【デスクトップ】「Core」と「Ryzen」の違いを比較【ざっくり解説】

CoreシリーズとRyzenシリーズの違い

Intelの主流CPUシリーズのCoreシリーズと、AMDの主流CPUシリーズのRyzenシリーズの違いについてざっくり解説しています。(Coreの末尾Xシリーズや、Ryzen Threadripperシリーズは除外しています)
デスクトップPC向けの主要世代(2024年8月16日時点)のものを対象としています。

注意

掲載の情報は記事更新時点(2024年8月16日)のものであり、ご覧になっている際には異なる可能性があるため注意してください。また、価格は主に価格.comやAmazonを参考とした市場価格となっています。

はじめに

主にデスクトップPC向けの新しい世代のCPUが対象

本記事は、PCの主流CPUであるIntelのCoreシリーズとAMDのRyzenシリーズ各種の主にデスクトップPC向けの市場で主要な新しめの世代のものを対象としています。
現在(2024年8月16日時点)で主要モデルとして扱うのは、Coreは第13/14世代(Raptol Lake)で、「Ryzen」は7000~9000シリーズと5000シリーズの一部です。

ざっくり比較

まずは、細かい数値を見ていく前に主要な「Core」と「Ryzen」の各性能についてざっくりとした比較を載せています。「なんとなく各シリーズの特徴を掴めれば」といった感じのものになります。

しっかりとした比較ではないため、そのことを頭の中に置いた上でご覧ください。

Core 第13,14世代Ryzen 9000Ryzen 7000Ryzen 5000Ryzen 8000
※内蔵GPUが魅力
コア
Pコア:高性能コア
Eコア:高効率コア
4~24 コア
Pコア:4~8コア
Eコア:0~16コア
6~16 コア
6~16 コア
6~16 コア
4~8 コア
スレッド
8~32 スレッド
Pコア:8~16スレッド
Eコア:0~16スレッド
12~32 スレッド
12~32 スレッド
12~32 スレッド
8~16 スレッド
マルチスレッド性能
Cinebench R23
i9:32,600~40,000
i7:24,800~35,000
i5 K:24,700前後
i5 K無:14,500~20,000
i3:8,800
Ryzen 9
 16コア:~42,100

 12コア:~32,500
Ryzen 7:~20,900
Ryzen 5:~17,000
Ryzen 9
 16コア:35,700~38,500

 12コア:25,000~29,500
Ryzen 7:18,500~20,000
Ryzen 5:~15,000
Ryzen 9
 16コア:~28,700

 12コア:~21,900
Ryzen 7:~15,200
Ryzen 5:~11,300
Ryzen 7:17,700
Ryzen 5:11,500~14,000
シングルスレッド性能
Cinebench R23
i9:~2,317
i7:~2,174
i5 K:~2,060
i5 K無:~1,940
i3:~1,720
Ryzen 9:~2,070
Ryzen 7:~2,010
Ryzen 5:~1,980
Ryzen 9:~2,070
Ryzen 7:~2,010
Ryzen 5:~1,980
Ryzen 9:~1,640
Ryzen 7:~1,600
Ryzen 5:~1,570
Ryzen 7:1,800
Ryzen 5:1,780
ゲーミング性能
※ハイエンドGPU使用時
i7 / i9:
i5(K付き):
i5(無印):
i3:
X:
X3D:
その他:
参考価格
※2024年8月時点
Core i9:~91,980円
Core i7:~66,980円
Core i5:~49,800円
Core i3:~23,800円
Ryzen 9:~99,800円
Ryzen 7:~52,800円
Ryzen 5:~32,480円
Ryzen 9:~99,800円
Ryzen 7:~52,800円
Ryzen 5:~32,480円
Ryzen 9:~69,800円
Ryzen 7:~49,800円
Ryzen 5:~18,600円
Ryzen 7:~49,320円
Ryzen 5:~32,980円
Ryzen 3:OEMのため不明
対応メモリ
※公式サポート
DDR5-5600
DDR5-4800
DDR4-3200
※Core i5 K付き以降
DDR5-5600DDR5-5200DDR4-3200DDR5-5200
内蔵GPU
3DMark Time Spy
×
~800程度
※末尾FはGPU非搭載

2CU:720程度
×
2CU:720程度
※末尾FはGPU非搭載
×
Vega 8:1570程度
※末尾GのみGPU搭載
現在は8000Gの方が良い
×
780M:3,300程度
760M:2,850程度
740M:2,100程度
※末尾FはGPU非搭載
付属クーラー
※BOX版
TDP:65W以下のみ付属
※一部例外あり
(性能は良くはない)
X付モデルは付属無しTDP:65W以下のみ付属
※一部例外あり
(性能は良くはない)
X付き以外は付属
(性能は良くはない)
基本付属
※一部例外あり
(性能は良くはない)
消費電力
Blender Testの消費電力
K付き:~287W
K無し:~65W
X:~220WX:~237W
X3D:~147W
X無し:~88W
全体的に少なめ
~約133W
非常に少ない
※省電力モデルしかない
~88W


各シリーズの特徴をざっくりとまとめています。ここで言及する「ゲーム性能」とは、基本的にハイエンドなグラフィックボードを使用した場合のものな点を留意してください。

各シリーズの特徴ざっくり解説
Core 14000 /13000番台:全体的な処理性能コスパの良さが魅力。高負荷時の効率が悪いので、K無しモデルがおすすめ。
第13,14世代のCore(14000/13000番台)は、処理性能コスパに優れたシリーズです。ゲームも含めて高い処理性能を備えつつ、Ryzenよりもマルチスレッド性能コスパで若干優れる価格を維持していることが多いので、コスパ重視なら魅力的な選択肢です。
CPUの特徴としては、Eコア(小型の効率コア)を搭載することで、マルチスレッド性能を引き上げている点があります。現状の主要ゲームの性能は、Pコア(高性能コア)が8コアあればほぼ変わらないというデータがあるので、Pコアは最大8コアにして、後は低コストなEコアにすることで性能コスパを高めています。
ただし、EコアはPコアと比べると、コアあたりの処理性能では大幅に劣るので、全コアを使うような高負荷な処理の場合の電力効率がRyzenよりも悪いのが気になる点です。また、製造プロセスが10nmとなっており、Ryzen 7000~9000の4nm/5nmよりも劣っているため、基盤の効率でもやや劣ります。そのため、マルチスレッド効率を求めるならRyzenに劣る点は注意です。
また、ゲーム時の性能および効率でも、Ryzen X3D(キャッシュ大容量モデル)に劣る側面があるのも注意です。雑に全体的な性能コスパを高めたい場合には良いですが、電力面重視だったり、ゲーム重視だったり、用途や要望に合わせた性能にしたいなら微妙な選択肢かもしれません。
プロセスやEコア採用の点から、どうしても高負荷時の効率面ではRyzenに敵わない現状があるので、個人的にはK付きよりも電力設定が始めから低めのK無しモデルがおすすめです。K付きモデルを使う場合でも、電力設定を少し引き下げて使うことをおすすめしたいです
Ryzen 9000(X):優れたマルチスレッド効率と低めの消費電力&温度が魅力だが、7000と大差ない
Ryzen 9000は「Zen 5」アーキテクチャ採用の最新シリーズです。Core(13000/14000)よりも優れたマルチスレッド効率を持ち、2027年までの長期サポートが明言されているソケットAM5採用なのが魅力です。しかし、前世代の「Zen 4」のRyzen 7000シリーズから処理性能では少しの向上に留まっており、新世代という感じは正直しないです。
消費電力が前世代からやや低下し、温度が大きめに改善している点は良いですが、総合コスパで突出したものは正直ないので、価格がCoreやRyzen 7000シリーズと大差ない程度まで下がらない限りは有力ではないと思います。
また、2024年8月時点では「Xモデル」しかありませんが、前世代ではゲームで強力な大容量キャッシュ搭載モデル「X3D」があり、Ryzen 9000の非X3Dモデルよりも、Ryzen 7000 X3Dモデルの方がゲーム時には性能でも効率でも上です。そのため、ほとんどの人にとっては追加の予算を掛けるなら、「Ryzen 9000X3D」を待つか、既存の「Ryzen 7000X3D」を選ぶ方がおすすめだと思います
Ryzen 7000(無印 / X):優れたマルチスレッド効率と長期サポートのAM5が魅力
Ryzen 7000は「Zen 4」アーキテクチャ採用のシリーズです。X3Dモデルについては後述で、ここではXおよび無印モデルについて触れます。
Ryzen 7000の魅力は、Core(14000/13000番台)よりも優れたマルチスレッド効率を持つことと、ソケットのAM5が2027年までの長期サポートが明言されている点です。同じPCを出来るだけ長く使いたい場合にはおすすめできるシリーズです。
ただし、Core i7 / Rzyen 7以降の場合、X3D以外のモデルはCore(14000/13000番台)よりもゲーム性能で基本的に少し劣るため、ゲーム特化なら若干劣ります。マルチスレッド効率や長期サポートを重視するなら悪くないですが、ゲーム時の性能に特化したいならCoreやX3Dモデルを選ぶ方が適していると思います。
Ryzen 7000(X3D):優れたゲーム性能を持ち、どの用途でも優れた電力効率
X3Dはモデルは、64MBの追加L3キャッシュ「3D V-Cache」を搭載したモデルです。これにより、特にゲーム時の性能が高められているのが魅力です。X3D以外のRyzenや、Core(13000/14000)を上回るゲーム性能を持ちます。
また、電力設定がXモデルよりも少し低い120W-162Wとなっていることもあり、冷却要件がやや低めなのも嬉しい他、電力効率も非常に優れており、特にゲーム時の効率は非常に優れており、他の主要CPUを1,2段上回ります。
ゲーム時の性能が魅力のX3Dモデルですが、マルチスレッド処理時の効率も普通に優れているので、どの用途でも優れた効率を求める場合にはおすすめできるCPUです。2024年8月時点では、総合的な実用コスパはNo.1だと思います
Ryzen 5000:旧世代だが、非常に安価で効率も悪くない。低価格PCで強力な選択肢
Ryzen 5000は「Zen 3」アーキテクチャ採用のシリーズです。旧世代となりますが、価格が非常に安価で、電力面も悪くないのが魅力です。
Ryzen 7でも2万円台前半から販売が続けられており、最新世代のCore i5 / Ryzen 5でよりも安価で、マルチスレッド性能コスパが非常に優れています。しかも、旧世代ながら省電力で扱い易くて効率も悪くないです。そのため、2024年現在でも低価格PC用のCPUとして非常に強力な選択肢です。
グラボ利用時のゲーム性能は最新世代には劣るものの、低価格PCではハイエンドグラボは採用されず、ミドルレンジ以下のグラボなら大したネックにならないので、無視できるレベルということもあって、実質的に弱点も気にならないのも強さの要因です。
Ryzen 8000(G):優れた内蔵GPU性能が魅力。上位モデルはNPU(AIユニット)も一応搭載。
Ryzen 8000Gは「Zen 4」アーキテクチャ採用で、強力な内蔵GPU(グラフィック)が魅力のモデルです。グラボを利用せずにグラフィック性能を出来るだけ高めたいなら一択レベルの強力なCPUです。ただし、末尾Fモデルでは内蔵GPUが使えないので要注意
「Ryzen 7 8700G」の「Radeon 780M」では少し前のエントリーGPU「GeForce GTX 1650」に迫る性能を持っており、重めのゲームも可能なレベルになっており、ゲームではフレーム生成機能の「AFMF」も利用できるため、数値以上に使える性能となっています。
中身はモバイル向けのCPUをデスクトップ向けに流用したものとなっているため、非常に省電力で発熱も少ないので、小型ケースなどでも採用しやすいですし、ライトユーザーには非常におすすめできるCPUです。
また、8600以降のモデルではNPU(AIユニット)も搭載しています。残念ながらAIに関しては高性能ではありませんが、将来性を考えてAI対応もしておきたい人には嬉しいと思います。
マルチスレッド性能:「7」はCoreが有利で、他は同等レベル

