「Ryzen 7 9700X」等の「Zen 5」のRyzen 9000シリーズが約2週間前から利用可能となりましたが、レビューを見ると前世代からの性能向上率が事前の発表よりも低いことが指摘されており、やや残念ムードが漂っていました。
しかし、これはAMDが想定していたパフォーマンスを下回っていたようで、考えられる原因を調査をした結果、いくつかの要因をいくつか見つけたようです。そして、その要因について海外の公式コミュニティにて、AMDが声明を投稿しています。
理由はいくつか挙げられていますが、恐らく最も大きいのは「Windowsの設定の違い」のようです。
「Zen 5」には以前の世代よりも幅広い分岐予測機能が組み込まれているらしいですが、これが「管理者モード」でないと最適化が反映されないことが主な要因のようです。
AMDのレビューでは、Windowsは「管理者」モードで行われたため分岐予測の最適化が反映されているのに対し、外部レビューでは「管理者権限」モードの通常ユーザーアカウントでテストされていたことが多かったことが原因と主張しています。
この問題について、「Windows 24H2」からは通常のアカウントでも正しく分岐予測機能が働くようにWindowsと協力中であることが述べられており、近々改善されることが期待されています(ちなみに、プレビュー版なら既に利用可能です)。
この改善が適用されれば、AMDはRyzen 7000シリーズと比較して生産性とクリエイティブワークロードで約10%、AIワークロードで約25%、ゲーミングで5~8%の性能向上が実現するとしています。
また、投稿ではWindows「24H2」と以前の「23H2」のそれぞれの環境でのパフォーマンスの違いをまとめた表が示されており、Ryzen 9 9950Xを用いたテストのゲームでは、Far Cry 6で+13%、Cyberpunk 2077で+7%、Hitman 3で+3%などの向上率となっていました(1080p High設定)。
更に、この変更では「Zen 5」でのパフォーマンスが最も向上しますが、「Zen 4」と「Zen 3」のパフォーマンスが向上することも触れられていました。
筆者も当初の性能を見たときは正直微妙だなと思っていましたが、少し改善されるようなので楽しみです。
CPU性能比較に記載されているベンチマーク結果はこちらの更新プログラムの結果を反映されていますでしょうか?
よろしくお願いします。
アップデート前と後の両方のスコアを含んだものになっています。
ただし、このアップデートで改善するのは全ての処理ではなく、Cinebenchに関してはアップデートほぼ変化がないことが確認されていますし、PassMarkのスコアもアップデート後に変化はほぼ見られなかった印象なので、特に気にしなくて良いかなと思います。
大きめの向上率が示されたのは主に一部のゲーム、クリエイティブ、AI系の処理となっています。