Intelの第8世代「Coffee Lake」CPUの「Core i7 8700」と「Core i7 8700K」についての比較記事です。
その他のCPUの性能比較についてはこちらをよろしければ下記を参考にしてください。
性能比較表・考察
「Core i7 8700K」と「Core i7 8700」の主要スペックを表にまとめました。
この表を見るだけで大体の事がわかると思います。
CPU名称 | Core i7 8700K | Core i7 8700 |
---|---|---|
コア数 | 6 | 6 |
スレッド数 | 12 | 12 |
定格クロック | 3.7GHz | 3.2GHz |
TB時最大クロック | 4.7GHz | 4.6GHz |
TDP(消費電力の目安) | 95W | 65W |
ベンチマークスコア | 16100 | 15300 |
価格 | 約41,000円 | 約35,000円 |
内蔵GPU | Intel UHD Graphics 630 | Intel UHD Graphics 630 |
CPUクーラー付属 | × | 〇 |
オーバークロック | 〇 | × |
コスパ (ベンチマークスコア/価格) | 0.393 | 0.437 |
※ベンチマークスコアはPASSMARKのベンチマークスコアを参考にしたおおよその値。
※TDPは消費電力の大体の目安の値。
※価格は、2018年5月時点での価格.comの最安値を参考にしています。
8700Kが性能重視モデル、8700がコスパ重視モデルというのがわかりますね。
ベンチマークスコア
ベンチマークスコアは「Core i7 8700K」が約16100、「Core i7 8700」が約15300となっています。
上位モデルなので当然ですが「Core i7 8700K」の方が高いです。
しかし、低い方の「Core i7 8700」の15300という数字も非常に高い数字です。
これだけの処理性能があれば現状困る事はほぼ無いでしょう。
となると、「Core i7 8700K」が優位に立てるのは、特に高負荷な作業に限定されます。
たとえば、最新のゲームを超高画質設定でプレイする場合や、動画等のエンコード作業を行う場合などです。
上記に挙げる様な用途は「Core i7 8700」でも十分にこなせる性能を持っています。
オーバークロックを利用しないのであれば、差別化出来るほどの性能差は正直無いと言っても過言ではないでしょう。
性能比較
8700Kの方が高性能。だけど、8700でも十分すぎる性能
コスパ
どちらのCPUも、基本何をするにも十分な性能を持っています。
そのため、単純に価格の安い「Core i7 8700」の方がコスパ面では上です。
上記の理由が無くても、単純な価格と性能との兼ね合いでも「Core i7 8700」の方がコスパは上です。
その上、「Core i7 8700K」はCPUクーラーを付属をしていません。別途用意が必須となっています。
ただ、元々ガンガン高負荷な作業をさせる事前提であれば、「Core i7 8700」でも別売りのCPUクーラーはほぼ必須です。(正直Intelの付属クーラーは性能が良くないので…)
そのため、クーラー部については人による部分です。
しかし、『価格が上でかつクーラーを付属がしない』事がプラスに働く事はないので、「Core i7 8700」の方が有利と言えるでしょう。
上記の事から、コスパ比較では8700Kが勝っている部分は無いに等しいです。
コスパは「Core i7 8700」の方が全面的に有利と言えるでしょう。
コスパ比較
8700の方がコスパは良いし、CPUクーラーも付属する(ただしクーラーの性能は微妙)
オーバークロック
「Core i7 8700K」は「Core i7 8700」には出来ないオーバークロックが可能です。
使用した場合にはベンチマークスコア以上の性能を発揮します。
ただ、オーバークロックはその効果の代償にデメリットがあります。
特に発熱の増加は、故障や寿命を縮めるリスクがあるため、一般的に使用は推奨されません。
今回比較する両CPUはオーバークロックをしなくても十分な性能を持つハイエンドCPUなので、使用する必要性もほぼ無いと思います。
そのため、オーバークロックが出来る優位性もほぼ無しと言っても良いでしょう。
オーバークロック
8700Kはオーバークロックすると性能を引き上げる事が出来るが、リスクが大きいため上級者以外の使用は非推奨。(上級者でもリスクが無くなる訳ではない)
一般的な人にとっては優位性はほぼ無し。
一般的な人にとっては優位性はほぼ無し。
TDP・発熱
TDP(熱設計消費電力)が「Core i7 8700K」が95Wで「Core i7 8700」が65Wとなっています。
単純にこの差も電源容量への関連性がありますが、最も気になるのは発熱です。
「Core i7 8700K」がCPUクーラーを付属していないのは、従来付属している安価なクーラーでは十分な冷却性能が得られず、故障に繋がる可能性があるためです。
ただ、8700も高負荷時にはそれなりに発熱しますので、その際の付属品のクーラー性能不足感は否めません。高負荷な作業を継続して行う前提なら、別売りクーラーは両方必須に近いレベルになります。
また、初級者には一見ハードルが高く感じるCPUの冷却対策ですが、3000円程度の別売り空冷クーラーでも、感心するレベルで冷えてくれます。取付も、ケースがよほど窮屈でない限りはそこまで難しくありません。とはいえ、8700は付属品クーラーがあり、その他の対策がしっかりしてれば付属品でも普通に動かせるので、8700の方がやや有利といったところ。
ただ、8700も高負荷時にはそれなりに発熱しますので、その際の付属品のクーラー性能不足感は否めません。高負荷な作業を継続して行う前提なら、別売りクーラーは両方必須に近いレベルになります。
また、初級者には一見ハードルが高く感じるCPUの冷却対策ですが、3000円程度の別売り空冷クーラーでも、感心するレベルで冷えてくれます。取付も、ケースがよほど窮屈でない限りはそこまで難しくありません。とはいえ、8700は付属品クーラーがあり、その他の対策がしっかりしてれば付属品でも普通に動かせるので、8700の方がやや有利といったところ。
TDP・発熱
8700Kの方がやや不利だが、ヘビーな作業をさせる前提なら両方別売りクーラーが必須なので、差はない。
ゲーミング性能(グラフィック性能)
内蔵GPUは、どちらも同じ「Intel UDH Graphics 630」なので、ほぼ差はありません。内蔵GPUとしては高性能な部類ですが、増設用グラボと比較すると圧倒的に低性能です。
そして、本題の増設用のグラボを使用した場合ですが、これは8700Kの方が上です。
8700も高い数値を記録していますが、ゲーミング性能は少しでも高いものを持っておきたい人は多いです。
ゲーミング性能(グラフィック性能)
ゲーミング性能は8700Kの方が上
結局どっちが良い?