マルチスレッド性能は全コア稼働時の処理性能のことで、コア・スレッド数が多い方が有利な傾向があります。ゲーム性能と必ず関連がある訳ではない点に注意(ゲーム性能比較は後述)。

下記にレンダリングのベンチマークであるCinebench 2024での比較表を載せているので、見てみましょう。

Cinebench 2024 Multi
CPU名称スコア
Ryzen 9 9950X
2305
Core i9-14900K
2257
Core i9-13900K
2187
Ryzen 9 7950X
2142
Ryzen 9 7950X3D
2094
Core i7-14700K
1950
Ryzen 9 9900X
1829
Core i7-13700K
1713
Ryzen 9 7900X
1668
Core i9-12900K
1589
Ryzen 9 5950X
1535
Core i5-14600K
1410
Core i5-13600K
1322
Core i7-12700K
1312
Ryzen 9 5900X
1258
Ryzen 7 9700X
1208
Ryzen 7 7700X
1149
Ryzen 7 7700
1106
Ryzen 7 7800X3D
1104
Core i5-12600K
1023
Ryzen 5 9600X
975
Ryzen 5 7600X
886
Ryzen 7 5800X3D
885
Ryzen 5 7600
849
Core i5-13400F
837
Ryzen 7 5700X
826
Core i5-12400F
679
Ryzen 5 5600X
676
参考:TechPowerUp

見出しの通り、マルチスレッド性能は「Core i7 / Ryzen 7」ではCoreが有利で、その他のモデルは競合モデル同士なら同程度の性能です。

ただし、実際の選定には市場価格、電力面、ゲーム性能などの他の要素も考慮する必要がある点に注意が必要です。

ゲーム性能:Ryzen X3Dが強力で、Core、Ryzen(X3D以外)と続く

高性能なGPU(グラフィックボード)と併用した際のCPUのゲーム性能について触れています。内蔵GPUの性能ではないので注意。また、そこまで高性能ではないグラフィックボードと併用する際には、新しめのCPUならどれでも大差ない点も留意しておくと良いです。

それを踏まえた上で、ハイエンドグラボと併用した場合のCPUのゲーム性能は、現状ではRyzenのX3Dモデル(大容量キャッシュ搭載)が一番強力です。

性能で強力なだけでなく、電力効率も非常に優れているため、2024年時点ではゲームでは頭一つ抜けた強さと言っても良いと思います。

本体価格は他モデルより少し高価にはなるものの、電力効率も良くなることを考えればコスト的にも悪い選択肢ではないので、ゲーム特化なら2024年8月時点ではX3Dモデル一択レベルにも感じレベルです。

その後には、Core(14000 / 13000)、Ryzen(9000 / 7000のX3D以外)といった感じで基本的に続きます。

下記に「GeForce RTX 4090」を使用して重量級ゲーム(フルHD/最高設定)でのfpsを比較した表を載せておくので、詳しくはそちらを確認してみてください。

ただし、より低い性能のグラフィックボードを使用する場合にはCPUによって差は生じにくくなる他、非常に軽いゲームの場合は、マルチスレッド性能が重要になったりする点も留意してください。

10種類のゲームでの幾何平均fps(1080p)
CPU名称スコア
Ryzen 7 7800X3D
193.1
Core i9-14900K
186.3
Ryzen 9 7950X3D
186.1
Core i9-13900K
185.1
Core i7-14700K
182.5
Core i7-13700K
181.1
Ryzen 9 9950X
180.0
Ryzen 7 9700X
178.4
Ryzen 9 9900X
178.2
Ryzen 5 9600X
177.5
Ryzen 9 7950X
177.0
Ryzen 7 7700X
175.9
Ryzen 9 7900X
175.2
Ryzen 7 7700
174.8
Ryzen 5 7600X
173.2
Core i5-14600K
172.9
Ryzen 7 5800X3D
171.7
Core i5-13600K
170.1
Core i9-12900K
168.7
Core i7-12700K
164.2
Ryzen 9 5950X
158.2
Ryzen 9 5900X
156.2
Core i5-12600K
153.4
Core i5-13400F
145.9
Ryzen 7 5700X
147.5
Ryzen 5 5600X
147.1
Core i9-11900K
146.6
Core i5-12400F
142.7
Ryzen 7 5700G
128.7
Core i5-11400F
114.9
参考:TechPowerUp
電力面:無印(KやX無し)は大差なく省電力だけど、その他は基本Ryzen有利

電力面についての比較です。

電力面は、TDPが低く設定されているモデル(主にKやX無しモデル)の場合はどれも省電力ですが、それ以外ではRyzen の方が基本有利です。

メーカーによって名称は異なるものの、最近のCPUの電力設定は基本的に、TDP(PL1/ベース電力)TDP(PL2)という二つの値によって制御されており、この数値を見ることで大体の消費電力がわかります(正確とは言えないですが)。下記に表を載せているのでそちらを見てみましょう。基本的にTDP(PL2)を実質の最大消費電力と見ると良いです。

TDP比較(第13世代CoreとRyzen 7000)
第13,14世代CoreRyzen 9000Ryzen 7000/8000G
※Coreの末尾Fは省略末尾PL1PL2PL1PL2PL1PL2
Core i9 / Ryzen 9K / X125W253W170W
120W
230W
162W
X:170W
X3D:120W
X:230W
X3D:162W
無印/G65W219W65W88W
Core i7 / Ryzen 7K / X125W253W65W88WX3D:120W
X:105W
X3D:162W
X:142W
無印/G65W219W65W88W
Core i5 / Ryzen 5K/X125W181W65W88W105W142W
無印/G65W148W~65W88W
Core i3 / Ryzen 3無印/G58W~89W65W88W

また、やや抜けはありますが、実測の電力テストの結果も併せて載せておきます(海外レビュー参考)。

消費電力(Blender CPUのみ)
CPU名称消費電力
Ryzen 7 5700X
56
Ryzen 5 5600X
60
Core i5-12400F
63
Core i5-13400F
65
Ryzen 7 7800X3D
74
Ryzen 9 7900
74
Ryzen 7 7700
80
Ryzen 5 9600X
80
Ryzen 7 9700X
80
Ryzen 7 5800X3D
89
Ryzen 5 7600X
102
Ryzen 9 5950X
117
Core i5-12600K
119
Ryzen 9 5900X
133
Ryzen 7 7700X
135
Core i5-13600K
139
Core i5-14600K
145
Ryzen 9 7950X3D
147
Core i7-12700K
164
Ryzen 9 9900X
173
Ryzen 9 7900X
197
Core i7-13700K
212
Ryzen 9 9950X
220
Core i7-14700K
222
Core i9-12900K
237
Ryzen 9 7950X
260
Core i9-13900K
279
Core i9-14900K
281
参考:TechPowerUp
消費電力(13ゲーム平均)
CPU名称消費電力
Core i5-12400F
40
Ryzen 7 7800X3D
46
Ryzen 5 5600X
47
Core i5-13400F
48
Ryzen 7 5700X
49
Ryzen 7 5800X3D
58
Ryzen 7 7700
60
Core i5-12600K
61
Ryzen 5 9600X
66
Ryzen 5 7600X
66
Ryzen 9 7950X3D
68
Ryzen 7 7700X
70
Ryzen 9 7900
71
Ryzen 7 9700X
71
Core i7-12700K
74
Core i5-14600K
76
Core i5-13600K
79
Ryzen 9 5900X
98
Core i9-12900K
98
Ryzen 9 9900X
100
Core i7-13700K
102
Ryzen 9 9950X
104
Ryzen 9 7900X
104
Ryzen 9 5950X
108
Core i7-14700K
116
Ryzen 9 7950X
116
Core i9-13900K
145
Core i9-14900K
149
参考:TechPowerUp

上述の表を見ると、KやXの無い省電力なモデルはどちらも良好な結果を示していますが、それ以外ではRyzenの方が全体的に消費電力が少ないことが分かると思います。プロセス面などを見てもRyzenの方が有利なこともあり、やはり電力面ではRyzenの方が有利です。特に、CoreのK付きの電力面は全体的に悪いですし、下記のような問題(後述)も出てきているので、電力面を気にするなら現状はRyzenの方がおすすめです。

注意:第13世代・14世代のCoreの電力設定不具合による問題

第13・14世代のCoreでは、電力設定の不具合で仕様よりも高い負荷で動作する不具合があるようで、そのまま使い続けるとエラーが出たり動作が不安定になったり、CPUにダメージが入る(要確認)ことにより使用を始めた当初よりもパフォーマンスが低下する問題などが報告されており、Intelもこの問題を認めています。

2024年8月現在では問題修正用のBIOSが各社から提供されているので、そちらを適用すれば問題ないですが、既存のマザーボードやPCでは適用されていない可能性もあるので確認が必要となる点に注意が必要です。

しかし、そもそもCoreのK付きに関しては、該当の不具合が無かったとしても電力面は悪くて勧められるものではなかったので、Coreを選ぶならK無しモデルが安心だとは思います。

内蔵GPU:Ryzen 8000Gがズバ抜けて高性能

内蔵GPUについては、グラフィックボードを搭載する場合には基本気にする必要がない部分ですが、搭載しない場合には重要です。GPUを搭載しないモデルもあるので、必要な場合には事前のチェックを忘れずにしましょう。

現行モデルの内蔵GPUの性能は、Ryzen 8000Gがズバ抜けて高性能となっています。Coreには2024年2月時点では対抗できるモデルが無いため、実質的に独壇場となっています。各性能はざっくり下記のようになっています。


