【第12世代と第11世代】Core iシリーズの違いは?どれが良い?【ざっくり評価】

デスクトップ用のCore iシリーズ(主流モデル)の第12世代(Alder lake)と第11世代(Rocket lake)の比較・まとめです。各CPUの特徴を凄くざっくりと載せています。また、「Core i9とCore i7」のような、各モデル毎の違いや性能については下記の記事の方が分かり易いかと思うので、良ければ参考リンクをご覧くださいませ。

【性能比較】Core「9 / 7 / 5 / 3」の違いを解説【2024年最新版】


注意

本記事の内容は、記事更新時点(2022年1月7日時点)のものとなります。ご覧になっている際には異なる可能性があるため注意してください。

第12世代での主な変更点

第12世代第11世代
コア構成高性能コア + 高効率コア
高効率コアのみ(Core i5 K無し以下)
高性能コアのみ
コア / スレッド(最大)Core i9:16コア / 24スレッド
Core i7:12コア / 20スレッド
Core i5 K付:10コア / 16スレッド
Core i5 K無:6コア / 12スレッド
Core i3: 4コア/8スレッド
Core i9:8コア / 16スレッド
Core i7:8コア / 16スレッド
Core i5:6コア / 12スレッド
対応メモリDDR5-4800
DDR4-3200
DDR4-3200
PCI ExpressPCIe 5.0PCIe 4.0
内蔵GPU(iGPU)UHD Graphics 770 (32EU)
UHD Graphics 730 (24EU)
UHD Graphics 750 (32EU)
UHD Graphics 730 (24EU)
ソケット形状
チップセット
LGA1700
Intel 600シリーズ(Z690 等)
※前世代と互換性無し
LGA1200
Intel 500 / 400シリーズ(Z590 等)


第12世代から第11世代での変更・要点まとめ
前世代からの変更や要点について、主要なものをざっくりとまとめています。
  • 製造プロセスが14nmから10nmに
    第12世代ではプロセスルールが前世代の14nmから10nmへと微細化されました。プロセスルールとは回路の配線の幅のことで、出来るだけ細い方が細かい設計が可能な上に電力効率も良くなるため良いとされています。Intelはこのプロセスルールの微細化に苦戦しており、対抗のRyzenが7nmプロセスを採用しているのに、14nmで対抗し続ける(ノートPC向けでは既に10nmになってたけど)という苦しい状況でしたが、第12世代でようやく10nmプロセスへと微細化を実現しました。
  • Core i5 K付き以降は高効率コアが追加され、最大16コアに
    第12世代ではCore i5 K付きのモデル以降は高効率コアが追加され、異種混合コア仕様となりました。スマホ向けSoCとかでは普通ですが、デスクトップ向けCPUでは珍しい仕様です。コア内訳はCore i5:10コア(高効率コア4)Core i7:12コア(高効率コア4)Core i9:16コア(高効率コア8)となりました。ただし、Core i5のK無し以下のモデルでは高効率コアはなく、前世代までと同じコア構成のため注意してください。
  • マルチスレッド性能が飛躍的に向上(高効率コア追加モデル)
    高効率コア追加モデルはコア数が単純に増えたため、マルチスレッド性能が飛躍的に向上しています。前世代と比較すると、Core i9はおおよそ1.7倍、Core i5 K付きとCore i7は1.5~1.6倍程度という驚異的な向上率です。この向上によって、第12世代のCore i5 K付きは前世代のCore i9を上回ることになりました。かなりの衝撃です。
  • 高効率コアが追加されなかったモデルも、2割程度の性能向上
    高効率コアの追加に目を奪われがちですが、高効率コアが追加されなかったモデルもシングル・マルチスレッド性能が2割ほど向上しており、普通に高い向上率です。
  • シングルスレッド・ゲーミング性能が大きく向上
    第12世代ではシングルスレッド性能およびゲーミング性能も大きく向上しています。これによって、対抗のRyzen 5000シリーズにゲーミング性能で大きくリードすることになり、最強のゲーミングCPUの座をしっかりと手にしました。
  • DDR5メモリに対応(DDR4メモリも使える)
    第12世代ではDDR5メモリに対応しました。大幅に高速なメモリを採用することが可能になっています。ただし、しばらくはDDR4メモリよりも大幅に高価になることが予想されています。価格差ほどゲーミング性能も向上しないというデータもあることから、すぐに絶対採用すべきというほどのものではないと言われています。また、第12世代ではDDR4メモリも使えますが、DDR5とDDR4には互換性がないため、マザーボードは各メモリに対応したものを用意する必要がある点には注意です。
  • 電力効率の大幅な改善
    第12世代では10nmに対応したことが大きかったのか、前世代より電力効率が大幅に改善されています。高効率コア追加モデルでは発熱源が増えたためか消費電力自体は相変わらずの多さですが、性能の飛躍的向上を伴うため、電力効率はかなり良くなっています。未だに「Ryzen 9 5950X」を上回るほどではないですが、前世代までの「Intelは電力面でRyzenに惨敗」みたいなものは無くなりました。
  • PCI Express 5.0に対応
    第12世代ではPCIe 5.0に対応しました。前世代のPCIe 4.0と比較して、転送速度は2倍になっています。ただし、PCIe 4.0でも帯域幅を使い切ってしまうというのは、現状ではまずないので(少なくとも一般消費者の用途では)、利点にはほぼなっていないのかなという印象です。
  • 内蔵GPUが若干高速に
    上位のCPUの内蔵GPUが「UHD Graphics 770」となり、前世代の「UHD Graphics 750」から変わっています。ですが、アーキテクチャ的には同じXeのもので、クロックがわずかに引き上げられただけのもののようです。10nmプロセスによる電力効率の向上やわずかな性能向上はあるかもしれませんが、大きく変わったというものではなさそうです。また、下位モデル(Core i5 K無 以下)は、前世代と同じ「UHD Graphics 730」です。
  • K付きモデルは価格が少し上昇
    K付きモデルでは、前世代より価格が少し上昇しています(10ドル~50ドル程度の上昇)。Core i9-12900K(Core i9の最上位モデル)の実売価格は約79,800円となっており、数年前と比べると非常に高価になっています。対抗のRyzen 5000シリーズより高い訳ではないので競争力が下がる訳ではないですが、従来モデルよりも搭載PCの価格はわずかに高くなることが予想されます。

一覧【ざっくり説明付き】

第12世代および第11世代のCore iシリーズ(主流)のCPU一覧です。性能スコアはCinebench R23のマルチコアのベンチマークスコアとなっています(2022年1月時点)。全CPUを網羅している訳ではありませんが、主要なものは出来る限り掲載しています。簡単な評価も添えて表にまとめました。


