「Core i9-13900K」「Core i5-13600K」ざっくり評価【性能比較】

Intelの第13世代Coreプロセッサー「Core i9-13900K」「Core i5-13600K」の評価記事です。

省スペース性と低消費電力動作に特化したEコアを大量追加してRyzen 7000シリーズに対抗するIntelの最新プロセッサの実力を見ていきたいと思います。

注意

本記事の内容は記事執筆時点(2022年10月21日)のものとなります。ご覧になっている際には異なる可能性があるため注意してください。

掲載の価格は、主にAmazonや価格.comを参考にしたおおよその市場価格です。

※追記:掲載当初「Core i9-13900K」のスコアが「Ryzen 9 7950X」よりやや低いスコアで掲載されていましたが、それは誤りで後に修正したスコアに差し替えています。お詫びして訂正いたします

※追記2:温度の項目を追記

簡易比較表

前世代や競合モデルとの簡易比較表を見ていきます。

前世代との比較(第13世代と第12世代)

まずは前世代の第12世代Coreと今回登場した第13世代Coreをざっくり比較しながら見ていきたいと思います。主な仕様を下記の表にまとめています。ただし、第13世代Coreはまずは末尾Kのモデルのみの投入だったため、今後追加されるであろう無印モデルなどは含まれていないため注意してください。併せるために、第12世代CoreもKモデルの仕様のみを記載しています。

第13世代Core(K)
第12世代Core(K)
※12900KSは除く
アーキテクチャ Raptor Lake Alder Lake
プロセス 10nm 10nm
ソケット LGA1700 LGA1700
コア
14~24コア
Pコア:6~8コア
Eコア:8~16コア
10~16コア
Pコア:6~8コア
Eコア:4~8コア
スレッド
20~32スレッド
16~24スレッド
PBP (TDP/PL1) 125W 125W
MTP (TDP/PL2)
Core i7 / i9:253W
Core i5:181W
Core i9:241W
Core i7:190W
Core i5:150W
クロック(最大)
5.8GHz
5.2GHz
L2キャッシュ
20MB~36MB
Pコアあたり2MB
4Eコアあたり4MB
9.5MB~14MB
Pコアあたり1.25MB
4Eコアあたり2MB
L3キャッシュ
24MB~36MB
20MB~30MB
内蔵GPU UHD 770
※末尾Fは無し
UHD 770
※末尾Fは無し
メモリ(定格最大)
DDR5-5600
DDR4-3200
DDR5-4800
DDR4-3200

おおまかなCPU仕様の違いは以上のような感じになっています。

性能面での大きな変更点はEコアの数です。第12世代では最大8コアだったのが最大16コアへと大きく増えました。これによってマルチスレッド性能も大きく向上することが期待できます。コアの増加数については、前世代で8コアだったCore i9は16コアに、4コアだったCore i7およびCore i5のKモデルは8コアになっています。また、まだ未発表ですが、前世代ではEコアが無かった無印モデルの中にも4コア追加されるものがあるようです。

しかし、Pコアの数は前世代から据え置きな点に注意です。Core i9 / i7で8コア、Core i5では6コアです。対抗のRyzen 7000もコア数は変わらなかったものの、Ryzenはプロセスの微細化を伴うのに対し、第13世代Coreはプロセスは据え置きなのでやや不利に見えます。

また、コア構成や世代の更新に伴い、キャッシュ量にも変化があります。特にL2キャッシュは大きく増量しており、前世代では最大14MBだったのが最大36MBとなっています。内訳としては、前世代ではPコアあたり1.25MBだったのが2MBと1.6倍になり、Eコアについてもクラスタあたり(4Eコア)で、2MBだったのが4MBと2倍になっています。L3キャッシュもわずかに増量しています。

前世代の改良版に近いと言われてはいますが、キャッシュ面ではコアあたりで見ても格段に向上しています。メモリについても、DDR5について前世代では定格DDR5-4800だったのがDDR5-5600と少し向上しています。高いキャッシュやメモリ性能を要求するワークロードでの性能は特に大きく向上していると思われます。

