「Ryzen 7 9800X3D」ざっくり評価【性能比較】

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ゲーマー待望の「Ryzen 7 9800X3D」のざっくり評価記事です。日本での発売予定は11月15日なのでまだ少し先ですが、レビューは解禁されたので、海外レビューを参考に見ていきます。また、日本での発売予定価格は86,800円です。

注意

本記事の内容は記事執筆時点(2024年11月7日)のものとなります。ご覧になっている際には異なる可能性があるため注意してください。

掲載の価格は、主にAmazonや価格.comを参考にしたおおよその市場価格です。

簡易比較表

先代(7800X3D)や他の同世代との比較

まずは価格が近めの同価格帯のRyzenとの比較です。

Ryzen 9 9950X
Ryzen 9 9900X
Ryzen 7 9800X3D Ryzen 7 7800X3D Ryzen 7 9700X
アーキテクチャ Zen 5 Zen 5 Zen 5 Zen 4 Zen 5
プロセス
4nm + 6nm
(CCD + IOD)
4nm + 6nm
(CCD + IOD)
4nm + 6nm
(CCD + IOD)
5nm + 6nm
(CCD + IOD)
4nm + 6nm
(CCD + IOD)
ソケット AM5 AM5 AM5 AM4 AM5
コア
16コア
12コア 8コア 8コア 8コア
スレッド
32スレッド
24スレッド 16スレッド 16スレッド 16スレッド
TDP(PL1) 170W 120W 120W 120W 65W
PPT (TDP/PL2)
230W
162W
162W
162W 88W
クロック(基本)
4.3GHz
4.4GHz 4.7GHz 4.2GHz 3.8GHz
クロック(最大)
5.7GHz
5.6GHz 5.2GHz 5.0GHz 5.5GHz
L1キャッシュ
1280KB 960KB 640KB 512KB 640KB
L2キャッシュ
16MB 12MB 8MB 8MB 8MB
L3キャッシュ
64MB
64MB
96MB
(32MB + 64MB)
96MB
(32MB + 64MB)
32MB
Tjunction max
(最大温度)
95℃ 95℃ 95℃ 89℃ 95℃
内蔵GPU
Radeon Graphics
(RDNA2 / 2CU)
Radeon Graphics
(RDNA2 / 2CU)
Radeon Graphics
(RDNA2 / 2CU)
Radeon Graphics
(RDNA2 / 2CU)
Radeon Graphics
(RDNA2 / 2CU)
対応メモリ
(定格最大)
DDR5-5600
DDR5-5600 DDR5-5600 DDR5-5200 DDR5-5600
希望小売価格
(2024年11月時点)
599ドル
(649-50ドル)
469ドル
(499-30ドル)
479ドル 449ドル 329ドル
(359-20ドル)

おおまかな仕様の違いは以上のような感じになっています。既存の「Ryzen 9000シリーズ」の価格は、現在適用中のホリデープロモーション値下げを反映したものとなっています。


「Ryzen 7 9800X3D」は64MBの大容量L3キャッシュ「3D V-Cache」搭載が魅力のゲーム向けCPUです。「3D V-Cache」がメインコアの垂直方向に積載する形で追加搭載されています。

先代の「Ryzen 7 7800X3D」が非常に強力なゲーム性能と効率を備えていたので、ゲーマーにとっては待望のモデルだったと思います。

「3D V-Cache」の容量は先代と同じ64MBです。ただし、先代ではCCD(コア部分)の上に積載していたのが、CCDの下に配置するようになった第2世代「3D V-Cache」となっています。

先代ではCCDの上に「3D V-Cache」があることでコアの冷却が難しく、クロックを上げにくかったのが課題でしたが、それが改善しています。先代ではオーバークロックも制限されていましたが、それも解禁されました。

L3キャッシュ全体としては、9800X3Dでは1つのCCDに搭載する32MBと64MBの「3D V-Cache」を併せて96MBの大容量L3キャッシュを備えます。

先代の「Ryzen 9 7950X3D」などのCCDが2つのモデルの場合にはL3キャッシュが合計128MBとなるため、より強力に見えますが、実際にはCCDが一つで余計なロスが発生する可能性のない8コアぴったりモデル(7800X3D)の方がゲーム性能では少し優秀な結果が出ていました。そのため、8コアの「Ryzen 7 9800X3D」が「Ryzen 9000シリーズ」でもゲームでは最強となると予測されており、非常に注目されていました。

そして、「3D V-Cache」が搭載される以外の基盤の仕様については、既存の「Ryzen 9000シリーズ」とほぼ同様となっています。

アーキテクチャは「Zen 5」で、製造プロセスは、コア部分のCCDには「TSMC N4(4nm)」、その他のIODには「TSMC N6(6nm)」が採用されています。プロセス面ではRyzen 7000と大差ないです。

8コア16スレッドCPUとなっているため、マルチスレッド性能は上位CPUと比べると低いのが弱点です。しかし、一般的な用途では困ることはほとんど無いくらいには高性能ですし、電力効率は優れているので、ゲームメインの人にとっては無視されることが多いです。

また、先代の7800X3Dも同じ8コア16スレッドでしたが、クロックを比較すると、ベースクロックが500MHz、ブーストクロックが200MHzほど向上している点に注目です。このクロックとアーキテクチャ更新によって性能が大きく向上し、8コアCPUとしては強力なマルチスレッド性能が期待できそうです。詳しくはこの後にテスト結果と共に見ていきます。