K:倍率ロックフリー(オーバークロック)対応モデル。K無しのモデルより動作クロックが高く、オーバークロックを利用しなくても無印より性能は高い。ただし、使用電力も無印より多い。
F:iGPU(内蔵GPU/統合グラフィック)無効化モデル。その分価格が少し安くなっている。
T:省電力モデル(TDP35W)。ベースのCPUより省電力だが、性能は落ちる。価格はベースのCPUと同じのためコスパも低くなる。需要低め。
評価CPUCinebench
R23 Multi
概要iGPU
Core i9-12900K
(16コア/24スレッド)
27198合計16コアによる圧倒的なマルチスレッド性能が魅力の第12世代のCore i9の最上位モデル。高性能コア8つに加え、8つの高効率コアが追加されています。そのマルチスレッド性能は前世代のCore i9の約1.7倍という飛躍的な向上となっており、コスパが大幅に改善しています。ゲーミング性能やシングルスレッド性能も前世代から大きく向上しました。
前世代ではCore i9とCore i7の性能差が小さかったためCore i9を選ぶ必要性が薄かったですが、第12世代ではCore i7よりコアも増えて性能も大きく向上しているため、十分に選ぶ価値が出るレベルに仕上がっています。
しかし、非常に高価(K付きは7万円台)な上、消費電力がめちゃくちゃ多い点は前世代と変わらずなので十分に注意が必要です。特にクーラーは水冷(240mm)以上が必須レベルです(一応空冷でも14cmデュアル以上ならいけるかも)。
また、第12世代では下位モデルの性能も上がったこともあり、ゲーミング性能単体は下位モデルと大して変わなかったりもします。そのため、ゲーミングコスパ的にはそこまでです。
総評としては、そのマルチスレッド性能の高さは魅力でコスパも悪くないですが、大きく優位なのはマルチスレッド性能のみなで、消費電力が多すぎるため個人では優位性を得にくい仕上がりのCPUです。安さ・効率を少しでも考慮するならCore i7の方がおすすめです。
UHD 770
Core i9-12900KF
(16コア/24スレッド)
27198Core i9-12900Kの内蔵GPUが無効化されたもの。その分少し安くなっている。×
Core i9-12900
(16コア/24スレッド)
26455Core i9-12900Kよりもクロックが低く、消費電力もやや低く抑えられているモデルです。価格も少し安くなっています。
無印なので省電力なのかな?と思うかもしれませんが、最大電力制限は202Wとなっており、高負荷時にはかなりのものなので注意です。
性能はK付きよりは劣るものの、16コアCPUとしては安いので今までのCore i9のK無しよりは魅力的だと思います。価格差次第では十分ありだと思います。
UHD 770
Core i9-12900F
(16コア/24スレッド)
26455Core i9-12900の内蔵GPUが無効化されたもの。その分少し安くなっている。×
Core i7-12700K
(12コア/20スレッド)
22812合計12コアによる非常に優れたマルチスレッド性能を持つ第12世代Core i7の最上位モデル。8つの高性能コアに加え、4つの高性能コアが追加されています。そのマルチスレッド性能は前世代のCore i9をも大幅に上回ります。ゲーミング性能やシングルスレッド性能も前世代から大きく向上しました。
ただし、価格は高く(K付きは5万円前後)な上、消費電力が非常に多いです。とはいえ、Core i9よりは少しマイルドで扱い易いです。クーラーは水冷(240mm)以上が推奨にはなると思いますが、空冷でも大型で高性能なものなら運用は可能だと思います。電力効率もCore i9よりは良いので、性能重視でも電力効率を意識するならCore i7の方が適しているケースがあると思います。
また、マルチスレッド性能はCore i9の方が上ですが、第12世代ではCore i7も性能が飛躍的に向上したおかげで、ボトルネックが発生しにくくなっています。要するに、ゲーミング性能は大して変わりません。ゲーミングコスパはCore i7の方が良いです。
上記のことから、効率面ではCore i9より大体上なので、予算に余裕がある人やとにかく高いマルチスレッド性能を求める人以外にとっては、第12世代のCore i7は高性能CPUの安定択だと思います。
UHD 770
Core i7-12700KF
(12コア/20スレッド)
22812Core i7-12700Kの内蔵GPUが無効化されたもの。その分少し安くなっている。×
Core i7-12700
(12コア/20スレッド)
21568Core i7-12700Kよりもクロックが低く、消費電力もやや低く抑えられているモデルです。価格も少し安くなっています。
合計12コアによる優れたマルチスレッド性能を持つ第12世代Core i7の下位モデルです。8つの高性能コアに加え、4つの高性能コアが追加されています。
K付きよりは性能は下がるものの、比較的安価に12コアCPUが手に入るのが魅力です。従来通り、高性能CPUの中でコスパと電力効率を重視するならかなり有力なモデルになると思います
UHD 770
Core i7-12700F
(12コア/20スレッド)
21568Core i7-12700の内蔵GPUが無効化されたもの。その分少し安くなっている。×
Core i5-12600K
(10コア/16スレッド)
17660合計10コアによる優れたマルチスレッド性能を持つ第12世代Core i5の最上位モデル。6つの高性能コアに加え、4つの高効率コアが追加されています。「Core i5」ながら10コアという従来のハイエンドクラスのコア数を誇り、そのマルチスレッド性能は前世代のCore i9を少し上回るレベルです。ミドルレンジとは到底思えない性能です。ゲーミング性能やシングルスレッド性能も前世代から大きく向上しました。
しかし、価格は高価(K付きは3万円台後半)で、こちらは逆にミドルレンジモデルにしては高いです。とはいえ、コア数は前世代のCore i7を超えているので、それで3万円台なら高くは感じず、性能と価格から計算してもコスパはめちゃくちゃ良いです。ただし、1~2万円のプラスで高効率コアが2つ増えるCore i7を選べるとなると中々難しいところです。
また、消費電力もCore i5という割には多いのも注意です。十分性能を発揮させたいなら、虎徹とかの12cmファン×1の空冷では力不足です。最低でも12cm×2か14cm×1を意識する必要があると思います。水冷運用ももちろんありです。
UHD 770
Core i5-12600KF
(10コア/16スレッド)
17660Core i5-12600Kの内蔵GPUが無効化されたもの。その分少し安くなっている。×
×Core i9-11900K
(8コア/16スレッド)
16211第11世代のCore i9の最上位モデル。消費電力がめちゃくちゃ多く、水冷(240mm以上)が必須レベルです。第12世代では「Core i5-12600K」にすら処理性能で劣るレベルになってしまいました。
元々、第11世代でもCore i7との性能差がわずかなのに高価だったり、消費電力が多すぎて電力効率は悪かったりなどのデメリットがあったこともあり、第12世代の登場で悪い部分しか見えないような印象になりました。今から採用するメリットは無いです(断言)。11900Kを採用するくらいなら第12世代のCore i7かCore i5(K付き)を採用した方が良いです。
UHD 750
×Core i9-11900KF
(8コア/16スレッド)
16211Core i9-11900Kの内蔵GPUが無効化されたもの。その分少し安くなっている。×
Core i7-11700K
(8コア/16スレッド)
15011第11世代のCore i7の最上位モデル。消費電力は非常に多く、水冷(240mm以上)必須に近いレベルです。取り回し的にはCore i9とほぼ変わりません。
第12世代との比較では「Core i5-12600K」にあらゆる性能で負けてしまっているので厳しいです。元の価格設定がCore i9や最新のCore i7よりも安いので、かなり大きめの値引きがあれば可能性はあるかもですが、基本的にはこちらを採用するならゲーミング性能も高い第12世代のCore i5かCore i7の方がコスパが良いと思います。
UHD 750
Core i7-11700KF
(8コア/16スレッド)
15011Core i7-11700Kの内蔵GPUが無効化されたもの。その分少し安くなっている。×
Core i9-11900
(8コア/16スレッド)
?Core i9-11900Kよりもクロックが低く、消費電力もやや低く抑えられているモデルです。価格も少し安くなっています。
処理性能は当然11900Kには劣るので、第12世代相手ではCore i5(K付き)にすら負けます。コア数でも優位に立てていないので、よほど叩き売りされていない限りは選択肢には入らないかなと思います。
UHD 750
Core i9-11900F
(8コア/16スレッド)
?Core i9-11900の内蔵GPUが無効化されたもの。その分少し安くなっている。×
Core i7-11700
(8コア/16スレッド)
14327Core i7-11700Kよりもクロックが低く、消費電力もやや低く抑えられているモデルです。価格も少し安くなっています。処理性能は当然11700Kには劣るので、第12世代のCore i5(K付き)に大幅に負けます。
ただし、元値が最新のCore i7(K付き)よりは大幅に安く、8コアCPUとしては比較的安価です。旧世代化したことによる値下げの幅によっては、節約機として選択肢に入る可能性は一応まだあるかもしれません。
とはいえ、3万円台後半の「Core i5-12600K(F)」を大幅に下回る価格になるとは考えにくく、第12世代の方がシングルスレッド性能とゲーミング性能も高いので、基本的にはこれを選ぶなら第12世代のCore i5の方がおすすめです。
UHD 750
Core i7-11700F
(8コア/16スレッド)
14327Core i7-11700の内蔵GPUが無効化されたもの。その分少し安くなっている。×
Core i5-12400
(6コア/12スレッド)
12454第12世代のCore i5モデルの下位モデル。2万円台という安価さによる非常に優れたコスパが魅力的です。
高効率コアの追加のない6コア12スレッドというのがやや残念ですが、前世代よりは2割ほど性能は向上しており、コスパはアップしていますし、消費電力と電力効率は良好なので、ライトユーザーや予算重視の選択肢としては非常に強力です。Core i5 K無しの従来の立ち位置通り、最強コスパ筆頭CPUだと思います。
内蔵GPUは実行ユニット数が上位モデルより少し減っているため、内蔵GPU運用したい方は一応注意です。
UHD 730
Core i5-12400F
(6コア/12スレッド)
12454Core i5-12400の内蔵GPUが無効化されたもの。その分少し安くなっている。×
×Core i5-11600K
(6コア/12スレッド)
11277第11世代のCore i5の最上位モデル。あらゆる性能が第12世代のCore i5に負ける上、高負荷時の消費電力は非常に多いです。ミドルレンジCPUとしては扱ってはいけない代物です。12世代が出る前でもあえて選ぶ必要性を感じなかったCPUです。採用例もかなり少なかったと思います。UHD 750
×Core i5-11600KF
(6コア/12スレッド)
11277Core i5-11600Kの内蔵GPUが無効化されたもの。その分少し安くなっている。×
Core i5-11500
(6コア/12スレッド)
?1個下のCore i5-11400のクロックがわずかに高く、内蔵GPUも少し強化されているバージョンです。2万円台中盤という安さとコスパが魅力のCPUです。
第12世代では初発モデルはK付き(125W)モデルのみで、最低でも3万円台後半からというものだったので、安さで一応優位性があります。
UHD 750
Core i5-11400
(6コア/12スレッド)
10186第11世代のCore i5モデルの下位モデル。2万円台前半という安価さによる非常に優れたコスパが魅力的。
処理性能は第12世代には圧倒的に負けるものの、第12世代では初発モデルはK付き(125W)モデルのみで、最低でも3万円台後半からというものだったので、安さで一応優位性があります。無印モデルが発売されるまでは安さ重視なら選択肢に入ると思います。
内蔵GPUは実行ユニット数が上位モデルより少し減っているため、内蔵GPU運用したい方は一応注意です。
UHD 730
Core i5-11400F
(6コア/12スレッド)
10122Core i5-11400の内蔵GPUが無効化されたもの。その分少し安くなっている。×
Core i3-12100
(4コア/8スレッド)
8443第12世代のCore i3の下位モデル。1万円台という安価さと、消費電力・発熱の少なさが魅力です。
ただし、4コアという非力がやはり致命的です。予算を+1万円してCore i5 K無しを導入すれば、あらゆる性能が大幅に向上し、特にゲーミング用途でのボトルネックも大きく改善されるのが大きいです。よほど予算に困窮しているか、性能を重視しないサブ機以外では第一には検討しないモデルだと思います。
UHD 730
Core i3-12100F
(4コア/8スレッド)
8443Core i3-12100の内蔵GPUが無効化されたもの。その分少し安くなっている。×