ソケットは前世代から引き続きLGA1700となっており、新たに追加されるIntel 700シリーズチップセットだけでなく、Intel 600シリーズも利用することができるのは強みです(機能が多少異なる点や更新が必要となる点は注意)。Ryzen 7000は新しいチップセット対応となり既存のマザーボードが使えなくなった上に、新規追加のチップセットのマザーボードが法外とも言われるほど高価だったので、明らかに安価に導入できるCoreの方が財布に優しいです。DDR4メモリにも対応している点もありますし、プラットフォームの費用やコスパ面ではIntelの方が大きく有利な気がします。

詳しい性能はこの後見ていきますが、カタログスペック時点で気になるのは消費電力です。PBP(ベース電力)こそ125Wで変わりませんが、MTP(最大ターボ電力)が前世代から上昇してしまっています。詳しくはこの後見ていきたいと思いますが、大幅に増量されたEコアはコア性能自体はPコアに劣りますから、高負荷時の効率的にはマイナスとなっているのではないかというのが懸念されます。

既存モデルとの比較

※価格は2022年10月21日時点でのおおよその市場価格です。

簡易比較
CPU名 コア スレッド クロック
定格 / 最大
TDP
(PL1 – PL2)
iGPU L3
キャッシュ
参考価格
Ryzen 9 7950X 16 32 4.5 / 5.7GHz 170W – 230W RDNA 2(2CU) 64MB 117,800円
Core i9-13900K 24
(8P+16E)
32 3.0 / 5.8GHz
2.2 / 4.3GHz
125W – 253W UHD 770 36MB 105,800円
Core i9-13900KF 24
(8P+16E)
32 3.0 / 5.8GHz
2.2 / 4.3GHz
125W – 253W 無し 36MB 102,800円
Ryzen 9 7900X 12 24 4.7 / 5.6GHz 170W – 230W RDNA 2(2CU) 64MB 92,500円
Core i7-13700K 16
(8P+8E)
24 3.4 / 5.4GHz
2.5 / 4.2GHz
125W – 253W UHD 770 30MB 74,800円
Core i7-13700KF 16
(8P+8E)
24 3.4 / 5.4GHz
2.5 / 4.2GHz
125W – 253W 無し 30MB 71,800円
Core i9-12900KS 16
(8P+8E)
24 3.4 / 5.5GHz
2.5 / 4.0GHz
150W – 241W UHD 770 30MB 98,800円
Core i9-12900K 16
(8P+8E)
24 3.2 / 5.2GHz
2.4 / 3.9GHz
125W – 241W UHD 770 30MB 80,000円
Ryzen 9 5950X 16 32 3.4 / 4.9GHz 105W – 142W 無し 64MB 78,000円
Core i5-13600K 14
(6P+8E)
20 3.5 / 5.1GHz
2.6 / 3.9GHz
125W – 181W UHD 770 24MB 57,800円
Core i5-13600KF 14
(6P+8E)
20 3.5 / 5.1GHz
2.6 / 3.9GHz
125W – 181W 無し 24MB 54,800円
Ryzen 7 7700X 8 16 4.5 / 5.4GHz 105W – 142W RDNA 2(2CU) 32MB 66,800円
Core i7-12700K 12
(8P+4E)
20 3.6 / 4.9GHz
2.7 / 3.8GHz
125W – 190W UHD 770 25MB 58,000円
Core i7-12700 12
(8P+4E)
20 2.1 / 4.9GHz
1.6 / 3.6GHz
65W – 180W UHD 770 25MB 53,000円
Ryzen 9 5900X 12 24 3.7 / 4.8GHz 105W – 142W 無し 64MB 55,000円
Ryzen 5 7600X 6 12 4.7 / 5.3GHz 105W – 142W RDNA 2(2CU) 32MB 49,900円
Core i5-12600K 10
(6P+4E)
16 3.7 / 4.9GHz
2.8 / 3.6GHz
125W – 150W UHD 770 20MB 43,500円
Ryzen 7 5800X3D 8 16 3.4 / 4.5GHz 105W – 142W 無し 96MB 58,800円
Ryzen 7 5800X 8 16 3.8 / 4.7GHz 105W – 142W 無し 32MB 38,000円
Ryzen 7 5700X 8 16 3.4 / 4.6GHz 65W – ?W 無し 32MB 36,000円
Core i5-12400 6 12 2.5 / 4.4GHz 65W – 117W UHD 730 18MB 30,000円
Ryzen 5 5600X 6 12 3.7 / 4.6GHz 65W – ?W 無し 32MB 28,000円

