105Wに設定されていたのが、「Ryzen 7 9700X」と「Ryzen 5 9600X」では65Wと低めに設定されている点があります。X付きですが、立ち位置は先代の無印モデル(TDP:65W)と同じになると思います。
この変更により消費電力と発熱が減り、低性能なクーラーでも冷やし易くなったのは良い点です。しかし、X付きモデルではCPUクーラーが付属しないのが少し残念です。結局CPUクーラーの費用は別途必要になってしまいます。
その他の仕様値に関しては、L1キャッシュがわずかに増量されたくらいで、ほとんどが前世代と同様です。
価格面では、日本での価格はまだ明らかになっていませんが、米国における発売時の希望小売価格は前世代よりも若干安くなったのは注目です。
「Ryzen 5 9600X」は279ドルとなっており、先代の7600Xの299ドルより20ドル安くなりました。「Ryzen 7 9700X」は359ドルで、先代の7700Xの399ドルよりも40ドル安くなりました。最近では珍しい値下げです。
また、最近では利上げの影響などで円高が急速に進んでおり、一時は1ドル160円を超えていたのが、記事執筆時点では1ドル146円台まで下がっています。
日本の価格に反映されるまでに少し期間が必要になるとは思いますが、少し待てば大幅に値下がりする可能性があります。新世代のCPUの発売直後は、少し間高価になるのが通例ということもあり、性能に関わらず、購入は価格が下がるのを待ってからの方が良さそうです。
また、CPU自体への変更ではないと思われますが、Ryzen 9000シリーズではRyzen 7000シリーズで利用可能だった「Curve Optimizer」を拡張した「Curve Shaper」という機能が使えるようになります。
詳細は割愛しますが、温度や負荷ごとに電圧オフセットを細かく設定することができる機能で、この機能により低負荷時の無駄なクロックブーストを防ぎつつも、高負荷なワークロードでは高いパフォーマンスを維持できるというものらしいです。
既存の電圧オフセット機能「Curve Optimizer」では全体に一律の値しか与えることができなかったため、低負荷時(シングルスレッド処理など)の負荷のみを下げるには最大クロックを下げるしかなく、そうするとシングルスレッド性能や高負荷時のパフォーマンスにも影響が出てしまうという不便さがありましたが、そこが改善されるっぽい?です。
ただし、恐らくこれは「Ryzen 9000シリーズ」特有の機能ではない可能性もあり、大きく評価を上げる要素とも正直思えないので、触れるだけに留めておこうと思います。
他の既存CPUとの比較
※掲載の価格は記事執筆時点のおおよその市場価格です。
CPU名 | コア | スレッド | クロック 定格 / 最大 | TDP (PL1 – PL2) | iGPU | L3 キャッシュ | 参考価格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Ryzen 9 9950X | 16 | 32 | 4.3 / 5.7GHz | 170W – 230W | RDNA 2(2CU) | 64MB | |
Ryzen 9 7950X3D | 16 | 32 | 4.2 / 5.7GHz | 120W – 162W | RDNA 2(2CU) | 128MB | 92,800円 |
Ryzen 9 7950X | 16 | 32 | 4.5 / 5.7GHz | 170W – 230W | RDNA 2(2CU) | 64MB | 79,980円 |
Core i9-14900K | 24 (8P+16E) | 32 | 3.2 / 6.0GHz 2.4 / 4.4GHz | 125W – 253W | UHD 770 | 36MB | 92,380円 |
Core i9-14900KF | 24 (8P+16E) | 32 | 3.2 / 6.0GHz 2.4 / 4.4GHz | 125W – 253W | 無し | 36MB | 89,280円 |
Core i7-14700K | 20 (8P+12E) | 28 | 3.4 / 5.6GHz 2.5 / 4.3GHz | 125W – 253W | UHD 770 | 33MB | 66,030円 |
Core i7-14700KF | 20 (8P+12E) | 28 | 3.4 / 5.6GHz 2.5 / 4.3GHz | 125W – 253W | 無し | 33MB | 63,980円 |
Core i7-14700 | 20 (8P+12E) | 28 | 2.1 / 5.4GHz 1.5 / 4.2GHz | 65W – 219W | UHD 770 | 33MB | 63,950円 |
Core i7-14700F | 20 (8P+12E) | 28 | 2.1 / 5.4GHz 1.5 / 4.2GHz | 65W – 219W | 無し | 33MB | 60,980円 |