価格については、米国における希望小売価格479ドルで、日本では86,800円で発売予定です。8コアCPUとしてはものすごく高価です。

先代の「Ryzen 7 7800X3D」の発売時価格は449ドルで、為替の影響もあり日本では71,800円だったので、そこからもかなり値上がりしています。7800X3Dは最安5万円台で販売されている時期も長かったので、めちゃくちゃ高くなりました。しかも、7800X3Dも9800X3Dの発売が近付くにつれて大きく値上がりして8万円台になっていたりして、今から7800X3Dを急いで買うのも微妙になっているのが、AMDも抜け目がないなという印象。

記事執筆時点(2024年11月7日)では、「Ryzen 9 7900X3D」が8万円台後半で正規販売店でも在庫が少し残っているので、ゲーム性能はやや低くなりますが、そちらの方が有力な代替品になるかなと思います。

それでは、仕様の確認はここまでにして、ここからは実際の性能を見ていきます。

他の既存CPUとの比較表

記事執筆時点の既存の主要CPUとの簡易比較表です。この後にテスト結果の確認に移りたいと思います。

※掲載の価格は記事執筆時点のおおよその市場価格です。

簡易比較
CPU名 コア スレッド クロック
定格 / 最大
TDP
(PL1 – PL2)
iGPU L3
キャッシュ
参考価格
Core Ultra 9 285K 24
(8P+16E)
24 3.7 / 5.7GHz
3.2 / 4.6GHz
125W – 250W Intel Graphics
Xe-LPG 4コア
36MB 115,800円
Ryzen 9 9950X 16 32 4.3 / 5.7GHz 170W – 230W RDNA 2(2CU) 64MB 114,800円
Ryzen 9 7950X3D 16 32 4.2 / 5.7GHz 120W – 162W RDNA 2(2CU) 128MB 113,800円
Ryzen 9 7950X 16 32 4.5 / 5.7GHz 170W – 230W RDNA 2(2CU) 64MB 90,460円
Core i9-14900K 24
(8P+16E)
32 3.2 / 6.0GHz
2.4 / 4.4GHz
125W – 253W UHD 770 36MB 82,480円
Core i9-14900KF 24
(8P+16E)
32 3.2 / 6.0GHz
2.4 / 4.4GHz
125W – 253W 無し 36MB 76,980円
Core Ultra 7 245K 20
(8P+12E)
20 3.9 / 5.5GHz
3.3 / 4.6GHz
125W – 250W Intel Graphics
Xe-LPG 4コア
30MB 78,800円
Core Ultra 7 245KF 20
(8P+12E)
20 3.9 / 5.5GHz
3.3 / 4.6GHz
125W – 250W 無し 30MB 75,800円
Core i7-14700K 20
(8P+12E)
28 3.4 / 5.6GHz
2.5 / 4.3GHz
125W – 253W UHD 770 33MB 58,880円
Core i7-14700KF 20
(8P+12E)
28 3.4 / 5.6GHz
2.5 / 4.3GHz
125W – 253W 無し 33MB 55,980円
Core i7-14700 20
(8P+12E)
28 2.1 / 5.4GHz
1.5 / 4.2GHz
65W – 219W UHD 770 33MB 54,980円
Core i7-14700F 20
(8P+12E)
28 2.1 / 5.4GHz
1.5 / 4.2GHz
65W – 219W 無し 33MB 49,800円
Ryzen 9 9900X 12 24 4.4 / 5.6GHz 120W – 162W RDNA 2(2CU) 64MB 84,800円
Ryzen 9 7900X3D 12 24 4.4 / 5.6GHz 120W – 162W RDNA 2(2CU) 128MB 85,800円
Ryzen 9 7900X 12 24 4.7 / 5.6GHz 170W – 230W RDNA 2(2CU) 64MB 65,790円
Ryzen 9 7900 12 24 3.7 / 5.4GHz 65W – 88W RDNA 2(2CU) 64MB 62,980円
Core Ultra 5 245K 14
(6P+8E)
14 4.2 / 5.2GHz
3.6 / 4.6GHz
125W – 159W Intel Graphics
Xe-LPG 4コア
24MB 59,800円
Core Ultra 5 245KF 14
(6P+8E)
14 4.2 / 5.2GHz
3.6 / 4.6GHz
125W – 159W 無し 24MB 59,800円
Core i5-14600K 14
(6P+8E)
20 3.5 / 5.3GHz
2.6 / 4.0GHz
125W – 181W UHD 770 24MB 41,980円
Core i5-14600KF 14
(6P+8E)
20 3.5 / 5.3GHz
2.6 / 4.0GHz
125W – 181W 無し 24MB 38,780円
Ryzen 7 9800X3D 8 16 4.7 / 5.2GHz 120W – 162W RDNA 2(2CU) 96MB 86,800円
Ryzen 7 9700X 8 16 3.8 / 5.5GHz 65W – 88W RDNA 2(2CU) 32MB 60,800円
Ryzen 7 7800X3D 8 16 4.2 / 5.0GHz 120W – 162W RDNA 2(2CU) 96MB 78,980円
Ryzen 7 7700X 8 16 4.5 / 5.4GHz 105W – 142W RDNA 2(2CU) 32MB 48,980円
Ryzen 7 7700 8 16 3.8 / 5.3GHz 65W – 88W RDNA 2(2CU) 32MB 46,980円
Ryzen 5 9600X 6 12 3.9 / 5.4GHz 65W – 88W RDNA 2(2CU) 32MB 44,800円
Ryzen 5 7600X 6 12 4.7 / 5.3GHz 105W – 142W RDNA 2(2CU) 32MB 33,800円
Ryzen 5 7600 6 12 3.8 / 5.1GHz 65W – 88W RDNA 2(2CU) 32MB 32,800円
Core i5-14400 10
(6P+4E)
16 2.5 / 4.7GHz
1.8 / 3.5GHz
65W – 154W UHD 730 20MB 32,480円
Core i5-14400F 10
(6P+4E)
16 2.5 / 4.7GHz
1.8 / 3.5GHz
65W – 148W 無し 20MB 27,980円
Ryzen 7 5700X3D 8 16 3.0 / 4.1GHz 105W – 142W 無し 96MB 33,480円
Ryzen 7 5700X 8 16 3.4 / 4.6GHz 65W – ?W 無し 32MB 23,980円