円安の影響もあり前世代よりは高くなるが、Ryzen 7000シリーズよりも安価

価格は前世代よりもやはり高くなりました。Core i9とCore i7については北米でのドルでの希望小売価格は前世代から据え置きだったのですが、やはり円安の影響で大きく値上がりしました。2022年10月時点では先代モデルよりも14,000円~26,000円高くなっています。

値上がりは当然痛いですが、Ryzen 7000シリーズの競合モデルよりは少し安くなっています。マザーボードもIntelの方が安い上に旧モデル(600シリーズチップセット)でも対応が可能ですし、DDR4に対応できるので、導入費用という点では第13世代Coreの方に大きく優位性があります

もちろん性能次第でコスパに関しては変わりますが、正直よっぽどハイエンドな処理をしない限りは前世代のCore i7やRyzen 7でも十分な性能だと思うので、性能を見ずとも基本的には実用コスパ的な意味なら第13世代Coreの方が上回るのかなと感じます。

処理性能

各処理性能をベンチマークスコアを海外レビューを参考に見ていきます。使用された使用されたGPUは「GeForce RTX 3080」となっています。使用されたメモリは、DDR5に対応しているモデルでは「DDR5-6000」で、その他は「DDR4-3600」となっています。

その他の細かい環境や設定等については、お手数ですが冒頭の参考リンク先の記事を参照してください。


マルチスレッド性能

マルチスレッド性能は、CPUの全コア稼働時の処理性能を表します。マルチスレッド性能が高いと、動画のソフトウェアエンコード(CPUエンコード)やレンダリングなど、膨大な量の処理に掛かる時間が短くなる他、複数タスクでのパフォーマンスが向上するなどのメリットがあります。

今回は、Cinebench R23というベンチマークソフトで測定された数値で見ていきます。

Cinebench R23 Multi
CPU名称 スコア
Core i9-13900K
38064
Ryzen 9 7950X
37523
Ryzen 9 7900X
28655
Core i9-12900K
27216
Ryzen 9 5950X
25841
Core i5-13600K
23984
Core i7-12700K
22856
Ryzen 9 5900X
21507
Ryzen 7 7700X
19810
Core i5-12600K
17577
Ryzen 7 5800X
15690
Ryzen 5 7600X
15242
Ryzen 7 5800X3D
14567
Ryzen 7 5700X
13660
Core i9-10900K
13636
Core i9-11900K
13323
Core i5-12400F
11671
Core i7-10700K
11657
Ryzen 5 5600X
11299
Core i5-11600K
10481

Core i9は前世代から更に性能が大きく向上してRyzen 9と同等クラスに。Core i5-13600Kは前世代のCore i7を上回る

マルチスレッド性能ですが「Core i9-13900K」は「Ryzen 9 7950X」とほぼ同等のパフォーマンスとなりました。Eコアを16も追加した成果で、マルチスレッド性能でも引けを取らずに地位を保つことができています。本体価格もマザーボードの価格も「Ryzen 9 7950X」少し安いので、マルチスレッド性能コスパは若干上回ることになります。

「Core i5-13600K」に関しては、前世代の「Core i5-12600K」から約36.4%と非常に大きな向上となり、「Core i7-12700K」をわずかに上回る性能を発揮しています。とはいえ、価格も前世代のCore i7並みとなっているので、コスパ的には良くなったと言えるかは微妙なところです。ただし、前世代のCore i7と同程度の価格で若干高性能なら悪くないですし、Ryzenよりはマザーボード価格も含め大幅に安く導入できるので、一般の人にとっては手の出しやすい高性能モデルになっていると思います。


シングルスレッド性能

シングルスレッド性能は、1コアでの処理性能を表します。シングルスレッド性能が高いと、軽い処理に掛かる時間が短くなる(サクサク動く)他、全コア稼働時にも当然影響がありますので、ほぼ全ての処理に対して有利に働きます。

