通話用ソフト「Discord(ディスコード)」と「Skype(スカイプ)」をざっくり比較しています。
まずは「Discord」と「Skype」についての簡単な概要の説明です。
冒頭でも触れたように、どちらも通話用ソフトで、主にPCでよく利用されるものになります。
新型コロナウィルスの流行以降、PCやスマホにおける通話やビデオ通話は一気に普及し、「Microsoft Teams」や「Zoom」が一気に有名になったと思いますが、「Discord」と「Skype」はそれ以前から有名だった通話ソフトとなっています。
主な違いとしては、「Teams」や「Zoom」は基本的にビジネス用途で使われることが多いのに対し、「Discord」と「Skype」は個人的な用途で使われていることが多いのが特徴の一つです。
実は通話ソフトとしての機能はどのソフトも大きな差はありませんが、相手が同じソフトを利用していないと通話できないですし、UIや利用者層、細かなシステムには違いがあるため、状況に応じて利用するソフトが違ってきます。
今回は個人向けとしてよく利用されている「Discord」と「Skype」の二つについてざっくりと比較していきます。
まずは、各ソフトの大まかな特徴を表にまとめたものを見てみましょう。それぞれについてはこの後触れていきます。
Discord | Skype | Teams | Zoom | |
---|---|---|---|---|
開発元 | Discord Inc. | Microsoft ※2011年に買収 | Microsoft | Zoomビデオ コミュニケーションズ |
登場 | 2015年5月 | 2004年7月 | 2017年3月 | 2021年9月 |
主な用途 | 個人 ※ゲームでの利用が多い | 個人 ビジネス版は終了し、 Teamsへ移行 | ビジネス | ビジネス |
機能性 | 使える機能自体はどれも大差なし | |||
基本の通話形式 | ルームに参加 | 相手を選択して通話 | ||
個別の音量調整 | 〇 | × | ||
無料版の ビデオ通話時間 | 制限無し | 月100時間 1日10時間 1回4時間 | 1回あたり 1対1:30時間 グループ:60分 | 1回あたり40分 |
ビデオ通話 参加可能人数 | 音声のみ:99人 ビデオ通話:25人 昨今の状況を鑑みて 増量中で本来は10人 | ビデオ通話:100人 | 音声のみ:300人 ビデオ通話:20人 | ビデオ通話:100人 |
大まかな特徴は上記のようになっています。今回比較するDiscordとSkypeはどちらも主に個人向け(Skypeに関しては規約で商業利用NGの記載もある)のソフトとなっています。
下記からはそれぞれ触れていきます。
まずはDiscordの特徴について見ていきます。
Discord
- 発信が必要ないルームに参加する通話形式(一人でも開始できる)
- 個別の音量調整が可能
- 無料版でもビデオ通話時間の制限がない
- 通話の最大参加人数が他ソフトより少なめ(音声のみ99人、ビデオ通話10人)
- ゲーム用途が中心で、ゲームをしない人には浸透していない印象
Discordは開発当初のコンセプトが「ゲーム」での利用に焦点を当てた通話ソフトです。中でも競技向けのゲームを意識したものであったため、少人数でのグループ通話で非常に使いやすいソフトとなっています。
結論から言ってしまうと、個人的には個人利用の通話ソフトではこのDiscordが一番おすすめです。
主な理由は、メインの通話形式です。Discordではボイスチャットルームに参加するという方式がメインになっていて、発信が必要なく非常に気軽に利用できます。特に相手にコンタクトを取る必要がなく、一人でも準備のできた人からボイスチャットに参加して待つことが出来るというのが良いです。
他の通話ソフト(Skypeを含む)は、基本的に通話を開始するには誰かに発信する必要があり、誰かが応答して通話が開始されます(2023年時点)。いわゆる普通の電話と同じ形式ですが、これが意外と気軽さを損なう大きな要因であることが、Discordを利用してみるとわかります。特に、自分から人へ積極にかかわらないタイプ同士だと、この形式では通話までしようとなることが極端に減るため、交流の頻度や手軽さに大きな差が出ます。
印象としては、Skypeではグループ通話も可能ではあるものの、基本は「個人」との連絡を基本としたレイアウトとなっているのに対し、Discordでは「グループ」といったコミュニティに参加するという感じの形式なので、気軽さに大きな差が出ます。どちらもソフトの機能自体には大きな差はないですが、かなり印象の異なる二つのソフトに感じます。