処理性能

各処理性能をベンチマークスコアを海外レビューを参考に見ていきます。使用されたメモリは、DDR5に対応しているモデルでは「DDR5-6000 CL36」で、DDR4の場合は「DDR4-3600 CL14」か「DDR4-3400 CL14」となっています。

ゲームのテストで使用されたGPUは「RTX 4090」となっています。

その他の細かい環境や設定等については、お手数ですが冒頭の参考リンク先の記事を参照してください。


マルチスレッド性能

マルチスレッド性能は、CPUの全コア稼働時の処理性能を表します。マルチスレッド性能が高いと、動画のソフトウェアエンコード(CPUエンコード)やレンダリングなど、膨大な量の処理に掛かる時間が短くなる他、複数タスクでのパフォーマンスが向上するなどのメリットがあります。

今回は、Cinebench 2024というレンダリングのベンチマークソフトで測定された数値で見ていきます。

Cinebench 2024 Multi
CPU名称 スコア
Core Ultra 9 285K
2448
Ryzen 9 9950X
2305
Core i9-14900K
2257
Core i9-13900K
2187
Ryzen 9 7950X
2142
Ryzen 9 7950X3D
2094
Core Ultra 7 265K
2090
Core i7-14700K
1950
Ryzen 9 9900X
1829
Core i7-13700K
1713
Ryzen 9 7900X
1668
Core i9-12900K
1589
Ryzen 9 5950X
1535
Core Ultra 5 245K
1492
Ryzen 9 7900
1467
Core i5-14600K
1410
Ryzen 7 9800X3D
1372
Core i5-13600K
1322
Core i7-12700K
1312
Ryzen 9 5900X
1258
Ryzen 7 9700X
1208
Ryzen 7 7700X
1149
Ryzen 7 7700
1106
Ryzen 7 7800X3D
1104
Core i5-12600K
1023
Ryzen 5 9600X
975
Ryzen 5 7600X
886
Ryzen 7 5800X3D
885
Ryzen 5 7600
849
Core i5-13400F
837
Ryzen 7 5700X
826
Core i5-12400F
679
Ryzen 5 5600X
676
参考:TechPowerUp

マルチスレッド性能は先代から約24.3%の大きな向上で、8コアCPUとしては強力

9800X3Dのマルチスレッド性能は、先代の7800X3Dから約24.2%という大きな向上率を記録しました。やはりクロックの向上が非常に大きいようです。

9700Xに対しても約13.6%上回っており、8コアCPUとしては強力な性能となっています。Intelでは「Core i5-14600K」に近い性能です。

8コアCPUとしては価格が非常に高価なので、マルチスレッド性能コスパが悪いという点は変わりませんが、最強のゲーム性能を更に伸ばした上で、弱点だったマルチスレッド性能が大幅に補強されたというのは朗報です。

シングルスレッド性能

シングルスレッド性能は、1コアでの処理性能を表します。シングルスレッド性能が高いと、軽い処理に掛かる時間が短くなる(サクサク動く)他、全コア稼働時にも当然影響がありますので、ほぼ全ての処理に対して有利に働きます。

今回は、Cinebench 2024というベンチマークソフトで測定された数値で見ていきます。レンダリングのベンチマークテストです。

Cinebench 2024 Single
CPU名称 スコア
Core Ultra 9 285K
143
Ryzen 9 9950X
138
Core Ultra 7 265K
137
Core i9-14900K
137
Ryzen 9 9900X
137
Ryzen 7 9700X
135
Ryzen 7 9800X3D
134
Core Ultra 5 245K
133
Core i9-13900K
133
Ryzen 5 9600X
133
Core i7-14700K
129
Core i7-13700K
125
Ryzen 9 7950X
124
Ryzen 9 7950X3D
123
Ryzen 9 7900X
122
Core i5-14600K
122
Core i9-12900K
120
Ryzen 7 7700X
120
Ryzen 9 7900X
119
Ryzen 5 7600X
119
Core i5-13600K
118
Core i7-12700K
116
Ryzen 7 7700
116
Ryzen 7 7800X3D
114
Core i5-12600K
114
Core i5-13400F
107
Core i5-12400F
103
Ryzen 7 5800X3D
95
Ryzen 7 5700X
95
Ryzen 5 5600X
95
参考:TechPowerUp