今回は、Cinebench R23というベンチマークソフトで測定された数値で見ていきます。レンダリングのベンチマークテストです。

Cinebench R23 Single
CPU名称 スコア
Core i9-13900K
2290
Ryzen 9 7950X
2051
Core i9-12900K
2033
Ryzen 9 7900X
2026
Core i5-13600K
2016
Ryzen 7 7700X
2001
Ryzen 5 7600X
1963
Core i7-12700K
1934
Core i5-12600K
1920
Core i5-12400F
1729
Core i9-11900K
1659
Ryzen 9 5950X
1638
Ryzen 9 5900X
1599
Ryzen 7 5800X
1594
Core i5-11600K
1564
Ryzen 7 5700X
1538
Ryzen 5 5600X
1529
Ryzen 7 5800X3D
1481
Core i9-10900K
1390
Core i7-10700K
1368

Core i9はRyzen 9を約1割上回るシングルスレッド性能

シングルスレッド性能は「Core i9-13900K」は「Ryzen 9 7950X」を約11.6%上回るスコアを記録しています。やや差をつけてシングルスレッド性能王者の称号を取り返すことに成功しています。

ただし、「Core i9-13900K」は前世代の「Core i9-12900K」の最大クロック5.2GHzから、5.8GHzへとクロックが上昇しており、シングルスレッド性能の向上率とほぼ一致するので、実はほぼクロック分のみの向上だったりします。土台でのコア性能の向上はほぼなかった点は留意しておいても良いかもしれません。

「Core i5-13600K」についても同様で、前世代から約5%性能が向上していますが、これもほぼクロック上昇分と一致します。性能向上率は小さいものの、対抗のRyzen 7000シリーズのRyzen 7 / 9に近いパフォーマンスです。前世代のCore i7も少し上回っていますし、これで5万円台のCPUと考えるとコスパは高く感じます。


ゲーミング性能

この項目でのゲーミング性能は、実際にゲームを起動した際のFPSを見ていきます。内蔵GPUの性能ではなく、高性能なグラフィックボードを使用した際の性能である点に注意してください。

今回は12種類のゲームで測定したFPSの幾何平均を見ていきます。使用されたGPUは「GeForce RTX 3080」で、その他の設定はウルトラ(可能な限り最高の設定)です。測定に使用されたゲームタイトルやその他の環境は、お手数ですが記事冒頭のリンクからご確認お願いします。

12種類のゲームでの幾何平均fps(1080p)
CPU名称 スコア
Core i9-13900K
178.3
Core i5-13600K
174.3
Core i9-12900K
171.6
Core i7-12700K
168.3
Ryzen 7 7700X
164.7
Ryzen 9 7950X
164.7
Ryzen 9 7900X
163.6
Core i5-12600K
163.3
Ryzen 5 7600X
160.7
Ryzen 7 5800X3D
158.3
Ryzen 9 5950X
152.2
Ryzen 9 5900X
150.9
Core i5-12400F
150.4
Ryzen 7 5800X
148.4
Core i9-11900K
147.3
Ryzen 7 5700X
145.4
Core i7-10700K
145.1
Ryzen 5 5600X
141.7
Ryzen 7 5700G
133.8
Core i5-11400F
128.1
Core i9-10900K
125.8

12種類のゲームでの幾何平均fps(1440p)
CPU名称 スコア
Core i9-13900K
149.2
Core i5-13600K
147.1
Core i9-12900K
146.2
Core i7-12700K
144.5
Ryzen 7 7700X
141.9
Ryzen 9 7950X
141.2
Core i5-12600K
141.1
Ryzen 9 7900X
140.8
Ryzen 7 5800X3D
140.4
Ryzen 5 7600X
140.2
Ryzen 9 5950X
135.6
Ryzen 9 5900X
134.9
Core i5-12400F
134.2
Ryzen 7 5800X
133.5
Core i9-10900K
133.2
Ryzen 7 5700X
131.6
Core i9-11900K
131.0
Core i7-10700K
130.3
Ryzen 5 5600X
128.3
Ryzen 7 5700G
122.3
Core i5-11400F
120.4

