GPU(グラフィックボード)性能比較表【2024年最新版】

2024年版のGPU(グラフィックボード・ビデオカード)の性能比較表です。NVIDIA・AMD・Intel製のGPU(内蔵GPU含む)のゲーム用のベンチマークスコアを、デスクトップ向けとモバイル向けで分けて掲載しています。その他にも、メモリ(VRAM)の容量や帯域幅、大体の市場価格、コスパやワットパフォーマンスなども掲載しています。

※掲載の価格は、更新時点でのおおよその市場最安値価格となっています。現在は異なる可能性があるため注意してください。また、同じGPU名でも製品によって仕様が異なる場合があるため注意してください(特にメモリやクロック)。GPU名のリンクはAmazonのものです。

3DMark Time Spy(DX12のゲーム性能)
DirectX 12(DX12)のベンチマークテストです。現状WindowsのPCゲームで主流といえるDirectX 12のゲーム性能スコアです。解像度「2560×1440」のGraphicsスコアになります。
3DMark Fire Strike(DX11のゲーム性能)
DirectX 11(DX11)のベンチマークテストです。DirectX 11は2009年発表の古いAPIですが、未だに利用されています。解像度「1920×1080」のGraphicsスコアになります。
3DMark Port Royal(レイトレーシングのゲーム性能)
DirectX Raytracing(DXR)のベンチマークテストです。レイトレーシング性能を測ります。要件には書かれていませんが、Port Royalでは解像度は「2560×1440」以上を前提としているらしいです。メインのシェーダーユニットではなくレイトレーシング用のコアの性能も重要となる他、VRAM占有量が多いので、VRAMが少ないと性能が一気に低下するケースがあります。
TDP / TBP / TGP(消費電力の目安)
消費電力の目安となる指標値です。主にTDP・TBP・TGPなどと示されます。微妙に意味合いは異なるものの、深く気にせず消費電力の目安と思えば良いかと思います。
コスパ
1円あたりの3DMark Time Spyスコアです。
電力効率(ワットパフォーマンス)
TDP1Wあたりの3DMark Time Spyスコアです。ワットパフォーマンスのこと。
メモリ容量
VRAMの容量です。同じGPUでもモデルによって異なる場合があるので注意。VRAMが多い方が4Kやレイトレーシングで有利な傾向がある他、画像生成AIで高解像度の画像を生成する場合などでも重要です。
メモリ帯域幅
VRAMのバス帯域幅です。VRAMが1秒間に転送できるデータ量を表します。小数点以下は四捨五入しています。同じGPUでもモデルによって異なる場合があるので注意。

下記の表のスコアとゲーム性能の目安を載せています。基準は「3DMark TimeSpy Graphics」によるDX12のスコアです(初期表示のスコアです)。筆者の主観によるものなので参考程度に見てください。


30001~2024年におけるウルトラハイエンドGPUです。規格外のシェーダーユニット数を備えており、消費者向けではごくわずかしか存在しません。2024年時点だと「RTX 4090」と「RX 7900 XTX」くらい。
一般的な消費者の用途では基本的にオーバースペックですが、上記二つのGPUは高負荷時におけるワットパフォーマンスが非常に優れているので、高負荷な処理を継続的に行う前提なら、費用面でもナシではないくらいの位置にはなっているので、昔のハイエンドGPUよりは選ぶ価値はあるかなと思います。しかし、価格はものすごく高価で、純粋なコスパは悪いので、予算に余裕がある人向けという点は変わりません。
22001~300002024年における超高性能帯です。基本性能が高いのはもちろん、VRAM容量も16GB以上が基本となるので、4Kやレイトレーシングなどの超高負荷な設定でも高い性能が期待できます。ゲーム以外でも生成AIやメタバース系など、VRAMが特に重量な処理でも非常に高い性能を発揮するので、あらゆる用途で高い性能を求める場合に重宝します。
しかし、GPU単体価格は10万円以上が基本となり、コスパが悪くなってくる性能帯でもあるので、中々気楽には選べない性能帯です。
18001~22000GPU全体で見ても高性能と呼べる性能帯(2024年現在)です。前世代のハイエンド帯(2020年~2022年くらい)くらいの性能であり、今でも十分高性能なので、2024年現在でもハイエンド帯として扱われることも珍しくないです。1440pや4Kも視野に入る高い性能を持ちます。
15001~180002024年のミドルレンジ上位~ハイクラスくらいの性能帯です。中の上から上の下くらい。
重いゲームでも快適なプレイが基本となる高性能GPUです。VRAM容量が12GB以上が基本となってくるので、1440p以上の高解像度やその他のハイエンド用途への対応力も増しています。
また、この辺りからはTDPが200W超えが当たり前になり、250Wを超えたあたりからはデュアルファン仕様が難しくなってくるので、小型ケースでの採用が難しくなってきます。
12001~150002024年のミドルレンジ中盤くらいの性能帯です。
重いゲームでも60fps以上を出せるケースが多く、快適なプレイが基本になる性能帯です。ただし、特に重量級ゲームではまだ高fpsは望めないことが多いです。VRAMは8GBが主流なので、レイトレーシングなどの超高負荷用途への対応力は低めです。やや重めくらいまでのゲームではコスパが良くて魅力的ですが、ハイエンド用途を視野に入れるなら不安があるけど安くはないという、中途半端とも言える性能帯です。ここと一つ上の性能帯のグラボの選択で迷う人は凄く多いと思います。
10001~120002024年のミドルレンジ下位くらいの性能帯です。中の下~中の中くらいの位置。
重いゲームでもプレイが普通にでき、タイトルによっては快適な場合もある性能です。特に重量級のゲームでの高いfpsはまだ厳しめですが、プレイ自体は普通に可能なレベルなので、これくらいの性能があればほぼ全てのゲームに対応できると思って良いかなと思います。
レイトレーシングも実用的になってくるくらいの性能ですが、VRAMはまだ8GB以下が主流というのがネックです。fpsは低い上に安定性も低くて、安心してプレイはできないと思うので、実質的に選択肢に入れる人はほとんど居ないと思います。実用するならアップスケーリング等が必須レベルです。
8001~100002024年のエントリー~ミドルレンジ下位くらいの性能帯です。中の下くらいの位置。
重いゲームでもFHDなら基本的に60fps以上は期待することができ、普通にプレイが可能なレベルです(fpsは多少前後しますが)。とはいえ、特に重量級のゲームでの高いfpsはまだ望めない他、高解像度(1440p以上)もやや厳しめの性能帯です。
しかし、近年ではDLSSやFSRなどのアップスケーリングや、DLSS 3やAFMFによるフレーム生成機能など、fps向上技術が充実してきているので、新しい世代のGPUなら使い方次第で重量級ゲームにも十分使えるレベルになっています。
6001~80002024年のエントリークラス中盤くらいの性能帯です。下の上~中の下くらいの位置。
やや重めのゲーム(FHD/低設定)でも80fps~くらいを期待できます。低fpsで構わないなら、特に重量級のゲームもプレイは可能になるくらいの性能です。