シングルスレッド性能も先代から約17.5%の大きな向上

9800X3Dはシングルスレッド性能も7800X3Dから大きく向上しました。約17.5%の向上です。

ブーストクロックは500MHzと大きく向上したので、その影響が出ていると思われます。先代ではシングルスレッド性能が旧世代CPUと肩を並べているのが若干気になる点でしたが、9800X3Dは最新の上位CPUと並べるレベルにまでなりました。


ゲーミング性能

この項目でのゲーミング性能は、実際にゲームを起動した際のFPSを見ていきます。内蔵GPUの性能ではなく、高性能なグラフィックボードを使用した際の性能である点に注意してください。

今回は10種類のゲームで測定したFPSの平均を見ていきます(レイトレーシング含む)。使用されたGPUは「GeForce RTX 4090」で、その他の設定はウルトラ(可能な限り最高の設定)です。測定に使用されたゲームタイトルやその他の環境は、お手数ですが記事冒頭のリンクからご確認お願いします。

※また、今回の「Ryzen 7 9800X3D」のスコアに関して、参考記事(techpowerup)の1080pの一部タイトル(CS2とStarfield)のfpsが間違っているっぽい状況があったので(本来は大きく向上しているはずのタイトルで、なぜか7800X3Dを下回るスコア)、該当タイトルのみ別の記事(TechSpot)のものを採用して再計算しています。もし修正版が投稿された場合はそちらに置き換えます。

また、計測タイトルは重量級ゲームが中心な上に最高設定なので、RTX 4090の割には全体的にfpsが低めです。本記事では触れませんが、下記の結果はどの環境でも維持されるものではなく、特に軽いゲームでfpsが非常に高い場合は、マルチスレッド性能が高いCPUの方が有利な傾向が強くなる点に注意してください。

10種類のゲームでの平均fps(1080p)
CPU名称 スコア
Ryzen 7 9800X3D
208.6
Ryzen 7 7800X3D
193.1
Core i9-14900K
186.3
Ryzen 9 7950X3D
186.1
Core i9-13900K
185.1
Core i7-14700K
182.5
Core i7-13700K
181.1
Ryzen 9 9950X
180.0
Ryzen 7 9700X
178.4
Ryzen 9 9900X
178.2
Ryzen 5 9600X
177.5
Ryzen 9 7950X
177.0
Core Ultra 9 285K
176.3
Ryzen 7 7700X
175.9
Ryzen 9 7900X
175.2
Ryzen 7 7700
174.8
Ryzen 5 7600X
173.2
Core i5-14600K
172.9
Core Ultra 7 265K
172.1
Ryzen 7 5800X3D
171.7
Ryzen 9 7900
171.3
Ryzen 5 7600
170.5
Core i5-13600K
170.1
Core i9-12900K
168.7
Core Ultra 5 245K
167.1
Core i7-12700K
164.2
Ryzen 9 5950X
158.2
Ryzen 9 5900X
156.2
Core i5-12600K
153.4
Core i5-13400F
145.9
Ryzen 7 5700X
147.5
Ryzen 5 5600X
147.1
Core i9-11900K
146.6
Core i5-12400F
142.7
Ryzen 7 5700G
128.7
Core i5-11400F
114.9
参考:TechPowerUp、TechSpot
10種類のゲームでの平均fps(1440p)
CPU名称 スコア
Ryzen 7 9800X3D
161.6
Ryzen 7 7800X3D
156.8
Core i9-14900K
155.0
Core i9-13900K
154.4
Core i7-14700K
153.2
Ryzen 9 7950X3D
152.6
Core i7-13700K
151.7
Core Ultra 9 285K
150.7
Ryzen 9 7950X
149.4
Core Ultra 7 265K
148.9
Core i5-14600K
148.8
Ryzen 5 9600X
148.6
Ryzen 9 9950X
148.5
Ryzen 9 9900X
148.4
Ryzen 7 9700X
148.3
Ryzen 9 7900X
148.3
Ryzen 7 7700X
148.1
Ryzen 7 5800X3D
147.5
Core i5-13600K
147.2
Core i9-12900K
146.8
Core Ultra 5 245K
146.7
Ryzen 9 7900
145.8
Ryzen 7 7700
146.6
Ryzen 5 7600
144.3
Ryzen 5 7600X
146.2
Core i7-12700K
143.9
Ryzen 9 5950X
140.4
Ryzen 9 5900X
139.3
Core i5-12600K
137.7
Ryzen 7 5700X
134.2
Ryzen 5 5600X
134.0
Core i5-13400F
133.6
Core i9-11900K
133.3
Core i5-12400F
131.4
Ryzen 7 5700G
120.9
Core i5-11400F
111.0
参考:TechPowerUp、TechSpot
10種類のゲームでの平均fps(4K)
CPU名称 スコア
Ryzen 7 9800X3D
101.4
Ryzen 7 7800X3D
101.1
Ryzen 9 7950X3D
101.0
Core i9-14900K
100.3
Core i9-13900K
100.0
Core i7-14700K
99.8
Core i7-13700K
99.4
Ryzen 9 7950X
99.1
Ryzen 9 9950X
99.0
Core Ultra 9 285K
98.9
Ryzen 9 9900X
98.9
Ryzen 9 7900X
98.8
Ryzen 7 5800X3D
98.8
Core i5-14600K
98.7
Ryzen 5 9600X
98.7
Ryzen 7 7700X
98.6
Core Ultra 7 265K
98.4
Ryzen 7 9700X
98.3
Core i9-12900K
98.3
Core i5-13600K
98.1
Ryzen 9 7900
98.1
Core Ultra 5 245K
98.0
Ryzen 7 7700
98.0
Core i7-12700K
97.5
Ryzen 5 7600X
97.4
Ryzen 5 7600
97.2
Ryzen 9 5950X
95.5
Core i5-12600K
95.2
Ryzen 9 5900X
95.0
Core i5-13400F
93.7
Ryzen 5 5600X
92.8
Core i5-12400F
92.6
Ryzen 7 5700X
92.6
Core i9-11900K
92.0
Ryzen 7 5700G
88.1
Core i5-11400F
84.9
参考:TechPowerUp、TechSpot

