Intelの第10世代Coreシリーズ(開発コードネーム:Comet Lake-S)の「Core i7-10700K」と「Core i9-10900K」のざっくり評価記事です。処理性能面です。
本記事の内容は記事執筆時点(2020年5月26日)のものとなります。ご覧になっている際には異なる可能性があるため注意してください。
簡易比較表
主要な仕様をまとめた簡易比較表です。現在主要な他のミドル~ハイエンドクラスのCPUも参考に並べています。
CPU名 | プロセス ルール | PassMark | コア スレッド | クロック (定格/最大) | TDP | 参考価格 |
---|---|---|---|---|---|---|
Ryzen 9 3900X | 7nm | 32806 | 12/24 | 3.8GHz/4.6GHz | 105W | ¥62,000($499) |
Core i9-10900K | 14nm | 23586 | 10/20 | 3.7GHz/5.3GHz | 125W | ¥60,000($488) |
Ryzen 7 3700X | 7nm | 22685 | 8/16 | 3.7GHz/5.3GHz | 65W | ¥41,000($329) |
Core i7-10700K | 14nm | 19455 | 8/16 | 3.8GHz/5.1GHz | 125W | ¥46,000($374) |
Core i9-9900K | 14nm | 18927 | 8/16 | 3.6GHz/5.0GHz | 95W | ¥60,000($488) |
Ryzen 5 3600 | 7nm | 17785 | 6/12 | 3.6GHz/4.2GHz | 65W | ¥25,000($199) |
Core i7-9700K | 14nm | 14695 | 8/8 | 3.6GHz/4.9GHz | 95W | ¥46,000($374) |
Core i7-8700K | 14nm | 13864 | 6/12 | 3.7GHz/4.7GHz | 95W | ¥44,000($359) |
Core i7-7700K | 14nm | 9753 | 4/8 | 4.2GHz/4.5GHz | 95W | ¥42,000($339) |
14nmプロセスのまま
第10世代のCoreシリーズも第9世代に引き続き14nmのままです。
簡単にいうとCPUの配線の幅のこと。小さい方がスペースに余裕が出来たり複雑な配線な可能になったりなど、基本的に良い事尽くめ。
依然として、7nmプロセス採用の第3世代Ryzenとは分の悪い競争となります。Intelの14nmプロセスは既に長期に渡って製造されており、処理効率の最適化は恐らく限界に近いと思われます。そのため、放熱(耐熱)能力向上を図り、それを活用したコア数やクロックの増加で半ば無理やり性能を上げているのが現状となります。
i9は10コアに、 i7は8コア16スレッドに
前世代(第9世代)と比較すると、Core i9-10900Kはコア数が10に増え、Core i7-10700Kはコア数は変わらないものの、ハイパースレッディング仕様の8コア16スレッドとなりスレッド数が上昇しました。大幅に負けている第3世代Ryzenとのマルチスレッド性能差を、少しでも縮小しようという意図が見えます。
TDPが従来の95Wから125Wに上昇
第9世代まではIntelの末尾Kの主流CPUはTDPが95Wとなっていましたが、125Wに上昇しました。
PassMarkのスコアを見ると前世代よりは大幅な上昇にはなっています。しかし、正直第3世代Ryzenと比較するとそこまで良くも見えないのが本音です。逆に、TDPが125Wに上昇しクロックも少し上がっているのがかなり無理をしている印象を受けます。やはり14nmプロセスの限界に直面している気がしますね。
処理性能
各処理性能をベンチマークスコアで見ていきます。
シングルスレッド性能
シングルスレッド性能は、1コアでの処理性能を表します。シングルスレッド性能が高いと、軽い処理に掛かる時間が短くなる(サクサク動く)他、全コア稼働時にも当然影響がありますので、ほぼ全ての処理に対して有利に働きます。
今回は、Cinebench R20というベンチマークソフトで測定された数値で見ていきます。
CPU名称 | スコア |
---|---|
Core i9-10900K | 549 |
Ryzen 9 3900X | 518 |
