最高のグラフィックボード(GPU)【海外の記事から見るGPU市場】

海外の「PC GAMER」というサイトで掲載されている「The best graphics cards(最高のグラフィックスカード)」
という記事の内容から現在(2018年6月時点)でのグラフィックボードについて見ていきたいと思います。
参考ページの内容の「引用・要約(翻訳)」については下記の様に背景色を変更して示しています。

引用・要約(翻訳)

参考ページ

https://www.pcgamer.com/the-best-graphics-cards/

前置き

まず記事冒頭で、ゲーミングPCにおけるグラフィックボード(GPU)の重要性について述べられています。
PC初級者に向けての最低限理解して欲しい内容といったところ。要約すると下記の2点が挙げられています。
【要約】
・グラフィックボードは、ゲームプレイの快適さに最も影響を与えるものである。
・CPUとメモリは依然重要だが、ゲーミングPCの心臓部はGPU。
ある程度PCに詳しくなると、ゲームにおいてGPUが他と比較にならないほど重要というのは当たり前ですが、
そうでない人向けにもしっかりと考慮している点は大手サイトならではの考慮だと感じました。

GeForce GTX 1060 6GB

【要約】
“素晴らしい1080pのパフォーマンスと価格”
+良い価格とパフォーマンス
+効率的で静か
ー要求スペックの非常に高いゲームだと、設定を低くする必要がある
GTX 1060 3GBは魅力的かもしれないが、3GBのVRAMが懸念点。
ほとんどのゲームで、特に1080pのディスプレイでは高品質と高品質のテクスチャの違いが無視できるため、実際メモリはそれほど必要ではない。
ただ、今後のゲームの事を考えると、3000円の追加費用で6GBにする事をおすすめする。
GTX 1060 3GBは予算的に本当に厳しい場合には、価値がある。
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最初に紹介されたGPUは、「Nvidia GeForce GTX 1060 6GB」でした。日本でもコスパが評価され、現在(2018年6月)恐らく最も人気のGPUです。
3GB版より6GB版の方が良い
3GBより6GBの方が良いという点に焦点が当てられています。
日本でもしばしば論点になる部分ですが、6GB版の方をおすすめすると明確に言い切っています。
「今後の事を考えると」という頼りない理由にはなっていますが、自分も同意見で6GB版推し派なので…苦しい理由しかないのがわかります。
テストの数値を見ると、3GB版も6GB版もほとんど差はないのは事実なので、普通に考えれば3GBの方が優位ですからね。
ただ、やはり「3GB」と「6GB」という差は明らかに「大きな差」ではあるのは間違いないです。
そこがもたらす「差」が今後出てくる可能性を、たった3000円で回避できる可能性があるならそうするべきだ、という事が言いたいのだと思いました。

GeForce GTX 1070 Ti

【要約】
“1440pおよび144Hzディスプレイに最適”
+素晴らしいパフォーマンス
+1080pおよび1440pゲームに最適
ー高すぎるかもしれない価格
ーDX12のパフォーマンス不足の可能性
最高のGPUは、最も早いGPU、または最も安いGPUではない。代わりに、最高のGPUは性能、価格、および機能のバランスを取る必要がある。
GTX 1060は素晴らしいカードだが、今後2~3年を通して使えるカードが必要な場合は、GTX 1070 Tiが最適。TDP180Wは非常に効率的。
1070と1080の中間のパフォーマンスを提供し、1070に近い価格を実現する。1070 Tiには、ほとんどのゲームを最高品質に近づける性能・機能がある。
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2番目に紹介されたのは「GeForce GTX 1070 Ti」でした。発売当初は注目されませんでしたが、価格が少し安くなった事で、再評価され始めました。
最高のGPUの定義
まず、GTX 1060は素晴らしいGPUと評価しつつも、性能に関しては今後2~3年続けて最前線で使用できるものではないという内容があります。
実際GTX 1060は、現状でも設定を下げないと快適なプレイが難しいゲームはあります。
ただ、GTX 1060も十分高性能なGPUなので、使用できるという意味なら2~3年は間違いなく使えると思うので、ちょっと誇張が過ぎるかなという気はします。
GTX 1070 Ti の良さを際立たせるための表現だとは思いますが、訂正しておきたい部分です。
そして、記事ではその後に、GTX 1070 Tiであれば今後2~3年は使用できると確信しているといった感じの事が書かれています。
これに関しては、そうだと思います。GTX 1070 Tiほどの性能であれば、2~3年経っても間違ないなくまだ最前線で使用出来ると思います。
最高のパフォーマンスを提供できる中で、最もコスパが良いGPU
現在、一般ユーザーがコスパの良いハイエンドGPUを選択するときの主な候補は、「GTX 1070」「GTX 1070 Ti」「GTX 1080」の3つです。
この3つを比較したときに、GTX 1070 Tiは、GTX 1070に近い価格ながら、GTX 1070とGTX 1080の中間の性能を持っており、コスパが一番良い事が述べられています。
これは自分もそう思います。また、記事中では軽くしか触れられていませんが、特に消費電力(TDP)の少なさは大きいと思います。
上記の点から、最高のパフォーマンスを提供しながら、現状最もコスパが良いGPUは「GTX 1070 Ti」という事を推す内容となっています。