ゲーム性能はフルHD平均で先代から約8%の大きめの向上

9800X3Dのゲーム性能は期待通り非常に強力です。前評判通り、新たなゲーム最強CPUです。

フルHD平均を見てみると、7800X3Dから約8%の向上となっており、AMDの事前発表の数値と同じです。7800X3Dの時点でゲームでは単独トップでしたが、そこから更に8%も向上しており、凄いです。文句なしのゲーム最強CPUです。

他のレビュー記事を見てみると平均で10%~11%くらいの向上となっていることも多いので、より軽いゲームやタイトル次第で更に差が開くことも予想でき、事前発表の数値よりも良い結果も期待できるという結果です。

7800X3Dよりも高価になってしまった点は残念ですが、ゲームに限定したパフォーマンスを求めるなら非常に魅力的なCPUです。

ただし、一つ注意したいのは、4Kゲームでは差があまり出ないことです。4Kでは負荷が非常に大きくなり、fpsがガクッと落ちることで、CPUがボトルネックになりにくくなるためです。2世代前くらいのCPUでも、その差はトップと4%~5%前後に留まっているレベルです。

「Ryzen 7 9800X3D」は素晴らしいゲーム性能を持ちますが、コア数が価格の割に少なくてマルチスレッド性能・効率は良くないです。ゲームメインだとしても、4Kを前提とするなら特別強力ではなく、その他の微妙な点だけを受け入れることになり兼ねないなので、一応留意しておくと良いかもしれません。

消費電力や効率

消費電力

消費電力を見ていきます。非常に高負荷なレンダリングソフト「Blender」による消費電力と、ゲーミング時平均による消費電力の二つを見ていきます。

消費電力(Blender CPUのみ)
CPU名称 消費電力
Ryzen 7 5700X
56
Ryzen 5 5600X
60
Core i5-12400F
63
Core i5-13400F
65
Ryzen 7 7800X3D
74
Ryzen 9 7900
74
Ryzen 5 7600
76
Ryzen 7 7700
80
Ryzen 5 9600X
80
Ryzen 7 9700X
80
Ryzen 7 5800X3D
89
Ryzen 5 7600X
102
Ryzen 9 5950X
117
Core i5-12600K
119
Ryzen 9 5900X
133
Core Ultra 5 245K
134
Ryzen 7 7700X
135
Core i5-13600K
139
Core i5-14600K
145
Ryzen 9 7950X3D
147
Ryzen 7 9800X3D
155
Core Ultra 7 265K
155
Core i7-12700K
164
Ryzen 9 9900X
173
Ryzen 9 7900X
197
Core i7-13700K
212
Ryzen 9 9950X
220
Core i7-14700K
222
Core Ultra 9 285K
235
Core i9-12900K
237
Ryzen 9 7950X
260
Core i9-13900K
279
Core i9-14900K
281
参考:TechPowerUp
消費電力(13ゲーム平均)
CPU名称 消費電力
Core i5-12400F
40
Ryzen 7 7800X3D
46
Ryzen 5 5600X
47
Core i5-13400F
48
Ryzen 7 5700X
49
Ryzen 5 7600
50
Ryzen 7 5800X3D
58
Ryzen 7 7700
60
Core i5-12600K
61
Core Ultra 5 245K
61
Ryzen 7 9800X3D
65
Ryzen 5 9600X
66
Ryzen 5 7600X
66
Ryzen 9 7950X3D
68
Ryzen 7 7700X
70
Ryzen 9 7900
71
Ryzen 7 9700X
71
Core i7-12700K
74
Core i5-14600K
76
Core Ultra 7 265K
77
Core i5-13600K
79
Core Ultra 9 285K
94
Ryzen 9 5900X
98
Core i9-12900K
98
Ryzen 9 9900X
100
Core i7-13700K
102
Ryzen 9 9950X
104
Ryzen 9 7900X
104
Ryzen 9 5950X
108
Core i7-14700K
116
Ryzen 9 7950X
116
Core i9-13900K
145
Core i9-14900K
149
参考:TechPowerUp

消費電力は7800X3Dからやや増加

消費電力は7800X3Dからやや増加してしまいました。差をまとめると以下のような感じです。

消費電力比較
CPU Blender ゲーム マルチ性能 ゲーム/1080p
Ryzen 7 9800X3D 155W(+81W) 65W(+19W) +24.2% +8.0%
Ryzen 7 7800X3D 74W 46W