Core i7-10700K | 512 |
Ryzen 7 3700X | 510 |
Core i9-9900K | 506 |
Ryzen 3 3300X | 504 |
Core i7-9700K | 500 |
Ryzen 5 3600 | 487 |
Core i5 10600K | 483 |
Core i5 9600K | 480 |
Core i7-8700K | 466 |
Core i7-7700K | 462 |
Core i9は前世代から大きめの向上、Core i7は微増
前世代から「Core i9-10900K」は約8.5%と大きめの向上で、「Core i7-10700K」は約2.4%の向上で微増でした。第9世代からトップクラスの性能を誇っていた Core i9 は第3世代の Ryzen 9 より少し上を行っている感を強めました。一方、Core i7 は Ryzen 7 に有利を取っているとも言えないくらいの差です。
また、本記事では扱わないCPUですが、何気にRyzen 3 3300Xのシングルスレッド性能が凄いですね。約1万5千円のCPUがCore i7やRyzen 7と肩を並べている異常な状況です。Ryzen 3 3300Xは第3世代Ryzenとしてはかなり遅れて登場したCPUで、改良が進んでいると考えられますが、その性能を見ても7nmプロセスの偉大さをひしひしと感じます。一応今回では Core i9とi7どちらも有利を取ったIntelですが、後に出るであろう第4世代Ryzenでは、この程度のシングルスレッド性能差は簡単に覆されそうな気がしてしまいます。
マルチスレッド性能
マルチスレッド性能は、CPUの全コア稼働時の処理性能を表します。マルチスレッド性能が高いと、動画のソフトウェアエンコード(CPUエンコード)やレンダリングなど、膨大な量の処理に掛かる時間が短くなる他、複数タスクでのパフォーマンスが向上するなどのメリットがあります。
今回は、Cinebench R20というベンチマークソフトで測定された数値で見ていきます。
CPU名称 | スコア |
---|---|
Ryzen 9 3900X | 7235 |
Core i9-10900K | 6420 |
Core i7-10700K | 4985 |
Core i9-9900K | 4896 |
Ryzen 7 3700X | 4884 |
Ryzen 5 3600 | 3746 |
Core i7-9700K | 3726 |
Core i5 10600K | 3566 |
Core i7-8700K | 3380 |
Ryzen 3 3300X | 2611 |
Core i5 9600K | 2594 |
Core i7-7700K | 2327 |
Core i9-10900K は依然 Ryzen 9 3900X に届かず
10900Kはコア数を10に増やし、 9900K からマルチスレッド性能を大きく伸ばしました。しかし、依然としてRyzen 9 3900Xに及びません。コア数が2つ負けているのでスコアで負けるのは致し方無いとは思いますが、負けているのは事実です。価格がほぼ同額なのでコスパで負けてしまいます。更に、価格はほぼ同額ながら「Ryzen 9 3900X」はそこそこ良いクーラーが同梱しますから、マルチスレッド性能コスパは 3900Xの方が明らかに良いと言わざるを得ないですね。
Core i7-10700K は Ryzen 7 3700XやCore i9-9900Kとほぼ同性能に
10700K は 9700Kからコア数は8のまま据え置きです。しかし、ハイパースレッディング採用となったのでスレッド数が16に倍増しました。これによりマルチスレッド性能を大きく伸ばしました。「Ryzen 7 3700X」や「Core i9-9900K」とほぼ同性能です。10700K の最大の競合相手となる 3700X はシングルスレッド性能でもほとんど差がありませんでした。コア数とスレッド数も同じです。同額なら性能コスパはほぼ同じレベルと言えます。
ただし、10700K はTDPが125Wなのに対し、3700X は 65W です(上位モデルの 3800X でも 95W)。消費電力については詳しくは後述しますが、10700K の方が明らかに消費電力が多いです。そのため、ワットパフォーマンスでは 3700X の方が上です。処理性能は追い付いた Core i7 も、逆にその他の不利面を大きくしていたりします。
ゲーミング性能