省電力モデル(末尾T)

末尾Tの省電力モデルは、下記に別枠でまとめています。ベース電力のPBP(TDP)が一律で35Wと低い(消費電力や発熱が少ない)のがメリットです。ただし、TモデルはベースのCPUより性能が落ちるにも関わらず価格はほぼ変わらないので、需要は低めです。知識のある人なら、無印モデルでも電力やクロックを制限することで似たような運用をすることも可能なので、あえて選ぶ必要性がなかったりもします。一般的には、メーカー既製品の小型デスクトップPCや液晶一体型PCにビジネス用途やライトユーザー向けの製品として採用される印象です。

CPUPassMark
スコア
概要iGPU
Core i9-12900T?Core i9-12900の省電力版。UHD 770
Core i7-12700T?Core i7-12700の省電力版。
Core i5-12400T?Core i5-12400の省電力版。UHD 730
Core i3-12300T?Core i3-12300の省電力版。
Core i9-11900T?Core i9-11900の省電力版。UHD 750
Core i7-11700T?Core i7-11700の省電力版。
Core i5-11400T?Core i5-11400の省電力版。UHD 730

モデル別ざっくり比較

Core i9

Core i9(第12世代)
マルチスレッド性能
(5.0)
シングルスレッド性能
(5.0)
ゲーミング性能
(5.0)
消費電力・発熱
(1.5)
価格
(1.0)

Core i9(第11世代)
マルチスレッド性能
(4.0)
シングルスレッド性能
(4.0)
ゲーミング性能
(4.0)
消費電力・発熱
(1.5)
価格
(1.5)

最上位モデルのCore i9です。各種性能で同世代では他モデルより高い性能を発揮し、特に非常に優れたマルチスレッド性能が魅力です。上記の評価を見るとわかると思いますが、処理性能に特化する代わりにその他の面が大幅に悪い、という極端なCPUとなっています。

第11世代では全モデル8コア16スレッドでしたが、第12世代の上位モデルでは高効率コアが8つ追加され、16コア24スレッドになりました。このコア数の増加とプロセス・アーキテクチャの刷新のおかげで、性能は前世代から大幅に向上しています。特に、マルチスレッド性能は前世代の1.6倍以上と飛躍的に向上しています。まるで別物になっています。

第11世代ではCore i9とCore i7のコア数が同じだっために、あえてCore i9を選ぶ必要性が薄かったですが、第12世代ではCore i7よりコアも増えて性能も大きく向上しているため、とにかく性能を高くしたいなら十分魅力的なCPUです。元々評価の高くなかった第11世代のCore i9は、今では第12世代のCore i5に性能でも負けているので、選ぶ価値は正直ないと思います。