内臓GPU比較(第13,14世代CoreとRyzen 7000)
項目第13,14世代CoreRyzen 7000 / 9000Ryzen 8000G
内蔵GPU名UHD Xe Graphics 770
UHD Xe Graphics 730
※730はCore i5 400番台以下
Radeon Graphics
(RDNA2 / 2CU)
Radeon 780M(12CU)
Radeon 760M(8CU)
Radeon 740M(4CU)
内蔵GPUの有無
ほとんどのモデルで選択可能
※末尾Fが非搭載
ほぼ全モデル搭載
※末尾Fのみ非搭載
ほぼ全モデル搭載
※末尾Fのみ非搭載
ゲーム性能
3DMark Time Spy
低性能
700~800 程度
低性能
720 程度
高性能
780M:3,300程度
760M:2,850程度
740M:2100程度


内蔵GPUの性能は、Ryzen 8000Gシリーズがズバ抜けて高いです。先代のRyzen 5000GのVegaからRDNA 3アーキテクチャへと世代が一気に更新し、性能が飛躍的に向上しました。

上位の「Ryzen 7 8700G」搭載の「Radeon 780M」のゲーム性能は「GeForce GTX 1650」という少し前のエントリーグラボに迫るレベルにまでなっており、軽いゲームなら非常に快適ですし、やや重めのタイトルも設定など次第である程度動かせるレベルになっています。更に、2024年1月下旬に「AFMF」というフレーム生成機能がRadeon(RDNA 2以降)で非常に手軽に利用できるようになったので、実質性能的なところで言えば少し前のミドルロークラスにまで到達するレベルで、重いゲームでも設定さえ調整すれば普通に60fps以上で遊べちゃうという凄い内蔵GPUになっています。

動画編集もFHD以下程度のものなら思ったより不自由なく対応できるレベルで、Ryzen 5000Gでは対応していなかったAV1コーデックのデコード・エンコードに対応した点も大きいです。高いレベルを求めないなら、CPU一つでやや重めのグラフィック処理も一通り対応できる、非常に汎用性の高いCPUとなっています。

「Ryzen 7 8700G」の一つ下位の「Ryzen 5 8600G」の「Radeon 760M」だとGPUコア数が12→8へと減少するため、どちらにするか迷う人が多いと思いますが、760Mでも性能低下は思ったよりも小さくて2割程度に留まるので、CPU性能が多少低くても良いなら、8600Gでも意外と実用性面での差はあまり無いと思います。

Ryzen 8000Gシリーズは、ベースがノートPC向けのCPUなので、消費電力・発熱も少なくて扱い易いこともあり、「Ryzen 7 8700G」と「Ryzen 5 8600G」はライトユーザーには非常に魅力的なCPUだと思います。

ただ、より下位の「Ryzen 5 8500G」以下ではGPUは4コアの「Radeon 740M」になるため性能は大きく低下するだけでなく、CPU面でも小型のコアが採用される関係で性能が下がる点に注意が必要です。更には、グラボ用のPCIeレーンがx4しか用意されていないので、後からグラボを増設して利用ということもほぼ不可となっている点に注意が必要です。

価格は安くなりますし、内蔵GPU性能も思ったよりも高い(760Mの7割~程度)ので、今後は内蔵GPUで全てを乗り切っていくと割り切れるならコスパはめちゃくちゃ良いです。とはいえ、内蔵GPU性能も上位と比べると頼りなさはありますし、グラボがほぼ増設不可というリスクもあるので、ビジネス・オフィス向けPCとしては需要がありそうですが、個人向けとしてはそこまで人気にはならないのかなと思います。

最後に、Ryzen 8000Gシリーズ以外のモデルの内蔵GPUですが、総じて3DMark Time Spy Graphicsスコアが700~800程度の最低限の性能です。ただ、どのモデルもAV1デコードには対応しているので、動画視聴での不自由はないのでその点は安心して大丈夫です。

しかし、性能自体は低く、ゲームは軽いものなら動かせる程度で、動画編集もFHD以下の非常に軽い処理のみを少しだけやるなら使える程度です。内蔵GPUを利用する目的なら、Ryzen 8000Gシリーズ一択です。

メモリ:第13,14世代CoreはDDR4にも対応

メモリについては、Ryzen 7000/8000G/9000シリーズはDDR5しか対応していないのに対し、第13,14世代CoreはDDR5に加えてDDR4にも対応しています(DDR4とDDR5は互換性がなく、マザーボードによって決まるので注意)。

DDR5の方がやや高価なので、安価な選択肢があるDDR4の方が有利と言えますが、帯域幅については現在のDDR4の主流がDDR4-3200なのに対し、DDR5は基本DDR5-4800~ですから、大幅にDDR5の方が上回るので、帯域幅コスパ的な考えではDDR5の方が有利なことも多いです。。

用途によってどちらがお得かは変わってきますが、現状の多くのアプリケーションではパフォーマンスが大して変わらない(参考:https://www.techspot.com/review/2351-intel-core-i9-12900k/)という検証結果もあるため、特にメモリの帯域幅が重要な処理を行う場合や、将来性を見据えたい場合でなければ、DDR4でも大きく劣る場面は多くはないようです。そのため、DDR4も予算節約を重視する場合には選択肢に入ります。

とはいえ、これから出てくるCPUはDDR5に統一されていくと思いますし、消費電力が若干下がっているというメリットもあるので、将来性も加味すれば出来ればDDR5の方が個人的にはおすすめです。その辺りや予算の兼ね合いで決めましょう。

付属クーラー比較:省電力モデルのみ搭載で、どれも最低限な性能

付属クーラーについての比較ですが、CoreとRyzenのどちらともTDP(PL1)が65W以下のKやXが付かないモデルのBOX品において付属します(一部例外モデルもあるので事前に要チェック)。TDPが65Wを超えるモデルについては付属しないため注意してください。

省電力モデルにしか付属しないことからも推測できますが、CPU付属クーラーは基本的に冷却性能が低いです。これはIntelもAMDも共通です。基本的に使えれば良いというレベルのもので、静音性と冷却性は共に良くはないです。その点は留意した上で使用するか検討する必要があります。特に、BTOや既製品を購入する場合には初期構成では付属クーラーの場合もあるため、事前の確認は必要です。

別売りの2,000円~程度の安価なクーラーでも大きく性能が向上するため、出来れば別途用意することを個人的にはおすすめしますが、クーラーが付属するモデルが大体65W~88W程度の省電力CPUなので、静音性の低ささえ気にならないなら使用自体には問題はないレベルだと思います。グリスだけ別のものを用意して使うというのも選択肢としては十分ありだと思います。

各モデルごとの比較【最新世代】

ここでは、各モデルナンバーごとで比較していきます。

Core シリーズとRyzen シリーズは、Core i9にはRyzen 9、Core i7にはRyzen 7といったように、各モデルナンバーごとに対抗製品が存在します。

そのため、各対抗製品同士を比較することによって、両者の差をより分かり易く知る事ができます。

以下から主要シリーズの主流製品をざっくりと比較しながら見ていきます。

補足説明
  • 第14、13世代Coreでは高性能コア(Pコア)と高効率コア(Eコア)の2種類のコアが搭載されていますが、クロックは高性能コアのものを掲載しています。
  • Coreシリーズ,Ryzen 7000シリーズは末尾F、Ryzen 5000シリーズは末尾G以外、では内蔵GPUが利用できない点に注意。
  • TDP(PL2)が実質の最大消費電力の目安です。PL1やベース電力は、PL2を維持するには冷却や電力に問題がある場合に適用されます。また、省電力モデルでは冷却などに問題がなくてもPL2の継続持続時間に制限が設けられており、一定時間後にPL1に移行するようになっているモデルもあります。


Core i9 と Ryzen 9

Core i9およびRyzen 9は主流CPUにおける最上級モデルです。いわゆるハイエンドと呼ばれる区分に含まれ、ハイエンドの中でも最上位の製品群となります。
主流CPUとしてトップの性能を誇り、両者素晴らしい性能を持っています。その代わり価格は非常に高く、人気モデルの価格は8~9万円程度となっています(2024年8月時点)。

Core i9(第13,14世代)と Ryzen 9(5000~9000シリーズ)
総合ざっくり評価
CPU名
マルチ
スレッド
シングル
スレッド
ゲーミング※
消費電力
発熱
Core i9(第13,14世代)
24コア32スレッド
13900K、14900K 等
★5.0★5.0★4.75★1.25
Ryzen 9(9950X)
16コア32スレッド
Ryzen 9 9950X
★5.0★5.0★4.5★2.0(X)
Ryzen 9(7950系)
16コア32スレッド
7950X、7950X3D 等
★5.0★4.75★4.75(X3D)
★4.5(その他)
★2.75(X3D)
★1.75
(X)
Ryzen 9(9900X)
12コア24スレッド
Ryzen 9 9900X
★4.5★5.0★4.5★2.75(X)
Ryzen 9(7900系)
12コア24スレッド
7900X、7900X3D 等
★4.5★4.75★4.75(X3D)
★4.5(その他)
★4.0(無印)
★3.0(X3D)
★2.25
(X)

Ryzen 9(5000番台)
12/16コア
24/32スレッド
5900X、5950X 等
★4.5(16コア)
★4.0(12コア)
★3.75★4.0★3.25
※ゲーム性能評価はハイエンドGPUとの併用時のもの。