GeForce GTX 1080 Ti

【要約】
“4Kとその他のすべてのための最も速いグラフィックカード”
+最速の非タイタンGPU
+素晴らしい新機能
ー完全な予算PCと同等のコスト
もし惑星最高のグラフィックカードを必要とするなら、頭を悩ます必要はなく GeForce GTX 1080 Tiである。
Titan XpとTitan Vは技術的には高速だが、ゲーミング用途のものではない。
私のたちのテストでは、GTX 1080 TiはGTX 1080より約30%速く、GTX 970の2倍以上の速さ。
唯一の注意点は、このレベルの性能が必要にする前に、1440pまたは4Kディスプレイが必要なこと。
GTX 1080 Ti の最大の懸案事項は、NvidiaのGTX 1180と7月下旬にTurringアーキテクチャが登場するという噂があり、9月までに利用できる可能性がある事。
それらが1080 Ti以上である可能性を考えて、これらの価格を考えなければならない。
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現状、ゲーム用途の最高性能GPU
日本ではあまり聞かない、独特の表現でその性能の高さが評価されています。
ゲーミング用途で使うGPUでは間違いなく最高性能であることを強調し、それだけで凄い価値がある事を際立たせています。
近日中に更に高性能のゲーミングGPUが出る可能性
最大の懸案事項として触れられているのが、新しいGPUの登場。
そして最後に、価格について考慮すべきと締めくくられているが、これは逆に現状「GTX 1080 Ti」が価格が非常に高くコスパもあまり良くない点が、これから損する可能性が高い事を危惧している記述にも見えました。

Radeon RX Vega 56 8GB

【要約】
“HBM2でパワフル、AMDの最高のGPU”
+素晴らしいパフォーマンス
+1440pに適している
ー高価で飢えている?
ー1070 Ti よりも高価
発売前のVegaには大きな期待を持っていたが、最終的には期待はずれのものだった。
私たちが期待していたTitan-killerどころか、Vega 64はGTX 1080にも劣るものだった。
しかし、Vega 56は、GTX 1070と効果的にマッチングしつつ、理論上はTiに位置する。
少なくともRX Vega 56(とVega 64)は、競争力のある価格で入手でき、パフォーマンスは非常に良い。
DirectX 12のゲームによっては、NVIDIA GPUよりも優れているものもある。
一般的には競争について何か言われる事もあるが、既にシェアの多いNvidiaが、他GPUを阻み続ける事は望ましくない。
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GTX 1070 Tiの位置付けで、DirectX 12のゲームでは優位に立つ
RX Vega 56はGTX 1070やGTX 1070 Tiが対抗製品だという事を述べ、その上でDirectX 12ではNvidiaのGPUよりも優れている場合がある事に言及しています。
“競争力のある価格で入手でき、パフォーマンスは非常に良い”という部分については、
価格競争の末に、Nvidia製のほぼ同性能GPUに近い価格まで値下がりした事について言っていると思われます。
Nvidia製GPUの一強状態への憂慮
完全にRX Vega 56という該当製品から話がズレていますが、GPU市場の現状について触れられています。
現状では、外付けグラフィックボード市場のNvidiaのほぼ一強状態は明らかですが、この状態を望ましくないと言っています。
暗に、AMDにもっと頑張ってくれと言っている様にも聞こえます。