Core i9は処理性能は高いですが、代わりに価格は非常に高価(K付きは7万円台後半)な上、第12世代でも消費電力はめちゃくちゃ多いので注意が必要です。大型の水冷が推奨というか必須に近いです。無印でも最大限性能を発揮したいなら水冷でもやり過ぎではないくらい高負荷時には消費電力が多いです。また、処理性能は高いですが、消費電力が多すぎるので、電力効率は下位モデルの方が基本的に優れている点も注意が必要です。処理性能重視の場合でも、コスパや電力効率を重視するならCore i9は最善の選択とは言えない可能性があります。

また、Core i7よりもどの性能も上ですが、大きな優位性があるのはマルチスレッド性能のみという点も留意しておくと良いです。シングルスレッド性能はCore i7と大きくても5%程度しか変わりませんし、ゲーミング性能もタイトルによって多少の差はあるものの、総合的な差は基本的にはわずかです。要するに、シングルスレッド・ゲーミング性能だけ見ればCore i7と大差無いので、価格や電力面でのデメリットを受け入れてまで採用するかは考える必要があります。

特に、第12世代ではCore i7でもハイエンド用途に十分に対応できる性能があるので、重視の比率が性能よりも電力効率やコスパの方が上の場合にはCore i7の方がおすすめです。

その圧倒的なマルチスレッド性能の高さは魅力ですが、Core i9を選ぶのは予算に余裕がある人や、とにかく最大性能の高さを重視したい人に限られると思います。

Core i7

Core i7(第12世代)
マルチスレッド性能
(4.5)
シングルスレッド性能
(5.0)
ゲーミング性能
(5.0)
消費電力・発熱
(2.0)
価格
(2.0)

Core i7(第11世代)
マルチスレッド性能
(4.0)
シングルスレッド性能
(3.5)
ゲーミング性能
(4.0)
消費電力・発熱
(1.5)
価格
(2.5)

高性能モデルのCore i7です。Core i9より下位ではありますが、非常に優れたマルチスレッド性能を持ち、シングルスレッド性能やゲーミング性能は価格差ほど変わらないので、コスパを考えるとCore i7の方が有利だと思います。常に高性能CPUとして人気なモデルです。価格は大体4~5万円台と高価ですが、Core i9よりは大幅に安くてコスパが良いです。

第11世代では全モデル8コア16スレッドでしたが、第12世代では高効率コアが4つ追加され、12コア20スレッドになりました。このコア数の増加とプロセス・アーキテクチャの刷新のおかげで、性能は前世代から大幅に向上しています。特に、マルチスレッド性能は前世代の1.5倍程度と飛躍的に向上しており、前世代のCore i9を上回る性能となっています。

しかも、同じ第12世代のCore i9の方がマルチスレッド性能自体は大きく上ですが、第12世代ではCore i7も性能が飛躍的に向上したおかげで、ゲーミング用途でのボトルネックは発生しにくいです。要するに、ゲーミング性能はCore i9と大して変わらないので、ゲーミングコスパ単体はCore i7の方が良いです。最強のゲーミングCPUでは無いですが、ほぼ最強かつコスパの良い高性能ゲーミングCPUです。

消費電力も前世代よりは大幅に減り、電力効率も大きく改善しました。消費電力自体は多いものの、クーラーは大型水冷必須というほどではなく、推奨レベルにはなったのかなと思います。空冷でも大型の高性能なものなら運用は可能だと思います。

総評としては、高性能かつ効率的な素晴らしいCPUだと思います。迷うならとりあえず Core i7 の評判に恥じない仕上がりだと思います。

また、第11世代(前世代)のCore i7についてですが、第12世代のCore i5に性能でもコスパでも負けているので、あえて選ぶ価値はないと思います。旧世代化したことによる大きな値下げがあれば、8コア16スレッドCPUとしてのコスパの良さで可能性は生まれるかもしれませんが、その場合でもゲーミング性能を重視するなら第12世代のCore i5の方が良いので、やや厳しいかなと思います。

Core i5

Core i5(第12世代)K無し
マルチスレッド性能
(3.5)
シングルスレッド性能
(4.5)
ゲーミング性能
(4.0)
消費電力・発熱
(3.5)
価格
(4.0)

Core i5(第12世代)K付き
マルチスレッド性能
(4.0)
シングルスレッド性能
(5.0)
ゲーミング性能
(4.5)
消費電力・発熱
(2.5)
価格
(3.5)

Core i5(第11世代)
マルチスレッド性能
(3.0)
シングルスレッド性能
(3.5)
ゲーミング性能
(3.5)
消費電力・発熱
(3.0)
価格
(4.0)

ミドルレンジモデルのCore i5です。ミドルレンジとはいっても、今では十分に高性能と言えるCPUです。一般用途なら出来ないことはないくらいの性能はあります。価格がCore i7やCore i9よりも大きく安いことと、コスパの良さが魅力のモデルです。

特に、「Core i5-12600K(F)」の性能は前世代から飛躍的に向上し、第11世代のCore i9を上回るレベルです。ハイエンド用途でも十分通用する性能となっており、「Core i5」という名前は良い意味で似合わない高性能なCPUとなっています。

第11世代では6コア12スレッドでしたが、第12世代のK付きモデルでは高効率コアが4つ追加され、10コア16スレッドになりました。このコア数の増加とプロセス・アーキテクチャの刷新のおかげで、性能は前世代から大幅に向上しています。特に、マルチスレッド性能は前世代の約1.5倍と飛躍的に向上しており、魅力的です。

また、高効率コアの追加が無かったK無しモデル(例:Core i5-12400 等)でも、前世代と比較して2割程度の性能向上となっており、こちらも普通に大きい向上率です。2万円台で買える格安超高コスパCPUの立ち位置を維持しています。

マルチスレッド性能での大きな躍進もあったCore i5ですが、最大の魅力はその安さのおかげでゲーミングコスパが非常に優れていることです。Core i7やCore i9にはマルチスレッド性能では大幅に負けるものの、かなり底上げされた性能性能のおかげで、ゲーミング用途でのボトルネックが発生し辛くなっています。同じ第12世代のCore i9やCore i7との差は意外と小さい(fps差は基本4%未満)ですし、K無しモデルでも前世代のハイエンドモデル匹敵するゲーミング性能を発揮します。それでいて2万円台~3万円台という安価で手に入れることができるため、ゲーミングコスパが非常に優れています。ほとんどゲームしかしなくて出来るだけ安く済ませたいなら、非常に強い選択肢です。

K付きのモデルでは相変わらず消費電力は多いものの、前世代よりは大きく改善し、Core i7やCore i9よりは大分少なくなりました。空冷でも高性能なものなら対応できるレベルです。ですが、虎徹などの12cmファン×1のものだとさすがに力不足だと思うので、十分に性能を発揮させたいなら注意が必要です。

第12世代のCore i5の総評としては、たとえば合計で20万円以上するPCでは1割以下の追加費用(1~2万円プラス)でCore i7にできるということを考えると、総合的に見ればCore i7よりコスパが上とは言い辛いものの、従来のハイエンド級の性能で特にゲーミングコスパは非常に良いので、ゲーム用途メインで出来るだけ安く済ませたいなら最有力となるCPUだと思います。

Corei3:第12世代のみ

Core i3(第12世代)
マルチスレッド性能
(2.5)
シングルスレッド性能
(4.0)
ゲーミング性能
(3.5)
消費電力・発熱
(4.0)
価格
(4.5)