Core i9とRyzen 9の人気モデルを一部抜粋して比較しています。

主要スペック
CPUCinebench R23
Multi
コア/
スレッド
動作クロック
定格/最大
TDP
(PBP/PL1)
TDP
(PL2)
コスパ電力効率参考価格
Ryzen 9 9950X42,06216/324.3 / 5.7GHz170W230W
Core i9-14900K40,58124/323.2 / 6.0GHz125W253W0.447162.891,980円
Core i9-14900KF40,58124/323.2 / 6.0GHz125W253W0.459162.889,800円
Core i9-13900K38,88924/323.0 / 5.8GHz125W253W0.433157.989,980円
Core i9-13900KF38,88924/323.0 / 5.8GHz125W253W0.457157.986,700円
Ryzen 9 7950X38,65716/324.5 / 5.7GHz170W230W0.484168.179,840円
Ryzen 9 7950X3D35,76916/324.2 / 5.7GHz120W162W0.385220.892,800円
Core i9-1490033,82024/322.0 / 5.8GHz65W219W0.365154.492,600円
Core i9-14900F33,82024/322.0 / 5.8GHz65W219W0.390154.486,800円
Core i9-1390032,60524/322.0 / 5.6GHz65W219W0.364148.989,680円
Core i9-13900F32,60524/322.0 / 5.6GHz65W219W0.378148.986,200円
Ryzen 9 9900X32,49112/244.4 / 5.6GHz120W162W
Ryzen 9 7900X29,51612/244.7 / 5.6GHz170W230W0.478128.361,800円
Ryzen 9 5900XT?16/323.3 / 4.8GHz105W142W69,800円
Ryzen 9 5950X28,64116/323.4 / 4.9GHz105W142W0.415201.769,000円
Ryzen 9 7900X3D27,08412/244.4 / 5.6GHz120W162W0.404167.266,980円
Ryzen 9 790025,06212/243.7 / 5.4GHz65W88W0.420284.859,800円
Ryzen 9 5900X21,87812/243.7 / 4.8GHz105W142W0.366154.459,800円
Cinebench R23 Multi
CPU名称スコア
Ryzen 9 9950X
42062
Core i9-14900K
40581
Core i9-13900K
38889
Ryzen 9 7950X
38657
Ryzen 9 7950X3D
35769
Core i9-13900
32605
Ryzen 9 9900X
32491
Ryzen 9 7900X
29516
Ryzen 9 5950X
28641
Core i9-12900K
27198
Ryzen 9 7900X3D
27084
Ryzen 9 7900
25062
Ryzen 9 5900X
21878
10ゲームの幾何平均fps(1080p/RTX 4090)
CPU名称スコア
Core i9-14900K
186.3
Ryzen 9 7950X3D
186.1
Core i9-13900K
185.1
Ryzen 9 9950X
180.0
Ryzen 9 9900X
178.2
Ryzen 9 7950X
177.0
Ryzen 9 7900X
175.2
Ryzen 9 7900
171.3
Core i9-12900K
168.7
Ryzen 9 5950X
158.2
Ryzen 9 5900X
156.2
参考:TechPowerUp
消費電力(高負荷時 / Belnder)
CPU名称スコア
Ryzen 9 7900
74
Ryzen 9 5950X
117
Ryzen 9 5900X
133
Ryzen 9 7950X3D
147
Ryzen 9 9900X
173
Ryzen 9 7900X
197
Ryzen 9 9950X
220
Core i9-12900K
237
Ryzen 9 7950X
260
Core i9-13900K
279
Core i9-14900K
281
参考:TechPowerUp
消費電力(13ゲーム平均)
CPU名称スコア
Ryzen 9 7950X3D
68
Ryzen 9 7900
71
Core i9-12900K
98
Ryzen 9 5900X
98
Ryzen 9 9900X
100
Ryzen 9 9950X
104
Ryzen 9 7900X
104
Ryzen 9 5950X
108
Ryzen 9 7950X
116
Core i9-13900K
145
Core i9-14900K
149
参考:TechPowerUp
重視項目・用途別のおすすめCPU(Core i9 / Ryzen 9)

筆者が選ぶ、用途や重視項目別のおすすめCPUを表にざっとまとめています。末尾Fは省略しているので注意(内蔵GPUが使えない以外は同じ性能)。


重視項目おすすめCPU
※上の方が高評価
総合・実用コスパRyzen 9 7950X3D / 7900X3D >
Core i9-14900K / 13900K
Ryzen 9 7950X / 7900
ゲーム性能
※高性能グラボ使用時
Ryzen 9 7950X3D / 7900X3D >
Core i9-14900K / 13900K
マルチスレッド性能Ryzen 9 9950X ≧
Core i9-14900K
/ 13900K
Ryzen 9 7950X3D / 7950X
電力・発熱面Ryzen 9 7950X3D / 7900X3D / 7900
Core i9-14900
 / 13900

下記からは、一部のCPUをピックアップして、所感をざっくりと触れていきます。

Ryzen 9 7950X3D:優れたゲーム性能と電力効率で、一番おすすめのモデル

2024年8月時点の「9」モデルで一番おすすめなのは、「Ryzen 9 7950X3D」です。

16コア32スレッドによる非常に優れたマルチスレッド性能に加え、「3D V-Cache」という追加のキャッシュメモリが搭載されていることで、合計128MBという驚異的なL3キャッシュを備えており、ゲーム性能でも優れているのが魅力です。そのゲーム性能は、Core i9-14900Kも若干上回るレベルです。

更に、標準のTDPが120W~162Wに設定されており、このクラスのハイエンドCPUにしては消費電力も少なめで電力効率も非常に優れているのが非常に嬉しい点です。空冷でも高性能なものなら運用可能なレベルです。

電力が制限されているため、最大のマルチスレッド性能自体は、Core i9-14900KやRyzen 9 7950Xに少し劣りはするものの(-10%~ほど)、十分に高性能で実用性に大きな影響があるほどではないです。

Core i9-14900Kは電力面が弱点だったり、Ryzen 9 7950Xはゲーム性能が少し低いのが弱点だったり、他の同クラスCPUはどこかしらに少し劣る面がある中で、目立った弱点がないのが好印象なのが「Ryzen 9 7950X3D」です。

しかし、ネックなのは価格です。2024年8月時点でのCPU単体価格はCore i9-14900Kと同等ですが、初動価格が高価だったことや需要の大きさのせいか、BTOなどではCore i9よりも一段高価となっていることが多いです。

ただし、個人的には多少高価だとしても価値を感じれる総合性能はあると思うCPUです。

Core i9-14900K:性能は良いけど、電力面はかなり悪いし、コアの大部分はEコア

Core i9-14900K/13900Kは、24コア32スレッドによる非常に優れたマルチスレッド性能と、優れたゲーム性能が魅力のハイエンドCPUです。

その性能は素晴らしいですが、気になるのは電力面です。消費電力が非常に多いため、CPUクーラーは水冷が必須レベルになりますし、電力効率もRyzenに劣っているため、電力・発熱面を気にするならおすすめはできないCPUです。

使うにしても、ある程度電力を制限して利用することをおすすめしたいCPUとなっています。

上述の理由から、そこまでおすすめのモデルではないのですが、BTOなどではRyzenよりもやや安価になっていることが多いため、初期費用の安さと電力面を抜きにしたコスパの良さから選ばれることが多い気がするCPUです。

安さの理由としては、初動価格ではCore i9の方がやや安価な傾向があることや、日本ではCore人気が高いため、供給量が多いことなどが要因に挙げられると思います。

個人的には、どうせ高い費用を掛けるなら1,2万円の費用を追加してでも「Ryzen 9 7950X3D」を選ぶことをおすすめしたいですが、Core i9も処理性能自体は優れているのは間違いなく、処理性能のみのコスパも悪くないのも事実なので、人によって評価が分かれるCPUだと思います。

Ryzen 9 9950X / 7950X:優れたマルチスレッド効率が魅力だが、ゲームを考えるとX3DやCore i9の方が強い

「Ryzen 9 9950X / 7950X」は16コア32スレッドによる非常に優れたマルチスレッド性能と、優れたマルチスレッド効率が魅力のCPUです。

9950Xは「Zen 5」アーキテクチャ採用なので7950Xとは世代が異なりますが、基本的な特徴はそのままに少し強化されただけという感じなので、まとめて扱うことにします。

Core i9-14900Kと同等以上のマルチスレッド性能を備えつつ、14900Kよりも優れたマルチスレッド性能を持つのが強みですが、ゲーム性能では14900KやRyzen 7000X3Dに少し劣るのが弱点です。

それでいて、標準設定では水冷推奨レベルで消費電力が多く、14900Kほどでないものの扱いにくいです。

マルチスレッド性能と効率に限れば強力ではあるのですが、そこも7950X3Dと実用性を画するほどの差がないですし、ほとんどの消費者にとってはゲーム性能と電力面の良さの方が重要度が高いので、9950Xや7950Xをあえて選ぶ理由があるかと言われると正直微妙に感じるCPUです。

Ryzen 9 7900(無印):コスパ的には良くはないけど、電力面は非常に強力

「Ryzen 9 7900」は12コア24スレッドで65W~88Wの省電力CPUです。価格は2024年8月時点で6万円程度なので、どちらかというとCore i7に近い立ち位置のCPUです。

このCPUの魅力は省電力さと非常に優れたマルチスレッド効率です。空冷でも十分に対応可能な省電力ながら、12コア24スレッドの処理性能は十分に高性能で、非常に優れたマルチスレッド性能を発揮します。

ゲーム性能は他の競合CPUより若干劣るものの、その省電力さのおかげでゲーム時の電力効率は悪くないのも魅力です。

また、無印モデルでは「Wraith Prism RGB」クーラーが付属し、これが付属品にしては悪くない性能です。標準の最大88Wなら実用レベルなので、費用を抑える選択肢として普通に考えることができるのも強みです。

突出した性能やコスパの良さこそありませんが、電力面の良さ、AM5の長期サポートの期待、目先のコスパや性能よりもバランス重視の思考の人向きのCPUとして、割とおすすめできるCPUです。


Core i7 と Ryzen 7

Core i7およびRyzen 7は主流CPUにおける上級モデル(上から2番目)です。いわゆるハイクラスと呼ばれる区分に入ります。
価格はおおよそ4万円中盤~6万円台となっています(2024年8月時点)。
性能はCore i9やRyzen 9よりはやや劣るものの、十分に高性能です。ハイエンド用途でも使える性能を持ち、ゲーミング性能だけならCore i9やRyzen 9とも大差ないことが基本なので、性能もさほど妥協しないコスパ重視CPUとして人気のシリーズとなっています。

Core i7(第13,14世代)と Ryzen 7(5000~9000シリーズ)
総合ざっくり評価
CPU名
マルチ
スレッド
シングル
スレッド
ゲーミング※
消費電力
発熱
Core i7(第14世代)
20コア28スレッド
14700F、14700K 等
★4.75★4.75★4.75★4.0(K無し)
★1.5
(K)
Core i7(第13世代)
16コア24スレッド
13700F、13700K 等
★4.5★4.75★4.75★4.0(K無し)
★1.75
(K)
Ryzen 7(9700X)
8コア16スレッド
Ryzen 7 9700X
★4.0★5.0★4.5★4.0(X)
Ryzen 7(7000)
8コア16スレッド
7700X 等
★3.75★4.75★5.0(X3D)
★4.5
★4.0(無印)
★3.5
(X3D)
★3.0(X)
Ryzen 7(8000G)
8コア16スレッド
8700G 等
高性能内蔵GPU
★3.5★4.25★3.75★4.0
Ryzen 7(5000番台)
8コア16スレッド
5700X 等
★3.25★3.75★4.5(X3D)
★4.0
★3.5
※ゲーム性能評価はハイエンドGPUとの併用時のもの。