12種類のゲームでの幾何平均fps(4K)
CPU名称 スコア
Core i9-13900K
96.7
Core i9-12900K
96.7
Core i7-12700K
96.5
Core i5-13600K
96.3
Core i5-12600K
96.1
Ryzen 7 5800X3D
95.8
Ryzen 9 7950X
95.7
Ryzen 7 7700X
95.5
Core i5-12400F
95.5
Ryzen 5 7600X
95.4
Ryzen 9 7900X
95.3
Ryzen 9 5950X
95.1
Ryzen 9 5900X
94.8
Ryzen 7 5800X
94.6
Core i9-10900K
94.5
Ryzen 7 5700X
94.3
Ryzen 5 5600X
93.8
Core i7-10700K
93.7
Core i9-11900K
93.3
Ryzen 7 5700G
90.8
Core i5-11400F
90.5

Ryzen 7000よりも優れたゲーミング性能

RTX 3080を用いたゲーミング性能では、Ryzen 7000を少し上回る結果となっています。第12世代では微妙な差となっていたゲーミング性能ですが、すぐさま優位性を取り戻しました。

1080pゲーミングでは「Core i9-13900K」は「Ryzen 9 7950X」に対し約8.3%高いパフォーマンスを発揮しており、「Core i5-13600K」でも約5.8%上回ります。

先日登場した「RTX 4090」のような格段に性能の高いGPUでは違う結果が得られる可能性もありますが、現状の一般的なハイエンドGPUでは第13世代Coreの方がゲーミング性能では優れています。CPU価格やマザーボードの価格も安いので、ゲーミングコスパでは第13世代Coreが大きく有利といえる結果になりました

高解像度になるほど差が小さくなるものの、やはりCPU価格やマザーボードの安さの優位性があるため、ゲーミングコスパは第13世代Coreが優位なのが基本だと思います。

消費電力や効率

消費電力

消費電力を見ていきます。非常に高負荷なレンダリングソフト「Blender」による消費電力と、ゲーミング時平均(1080p/12タイトル)による消費電力の二つを見ていきます。

消費電力(Blender CPUのみ)
CPU名称 消費電力
Ryzen 7 5700X
63W
Ryzen 5 5600X
63W
Core i5-12400F
67W
Ryzen 7 5700G
79W
Ryzen 7 5800X3D
89W
Ryzen 5 7600X
99W
Ryzen 9 5950X
118W
Ryzen 7 5800X
121W
Core i5-12600K
128W
Ryzen 9 5900X
131W
Ryzen 7 7700X
135W
Core i9-11900K
152W
Core i9-10900K
164W
Core i7-12700K
174W
Ryzen 9 7900X
185W
Core i5-13600K
187W
Ryzen 9 7950X
235W
Core i9-12900K
257W
Core i9-13900K
287W

消費電力(12ゲーム1080p平均)
CPU名称 消費電力
Ryzen 7 5700G
35W
Core i5-12400F
36W
Ryzen 5 5600X
41W
Ryzen 7 5700X
45W
Ryzen 5 7600X
45W
Ryzen 7 5800X3D
47W
Core i5-12600K
56W
Ryzen 7 5800X
57W
Ryzen 7 7700X
62W
Core i7-12700K
64W
Core i5-13600K
74W
Ryzen 9 7900X
81W
Ryzen 9 5900X
81W
Ryzen 9 5950X
85W
Ryzen 9 7950X
87W
Core i9-12900K
88W
Core i9-10900K
110W
Core i9-11900K
110W
Core i9-13900K
118W

非常に多い消費電力。前世代から増加し、Ryzenよりも多い

電力設定の時点で予測できたことですが、消費電力は前世代よりも増加してしまっています。

マルチスレッドテスト時には「Core i9-13900K」は287Wという驚異的な消費電力を記録しています。「Ryzen 9 7950X」よりも52Wも多い数値となっており、冷却要件はかなり高いことが伺えます。生半可なCPUクーラーで高負荷運用しようとすると、頻繁にサーマルスロットリングが発動してしまいそうです。