Core i3はCoreシリーズの中では低性能なモデルです。一般用途を一通りこなせるくらいの性能は持ちつつも非常に安価なのが魅力のモデルです。第11世代では消費者向けには最後まで追加がなかったので、第12世代のみの紹介となります。

やはり気になるのは4コア8スレッドという点です。デスクトップでは6コア以上が当たり前の時代なので、やはり弱いです。上位モデルと比べると、ゲーミング用途でもボトルネックになるケースが多く、ゲーマー向きのCPUではありません(使えないことはないけど)。

性能は高いとは言えないですが、一応重い処理もできないことはないくらいの性能はありますし、価格は安く、消費電力・発熱は少ないです。重い処理をメインで想定しないなら悪くない選択肢だと思います。

とはいえ、+1万円程度でCore i5にすることができ、そうなると性能は飛躍的に向上します。ゲーミング用途でのボトルネックもかなり改善されることも大きいので、よほど予算に困窮していない限りはCore i5にすることをおすすめしたいです。

各仕様や性能

性能や電力関連についてです。少し細かいベンチマークの数値などを見ていきます。


コア数・スレッド数

第12世代と第11世代のコア・スレッド数を下記の表にまとめています。第12世代では各モデルで高性能コアの数は同じですが、K付きの上位モデルでは高効率コアが追加されており、マルチスレッド性能が大幅に強化されています。これにより、Core i5でも上位モデルは第11世代のCore i9を上回るマルチスレッド性能となったため、どの方面から見ても第11世代のCPUはめちゃくちゃ大きな値崩れがない限りは第12世代より上になることはないです。第11世代のCore i9を選ぶくらいなら第12世代のCore i5-12600Kの方が良いです。

シリーズ世代コアスレッド概要
Core i9第12世代(K付き)1624第12世代のK付きでは16コア24スレッドとなり、前世代の8コア16スレッドから大きく増えました。高性能コアは前世代と同じく8コア16スレッドですが、高効率コアが8つ追加されています。
第11世代816
Core i7第12世代(K付き)1220第12世代のK付きでは12コア20スレッドとなり、前世代から4コア4スレッド分増えました。高性能コアは前世代と同じく8コア16スレッドですが、高効率コアが4つ追加されています。
Core i9(K付き)と比較すると、高効率コア4つ(4コア4スレッド)の差があります。
第11世代816
Core i5第12世代(K付き)1016第12世代のK付きでは10コア16スレッドとなり、前世代から4コア4スレッド分増えました。高性能コアは前世代と同じく6コア12スレッドですが、高効率コアが4つ追加されています。Core i7(K付き)と比較すると、高性能コア2つ(2コア4スレッド)の差があります。
コア・スレッド数の少なさがCore i5の最も大きな弱点でしたが、そこが底上げされたのは大きいと思います。
第12世代(K無し)
第11世代
612
Core i3第12世代484コア8スレッドのエントリーモデルです。Core i5以上と比べるとやはりコア数の少なさが致命的で、ゲーミング用途でのボトルネックにもなり易いです。安さと消費電力・発熱面は良いですが、Core i3を選ぶならCore i5のK無しモデルの方がコスパは間違いなく良いです。
第11世代


処理性能

各処理性能をベンチマークスコアで見ていきます。第12世代のゲーミング・消費電力テストではDDR5メモリが使用されているため、DDR4メモリ使用時には若干性能が低下する可能性があるため留意です。設定や環境等については、少し上の参考リンク先の記事を参照してください。表のバーは、赤色が第12世代緑色が第11世代となっています。

おおよその性能などにはついては既に前述しているので、さくっと軽く見ていきたいと思います。


シングルスレッド性能

シングルスレッド性能は、1コアでの処理性能を表します。シングルスレッド性能が高いと、軽い処理に掛かる時間が短くなる(サクサク動く)他、全コア稼働時にも当然影響がありますので、ほぼ全ての処理に対して有利に働きます。

今回は、Cinebench R23というベンチマークソフトで測定された数値で見ていきます。レンダリングのベンチマークテストです。

Cinebench R23 Single
CPU名称スコア
Core i9-12900K
2030
Core i7-12700K
1939
Core i5-12600K
1921
Core i9-11900K
1675
Ryzen 9 5950X
1638
Ryzen 9 5900X
1623
Ryzen 7 5800X
1606
Core i7-11700KF
1600
Core i5-11600K
1562
Ryzen 5 5600X
1540
Core i5-11400F
1414
Core i9-10900K
1378
Core i7-10700K
1358
Core i5-10600K
1316
Core i5-10400F
1173

シングルスレッド性能は前世代から約2割の大幅な向上

シングルスレッド性能は前世代から約2割と大幅に向上しました。前世代のCoreだけでなくRyzen 5000シリーズも突き放し、大幅にリードしています。


マルチスレッド性能

マルチスレッド性能は、CPUの全コア稼働時の処理性能を表します。マルチスレッド性能が高いと、動画のソフトウェアエンコード(CPUエンコード)やレンダリングなど、膨大な量の処理に掛かる時間が短くなる他、複数タスクでのパフォーマンスが向上するなどのメリットがあります。

今回は、Cinebench R23というベンチマークソフトで測定された数値で見ていきます。

Cinebench R23 Multi
CPU名称スコア
Ryzen 9 5950X
28641
Core i9-12900K
27198
Core i7-12700K
22812
Ryzen 9 5900X
21878
Core i5-12600K
17660
Core i9-11900K
16211
Ryzen 7 5800X
15758
Core i7-11700K
15011
Core i9-10900K
14285
Core i7-10700K
12138
Core i5-11600K
11277
Ryzen 5 5600X
11225
Core i5-10600K
9384
Core i5-10400F
8100
Core i5-11400F
7552

高効率コア追加モデルは前世代から飛躍的な向上(1.5倍以上)

マルチスレッド性能は第12世代から飛躍的な向上を遂げ、その差は約1.5倍以上と驚異的です。テストではかなり高速なDDR5-6000が使用されているので、一般的な「DDR4-3200」や「DDR5-4800」メモリを使用する場合には若干性能が低下するとは思いますが、それでも基本約1.5倍以上にはなると思います。どちらにせよ驚異的な向上率です。

前世代の最上位モデルである「Core i9-11900K」ですら「Core i5-12600K」に負けており、Core i9の消費電力や電力効率はCore i5より悪いので、前世代の上位モデルは選ぶ価値が本当に無くなっていると思います。前世代の高性能モデルを選ぶくらいなら、第12世代のCore i5を選んだ方が絶対に良いです。「Core i5-12600K」は3万円台のCPUとは思えない性能で、コスパがめちゃくちゃ良いです。

16コアの「Core i9-12900K」は驚異的なマルチスレッド性能となっており、前世代のCore i9が冗談に見えるレベルの別物です。ちゃんとしたハイエンドCPUに仕上がっていると思います。電力面ではまだ課題を抱えていますが、性能をとにかく重視したいなら選ぶ価値はあると思います。

12コアの「Core i7-12700K」も非常に優れた性能を発揮しており、前世代の全モデルを圧倒しています。5万円台という価格ながら、7万円台の「Ryzen 9 5900X」に匹敵する性能となっており、そのコスパの良さが際立ちます。デメリットもCore i9ほど極端なものではないので、従来と同じく高性能CPUとしてしっかりとした立ち位置を確保できる出来になっていると思います。