Core i7とRyzen 7の人気モデルを一部抜粋して比較しています。

主要スペック
CPUCinebench R23
Multi
コア/
スレッド
動作クロック
定格/最大
TDP
(PBP/PL1)
TDP
(PL2)
コスパ電力効率参考価格
Core i7-14700K35,23720/283.4 / 5.6GHz125W253W0.551140.663,980円
Core i7-14700KF35,23720/283.4 / 5.6GHz125W253W0.569140.661,980円
Core i7-13700K30,62916/243.4 / 5.4GHz125W253W0.476122.865,200円
Core i7-13700KF30,62916/243.4 / 5.4GHz125W253W0.508122.861,090円
Core i7-1470028,45220/282.1 / 5.4GHz65W219W0.452129.962,880円
Core i7-14700F28,45220/282.1 / 5.4GHz65W219W0.478129.959,580円
Core i7-1370024,96016/242.1 / 5.2GHz65W219W0.403113.161,400円
Core i7-13700F24,96016/242.1 / 5.2GHz65W219W0.433113.157,250円
Ryzen 7 9700X20,8248/163.8 / 5.5GHz65W88W0.294236.670,800円
Ryzen 7 7700X19,9738/164.5 / 5.4GHz105W142W0.436140.745,800円
Ryzen 7 770018,7208/163.8 / 5.3GHz65W88W0.418212.744,800円
Ryzen 7 7800X3D18,4758/164.2 / 5.0GHz120W162W0.320114.057,780円
Ryzen 7 8700G17,6768/164.2 / 5.1GHz65W88W0.357192.049,470円
Ryzen 7 8700F8/164.1 / 5.1GHz65W88W47,400円
Ryzen 7 5800X3D15,0038/163.4 / 4.5GHz105W142W0.306105.749,000円
Ryzen 7 5700X14,2118/163.4 / 4.6GHz65W76W0.626187.022,700円
Ryzen 7 5700G14,0418/163.8 / 4.6GHz65W88W0.487159.628,860円
Cinebench R23 Multi
CPU名称スコア
Core i7-14700K
35273
Core i7-13700K
30629
Core i7-13700
24960
Core i7-12700K
22812
Core i7-12700
21568
Ryzen 7 9700X
20824
Ryzen 7 7700X
19973
Ryzen 7 7700
18720
Ryzen 7 7800X3D
18475
Ryzen 7 8700G
17676
Ryzen 7 5800X
15245
Ryzen 7 5800X3D
15003
Ryzen 7 5700X
14211
Ryzen 7 5700G
14041
10ゲームの幾何平均fps(1080p/RTX 4090)
CPU名称スコア
Ryzen 7 7800X3D
193.1
Core i7-14700K
182.5
Core i7-13700K
181.1
Ryzen 7 9700X
178.4
Ryzen 7 7700X
175.9
Ryzen 7 7700
174.8
Ryzen 7 5800X3D
171.7
Core i7-12700K
164.2
Ryzen 7 5700X
147.5
Ryzen 7 5700G
128.7
参考:TechPowerUp
消費電力(高負荷時 / Belnder)
CPU名称スコア
Ryzen 7 5700X
56
Ryzen 7 7800X3D
74
Ryzen 7 9700X
80
Ryzen 7 7700
80
Ryzen 7 5700G
81
Ryzen 7 5800X3D
89
Ryzen 7 7700X
135
Core i7-12700K
164
Core i7-13700K
212
Core i7-14700K
222
参考:TechPowerUp
消費電力(13ゲーム平均)
CPU名称スコア
Ryzen 7 5700G
44
Ryzen 7 7800X3D
46
Ryzen 7 5700X
49
Ryzen 7 5800X3D
58
Ryzen 7 7700
60
Ryzen 7 7700X
70
Ryzen 7 9700X
71
Core i7-12700K
74
Core i7-13700K
102
Core i7-14700K
116
参考:TechPowerUp
重視項目・用途別のおすすめCPU(Core i7 / Ryzen 7)

筆者が選ぶ、用途や重視項目別のおすすめCPUを表にざっとまとめています。末尾Fは省略しているので注意(内蔵GPUが使えない以外は同じ性能)。


重視項目おすすめCPU
※上の方が高評価
総合・実用コスパRyzen 7 5700X >
Core i7-14700 ≧
Core i7-14700K
Ryzen 7 7800X3D
ゲーム性能
※高性能グラボ使用時
Ryzen 7 7800X3D >
Core i7-14700K
Core i7-14700
マルチスレッド性能Core i7-14700K >
Core i7-14700
電力・発熱面Ryzen 7 7800X3D / 7700 >
Core i7-14700 , Ryzen 7 5700X
安さRyzen 7 5700X
内蔵GPU
※グラボ無し構成
Ryzen 7 8700G >>
Ryzen 7 5700G

Ryzen 7 5700X:旧世代だけど、非常に安価で超高コスパなCPU

「7」モデルで予算節約も考えた上でのコスパ重視で筆頭となるのは、「Ryzen 7 5700X」です。

旧世代のため各種性能は最新世代には劣るものの、2万円台前半という安さが非常に強力です。最新のCore i7 / Ryzen 7よりも2~4万円も安いですし、旧世代のおかげでマザーボードも安価な上、メモリも安価なDDR4なので、実質コスパは更に良くなります。

また、旧世代ながら電力面も優秀で、省電力・低発熱で効率も悪くないというのも選び易いです。

他の最新のCore i7 / Ryzen 7と比べるとマルチスレッド性能は大きく劣りはするものの、性能自体は十分に高性能と言えるレベルで一般用途は困ることはほとんどないです。

ゲーム性能が劣るのは気になる点だとは思いますが、このレベルの安さのCPUの場合、ハイエンドグラボと組み合わせることがほぼなくて、ミドルレンジ以下のGPUなら多少ゲーム性能が低くてもネックになりにくいので、意外と気にならない部分です。

むしろ、安さの分グラボのグレードを一つ上げることができるレベルですから、旧世代なのにゲーム面でも実質的にはマイナスではないというのがズルい強さ。

また、5700Xにも「3D V-Cache」を搭載した5700X3Dというモデルがありますが、こちらはやや評価が難しいです。

キャッシュ容量増加によるゲーム性能の向上は一部のゲームでは恩恵を受けるものの、単純に+8,000円ほどの追加予算が必要になるため、安さの利点を少し失ってしまいます。

また、5700X3Dは最大クロックが5700Xよりも大きめに低下してしまっているので、キャッシュ容量の恩恵を受けにくいゲームではむしろ5700Xに劣るケースもあるので、安さの強みを最大化するためにも、5700Xの方が安定の選択だと思います。

Core i7-14700:優れた総合コスパの安定CPU

Core i7-14700(K無し)は、20コア28スレッドによる高いマルチスレッド性能を持ちつつ、ゲーム性能も悪くない、省電力CPUです。

発熱も少なくて扱い易いですし、PC初級者でも苦労することが少ないことも嬉しい、Core i7 / Ryzen 7で高性能高コスパに特化したい場合の安定の選択肢です。

ただし、標準のベースTDPが65Wの状態ではマルチスレッド性能が少し勿体ないので、クーラーの性能に合わせて125W~180Wくらいで調整するのがおすすめです。

Ryzen 7 7800X3D:現状ゲームで最強のCPU。効率も非常に良く、実用コスパに優れるCPU

「Ryzen 7 7800X3D」は、2024年8月時点でゲーム面では最強と呼び声の高いCPUです。注目度の高いゲーム性能が高い上、Core i9やRyzen 9ほど高価でないため、特に人気の高いRyzenです。

7800X3Dは、「3D V-Cache」という追加のキャッシュメモリが64Mも追加で搭載されており、合計96MBという驚異的なL3キャッシュを備えているため、ゲーム性能が非常に優れているのが魅力です。

他にもX3Dモデルはありますが、この7800X3Dだけゲーム性能が少し上なのが特に人気の理由です。その理由は、現状のほとんどのゲームでは高性能コアが8コアあれば、それ以上は大して意味を成さないというのが通説ですが、逆に言えば、8コア以上があると効率の悪い処理が発生してしまう可能性があるということになりますが、この7800X3Dは8コアぴったり搭載なので、無駄なコアに処理が割り当てられるリスクがないためです。

実際のゲームテストでも他の競合CPUよりも高いゲーム性能が確認されており、その理論を裏付けています。

また、CPUの構造としても、7800X3Dは8コア全てが1つのCCD(コアのまとまり)に収まっているので、無駄な通信や電気的なロスも発生しにくいという利点があり、ゲームにおいては非常に優れた性能を発揮しつつ、電力効率も非常に優れているのが非常に大きな強みです。

ただし、弱点として、マルチスレッド性能コスパは良くないという点があるのは注意です。2024年8月時点で7800X3Dは約6万円ほどの価格ですが、これはCore i7-14700Fとほぼ同等の価格です。

ですが、マルチスレッド性能は14700Fは少し電力設定を引き上げれば7800X3Dの1.5倍以上の性能を発揮することも可能なので、マルチスレッド性能は圧倒的に劣ることになります。

ただし、7800X3Dのマルチスレッド性能も低い訳ではなく、一般消費者にとっては十分な性能を備えているため、大きなデメリットとしては捉えられることが少ないため、一般の人にとって無駄になるマルチスレッド性能がゲーム性能や効率に振り分けられた、実用コスパが高いCPUとして、非常に人気となっています。

Ryzen 7 9700X:性能は7700から少しの向上なのに、価格が高すぎる

Ryzen 7 9700Xは、「Zen 5」を搭載した2024年8月時点で最新のRyzen 7です。

X付ながらTDPが65W~88Wとなったため、省電力で効率に優れるCPUとなっています。

CPU単体で見れば悪くはないのですが、7700と比較すると性能向上率は小さい割に価格が高すぎますし(発売時:70,800円)、ゲーム性能も7800X3Dに大きく劣るのが致命的です。

価格が最低でも5万円以下くらいになれば、低消費電力&低発熱CPUとして選択肢に入る可能性も無くはないですが、ゲーム性能の差を考えると7800X3Dより人気になる可能性はあまり感じないCPUです。

Ryzen 7 7700 / 7700X:価格次第ではありだけど、やや厳しい立ち位置

「Ryzen 7 7700 / 7700X」は8コア16スレッドCPUで優れた性能と効率を持ちますが、Core i7-14700や7800X3Dなど、競合相手が強いので厳しい立ち位置のCPUです。

Core i7-14700と比べてマルチスレッド性能差が非常に大きい上にゲーム性能も負けるため、性能コスパは負けます。

7800X3Dにも、当然ゲーム性能では敵いませんし、7800X3Dは電力面でも優れるため、実用性能では正直競合モデルに勝ち目がないです。

ただし、上述のCPUよりも価格が一段安いのは強みです。特に安い時期には4万円台前半まで下がることもあって、その場合には上述のCPUよりも1~2万円も安いことになるので、予算節約を考えている場合には魅力的になる可能性もあります。

Ryzen 7 8700G:高性能内蔵GPU搭載で、重めのゲームにも対応可能に

「Ryzen 8000Gシリーズ」は高性能な内蔵GPUを搭載しているシリーズです。2024年8月時点ではIntelに対抗製品がないので、グラボ無しPCを検討する際には独壇場のCPUです。

Ryzen 7では「Ryzen 7 8700G」が登場しています。CPUは8コア16スレッドで、GPUは12コアの「Radeon 780M」が搭載されています。

この「Radeon 780M」が内蔵GPUとしては非常に高い性能を持っているのが大きな魅力です。

ゲームのベンチマークでは「GTX 1650」という少し前のエントリーグラボに迫る性能となっており、軽いゲームなら非常に快適ですし、重めのタイトルもある程度動かすことが可能なレベルです。

更に、2024年1月下旬にRadeon(RDNA 2以降)で「AFMF」というフレーム生成機能が手軽に使えるようになったので、フレームレートの底上げも可能となったこともかなり大きいです。AFMF前提なら、結構重めのゲームでもプレイ自体には支障が無いレベルの動作が可能です。そのため、かなり重量級のゲームを想定したり、常に高fpsを安定させたい訳でないなら、ゲームでグラボの搭載は不要になったと言っても過言ではないレベルです。

また、標準TDPが65W~88Wに設定されているため、非常に省電力・低発熱で扱い易いのも嬉しいです。

動画編集についても、フルHD以下のものなら意外と対応できるレベルですし、高い性能を求めないライトユーザーならこれ一つで全ての処理に対応できるレベルのものとなっており、その汎用性の高さが非常に魅力的です。

しかし、約5万円という価格が難しいところです。「Ryzen 7 5700X」+「RX 7600 or RTX 3060」などが視野に入るレベルだったりして、同費用でゲーム性能を3倍くらいに引き上げることが出来ちゃったりします。

そのため、超小型PCで採用したいとか、内蔵GPUで省電力運用という点に魅力を感じているなど、割とマニア向けのニーズに対応したCPUになってしまっているかなとは思います。

Ryzen 5 8600Gとどっちが良い?