また、もう一つ大きいのが個別の音量調整です。グループ通話の場合、出来るだけ参加者全員の声の音量が同じになることが好ましいですが、Discordではユーザー毎に音量を調整することができるため、マイクの音量調整を相手に頼む必要が減ります。Skypeではこの機能がないため、マイク音量は相手に伝えて調整してもらう必要があります。
些細なことではあるようにも思えますが、音量についてその都度で大きい小さいというのを共有して、各々設定する工程を踏む必要があるのは、意外と面倒です。Discordなら、必要な人の音量のみを一人ですぐに調整できるため、ストレスや余計な手間がなく会話に入ることができます。
主に上記のような理由で、筆者的には個人向けならSkypeよりも「Discord」の方がおすすめです。
ただし、少し障害になるかもしれない点もあります。
まず一つ目は、Discordは利用者がゲームをする人に偏っている印象なので、ゲームをあまりしない人は利用していない可能性があることです。通話ソフトは一般的な電話と異なり、基本的にお互いが同じソフトを利用する必要があるため、片方が利用していないと通話をすることができません。
Skypeも利用はしたことがない可能性があるかもしれませんが、Microsoftが提供するソフトなので、Windowsではプリインストールされていることが多い上に知名度も高いので、すぐに利用を始めることが可能なことが多いと思います。
二つ目は、Discordはビデオ通話の最大人数がやや少なめである点です。音声のみでは最大99人ですが、ビデオ通話の場合は25人(本来は10人だけど、2023年時点では昨今の状況を鑑みて増量中)となっています。
Skypeでは最大100人のビデオ通話が可能となっているため、大きな差があります。10人~25人でも個人の知り合い間や小規模なコミュニティやイベントなら困ることはないと思う人数ですが、やや大きめのコミュニティやイベントでは困る可能性も出てきそうな設定なので、状況によってはネックとなる可能性があります。
とはいえ、Discordも導入自体は簡単ですし、ビデオ通話も個人利用で同時に10人を超える人数で使いたいシーンはほとんどないと思うので、デメリットとしてはそこまで大きくないと感じるので、総合的に見るとやはりDiscordが無難な選択であると個人的には思います。
Skype
- 利用者が多い
- 無料でもビデオ通話の最大人数が100人と多い
- 通話を開始するには発信が必須
- 個別の音量調整が出来ない
- 商用での利用は規約では禁止(部分的にはOK)
Skypeの特徴について見ていきます。
SkypeはMicrosoftが提供する個人向けの通話ソフトです。使用感は普通の電話アプリに近い印象です。
先にも触れましたが、個人的にはSkypeよりもDiscordがおすすめです。差についても前の項目で触れているので繰り返しになる部分も多いですが、
一番気になるのは、発信が必須な通話形式です。Discordではルームに参加する形式が基本なので、準備が出来た人はコンタクトを取る必要なく好きなタイミングで参加することができますが、Skypeでは通話を開始するには誰かに発信する必要があります。気軽さが違いますし、特に自分から積極的に話しかけるタイプでない人同士の場合には交流の気軽さや頻度で大きな差が出る可能性があります。
また、個別の音量調整が出来ないのもSkypeのデメリットです。複数人の通話の場合には全員の音量が出来る限り同程度になることが望ましいですが、Skypeでは各人がマイク音量を調整する必要があるので、気になる人へ伝えて調整してもらう必要があるのが面倒です。
Discordならユーザー毎に細かくすぐに調整することが可能なので、音量面でのやり取りが必要になることが少なく、すぐに会話に入ることができます。
先の通話形式の気軽さも相まって、SkypeよりもDiscordの方がストレスなく気軽に通話をすることが出来るので、Discordの方がおすすめというのが筆者の意見です。
また、Skypeは商用での利用は規約的にはNGとされている点も一応注意しておく必要があります。
v. 個人的/非商用目的の使用 Skype のソフトウェアおよび製品は、お客様が個人的に非商用目的で使用するためのものです。お客様ご自身の業務上の連絡のために、職場で Skype を使用することは認められています。
https://www.microsoft.com/ja-jp/servicesagreement/
個人の業務上での連絡ではOKということで、完全にダメという訳でもない曖昧な表現ではあるものの、料金の発生する講習やイベントなどでの利用は基本NGなはずです。Discordではこのような制限はなくビジネス用途でも利用することができます(ただし、ビデオ通話の人数が少ないため、そもそもビジネスシーンでの利用ではやや劣るという面はある)。