ゲームに関しては性能の良さを考慮すれば十分優秀です。

しかし、問題なのはマルチスレッド処理時です。155Wとなっており、7800X3Dの74Wから約2倍になってしまいました。

PPT(最大電力設定)の162Wを考えれば仕様通りではあるのですが、8コアCPUとしては非常に多いです。7800X3Dが非常に優秀だっただけにここはかなり残念でした。

このCPUでマルチスレッド処理を多用する人はさほど多くないとは思いますが、もしマルチスレッド処理も多用するなら少し電力を制限することも有力な選択肢になるかもしれません。

とはいえ、めちゃくちゃ多い訳ではなく、ハイエンド水冷必須というほどでもないです。空冷でも高性能なものなら運用できるレベルなので、導入するクーラーや考え方次第ではあると思います。

電力効率(ワットパフォーマンス)

電力効率を見ていきます。レンダリングおよびゲーミング時の効率です。

各テストで得られたスコアを消費電力で割って算出した、1Wあたりのスコアで見ていきます。ただし、効率が悪かったとしても、レンダリングなどの処理量が決まっているスコアでは高性能な方が処理を早く終えることが出来るため優位性がありますし、ゲームにおいても高いfpsを得ているので、効率が悪いから一概にダメという訳ではない点を留意です。

電力効率(Cinebench Multi)
CPU名称 1Wあたりのスコア
Ryzen 9 7900
20.7
Ryzen 9 7950X3D
17.0
Ryzen 7 7800X3D
16.2
Ryzen 7 9700X
15.7
Ryzen 7 7700
15.0
Core i5-13400F
14.1
Ryzen 7 5700X
13.7
Ryzen 9 5950X
12.8
Ryzen 5 9600X
12.7
Core Ultra 5 245K
12.4
Ryzen 9 9900X
12.0
Core Ultra 7 265K
11.9
Ryzen 9 9950X
11.6
Ryzen 5 5600X
11.6
Core Ultra 9 285K
11.5
Ryzen 5 7600
11.5
Core i5-12400F
11.3
Ryzen 7 5800X3D
10.6
Core i5-14600K
10.4
Ryzen 9 5900X
10.2
Ryzen 9 7900X
10.1
Ryzen 7 9800X3D
10.1
Core i5-13600K
10.1
Ryzen 9 7950X
10.0
Ryzen 7 7700X
9.8
Core i5-12600K
9.4
Core i7-14700K
9.4
Core i7-12700K
9.0
Core i9-14900K
8.6
Ryzen 5 7600X
8.6
Core i7-13700K
8.5
Core i9-13900K
8.3
Core i9-12900K
7.5
参考:TechPowerUp
電力効率(14ゲーム1080p平均)
CPU名称 1Wあたりのfps
Ryzen 7 7800X3D
4.25
Core i5-12400F
3.78
Ryzen 5 7600
3.53
Ryzen 7 9800X3D
3.30
Ryzen 5 5600X
3.19
Core i5-13400F
3.18
Ryzen 7 5700X
3.06
Ryzen 7 5800X3D
3.05
Ryzen 7 7700
3.02
Core Ultra 5 245K
2.89
Ryzen 5 9600X
2.80
Ryzen 9 7950X3D
2.76
Ryzen 5 7600X
2.72
Core i5-12600K
2.68
Ryzen 7 7700X
2.66
Ryzen 7 9700X
2.59
Core Ultra 7 265K
2.41
Core i5-14600K
2.41
Core i7-12700K
2.39
Ryzen 9 7900
2.39
Core i5-13600K
2.22
Core Ultra 9 285K
2.01
Core i7-13700K
1.88
Ryzen 9 9900X
1.85
Core i9-12900K
1.82
Ryzen 9 9950X
1.80
Ryzen 9 7900X
1.70
Core i7-14700K
1.63
Ryzen 9 5900X
1.61
Ryzen 9 7950X
1.54
Ryzen 9 5950X
1.48
Core i9-13900K
1.35
Core i9-14900K
1.32
参考:TechPowerUp

ゲーム時の効率は非常に優秀。マルチスレッド時は微妙に

9800X3Dのゲーム時の電力効率(ワットパフォーマンス)は非常に優秀です。

しかし、Blenderのマルチスレッドテストの効率は7800X3Dから約38%も悪化しており、やはりマルチスレッドにおける電力面はかなり悪化しています。

差をまとめてみると以下のような感じです。

ワットパフォーマンス比較
CPU Blender ゲーム マルチ性能 ゲーム/1080p
Ryzen 7 9800X3D 10.1(-37.7%) 3.30(-22.4%) +24.2% +8.0%
Ryzen 7 7800X3D 16.2 4.25

ゲームは十分に優秀な値なので、7800X3Dから多少悪化していても無視できると思いますが、マルチスレッド面はさすがにやや気になる低下率です。

7800X3Dの数値を考えると、電力制限を下げれば改善することが期待できるので、マルチスレッド処理を多用するなら選択肢として考えておいても良いと思います。

ゲーム時の平均消費電力はわずか65Wなので、PPTを162Wから少し下げるくらいならゲームへの影響もほとんど無いと思います。

温度

CPUの温度を見ていきます。非常に高負荷なレンダリングソフト「Blender」動作時と、ゲーミング時(Cyberpunk 2077)の二つの温度を見ていきます。基準温度は25℃で、動作から10分後の定常状態の温度となっています。