Ryzen 9 9900X | 12 | 24 | 4.4 / 5.6GHz | 120W – 162W | RDNA 2(2CU) | 64MB | |
Ryzen 9 7900X3D | 12 | 24 | 4.4 / 5.6GHz | 120W – 162W | RDNA 2(2CU) | 128MB | 66,880円 |
Ryzen 9 7900X | 12 | 24 | 4.7 / 5.6GHz | 170W – 230W | RDNA 2(2CU) | 64MB | 61,900円 |
Ryzen 9 7900 | 12 | 24 | 3.7 / 5.4GHz | 65W – 88W | RDNA 2(2CU) | 64MB | 55,700円 |
Core i5-14600K | 14 (6P+8E) | 20 | 3.5 / 5.3GHz 2.6 / 4.0GHz | 125W – 181W | UHD 770 | 24MB | 49,480円 |
Core i5-14600KF | 14 (6P+8E) | 20 | 3.5 / 5.3GHz 2.6 / 4.0GHz | 125W – 181W | 無し | 24MB | 45,980円 |
Ryzen 7 9700X | 8 | 16 | 3.8 / 5.5GHz | 65W – 88W | RDNA 2(2CU) | 32MB | 70,800円 |
Ryzen 7 7800X3D | 8 | 16 | 4.2 / 5.0GHz | 120W – 162W | RDNA 2(2CU) | 96MB | 59,800円 |
Ryzen 7 7700X | 8 | 16 | 4.5 / 5.4GHz | 105W – 142W | RDNA 2(2CU) | 32MB | 46,980円 |
Ryzen 7 7700 | 8 | 16 | 3.8 / 5.3GHz | 65W – 88W | RDNA 2(2CU) | 32MB | 45,980円 |
Ryzen 5 9600X | 6 | 12 | 3.9 / 5.4GHz | 65W – 88W | RDNA 2(2CU) | 32MB | 54,800円 |
Ryzen 5 7600X | 6 | 12 | 4.7 / 5.3GHz | 105W – 142W | RDNA 2(2CU) | 32MB | 33,800円 |
Ryzen 5 7600 | 6 | 12 | 3.8 / 5.1GHz | 65W – 88W | RDNA 2(2CU) | 32MB | 29,880円 |
Core i5-14400 | 10 (6P+4E) | 16 | 2.5 / 4.7GHz 1.8 / 3.5GHz | 65W – 154W | UHD 730 | 20MB | 35,480円 |
Core i5-14400F | 10 (6P+4E) | 16 | 2.5 / 4.7GHz 1.8 / 3.5GHz | 65W – 148W | 無し | 20MB | 33,480円 |
Ryzen 7 5700X3D | 8 | 16 | 3.0 / 4.1GHz | 105W – 142W | 無し | 96MB | 30,980円 |
Ryzen 7 5700X | 8 | 16 | 3.4 / 4.6GHz | 65W – ?W | 無し | 32MB | 22,700円 |
処理性能
各処理性能をベンチマークスコアを海外レビューを参考に見ていきます。使用されたメモリは、DDR5に対応しているモデルでは「DDR5-6000 CL36」で、DDR4の場合は「DDR4-3600 CL14」か「DDR4-3400 CL14」となっています。
ゲームのテストで使用されたGPUは「RTX 4090」となっています。
その他の細かい環境や設定等については、お手数ですが冒頭の参考リンク先の記事を参照してください。
マルチスレッド性能
マルチスレッド性能は、CPUの全コア稼働時の処理性能を表します。マルチスレッド性能が高いと、動画のソフトウェアエンコード(CPUエンコード)やレンダリングなど、膨大な量の処理に掛かる時間が短くなる他、複数タスクでのパフォーマンスが向上するなどのメリットがあります。
今回は、Cinebench 2024というレンダリングのベンチマークソフトで測定された数値で見ていきます。
CPU名称 | スコア |
---|---|
Core i9-14900K | |
Core i9-13900K | |
Ryzen 9 7950X | |
Ryzen 9 7950X3D | |
Core i7-14700K | |
Core i7-13700K | |
Ryzen 9 7900X | |
Core i9-12900K | |
Ryzen 9 5950X | |
Core i5-14600K | |
Core i5-13600K | |
Core i7-12700K | |
Ryzen 9 5900X | |