Radeon RX 570 4GB

【要約】
“1080pのための最高のAMDカード”
+1080pゲームに最適
+DX12だとしばしば高速
ー元のMSRPより低い
ーGTX 1060 よりも多くのパワーを使用
RX 570 4GBは、その優れた性能と合理的な価格設定のおかげで、現在でも私たちのお気に入りだ。
全体的に、RX 570 4GBは、GTX 1060 3GBよりわずかに先か少し後ろに位置している。
DirectX 12ゲームでは通常AMDが優位。 RX 570はGTX 1060より消費電力が少し多いが、ほとんどのデスクトップPCは150Wでも何の問題もなく使用することができる。
あなたがプレイするゲームと現在の価格によっては、RX 570は1080pゲーム用の素晴らしいカード。
8GBモデル(RX 580 8GBを含む)は長期的な使用を見たときの解答として優れているが、現在の価格では GTX 1060 6GBの方が価値は高い。
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DirectX 12ではNvidia製GPUより優位
RX Vega 56でも触れていましたが、DirectX 12での優位性について述べられています。
正直、現状ではGTX 1060の方が価値が高い感は否めない
消費電力についてフォローは入れられているものの、全体的にGTX 1060と比較すると劣っている感は否めないという感じが伝わってきます。
ならなぜこのGPUを載せたんだ…と思ってしまいます。
色々と邪推してしまいますね。

Radeon RX 560 4GB

【要約】
“e-sportsに最適な手頃な価格のカード”
+非常に手頃な価格
+電源アダプターが必要ない
ーいくつかの新しいゲームで苦闘する
ーオリジナルのMSRPよりも高い価格

低価格なグラフィックカードの場合、主な競合相手はAMDのRX 560とNvidiaのGTX 1050。

現在、RX 560 4GBはGTX 1050 2GBよりも安く、競争の激しいゲーマーが好きな小~中の品質帯と1080pで特に優れている。
価格変動の激しいGTX 1050は注意が必要。
RX 560 4GBは、『CS:GO』『LoL』『Overwatch』等の軽いスポーツゲームに最適。
大抵のゲームで1080pで60fpsを出す事が容易。
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競争相手のGTX 1050より安い
実用的で低価格な外付けグラフィックボードでは、候補に挙がるのがRX 560とGTX 1050の2つで、その2つではRX 560のが安いという事が述べられています。また、GTX 1050は価格変動が激しい事にも触れられています。
ただ、海外では価格が違うのかもしれませんが、日本ではGTX 1050とRX 560 4GBはほぼ同額です。
RX 560 2GBについてはGTX 1050よりは大幅に安いですが…。
ここは海外と日本の差があって、単純に比較できないかもしれません。
軽いスポーツゲームに最適
RX 560 4GBは、『CS:GO』『LoL』『Overwatch』等の軽いスポーツゲームに最適と述べられています。
確かに、上記に挙げたような要求スペックの低いゲームに関しては価格的にも最適と言えるでしょう。
AMD製のGPUは、DirectX 12で高い数値を出しているらしいのでその点でも優位ですし、これは素直に良い点です。

登場GPUの性能比較表

今回登場したGPUと、それぞれの対抗製品のFPS比較グラフが載っていたので、
3DMarkと参考価格を添えて表にまとめてみました。
GPU名称3DMark
平均FPS
(1080p中設定)
平均FPS
(1440p)
参考価格
GTX 1080 Ti27800165.795.390,000円
GTX 108022000149.475.167,000円
GTX 1070 Ti19900140.267.960,000円
RX Vega 6420300134.767.7100,000円
GTX 107018000131.360.950,000円
RX Vega 5620200127.461.460,000円
RX 580 8GB14150103.745.438,000円
GTX 1060 6GB12900100.944.433,000円
RX 570 4GB1240092.638.932,000円
GTX 1060 3GB1230094.037.629,000円
GTX 1050 Ti770063.725.718,000円
RX 560 4GB?54.722.518,000円
GTX 1050680055.821.216,000円
※3DMarkはUL Benchmarksの値を参考にした値
※平均FPSは15種類のゲームでの計測
※参考価格は、2018/6/26時点での価格.comでの参考価格

総評

全体的に、GPUは概ね日本での評価と同じという印象でした。
実売価格についても、少しの差異がある場合もありますが、基本的には同じようです。
やはり圧倒的存在感を放っているのは「GeForce GTX 1060」でした。別製品の紹介時にも、比較としてよく持ち出されました。
GTX 1060と比較して良い点があるかどうかが、良いGPUの一つの指標になっているというのは凄いです。
記事中でも触れられた通り、これから2~3年を通して最新の要求スペックの高いゲームで最高のパフォーマンスを出すのは無理なスペックではありますが、設定さえ工夫すれば十分暫く使える性能ですし、改めてそのコストパフォーマンスの高さを思い知りました。

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