また、一つ下位の「Ryzen 5 8600G」とどちらが良いのか迷う方も多いと思いますので、そちらも少し触れておきます。8700Gと8600Gの主な違いは、CPUのコア数が8→6、GPUコア数も12→8になる点です。特にGPUのコア数差が大きいのが気になる点だと思いますが、8600Gでも意外とコア数差ほどの性能能低下はなく、マイナス2割程度までに留まっています。そのため、高いCPU性能を求める訳でないなら、8600Gの方が実用コスパは少し上になると思うので、CPU性能も出来るだけ高くしておきたいなら8700G、内蔵GPUさえそれなりに使えればOKという場合には8600Gという感じで、用途や好みに応じて選択すると良いと思います。


Core i5 と Ryzen 5

Core i5およびRyzen 5は主流CPUにおける中級モデルです。いわゆるミドルレンジに区分されます。

中級とはいっても現在では十分に高性能で、「可・不可」でいえば不可能な事はないレベルの高性能さです。数年前のハイエンドCPUを大きく上回るレベルの性能を持っています。価格はやや幅が広く、おおよそ2万円~4万円台となっています。

Core i5(第13,14世代)と Ryzen 5(5000~9000シリーズ)
総合ざっくり評価
CPU名
マルチ
スレッド
シングル
スレッド
ゲーミング※
消費電力
発熱
Core i5-14600K(F)
Core i5-13600K(F)
14コア(6P+8E)
20スレッド
★4.0★4.5★4.5★2.75
Core i5-14500
Core i5-13500
14コア(6P+8E)
20スレッド
★3.75★4.25★4.25★4.0
Core i5-14400(F)
Core i5-13400(F)
10コア(6P+4E)
16スレッド
★3.5★4.0★4.0★4.0
Ryzen 5(9600X)
6コア12スレッド
Ryzen 5 9600X
★3.75★4.75★4.25★4.0(X)
Ryzen 5(7000)
6コア12スレッド
7600X 等
★3.5★4.25★4.25★4.0(無印)
★3.5
(X)
Ryzen 5(8000G)
6コア12スレッド
8600G 等
高性能内蔵GPU
★3.25★4.0★3.75★4.0
Ryzen 5(5000番台)
6コア12スレッド
5600X 等
★2.75★3.5★3.75★4.0
※ゲーム性能評価はハイエンドGPUとの併用時のもの。


Core i5とRyzen 5の人気モデルを一部抜粋して比較しています。

主要スペック
CPUCinebench R23
Multi
コア/
スレッド
動作クロック
定格/最大
TDP
(PBP/PL1)
TDP
(PL2)
コスパ電力効率参考価格
Core i5-14600K25,07414/203.5 / 5.3GHz125W181W0.496136.449,800円
Core i5-14600KF25,07414/203.5 / 5.3GHz125W181W0.537136.445,980円
Core i5-13600K24,52514/203.5 / 5.1GHz125W181W0.501135.548,980円
Core i5-13600KF24,52514/203.5 / 5.1GHz125W181W0.543135.545,200円
Core i5-1450022,04914/202.6 / 5.0GHz65W154W0.572143.238,580円
Core i5-1350021,13514/202.5 / 4.8GHz65W154W0.560137.237,730円
Ryzen 5 9600X17,0366/123.8 / 5.5GHz65W88W0.311193.654,800円
Core i5-1440016,07410/162.5 / 4.7GHz65W154W0.453104.435,480円
Core i5-14400F16,07410/162.5 / 4.7GHz65W148W0.493108.632,580円
Core i5-1340015,89010/162.5 / 4.6GHz65W154W0.46896.533,980円
Core i5-13400F15,89010/162.5 / 4.6GHz65W148W0.539100.429,480円
Ryzen 5 7600X15,3156/124.7 / 5.3GHz105W142W0.472107.932,480円
Ryzen 5 760014,2406/124.7 / 5.3GHz65W88W0.479161.829,700円
Ryzen 5 7500F14,1606/123.7 / 5.0GHz65W88W160.9OEMのみ
Ryzen 5 8600G14,0676/124.3 / 5.0GHz65W88W0.427153.932,980円
Ryzen 5 8400F13,3616/124.2 / 4.7GHz65W88W0.434151.830,780円
Ryzen 5 8500G11,5216/123.5 / 5.0GHz65W88W0.465130.924,770円
Ryzen 5 5600X11,2686/123.7 / 4.6GHz65W76W0.605148.318,600円
Ryzen 5 560011,077?6/123.5 / 4.4GHz65W76W0.652145.816,980円
Ryzen 5 5600G11,0776/123.9 / 4.4GHz65W88W0.693125.915,980円
Ryzen 5 550010,6056/123.6 / 4.2GHz65W88W?0.731120.514,500円
Cinebench R23 Multi
CPU名称スコア
Core i5-14600K
25074
Core i5-13600K
24525
Core i5-14500
22049
Core i5-13500
21135
Core i5-12600K
17660
Ryzen 5 9600X
17036
Core i5-14400
16074
Core i5-13400
15890
Ryzen 5 7600X
15315
Ryzen 5 7600
14240
Ryzen 5 8600G
14067
Core i5-12400
11448
Ryzen 5 5600X
11268
Ryzen 5 5600G
11077
10ゲームの幾何平均fps(1080p/RTX 4090)
CPU名称スコア
Ryzen 5 9600X
177.5
Core i5-14600K
172.9
Core i5-13600K
170.1
Ryzen 5 7600X
173.2
Core i5-12600K
153.4
Ryzen 5 7600
170.5
Core i5-13400F
145.9
Core i5-12400F
142.7
Ryzen 5 5600X
147.1
参考:TechPowerUp
消費電力(高負荷時 / Belnder)
CPU名称スコア
Ryzen 5 5600X
60
Core i5-12400F
63
Core i5-13400F
65
Ryzen 5 7600
76
Ryzen 5 9600X
80
Ryzen 5 7600X
102
Core i5-12600K
119
Core i5-13600K
135
Core i5-14600K
145
参考:TechPowerUp
消費電力(13ゲーム平均)
CPU名称スコア
Core i5-12400F
40
Ryzen 5 5600X
47
Core i5-13400F
48
Ryzen 5 7600
50
Core i5-12600K
61
Ryzen 5 9600X
66
Ryzen 5 7600X
66
Core i5-14600K
76
Core i5-13600K
79
参考:TechPowerUp
重視項目・用途別のおすすめCPU(Core i5 / Ryzen 5)

筆者が選ぶ、用途や重視項目別のおすすめCPUを表にざっとまとめています。末尾Fは省略しているので注意(内蔵GPUが使えない以外は同じ性能)。


重視項目おすすめCPU
※上の方が高評価
総合・実用コスパRyzen 5 7500F / 7600 / 7600X ≧
Core i5-14500
/ 13500 ≧
Core i5-14400 / 13400
ゲーム性能
※高性能グラボ使用時
Core i5-14600K / 13600K ≧
Ryzen 5 7500F / 7600 / 7600X
Core i5-14500 / 14400 / 13500 / 14400
※ミドルレンジ以下のグラボならどれも大差無し
マルチスレッド性能Core i5-14500 / 13500 >
Core i5-14400 / 13400 ≒
Ryzen 5 7500F / 7600 / 7600X
電力・発熱面Core i5-14400 / 13400 >
Core i5-14500 / 13500 ≧
Ryzen 5 7500F / 7600 / 7600X / 9600X
安さRyzen 5 7500F / 7600 / 7600X ≒
Core i5-14400 / 13400
内蔵GPU
※グラボ無し構成
Ryzen 5 8600G >
Ryzen 5 8500G
>>
Ryzen 5 5600GT

Core i5 / Ryzen 5 も今では十分高性能

まず言っておきたいのが、Core i5Ryzen 5と聞くと性能に不安を感じる人も居ると思いますが、今では十分に高性能と言えるレベルの性能を持っていることです。基本的に不可能なことは無いくらいの高性能さを持ちつつも価格が上位モデルよりも安いため、一般用途でのコスパが非常に良いのが魅力です。

中でもゲーミングコスパが非常に良い点は魅力的です。レビューのベンチマークテストなどを見るとゲーム性能でも大きく劣る印象も受けるかもしれませんが、これはレビュー記事では基本的に超高性能なハイエンドGPUと共に使用されるためです(現在ならRTX 4090とか)。

実際には5モデルはミドルレンジGPUと組み合わせるのが基本で、その場合にはCPUへの要求スペックも下がるため、上位CPUと比べてゲーム性能差は実はほとんど無いことも多いです。

Core i7 / Ryzen 7と比べるとコア数で劣るため、マルチスレッド性能を重視する場合には微妙なのは確かですが、ゲーミング単体に限れば、大きなネックになることは思ったよりも少ないため、コスパが良い点は留意しておきましょう。

Ryzen 5 7500F / 7600 / 7600X:優れたコスパとAM5の長期サポートが魅力の低価格CPU

Ryzen 5 7500F / 7600 / 7600Xは、3万円クラスという安価で優れたコスパが魅力のCPUです。

6コア12スレッドで一般用途なら十分なマルチスレッド性能を持ち、Core i5-14400/13400よりも少し優れたゲーム性能を持ち、ソケットAM5による長期サポートを得ることができます。

マザーボードとメモリ対応の関係で、Core i5-14400/13400よりは若干の費用は高くなることが多いですが、AM5の長期サポートと若干のゲームでの優位性を考えると、個人的にはRyzen 5 7500F / 7600 / 7600Xの方が若干高評価です。