2021年11月時点では高効率コアの搭載されているK付きのモデルだけでの比較だからという点もあるとは思いますが、上述のシングルスレッドでも大幅に向上していますから、高効率コア無しでも大幅にリードすると思います。多少価格が高くても、第12世代の方がコスパ面で劣ることにはならなそうだと思いました。


ゲーミング性能

この項目でのゲーミング性能は、実際にゲームを起動した際の幾何平均FPS数を見ていきます。

今回は6種類のゲームで測定した平均FPSの数値を見ていきます。使用されたGPUは「GeForce RTX 3080」です。2021年11月時点で高性能なハイエンドGPUです。その他の設定はウルトラ(可能な限り最高の設定)です。測定に使用されたゲームタイトルやその他の環境は、お手数ですが少し上のリンクからご確認お願いします。

10種類のゲームでの幾何平均fps(1080p)
CPU名称fps
Core i9-12900K
218.0
Core i7-12700K
214.0
Core i5-12600K
209.3
Ryzen 9 5900X
202.6
Ryzen 9 5950X
202.2
Ryzen 7 5800X
202.0
Core i9-11900K
196.5
Ryzen 5 5600X
195.5
Core i7-11700KF
193.4
Core i9-10900K
194.2
Core i5-11600K
188.8
Core i7-10700K
187.2
Core i5-10600K
179.2
Core i5-11400F
169.7
Core i5-10400F
169.1

10種類のゲームでの幾何平均fps(1440p)
CPU名称fps
Core i9-12900K
180.7
Core i7-12700K
178.1
Core i5-12600K
176.0
Ryzen 9 5900X
170.3
Ryzen 9 5950X
170.1
Ryzen 7 5800X
170.4
Core i9-11900K
169.8
Core i9-10900K
168.0
Ryzen 5 5600X
167.4
Core i7-11700KF
166.9
Core i5-11600K
162.8
Core i7-10700K
162.4
Core i5-10600K
156.8
Core i5-11400F
151.0
Core i5-10400F
150.2

10種類のゲームでの幾何平均fps(4K)
CPU名称fps
Core i9-12900K
115.4
Core i7-12700K
114.9
Core i5-12600K
114.9
Ryzen 9 5950X
113.5
Ryzen 9 5900X
113.4
Ryzen 7 5800X
113.1
Core i9-11900K
113.1
Core i9-10900K
113.1
Core i7-10700K
113.0
Ryzen 5 5600X
112.8
Core i7-11700KF
112.5
Core i5-11600K
112.1
Core i5-10600K
111.2
Core i5-11400F
110.2
Core i5-10400F
109.5

1080pでは前世代から約1割のfps上昇

1080p(FHD)ゲーミングでは、前世代から約1割程度のfps上昇が見られます。他性能の向上率を見ると控えめにも見えると思いますが、ゲーミング性能は基本GPU主体のものなので、CPUの違いだけで1割の差は大きな差です。150fpsを基準とすると15fpsも違うと考えると大きいことが分かりやすいと思います。

この向上によって、前世代のCoreシリーズとRyzen 5000シリーズを大きく突き放してリードする形になりました。前世代ではRyzenとほぼ差が無かったために名乗れなかった、最高のゲーミングCPUの座をしっかりと手にしています。

4Kでは2%程度のわずかな差

1080pでは大きなfps向上が得られていましたが、4Kではわずかな差になっています。

前世代に対し、1440pでは7%前後と大きめのリードを保っているものの、4Kでは約2%程度とわずかな差です。ただし、ここでテストされるような重いゲームは基本GPU主体の処理なので、負荷が大きくなるにつれてCPUの重要度が下がるのはある程度自然だと思います。なので弱点にはならないと思いますが、4Kゲーミング性能を上げたい場合には大きな優位性を得られない点は、4Kゲーミングを視野に入れている方は留意しておいて損は無いかもしれません。


消費電力とワットパフォーマンス

TDP

CPUの仕様には「TDP」という大まかな消費電力の目安となる指標があります。最近のCPUは大まかに2段階のTDPがあり、1段階目をPL1(Power Limit 1)、2段階目をPL2(Power Limit)という感じで定められています。一般的に表に出るのはPL1のTDPの数値ですが、高負荷時の最大消費電力はPL2に近い値となります(冷却性能や電源容量が確保されていれば)。

一応、第12世代では従来のTDP(PL1)はPBP(Processor Based Power)と呼び、PL2はMTP(Maximum Turbo Power)と呼ぶというような評価基準の見直し?的なものも言われていますが、正直ややこしくなるだけだと思うので、本記事では従来通り「TDP(PL1)」と「TDP(PL2)」と表記したいと思います。

下記の表に第12世代と第11世代のTDPをまとめています。「125W / 251W」となっていたら、左側がTDP(PL1)で、右側がTDP(PL2)です。Tモデルは正直メジャーではないと思うので、見易さ重視で割愛しています。

TDPの違い
第12世代第11世代
Core i9 K125W / 241W125W / 251W
Core i9 無印65W / 202W65W / 224W
Core i7 K125W / 190W125W / 251W
Core i7 無印65W / 180W65W / 224W
Core i5 K125W / 150W125W / 251W
Core i5 無印65W / 117W65W / 154W

Core i9に関しては第11世代とほぼ変わらずにかなり悪い値になっていることがわかりますが、Core i7以下は大きく改善しています。ただし、これはあくまで仕様上の数値で、実際には他の要素も関わってきます。下記から実際の消費電力や電力効率を見ていきます。

消費電力

高負荷時の消費電力を比較しています。ベンチマークソフトでレンダリング処理を行った際の消費電力です。少ないほど良い数値になります。

消費電力(Cinebench Multi)
CPU名称消費電力
Core i5-10400F
125W
Ryzen 5 5600X
126W
Core i5-11400F
136W
Core i5-10600K
162W
Ryzen 7 5800X
175W
Ryzen 9 5950X
179W
Ryzen 9 5900X
183W
Core i5-12600K
189W
Core i7-10700K
207W
Core i7-12700K
221W
Core i5-11600K
235W
Core i9-10900K
246W
Core i7-11700KF
260W
Core i9-11900K
260W
Core i9-12900K
297W

Core i9は相変わらず酷いけど、Core i7とCore i5は大きく改善

Core i9の消費電力は前世代から引き続き酷い有様です。CPUが非常に高価なのに加え、電源ユニットやCPUクーラーでも相応の対応が求められるため、実質総額費用がかなり高くなるのは注意が必要です。

対して、Core i7およびCore i5の消費電力は前世代から大きく改善しています。「Core i7-12700K」と「Core i7-11700KF」の比較では約15%、「Core i5-12600K」と「Core i5-11600K」の比較では約20%の消費電力の減少が見て取れます。依然としてかなり多めの消費電力ではあるものの、CPUクーラーは大型の空冷なども選び易くなったと思われ、幅が広がったと思います。当然電源ユニットの余裕も若干出来ているのも地味に大きいです。

ワットパフォーマンス

高負荷時のワットパフォーマンスを比較しています。マルチスレッド処理時です。ベンチマークソフトで同一のレンダリングを行った際に要した電力量で比較しています。同じ量の仕事をした際の電力量なので、少ないほど良い数値(電力効率が良い)となります。