ただし、一応Discordよりも優れていると言える点もいくつかあるので、その点は留意しておいて損はありません。
まずは利用者の層の広さと数です。Discordはゲーム用途での利用に偏っている印象があるため、ゲームをあまりしない人は利用していない可能性も高いです。通話ソフトはお互いが同じものを利用している必要があるため、使う以前の問題となります。親しい間柄ならDiscordを入れて欲しいとお願いしても良いかもしれませんが、そうでない場合には憚られると思います。
SkypeはMicrosoft開発のソフトのためWindowsではプリインストールされていることも多く、誰でもすぐに利用できる環境が整っていることが多いのはメリットです。Microsoftアカウントでサインインすることも可能なので、名前などが知られても良い相手との利用なら何の事前準備も必要なく利用を開始できるのも強みだと思います。
また、先にも触れましたが、ビデオ通話の最大人数はSkypeの方が圧倒的に多いです。Discordは昨今の状況を見て増量中という2023年10月時点でも最大25人ですが、Skypeは最大100人までの接続が可能です。一応商用利用はNGなので、利用シーンは限られるものの、大人数でのビデオ通話を主軸とした利用を想定するならSkypeの方がネックにはなりにくいかもしれません。
上記がざっとしたメリットとデメリットという感じですが、やはり総合的に見るとDiscordの方が個人利用なら上だと思うのが筆者の印象です。
理由は、通話自体のシステムと機能がDiscordの方が優れているのが一番で、
デメリットについても、Discordの主な弱点は利用者層の偏り(ゲーム)とビデオ通話の人数ですが、これらも個人の利用ならさほどネックにならないと思うためです。
Discordのアカウント作成に必要なのはメールアドレスのみであり、個人情報や細かい部分の入力が必須ではないので、仮に相手が利用していなくても導入してもらうことは実は簡単です。
ビデオ通話についても、個人利用で10人を超える人数で行いたいということは稀なケースだと思いますし、音声のみなら99人まで同時通話が可能なので、大きなネックになる可能性はまずないと思います。
デメリットがそこまで大きなものでなく、システム面で利便性が高いDiscordがやはり個人的にはおすすめです。
言いたいことは既に前述しましたが、改めてDiscordとSkypeのどちらが良いかというと、筆者的には「Discord」がおすすめです。
Discordでは、一人でも開始できるルームに参加する気軽な通話形式と、個別に音量を調整する機能があり、ストレスなく会話を始めることが可能なのが魅力です。
Skypeは発信が必須なので、やや面倒な上に自分から話しかけることが苦手な人同士だとそもそも通話が始まらないということが発生しかねません。事前に通話することを決めている場合のみで利用するなら問題になりませんが、最近ではネットで知り合った人と用件がある訳でなく気軽に交流を図りたい人も多いと思うので、そのような場合には障害となる可能性があります。
Discordはゲームをしない人には浸透まではしていない印象があり、通話ソフトはお互いが同じソフトを利用する必要がある関係上これはデメリットではありますが、Discordのアカウント作成に必要なのはメールアドレスだけで、導入は非常に簡単に行うことが出来るので、相手が利用していなくてもその認識さえ伝えることが出来れば大きなネックにもならないのかなと思います。
唯一どうしようもない差は、ビデオ通話の最大人数です。Discordは現在最大25人となっており、この人数も昨今の事情を見て増量中であり、本来は10人と少ないです。
対するSkypeは100人と圧倒的に多いです。個人利用なら10人を超えることも稀なケースだとは思われるため、大きなネックとは言えないかなとは思うものの、やや大規模なコミュニティやイベントでの利用も想定し、ビデオ通話も必要な場合には、Skypeの方が良いケースもある可能性は一応あるかもしれないので、その点だけは留意しておくと良いかもしれません。
とはいえ、総合的にはやはりDiscordほぼ一択というのが筆者の意見として締めたいと思います。
自分もdiscord派だなぁ。変に音拾わないしチャットが気軽だし。
なんか親がコロナの影響でskype使うみたいなこと言ってたし、skypeくらいしか知らない年寄り層ってのもあるからskypeもある程度は人数稼げてるんじゃないかな。
インストールすらものすごい苦労する程度の高齢者とかさw
確かに、Discordはプリインストールされてる事はほぼ無さそうなので、年齢層が高い方には敷居が高いのはあるかもしれないですね。