この項目でのゲーミング性能は、実際にゲームを起動した際の平均FPS数を見ていきます。
今回は、7種類のゲームで測定した平均FPSの数値を見ていきます。使用されたGPUは「GeForce RTX 2080 Ti」です。記事執筆時点では超高性能なハイエンドゲーミングGPUです。解像度は「1920×1080」で、その他の設定は超高品質(ウルトラ)です。測定に使用されたゲームタイトルやその他の環境は、お手数ですが記事冒頭のリンクからご確認お願いします。
CPU名称 | 平均FPS |
---|---|
Core i9-10900K | 157 |
Core i7-10700K | 156 |
Core i9-9900K | 154 |
Core i7-9700K | 154 |
Core i7-8700K | 147 |
Ryzen 9 3900X | 146 |
Ryzen 7 3700X | 145 |
Ryzen 5 3600 | 143 |
Ryzen 3 3300X | 137 |
最高のゲーミングCPU
相変わらずゲーミング性能は非常に高いです。各種のベンチマークスコアでは第3世代Ryzenに不利な立場となっているIntelですが、実測性能から見たゲーミングCPUとしては最高峰です。FPSの上下もIntelの方が安定しているようなので、ゲーム用CPUとしては最適なのはIntelの方です。
ただし、差としては各競合モデル同士の比較で1割未満です。その差自体は大きくはないです。Ryzenでも普通に使えるので、その他の優先項目も考慮して選択することになるかと思います。
レンダリング時間
レンダリングに掛かる時間を見ていきます。基本的に、レンダリングはコア数(スレッド数)とクロックが重要になる事が多いです。動画のエンコード処理なども似た傾向があります。
今回はBlender Open Dataというベンチマークソフトでの、処理に掛かった時間を見ていきます。数値が低いほど良いです。
CPU名称 | 処理時間(単位:秒) |
---|---|
Ryzen 9 3900X | 645 |
Core i9-10900K | 701 |
Core i9-9900K | 931 |
Core i7-10700K | 934 |
Ryzen 7 3700X | 972 |
Core i7-9700K | 1280 |
Core i5 10600K | 1282 |
Ryzen 5 3600 | 1338 |
Core i7-8700K | 1349 |
Ryzen 3 3300X | 1834 |
Core i5 9600K | 1891 |
Core i7-7700K | 1975 |
依然としてRyzen 9 3900Xが強い
コアとスレッド数の多さが特に重要となるレンダリング時間では、12コアの「Ryzen 9 3900X」が依然として10コアの「Core i9-10900K」よりも強いです。
Core i7-10700Kは前世代の9900Kと同程度のパフォーマンス
前世代からスレッド数が倍増した「Core i7-10700K」はパフォーマンスが大幅に向上しており、前世代の「Core i9-9900K」と同程度となっています。
その他
消費電力
ざっくりとしたシステム消費電力を見ていきます。「Blender Oepn Data(前述のレンダリング時間を測るベンチマークソフト)」を実行した際の総消費電力を見ていきます。全コア稼働時の消費電力といった具合です。数値が低いほど良いです。
CPU名称 | 消費電力(W) |
---|---|
Core i5 9600K | 143 |
Ryzen 3 3300X | 148 |
Ryzen 5 3600 | 150 |
Core i7-7700K | 152 |
Ryzen 7 3700X | 164 |
Core i7-8700K | 177 |
Core i7-9700K | 192 |
Core i5 10600K | 198 |
Ryzen 9 3900X | 231 |
Core i7-10700K | 232 |
Core i9-9900K | 236 |
Core i9-10900K | 301 |
Core i9-10900Kの消費電力がめちゃくちゃ多い
「Core i9-10900K」の消費電力が群を抜いて多いです。個人使用だと200Wを越えたら超高消費電力と言って良いレベルだと思いますが、なんと300W越え。いくらマルチスレッド性能が高くても、個人だとこの消費電力の多さはちょっと避けたくなります。