Ryzen 7 9700X | |
Ryzen 7 7700X | |
Ryzen 7 7700 | |
Ryzen 7 7800X3D | |
Core i5-12600K | |
Ryzen 5 9600X | |
Ryzen 5 7600X | |
Ryzen 7 5800X3D | |
Ryzen 5 7600 | |
Core i5-13400F | |
Ryzen 7 5700X | |
Core i5-12400F | |
Ryzen 5 5600X |
マルチスレッド性能は先代から5%~10%程度の向上
マルチスレッド性能は、先代モデル(7700X / 7600X)からおおよそ5%~10%程度の向上です。
試しに旧世代の向上率を見てみると、「Ryzen 7 5700X」と「Ryzen 7 7700」を比較しても+33.8%なので、10%程度は低いです。正直期待外れかなと思います。
X無しモデルと比較すれば、やや高い9%~15%程度の向上になるものの、どちらにせよ新世代としては微妙な向上率かなと思います。
一応、希望小売価格の低下や円高傾向など、価格面では期待ができそうな要素が多いため、少なくともCoreの次世代が登場するまではコスパでは悪くない選択肢になる可能性はありますが、7600や7700などのX無しモデルも販売が続けられるのなら、そちらの方がやや安価ではあると思われ、実用性もほとんど変わらないと思うので、そちらと比較して一択レベルの良い選択肢となるのは難しそうに感じます。新世代というよりは、少し強化されたリフレッシュ版のような立ち位置になりそうです。
要するに、少なくともマルチスレッド性能コスパ的には消去法で優れた選択肢として浮上することはありそうですが、新世代に求められるような絶対的な優位性は、正直無さそうに見えます。
シングルスレッド性能
シングルスレッド性能は、1コアでの処理性能を表します。シングルスレッド性能が高いと、軽い処理に掛かる時間が短くなる(サクサク動く)他、全コア稼働時にも当然影響がありますので、ほぼ全ての処理に対して有利に働きます。
今回は、Cinebench 2024というベンチマークソフトで測定された数値で見ていきます。レンダリングのベンチマークテストです。
CPU名称 | スコア |
---|---|
Core i9-14900K | |
Ryzen 7 9700X | |
Core i9-13900K | |
Ryzen 5 9600X | |
Core i7-14700K | |
Core i7-13700K | |
Ryzen 9 7950X | |
Ryzen 9 7950X3D | |
Ryzen 9 7900X | |
Core i5-14600K | |
Core i9-12900K | |
Ryzen 7 7700X | |
Ryzen 5 7600X | |
Core i5-13600K | |
Core i7-12700K | |
Ryzen 7 7700 | |
Ryzen 7 7800X3D | |
Core i5-12600K | |
Core i5-13400F | |
Core i5-12400F | |
Ryzen 7 5800X3D | |
Ryzen 7 5700X | |
Ryzen 5 5600X |
シングルスレッド性能は先代から12.5%~17.8%程度のやや大きめの向上で、第13,14世代CoreのK付き並みに
シングルスレッド性能は約12.5%~17.8%のやや大きめの向上となっています。「Ryzen 7 9700X」は「Core i9-13900K」をわずかに上回る結果となっており、現状では非常に高いコア性能を持つCPUとなっています。
全CPUで見てもトップクラスですが、特に省電力CPUとしては高いシングルスレッド性能となっています。
ただし、現状のCoreに対しても優位性はわずかですから、Core側の新世代が登場すればまた抜かれる可能性が高いと思われます。
ゲーミング性能
この項目でのゲーミング性能は、実際にゲームを起動した際のFPSを見ていきます。内蔵GPUの性能ではなく、高性能なグラフィックボードを使用した際の性能である点に注意してください。
今回は10種類のゲームで測定したFPSの平均を見ていきます(レイトレーシング含む)。使用されたGPUは「GeForce RTX 4090」で、その他の設定はウルトラ(可能な限り最高の設定)です。測定に使用されたゲームタイトルやその他の環境は、お手数ですが記事冒頭のリンクからご確認お願いします。
また、計測タイトルは重量級ゲームが中心な上に最高設定なので、RTX 4090の割には全体的にfpsが低めです。本記事では触れませんが、軽いゲームでfpsが非常に高い場合は、他の性能よりもマルチスレッド性能が高いCPUの方が有利な傾向があります。
CPU名称 | スコア |
---|---|
Ryzen 7 7800X3D | |
Core i9-14900K | |
Ryzen 9 7950X3D | |