比較的安価なので、後に登場するRyzenの追加モデルへの交換を意識した「とりあえず用」のCPUとしても丁度良く、低価格PCなら現在では非常に選び易い強力な選択肢だと思います。

Core i5-14400/13400(F):低価格ゲームPCの定番で、確かに強力だけど、実は一択レベルではない

「Core i5-14400/13400(F)」は10コア16スレッドによる高いマルチスレッド性能コスパが魅力の、低価格PCで特に採用率の高いCPUです。

3万円台前半という価格で10コアを搭載するのは魅力的で、実際にマルチスレッド性能コスパは非常に優れていますし、一般用なら十分すぎる性能があります。

ただし、コスパが良いのは間違いないですが、今では同価格帯で一択レベルではないということは覚えておいて損は無いかもしれません。

これは、前述の「Ryzen 5 7500F / 7600 / 7600X」があるためです。価格はほぼ同額ですが、7000シリーズの方が若干ながら優れた性能を発揮するためです。

Core(14000/13000)の末尾が500番以下のCPUは、実はPコアの仕様が第12世代の旧世代のものを引き継いでいるため、キャッシュ容量が少なめになっていることが実はポイントです。そのため、Ryzen 5 7500F / 7600 / 7600Xに対して、ゲーム性能でわずかに劣る結果になっているのがまず気になる点です。

また、それだけでなく、Coreはソケットサポート期間が短い傾向がある中、Ryzen 7000シリーズのAM5は最低でも2027年までの長期サポートが明言されている点でも差があります。要するに、Ryzen 7000以降ならマザボードをそのままに新CPUへと移行することが可能となっています。

正直、実用性能ではRyzen 7000とほぼ変わらなくはあるので、CPU交換を意識しないならどちらを選んでも後悔することはないと思いますが、もしCPU交換も視野に入れたいのであれば、7000以降のRyzen 5を選ぶ方が良いという点は留意しておいて損はないかなと思います。

Core i5-14500/13500:4万円以下で14コアの超強力なマルチスレッド性能コスパ。採用製品が少ないのが難点

「Core i5-14500/13500」は4万円以下という価格で14コア(6P+8E)を搭載するため、非常に優れたマルチスレッド性能コスパを発揮するのが魅力のCPUです。

「Core i5-14400/13400(F)」からEコアが4つ追加されている形ですが、価格は5,000円~7,000円程度しか変わらないので、マルチスレッド性能コスパがとにかく強力です。

しかし、従来からこの500番台のCore i5は供給量が少なめで、BTOでは採用数が多くないのが難点です。

また、増えるのがEコアなので、ゲーム面ではさほど恩恵が無いですし、14400等と同様に、Ryzen 7000シリーズに対して、ソケットのサポート期間について劣る点もあります。

総合コスパでは非常に強力なので選べるなら嬉しいですが、こちらも一応一択レベルでは無い点には注意です。

とはいえ、全CPU中で見てもかなりのコスパを誇るので、低予算でコスパ特化を目指すなら最優先で検討したいCPUです。

Core i5-14600K/13600K(F):強力なゲームコスパが魅力だけど、Pコア単価の高さが気になる

「Core i5-14600K/13600K(F)」は、14コア20スレッドで、6P+8E(高性能コア+高効率コア)という構成です。「Core i5-14500/13500」と同じコア構成ですが、こちらはコア仕様が古くないため、コアあたりのキャッシュ量が多くてゲーム性能がCore i7やCore i9と比べても大きくは劣らないのが魅力です。

そのため、ハイエンドGPUとの組み合わせによるゲームコスパでいえばかなり強力です。

しかし、気になるのは価格です。Pコアが6コアしかないのに、価格は5万円弱なので、Pコア単価は高いです。

また、20コアのCore i7と比較して価格が1~1.5万円程度しか変わらないため、費用は高くなるものの、マルチスレッド性能コスパではCore i7の方が明らかに上です。

各指標とハイエンドGPUとのゲームコスパを見ると強力なのですが、Pコアはやはり8個欲しいという気持ちもありますし、少し上の価格では「Ryzen 7 7800X3D」や「Core i7-14700F」といった強力なCPUが多数存在するので、最優先で検討する選択肢には入りにくいCPUだと思います。

Ryzen 5 9600X:非常に優れた6コアCPUだけど、7600からの性能向上は少しなのに高すぎる価格

Ryzen 5 9600Xは、「Zen 5」を搭載した2024年8月時点で最新のRyzen 5です。

X付ながらTDPが65W~88Wとなったため、省電力で効率に優れるCPUとなっており、6コアCPUとしては非常に優れたCPUです。

CPU単体で見れば悪くはないのですが、7600と比較すると性能向上率は小さい割に価格が高すぎます(発売時:54,800円)。ゲーム性能もマルチスレッド性能も7800X3Dに劣るのに、7800X3Dと価格が近いので、あえて9600Xを選ぶ理由が見当たりません。

価格が4万円未満になれば、比較的低価格かつ、低消費電力&低発熱CPUとして選択肢に入る可能性も十分あるとは思いますが、節約重視ならより安価な7600で良い感が強いですし、7600が生産終了となるか、価格が予想以上に安くなるかしない限りは、選択肢には入ってこなさそうなCPUです。

Ryzen 5 8600G/8500G:高性能内蔵GPU搭載

「Ryzen 8000Gシリーズ」は高性能な内蔵GPUを搭載しているシリーズですが、2024年8月時点ではIntelに対抗製品がないので、グラボ無しのPC用のCPUとしては独壇場となっています。

Ryzen 5では「Ryzen 5 8600G」および「Ryzen 5 8500G」が登場しています。CPUはどちらも6コア12スレッドです。

ただし、8500Gは小型の「Zen 4c」コアが4つ含まれているため、8600Gの方がやや高性能な点に注意が必要です。更に、AI用のNPUである「Ryzen AI」が8500Gには含まれていないのも注意です。

また、GPUコア数にも差があります。8600Gは「Radeon 760M(8コア)」で、8500Gは「Radeon 740M(4コア)」となっています。8500Gだと内蔵GPUコア数が半分になってしまうので、性能には大きな差があります

このように、8600Gと8500Gは価格差の割には性能差が大きいので、基本的には「Ryzen 5 8600G」の方がおすすめです。

また、8500Gではグラボ用のPCIeレーンがx4しかないのも気になるところです。帯域がかなり制限されるので、高性能なGPUを搭載するには適さない仕様です。8600Gもx8なので良くはありませんが、アッパーミドル程度までのグラボではネックにならないレベルですから、かなり大きな差があります。

購入後にグラボの増設を検討したくなったときに、8500Gでは対応が難しいことを事前に割り切るのは難しい部分かなと思います。

ただし、2024年8月時点では8600Gと8500Gとの価格差は約1万円と大きいので、そこは予算と相談になるかなと思います。8500Gでも内蔵GPUとしては比較的高性能な部類ではあるので、軽いゲームなら十分に対応できますし、AFMFを駆使すれば重めのゲームにもある程度は対応できます。高い性能も求めないレベルのライトユーザーなら8500Gでも正直困ることはあまりないと思うので、グラボ増設を今後絶対にしないと割り切った上での安さ重視なら、8500Gも悪くはない選択肢です。

Ryzen 7 8700Gとどっちが良い?

また、一つ上位の「Ryzen 7 8700G」と「Ryzen 5 8600G」のどちらが良いのか迷う方も多いと思いますので、そちらも少し触れておきます。8600Gと8700Gの主な違いは、CPUのコア数が6→8、GPUコア数も8→12となる点です。特にGPUのコア数差が大きいのが気になる点だと思いますが、意外とコア数差の1.5倍ほどの差はなく、1.2倍程度までに留まっています。価格も発売時点では8700Gの方が1.8万円も高い点も大きいので、高いCPU性能を求める訳でないなら、8600Gの方が実用コスパは少し上になると思います。なので、CPU性能も出来るだけ高くしておきたいなら8700Gの方がおすすめではありますが、内蔵GPUさえそれなりに使えればOKという場合には8600Gという感じで、用途に応じて選択すると良いと思います。


Core i3 と Ryzen 3

Core i3およびRyzen 3は主流CPUにおける中の下くらいに位置するモデルです。いわゆるミドルレンジ下位くらいに区分されます。価格は安く、おおよそ1万円台前半~2万円程度となっています。
価格の安さが魅力のモデルなので、性能はCore i5 / Ryzen 5以上と比較すると格段に低いです。

とはいえ、現在ではWeb閲覧やOffice作業などの軽作業であれば十分すぎるくらいの性能は持っています。その安価さのおかげで、特に重い作業をしないのであればコスパは良いです。また、消費電力や発熱も少ないため、小さなケースで運用するのにも適しています。ゲーミング用途でも、上位モデルと比べるとパフォーマンスが劣るというだけで、普通に使えはします。

ですが、価格差の割にCore i5Ryzen 5との性能差が大きいため、コスパを考えれば「3を買うなら、少しプラスして5買った方がお得」というのが明らかなので、他モデルより人気は低めです。

そのことをメーカーも承知しているのか、特にデスクトップではIntelもAMDもCore i3およびRyzen 3の販売にあまり積極的ではない印象です。Ryzenに至っては、Ryzen 5000シリーズ以降は消費者向けの一般販売モデルが無いなど、かなり影の薄いCPUになっているレベルです。

とにかく動けば良いので安いPCが欲しいという場合に限り有用なCPUかなと思います。

Core i3(第13,14世代)と Ryzen 3(7000シリーズ)

総合ざっくり評価
CPU名
マルチ
スレッド
シングル
スレッド
ゲーミング
消費電力
発熱
Core i3(第13,14世代)
★2.0★3.75★3.25★4.25
Core i3(第12世代)
★2.0★3.75★3.25★4.25
Ryzen 3(8000G)/OEM限定
※内蔵GPU重視モデル
性能の詳細不明
★1.0★1.0★1.0★1.0
※ゲーム性能評価はハイエンドGPUとの併用時のもの。


Core i3とRyzen 3の人気モデルを一部抜粋して比較しています。

主要スペック
CPUCinebench
R23
コア/
スレッド
動作クロック
定格/最大
TDP
(PBP/PL1)
TDP
(PL2)
クーラー
の付属
コスパ参考価格
Core i3-141009,0914/83.5 / 4.7GHz60W89W0.38223,800円
Core i3-14100F9,0914/83.5 / 4.7GHz58W89W0.49518,380円
Ryzen 3 8300G4/83.4 / 4.9GHz65W88WOEM限定
Core i3-131008,8124/83.4 / 4.5GHz60W89W0.39422,340円
Core i3-13100F8,8124/83.4 / 4.5GHz58W89W0.48418,200円
Core i3-121008,1724/83.3 / 4.3GHz60W89W0.48416,880円
Core i3-12100F8,1724/83.3 / 4.3GHz58W89W0.58414,000円
Cinebench R23 Multi
CPU名称スコア
Core i3-13100
8812
Core i3-13100F
8812
Core i3-12100
8172
Core i3-12100F
8172
Cinebench R23 Single
CPU名称スコア
Core i3-13100
1716
Core i3-13100F
1716
Core i3-12100
1679
Core i3-12100F
1679

