CPUとは?【なるべくわかりやすく解説】

CPUの基本的な事について簡単に解説しています。

CPUとは?


CPU(Central Processing Unit)は、PCの中心的な処理装置です。日本語では「中央処理装置」「中央演算処理装置」などと言い、人間でいう「頭脳」とよく例えられます。性能面でPCにとって最も重要といって良いパーツで、CPUの性能が高いほどPCの全体的な処理が速くなり、低いほど処理が遅くなります。

ただし、画像処理に関しては主に別のユニット(GPU)が担当しており、CPUの性能の良さだけではカバー出来ないため注意です。

性能・仕様について

次に、CPUの各種スペック・仕様をそれぞれ見ていきましょう。まずは、それぞれの単語と簡単な説明を下記にまとめているのでこちらをご覧ください。
CPUの各種用語
用語 概要
コア 処理を行う部品の名称。
スレッド コアが行う仕事の単位。
動作周波数(クロック) 処理の速度を示す数値。単位はHz(ヘルツ)。
TDP 消費電力の目安(正確には耐熱性能を表す)。単位はW(ワット)。
ベンチマークスコア CPUの処理性能の指標となるスコア。
専用のソフトを用いて測定し、様々な種類がある。
プロセスルール CPUの配線の太さ。単位はnm(ナノメートル)。細いほど良い。

CPUに関する用語で、よく使うのは上記に挙げたものになります。下記から、それぞれについてもうちょっと詳しく説明をしています。


コア


コアはCPUの処理を実際に行う部品の名称です。
CPUにとって核ともいえる部分です。2019年現在では、処理性能を上げるために、一つのCPUの中に複数のコアが存在する「マルチコア」が主流となっています。
【参考:コア数と呼び方】
コア数
1コア
2コア
4コア
6コア
8コア
呼び方
シングルコア
デュアルコア クアッドコア ヘキサコア オクタコア

コアはCPUの性能に直結する部品なので重要です。このコアに関する部分で、一番手っ取り早くCPUの性能を上げる方法が「コア数を増やす」事ですが、コア自体にも性能差があるため、CPU同士を比較する際に、コア数が多い方が高性能とは限らない点は覚えておかなければいけません。下記に、コアを増やす事によるメリット・デメリットをざっくりと下記にまとめてみました。

コアを増やす事によるメリット

  • 性能の向上
    コアの数を増やすと、CPU全体の性能は高くなります。コアを増やす最大のメリットです。
  • マルチタスク処理で有利
    コア数が増えると、単純に処理性能が上がるだけでなく、人手(コア)が増える訳なので、同時に複数の作業を行う事が得意になります。そのため、低負荷で多数の処理を多用するスマホやタブレット等では、コア自体の性能よりコア数が重視される傾向もあります。

コアを増やす事によるデメリット

  • 1コアあたりの性能は低くなる
    複数のコアのCPUは、並列化処理という方法を用いて複数コアを実現しています。この並列化処理は、利用するコアの数が多いほど1コアあたりの性能が若干落ちてしまうという問題があります。
  • 発熱量が多くなる
    稼働しているコアは発熱します。その発熱の源(コア)が増えると、発熱の量も当然多くなります。PCにとって熱は天敵なので、発熱量が増える事は好ましくありません。
  • 消費電力が多くなる
    発熱と同じく、その電力消費の源(コア)が増えると、消費電力も当然多くなります。料金が高くなることも問題ですが、バッテリー性能や電源ユニットにも気を遣わなければいけなくなります。
コア数が多いほど高性能とは限らない
少し分かりにくいけど一番覚えて欲しいのは、コア数が多い方が高性能とは限らないことです。いくら多くのコアを搭載していても、コア自体の性能が低ければ、CPU全体の性能としてはさほど高くない場合もあります。極端な例にはなりますが、スマホ・タブレット用の8コア(オクタコア)CPUと、デスクトップPC用の8コア(オクタコア)CPUとでは、大きな性能差があります。