対抗の「Ryzen 9 3900X」は231Wと10700Kとほぼ同じくらいなので、マルチスレッド関連処理については実性能もワットパフォーマンスも「Ryzen 9 3900X」の方が魅力的に見えます。
Core i7-10700Kも消費電力が大幅に増加
「Core i7-10700K」も前世代の 9700K よりも消費電力が大幅に増加しています。TDP上昇は形だけではありませんでした。「Ryzen 9 3900X」や「Core i9-9900K」と同程度ですね。
他の性能を見てもそうですが、「Core i7-10700K」は「Core i9-9900K」と同じような性能をしており、廉価版の「Core i9-9900K」といった評価が個人的にはしっくりくる気がします。
クーラー
同梱クーラーについてもざっと見ていきたいと思います。BTOパソコン等では当然最初からクーラーはあるので、大して影響は無いかもしれない部分です。とはいえ、商品としてのコスパには関わる部分なので触れておきます。
CPU | 同梱クーラー | 冷却性 | 静音性 |
---|---|---|---|
Ryzen 9 3900X | Wraith Prism with RGB LED | 〇 | △ |
Core i9-10900K | 無し | – | – |
Core i7-10700K | 無し | – | – |
Ryzen 7 3700X | Wraith Prism with RGB LED | 〇 | △ |
Ryzenは付属品にしては良いクーラー付
Core iシリーズのKモデル(オーバークロック可能な高性能モデル)では、基本的にクーラーは付属しませんが、Ryzenはほとんどのモデルでクーラーが付属しています(Ryzen 9 3950Xには付属しないので注意)。また、Intelの他のクーラー付モデルのクーラーよりも性能が良いです。
「Ryzen 9 3900X」や「Ryzen 7 3700X」では、「Wraith Prism with RGB LED」というクーラーが付属しています。Ryzenシリーズの付属クーラーの中では最上位品です。冷却性能が付属品にしては良いです。TDP105WのCPUも、通常稼働には問題無いくらいの冷却性能があります。
とはいえ、「Wraith Prism with RGB LED」は「虎徹 Mark II」という約4,000円くらいで販売されている(2020年5月時点)定番の人気空冷クーラーには冷却性能では少し劣るらしいです。静音性もそこまで高くないです。過信は禁物ですが、とりあえず使えるくらいのものが付属しているという感じです。
対して、Core iシリーズのKモデル(オーバークロック可能な高性能モデル)では、別途高性能なクーラーを用意する必要があります。その分のコストが上積みされます。「Core i9-9900K」では「虎徹 Mark II」では全力での継続稼働は難しいレベルだったので、空冷だと7,000~8,000円クラスのクーラーが推奨ラインとなるかと思います。自作する際には結構な差となるのではないでしょうか。
まとめ
Core i9-10900K:少しの性能向上で高すぎる消費電力
前世代からコア数を10に増やしマルチスレッド性能が少し向上しましたが、消費電力がめちゃくちゃ増えました。水冷はほぼ必須といっても良いと思われ、それもデュアルファンの簡易水冷じゃ頼りないかもと感じるレベルです。参考記事では360mm(トリプルファン)ラジエーター搭載の水冷クーラーが使用されていました。
- 非常に高いシングルスレッド性能前世代から更に少し向上しました。もちろん主流CPUではトップの性能です。
- 非常に高いゲーミング性能最高のゲーミングプロセッサの名に恥じない性能です。唯一Ryzenよりも明らかに勝っている部分です。
- 高いマルチスレッド性能10コアとなり前世代より性能が少し向上はしました。ただし、依然としてRyzen 9には届きません。
- 非常に高価(約6万円~)
- 高すぎる消費電力300Wを上回るというとてつもない消費電力です。Ryzen 9 3900XやCore i9-9900Kでも230W程度なので、あまりに多すぎる数値です。
- Ryzen 9に劣るマルチスレッド性能未だにRyzen 9 3900Xに劣るマルチスレッド性能です。消費電力の多さやクーラー未付属の点も含め、マルチスレッド性能面ではRyzen 9に完敗です。
Core i7-10700K:Core i9-9900Kの廉価版?