Core i9-13900K | |
Core i7-14700K | |
Core i7-13700K | |
Ryzen 7 9700X | |
Ryzen 5 9600X | |
Ryzen 9 7950X | |
Ryzen 7 7700X | |
Ryzen 9 7900X | |
Ryzen 7 7700 | |
Ryzen 5 7600X | |
Core i5-14600K | |
Ryzen 7 5800X3D | |
Core i5-13600K | |
Core i9-12900K | |
Core i7-12700K | |
Ryzen 9 5950X | |
Ryzen 9 5900X | |
Core i5-12600K | |
Core i5-13400F | |
Ryzen 7 5700X | |
Ryzen 5 5600X | |
Core i9-11900K | |
Core i5-12400F | |
Ryzen 7 5700G | |
Core i5-11400F |
CPU名称 | スコア |
---|---|
Ryzen 7 7800X3D | |
Core i9-14900K | |
Core i9-13900K | |
Core i7-14700K | |
Ryzen 9 7950X3D | |
Core i7-13700K | |
Ryzen 9 7950X | |
Core i5-14600K | |
Ryzen 5 9600X | |
Ryzen 7 9700X | |
Ryzen 9 7900X | |
Ryzen 7 7700X | |
Ryzen 7 5800X3D | |
Core i5-13600K | |
Core i9-12900K | |
Ryzen 7 7700 | |
Ryzen 5 7600X | |
Core i7-12700K | |
Ryzen 9 5950X | |
Ryzen 9 5900X | |
Core i5-12600K | |
Ryzen 7 5700X | |
Ryzen 5 5600X | |
Core i5-13400F | |
Core i9-11900K | |
Core i5-12400F | |
Ryzen 7 5700G | |
Core i5-11400F |
CPU名称 | スコア |
---|---|
Ryzen 7 7800X3D | |
Ryzen 9 7950X3D | |
Core i9-14900K | |
Core i9-13900K | |
Core i7-14700K | |
Core i7-13700K | |
Ryzen 9 7950X | |
Ryzen 9 7900X | |
Ryzen 7 5800X3D | |
Core i5-14600K | |
Ryzen 5 9600X | |
Ryzen 7 7700X | |
Ryzen 7 9700X | |
Core i9-12900K | |
Core i5-13600K | |
Ryzen 7 7700 | |
Core i7-12700K | |
Ryzen 5 7600X | |
Ryzen 9 5950X | |
Core i5-12600K | |
Ryzen 9 5900X | |
Core i5-13400F | |
Ryzen 5 5600X | |
Core i5-12400F | |
Ryzen 7 5700X | |
Core i9-11900K | |
Ryzen 7 5700G | |
Core i5-11400F |
ゲーム性能は先代からは2%前後の微増レベルの向上で、7800X3Dには劣る結果に
注目度の高いゲーム性能ですが、残念ながら微増レベルです。フルHD平均を見てみると、先代モデルと比較するとfpsは2%前後のわずかな向上でした。
事前発表ではIPCは16%向上しているとのことだったので、もう少し高い向上率を期待していたのですが、想像よりも大分低い向上率でした。
前世代でゲーム性能トップと名高い「Ryzen 7 7800X3D」には追い付くことができず、fps平均の差も8%程度ということで割と大きいです。キャッシュ量がそこまで影響を与えないゲームであれば少し優位な状況も見られましたが、総合的には7800X3Dの方が有利でした。
また、第13,14世代のCoreのK付き(例:Core i7-14700K 等)にも届いていないのも残念です。
この結果を見ると、Ryzen 9000シリーズのX3D以外のモデル(3D V-Cache無しモデル)は、ゲーム性能では強くはないと言わざる得ないと思います。マルチスレッド性能が高ければ、軽めゲームでの優位性が得られることもありますが、9600Xと9700Xに関してはマルチスレッド性能も高くはないのが厳しいところ。
Ryzen 9の登場はまだですが、重めのゲームでは8コア以上のコアも大して意味を成さない現状があるため、大きな向上は見込めないと思うので、ゲーム面の評価は大きくは変わらないと思います。fpsが非常に高く出る軽量ゲームならやや優位性が得られる程度のものだと思います。