スレッド

スレッドは、CPUのコアが行う仕事のことです。原則は1コアが一度に処理するのが1スレッドで「1コア=1スレッド」という形になります。ただし、現在では「ハイパースレッディング」という技術を用いて、「疑似的に1コアを2コアに見せる事で、1コアで同時に2スレッドを処理するCPU」が数多く存在し、「1コア=1スレッド」と「1コア=2スレッド」の2種類のCPUが存在しています。
上記の点以外では、基本的にコアと似たような性質を持った事柄となっており、スレッド数が多ければ性能が高いとは限らず、質と数の双方が重要です。
スレッド数が多ければ良いという訳ではない

CPUのコア数と同じく、スレッド数が多ければ良いという訳でもありません。1コアで2スレッドを実現する「ハイパースレッディング」は、コア自体の性能を上げるものではありません。そのため、マルチスレッド稼働時の1スレッドごとの処理能力はやや落ちてしまいます。たとえば、同じコアを使用した8コア8スレッドのCPUと、8コア16スレッドのCPUがあったなら、1スレッドあたりの性能は前者の方が上になります。ただし、低負荷な処理(シングルスレッド処理)の場合は、1コア1スレッドCPUと同等の性能を発揮するように最適化されているので、その点は心配しなくても大丈夫です。


また、性能に関して、1スレッドあたりの性能を「シングルスレッド性能」と呼び、CPU全体(マルチスレッド)での性能を「マルチスレッド性能」と呼びます。どちらも高いのに越した事はない性能となりますが、それぞれメリットがやや異なります。下記に、各種が高い事によるメリットをざっくりとまとめています。

シングルスレッド性能が高い事のメリット

  • レスポンスが良い
    シングルスレッド性能が高いと、低負荷な細かい処理のレスポンスが良くなり、体感でもわかる差が出ます。イメージ的には、荷物を運ぶ人の足の速さのような感じ。低負荷な処理は利用者の用途に関わらず発生するため、シングルスレッド性能は誰が使うにしても重要です。

マルチスレッド性能が高い事のメリット

  • 膨大なデータ処理に掛かる時間が短くなる
    マルチスレッド性能が高いと、大量のデータ処理を行う際の時間が短くなります。具体的には、主に動画のエンコード処理などで重要視される性能です。高いに越した事はないですが、役立つ用途は専門的な事が多いです。

ベンチマークスコア

ベンチマークスコアは、専用のソフトを用いて処理性能を数値化したものです。一律の基準がある訳ではなく、ソフトの種類や測定環境によって数値が変わってきます。CPUでは「PassMark」「Cinebench」などがよく用いられます。
また、ベンチマークスコアを基に、性能が大まかにランク分けをされている事があります。一般的なものを下記にざっとまとめたので、参考までに良ければ見てください。
参考:ベンチマークスコア
ランク 概要
ハイエンド 超高性能。トップ層のCPU群。
ハイクラス 高性能。ハイエンドには及ばないものの、十分な性能。
ミドルクラス 中の上くらいの扱い。一つ上に「アッパーミドル」という区分けが作られている事もある。
エントリークラス 中の中~中の下くらいの扱い。平均的な性能よりは低性能寄りという意味合い強め。
ロークラス 低性能。省電力モデルや古いCPUが多い。
ローエンド 超低性能。古いCPUが多い。

動作周波数(動作クロック)

動作周波数(動作クロック)は、CPUのデータの処理の速度を示すものです。GHzという単位で表されます。当然この数値が高いほどより高い性能を発揮する事が可能になる訳ですが、動作周波数を上げるにもメリット・デメリットがあります。また、コア・スレッドと同じように、動作周波数が高いから性能が高いとは限らない点も留意しておきましょう。下記に動作周波数を上げるメリット・デメリットをまとめています。

周波数を上げるメリット

  • 性能が上がる
    周波数が上がるという事は、データ処理の速度が上がるという事なので、当然処理能力が上がります。大きなメリットです。

周波数を上げるデメリット

  • 発熱・消費電力が多くなる
    データ処理の速度が上がると、当然負荷が増え、発熱・消費電力が多くなります。特に発熱に関しては、CPU自体の耐熱性に限界があるので、おいそれと上げる訳にはいかない状況です。
2019年現在では、デスクトップ・ノートPCでは5GHz、スマホでは2.5GHzあたりが限界という状況。
参考:オーバークロック(OC)