8コア16スレッドという仕様と、ベンチマークスコアや消費電力が前世代の「Core i9-9900K」と似通っています。実質的には「Core i9-9900K」の廉価版という印象です。
- 高いシングルスレッド性能9900KやRyzen 7と同程度の高いシングルスレッド性能を持ちます。
- 高いマルチスレッド性能16スレッドとなり大幅に向上しました。9900KやRyzen 7と同程度の高いマルチスレッド性能を持ちます。
- 非常に高いゲーミング性能非常に高いゲーミング性能を持ちます。Core i9-10900Kとほぼ変わりません。ゲーミング性能とコスパを考えるなら、あえてCore i9-10900Kを選ぶ理由は小さいと思います。
- 高価(約4万円~)
- 非常に多い消費電力性能の向上と引き換えに、従来のCore i7よりも消費電力が大幅に増加しました。第9世代の「Core i9-9900K」や「Ryzen 9 3900X」と同程度です。従来なら、クーラーはCore i7までは「虎徹 Mark II」でも冷やせるという状況でしたが、「Core i7-10700K」では厳しいかもしれません。
消費電力の増加と引き換えの性能向上
「Core i9-10900K」と「Core i7-10700K」 双方とも、前の世代と比べると性能が向上しています。しかし、TDPが125Wに上昇し、実際消費電力が大幅に増加してしまっています。処理性能のみに目を向ければ「良くなっている」という印象を受けますが、消費電力の増加により扱いにくさが増した点を考慮すると、マイナスイメージも感じてしまいます。
14nmプロセスの限界を感じる
前述の内容でも触れましたが、14nmプロセスの限界を感じます。TDPの上昇でそれを隠しきれなくなってきてしまった、という印象を受けるのは恐らく自分だけでは無いと思います。構造を見ても、「放熱能力をなんとか向上させて、コア・スレッド数やクロック増加で半ば無理やり性能を引き上げることに注力しているのでは」と邪推してしまいます。
AMDが7nmプロセスのCPUをしっかりと形にしている中、Intelは未だに14nmが主力です。とはいえ、逆に言えば不利な14nmでも何とか食らいついている訳です。以前のIntelの一強状態による信頼感のせいかもしれませんが、14nmを越えた時にまた凄いものを出してくれるのではないか、という期待はあります。このような期待を抱いているファンは山ほど居ると思うので、次世代では10nm以下のCPUを実装し、意地を見せて欲しいなと思います。
ゲーミング性能は最高峰を維持
最高のゲーミングプロセッサを謳い続けるIntel。第10世代でも僅かに性能が向上しその地位を少しだけ上げました。ここは第3世代Ryzenに勝っている面です。ゲーミング性能特化なら未だにIntelが強いです。
また、「Core i9-10900K」も「Core i7-10700K」もゲーミング性能単体はほとんど変わらないので、コスパ的にはCore i7の方が有利です。これは前世代と同様ですね。Core i9を選択するかは、マルチスレッドが重要な処理が用途に含まれているかで判断しましょう。
Core i9-10900K は Ryzen 9 3900X に未だに不利か(ゲーミング以外)
コア数を10に増やし「Ryzen 9 3900X」に対抗した「Core i9-10900K」ですが、未だにゲーミング以外では不利に見えます。むしろ消費電力が爆発的に増加してしまった分、扱いにくさが強くなってしまったかなという印象を受けます。最低でも360mm(トリプルファン)搭載の簡易水冷くらいは用意しないと安心して使え無さそうな感じだと思いますので、正直いうと消費者向けとしてはおすすめできない…です。
ゲーミング性能に関しては第3世代Ryzenより有利ではありますが、その高すぎる消費電力を考えると「Core i7か前世代のCore i9の方が良いのでは」とすら思える仕上がりです。
Core i7-10700K は Core i9-9900Kの廉価版のような印象
「Core i7-10700K」は8コア16スレッドで「Core i9-9900K」と同様のコア仕様を持ちます。各性能スコアも「Core i9-9900K」とかなり似ています。TDP は「Core i7-10700K」の方が125Wと高いですが、実際の消費電力では95Wの9900Kと同じくらいです。それでいて価格はCore i7なので、廉価版の「Core i9-9900K」という印象です。
「Core i9-9900Kが気になっていたけど、高すぎて手が出せなかった。」という人には良い選択肢になると思います。
今回紹介したCPU
それでは、記事は以上になります。ご覧いただきありがとうございました。
毎回、見やすい記事投稿ありがとうございます。
質問ばかりになっておりますが、宜しくお願い致します。
6月中旬になり、パソコン工房さんやドスパラさんのサイトを拝見すると、intel第10世代CPU搭載のデスクトップパソコンは、Kなしの商品ばかりになっているので、お聞きしたい事があります。
新世代が出ると、このような事は良く起こるのでしょうか。それとも、10700Kだと、発熱値が高いためKなしばかりになっているのでしょうか。
9700Kと、10700だとクロックス数はさほど変わりませんが、動画編集等に関しては10700の方が動作早いですか?K付きであれば10700K選んでたのですが、売り切れてる為、より迷っております。
人によっては、intelはオーバークロックを見越して作ってあるので、k付きの方が良いとも見るので…
ちなみに、オーバークロックとは何ぞや?てくらいの初心者です。
また、管理人さんは、パソコン買う際、どこを重要視してますか?