「Core i5-13600K」に関してはCore i9ほどではなく、187Wという結果です。空冷運用も可能なレベルだと思いますが、前世代の「Core i5-12600K」の128Wからは59Wも増加してしまっており、最大限性能を発揮させるにはもう少し良いクーラーを用意しなければならなくなっている点には注意が必要です。

ゲーミング時にはかなり消費電力が減るものの、やはり対抗のRyzenや前世代よりは増加してしまっており、印象は正直良くないです。

電力効率(ワットパフォーマンス)

電力効率を見ていきます。レンダリングおよびゲーミング時の効率です。

各テストで得られたスコアを消費電力で割って算出した、1Wあたりのスコアで見ていきます。ただし、効率が悪かったとしても、レンダリングなどの処理量が決まっているスコアでは高性能な方が処理を早く終えることが出来るため優位性がありますし、ゲームにおいても高いfpsを得ているので、効率が悪いから一概にダメという訳ではない点を留意です。

電力効率(Cinebench Multi)
CPU名称 1Wあたりのスコア
Ryzen 9 5950X
220.9
Ryzen 7 5700X
218.2
Ryzen 7 5700G
192.5
Ryzen 5 5600X
181.1
Core i5-12400F
179.8
Ryzen 9 7950X
173.4
Ryzen 9 5900X
169.2
Ryzen 9 7900X
157.0
Ryzen 5 7600X
156.2
Ryzen 7 5800X3D
151.7
Ryzen 7 7700X
151.0
Core i5-12600K
136.1
Core i9-13900K
133.7
Core i7-12700K
131.4
Core i5-13600K
129.6
Ryzen 7 5800X
126.3
Core i9-12900K
107.3
Core i9-11900K
99.0
Core i9-10900K
94.8

電力効率(12ゲーム1080p平均)
CPU名称 1Wあたりのfps
Core i5-12400F
5.24
Ryzen 7 5700G
4.80
Ryzen 5 7600X
4.47
Ryzen 5 5600X
4.30
Ryzen 7 5700X
4.14
Ryzen 7 5800X3D
4.10
Core i5-12600K
3.51
Ryzen 7 7700X
3.36
Ryzen 7 5800X
3.31
Core i7-12700K
3.18
Core i5-13600K
3.00
Ryzen 9 7900X
2.60
Ryzen 9 7950X
2.52
Core i9-12900K
2.45
Ryzen 9 5900X
2.32
Ryzen 9 5950X
2.31
Core i9-13900K
2.13
Core i9-10900K
1.70
Core i9-11900K
1.64

効率もRyzenより劣る

効率も前世代から悪化しており、競合のRyzen 7000シリーズにも劣っています。

特に高負荷なマルチスレッド処理時の効率はRyzenと大きな差となっており、「Core i9-13900K」と「Ryzen 9 7950X」を比較すると、Ryzenが約29.7%も上回っています。「Core i5-13600K」では少し改善されますが、それでも対抗の「Ryzen 5 7600X」の方が約20.5%も優れた結果となり、大きく劣る結果は変わりません。

追加されたEコアは、省スペース性や低消費電力動作には優れるもののコア性能自体はPコアには劣りますから、そのせいで効率がいくらか犠牲になっていることが懸念されます。上昇したクロックの影響もあるかもしれません。

少なくとも、効率や電力面を最重視するのであれば第13世代Coreは優れた選択とは言えないというのが正直な感想です。

温度

CPUの温度を見ていきます。非常に高負荷なレンダリングソフト「Blender」動作時と、ゲーミング時(Cyberpunk 2077)の二つの温度を見ていきます。基準温度は25℃で、動作から10分後の定常状態の温度となっています。

冷却システムは、CPUクーラーに「NH-U14S」が使用されています。14cmファン1基の空冷クーラーとなっており、空冷としては高めの冷却性能ですが、240mm以上の水冷やハイエンド空冷にはやや劣るクーラーとなっています。