4001~6000

2024年ではエントリークラスの下位くらいの性能帯です。下の上くらいの位置。
このくらいの性能があれば、重めのゲームもプレイは基本可能です。やや重めのゲーム(FHD/低設定)でも60fps~くらいを期待できます。ただし、特に重量級のゲームはまだ厳しい他、総じてVRAMの容量が少ないのも注意です。
2001~4000低い性能帯ですが、この辺りから対応力は増します。内蔵GPUや少し前の世代のエントリーGPUが主流です。上位のものは、設定やタイトル次第ではやや重めのゲームにも対応自体は可能です。ただし、重い処理ではやはり低性能感が否めないので、メインで使うにはおすすめしません。
1001~2000かなり低い性能帯です。2024年現在ではほとんどが内蔵GPUです。
ゲームは軽いもののみ対応できますが、上位のものなら軽いゲームには十分な性能です。
1000未満非常に低い性能帯です。ゲームは非常に軽いもののみ対応できます。

GPU性能比較表(デスクトップ向け)

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NVIDIA GeForce

AMD Radeon

その他

ベンチマーク


GPU性能比較表(モバイル版)

主にノートPCやタブレットなどのモバイル端末向けGPUの性能比較表です。デスクトップ用と同じGPU名でも各種仕様が異なるため、デスクトップ用のGPUよりも処理性能が基本低下している点に注意してください。また、モバイル版では同じGPUでも端末によって冷却能力や設定が大きく異なる場合があり、同じGPUでも性能が上下することがある点にも注意です。掲載のTDPは、初期設定もしくは採用率の高い設定となっています(判断しにくいものは範囲をそのまま掲載しています)

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391 COMMENTS

青空かりん

どうも、いつもお世話になっているかりんです。今回はグラボの話になります。
最近価格や仕様用途を確認したうえでグラボをどうしようかと考えた時、RX7900steal LegendかRTX4070Ti super Gaming pro white、RX7900XTHellhoundSpectral White の3つまで絞ったんですが、AMDはコスパ高い代わりに動画編集が弱いイメージが強く、それに加えASRock以外のAMDグラボはAIが弱いイメージが強いので(アスロックグラボはワンタッチAI?とやらが出来るらしい)それで今回はこの中でどれが良さそうなのか聞きたいです。一応マザボはスチレジェ使おうと思ってます(笑)

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とねりん:管理人

返信遅くなりました。お久しぶりです。
マザボは「B650 Steel Legend WiFi」でしょうか。今凄く人気ですよね。見た目も良くてコスパも悪くないので良いと思います。

グラボについて、生成AIまで視野に入れた上で実用性で選ぶなら、現状は「RTX 4070 Ti SUPER」の正直一択だと思います。もちろん予算や用途との兼ね合いとかもありますし、特にRadeonのVRAMコスパの良さは魅力なので、その辺り次第ではありますが…。
動画編集とAIの用途別でざっくり比較していきたいと思います。