※掲載当初に「Core i9-12900K」の値が誤っていました。お詫びして訂正いたします。

使用電力量(Cinebench Multi)
CPU名称使用電力量
Ryzen 9 5950X
6.4kJ
Ryzen 9 5900X
7.8kJ
Ryzen 5 5600X
9.6kJ
Core i7-12700K
9.7kJ
Core i5-12600K
10.0kJ
Ryzen 7 5800X
10.0kJ
Core i9-12900K
10.2kJ
Core i5-10400F
12.7kJ
Core i9-10900K
13.9kJ
Core i7-10700K
14.2kJ
Core i5-10600K
14.5kJ
Core i5-11400F
15.3kJ
Core i7-11700KF
16.5kJ
Core i9-11900K
17.0kJ
Core i5-11600K
18.9kJ

Core i7とCore i5は劇的に改善。Core i9は悪いけど、前世代よりは良化

第12世代は前世代からマルチスレッド性能が飛躍的に向上したことに加え、Core i9以外は前述の消費電力の減少もあり、電力効率は大きく改善しています。

「Core i7-12700K」と「Core i7-11700KF」の比較では約41%、「Core i5-12600K」と「Core i5-11600K」の比較では約47%の使用電力の削減が見られます。かなり大きな改善で、悪くない電力効率になりました。電力効率を重視するなら多少高くても第12世代を選んだ方が良いです。

そしてCore i9ですが、「Core i9-12900K」と「Core i9-11900K」との比較ではなんと60%の削減となっており、電力効率は非常に大きく改善しています。ただし、その数値自体はCore i7を上回った訳ではないですし、消費電力自体が物凄く多いです。そのため、まだ処理性能重視なら一番といえるほどのものではないですが、前世代と違い、予算が潤沢な場合や用途によっては十分選択肢に入れることができるレベルにはなったと思います。


おすすめCPU

最後に、第12,11世代のCore iシリーズの中で、特におすすめのCPUを紹介しています。掲載の価格は、2022年1月7日時点のものとなっています。

Core i7-12700K(F)

ざっくり評価
コスパ
(4.5)
マルチ性能
(4.5)
シングル性能
(5.0)
ゲーミング
(5.0)
発熱・消費電力
(2.0)

スペック表
CPU名称Core i7-12700K(F)
PassMarkスコア
約35,800
動作クロック3.6GHz-4.9GHz – Pコア
2.7GHz-3.8GHz – Eコア
コア/スレッド12/20
TDP125W
内蔵GPUIntel UHD Graphics 770
※末尾Fは無し
価格K:約52,000円 ※2022年1月7日時点
KF:約49,800円 ※2022年1月7日時点
購入ページ
AmazonF

高性能ゲーミングPCで安定の選択肢

第12世代のCore i7の末尾Kモデルです。高性能コア8、高効率コア4の合計12コア20スレッド構成となっています。前世代のCore i9を遥かに上回るマルチスレッド性能を持ちつつも、価格や消費電力はCore i9よりはマイルドです。消費電力自体はまだかなり多い点は注意が必要ですが、電力効率は悪くないです。ハイエンド用途で十分使え高性能さ備えつつコスパも良いので、コスパを保持しつつの高性能CPUで強力な選択肢だと思います。


Core i7-12700(F)

ざっくり評価
コスパ
(4.5)
マルチ性能
(4.0)
シングル性能
(4.5)
ゲーミング
(4.5)
発熱・消費電力
(2.5)

スペック表
CPU名称Core i7-12700(F)
PassMarkスコア
約32,200
動作クロック2.1GHz-4.8GHz – Pコア
1.6GHz-3.6GHz – Eコア
コア/スレッド12/20
TDP65W
内蔵GPUIntel UHD Graphics 770
※末尾Fは無し
価格K:約48,800円 ※2022年1月7日時点
KF:約43,800円 ※2022年1月7日時点
購入ページ
AmazonF
ツクモ(F)

効率重視の高性能ゲーミングPCで安定の選択肢

第12世代のCore i7のK無しモデルです。高性能コア8、高効率コア4の合計12コア20スレッド構成となっています。比較的安価な12コアCPUとなっており、非常にコスパが良いです。K付きよりもクロックは大きく下げられているため性能は低下しますが、同時に消費電力は大幅に減っているのが嬉しいです。

マルチスレッド性能やゲーミング性能を出来るだけ高めたいならK付きの方が適していますが、予算を抑えつつ電力効率を重視したいなら良い選択肢です。


Core i5-12400(F)

ざっくり評価
コスパ
(5.0)
マルチ性能
(3.5)
シングル性能
(4.5)
ゲーミング
(4.0)
発熱・消費電力
(3.0)

スペック表
CPU名称Core i5-12400(F)
PassMarkスコア
約19,800
動作クロック2.5GHz-4.4GHz
コア/スレッド6/12
TDP65W
内蔵GPUIntel UHD Graphics 730
※末尾Fは無し
価格無印:約27,800円 ※2022年1月7日時点
F:約23,800円 ※2022年1月7日時点
購入ページ
AmazonF

2万円台の超高コスパCPU

第12世代のCore i5のK無しモデルです。残念なことに前世代から高効率コアの追加がない6コア12スレッドという構成ですが、それでも性能は2割ほどと大きく向上しており、各種性能は強化されています。相変わらずの価格の安さと電力面の強さもあり、低価格CPUとしてはかなり強力な仕上がりになっています。


Core i5-12600K(F)

ざっくり評価
コスパ
(5.0)
マルチ性能
(4.0)
シングル性能
(5.0)
ゲーミング
(4.5)
発熱・消費電力
(2.5)

スペック表
CPU名称Core i5-12600K(F)
PassMarkスコア
約27,400
動作クロック3.7GHz-4.9GHz – Pコア
2.8GHz-3.6GHz – Eコア
コア/スレッド10/16
TDP125W
内蔵GPUIntel UHD Graphics 770
※末尾Fは無し
価格K:約39,000円 ※2022年1月7日時点
KF:約37,000円 ※2022年1月7日時点
購入ページ
AmazonF
ツクモ(F)

良い意味で Core i5 とは思えない性能

第12世代のCore i5の末尾Kモデルです。高性能コア6、高効率コア4の合計10コア16スレッド構成となっています。今まではCore i5の下位モデルとK付きはコア数が変わらなかったため、Core i5の末尾Kを選ぶくらいならCore i7の安いモデルを買う方がお得でしたが、第12世代では高効率コアが4つ追加されるので、選ぶ価値が生まれています。

価格は3万円台後半とCore i5にしては高いですが、10コアで3万円台と考えるとむしろ安く感じます。性能も3万円台後半のCPUとは思えないほど高性能で、マルチスレッド性能は前世代のCore i9を上回ります。また、ゲーミング性能もCore i7やCore i9と価格差ほど変わらないので、ゲーミングコスパがめちゃくちゃ良い点は従来と同じです。

消費電力がCore i5の割には多い点は注意が必要ですが、Core i7やCore i9ほどではなく、空冷でも高性能なものなら運用可能だと思います。

高性能なゲーミングPCだとやはりCore i7以上を採用したくはなりますが、CPU単体でのコスパでは非常に良い高コスパCPUです。


Core i9-12900K(F)