レンダリング時の温度(Blender)
CPU名称 温度
Core i5-12400F
48℃
Ryzen 5 5600X
53℃
Core i9-11900K
59℃
Core i9-10900K
62℃
Ryzen 9 5950X
64℃
Ryzen 7 5700G
67℃
Ryzen 9 5900X
67℃
Core i7-12700K
76℃
Ryzen 7 5800X3D
78℃
Core i5-12600K
80℃
Ryzen 7 5800X
82℃
Ryzen 5 7600X
88℃
Core i5-13600K
91℃
Ryzen 7 7700X
94℃
Ryzen 9 7900X
94℃
Ryzen 9 7950X
94℃
Core i9-12900K
99℃
Core i9-13900K
101℃

ゲーム時の温度(Cyberpunk 2077)
CPU名称 温度
Core i5-12400F
47℃
Core i7-12700K
56℃
Ryzen 7 5700G
61℃
Ryzen 5 5600X
62℃
Core i9-11900K
62℃
Core i5-12600K
64℃
Ryzen 7 5800X
65℃
Core i9-10900K
67℃
Core i9-12900K
68℃
Ryzen 5 7600X
70℃
Ryzen 7 5800X3D
71℃
Ryzen 7 7700X
71℃
Ryzen 9 5950X
71℃
Core i5-13600K
72℃
Ryzen 9 5900X
72℃
Ryzen 9 7900X
76℃
Ryzen 9 7950X
76℃
Core i9-13900K
89℃

前世代より大幅に悪化し、非常に熱い

CPU温度は前世代から大幅に悪化しています。非常に熱いです。

「Core i9-13900K」はレンダリング時には最大温度の100℃とほぼ同じ101℃となっており、非常に熱くなってしまっています。最大負荷時には空冷では太刀打ちが難しいことが伺えます。また、特に気になるのはゲーミング時の温度です。頭一つ抜けて高い89℃となっています。対抗の「Ryzen 9 7950X」も他CPUよりも熱い76℃ですが、それが可愛く見えるレベルの熱さです。

今回は空冷の結果なので温度自体が高いのは仕方ないものの、水冷でも高性能なものを用意できない場合には、電力制限を低めに設定して使った方が良さそうに思う結果でした。

次に「Core i5-13600K」ですが、レンダリング時で91℃、ゲーム時に72℃という結果になっています。Core i9よりは遥かにマシな結果ではあるものの、従来のCore i5よりは大幅に悪化しており、前世代のCore i7よりも少し悪い数値です。

一応は14cmファン1基の空冷でも運用可能な範囲ではありますが、12cmファン1基の安価でコスパの良い空冷だとやや怪しくなりそうなのは要注意です。

まとめ

ざっくりと各性能を見てきました。最後に評価をまとめています。

Core i9-13900K

良い点
  • 合計24コアによる非常に高いマルチスレッド性能(Ryzen 9 7950Xに匹敵)
  • 現状トップの非常に優れたゲーミング性能
  • 現状トップの非常に優れたシングルスレッド性能
  • Ryzen 9 7950Xよりも安価
  • Ryzen 7000シリーズよりも安いマザーボード(前世代の600シリーズチップセットも対応)
  • DDR5とDDR4メモリに対応
  • PCIe 5.0のサポート

気になる点
  • 非常に高価(登場時:105,800円)
  • 非常に多い消費電力(MTP:253W)
  • 非常に多い発熱で冷却要件が非常に高い(高負荷運用ではハイエンド水冷必須級)
  • 電力効率がRyzenよりも大きく悪い
  • AVX512命令セットに未対応
  • M.2スロットでPCIe 5.0利用時にはPCIeの5.0(GPU)はx8動作

Core i5-13600K

良い点
  • 合計14コアによる優れたマルチスレッド性能(前世代のCore i7-12700Kに匹敵)
  • 優れたゲーミング性能(前世代のCoreやRyzenよりも高性能)で優れたゲーミングコスパ
  • 優れたシングルスレッド性能
  • Ryzen 5 7600Xよりも安価
  • Ryzen 7000シリーズよりも安いマザーボード(前世代の600シリーズチップセットも対応)
  • DDR5とDDR4メモリに対応
  • PCIe 5.0のサポート

悪い点
  • 前世代から大きく増加した消費電力(MTP:181W)
  • 発熱が多い(空冷でも運用可能だけど、高負荷時な処理前提なら高性能なものが必要)
  • 電力効率が前世代から悪化
  • AVX512命令セットに未対応
  • M.2スロットでPCIe 5.0利用時にはPCIeの5.0(GPU)はx8動作