冷却システムは、CPUクーラーに「NH-D15」が使用されています。14cmファン2基でファン1つに付き1つのヒートシンクを備えたツインタワー空冷クーラーとなっており、空冷としては非常に高い冷却能力となっています。しかし、240mm以上の水冷やハイエンド空冷にはやや劣る冷却能力です。

レンダリング時の温度(Blender)
CPU名称 温度
Core i5-13400F
42.6
Core i5-12400F
46.1
Ryzen 9 7900
46.4
Ryzen 7 5700X
47.2
Core i9-11900K
54.0
Ryzen 5 5600X
58.6
Ryzen 7 9700X
59.1
Ryzen 9 5950X
60.1
Core Ultra 5 245K
61.2
Ryzen 5 7600
61.6
Ryzen 7 7700
61.7
Ryzen 9 5900X
63.6
Core i5-12600K
65.2
Ryzen 5 9600X
65.4
Core i5-14600K
69.6
Ryzen 9 9900X
71.0
Core i5-13600K
71.5
Core Ultra 7 265K
72.1
Core i7-12700K
72.4
Ryzen 7 5800X3D
73.0
Ryzen 7 7800X3D
75.8
Ryzen 9 7950X3D
77.0
Core i7-14700K
79.8
Ryzen 9 9950X
81.6
Core i7-13700K
86.0
Ryzen 7 9800X3D
86.7
Core i9-14900K
87.5
Core Ultra 9 285K
88.2
Ryzen 7 7700X
89.3
Ryzen 5 7600X
89.7
Core i9-12900K
90.4
Ryzen 9 7900X
91.6
Ryzen 9 7950X
92.0
Core i9-13900K
95.4
参考:TechPowerUp
ゲーム時の温度(Cyberpunk 2077)
CPU名称 温度
Core i5-12400F
41.0
Core i5-13400F
42.1
Core Ultra 5 245K
44.1
Ryzen 7 5700X
47.2
Ryzen 9 7900
48.1
Core Ultra 7 265K
49.0
Core i5-12600K
50.5
Core i7-12700K
52.2
Ryzen 9 7950X3D
52.2
Ryzen 5 7600
53.9
Ryzen 5 5600X
55.2
Core i9-11900K
55.6
Core i5-14600K
56.3
Core Ultra 9 285K
58.5
Ryzen 9 5900X
59.7
Core i9-12900K
60.1
Ryzen 9 7950X
60.6
Ryzen 7 9800X3D
60.8
Ryzen 7 7700
61.3
Ryzen 7 9700X
61.3
Core i5-13600K
61.6
Ryzen 9 5950X
62.7
Ryzen 7 7700X
63.6
Ryzen 5 9600X
65.0
Core i7-14700K
65.0
Ryzen 9 7900X
65.2
Ryzen 7 5800X3D
65.3
Ryzen 9 9900X
65.7
Core i7-13700K
65.8
Ryzen 5 7600X
68.2
Ryzen 7 7800X3D
69.2
Ryzen 9 9950X
71.1
Core i9-14900K
73.4
Core i9-13900K
77.6
参考:TechPowerUp

ゲーム時の温度が低下し、冷却効率の改善は確かに見られる

9800X3DのCPU温度は、7800X3Dの頃からゲーム時の温度が大きく改善しています。ダントツのゲーム性能を発揮しつつも、ゲーム時の温度は60℃程度に留まっており、しっかりと冷却ができています。

先代の7800X3Dからは-8.4℃の低下が見られ、性能が向上した上で温度も下がっているというのは素晴らしいです。

前世代のX3Dは、性能と消費電力の割には温度が高く、冷却が難しい点が課題の一つでしたが、その点では確かに改善が見られました。アーキテクチャの変更もあるので一概には言えませんが、AMDの狙い通り「3D V-Cache」の配置変更が功を奏していそうな感じです。

しかし、マルチスレッド処理時には86℃台と高温になっており、こちらは性能の割にはかなり高めの温度です。ただ、7800X3Dからマルチスレッド時の消費電力が2倍近くになっている割に、温度は+10.9℃(約+14.4%)程度に留まっているので、冷却効率は良くなっている印象です。

電力制限を少し下げれば温度面も少し改善すると思われるので、マルチスレッド処理も多用する場合や、クーラーの騒音が気になる場合には選択肢として覚えておくと良いかもしれません。

まとめ

ざっくりと各性能を見てきました。最後に評価をまとめています。

Ryzen 7 9800X3D

良い点
  • 単独トップの最強ゲーミングCPUで、次点の7800X3Dにもやや差を付ける ※2024年11月時点
  • ゲーム時の電力効率が非常に良い
  • 非常に優れたゲーム性能ながら、ゲーム時の温度は低め
  • 先代の7800X3Dからマルチスレッド性能が20%以上向上
  • 小型コアを含まない上にCCDが一つだけなので、コア割り当てや最適化の不具合が起きにくいと思われる
  • 内蔵GPUあり(性能は低い)
  • 既存の600シリーズチップセットのマザーボードで利用可能(BIOS更新は必要となる可能性があるので注意)