希望小売価格の低下や円高傾向のことを考えると、予想以上に安価に購入できる可能性もあるので、その場合には低価格の選択肢としては有力になる可能性こそあるものの、出来るだけ高いゲーム性能を目指すCPUとして有力となるのは難しそうな印象です。
そのため、ゲーム性能特化のCPUが欲しいなら、やはりRyzen 9000X3Dモデルか、Coreの次世代を待つのが良さそうに感じます。
とはいえ、先代よりはゲーム性能は向上はしていますし、先にも述べた通りキャッシュ量がパフォーマンスにそれほど関係しないゲームの場合や、RTX 4090ほどではないハイエンド未満のGPUを使用する場合には、Ryzen 7000X3Dモデルにも大した差はつかないと思われますし、後述の温度面ではRyzen 7000X3Dよりは若干有利なので、状況や予算節約重視の場合には選択肢には入る可能性はあると思います。
消費電力や効率
消費電力
消費電力を見ていきます。非常に高負荷なレンダリングソフト「Blender」による消費電力と、ゲーミング時平均(1080p/12タイトル)による消費電力の二つを見ていきます。
CPU名称 | 消費電力 |
---|---|
Ryzen 7 5700X | |
Ryzen 5 5600X | |
Core i5-12400F | |
Core i5-13400F | |
Ryzen 7 7800X3D | |
Ryzen 9 7900 | |
Ryzen 7 7700 | |
Ryzen 5 9600X | |
Ryzen 7 9700X | |
Ryzen 7 5800X3D | |
Ryzen 5 7600X | |
Ryzen 9 5950X | |
Core i5-12600K | |
Ryzen 9 5900X | |
Ryzen 7 7700X | |
Core i5-13600K | |
Core i5-14600K | |
Ryzen 9 7950X3D | |
Core i7-12700K | |
Ryzen 9 7900X | |
Core i7-13700K | |
Core i7-14700K | |
Core i9-12900K | |
Ryzen 9 7950X | |
Core i9-13900K | |
Core i9-14900K |
CPU名称 | 消費電力 |
---|---|
Core i5-12400F | |
Ryzen 7 7800X3D | |
Ryzen 5 5600X | |
Core i5-13400F | |
Ryzen 7 5700X | |
Ryzen 7 5800X3D | |
Ryzen 7 7700 | |
Core i5-12600K | |
Ryzen 5 9600X | |
Ryzen 5 7600X | |
Ryzen 9 7950X3D | |
Ryzen 7 7700X | |
Ryzen 9 7900 | |
Ryzen 7 9700X | |
Core i7-12700K | |
Core i5-14600K | |
Core i5-13600K | |
Ryzen 9 5900X | |
Core i9-12900K | |
Core i7-13700K | |
Ryzen 9 7900X | |
Ryzen 9 5950X | |
Core i7-14700K | |
Ryzen 9 7950X | |
Core i9-13900K | |
Core i9-14900K |
消費電力は高負荷時でも80W未満と少なくて良い
TDPが65W~88Wと低いので、消費電力は少ないです。高負荷なレンダリングのベンチマークテスト中でも9700Xと9600Xの両方とも80Wと少なく、ゲーム中でもおおよそ60W~70W程度となっており、省電力です。TDP設定が同じ、先代のX無しモデルと似た結果になっています。
小さめの空冷クーラーでも冷やすことができそうですし、排熱にも大きく気を遣わないで良さそうなのは強みかなと思います。
ただし、正直なところ、消費電力も特別良いというほどではないです。Core i5-13400Fの方が一段少ないですし、先代のX無しモデル(Ryzen 5 7600 等)とほぼ変わらない結果です。
電力効率(ワットパフォーマンス)
電力効率を見ていきます。レンダリングおよびゲーミング時の効率です。
各テストで得られたスコアを消費電力で割って算出した、1Wあたりのスコアで見ていきます。ただし、効率が悪かったとしても、レンダリングなどの処理量が決まっているスコアでは高性能な方が処理を早く終えることが出来るため優位性がありますし、ゲームにおいても高いfpsを得ているので、効率が悪いから一概にダメという訳ではない点を留意です。
CPU名称 | 1Wあたりのスコア |
---|---|
Ryzen 9 7900 | |
Ryzen 9 7950X3D | |