予算は18〜20万でGPUは、2060Sもしくは2070を予定しています。
遅くなって申し訳ありません。コメントありがとうございます。励みになります。
>intel第10世代CPU搭載のデスクトップパソコンは、Kなしの商品ばかりになっているので、お聞きしたい事があります。新世代が出ると、このような事は良く起こるのでしょうか。
新世代CPU登場時にはK無しのモデルの方が先に出る、というような傾向は別にないと思いますよ。私は販売側の人間ではないので確かな事は言えないですが、登場する順番は販売側の判断か在庫状況などによるものだと思います。なんとなくですが、今回は在庫の問題な気がします。ただ、10700Kはおっしゃる通り発熱が従来のCore i7より大幅に多いです。他のK付きも従来モデルより大幅に消費電力が上昇しています。それによる安全確認に時間が掛かるため、K無しの扱いやすいモデルが先に出たという可能性はあるかと思います。
>9700Kと、10700だとクロックス数はさほど変わりませんが、動画編集等に関しては10700の方が動作早いですか?
動画編集の内容やソフトにもよると思いますが、スレッド数の多い10700の方が高負荷な処理では有利となるはずです。またソフトウェア(CPU)エンコードの時間は9700Kより10700の方が速いです。エンコードはコア数およびスレッド数が重要な処理なので、シングルスレッド性能が大差ない両者では、「8コア8スレッド」の9700Kより「8コア16スレッド」の10700の方が処理時間は短くなるはずです(9700Kで前述のオーバークロックを利用すればわかりませんが)。
>人によっては、intelはオーバークロックを見越して作ってあるので、k付きの方が良いとも見るので…
その辺りは諸説あるかとは思いますが、私はオーバークロックを見越して作ってあるというよりは、安全のためにある程度の余裕を持たせているだけだと思います。ちなみに、オーバークロックというのは、最初に設定されているCPUの動作周波数を変更して引き上げることです。オーバークロックをすると、CPUの処理性能を本来よりも少し引き上げる事が出来ますが、消費電力や発熱は当然上昇するため、それを見越して対策を行っておく必要があります。Intelの主流のCoreシリーズだと、K付きのモデルが対応しています。利用についてはこれも諸説あるかと思いますが、個人的にはおすすめはしません。
>また、管理人さんは、パソコン買う際、どこを重要視してますか?予算は18〜20万でGPUは、2060Sもしくは2070を予定しています。
重要視する点は、各パーツ毎に重要視する部分があるので、一言でいうのはちょっと難しいです。項目だけざっくり挙げると「処理性能」「排熱・エアフロー関連」「拡張性や電源」「ストレージ」といった感じになるのでしょうか。的外れな回答になってそうですみません。
記事ありがとうございます。
私は、ゲーム、DTM、動画編集を始める為にBTOパソコンを購入しようとしたら、後1週間待てば第10世代が販売されると知り、パソコン購入初心者ながら新しいものが良いに決まってると思ってました。
そして、販売されレビュー見たら発熱が高いなど一旦様子見というのを目にしました。色々調べたら余計迷ってしまっている状況です。
corei7 9700K、corei7 10700K、GPUは2060sか2070の予定で、10700K選んだ場合、クーラーは簡易水冷です。
今新しく一式買うなら、やはり第10世代がおすすめでしょうか?