気になる点
  • 高価(479ドル、国内想定価格:86,800円)
  • 同価格帯の他製品に比べ、マルチスレッド性能が大幅に低い
  • 7800X3Dよりも消費電力が増加(それでも優秀だけど、7800X3Dほど魅力的ではなくなった)
  • マルチスレッド処理時の電力関連は悪め(気になる場合は電力制限の調整を視野に)
  • NPU無し(Core Ultraでは低性能だが搭載)

Ryzen 7 9800X3Dの総評:新たな最強ゲーミングCPUだが、価格が懸念点

ゲーマー待望の「Ryzen 7 9800X3D」ですが、期待通りゲーム性能は非常に強力でした。2位以下にやや差を付けてトップの、新たな最強のゲーミングCPUです。

その性能はこれまでトップだった「Ryzen 7 7800X3D」をフルHDゲームで平均で約8%上回る結果を示していました。これまでの単独トップのゲーム最強CPUをも大きめに上回っており、凄いです。

他のレビュー記事を見ると10%~11%程度の向上となっていることも多く、ゲーム性能は下馬評以上と言えるかと思います。素晴らしい性能です。ゲーム性能に特化するのであれば、非常に強力で魅力的なCPUです。

また、「3D V-Cache」の配置がCCDの下になったことにより冷却効率も向上し、ゲーム時の温度は先代の「Ryzen 7 7800X3D」から改善したことや、クロックが向上したことによりマルチスレッド性能も先代から20%以上の向上を記録するなど、弱点が少し補強されたことも嬉しいです。

最も求められていたゲーム性能を着実に伸ばし、課題だった点を補強するという、魅力をしっかりと高めたCPUとなっていると思います。

その一方で、気になる点もあります。特に気になるのはやはり価格です。

希望小売価格は479ドルで、「Ryzen 7 7800X3D」から30ドル高くなりました。為替や恐らく需要の高さの影響もあり、国内での想定発売価格は86,800円と非常に高価です。8コアCPUとしてはかなり高額なCPUとなっています。

ゲーム性能が2位以下に差を付けてのトップなので、多少高額でも需要は十分あるとは思うものの、マルチスレッド性能が多少伸びたとは言っても8コアCPUです。マルチスレッド性能は価格の割には大分低い上でこの価格は、ゲームメインでも留意すべき必要があります。

具体的には、より安価な高コスパミドルレンジCPUを採用すればGPUのグレードを一つ二つ上げれるレベルというのが大きいです。最終的なゲーム性能としては必ずしも良い選択ではないかもしれないのは要注意です。

また、レビュー記事のゲームテストでは最上位クラスのGPUを採用するのは通例で、現在では「RTX 4090」が主に採用されますが、実際にはもっと低い性能のGPUを使うことがほとんどのはずです。

その場合にはCPUのボトルネックもやや緩和されるはずなので、他CPUとのゲーム性能差は上述したほどは出ない可能性があるというのも覚えておくと良いかもしれません。

CPUのゲーム性能比較ではGPUの話が出てこないのが基本ですが、予算に限りがある人がゲームメインのPCを求める場合に最も重要なのはCPUではなく、基本的にはGPUです。そこを念頭に置くのを忘れないようにしたいです(CPUの方が重要度の高い例外的なタイトルもあるので一概には言えないけど)。

そして、次は価格ほどの問題ではないですが、「Ryzen 7 7800X3D」から電力面が少し悪化した点があります。クロックを上げたことが大きめに影響していそうです。

ゲーム時の場合はさほど問題ではなく、「Ryzen 7 7800X3D」からは少し悪化したものの、CPU全体で見れば消費電力も少ない方ですし、効率も非常に優れています。温度も低く、十分優秀です。問題なのはマルチスレッド性能の方です。

マルチスレッドでの高負荷時の消費電力は150W台にまで到達し、70W~80Wだった「Ryzen 7 7800X3D」と比べると格段に悪化しています。他のCPUと比べても良くないです。

「Ryzen 7 7800X3D」はどの面でも効率が非常に良かったので、マルチスレッド性能コスパは悪くても妥協しやすかったですが、「Ryzen 7 9800X3D」は標準設定だとマルチスレッド効率が悪く、価格も8コアCPUとしては非常に高価なのでコスパも悪く、かなり微妙です。

しかしこれは、恐らく電力制限(PPT)を少し制限すれば改善されると思います。これが、さほど問題ではないと言った理由です。

若干の性能低下を受け入れる必要はあるかもしれませんが、ゲーム時の平均消費電力はわずか65W程度だったので、電力制限少し下げるくらいならゲームへの影響も軽微なはずなので、ゲームメインならさほど気にならないかなと思います(どのような動きになるかは実際に検証する必要はありますが)。

とはいえ、ユーザーの多くは標準設定から変更せずに使うと思うので、万人向けの仕様としてはやや不親切ではあるかなと思います。7800X3Dが標準設定でも効率面でも優れた形だったことがオススメしやすいCPUの理由の一つだったと思うので、紹介する立場としても、正直残念ではあります。

といった感じで、総評は以上です。

少し気になる点はあるものの、ゲームに特化したCPUとしては非常に強力なのは間違いないです。登場したばかりの「Core Ultra 200S」のゲーム性能が微妙だったこともあり、少なくとも1~2年は最強CPUとなる可能性は非常に高いと思います。

価格面も「Ryzen 7 7800X3D」のときのようにいつか大きく下がる可能性もありますし、価格動向は目の離せないCPUになりそうです。

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