ざっくり評価
コスパ
(4.0)
マルチ性能
(5.0)
シングル性能
(5.0)
ゲーミング
(5.0)
発熱・消費電力
(1.0)

スペック表
CPU名称Core i9-12900K(F)
PassMarkスコア
約41,100
動作クロック3.2GHz-5.1GHz – Pコア
2.4GHz-3.9GHz – Eコア
コア/スレッド16/24
TDP125W
内蔵GPUIntel UHD Graphics 770
※末尾Fは無し
価格K:約73,980円 ※2022年1月7日時点
KF:約71,400円 ※2022年1月7日時点
購入ページ
AmazonF

12コアによる圧倒的なマルチスレッドだけど、消費電力が物凄く多い
第12世代のCore i9の末尾Kモデルです。高性能コア8、高効率コア8の合計16コア24スレッド構成となっています。前世代(第11世代)ではCore i7との差が小さかったために微妙だったCore i9ですが、第12世代ではCore i7を大幅に上回る性能となっており、ちゃんとしたハイエンドCPUに仕上がっています。
ただし、価格が非常に高価な上、なんといっても消費電力がめちゃくちゃ多いのがデメリットです。かなり性能の良いクーラーを用意しないと性能を十分に発揮できません。出来れば280mm以上の水冷が好ましいと思います。
また、自慢の性能も大きな優位性を得られるのはマルチスレッド性能だけという点も留意が必要です。
その圧倒的なマルチスレッド性能は魅力的で、前世代までのCore i9よりは選択する価値が十分あると思いますが、デメリットの面も踏まえて検討した方が良いハイエンドCPUです。


記事はここまでになります。ご覧いただきありがとうございました。

9 COMMENTS

3DCG制作のおすすめデスクトップPC(BTO/自作)3選【Cinema 4D初心者/中級者/上級者】 | C4D STUDY

[…] 「Core i7-12700」は、シングルスレッド性能、マルチスレッド性能ともにインテル第11世代より大幅に優位です。3DCG制作をやる場合、Cinema 4D初心者でもインテル第12世代が望ましいです。参考:【第12世代と第11世代】Core iシリーズの違いは?どれが良い?【ざっくり評… […]

返信する
名無し募集中。。。

QSVのH265エンコード性能はいかがでしょうか。
4コアのi3は730のようで、QSV目的なら最適?

返信する
とねりん:管理人

H.265については検証例もほとんど見当たらなかったので、具体的な性能はわからないです。申し訳ありません。

一応予測を載せておくと、UHD 730はUHD 630と同じシェーダー数なので、恐らくそれより若干高いくらいの性能になると思います。
現在主要な内蔵GPUとしてはシェーダー数が少ないので、QSV(ハードウェアエンコード性能)の性能は低い方にはなります。なので、相対的な性能では最適とは言えないです。
H.264などでは必要十分な性能だと思うので、価格面を考慮すれば最適となるケースもあると思いますが、H.265で長めの動画を頻繁にエンコードするには向かないと思います。

返信する
ジンケタ

早速の詳しいご回答、大変ありがとうございました。
困っていたので助かりました。

なおDPポートが1.2と判明した場合には変換アダプター等で1.4にすることは可能でしょうか?

返信する
とねりん:管理人

アダプター等を利用しても、基本元の規格より新しい規格にすることはできないと思います。

Z590ならDP1.4以上には対応しているだろうと思い込んでしまっていましたが、もしかして対応していないモデルだったのでしょうか。
もしHDR対応規格が利用できない場合には、多分安価なグラボを購入して導入するのが良いと思います。
マザーボード交換でも一応対応できると思いますが、Windowsがパッケージ版以外だと認証適用外になると思うので、費用的に割に合わないです。

返信する
ジンケタ

アドバイスを頂き大変お世話になりました。
ポートの規格はインテルHp等でも記載がなく結局付けてみるしか確認しようがないですね。PCは10世代とはいえ先週到着した新品、モニターは来週到着予定の新品なので最新規格であることを期待するしかないようです。BTO初心者なので発注後に理解出来た事も多く、内臓グラボの性能がこんなにプアーだとは思いませんでした。
上手くいかなかった場合は、なるべく最新の安くて電力負担のないものを選びます。
ありがとうございました。

とねりん:管理人

マザーボードの製品名(型番)はマザーボード自体にもどこかに記載があると思いますし、BIOSやCPU-Zなどのフリーソフトなどを利用しても確認できると思うので、接続しなくても確認は可能だと思います。
また、マザーボードのI/Oポートの規格はIntelではなくマザーボードのメーカーサイトから確認することができます。製品名で検索すれば見つかると思います。

内蔵GPUも対応規格はそんなに悪い訳ではないですが、実際の接続はマザーボード自体に委ねられますから、最新規格を利用したい場合にはマザーボードの仕様には要注意ですね。

ジンケタ

初めまして。4K-HDR400で写真の静止画を見て、編集・整理(30万枚以上)する目的で以下の仕様のPCを購入しましたが、やはりグラボを追加すべきでしょうか?ゲームはしませんが動画の鑑賞はします。モニターはHDR400対応のものを購入予定ですが、少なくとも静止画ではフルにHDR機能を発揮させたいと思っています。
CPU:Core i7-10700K  Z590(チップセット)
GPU:UHD Graphics 630(内蔵グラボ)
搭載メモリ:DDR4-2666 16GB→32GB(8Gx4)
その他:500W電源、12cmラジエター水冷クーラー、1T-SSD、4T-HDD
HDR400については調べてもほとんど確かな情報に辿り付けず、困っています。宜しくお願い致します。
なお、上記PC仕様に追加・改善すべき点があったらどんなことでも結構です、アドバイスをお願い致します。

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とねりん:管理人

はじめまして。
LightroomやPhotoShopによる静止画編集であれば、一部のAI関連の処理以外はGPU性能はあまり関係無かったと思うので、該当処理を行わないならGPUは必須ではないと思います。
負荷については、PCが手元にあるなら試しに実際に処理をしてみるのが手っ取り早いと思います。
また、新たにGPUを追加するにしても、画像編集では性能はそこまで高性能で無くて良いので、新しめのものなら安いもので構わないと思います(そもそも電源容量的に上位クラスGPUは厳しい)。

HDR400はディスプレイ側のHDR性能(主に輝度)に関する規格なので、PC側(GPU)で「HDR400」に対応しているか、みたいなものは出てこないと思います。PC側で必要なのは10bit出力(いわゆる10億7300万色)とHDRに対応しているかです(10bitは多分必須ではない?と思うけど、無いと恩恵が薄いと思われるので実質必須で、HDR対応モニターは基本対応していると思います)。
UHD 630ならHDMIやDPの規格が新しいものならHDR、10bit出力、4K全てに対応していると思うので、HDR対応モニターさえ用意すれば恐らく問題ないと思います(PC側で設定は変更する必要があるかもしれませんが)。込み入った部分なので、申し訳ないですがご自分でもう一度確認してみるのが良いと思います。

4K動画もGPU(UHD 630)の再生支援を受けられるコーデックのものなら問題ないと思います。たとえば、YouTubeの4K動画は現状VP9と呼ばれるコーデックが使用されていたと思いますが、これにはUHD 630はエンコードもデコードも対応しているので、問題無く対応できると思います。

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