コスパ面で上な「Core i7 8700」が無難
やはり現状の一般的な用途では「Core i7 8700」でも十分な性能を持っているというのが非常に大きいです。
この点を考慮すると、安くコスパの良い「Core i7 8700」を選ぶのが無難だというのが個人的な結論です。
唯一の懸念点は、今後の技術の進歩による「要求スペックの上昇」です。
これからの環境で各用途の要求スペックが上昇し『「Core i7 8700」では性能不足で「8700K」なら大丈夫』となる可能性は無いとは言い切れません。
そうなった場合に、「Core i7 8700Kにしとけば良かった」となる可能性もある訳です。
ただ、PassMarkのベンチマークスコア10000でも十分高性能といえる現時点(2018年8月)で、ベンチマークスコア15000を超える「Core i7 8700」が性能不足となる時代はまだまだ先だとは思います。
「Core i7 8700K」は少しでも上の性能を求める人向け
「Core i7 8700」の方が無難だと結論付けはしたものの、「Core i7 8700K」が性能面では上です。
そのため、少しでも上の性能を求める人には「Core i7 8700K」を選ぶ理由は十分あります。
具体的には、「最新のゲームを少しでも快適にプレイしたい人」や「動画等のCPUエンコードの時間を少しでも短縮したい人」です。このような人には「Core i7 8700K」は特に選択肢に入ってくると思います。
(ただ、上記の用途でも現状は「Core i7 8700」で十分こなせます)
まとめ
総合的に見れば見るほど、「Core i7 8700」の方が無難だという結論が固まっていきました。
筆者自身がコスパ重視志向なのも影響してはいると思いますが、恐らく他の人が評価しても「Core i7 8700」の方が総合評価は上になるのでは思います。
それほど「Core i7 8700」が優れたCPUという事を再認識出来る内容にはなったのかなぁと思います。
【まとめ】Core i7 8700 と 8700K 比較
- コスパ面では「Core i7 8700」が上
- 性能面では「Core i7 8700K」が上
- 少しでも上の性能を求める人以外は「Core i7 8700」が無難(個人的な意見)
それでは、記事はここまです。ご覧いただきありがとうございました。
>無名さん
エアフローやPC内部の状況にもよるため、一概には言えませんが…
それを考慮しても、Intel CPUのリテールクーラーの質は良くないです。
高負荷時はめちゃうるさいですし、冷却性能も低いです。
8700Kではリテールクーラーが付属していない点も、それを物語ってしまっています。
無名さんの環境のせいではないと思うので安心してください。
8700Kでは、白虎のワンランク上の製品の「虎徹」というクーラーと合わせるのが一番メジャーな選択だと思います。
虎徹は、白虎よりサイズが少し大きく、価格も少し高いです。
ですが、オーバークロックをしないのであれば、白虎でも十分冷えます。
最新のRyzen 7は、比較的よく冷えるリテールクーラーが105Wクラスでも付いているので、正直もうちょっと頑張って欲しいポイントですね…。
先日i7 870から8700に組み替えました。
OCは全くするつもりは無いので(ソケ7時代やってパーツいくつか壊したので)こっちにしました。
870の時、一部のunity製同人3Dゲーで糞重かったのが
(ビデオカードを交換(HD7770->RX470)しても改善しないプログラム技術に疑問を持つようなソフトですが)
4Kでさえ軽く動くようになって感動してます。
不満はリテールCPUクーラーがめちゃうるさいこと。ベアリング周りが悪いのか?
翌日即行で3000円程度(BYAKKOってやつ)のクーラー買って来ました。
めちゃ静かになりました。
8700Kあたりだとめちゃデカい空冷か水冷を考えないといけないのかなぁ。
>普通のネトウヨさん
TDPと最大消費電力が同値でない点はその通りです。本記事で全く触れていませんでした。申し訳ありません。少し文を訂正しておきます。
ただ、TDP=最大消費電力ではないですが、相対的に見ればTDP65Wと95Wでは後者の方が約1.5倍消費電力が多いという認識は問題無いかと思います。(TDPが高い程消費電力が多い)
PCに詳しくない人に対して分かり辛い記述を避けるため、あえてTDPそのままで比較している事をご理解頂けると幸いです。
TDPは消費電力じゃないですよ。
昔のCPUはTDPと消費電力がほぼ同じだっただけで。
最近のCPUではTDP熱設計電力(つまり耐熱値)と消費電力は大きく違います。
65Wなら、その温度に達したらクロック落としますよ的なイメージなのがTDP。
実際にcore i7-8700は65w設計ですが、エンコード時などの消費電力は130~150Wぐらいです。