一部のCPUには、「オーバークロック(略称:OC)」という、本来の仕様よりも動作周波数を引き上げる機能が使えるものがあります。これを利用すると、CPUの性能を従来より引き上げる事が可能です。しかし、想定されていない発熱の増加が発生する可能性があるため、故障のリスクが高まります。上級者向けの機能で、基本的に推奨されません。


TDP

TDP(Thermal Design Power)は、熱設計電力を表します。単位はW(ワット)。大体の消費電力や発熱量の目安として扱われます。

ですが実は、TDPは消費電力を表す指標ではなく、「規定の温度に達するまでは制限なく電力を使って稼働するよ」という具合の、おおよそのCPUの耐熱性を示しただけのものですが、「CPUの温度が高い=稼働量が多いので消費電力が多い」という相関性があるため、消費電力を表す数値としても一般的に扱われています。あくまでTDPは「制限の掛かる数値」なので、TDPが高くても常に消費電力が多いというわけではない点も留意しておくと良いです。

また、勘違いされやすいですが、TDPの数値は具体的な消費電力量を表したものではないことは注意が必要です。たとえば、TDPが65WのCPUだからといって消費電力が65Wではないという事です。環境によって多少の変化はありますが、実際の最大消費電力は、大体TDPの1.5倍~2倍程度になるのが一般的です。

ややこしいですが、単純に大体の消費電力や発熱量の目安として見ればOKです。


プロセスルール

プロセスルールとは、CPUの半導体の回路の配線の幅を指します。単位はnm(ナノメートル)。ルールというと何かの決まりや規定を想像してしまいますが、単純に配線の幅と捉えた方が分かり易いです。外国では一般的に「プロセスサイズ」と呼んでおり、そちらの方が直感的で分かり易いと思います。

端的にいうと、プロセスルールは小さいほど良いです。デメリットは基本的にありません。配線の幅が細くなると、より細かな回路設計が可能な他、トランジスタ等の部品を配置するスペースもより大きく取る事ができます。更には消費電力も少なくなるなど、良い事尽くめです。ただし、単位がnmと非常に小さいですから、それを更に微細化するのは並大抵のことではありません。その代わり、実現さえ出来れば大きな強みとなります。

2019年9月現在では、Intel製のCore iシリーズは14nmが主流で、AMD製のRyzen シリーズは7nmが主流です。プロセスルールという点ではAMDが優位に立っており、実際にAMDが7nmの実現に成功した第3世代Ryzenを機に、AMDがIntelを性能面で追い抜いたという状況になっています。

他パーツとの関連性

CPUはPCの中心の存在なので、全てのパーツと関係があると言えますが、ここでは特に関係の深いパーツとその関連性をざっくり説明しています。

メモリー

PCのメインメモリーは、CPUの作業スペースのような役割を持っています。メモリー容量が少ないと、CPUが満足に作業する事が出来ないため、処理能力を十分に発揮できません。そのため、CPUを能力をしっかり引き出すためにはメモリーは非常に重要です。また、容量だけでなく転送速度も重要です。特にAMD製のCPUは、メモリーの転送速度の影響を受けやすい特徴があるため覚えておくと良いでしょう。

グラフィックボード/GPU


GPUは画像処理に特化したプロセッサです。GPUはCPUとは別物で、CPUの画像処理専門バージョンというと分かり易いかもしれません。このGPUは、CPUみたいな中心的な役割は果たさないものの、ディスプレイに映像を表示させるために必須な非常に重要なパーツです。一般的なPCでは、CPUの内蔵GPUか、別途グラフィックボードやビデオカードなどと呼ばれるGPUを搭載したパーツどちらかで利用しています。ちなみに、高画質な3Dゲームなどをしたい場合には、グラフィックボードを利用する事がほぼ必須となっています。

CPUとは別のユニットのGPUですが、GPUが行った処理結果をゲームなどのアプリケーションに反映させる最終的な処理はCPUが行っています。そのため、仮に物凄く高性能なGPUを利用していたとしても、そのGPUが処理する膨大なデータを、実際に反映・処理させる能力をCPUが持っていなければ、活かす事ができません。上記のような「CPUの性能の低さが原因で、GPUの性能を活かしきれない」ことを「ボトルネック」と呼びます。高性能なGPUを活かすためには、高性能なCPUが必須となる訳です。