Ryzen 7 7800X3D | |
Ryzen 7 9700X | |
Ryzen 7 7700 | |
Core i5-13400F | |
Ryzen 7 5700X | |
Ryzen 9 5950X | |
Ryzen 5 9600X | |
Ryzen 5 5600X | |
Core i5-12400F | |
Ryzen 7 5800X3D | |
Core i5-14600K | |
Ryzen 9 5900X | |
Ryzen 9 7900X | |
Core i5-13600K | |
Ryzen 9 7950X | |
Ryzen 7 7700X | |
Core i5-12600K | |
Core i7-14700K | |
Core i7-12700K | |
Core i9-14900K | |
Ryzen 5 7600X | |
Core i7-13700K | |
Core i9-13900K | |
Core i9-12900K |
CPU名称 | 1Wあたりのfps |
---|---|
Ryzen 7 7800X3D | |
Core i5-12400F | |
Ryzen 5 5600X | |
Core i5-13400F | |
Ryzen 7 5700X | |
Ryzen 7 5800X3D | |
Ryzen 7 7700 | |
Ryzen 5 9600X | |
Ryzen 9 7950X3D | |
Ryzen 5 7600X | |
Core i5-12600K | |
Ryzen 7 7700X | |
Ryzen 7 9700X | |
Core i5-14600K | |
Core i7-12700K | |
Ryzen 9 7900 | |
Core i5-13600K | |
Core i7-13700K | |
Core i9-12900K | |
Ryzen 9 7900X | |
Core i7-14700K | |
Ryzen 9 5900X | |
Ryzen 9 7950X | |
Ryzen 9 5950X | |
Core i9-13900K | |
Core i9-14900K |
非常に優れた電力効率だけど、先代のX3DやX無しモデルと同じか少し劣るレベル
電力効率は非常に優れています。先代のX付きモデルや、第13,14世代CoreのK付きモデルは圧倒的に上回っています。
ただし、先代のX3DとX無しモデル(例:Ryzen 7 7800X3D、Ryzen 9 7900)などと比べると、同水準か少し劣るレベルとなっています。CoreのK無しモデルに対しても同様です。
特にゲーム時の効率に関しては、既存CPUにも劣るケースが多く、優れてはいるけど…といった印象です。新世代CPUとしてのインパクトは無いです。
発売前は電力効率は大きく改善という噂も多かったですが、恐らくこれはX付きなので前世代のX付きモデルと比較されていたからだと思います。実際には65WクラスCPUですから、省電力CPUと比較されるべきであり、そちらと比較すると前世代に対しても優位性はほとんどないという状況でした。
個人的に、少なくとも電力効率だけは良くなるだろうと思っていたのですが、そこも特別な良さは無かったので、正直残念でした。
温度
CPUの温度を見ていきます。非常に高負荷なレンダリングソフト「Blender」動作時と、ゲーミング時(Cyberpunk 2077)の二つの温度を見ていきます。基準温度は25℃で、動作から10分後の定常状態の温度となっています。
冷却システムは、CPUクーラーに「NH-D15」が使用されています。14cmファン2基でファン1つに付き1つのヒートシンクを備えたツインタワー空冷クーラーとなっており、空冷としては非常に高い冷却能力となっています。しかし、240mm以上の水冷やハイエンド空冷にはやや劣る冷却能力です。
CPU名称 | 温度 |
---|---|
Core i5-13400F | |
Core i5-12400F | |
Ryzen 9 7900 | |
Ryzen 7 5700X | |
Core i9-11900K | |
Ryzen 5 5600X | |
Ryzen 7 9700X | |
Ryzen 9 5950X | |
Ryzen 5 7600 | |
Ryzen 7 7700 | |
Ryzen 9 5900X | |
Core i5-12600K | |
Ryzen 5 9600X | |
Core i5-14600K | |
Core i5-13600K | |
Core i7-12700K | |
Ryzen 7 5800X3D | |
Ryzen 7 7800X3D | |
Ryzen 9 7950X3D | |
Core i7-14700K | |
Core i7-13700K | |
Core i9-14900K | |
Ryzen 7 7700X | |
Ryzen 5 7600X | |