1万円くらいの差が発生するので、9700Kにして、メモリを16GBから32GBにしようかと迷ったり…パソコンは、悩むと長くなりますね。
コメントではなく、質問になって申し訳ございません。
返事遅くなって申し訳ありません。質問も立派なコメントの一つですよ。ありがとうございます。新世代CPUは発売直後は価格が高いので、判断が難しいですよね…。
まず「第10世代」ということにはこだわる必要は無いと思います。
利用する立場的には、性能と消費電力以外で変わる点はほぼ無いと言って良いレベルです。一応ソケットと対応チップセット(マザーボード)が変わる点はありますが、ソケットが変わる点はPCを丸ごと買うなら気にする必要無いと思いますし、チップセットは、第10世代の400番台からPCIe 4.0に対応しますが、10世代ではCPU側が対応していないため利用できないのでほぼ無関係です。
9700Kと10700Kは、シングルスレッド性能やゲーミング性能等のその他の処理性能は、「良くなっている」とは言い難い程度の僅かな差です。
なので、9700Kと10700Kの選択は、ほぼマルチスレッド性能の必要度と価格差の兼ね合いだけになると思います。1万円の価格差なら、1万円プラスしてマルチスレッド性能を強化(記事中のCinebench R20だと約34%)する価値があるのか、といった感じですね。
最大消費電力の増加(とそれに伴う発熱の増加)については、しっかり対策できれば問題無いかと思います。水冷を導入できるBTOというと、多分サイコムかフルカスタマイズ系のところ?でしょうか。水冷が不安ということなら、多分そういうところだと、Core i7-10700も選択できるかと思うので、候補に入れてみてはいかがでしょうか(オーバークロックはできないですが)。10700は10700Kよりも定格クロックが大幅に低下しており(3.8GHz→2.9GHz)、性能も当然やや落ちますが、発熱も大分減るはずなので、空冷でも大丈夫だと思います。10世代ではありますし、10700Kよりは大分安いと思います。たとえば動画エンコードなどはコアとスレッド数が重要な処理なので、多分K付きでもK無しのモデルでも同世代のものならパフォーマンスは大差無いと思います。
ごちゃごちゃ雑に書いてしまったので、的外れな事を書いていたらすみません。
返信ありがとうございます。
簡易水冷というのは、パソコン工房様で選択できるものです。失礼かもしれまんせが、サイコム様等によりかは、多少性能的に落ちるのかもしれまんせん。
正直、スコア見ても詳しく評価できる身分では、ないので、新しい世代が発売されれば旧世代とは、相当な差が出てすぐ世代遅れになってしまうものであると思っておりました。
今回の返答を拝見し、9世代だから、これは出来ないとか無く、9世代でも十分事足りるのではないかと思いました。ありがとうございます。
お節介をかいておきながら、推測を外すという…恥ずかしい限りです。説明も下手で申し訳ないです。
ただ、第10世代CPUもマルチスレッド性能は大幅に増えているので、「相当な差」が出ていると言っても間違いではないです。とはいえ、マルチスレッド性能差(スレッド数の差)以外は「第9世代の方が明らかに劣っている!」というのはほぼ無いです。第9世代でも用途的には問題無さそうで価格が大幅に安いなら、第9世代でも問題無いと思います。
とねりん 様、記事の執筆お疲れ様です。いつも大変お世話になっております。
ついに出ましたね、第10世代インテルCPU (デスクトップ)。ざっくりと言いつつもスペックやメリット、デメリットが、素人にも分かりやすく説明されているので非常にありがたいです。
第9世代 Core iシリーズに手を出してしまい、第10世代の購入はできない状態でしたが、驚くべき進化を遂げたライバル「AMD Ryzen」にどこまで対抗できるのか期待していました。が、とねりん様のおっしゃるように、この第10世代Intel Core iシリーズは確かに前世代より性能は上がっているものの、それを実現するためにかなり無理をしているように感じます。
マルチスレッド性能はRyzen 9 3900Xに遠く及ばず、元々高めだった消費電力の大幅な上昇、第9世代より改善されているものの依然ネックになってくる発熱問題等、同じ土俵に向かおうと無理をした結果、戦う前からボロボロになっている感が否めません。シングルスレッド性能やゲーミング性能については、現状Intelがやや優位 (コアなゲーマーでなければ消える優位性) ですが、これから第4世代 Ryzenが登場することや、Ryzen (またはマルチコア / マルチスレッド) に対応・最適化されたアプリケーションやゲームが増えてくる可能性を考えると不安しかありません……。
7nmプロセスに成功し進化し続けるAMDも、未だ14nmプロセスで戦っているIntelも凄いと思うのですが、Intel CPUはこれ以上無理すると燃えるか爆発しちゃいそうなので、そろそろ次の段階へ辿り着いてほしいという気持ちが大きいです。AMD Ryzenという最強のライバルがいる今、Intelにだって長年培ってきた技術や知識、資金力があると思うので、「これがIntelだ」っていうCPUを見せてもらいたいです。次はどんなパッケージになるんでしょうか、デザインが楽しみです。
長々と変なコメント失礼致しました。
コメントありがとうございます。励みになります。
期待していた人からすればやや残念な結果になってしまったと思いますが、第9世代CPUを購入した人たちにとってはむしろ朗報だったかもしれませんね。この現状の中で、恐らく次がRyzenのターンと考えると、どれほどの差がついてしまうのだろうと心配してしまうレベルです…。おっしゃる通り、Intelにも長年培ってきた技術や知識があるはずなので、「さすがIntel」と言わせてくれるCPUを私も見せて欲しいと思います。