【動画編集】
ソフトや処理にもよると思いますが、速度は両者に大きな差ははない印象です。なので、使用感だけ見れば差がないと言っても良いかもしれません。ただ、GPUのハードウェアエンコードではNVENC(GeForce)の方がH.264の画質面では有利な印象がありますし、GPU自体の電力効率がRTX 40シリーズの方が優れているので、質や実用性の面を含めるとGeForceが安定の選択だとは思います。

【生成AI】
AIについては「ASRock AI QuickSet」で導入や設定が楽になることをも含めても、現状はGeForce有利だと思います(使うソフトにもよって多少差はあるかもしれませんが)。
大分込み入った話になるので、詳細は割愛しちゃいますが、一応ざっくりとだけ説明すると、

生成AIをWindows上で実行するにあたっては、現状はGeFoceの「CUDA」が基準になっているのが非常に大きいです(最適化されている)。速度面・導入や設定の楽さで明らかに有利なことが多いのです。

CUDAを使えない他GPU(Radeon等)がWindowsで生成AIを利用する場合は、現状は基本「DirectML」というものを使って処理することになるのですが、これの性能がCUDAと比べると圧倒的に劣っているのが一番の問題ですね。特定のGPU向けに最適化されたものではない上、恐らくは生成AIの多くがCUDA基準で作られていることもあるので仕方ないのだとは思いますが、勝負にすらなっていない状況です。
CUDA基準で作られている生成AIは他GPUだと導入や設定が面倒なことが多いので、「ASRock AI QuickSet」はそこを解消するものですが、パフォーマンス面を改善できるものではないので、GeForce(CUDA)有利は覆らないです。

ただし、一応Radeonの将来性が期待出来る点として、実はAMD側にも「ROCm」というAMD版のCUDAなどと言われたりするものがあります。こちらを使えばCUDAにも圧倒的不利というほどではなくなるのですが、問題はこれが現状ではLinux用で、Windowsで使用できないことです。
UbuntuなどのLinux環境をデュアルブートで同じマシンでWindowsと併用するとしても、正直Windowsをメインで使うなら実用的とは言えないと思うので、将来性には期待できる要素ではありますが、やはり現状はAIを余計な心配をせずに使いたいならGeForce一択かなと思います(一応、Windows上の仮想環境でROCmを使えるようにする動きなども見られるので、そちらの動き次第ではありますが)。

といった感じで、幅広い用途への実用性を考えるならGeForceがやはり安定かなと思います。ただ、動画編集については質を多少妥協すれば良い話ですし、AIも使えない訳ではなく将来的には改善する可能性もあるので、現状がゲームメインでVRAMコスパの方に魅力を感じるのであれば、将来性込みでRadeonを選ぶのも悪い選択肢ではないと思います。

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まるもX

はじめまして、PC初心者のため助言頂けないでしょうか。
現在マウスコンピューターのネクストギアで初めてのPCを検討しています。
グラボはRTX4070Sに決めているのですがCPUをryzen7 5700X、ryzen7 7700、ryzen7 7800X3Dのどれにするか悩んでいます。

色々なオフラインゲームをWQHDで快適に遊ぶことができれば大丈夫なんですが
調べているとWQHDだとCPUの依存率が低いため5700Xで十分という意見やグラボと比較して5700Xは性能が弱すぎるので7800X3Dにした方がいいという意見もありよく分からなくなってきました。

PC以外にモニターなども揃えなきゃいけないのでPCの予算は抑えたいのですがやはり5700Xでは不安でしょうか?多少無理してでも7800X3Dもしくは7700にするべきでしょうか?

是非とねりんさんのご意見を伺いたいです。
よろしくお願いします。

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とねりん:管理人

はじめまして。

他の方の意見が2つほど紹介されていますが、これはどちらも間違っている訳ではなく、状況によります。プレイするゲームタイトルによって、必要な性能の比重が異なるためです。

まず、「WQHDだとCPUの依存率が低い」という意見について、これは恐らくフルHDと比べた際の話ですが、事実です。解像度が高い=1フレームあたりの負荷が大きいということなので、フルHDと比べるとfpsは低くなりますが、fpsが低いほどCPUに求められる処理量が減るので、CPU依存率は減ると言えます。
しかし、非常に軽くてWQHDでも十分に高いfpsが維持される場合であったり、CPUがボトルネックになりやすいゲームの場合は、依然としてCPUの影響が大きいので、一概には言えなくもあります。
とはいえ、フルHDと比べるとWQHDの方がCPU依存率が低いというのは共通した事項ではあると思います。

次に「5700Xは性能が弱すぎるので7800X3Dにした方がいい」という意見についても、プレイするゲームによっては正しいです。
ゲームの中にはCPUのIPCやキャッシュ量が特に重要なゲームが結構あるので、そのようなゲームの場合にはWQHDであっても、5700Xよりは7800X3Dの方が大幅に有利になる場合はあると思います。

そのため、プレイ予定にCPU性能が重要なゲームがどれだけ含まれるかということと予算次第になるかなと思います。
追記:あと単純にマルチスレッド性能でも差があるので、マルチスレッド性能が重要な処理でどれだけ使うかというのも考えるポイントかと思います。

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