下記に、上記で触れた事も含めて留意事項をまとめています。

留意事項:GPU
  • ボトルネック
    CPUの性能の低さが原因で、GPUの性能を活かしきれないことを「ボトルネック」と呼びます。
  • 内蔵グラフィック(CPUの内蔵GPU)
    CPUにはGPUを内蔵しており、別途グラフィックボード等を用意しなくても良いものがあります。Intel製の主流CPUは、ほとんどがGPUを内蔵しています。ただし、内蔵GPUは、グラフィックボード等に搭載される単体GPUより性能は大きく劣るため、高画質の3Dゲーム等を動作させるのは難しいです。(2019年9月時点)

GPUについては、下記でもう少しだけ詳しく説明しています。良ければご覧ください。

GPU/グラフィックボードとは?【全般的な解説】GPU/グラフィックボードとは?【全般的な解説】

CPUクーラー

CPUはその小さなユニットの中で膨大な量の処理を行い、発熱します。それによってCPU自体が非常に熱くなってしまうため、常に冷却しながらの使用が必須です。その冷却の役目をするのが「CPUクーラー」です。

ただし、PC利用者が必ず別途CPUクーラーを用意しなければならない、という訳ではなく、既製品のPCのCPUには最初からCPUクーラーが設置されています。CPUをパーツとして購入する場合も、多くの製品にはCPUクーラーが付属しています。利用者が別途CPUクーラーを用意しなければならないのは、TDPが90Wを超えるような発熱の多いハイエンド(超高性能)CPU限定です。

下記から、CPUクーラーの冷却方式についてざっくりと説明しています。


冷却方式

CPUの冷却方式は、大きく分けて「空冷式」と「水冷式」の2種類があります。シェアは安価な「空冷式」の方が圧倒的多いです(2019年現在)。また、水冷式は更に「簡易水冷」と「本格水冷」に分けられますが、「本格水冷」はかなり上級者向けのものとなっているため、本記事では軽く触れる程度にしています。
下記から、各方式について見ていきます。

空冷式CPUクーラー

扇風機のような冷却ファンが起こす風を直接利用して冷却する方法です。「ヒートシンク」と呼ばれる、熱伝導率の高い金属を冷やし、ヒートシンクと密着させたCPUを冷却します。水冷式と比べて安価な点や、こまめなメンテナンスはしなくても良い点などが理由で、採用率が非常に高いです。ただし、冷却能力が外気温に左右され易い点などが弱点です。

良い点

  • 安価
  • こまめなメンテナンスが要らない

悪い点

  • 冷却能力が外気温に左右される

簡易水冷式CPUクーラー

文字通り「水」を冷却に利用します。水で熱を吸収し、熱くなった水を冷却するという形です。細かいシステムは複雑なため割愛させて頂きます。
非常に高い冷却能力を持っており、空冷式クーラーを上回っています。また、静音性にも優れてると言われています(製品によってはポンプの音などがうるさい場合もあるらしいので一概には言えないらしい)。しかし、まず価格が高かったり、ラジエーターという装置を別箇所に設置しないといけなかったり、継続使用で冷却能力が落ちてしまったり、トラブル発生率が空冷より高かったりと、非常に高い冷却能力と引き換えに多くのデメリットを抱えています

良い点

  • 空冷を上回る非常に高い冷却能力

悪い点

  • 高価
  • ラジエーターを別箇所に設置しないといけない
  • 継続使用で冷却能力が落ちる
  • トラブル発生率が高い
本格水冷

本格水冷も、水を使って冷却するという図式は簡易水冷と同じです。ただし、本格水冷は自由度が高く、CPUだけでなく他パーツも一緒に冷やしたりなどができます。その代わり、導入は非常に難しく上級者向けです。しっかりと管理できるのであれば、簡易水冷は本格水冷の劣化という考えの人も居ます。

まとめ

最後に、特に重要そうな項目をまとめてリスト化しています。

  • CPUはPCの頭脳とも呼ばれる、非常に重要なパーツ
  • コア・スレッドは多ければ良いという訳ではない
  • メモリーがCPUの作業場となる
  • CPUの性能が低いとGPUの性能を最大限発揮できない可能性がある(ボトルネック)

記事はここまでです。ご覧いただきありがとうございました。

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