Core i9-12900K | |
Ryzen 9 7900X | |
Ryzen 9 7950X | |
Core i9-13900K |
CPU名称 | 温度 |
---|---|
Core i5-12400F | |
Core i5-13400F | |
Ryzen 7 5700X | |
Ryzen 9 7900 | |
Core i5-12600K | |
Core i7-12700K | |
Ryzen 9 7950X3D | |
Ryzen 5 7600 | |
Ryzen 5 5600X | |
Core i9-11900K | |
Core i5-14600K | |
Ryzen 9 5900X | |
Core i9-12900K | |
Ryzen 9 7950X | |
Ryzen 7 7700 | |
Ryzen 7 9700X | |
Core i5-13600K | |
Ryzen 9 5950X | |
Ryzen 7 7700X | |
Ryzen 5 9600X | |
Core i7-14700K | |
Ryzen 9 7900X | |
Ryzen 7 5800X3D | |
Core i7-13700K | |
Ryzen 5 7600X | |
Ryzen 7 7800X3D | |
Core i9-14900K | |
Core i9-13900K |
CPU温度は低くて空冷でも十分対応可能。ただ、こちらも先代のX無しモデルと同レベル
CPU温度は超高負荷時でも平均で60℃中盤程度となっており良好です。空冷でも十分対応可能なのは嬉しいです。
しかし、やはり先代のX無しモデルと同レベルの温度となっており、特別優位性がある訳ではありません。何なら、ゲーム時には思ったよりも高めの温度となっていて若干劣っています。パフォーマンスが少し向上しているため、単純に劣っている訳ではないものの、総合的に見ても良いと言えるかはちょっと怪しいレベルかなと思います。
先代のX無しモデルと違ってクーラーが付属しない点もマイナスポイントですし、「Ryzen 9 7900」「Core i5-13400F」「Ryzen 7 5700X」などには一段劣っており、これらのCPUは現在の市場でも強力なコスパのCPUたちなので、温度面でも選ぶ決め手となるほどの良さはないです。
しかし、ゲーム性能はわずかながら向上しており、それらのトップ層の効率のCPUたちよりは良いので、「温度を出来るだけ低くしたくて、ゲーム性能も出来るだけ妥協したくない」という場合には一応有力な選択肢にはなると思います。
まとめ
ざっくりと各性能を見てきました。最後に評価をまとめています。
Ryzen 7 9700X
- 優れたシングルスレッド性能
- 高負荷時でも80W程度の低消費電力
- 優れた電力効率
- 高負荷時でも発熱が少ない
- 小型コアを含まないため、コア割り当てや最適化などでの不具合がCoreより起きにくい
- 内蔵GPUあり(性能は低い)
- 既存の600シリーズチップセットマザーボードで利用可能(BIOS更新が必要になる可能性はあるので注意)
- ゲーム性能が「Ryzen 7 7800X3D」や第13,14世代CoreのK付きに劣る
- シングルスレッド性能以外は先代のRyzen 7 7700(X)と大差はない性能
- 性能の割に高価(359ドル)
- TDP:65Wモデルだけど付属クーラー無し
Ryzen 5 9600X
- 比較的安価(279ドル)
- 安価で13900K並みの優れたシングルスレッド性能
- 高負荷時でも80W程度の低消費電力
- 優れた電力効率
- 高負荷時でも発熱が少ない
- 小型コアを含まないため、コア割り当てや最適化などでの不具合がCoreより起きにくい
- 内蔵GPUあり(性能は低い)
- 既存の600シリーズチップセットマザーボードで利用可能(BIOS更新が必要になる可能性はあるので注意)
- ゲーム性能が「Ryzen 7 7800X3D」や第13,14世代CoreのK付きに劣る
- シングルスレッド性能以外は先代のRyzen 5 7600(X)と大差はない性能
- TDP:65Wモデルだけど付属クーラー無し
Ryzen 7 9700X:少し強化された Ryzen 7 7700
「Ryzen 7 9700X」は少し強化された「Ryzen 7 7700」という印象です。新アーキテクチャのZen 5採用ですが、新世代感はほぼなく、Zen 4+と言った方がしっくりくるレベルです。
シングルスレッド性能は先代から10%台中盤前後のやや大きめの向上が見られましたが、その他の各種性能はいずれも向上率はさほど大きくなく、一番差が大きいのがマルチスレッド性能で、X無しモデルと比較しても9%といった感じでした。
特に痛かったのは、フルHDの平均ゲーム性能が先代(7700/7700X)から2%前後のわずかな向上だった点です。「Ryzen 7 7800X3D」には当然及ばず、その差も8%とやや大きめです。