Core i9-13900K:非常に多い消費電力と発熱がネックだけど、非常に優れた性能でゲーミング性能はトップ

「Core i9-13900K」は8個のPコアと16個のEコアによる合計24コアを備えたハイエンドCPUです。

Eコア大量追加によりマルチスレッド性能は「Ryzen 9 7950X」匹敵するレベルまで押し上げられ、ゲーミング性能に関しては現状トップで王者です。Ryzen 7000の登場で第12世代では危うくなった最強ゲーミングCPUの座を確かなにものにしています。

しかし、その性能と引き換えに消費電力が大幅に上昇してしまった点は注意です。前世代の12900Kでも非常に多かったのに、更に悪化しています。そのせいで、対抗のRyzen 9には消費電力および効率では明らかに劣っており、電力面や効率重視ならRyzen 9の方が優れています。やはり、Eコアを16コア(Pコアの2倍)も搭載したことによるシワ寄せが電力面にのしかかっている気がします。言うまでもないですが、CPUクーラーはかなり高性能なものが要求されます。

価格や処理性能コスパではマザーボードの安さもあり「Ryzen 9 7950X」よりはやや優位に立つものの、このクラスのCPUを検討する人は予算削減や少しのゲーミング性能の優位性よりも電力面も含めた総合的な仕上がりを気にする人が多いと思うため、ゲーミング性能が少し上とはいえ、マルチスレッド性能がほぼ同等で電力面で大きく負けているとなると、優位性としてはやや弱い気がします。

それに、Ryzen 7000ではソケットAM5が最低でも2025年までのサポートが明言されていることもあり、長く使うハイエンドCPUとしては「Ryzen 9 7950X」の方が魅力を感じるというのが本音です。少なくとも自分は、目先の少しの予算削減とゲーミング性能よりは、大きなマルチスレッドと電力面の優位性および長期サポートを重視します。

よって、「Core i9-13900K」は少しでも高いゲーミング性能が欲しい場合や、トップクラスのハイエンドCPUを出来るだけ安く導入したいという場合には適していますが、電力のマイナス面をどう捉えるかというCPUだと思います。

Core i5-13600K:比較的手ごろなゲーミングCPU

「Core i5-13600K」は6個のPコアと8個のEコアによる合計14コアを備えた高性能CPUです。14コアを備えながら5万円で購入できる高性能なゲーミングCPUとして、競争力を感じます。

追加されたEコアのおかげで、マルチスレッド性能は前世代の「Core i7-12700K」を上回り「Ryzen 9 5950X」にも迫るほどです。「Core i5」という肩書きは良い意味で信用できないほど高性能です。価格も高くなってしまったため前世代のCore i7からコスパが大幅アップとはなっていないものの、対抗のRyzen 5 7600Xよりは遥かに高性能な上に安価なので、十分に競争力のあるレベルです。

ゲームでも前世代のCore i9と同等以上の性能を発揮しており、ゲーミングコスパが光ります。10万円台の「Core i9-13900K」と比較しても平均のゲーミング性能はわずかしか変わらないので、コスパ差は圧倒的です。特に対抗の「Ryzen 7000シリーズのRyzen 5 / 7」と比べると、本体価格の安さに加えてマザーボードの安さ、DDR4でも対応可能という点で大幅に費用を削減することができ、単純にゲーミング性能も少し上ですから、総合的なゲーミング性能は大幅に上回ります。

「RTX 4090」クラスの高性能GPUでは結果が変わってくる可能性もありますし、無印モデルが追加されれば抜かれてしまうかもしれませんが、少なくとも現状では非常に素晴らしいゲーミングコスパのCPUだと思います。

一応気になる点を挙げると、やはり消費電力です。消費電力自体は驚異的に多いほどではなく空冷でも運用可能なレベルですが、前世代のCore i5からするとかなり増えてしまっているため、低グレードなものでは厳しくなってしまっている点は注意が必要かなと思います。


といった感じで、記事は以上になります。ご覧いただきありがとうございました。

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