軽作業限定の安さ特化なら悪くはないけど、コスパを少しでも考えるなら上位モデルの検討を

Core i3 / Ryzen 3は、特に一般消費者向けとしてはコスパは正直微妙です。実際人気もあまり無く、メーカー側もそこまで力を入れていない印象のモデルになります。

なので、基本的には出来ればCore i5 / Ryzen 5以上の上位モデルの検討をおすすめします。

ただ、一応現行モデルの比較はざっくりとやっておきたいと思いますので、興味があればご覧ください。

比較について、Ryzenでは5000/7000シリーズでは一般消費者向けのRyzen 3は一つも投入されなかったためにCore i3との比較が不可能でしたが、2024年1月にようやく「Ryzen 3 8300G」が登場し、比較対象が生まれました。ただ、こちらもOEM限定(ショップ等の既製品PCでのみの販売)なので、ほとんど流通はしなさそうな気はしますが…。それはとりあえず置いておきます。

「第13・14世代のCore i3」と「Ryzen 3 8300G」のコア・スレッド数はどちらも4コア8スレッドです。ただし、Ryzen 3 8300Gは小型の「Zen 4c」コアを3つ含むため、Core i3の方がCPU性能はやや有利です。とはいえ、劇的な差があるほどではないですし、元々軽作業前提のCPUですから、実用性にはさほど影響はないレベルだと思います。

一応、安価なグラボと併せて安さ特化のゲームPCとして運用したい場合にはCore i3が有利にはなりますが、「Ryzen 3 8300G」がOEM限定のため、気にする必要が生まれていません。

そして、最大のポイントは内蔵GPUです。内蔵GPU性能は「Ryzen 3 8300G」の「Radeon 740M」の方が大幅に有利です。

8300Gの内蔵GPUも特別高性能ではないものの、軽いゲームやFHD以下の簡単な動画編集なら比較的快適に行える性能があります。それに対し、Core i3の内蔵GPUはゲームのベンチマークだと半分程度の性能になってしまうので、大きな差です。動画視聴や特に軽いゲームでは問題ないレベルなものの、その他のグラフィック処理は基本厳しめなので、少しでも良いからグラフィック性能を欲しい場合にはRyzen 3 8300Gの優位性は大きいかなと思います。

前述のように、CPU性能やグラボ利用時のゲーム性能ではCore i3が有利な側面もあるものの、立ち位置的にはそれらは基本求められないのが「Core i3 / Ryzen 3」だと思われ、軽作業前提の汎用PCとして考えるなら「Ryzen 3 8300G」がやや有利だと思います。

47 COMMENTS

もりくろ

btoでゲーミングpcを買おうと思ってるんですが、ryzenとintelで悩んでます。
wqhdでのmmoとsteamがメインでfpsはやらないと思います。

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とねりん:管理人

予算などをもう少し聞かないと確かなことは言えませんが、

性能重視なら、今だとやや高価になってしまいますが、Intelの第12世代Coreプロセッサー搭載機がおすすめです。
ただし、Core i9は価格も高く電力効率も良くないので、Core i5-12600K(F)かCore i7-12700K(F)をおすすめします。

登場時期的にはやや古めのものになりますが、第11世代のCoreとRyzen 5000シリーズは上記の第12世代よりは大きく安いものが多いので、ゲーミングコスパ重視なら良いと思います。

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もりくろ

ryzen5000シリーズだと7か9になるんでしょうか?

とねりん:管理人

コスパと電力効率的には特にRyzen 9が良くて、Ryzen 5も安い分良いです。
Ryzen 7 5800Xは他二つに比べるとコスパと電力効率で劣るので、一歩落ちるかなという感じです。
ただし、最近だと在庫が余っているためか大きめの値引きも見られますし、性能自体は悪くないので、値段次第ではありって感じになると思います。

匿名

いつも分かりやすい記事拝見させていただいております。
質問なのですが自分は年度末頃に初めてPCを組もうとしていて構成はRTX3060tiとcorei5 11400Fを想定しております。
ですが色々調べたところこれではボトルネックが出ます。
それでcorei7 10700か11700にしようか迷っているのですが、予算の都合上できるだけ安く済ませたいと思っています。
1万5000円ほど追加してi7に変更する意味はあるのでしょうか?回答よろしくお願いします。

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とねりん:管理人

いつも見てくださってありがとうございます。

煮え切らない言い方で申し訳ないですが、Core i7にする必要性は用途や求めるレベルによると思います。少しでもゲームのfpsを上げたいとかマルチスレッド性能が重要な処理を頻繁にやるのであれば、コアが2つ多いCore i7の恩恵は大きいと思います。逆に、重いゲームやソフトのパフォーマンスが多少落ちてでも安く済ませたい場合にはCore i5が適しています。Core i5-11400Fでも2~3年前くらいのCore i7を大幅に超える性能があるので、よほど重い処理じゃなければ大きな不満が出ることは無いと思います。

また、質問の意義を失うことを言ってしまいますが、Intelの第12世代Coreプロセッサ(Alder Lake)が来月11月の初旬に出ると言われているので、年度末ならそちらが最新世代になるのかなと思います(一応リーク情報です)。なので、発売を待ってみてから考えても良いのかなと思います。
一応軽く噂で言われていることを羅列しておくと、新しいメモリ規格のDDR5に対応しててDDR4より少し高くなるとか、コア仕様がWindows 11に最適化されているかも、とかあるようです。

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匿名

返信ありがとうございます。
ゲーム以外にも色々手を出したいと思っていたのでi7の方がいいですかね…
メモリも考慮して増設するとか12世代も出たら調べて考えてみます!

とねりん:管理人

今ではCore i5でも普通に高性能なので、重い処理でも基本問題無くこなせると思います。
ただ、たとえばPC全体で20万円の場合の2万円のプラスは1割ですが、コア数が6→8になるならCPUのマルチスレッド性能は少なくとも2~3割の向上は期待できると考えることができます。CPU単体のコスパではCore i5が非常に強いですが、PC全体で考えると高性能なCPUの方がコスパが良く見えます。それと費用が高くなるデメリットをどう考えるかという部分ですね…。
性能向上分を活かせないなら無駄な費用ですが、後になってから換えたいとなっても難しいですから、重い処理も想定するならCore i7以上が無難だという通説はある程度その通りだとは思います。

仕事人

2D CADを主に使いますがどちらのCPUが最適なのでしょうか?多くのデータを読み込むのですがCPUを選ぶ際どこに1番気をつけたらよいでしょうか?お時間ありましたらご返信のほどよろしくお願いします。

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とねりん:管理人

CADについては正直詳しくはないのですが、ソフトの使用映像を見る限りは軽い処理や読み込みが積み重なっていて、処理の手数が多くてレスポンスが重要に見えるので、2DCADは3DCADほどコア数(マルチスレッド性能)は重要でないですが、シングルスレッド性能は高い方が適しているのかなという認識です。
ただ、全体的な処理自体は最近の重いゲームとか動画編集とかよりは恐らく軽いと思うので、最新のCore i5 / Ryzen 5以上という感じで良いと思います。ただ、Core i5とRyzen 5のTDP65Wのモデル(Core i5-11400やRyzen 5 5600G等)は最大クロックが少し低くて、シングルスレッド性能が他モデルより少し低いため、一応向いてはいないかなと思います(全然使えるとは思いますが)。

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もりくろ

wqhdでmmorpgやりたいのでグラボとの兼ね合いもあるしryzenは次世代の噂もあるので、年末セールに数年間持ちこたえるスペックをどのレベルの値段で抑えるのかが難しいですね。

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とねりん:管理人

そうですね。基本的にはCPUを1ワンク上のものにするより、GPUを1ランク上のものにした方がゲーミングコスパ良いので、コスパを考えるならグラボとの兼ね合いは重要ですね。ただ、GPUのおかげでゲーミング性能は高くても、旧世代のCPUを選ぶのに抵抗がある人も居ると思うので難しいですね。
Ryzenは改良版(3D V-Cache版)のZen3が近い内に投入される予想ですね。次のRyzenの性能も気になりますし、今CPU単体で一番コスパが良いのは「Core i7-12700K(F)」か「Core i5-12600K(F)」だと思いますが、マザーボードが高価なZ690しかないせいで高いのが問題なので、安価なH670やB660が登場すれば少し選び易くなるかもですね。

maic M

分かりやすくたいへん参考になりました。
Ryzen 系がよく売れているせいか、ヤフーオークでもインテル系が
安くなってきています。中でも、i7-2000番、3000番のでも
モバイルのCPUは、35度、45度、の低温度でまたよく売れるため
値上がりしちゃってます。 いいのか悪いのか・・
GPU HD4000 搭載のCPUは、非力ながらも・・多少の3Dも
扱えるソフトウエアー搭載なので・・人気が高いです。

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とねりん:管理人

5600Xや5800Xはモデルナンバーの割には高すぎるので、本当にそう思います。

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とっくめー

Ryzen 3 5300XやRyzen 7 5700Xなど、zen2世代の人気モデルの後継が登場するのが待ち遠しいですね!

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とねりん:管理人

こっそり修正しておきました。

とねりん:管理人

私も本当にそう思いますが、今のIntel相手なら多少高くても売れるでしょうから引っ張ってきそうな気もしちゃいますね…。

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Gi_RyuZa

返信がとても遅くなってしまって申し訳ございません。
ものすごい、参考になりました。
自作㍶を作る時、cpuはこれを参考に選ばせていただきます。
ありがとうございました。

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たらこ

ゲーミング&動画編集用のPCを作ろうと考えていますがRYZENかCORE iで悩んでます。
文章中にゲーミング性能と言う言葉が出ていますが、【主要スペック】にも【Cinebench R15】にもそれっぽい数値は記載されていないと思うのですが、何を見ればわかるのでしょうか?
★に換算された元情報(他ページ?)を教えてもらえないでしょうか?

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とねりん:管理人

ゲーミング性能は大手レビューサイトの記事等の多数の情報を参考にしながら、私自身が相対的に比較して評価している形なので単一のソースのようなものはありません。申し訳ありません。
Google等で気になるCPUの個別レビュー記事を探すか、宣伝みたいで申し訳ないですが、本サイトでも新着記事の上の方のCPU評価記事ではゲーミング性能(平均FPS)には軽く触れているので、よければご覧ください。

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たらこ

返信ありがとうございました。
返信が遅くなり申し訳ございませんでした。m(_ _)m

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