ゲーム性能に限るとはいえ、新世代なのに前世代にやや大きめの差を付けられて負けるというあまり見ない状況になっています。X3Dモデルが大容量キャッシュ「3D V-Cache」搭載の特殊なモデルという点は考慮すべきではあるものの、
5000→7000のときはシングル・マルチ性能で30%~40%と大きな向上率がありましたから、やはり新世代としては微妙感が否めなかったです。
ネガティブな評価を先にしてしまいましたが、良かった点としては、消費電力が少なく、温度も低めだった点があります。
高負荷時でも消費電力は80W程度と少なく、温度もハイエンド空冷なら高負荷時でも65℃程度までに低くなっており、空冷運用も十分可能です。クーラーの同梱が無いのは残念ですが、安価なクーラーで安心して運用できると思います。
ただ、その電力面に関しても実は7700とほぼ同じ水準ではあったりしますが…。
しかし、価格に関しては日本でのものはまだわからないものの、米国での希望小売価格が7700Xの発売時より40ドル安い359ドルとなっている他、最近円高傾向に転じたので大幅な値下がりが期待できるのは朗報です。
なのですが、TDPを考えると9600Xの本当の比較対象は329ドルで発売された7700(無印)の方ですし、そもそも現在では7700Xも値下がりして7700とほぼ同じ価格ですから、実売価格次第ではあるものの、競争力のある価格になるかはちょっと怪しめにも感じてしまったりはします。
といった感じで、全体的に見て、強力な競争力を持つCPUとは正直言えないかなと思います。
とはいえ、ゲーム性能自体はわずかに向上しており、低価格CPUに対してなら優位性があります。7800X3Dがゲーム時の効率も非常に優れているので、やはり最優先の選択肢とはならないものの、7800X3Dは温度は少し高めなので、出来るだけ低温で運用しつつもゲーム性能もある程度高めたい場合には悪くない選択肢になる…かもしれません
Ryzen 5 9600X:少し強化された Ryzen 5 7600
「Ryzen 5 9600X」は少し強化された「Ryzen 5 7600」という印象です。新世代感はあまりなく、Zen 4+といった印象です。
全体的な印象は、上で触れた9700Xとほぼ同様です。シングルスレッド性能こそやや大きめの向上が見られたものの、その他は先代からの向上率はさほど大きくないです。
マルチスレッド性能は9700Xよりは高めの向上率が見られ、7600に対しては14.8%のやや大きめの向上率があった点は良かったですが、推定の同価格帯には「Core i5-13500/14500」といった非常に強力なマルチスレッド性能コスパのCPUが存在することもありますし、前世代で値下がりが進行した「Ryzen 7 7700」との価格差も小さくなっていると思われるので、あえて選ぶ理由になるほどではないかなと思います。
また、特に残念なのはやはり、フルHDのゲーム性能の向上が2%前後と小さい点でした。7800X3Dに当然届かず、第13,14世代CoreのK付きにも劣るという結果です。特に注目度の高いゲーム性能で、新世代ながら既存CPUの複数に負ける、というのはやはり微妙な印象は拭えないです。
しかし、9600Xは279ドルと比較的安価なのは強みではあります。現状では300ドル未満のCPUとしてはトップクラスのゲーム性能を持っており、それでいて消費電力や温度面も優秀ですから、安価かつゲームコスパに特化するのであれば選択肢に入る可能性はあるかなと思います。
総評:新世代という感じはしないZen 5。ゲーム性能重視ならX3Dモデルの登場を待つのが吉かも
ここまでにも何度も触れていますが、9700Xと9600Xを見る限りは、Zen 5は新世代として突出した性能を備えているようには見えないのが本音です。
先代と比較して、シングルスレッド性能は最大で18%程度の大きめの向上が見られた点は、新アーキテクチャ感が見られましたし、
マルチスレッド性能で見られた10%以上の向上率も小さくはないですが、劇的に変わるほどではなく、価格が下がったというのも発売時の価格で比較した場合であり、既に大きく値下がりした先代とコスパで勝負すれば有利かは怪しいと思います。
5000(Zen 3)→7000(Zen 4)のときは30%~40%の高い向上率が見られていたことを考えると、2年近くぶりの新世代としては、正直物足りない向上率です。
そして一番残念だったのはやはり、ゲーム性能向上率が2%前後というわずかな向上率だった点です。リフレッシュ版のような向上率となっています。
Ryzen 9 9950X/9900Xの登場が控えてはいるものの、9700Xと9600Xの性能を見る限り、少なくともゲーム性能が7800X3Dを超えることは厳しそうに見えます。そうなると、多少マルチスレッド性能や電力面が良かったとしても、7800X3Dのように市場で圧倒的な地位を誇るほどのCPUにはなれそうにない気がします。
なので、ゲーム性能向上に期待していたユーザーはX3Dモデルや、Coreの次世代を待つのが賢明になるのかなと思います。